まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2023.03.01
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カテゴリ: 東宝シンデレラ
NHKみんなのうたで、水嶋凜の「サクラノカケラ」が放送中です。2~3月は斉藤由貴の「ポケットの中で」もアーカイブ放送されていて、母娘の曲が同時期に取り上げられている形。NHKスタッフのちょっとした遊び心かもしれません。森山良子&直太朗とか、矢野顕子&坂本美雨とかでも、同様のことがあるのかしら?
編曲は前作の「予感」にひきつづいて武部聡志です。作詞の奥村健一は、2017年に上白石萌音(当時はポニーキャニオン)の「あなたの声」を書いた人で、これもNHKみんなのうたでした。門脇康平によるアニメーションは、あきらかに「卒業&ポニテ」をテーマに制作されてます(笑)。

前作の「予感」のときの凜のボーカルは、いかにも"手嶌葵風"のブレスが多い歌い方で、本人も「母親の色気のある歌声とは違う」と割り切ってたし、武部からも「エアリーな歌声」などと言われていたけれど、今回は、一か月あまりのミュージカル公演を経て、やっぱり歌声に力強さが加わってて、ちゃんと母親譲りの色気も感じさせます。もともと声が似てるし。そして何より、佐久間誠のメロディと武部のアレンジが壮大だから、そのまんまドラマとかアニメの主題歌にでもなりそうな仕上がりですね。


母娘の曲が同時期に放送中。



実際のところ、今後はアニメなどの主題歌を担当する可能性も十分にある。凜は、いちばん好きなアニメが高橋留美子の「犬夜叉」だってのに、武部から話を聞くまで母親が「めぞん一刻」の主題歌を歌っていたのを知らずにいたらしく、これには思わずズッコケましたけど、凜が好きな「犬夜叉」の殺生丸が「半妖の夜叉姫」にも登場してるんだから、adieu(上白石萌歌)がその主題歌を担当したことはさすがに知ってるでしょう。東宝の女優は、一貫して高橋留美子のアニメに縁があります。


それぞれ局も制作会社も違うのだけど、斉藤由貴は「めぞん一刻」 (フジテレビ・キティフィルム) の主題歌を、上白石萌音は「境界のRINNE」 (NHK・小学館集英社プロダクション) の主題歌を、上白石萌歌は「半妖の夜叉姫」 (読売テレビ・サンライズ) の主題歌を歌っている。これが必然なのか偶然なのかは知りませんが、もとをただせば「東宝とキティ」の、そして「由貴ちゃんと高橋留美子」の関係にはじまってるんじゃないかしら?


もっとも「めぞん一刻」の話が母娘のあいだで共有されてなかった点から察するに、じつは由貴ちゃん自身はあんまり高橋留美子の漫画に興味がなかったって疑いがあります(笑)。いくら漫研部長だったといっても、あらゆる漫画に興味をもってたわけじゃないだろうし、むしろ人並み以上に嗜好が偏ってた可能性のほうが強いわけで、由貴ちゃんの好みがもっぱら萩尾望都とか安彦良和とかだったとすれば、仕事の上では「野球狂の詩」や「スケバン刑事」や「めぞん一刻」に関わっていても、じつは水島新司や和田慎二や高橋留美子にはさして興味がなかったかも…という疑いは消えない(笑)。上白石姉妹も、仕事としてアニメのテーマ曲やアフレコを担当してはいるけど、読書家である反面、ほとんど漫画を読まないことで知られています。

