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2018.04.03
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『身体のいいなり』という本を手にしたのです。
内澤旬子さんの闘病記であるが・・・
胃の無い大使にとって、がんには切実な関心があるのです。



身体

内澤旬子著、朝日新聞出版、2010年刊

<「BOOK」データベース>より
腰痛、アトピー性皮膚炎、ナゾの微熱、冷え性、むくみ…著者がずっと付きあってきた「病気といえない病気」の数々。ところが、癒治療の副作用を和らげるために始めたヨガがきっかけで、すっかり体質が変化し、嗜好まで変わってしまった。不思議に仕事も舞い込むようになり、いまさらながら化粧の楽しさに目覚めてしまう。そして乳腺全摘出を決断。乳房再建手術の過程で日頃考えたこともなかった自分の「女性性」に向き合わざるを得なくなりー。ベストセラー『世界屠畜紀行』の著者が、オンナのカラダとココロの不条理を綴った新境地エッセイ。

<読む前の大使寸評>
胃の無い大使にとって、がんには切実な関心があるのです。

rakuten 身体のいいなり


内澤さんの入院生活を、見てみましょう。
p50~55
<とにかく慣れろ、慣れるしかない入院手術生活>
 入院は十日前後と聞かされていた。なにが一番の打撃かというと、院内でパソコンをオンラインで使うことが難しいということだった。癌だからとはいえ、すぐに死ぬかどうかもわからないのだから、今の少ない現金収入とて断ち切るわけにはいかない。

 もうがんばらずに済むと思いつつも、仕事のことを考えてしまうのだから、我ながらどうしようもない貧乏性だと思うが、初期の癌なんて、ぼんやり治療に専念するほど治療が忙しいというわけでもないのだ、これが。暇な時間があるなら仕事して稼いだ方がいいに決まってる。ならばッパソコンをオンラインにしておきたい。

 2005年5月当時の私は携帯電話のメールも使っていなかったし、携帯電話からウェブサイトに入って、パソコンメールをチェックすることもできなかった。唯一できたのは、携帯電話とパソコンをつないで、受信メールをダウンロードするという方法。
(中略)

 手術前の検査が終り、麻酔医からの説明を受けながらも、これからなにが起きるのか、いまいちピンとこない。彼らにすれば毎日のルーティンワークなので、あまりにも普通に話すため、聞いていてもどうしてもたいしたことない気がしてしまうのだ。なにがつらいのか、想像できない。麻酔が万一失敗した場合の話も聞かされるが、そのときはそのときだとしか思えなかった。
(中略)

 手術当日の朝は、全身麻酔手術のために朝食はない。前日午後9時から水分の摂取も禁じられる。朝食はなくても体温測定のために6時半には起こされる。先生方が出勤してくるまでは暇だった。
 手術は午後2時前後からだ。10時過ぎからまた改めて麻酔医の説明を受けたりと、準備がはじまる。浣腸して腸内の便を出す。全身麻酔手術には欠かせない作業のようだ。浣腸剤を入れてからなるべくトイレに行くのを我慢したほうが中身が綺麗に出るとのことで、三分我慢と言われたが、とても我慢できなかった。

 麻酔は、手術する箇所によって入れ方が違うものらしい。カーテン越しの会話から推察するに、腹部を手術する患者は、腰あたりの脊髄になにやら刺している風情であったが、私の場合は胸部なので鼻の穴から通した管を嚥下して、喉までずずっと突っ込まれる。いきなり身体が不自由になってもうすぐ手術するのだという実感が湧いてくる。しゃべると吐きそうになるのでせっかくう来てくれた配偶者ともあまり話はできなかった。それから筋肉注射をして、点滴を入れてとなると、もうまな板の上の鯉である。

 手術室に運ばれるあたりからころりと意識がなくなり、あとはいきなり夜中、である。途中何度か朦朧としたまま先生になにか言われたりしたようなのだが、よく覚えていない。夜、猛烈な不快感と拘束感とともに目覚める。

 何時かもわからない。手も足も動かせない。尿道には管が挿してあって、尿を自動排出している。あとからわかったのだが、この管がひきつれていて身体の向きを変えることもできなかったのだ。膝下にはいわゆるエコノミークラス症候群予防で、空気圧でマッサージする器具が巻きつけてある。これがまたビニール素材の感触も、シュコーッシュコーッという音も、大変不快なのである。
(中略)

 それにしても長い夜だった。カーテン越しに部屋が白っぽく明るくなってきたときには、心からホッとした。朝になれば、管や器具がすこしは外れ、身体の痺れから解放され、なにより迅速病理診断の結果を知ることができる。リンパ節への転移があったのかどうか、その結果、リンパ節を切除したのかどうかがわかる。


気になるリンパ節の切除であるが・・・幸運にも切除せずに済んだようです。
ショージ君のガン入院の顛末が ガン入院オロオロ日記 で見られます。(こちらのほうはやや能天気でおます)
『身体のいいなり』1





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Last updated  2018.04.03 21:54:40
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