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日本残酷物語(1)(著者:宮本常一・山本周五郎・楫西光速・山代巴 監修|出版社:平凡社) さまざまな世界のことが書いてあり、「貧しき人々のむれ」に属する人々のことが、時代を問わず書いてある。 執筆者が持ち寄ったものを、編集部で整理したということだが、書かれた原稿そのままのほうが資料としてはよかったのだが、そうすると、膨大な分量になってしまうのだろう。 農村や炭坑の人など、朝暗いうちから夜暗くなるまで働いて、子供も何人も作るというのがすごい。特に農村では、男は何里も歩いて夜這いに行くわけで、たいへんな体力だと思う。 最も心に残ったのは、炭坑の女性の生活である。精神的にも肉体的にもぎりぎりの生活だったのではないだろうか。 監修者に山本周五郎が入っているのが不思議だ。
1996.07.14
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中国、一九〇〇年 義和団運動の光芒(著者:三石善吉|出版社:中央公論新社・中公新書) キリスト教の千年王国というのがよく分からないので、著者の言う中国文化の千年王国というのが何なのかよく分からない。 義和拳と梅花拳の関係についてはわかりやすい。ただ武術に関するところでは、楊名時の本の引用など、ちょっと違うなと感じるところもある。また、武術に関する中国の資料は「武術大全」だけらしい。 数字の表記は、2000、500などとしているが、171ページにだけ「七十一歳」という表記があった。また、「一八魁」「北京の五五日」などは、それで一つの名詞なのだから、それぞれ十八、五十五とすべきではないか。また、「千年王国」は「一〇〇〇年王国」としなければ統一がとれないのではないか。 「いわば非日常の世界に生きているのであって、この非日常性を共有していない者には、彼らの言語は通じない」という文が印象に残った。
1996.07.04
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