(ジブリにも劣らぬ) 超時代的なポピュラリティがあるのでしょうね。

ちなみに、由貴ちゃんは目下、長男の影響で「呪術廻戦」の五条悟に夢中だとのことです。

ご多分に漏れず、凜のほうはジブリも好きなわけで、そもそも芸名を「千と千尋」のリンから採ってるわけだし、武部の番組でも「アリエッティ」の曲を選んでたし、たぶん手嶌葵が好きなのも「テルーの唄」あたりからなのだと思う。でも、そのわりに「コクリコ坂」や「アーヤ」の音楽を武部が作っていたのを知らなかったとかいう話(笑)。その様子だと、由貴ちゃんが昔、ジブリのスタジオを訪ねて高畑勲と宮崎駿にインタビューしたことも知らないんじゃないかしら?谷山浩子が「テルーの唄」から「コクリコ坂」の挿入曲まで作ってることも、凜はあんまり意識していないかも。
その反対に、手嶌葵が歌った「さよならの夏」を由貴ちゃんがカバーしたのも、娘の趣味とは何ら関係がないのかもしれません(笑)。

とはいえ、このたび凜が公開したプレイリストには、やっぱりジブリ関連の曲がいくつか含まれています。
春一番/キャンディーズ
サクラノカケラ/水嶋凜
卒業/斉藤由貴
さすらいのソフィー(ハウルの動く城)/久石譲
風になる(猫の恩返し)/つじあやの
Les rues de Paris(Au Service De La France)/Nicolas Godin
Take on Me/a-ha
Beautiful Day/U2
ピースサイン(僕のヒーローアカデミア)/米津玄師
上を向いて歩こう/坂本九
4:00A.M./大貫妙子
ふたたび(千と千尋の神隠し)/久石譲

ジブリ以外の曲は、ジャンルも時代もてんでバラバラで、やけに縦横無尽なセレクトに思えるけど、実際に聴いてみると不思議に違和感がないのです。これがサブスク世代の選曲ってやつ?! a-haの「Take on Me」なんかはラ・ラ・ランドとかで知るのかしら?
このなかでニコラ・ゴダンの曲が気になって調べてみたら、フランスの「シークレットサービス~マル秘ミッション」とかいうドラマの音楽でした。萌歌も「アメリ」とか「ミッドナイトインパリ」とか、フランスを舞台にした映画の3拍子の音楽を選ぶけど、ちょっと趣味が似てるかもしれません。ジブリの「ハウル」のテーマ曲も、まごうことなきワルツですね。

凜は「家では漫画を読ませてもらえなかった」と言ってますが、結局は母親ゆずりのアニメ好きになっている。そして、萌音・萌歌はほとんど漫画を読まないけれど、むしろハードな漫画まで好んでるっぽいのが浜辺美波です。北川悦吏子の「ウチカレ」に美波が出演したのは、佐藤健が「あいつは本物のオタクだ」と太鼓判を押したから。さらに、昨年末のドレミファドンを見てたら、山崎紘菜もかなりのアニメ好きらしくて、やはり美波と同じく「チェンソーマン」が好きなようです。

そして、もうひとつ最近わかったのが、浜辺美波とアニメ声優人脈がひそかに繋がってたという事実。先月の「おしゃれクリップ」で、浜辺美波と佐倉綾音との親交が明かされました。神木隆之介が2人を繋いだそうで、たぶん2019年の「屍人荘の殺人」の頃からですね。そして、この人脈が禰豆子役の鬼頭明里にまで繋がっていることが分かったのだけれど、じつはこれが芹澤優の人脈にも非常に近い!ただ、いまのところ美波とセリコに直接の面識があるかどうかは分かりません。
ちなみに由貴ちゃんは、NHKの「さんま紅白」のときに甘露寺蜜璃役の花澤香菜に会えて大喜びしてたけど、セリコ経由なら禰豆子にも会えるかもよ。

わたしは去年からずっと、萌歌と凜の関係が気になってるのだけど、それにくわえて美波とセリコの関係も気になっています。いずれにせよ、ここ数年のあいだに美波が「陰キャ」から「陽キャ」へ劇的に変貌したのは、このアニメ声優人脈との交流の賜物だったように思う。




