まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2022.05.02
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亀鳴くやお辞儀が深いグラウンド 抱きしめた子の髪ふわり菖蒲の香 尾を張って猫も眺める鯉のぼり 飛び石の蛙声静まる靴の音 竹割つて垂直線のこどもの日 函嶺のスイッチバック朝燕 暁光や桜隠しの五稜郭
プレバト俳句。
お題は「ゴールデンウィーク」。

なかなか勉強になりましたが…

勝村政信が出場する回は、
彼に対する評価の是非にかかわらず、
いつも内容がハイレベルになりがちですよね。
解説も、ちょっと難しいことが多い。


「昭和の日」「憲法記念日」「みどりの日」までが春の季語、

知りませんでした…。



キスマイ横尾。
函嶺 かんれい のスイッチバック 朝燕



※「箱(はこ)の山」=「函(はこ)の山」ですね。


スイッチバックするほど急峻だってことですが、

なんとなく字面からも、
北海道の「函館」のイメージなどが相俟って、
いかにも寒冷・峻厳な山のように見えてくるし、
それがまた朝燕の清々しい映像と響き合ってます。



高橋真麻。
抱きしめた子の髪ふわり 菖蒲 しょうぶ の香
抱きしめる子に菖蒲湯の香のほのか
(添削後)

中七の「ふわり」は、
下五の「香」と重複した無駄な音数合わせの感がある。

まあ、
添削の「ほのか」も音数合わせには違いないけど、

やはり風呂上がりだと明示したほうがいいですね。



ぼる塾田辺。
亀鳴くや お辞儀が深いグラウンド
亀鳴くや お辞儀の深きグラウンド
(添削後a)
亀鳴くや 一礼深きグラウンド
(添削後b)

口語で「お辞儀が深いグラウンド」と言うと、
え?どゆこと?グラウンドさんがお辞儀してるの??


なぜか文語で「一礼深きグラウンド」と言うと、
情景も見えてきて不思議と成立してしまう感じはある。

季語の「亀鳴く」は知りませんでしたが、
のどかな春の昼、あるいは朧の夜の描写だそうです。



勝村政信。
飛び石の蛙声 あせい 静まる靴の音
飛び石をゆけば蛙の声やみぬ
(添削後)

出ましたっ、
芭蕉の「古池や蛙飛びこむ水の音」のパクリ判定っ!

…まあ、勝村に対する評価が、
一般の出場者よりも厳しめってのはあると思います。

一読したときには、
とくにパクリだとは感じなかったのですけど、
たしかに、添削句と比べてみると、
原句がつまらないパロディに見えてきますねw

…それはそうと、



芭蕉の原句も原句で、
「水のない池があったら持って来いっ!!」とか、
「音のしない飛び込みがあったら持って来い!!」とか、
総じて「水の音のしない池の飛び込みがあったら持って来い!!」とか、
下五の必要性に疑問を感じるところはありますし…

本当に《名句》と呼びうるのか怪しい面がありますw
わたしなら芭蕉の句にボツッ!!



梅沢富美男。
暁光や 桜隠しの五稜郭
桜隠しや 暁の五稜郭
(添削後)

季語ではない「暁光」を上五で切って強調し、
下五にも重みのある「五稜郭」を置いた結果、
中七の季語「桜隠し」が埋没してしまった、とのこと。

これまた、なかなか高度なダメ出しです。

その理屈は分かるのですが、
あらためて原句と添削句を見比べてみても、
ちょっと甲乙つけがたい気はします…。



中田喜子。
竹割つて垂直線のこどもの日
竹を割る垂直線や こどもの日
(添削後)

これも、
原句と添削句の優劣を判断するのは、
正直、なかなか難しいと思うのですけど、

ワンカットで穏当にまとめるよりも、
ツーカットに分けることによって、
あえて二物の衝撃性を強調すべきってことでしょうね。



中川翔子。
尾を張って猫も眺める鯉のぼり
尾を立てる猫よ 鯉のぼりは風に
(添削後)

才能ナシの35点って、
ちょっと厳しめの評価だとは思うけど、
たしかに、いろいろ欠点はあるのですよね。

上五の助詞「て」は、
経緯の説明っぽいし、動詞の主語も曖昧なので、
まずは「尾を張った猫」として動作主体を明確にすべき。

また、
中七の助詞は「も」である必要性がないので、
ふつうならな「猫の眺める」とすべきですね。

尾を張った猫の眺める鯉のぼり

ただし、
「張った」と過去形にするよりも、
「張る」と現在形にしたほうがいいし、
そもそも「尾を張る」という独特な表現の是非も問われますし、
「張る」「眺める」「のぼる」と動詞が多いのも欠点かもしれない。

さらにいえば、
猫の低い視界から考えると、
高所にある鯉のぼりに関心を示すのは不自然に思えるし、
かりに関心をもったとしても、
大きくゆらめく鯉のぼりに警戒こそすれ、
尻尾を立ててゴキゲンになるとは考えにくいのですよね。

つまり、ここで詠まれてる情景ってのは、
作者が頭のなかで空想しただけの、
現実味の乏しいファンタジーじゃないかと思います。

…ってことで、
先生の添削では、
この嘘っぽい因果関係を断ち切って、
2カットの取り合わせに直しています。

ちなみに、作者自身は、
猫と鯉の両方に掛けて「尾を張る」としたらしいので、
※助詞の「も」を使ったのは、たぶん「猫も鯉も尾を張る」の含意だったのでしょうね。
添削句では、動詞を用いずに、
風を吹かせることで鯉のぼりの尾を張らせています。




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最終更新日  2022.05.02 15:05:59


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