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画家ルノワールの次男、ジャン・ルノワールは優れた映画作家だった。彼は、二度の大戦を経験している。その間のファシズムの台頭期の時代も経験している。彼はヒットラーもムッソリーニも見ている。以下は彼がみたそれぞれの一光景である。 ある日、ルノワールがタクシーに乗ってヒットラーの私邸の前をとおりかかった。すると熱狂的な群集が集まり、それを親衛隊が輪をつくってとめていた。やがてヒットラーが巨大なメルセデス・ベンツのオープンカーに乗って出てくる。 「群集の拍手喝采の真只中で、ヒットラーはナチス式の敬礼で応答していた。車の通過に際して女たちは膝まずき、男たちは感激のあまり涙を流していた。」 イタリアに招待されたある日、ルノワールはタクシーで大通りを通りかかった。そこにはムッソリーニを待ち受ける大群衆で埋まっていた。やがてムッソリーニが現れ、ドイツと肩を組んで戦争に参加することを告げる演説を始めた。 「大仰な身振りでムッソリーニは演説を始めた。「世界は誰に!」ー「我らに!」と歓喜して群集は叫んだ。」 二人のファシストに歓喜し、涙する大群衆の姿をたまたまルノワールは目にする。ファシズムに反対する彼は自伝にそれを書き留める。 イタリアのファシスト、ドイツのナチズム、日本の帝国主義をまとめてファシズムとよぶとして、それらファシズムの背景には、それを「支える大群衆」つまり「支える国民」がいたということを忘れてはならない。 ファシズムではないが、イスラエルの蛮行は、イスラエル国民の大多数とアメリカ政府の支持と世界の沈黙がそれを許している。アフガン、イラクでの侵略も開戦を支持したアメリカの多数の国民の支持があった。小泉構造改革も、政官財学マスコミのスクラムがあったとはいえ、圧倒的な支持を与えた国民がそれを許したのである。 追記、『ジャン・ルノワール自伝』(みすず書房)をく読んで、中心である映画のことは別にして強烈な印象に残ったので、記録しておく。
2009/01/30
イスラエルがまたガザを爆撃した。トンネルを破壊するためだという。トンネルを破壊するのは、トンネルを通じてミサイルなどの武器を搬入したいるからだそうだ。 ガザはイスラエルによって完全に封鎖されている。「過去三年間、封鎖されたガザで、150万という数の人間が、水もガスも燃料も、人間が生きていくのに必要なライフラインにすべてをイスラエルのコントロールされ、最低限、命だけはかろうじて維持できるといった「生かされず、殺されず」の状態にとどめ置かれてきた。」(岡真理 「ガザのあとで」 現代思想2月号) そこで食糧を含め生活に必要な物資を搬入するために掘ったのが、トンネルというわけである。ガザの住人が生き延びるためにはどうしても必要だった。 フリージャーナリストの常岡浩介さんはガザに行き実際にトンネルをみているが、常岡さんがみたトンネルはこんな様子だったという。(常岡さんのブログによる) 「トンネル見学にいってきました。「秘密トンネル」なんていうので、ドキドキしながら連れて行ってもらったのですが、「秘密」どころか、広大なオープンスペースで露天掘りしていました。千人以上のパレスチナ人が陽気に働いていました。まだ、破壊されたままのトンネルもありましたが、再稼働しているものもありました。数十メートルのところにはエジプト軍の監視所があって、塀の向こうで穴を掘っている姿をエジプト兵がぼーっと眺めているのが見えました。今回、ガザへ来て、街中にバイクが走り回っているのをみて、「ベトナムかどこか、東南アジアみたいになったもんだなあ」と、思ったものですが、あれは全部、トンネルから運ばれてきたものだそうでした。ガザへ帰る乗り合いミニバスの前を先行して走っていたトラックも、トンネルから運ばれた食品をガザ市へ運ぶ途中でした。すばらしい。」 このトンネルをイスラエルは秘密トンネルといい、武器搬入を理由に、爆撃して潰しているわけである。目的はガザの住人を完全に閉じ込め欠乏状態に置くことにあるのであろう。 150万人もの人間を閉じ込め、生かさず、殺さずの状態に置き、時には陸空からの攻撃によって1000人以上の人を殺し、数千人の人を負傷させ、おびただしい住居を破壊する。 これは犯罪であり、厳しく裁かれるのだ道理である。 だが、オバマ大統領はこのイスラエルを支持するという。
2009/01/29
「日本経済は、今般の金融危機の被害者などではなく、金融危機を生み出した荒唐無稽な枠組みの当事者として加担してきた。”米国発”と金融危機の被害者を装い、金融危機を免罪符として「何でもあり」の景気対策を展開する資格など日本政府や日本銀行にはないのかもしれない。」「日本の無節操な金融政策は、燃え上がろうとした世界の資本市場に油を注いだ。」 これは「世界金融危機」についての一橋大学大学院経済学研究科教授斉藤誠氏の「金融危機が浮かびあがらせた日本経済の危機と機会」(『世界』2月号)のなかの一節である。道論文にはこういう話もある。 「2008年10月21日に行われた日本銀行の副総裁候補の所信聴取で意味深長な場面もあった。