えーと、何の話だっけ?
…水嶋凜の話ですね。

由貴ちゃんも子供のころにピアノをやってたはずだけど、凜もやはりピアノを習っていたらしいです。なので、それなりに音楽の素養があって譜面も読めるのかもしれません。ピアノの上にいちご水のグラスがあったかどうかは知らんけど。さらに、由貴ちゃんは新婚時代にしばらくアメリカで過ごしましたが、凜も16才ぐらいのときに一年間アメリカに留学したそうです。なので、プロフィールには英検2級とありますし、日常会話ぐらいは出来るんじゃないでしょうか? 東宝の女優は英語を話せる人が多いよね。先日のクイズ番組では、山崎紘菜がTOEIC800点だと言ってました。


それから由貴ちゃんは、凜に合唱もやらせていたらしいのです。由貴ちゃん自身が、子供のころから合唱をやっていたんだろうとは思っていました。昔の本を読むと、クリスマスのデパートで教会のキャロリングに家族で参加したとか書いてあるから、きっと聖歌隊みたいな活動に加わっていたものと思っていました。
ところが、先日の「新美の巨人たち」を見ていたら、なんと山下公園の氷川丸に毎週通って合唱の練習をしていた、とのこと。いままで聞いたことのない話です。つまり、それって「横浜少年少女合唱団」に所属してたってことでしょ? そう考えると、由貴ちゃんも、凜も、けっこうちゃんと合唱をやっていたわけですね。たんに声が似てるだけでなく、そういう文化的なバックグラウンドが共有されている。母娘の歌声が似てくるのは、そういうことでもある。




なお、横浜のヨルノヨを取材した「新美の巨人たち」はクリスマスの放送だったこともあって、冒頭にサラ・マクラクランの 「Christmas Time Is Here」が流れてたけど、あれって由貴ちゃんの選曲でしたか? 猫の手も借りたいのテーマ曲はデヴィッド・ベノワの「Linus & Lucy」でしたが、どちらもヴィンス・ガラルディのスヌーピーソングだよね。

もうひとつ、はじめて知ったことといえば、フランク・シナトラの話です。最近の由貴ちゃんがシナトラを愛聴してるのは次女の影響だと話してたから、てっきり浜辺美波の「崖っぷちレストラン」あたりを見てシナトラを聴き出したのかと思ってたのだけど、凜の話によると、由貴ちゃんは昔からクリスマスとかにシナトラをよく聴いていたのだと。凜も、武部の番組でそんなシナトラのクリスマスソングを選曲していました。そういえば、由貴ちゃんのお父さんは、クリスマスにアンディ・ウィリアムスをよく聴いていたのよね。
まあ、基本的に、この家族の人たちは、往年のアメリカのミュージカル映画みたいな暖かで華やかな世界が好きだよね。それは、信仰の影響とか横浜の土地柄とかもさることながら、やっぱり由貴ちゃんのお母さんから受け継いだ嗜好なのでしょう。リアル「コーダ あいのうた」みたいな女性なのですから。



さて、前置きだけで半分以上も費やしましたがww
先日、由貴ちゃんの『何もかも変わるとしても』が再発されました。

これがファムファタルから発表されたのは2011年なので、それから12年ぶりの再発になります。発売日の2月21日は、デビュー曲の「卒業」が38年前に発売されたことにちなんでるけど、今回の再発そのものは、むしろ凜のデビューが契機になってるといったほうがいい。
わたしは、音楽活動再開後の曲のなかで、辛島美登里がつくった「手をつなごう」がもっとも好きだったのですが、ここに来て由貴ちゃんがメディアでこの曲を取り上げていることが、ほんとうに嬉しい。このアルバムでタイトル曲に相当するのは大森祥子が作詞した「永遠の人」なのだけれど、それ以外にも、本作には亀井の曲とか谷山の曲とか遊佐未森の曲とかケセラセラのカバーとか話題性のある曲が多くて、当時のメディアでもそこらへんを紹介することが多かったから、そのなかで「手をつなごう」はちょっと埋もれがちだったのよね。でも、この曲の美しさは、由貴ちゃんのディスコグラフィのなかでも屈指のものだと思っていました。だから、アルバムに収録されたっきり忘れ去られるのは勿体ないと思っていた。
その「手をつなごう」が、たまたま凜の歌声が入っていたこともあり、期せずして12年ごしに日の目を見ている。辛島美登里はこの状況に気づいているかしら? ちなみに由貴ちゃんは、この曲には「長女だけが参加している」と言ってましたが、わたしには長男くんの声も入ってるように聞こえるんだけど…違います?(笑) クレジットは「由貴ちゃん家の子供たち」となってるよ。いずれにしても、この曲は(おそらく家族のことを描いた歌ではありながら)、いろんな人にカバーされてもよさそうな普遍性があるし、ついでにいうと、辛島美登里も鹿児島出身なので、彼女の音楽が上白石姉妹にまで結びついたらいいなあと期待したりもします。

