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2018.05.26
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カテゴリ: 気になる本
図書館で『悪貨』という本を手にしたのです。
おお 島田雅彦の経済小説ってか・・・
なんか場違いな感じがするのだが、まず読んでから評価してみましょう♪





島田雅彦著、講談社、2010年刊

<「BOOK」データベース>より
20××年、鑑定のスペシャリストすら欺くほど精巧な偽札の流通で、ハイパーインフレに陥っている日本―。偽札流通を促した疑惑のかかる、天才マネーメイカー・野々宮冬彦は、カネに支配されない世の中を築くべく、途方もない計画に着手する。カネの根本の価値を覆そうとする男の運命の向かう先とは!?

<読む前の大使寸評>
おお 島田雅彦の経済小説ってか・・・
なんか場違いな感じがするのだが、まず読んでから評価してみましょう♪

rakuten 悪貨


中国のブラックマネーあたりを、ちょっとだけ覗いてみましょう。
p14~19
<3 銭洗い弁天>
近年、テロや麻薬取引の取り締まりを強化するため、マネー・ロンダリングの規制は厳しくなっていたが、いつの時代にも抜け穴はある。とりわけ、中国の金融業界は抜け穴天国で、日本にも巨大なブラックマネーが流れ込んでくる。

 日本企業も中国の企業や銀行、政府系金融機関に続々、買収されている。その中には日本の生産業を代表する自動車会社や旧メディアの象徴でもある新聞社やテレビ局も含まれている。買収劇の裏でも汚れたカネが動いている。また、北朝鮮に流れたカネは軍備の増強にも用いられているようだ。

 そうした情報は噂の域を出ないとか、陰謀説を唱えたがるアングラ・ジャーナリズムのデマだといって、一蹴する政府関係者もいたが、この種の情報の8割は真実だ。マスメディアは社会不安を引き起こすことになるのを恐れ、そうした情報には極力触れないようにしてきた。マスメディアの及び腰に乗じて、アングラ・ジャーナリズムが「衝撃の真実」を煽り立てるのだが、いかんせん、彼らが書きたてることにはあらかじめ「ガセネタ」のレッテルが貼られている。

 日本経済の沈没を避けるためには、金融犯罪の摘発にいっそうの力を入れなければならない。去年の暮れ、警視庁捜査二課の捜査員たちに大号令がかけられた。それを受け、捜査二課では暴力団や投資家から集めたカネを洗浄する組織の監視を強化していた。その組織を率いているのは、宝石店オーナーという表向きの顔を持った張燕燕(52歳)だった。
 海外の銀行や投資家、マフィア、武器商人、インドや中国、ロシアの富豪、さらにはバチカンの枢機卿やユダヤ教のラビ、イスラム教の聖職者にいたるまで、幅広いネットワークを持つ彼女は、金融の世界では「銭洗い弁天」の異名を取っていた。

 祖父は有名な書家で、父親は作家協会の重鎮、そして叔父は共産党の幹部という血統の良さから、張燕燕に対する各界の信用は厚かった。金融の世界にあって、育ちの良さは必要不可欠な要素だ。世間では、育ちの良い方々は確実な儲け話にしか手を出さないと思われているし、彼らが関わっているとなれば、虚構や妄言もまことしやかな儲け話に見えるようなのだ。

 瀋陽に本店を構えた遼寧飛躍銀行ノプライベート・バンキング部門の責任者と手を組んだ燕燕は、資金洗浄や節税をしたい顧客のために個人口座を作らせる。外国人向けの個人口座は事実上タックスヘイブンなので、税金逃れにはうってつけだ。

 銀行はその預金を運用し、顧客に毎月50パーセントの利益を保証している。1秒間に150回もの為替取引が可能なソフトを利用することで、高い運用実績を出しているのだ。その口座に振り込まれたカネは人民元建ての預金となる。基本、人民元は中国国外では使えないことになっているが、遼寧飛躍銀行が発行したデビットカードがあれば、その都度、人民元の預金から円やユーロなど必要な外貨に両替えして、引き下ろすことができる。そのカードは、日本や欧米資本の銀行では使えないが、コンビニや空港にあるATMでは24時間、使うことができる。
(中略)

 脱税に関しては国税庁が目を光らしているが、警視庁捜査二課では、この銀行には汚れたカネも流れ込んでくると見ていた。暴力団が麻薬取引で稼いだカネ、盗品を売りさばいて作ったカネ、テロリストに供与される資金も、この銀行を経由することで、清められているのではないか、と。もちろん、汚れたカネに手を出すのはリスクが高いので、銀行側も慎重だ。大使館がその資金源のチェックをしているらしいが、お目こぼしもあるのではないか? 銀行はリスクを冒す分、金利を低く、手数料を高く設定する。だが、元々、汚れたカネだから、顧客は手数料が高くても、利回りが悪くても、せっせと預金に励む。銀行はそのカネをせっせと投資や融資に回す。結果的に、日本の隠し所得やアングラマネーが中国の経済成長に大いなる貢献をすることになってしまう。

 あるいは、最近、報告された闇金融の手口にはこんなケースが目立つ。
 ホームレスなどから戸籍を買い、その人物を社長に仕立てて会社を興し、通帳の記録や納税証明などすべてを偽造し、政府系の金融公庫からセーフティネット貸付で9千万円を借りる。そして、半年後に会社を倒産させ、その資金を海外に持ち逃げする。同じ方法で何社も会社を興しては国庫のカネを引き出し、外国の銀行で運用するのである。このようにして、中小企業の育成のために用意された政府予算の千九百億円もざるの目からこぼれおちるようにアングラマネーと化して、海外の銀行に流出してゆく。

 警視庁捜査二課の精鋭捜査官たちはそうした悪質な金融犯罪を見過ごすまいと、秘密裡に証拠集めを急いでいた。
(中略)

 日笠警部は、エリカを呼び、こう告げた。
 ー今回のミッションは「銭洗い弁天」に資金洗浄を頼んだ顧客たちと懇意になることだ。タイミングよく張燕燕の宝石店では女性店員を募集している。内情を探るには君が店員に採用されるのが一番手っ取り早い。すぐに履歴書を用意して、面接に行ってくれ。


ウーム ガードが甘い政府系の金融公庫が狙い目なのか・・・
しかし、悪どい稼ぎは中国人に敵うわけないで。





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Last updated  2018.05.26 00:05:02
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