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2024.12.23
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カテゴリ: メディア
今ではテレビ番組でコメンテータとして売れている女史であるが・・・
エッセイから対談本、文明批評など、何でもこなすのがスゴイ♪
調べてみると、この本を取り上げるのは3度目となっております(忘れんとってや)

*********************************************************
図書館で『江戸の想像力』という本を、手にしたのです。
江戸の想像力もさることながら・・・
想像力を膨らませて、この本を書ききる著者のガムシャラな筆力に驚くのでおます♪

ところで、この本にはデジャブを感じて借りたのだが、帰って調べると3ヶ月ほど前に借りていたのです(またか)





田中優子著、筑摩書房、1992年刊

<「BOOK」データベース>より
近世的なるものとは何だったのか―。平賀源内と上田秋成という同時代の異質な個性を軸にしながら、博物学・浮世絵・世界図・読本といったさまざまなジャンルの地殻変動を織り込んで、江戸18世紀の外国文化受容の屈折したありようとダイナミックな近世の〈運動〉を描いた傑作評論。1986年度芸術選奨文部大臣新人賞受賞作。

<読む前の大使寸評>
ぱらぱらとめくってみると、思いのほか画像の多いのが楽しい本である。
この本のデータは1992年刊の文庫本のものだが、借りたのは1986年刊のハードカバーでした。

amazon 江戸の想像力


「第1章 金唐皮は世界をめぐる」の冒頭から、見てみましょう。

<第1章 金唐皮は世界をめぐる>
 江戸に「きんからかわ」というものがあって、世界をめぐりめぐったすえ、刀がなくなって腰のあたりがすーすーする明治の男たちの腰を飾った。

 もっとも、明治になる前からもう男たちの腰は空しかった。鉄砲用の火薬は使いどころが無くなり、男たちの身体から射撃されるかわりに、両国橋の花火となって炸裂した。刀は腰にさびついて、鞘は単なる腰の飾りとなった。そして、どうせアクセサリーならもっと飾ってやろうと、印籠には根付や緒締めの玉を細工し、煙草入れや巾着には15世紀イタリアのルネッサンスと、17世紀ヨーロッパのバロックと、18世紀フランスのロココとを、オランダを介して持ち込んだのだった。

 江戸の男を18世紀末のピーコックにしたのは、東インド会社という、アギーレをサラリーマン化したような連中だった。むろん彼らはピーコックになるひまがなかった。日本からきんきらきんの皿や壷を積み出し、帰りにデルフトの応接間の壁から「きんからかわ」を剥ぎ取って来るので忙しかった。

 「きんからかわ」は「金唐皮」と書く。「金唐皮」とは、その研究の第一人者である徳力彦之助氏に拠って出来るだけ正確に表現すると、タンニンでなめした皮革に接着塗料を塗って合金の箔を貼り、金属に彫った型でプレスしてエンボス(浮き出し)を作り、さらにその上から塗料で彩色等をほどこして壁材などに使用したもの、である。

 このうちのどれが欠けても偽物であるが、江戸における金唐皮を語ろうとすると、多くの偽物について語ることになる。

■世紀末天明様態
 ここで話は変わる。山東京伝は天明の洒落本に『通言総籬』というのを書いた。黄表紙『江戸生艶気樺焼』が受けに受けたので、同じ主人公に洒落本という別のジャンルにも出演してもらったのだった。

 その黄表紙界のスター・艶二郎は、『通言総籬』で頭のてっぺんから足の先まで、「天明ぶり」という華麗にして遊惰、安逸、骨なしのファッションで登場したのだった。

 黒茶の小紋が入った黄八丈の着物に、お納戸茶の帯をしめ、黒八丈のずらりと長い羽織をひっかける。八丈の下には、さらに舶来広東縞の着物、さらにその下には紺螺鈿絞りの襦袢を着けて、下からは花色縮緬の裾廻しがちらりと見えるしかけ。頭巾を襟巻にして、吉原の通人用の草履を穿き、黒皮の足袋をつける。

 梅花形の模様のついた脇差を差し、諏訪町の有名理髪師に額の毛を抜かせて、広くなったおでこを見せながら、当時はやりの本多まげを結い上げる。さかやきはもちろん剃って二日目、この日がいちばんキマるのだ。

 艶二郎の本多まげは、天明の男たちの流行の最先端である。堅気の人々はしぶい顔をして、これを「疫病本多」と呼ぶ。髪の毛をわざわざ少なくするからである。眉毛は、男も剃って細くする。これを「かったい眉毛」という。「かったい」とは「癩」と書く。ハンセン氏病のことである。帯は極細で、これも嫌悪をこめて「首つり帯」と呼ばれる。

 羽織はあくまでも長くだらしない。織り方は縮緬と八丈が流行った。小袖は黒、帯は緋、その他は鳶色と鶸茶色の使用が群を抜いていた。刀は完全に装飾品となり、細みの大小が好まれる。そして男女とも面を包む頭巾が用いられた。

 こういうわけのわからないファッションには、いつの時代でも、眉をひそめる人がいるものだ。あるひと、怒り心頭に発してこう書かずにはいられなかった。

天明年中、おろかなる弱輩もの、かくのごとく流行るなれど、心有る人達は流行姿に心を移さず。皆小家の供侍、または軽き御家人、町方は職人等の手下、おろか者の致せし事、(『宝暦現来集』)


昨今の男性のヘアファッションだって、相当に疫病がかっているけどね。


『江戸の想像力』4 :金唐皮は世界をめぐるp3~7
『江戸の想像力』3 :日本人のアジア交易pi~vi
『江戸の想像力』2 :江南から日本列島への亡命者p134~137
『江戸の想像力』1 :中国文化、特に中国版画p95~97

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■2019.06.28XML
『江戸の想像力』4
https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201906280002/





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Last updated  2024.12.23 00:05:18
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