それにしても、このタイミングで『何もかも変わるとしても』の再発を思いついたのが現マネージャーなのだとしたら天才的ですね。逆にいうと、このタイミング以外にありえなかったかもしれない。

厳密にいうと、このアルバムは、2010年のクリスマス前(12月20日)に先行発売されて、翌2011年のバレンタインデー(2月14日)に一般発売されました。そして、ちょうどそれに挟まれた1月9日に第7回東宝シンデレラが開催されています。萌音・萌歌や美波や紘菜はそこでデビューしたのです。グランプリの萌歌は10才でした。凜も同い年だから当時10才だったのですね。それから学年は一つ下だけど、美波も10才だったし、ついでにいえば、次のシンデレラになる福本莉子も10才だった。
それから12年が経ったわけですね。もちろん震災から12年ということでもある。その年の3月に震災があって、東宝は7月に「復興へのメッセージ~"いつか"プロジェクト~」を公開しました。萌音と萌歌が東宝のタレントになって最初に歌った曲は、由貴ちゃんの「いつか」だったわけです。

12年って長いのか短いのか分かりませんが、萌音・萌歌・美波・紘菜・莉子は現在のような活躍ぶりだし、水嶋凜もデビューして、やっぱりいろんな意味で一回りしたのだなと思う。

わたしはもともと「手をつなごう」が好きだったけど、それ以外の曲はけっこう久しぶりに聴きました。「のらねこ」とか「かくれんぼ」とか「折り合い」とかは三連符の曲で、あらためて由貴ちゃんの曲ってジャズやブルース風のものが多いんだなと気づかされる。武部が作曲した「うた」は、アイドル時代の最後に武部がつくった「Who」のアンサーのようにも聞こえるし、大森祥子が書いた「永遠の人」は、今聞くとなおさら「家族の食卓」のアンサーになってると感じさせる。

亀井登志夫がみずから編曲した「予感」を聴いたのも久しぶり。当時は正直、武部のオリジナルアレンジの刷り込みが強すぎて、この亀井の新しいアレンジがいまいちピンと来なかったのだけど、今回あらためて聴いたら、なんだか涙があふれるほど感動してしまった。音質が向上したせいもあるかもしれないけど、うまく理由を説明できません。武部や亀井がそれを意識してアレンジしたのか分かりませんが、なんとなく2つの編曲には「横浜駅の変遷」が重ねられるようにも思える。

亀井登志夫といえば、凜バージョンの「予感」が出たときに、とくにコメントとかは出さなかったけれど、じつは市村のレストランに亀井と許瑛子が集って、凜の話題でひとしきり盛り上がったみたいです。

