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2023.08.04
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カテゴリ: メディア
「BOOK」データベースに、ハルキの謎にせまる、愛に満ちたブックガイド・・・
とあるので、復刻して読み直してみよう♪
*********************************************************
図書館で『空想読解なるほど、村上春樹』という本を、手にしたのです。
このところ村上春樹関連の本を集中的に読んでいるいるのだが・・・
ツボが疼くとでもいいましょうか♪





小山鉄郎著、共同通信社、2012年刊

<「BOOK」データベース>より
青いティッシュペーパーはなぜ嫌いか?青豆はなぜ生き延びたのか?あの青いあざとは何か?『ノルウェイの森』刊行時唯一のインタビュアーであり、『アンダーグラウンド』刊行を特報した著者が、ハルキの謎にせまる、愛に満ちたブックガイド。

<読む前の大使寸評>
このところ村上春樹関連の本を集中的に読んでいるいるのだが・・・
ツボが疼くとでもいいましょうか♪

rakuten 空想読解なるほど、村上春樹


第11章で『国境の南、太陽の西』が語られているので、見てみましょう。
p162~166
<「歴史」の「青」、そして「昭和」の終わり>
 さて『国境の南、太陽の西』と『ねじまき鳥クロニクル』を貫く「青」について紹介してきましたが、その「青」が村上春樹作品の中で、いったいどんな意味を持っているのかということを、考えなくてはなりません。

 村上春樹作品にとって「青」とは何か。またこの章が長くなりそうなので、結論を先に記しておきましょう。村上春樹作品にとっての「青」、それは「歴史」または「歴史認識」というものを示す色なのでないかと私は考えています。

 その村上春樹作品にとって「青」と「歴史」の繋がりについて、具体的に挙げてみたいと思います。まず『国境の南、太陽の西』です。「僕」が37歳となった時、嶋元さんが青山のジャズ・クラブに訊ねてくるのですが、この時、僕はカウンターに腰掛けて、本を読んでいます。

「何を読んでいるの?」と彼女は僕の本を指さして言った。
 僕は彼女に本を見せた。それは歴史の本だった。ヴェトナム戦争のあとに行われた中国とヴェトナムとの戦争を扱った本だ。彼女はそれをぱらぱらと読んで僕に返した。
「もう小説はあまり読まないの?」


 その後に、新しい小説はほとんど読まなくなってしまった僕と、「新しいのも古いのも。小説も、小説じゃないものも」読んでいるという島本さんの話がしばらくあるのですが、私はこの場面は、新しい小説を「僕」があまり読まなくなってしまったことよりも、「僕」が「歴史の本」を読んでいることに注目すべき場面だと思っています。

 なぜなら『国境の南、太陽の西』という小説自体が「歴史」を描いた物語だからです. この作品の主人公の命名は村上春樹作品の中でも非常に変わったものでう。同作の書き出しはこうです。

 僕が生れたのは1951年の1月4日だ。20世紀の後半の最初の年の最初の月の最初の週ということになる。記念的にいえば記念的と言えなくもない。そのおかげで、僕は「始(はじめ)」という名前を与えられることになった。

 村上春樹は登場人物の名付けに非常にこだわる作家ですが、冒頭で、その名前と由来が示される長編はこの作品だけではないかと思います。
 そして、「僕」と島本さんが箱根で激しく結ばれた後、島本さんが忽然と消えてしまうのは、二人が37歳の時です。

 計算してみると、それは1988年のことです。年号でいえば昭和63年のことです。昭和64年は実際にはわずか7日で終わってしまいます。ですから昭和63年というのは、もうすぐ昭和が消えていくという年なのです。
 つまり『国境の南、太陽の西』は20世紀の後半の最初の年に生れた「始」が、ほぼ「昭和が終わる」までの日本社会を生きていく小説となっているのです。
(中略)

 計算してみると、二人が12歳の時とは、つまり1963年のことです。「1963年」は、この本でも何度も記しますが、村上春樹にとって、原点ともいうべき年です。

「ケネディー大統領が頭を撃ち抜かれた年」。「僕」や「鼠」や「左手の小指のない女の子」が集う「ジェイズ・バー」が「僕」の「街」にやってきた年。そのころからヴェトナム戦争が激しくなった年です。『風の歌を聴け』の「僕が寝た三番目の女の子」で、21歳で死んでしまった彼女が「人生の中で一番美しい瞬間」の年でもありました。

 つまり、ここで「僕」と「島本さん」が語っているのは、、単に12歳から37歳までの二人の別れと再会の話ではありません。「僕」と「島本さん」が、じっと手を握りあった12歳の頃から、日本は山を崩して、海を埋め立てて、高層アパート群を建てるというような計画を進め始めました。そのような「昭和」という時代がまもなく終わろうとしているのです。そんな日本の「歴史」が語られているのです。少しの飛躍があることを知って記すのですが、私は「島本」さんの名前は「島国日本」の省略形だろうと考えています。


ウーム 1963年は村上春樹にとって原点ともいうべき年だったのか・・・
太子の場合はその頃は、バブルに煽られて懸命に会社人間を務めていたような気がします。

『空想読解なるほど、村上春樹』5
『空想読解なるほど、村上春樹』4 :佐々木マキさんのマンガ
『空想読解なるほど、村上春樹』3 :ブーメラン的思考
『空想読解なるほど、村上春樹』2 :ジョージ・オーウェルの「カタロニア賛歌」
『空想読解なるほど、村上春樹』1 :惑星直列…まえがきにかえて





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Last updated  2023.08.10 01:03:08
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