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2018.01.22
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カテゴリ: カテゴリ未分類
図書館で『私の貧乏物語』という本を、手にしたのです。
日本にあって中韓にない価値観としては、「清貧」もそのひとつではないだろうか♪
ということで、この本をチョイスしたのです。


【私の貧乏物語】
貧乏

岩波書店編、岩波書店、2016年刊

<「BOOK」データベース>より
非正規雇用比率が四割を越え、セーフティネットが手薄なまま多くの人たちが貧困や孤立にあえぐ日本。いま、希望とは?そして生きていくための支えとは?笑い、怒り、涙、出会い、気づき、覚悟、提言…各界の三六人による各人各様の「貧乏物語」からそのヒントをさぐるエッセイ集。

<読む前の大使寸評>
日本にあって中韓にない価値観としては、「清貧」もそのひとつではないだろうか♪
ということで、この本をチョイスしたのです。

rakuten 私の貧乏物語


内沢旬子さんの貧乏物語を、見てみましょう。
p30~35
<貯金の鬼>
 100万円を貯める。それだけを考えるようにした。100万円貯まったら、自分は自由になる。実家という牢獄から出ることができる。会社というきわめて居心地の悪い組織からも離れ、片道切符でシベリア鉄道に乗って、行方不明になるのだ。

 自由は、お金で買える。24歳の時、私は本気でそう思っていた。真の自由、となれば購えるものではないことも、もちろんわかってはいたけれど、そんなkのは机上の論理。現在自分が置かれた不自由な状況を解決するものは、お金。お金しかなかった。

 両親は私が未熟であることを理由に自宅に縛り付け干渉し続け、何かをしようとすれば激しく否定された。抗議をすれば、今も養われている立場に変わりはないとはねつけられるのであるから、養われない立場になって好き勝手に暮らそうとするのはごく自然の論理というもの。

 1ヵ月の基本給14万8000円。実家に2万円を入れた残りのほとんどを、私は貯金に回した。利率の良い会社の財形に6万円、さらに百貨店の積み立てに月に5000円。12ヵ月後には6万5000円の優待券がもらえたので、これで服代を賄った。残りは10万円貯まるたびに郵貯の定額貯金に回した。こちらも利率が5%ほどだったろうか。

 バブルと呼ばれたこの時代に、私が味わった唯一の「景気の良い」ことは、この利率の良さだけである。もし1000万円持っていたら、どれだけお金を殖やすことができるのだろう。電卓を叩いてため息をついたものだ。
 鎌倉の新興住宅地にあった実家の価格は、たった45坪の敷地のしょぼい木造住宅だというのに、1億円に届くかという上昇ぶりだった。購入価格はその10分の1くらいだったのだから、売ったらものすごい儲けになるはずなのだけど、売ってしまったら新しく住む場所を確保しなければならず・・・どうにも動きようがない。

 結局、この時代の恩恵は、余分な資産を蓄えた人にはあったのかもしれないけれど、ごく普通の生活をギリギリで送る者たちにとっては、6万円が6万5000円になるくらいの見返りしかなく、家賃や不動産価格の高騰に苦しめられていたように思う。

 しかしギリギリでもマイナスに転じない環境下にいた自分は、経済的にはまだ恵まれていたといえよう。私が通った大学のキャンパスは、渋谷にあったにもかかわらず、バブル期特有の華やかさも、あのバッグを買わねばという妙な同調圧力もなかった。そしてどういうわけか、私が顔を出していたサークルに集う学生たちは、仕送りが十分ではなくてカツカツの暮らしをしている人が多かった。
(中略)

 土日は遊ぶとお金がかかるし、家にもいたくなかったため、恩師の友人が教える大学の授業を聞きに行き、残りの時間は喫茶店でアルバイトをした。時給は700円くらいだったろうか。会社の仕事は営業経理で、楽しさも面白さもまるでわからない、苦行のような業務内容だった。しかも前任者が帳簿を合わせずにめちゃくちゃにして辞めていったため、入社して半年間は毎日3時間以上残業していた。それでも月の手取りは、アルバイトを合わせて20万円を超えることはなかった。

 衝撃だったのは、会社の先輩女性の手取りを聞いたときだった。勤続何年だったろうか、30半ばにして、30万円に達していなかった。

 横浜郊外で、バスとトイレが別の、女性が住んで安心のマンションに住もうと思ったら、10万円を切る物件はとても少なかった。これだけ働いても、それじゃあ、賃貸マンションに住んだら本当にギリギリの生活しかできないし、そこから家やマンションを買おうと思ったって、まるで無理ってことじゃん・・・どうしたらいいわけ???

 男女雇用機会均等法は施行されたばかりで、一般職と事務職という言葉の違いは知っていた。けれども待遇にこんなふうに差がついていくなんて、それが独立できるかどうかを左右するなんて、何もわかっていなかった。自分は本当にバカだったと思ったけれど、もう遅い。男女平等なんてまるでうそっぱちだ。

 大学を出るときには自分とまったく同じ能力の男性が、同じ会社に入っても入口が違うだけで、片方は独立して暮らせるだけの右肩上がりの給金を手にしてゆく。こちとら、同じ右肩上がりといっても角度が違う。定年退職まで勤めたって月に30万もらえるのかどうか。しかも30すぎればババアと陰口を散々叩かれる。

内沢さんが「男女雇用機会均等なんてまるでうそっぱちだ。自分は本当にバカだった」と悔やんでいるが・・・ニッポンの限界を見るようです。

内沢さんの新著『漂うままに島に着き』によれば、内沢さんは小豆島に移住したようです。

【漂うままに島に着き】
漂う

内沢旬子著、朝日新聞出版、2016年刊

<商品説明>より
乳がん治療の果てに、離婚をし、一人暮らしを始めた著者。しかし、東京のせまいマンション暮らしが我慢できなくなり、地方移住を検討し始める。香川県の小豆島に移住を決め、引っ越しを終えてからの折々の心境の変化をつづった地方移住顛末記。

<読む前の大使寸評>
Ⅰターン先としての小豆島・・・いいんじゃないでしょうか。
内沢さんは癌治療中の身であり、また身辺整理の思いもあって小豆島に移住したそうだが・・・
癌で胃を全摘した大使にとって、内沢さんの生き方には切実な関心があるわけです。

<図書館予約:(10/27予約、4/25受取)>

rakuten 漂うままに島に着き
『漂うままに島に着き』3 byドングリ



『私の貧乏物語』1 :湯浅誠
『私の貧乏物語』2 :星野博美





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Last updated  2018.01.22 00:24:05
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