まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2008.05.20
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現実に存在しているドミトリーとして、


ドミトリーの生活にふさわしい人たちとして考えられるのは、
ニート、フリーター、シングルペアレントとその子供たち、そして老人など、
収入が少なく、社会のシステムからはじき出され、
低コストな生活を余儀なくされている人たちが挙げられるかもしれません。

けれども、わたしが考えているドミトリーは、
かならずしも福祉施設のようなものではありません。
特定の種類の人々を社会から機能的に分離するという発想は、貧困です。

かえって社会から排除された人々の吹き溜まりのようになりかねない。

わたしは、
ドミトリーのような生活環境を望む人たちが、
いわゆる社会的弱者のような人たちである、との想定はしていません。

たとえば、正規の社員として企業に勤めている人たちの中に、
あるいは、家族とともに暮らしている人たちのなかにさえ、
「家事負担を減らしたい」「生活コストを軽減させたい」
「それによって余暇の時間を増やしたい」と思っている人がいるかもしれない。
他方で、生活の孤独や不安を解消したいと思っている人もいるかもしれない。
高度にプライバシーを追求しすぎた果ての寂しい人生よりも、
色々な人たちと人生を分かち合う気ままな生活を望む人もいるかもしれません。


公費によって運営される社会福祉施設ではありません。
だから、もともと、
収入の無い人ばかり集まっても、ドミトリーは経営的に成立しない。
さまざまな形で、メンバーから運営資金が集められなければ成り立ちません。
収入のある人たちが、メンバーの中に含まれていなければいけません。


たとえば、ニートの人たちには、ドミトリー内の家事業務全般に従事してもらう。
シングル・ペアレントの人たちは、子育てや家事をドミトリー内で分担することで、
余った時間をパート労働などに当て、その賃金の一部を納めてもらう。
老人にも子育てや家事を手伝ってもらい、また、年金の一部をも納めてもらう。
正規の職業を持っている人たちは、家事に従事する割合いが少ない分、
他のメンバーよりも多く現金を納めてもらう。

そして、ドミトリーへの様々な貢献のしかたを、
たとえば地域通貨のような共通の価値媒体を使って対等に「交換」する
ということです。

もっとも簡単なやり方は、
ドミトリー内の家事業務をこなしたり、現金を納めたりするたびに、
メンバーに「ドミトリー・ポイント」のようなものを加算する、という方法です。
その場合、期間内に一定以上のポイントを獲得しないと、
ドミトリーに居住し続けることができない、ということになります。


何度もくりかえしますが、
わたしがここで書いている「ドミトリー」というのは、理論上のものです。
だから、現実にはほとんど存在しないものだと思います。
「学生寮」や「母子寮」といった具体的な例を出すと、
あたかも、自由やプライバシーを制限され、快適さの追求を断念させられた、
質素で、窮屈な生活環境をイメージする人もいるかもしれません。
しかし、それは既存の「寮」のイメージから得た固定観念にすぎません。

わたしの考えているドミトリーは、そういうものとは関係ありません。

(つづく)


















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最終更新日  2008.06.02 18:50:42
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