▶ https://ameblo.jp/kyoeiko/entry-12756346175.html

許瑛子は、とくに第2回東宝シンデレラの小高恵美にたくさん曲を書いた人ですね。由貴ちゃんには「What」の1曲しか書いてないけれど。かたや亀井登志夫は、由貴ちゃんにはたくさん書いてるけど、小高恵美にはまったく書いてない。そんな別チームの2人がなぜ市村の店で落ち合うのかというと、もともと許瑛子は、康珍化や亀井との縁で作詞家になったんだそうです。
ちなみに康珍化は、由貴ちゃんに曲を書いたことはありませんが、市村や長谷川康夫とは年齢も近くて同じ早稲田出身だから、もしかしたら面識があるのかな…なんて憶測もしています。由貴ちゃん絡みでいうと、金子修介と野田秀樹と許瑛子の関係なんかも気になるんだけど、その話はまたいずれ。
話がどんどん脱線しますが、小高恵美といえば、去年から「デビュー35周年記念プロジェクト」なる企画が進行中で、今年はなにやら怪獣映画にも主演するらしい。監督は「ネズラ」を撮った横川寛人です。金子修介も大映のガメラを平成になって復活させた人だけど、横川寛人も大映の怪獣になるはずだったネズラを令和に復活させた人(笑)。とはいえ、小高恵美はあくまでもゴジラ女優だと思うので、次回作で横川寛人が復活させるのは、おそらく東宝系の怪獣じゃないかしら?


えーと…「予感」の話でしたね!(笑)

いまや「予感」には、オリジナルの武部アレンジと、亀井アレンジと、凜バージョンの武部アレンジがあります。
凜バージョンの武部アレンジは、まるで由貴ちゃんの過去の曲のサウンドのエッセンスを、いろいろと散りばめながら組み合わせたようだった。つーか、絶対そうでしょ。「いちご水」や「3年目」のようなピアノの音も聞こえるし、「千の風音」や「体育館は踊る」のような弦楽のサウンドも聞こえるし、最後のほうには「風・夢・天使」のオルガンのような低音も聞こえます。「卒業」のイントロや、「月野原」のメロディが、どこかしらに入ってる気がしなくもない。「土曜タマ」のようなサウンドの遊びや、「さよなら」や「ひまわり」に通じるようなビート感も感じます。

凜バージョンの「予感」で、いわゆるジャケ写 (配信の場合もそう呼ぶの?) の撮影をしたのは齋藤清貴でした。アイドル時代の由貴ちゃんの写真のほとんどを彼が撮ったわけですが、武部のアレンジャーとしてのキャリアと同様に、齋藤清貴の写真家としてのキャリアも斉藤由貴から始まったといって過言ではない。つまり、市村も、武部も、齋藤清貴も、凜にとっては「親戚のおじさん」みたいな感じなのですね。

凜のドラマデビュー作になった「直ちゃんは小学三年生」も、あとになってTVerの再配信で見たのですが、あそこで凜にキャッチャーの役を当てたスタッフも、きっと由貴ちゃんのドラマデビューが「野球狂の詩」だったことを意識したんでしょうね。「母親がピッチャーだったから、娘にはキャッチャーをやらせよう」的な。NHKの朝ドラ「ちむどんどん」では、あきらかにスケバン的な役だったし(笑)。人知れずそういうネタを考えるおじさんやおばさんたちが、業界のなかにたくさんいるんだろうと思う。


その一方、凜の「予感」のMVのほうは、美大で映像を専攻していた凜が自分でディレクションをしました。赤いラインの銀色電車も出てくるのですが、さすがに東横線じゃありませんよね。わたしは鉄オタじゃないので、どこの車両か分からないけど、ネットで写真を見くらべたら、いちばん似てるのは京成電鉄かなと思う。

凜は「和装が好き」「京都が好き」「和風建築が好き」と言ってて、インスタには浴衣の写真もアップされています。このMVでは和装こそしていませんが、やはり全体的に懐かしい和のイメージで、由貴ちゃんの曲でいったら「ぴいひゃら」や「少女が春の縁側で」 (夏だけど) の雰囲気に近い。わたしは、プライベートの由貴ちゃんに和装のイメージがあまりないのだけど (子供のときの七五三みたいな写真しか思い浮かばない)、 和モノが好きな凜の感性は、ズルっとした格好で異国的な横浜の町に馴染んでいた母親の嗜好とはすこし違っています。凜は、母親の新品の浴衣を盗んで自分のものにしたと書いてましたが、逆にいえば母親があまり浴衣を着ないのかもしれません。

