まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2022.08.21
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カテゴリ: NHK大河ドラマ
鎌倉殿の13人。


毎週欠かさず見ていますけど、

もうねえ、ひどすぎます…。
なんなんでしょうねえ。

いや、
脚本が悪いとか演出が悪いとかの話ではなく、

史実そのものがひどすぎるのよ。



…今更ではありますが、


最初から最後まで、ずっと内ゲバですよね。

平家と戦ったのは義経ただ一人で、
あとの連中は、ずっとひたすら内ゲバだけをやっている…。

頼朝が生きている間は、兄弟同士の殺し合い。
頼朝が死んで以降は、御家人同士の殺し合い。

いったい何やってるんでしょうか??

…って気持ちになる。

この無意味な殺し合いの果てに、
現在の鎌倉が存在しているのかと思うと、
なにやらモノノアワレを感じずにはいられません。



今年のはじめにNHKで放送された「鎌倉殿サミット2022」で、

鎌倉幕府のことを 「広域暴力団・関東源組」 だと言ってたけれど、
その意味がいよいよ分かってきました。

まさしく、これはヤクザの話。
親分の座を奪い合うだけの内部抗争の歴史。


上方出身の源氏がもたらした殺し合いの習癖だとは思うけど、
それがいつしか義理堅い東国の武士にまで伝播してしまった。

こんなこといつまでやってるんでしょうね…。
本当にひどすぎます。



序盤にこのドラマの感想を書いて以来、
ずっと取り上げられずにいたのは、
自分の気持ちが追いつかないのもあったけど、
脚本家・三谷幸喜の意図をつかみ切れずにいたから。

もともと史実がそういう話だから仕方ないけれど、

なぜ三谷幸喜は、
こんなヤクザ連中の話を書こうとしたのか?
そして、なぜ頼朝の役は大泉洋だったのか?
という点に、わたしの関心がありました。

以前から、三谷幸喜は、
大泉洋のことを 「受けの俳優」 だと評していた。

すなわち、
能動的ではなく、受動的な人物を演じるべき俳優。
いつも周囲の状況に振り回されるトホホな役回り。

実際、頼朝の残虐性は、
はたして、主体的なものだったのか、
あるいは、やむをえない状況判断にすぎなかったのか、
そこがある種のブラックボックスになっていて、
つねに自分の意志とは逆のことをしていたようにも見える。

本意ではないのに、上総広常を殺し、
本意ではないのに、弟の義仲を殺し、
本意ではないのに、甥の義高を殺し、
本意ではないのに、弟の義経を殺し、
本意ではないのに、弟の範頼を殺していたようにも見える。

織田信長のような「能動的な残虐性」とはちょっと違う。

かりに、
いかにも悪人らしい悪人なら、
こうした残虐性も理解できるのだけど、

なまじっか親しみやすいキャラの大泉洋だけに、
しかも、
ちょいちょいコミカルな演出が入るだけに、
その見かけに反する残虐性に困惑してしまうのです。

それにくらべれば、
菅田将暉のクレイジーさのほうが、まだしも理解しやすかった。

まあ、
鎌倉時代の武人たちのロジックを、
現代のわれわれが理解できないのは当たり前なのだけど、

その不可解さが、
いわく言いがたい気持ち悪さとなっており、
その気持ち悪さこそが、
安易な共感を寄せつけない歴史のリアリティとなっており、
それこそが本作の醍醐味にもなっている。

>>鎌倉殿による12人殺し



思い返せば、
自分の孫を殺した伊東祐親も理解しがたかったし、

さらには、
新垣結衣が演じた八重もまた、
孫のことを殺し、
自分のことまで殺そうとした父に対して、
なぜ最後に温情をかけようとしたのかが不可解で、

ドラマのヒロインという体裁ではあったものの、
かなり理解しがたいキャラでした。



とはいえ、

頼朝が生きているあいだは、
まだしも坂東武者たちへの共感は可能だったのよね。
味方同士で殺し合うことへのためらいがあったから。

しかし、いまとなっては、
もはや共感できる人物はほとんどいません。
かろうじて共感できるのは政子ぐらいでしょうか?

義時も、完全にダークサイドへ堕ちちゃった。

だいいち、
頼朝や頼家に毒を飲ませたのも、
義時なのかもしれないし…。

小栗旬もまた、大泉洋とおなじく、
能動的なのか、受動的なのかがよく分かりませんが、
それゆえに、
大泉洋と同じような気持ち悪さが募っていくはずです。

いずれは政子も闇堕ちしていくのでしょうか?



でも、今にして思えば、
三谷の最初の大河「新選組」も、
関東出身のヤンキーの内ゲバの話だったのよね(笑)。







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最終更新日  2024.06.17 19:31:04


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