まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2019.08.07
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カテゴリ: NHK大河ドラマ
遅まきながら「いだてん」の第29話。

演出は、第一部でストックホルム編を担当した西村武五郎。



今回は、
「なぜ田畑政治がメダルの獲得にこだわったか」を、
当時の日本の暗い世相に絡めて物語っていくという趣向でした。
(すくなくとも、クドカンの意図はそうだったと思う)

田畑は、

そのためには、選手を使い捨てることも厭わなかった。

その田畑の残酷なまでの意志を、
選考から外されていく高石勝男(斎藤工)の物語と対比しながら、
描こうとしたようなんだけれど…

残念ながら、いまひとつ心に響いてこない。
なぜなら、この高石という人物に共感するための準備がないからです。

これまで何のストーリーも描かれてこなかった人物に、
いきなり共感しろといわれても無理ですよね…。
伏線がなさすぎる。
この人に共感するための事前の伏線がもっと必要だったはずです。

観ている側としては、

なぜ周囲の仲間が彼に同情するのかも分からないし、
本人の苦悩を共有することもできません。



どうも、こういった点で、
演出家は、脚本の読み込みが浅い気がします。


どんなカットが必要で、どんなカットが不必要かを、
結果から逆算して考えることができていない。
ひとつの印象的なカットを加えるだけで物語が意味を帯びます。
その工夫が不十分だと思う。



噂によると、NHKは、
視聴率を回復する目的で脚本を改変したりしてるらしい。

そんな浅はかなことをすれば、内容が悪くなるのは当然です。
本来の脚本の意図や、全体の有機的な繋がりが失われますから。

ストックホルム編もやや失速したけれど、
ロサンゼルス編もまた失速してしまいそうです。





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最終更新日  2024.06.20 17:11:42


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