由貴ちゃんは、かつて長女のことを「傍若無人な女王さま」みたいに言ってたから、どんなにか我が強い女の子なのだろうと思っていました。弟の分まで平気で奪って食うとかいう話だったし、シンデレラどころか意地悪姉さん的なキャラクターを想像していたのよね(笑)。でも、実際の凜は、予想に反して、だいぶおっとりしていて、京都風のはんなりした文化が好きらしいし、ミュージカルの公演中は「凜デレラ」とも呼ばれていました。どうして子供のころは、あんなにも母親とバトっていたんだろうか?母親のほうに問題があったのでは? 血液型は由貴ちゃんと同じB型なんだけどね。ちなみに浜辺美波や福本莉子もB型だから、東宝の女優はB型率が高い。



さて、凜の話はここまでにして。

このたび再発された『何もかも変わるとしても』には、予約特典として3曲のライブ音源を収めた「YUKI SAITO 2021~2022 SPECIAL LIVE CD」が付録されています。
こちらの ビクターの公式ページ にはまだ曲目が掲載されていませんが、こっそりネタバレすると「金色の夜」「Woman」「Sweet Memories」の3曲です。この付録CDは濃密でした。1986年に「土曜日のタマネギ」と「かなしいことり」をカップリングにした12インチシングルも濃密な1枚だったと思うけど、それに匹敵する内容だと感じます。50代も半ばになって、こういうものを出してくる斉藤由貴はただものじゃない。
2017年の風街ライヴで由貴ちゃんが「情熱」を歌ったとき、由貴ちゃんのファンではない人たちまでが衝撃を受けて「まるで空間が歪むようだった」なんて感想をネットにあふれさせてたのを思い出します。まさに、この3曲を聴いているあいだ、わたしの部屋の空間が歪むような感じがする。ある意味では、ちょっと怖いのだけど、そのくらい濃密な恋の表現なのよね。こういう表現をするときの斉藤由貴は尋常ではない。
1曲目の「金色の夜」は、2021年のクリスマスの音源だと思うけど、そのときすでに上田知華が亡くなっていました。でも、一般に公表されたのは翌年の4月だったから、由貴ちゃんもそれを知らずに歌っていた可能性が高い。
2曲目の「Woman」は、言わずと知れた薬師丸/松本/ユーミンの曲だけど、由貴ちゃんが薬師丸の曲を歌ったのはこれが初めてだろうと思う。ユーミンの曲にかんしては、デビューのときのテスト歌唱で「時をかける少女」を歌ったらしいのだけど、長岡はまだそれを公開してませんよね。松本との対談では「ダンデライオン」が好きだとも言ってたけど、それも歌ったことはないと思う。上白石萌音は、すでに「Woman」も「ダンデライオン」も歌っているけれど。
3曲目の「Sweet Memories」は、これも言わずと知れた聖子/松本/大村の曲。おそらく昨年末の音源だと思います。やはりデビューのときのテスト歌唱で、由貴ちゃんは松田聖子の「夏の扉」と「Sweet Memories」を歌っていて、その音源はすでに長岡が公開してます。「夏の扉」を作曲したのは財津和夫だけど、編曲したのは大村雅朗ですから、その意味では大村に関係する作品を2曲はカバーしたことになる。なお、由貴ちゃんの『ripple』には、Special Thanksとして大村雅朗の名前がクレジットされてますが、たんにハワイのスタジオに居合わせただけで、由貴ちゃんの作品への音楽的な関わりはひとつもなかったはずです。 谷山浩子バージョンの「MAY」は大村の編曲です。

念のために繰り返しますが、このライブ音源を収めた付録CDはあくまでも予約特典なので、これから購入しても手に入らないんだろうと思います。あしからず。

先日の武部のラジオでは、2年後の40周年なんて話も出てましたが、ひきつづき厳選したライブ音源や映像を公開する企画にも期待してます。




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最終更新日  2024.06.18 11:48:55


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