彰子が4月13日、内裏から道長の邸である土御門殿に退出すると、23日には安産を祈願するための法華三十講がはじまった。そこから5月22日までの30日間、朝夕2回の法要が営まれた。その間、5月5日に行われ、女人成仏の功徳が説かれるなどした「五巻日」は特に重要視され、道長の日記『御堂関白記』によれば、多くの公卿が出席したという。また僧侶の数は143人におよんだという。
藤原実資の日記『小右記』によれば、8月17日には土御門殿の井戸の上屋が突然倒れ、彰子の御在所内で犬が出産するなどの「怪異」があって、周囲は気が気ではなかったようだ。彰子の陣痛がはじまったときから、道長は物の怪の調伏を本格化させた。ここしばらく法華三十講をはじめ、土御門殿で法要に勤しんできた僧たちのほか、山からはありったけの修験者を集め、加持祈祷の体制を強化するとともに、陰陽師も集められるかぎり集めた。彼らの読経や呪文の声が寝殿を揺るがすほどだったという。
道長は徹底した物の怪対策を実施した。専門の僧と、彰子に憑いている物の怪を引きはがして移す「よりまし」と呼ばれる霊媒で物の怪に対処するのだが、通常は1組で済ませるところを、道長は5組用意した。「よりまし」は概ね10代の少女で、僧侶1人、よりまし1人、そして介添え役の女房の3人を1組とし、それを5組もうけ、彰子を取り囲ませたのである。
物の怪が乗り移るたびに「よりまし」はトランス状態になって大声を上げたり、駆けまわったりする。その様子は『紫式部日記』にも、修験僧が中宮様に憑いている物の怪を「よりまし」に移し、調伏しようとありったけの大声で祈り立てているなどと活写されている。お腹の子も平静ではいられないのではないかと心配になるほどの大騒ぎのなか、彰子は36時間の陣痛を経て、無事、男児を出産した。
https://president.jp/articles/-/86018
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September 22, 2024
第三十六回「待ち望まれた日」
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子が産まれたら、私と遊ばなくなるのでしょう?
そのようなことはございませぬ!
私は中宮さまの子ではありません。まことの子がお産まれになれば、その子のほうが愛おしくなるのは道理です。
親王さまがほんの幼子であられた頃から、親王さまと私はここで一緒に生きてまいりました。帝のお渡りもない頃から、親王さまだけが私のそばにいてくださいました。この先も 私のそばにいてくださいませ。子が産まれても、親王さまのお心を裏切るようなことは消してございませぬ。
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