まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2024.07.17
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カテゴリ: NHK大河ドラマ
NHK「光る君へ」の第27話では、

お上 (塩野瑛久) が、
母の詮子 (吉田羊) へ怒りをぶつけました。

> 朕も母上の操り人形でした!
> 父上から愛でられなかった母上の慰みもので御座いました!


お上が、
こういう思いを露わにしたのは初めてなので、
けっこう驚きです。

ネットでは、



これって、とても現代的な問題だなと思う。

息子を思いのままにコントロールしようとした結果、
本人の主体性を奪い続けるって話。

母親は、
息子をペットのように可愛がることで、
夫に愛されない性的なフラストレーションを解消してる。
その意味では、
娘を性的に支配しようとする父親と同じ動機をもってる。

父親は娘を肉体的に支配しようとするかもしれませんが、
母親は息子を精神的に支配しようとするのでしょう。




それを「愛情」だと言い張るでしょうが、
いわば相手の気持ちを考えないストーカーの心理と同じ。
息子から見れば、たんなる迷惑でしかない。

とはいえ、母親である以上、
息子としては、それを無下にも出来ないから、

大人になってもなお縛られつづけることになる。



一方の母親は、
自分の罪にまったく無自覚なのよね。

愛情さえあれば、
すべての行為が免罪されて正当化されると思ってる。
そういうところもストーカーの心理に似てます。

あるいは、
自分も親から同じことをされてきたから、
自分も子に対して同じことをする権利と資格がある、
と考えるのでしょう。

その結果、
最後には、息子から激しく憎悪される。

母親は、
それを死ぬ間際になって突きつけられて狼狽し、
最愛の息子に憎まれながら死ぬ。



一般に、
「親の心子知らず」とは言うけれど、
それはあくまで親の側の言い分であって、
実際には親もまた子の心を理解していない。

母親は、
息子の態度を「甘え」というでしょうが、
じつは母親自身も息子に依存して甘えている。

息子を思いのままにコントロールすることが、
唯一の生き甲斐になってしまう。

とくに現代では、
核家族化と少子化が進んで、
一人の息子や一人の娘に依存する親が多いから、
これは、けっして過去の話じゃありません。


皇子 みこ さまのご誕生、まことにおめでとう御座います。
ありがとう御座います。

皇子さまはいずれ東宮となられる身。お上のように優れた男子に育っていただかねばなりませぬ。

朕は、皇子が私のようになることを望みませぬ。朕は、おのれを優れた帝だとも思ってはおりませぬ。

なんと…。私が手塩にかけてお育て申し上げたお上です。優れた帝でないはずは御座いませぬ。

朕は、中宮ひとり幸せには出来ぬのですよ?

それは、そもそも、あちらの家が…。

朕は、母上の仰せのまま生きてまいりました。そしていま、公卿たちに後ろ指をさされる帝になっております。

ですから、それは伊周らが悪いのです。中宮も、お上のご寵愛をかさに着て、いい気になりすぎたのですよ!けっしてお上のせいでは御座いませぬ。

こたびも、母上の仰せのまま左大臣の娘を女御といたしました。されど、朕が女御を愛おしむことはありますまい。

いいかげんに中宮に気をお遣いになるのはおよしなさいませ!

そういう母上から逃れたくて、朕は、中宮に救いを求め、のめり込んでいったのです。すべてはあなたのせいなのですよ!

お待ちください。お上はそのように、この母を見ておられたのですか?私がどれだけ…どれだけ辛い思いで生きてきたか。

もうお帰りくださいませ。

私は、父の操り人形で、政 まつりごと の道具で、それゆえ私は…。

朕も、母上の操り人形でした。父上から愛でられなかった母上の慰みもので御座いました!

そのような…私は…。

女御の顔を見てまいります。母上のお顔を立てねばなりませぬ故。



詮子は、
嫁である中宮・定子に冷淡な態度を取りつづけ、
さらには、
詐病を使って呪詛を自作自演し、中関白家を排除した。

本人はよかれと思ってやったことだろうけど、
それが結果的には、
息子の人生を破壊してしまったと言っていい。

しかし、母親はその罪にまったく無自覚なのです。

愛情さえあれば、
自分の行為は免罪されて正当化されると思ってる。
あるいは、
自分も親から同じことをされてきたから、
自分も子に対して同じことをしようと考える。

そして、最愛の息子に憎まれながら死ぬ。







そもそも詮子は、
定子の産んだ皇子を東宮にする気があるのでしょうか?

いくら気に入らない嫁の子だとはいえ、
さすがに自分の孫を呪詛したりはしないだろうけど、

でもねえ。
甥っ子を追放するくらいだから、
なかなか予測できない面もある。

なお、
道長の娘である彰子を入内させて中宮にし、
「一帝二后」にするという策略は、
ドラマでは安倍晴明の発案ってことになってますが、
史実では詮子の関与もあったっぽい。




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最終更新日  2024.07.17 12:19:24


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