あまり大きく報道されなかったが、政府に候補者として指名された山口広秀日銀理事は、世界的な金融危機が起こった背景として「私どもの緩和政策がひょっとすると何がしかの影響を与えた可能性は否定できないと思っている」と発言している。」 日本のゼロ金利政策や量的緩和政策等々が世界金融危機に影響を与えた可能性があるというのである。 今回の世界金融危機のそもそもの発端は世界での金余りが要員として指摘されている。そのカネ余りについて日本(経済)の責任の一端があることは、他の人からも指摘されている。 「各種の要因があいまって世界的カネ余りを生んだというが、少なくとも現象的には妥当な解釈だと考えられる。ただ、諸要因を影響力の大きさにしたがって順位づけるとすれば、実は「日本要因」の順位が高いのではないかと考えられる。長期にわたる日本のゼロ金利政策と量的緩和措置。そしてそれらの政策が解除された後も続いてきた超低金利状態。これらが、世界的にも超低金利とカネ余りを長期化させてきた大きな要因ではないと思うのである。」「ただ同然の金利負担で日本で資金を調達し、外貨に変えて運用する。その流れにのって溢れ出るジャパンマネーが、世界的な過剰流動性景気を地球経済にもたらした。」(浜矩子『グローバル恐慌』岩波新書) 同じことは寺島実郎「能力のレッスン82」『世界』2月号)でも指摘されている。 「例えばサブプライム問題が露呈する直前の07年9月の段階で、米国の政策金利は5・25(連銀FFレート)であり、日本の超低金利(日銀政策金利0・5)と比べても米国にカネを持っていったほうが有利という状況を維持していた。」「日本にカネを置くよりも様々な金融商品に運用できる可能性の魅力が語られてきた」 こうして日本のカネがさまざまなルートでさまざまな形で流出し世界金余りに油を注いだというのである。そのカネはたとえば 「ヨーロッパや日本を含めて多くの金融機関が、サブプライム・ローンを組み込んだモーゲージ担保証券(モーゲージとは住宅・商業・農業用不動産を担保とする貸付債権のことをいう)に多額の投資を行っていた。」(萩原伸次郎「現代金融危機を考える」現代思想1月号)ということである。 これらの金融商品は「金融工学」によってつくられたが、「金融工学」とは、「本来カネなど貸してはいけないやつに、どうやってカネを貸すかという技術だ」とアメリカのさる金融関係者がいったということばでもわかるとおりに、もともと詐欺行為に近いものでだった。そきに多額のカネがつぎ込まれた。(金融関係者のことばは[寺島]前掲から) 世界に流通しているカネの97・5%は投機マネーであり、実体経済に必要な貨幣はわずか2・5%に過ぎないという。(東京も投機マネーが集中する中心の一つである。)(途上国は金融危機をどう見ているか」北沢洋子 世界 2月号)その投機マネーの中に日本発のカネが大量に流れ込んだというわけである。 こう見てくると日本の経済政策の果たした役割も大きいことがわかる。また、日本の投資家や金融界の果たした役割も無視できない。 日本の経済政策を進めてきた政治家、財界、官僚、それに協力した学者、識者、それを煽り立てたマスコミなどの責任は大きい。彼らは、金融経済中心のアメリカをまねて「金融立国」、「貯蓄から投資へ」などと合唱しておきながら他人事のようにふるまっているけれども。
2009/01/28
ガザからの声を伝え続けているTUPの続報です。ガザの惨状イスラエルのねらいなどがよくわかります。◎侵攻は終わったか? 自家発電で命がけで世界に発信される現地の声━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ガザ市内の学校が再開されました。学校再開は子どもたちにとって、喜びよりも、むしろ、級友たちを見舞った新たな悲しい物語に触れる機会になってしまいました。2002年4月、イスラエル軍の一大侵攻を受け、徹底的に破壊されたジェニン難民キャンプで、数日前に再開されたばかりの国連の学校を訪れました。多くの子どもたちが、家を破壊され、肉親や友人や隣人が殺されるのをその目で見てしまっていました。教科書はまだ、瓦礫の下です。ジェニンの街の青年たちの有志のグループが、学校再開初日に、子どもたちにお芝居を見せに学校に行ったという話をそこで聞きました。「今、子どもたちにいちばん必要なのは、笑いだと思ったから」と青年団の団長のサーミーは言いました。いま、ガザの子どもたちが必要としているのも、傷ついた心を癒す「笑い」なのかもしれません。ガザの子どもたちが笑顔を取り戻せるようにすることこそ、私たちの責務なのかもしれません。ガザのアブデルワーヘド教授からのメール(1/21~1/24)の邦訳です。〔邦訳: 岡真理/TUP; 凡例: (原注) [訳注]〕━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【メールその39】日時: 2009年1月21日 (水) 14:14件名: ガザのアル=クドゥス病院、イスラエル軍によって焼かれるイスラエル軍によって焼かれたタル・エル=ハワー[地区]のアル=クドゥス病院(自宅から 2ブロック先)![10数枚の写真が添付されている。以下から閲覧できる(予定):http://picasaweb.google.com/tigrimpa/wLVhCF?feat=directlink# ]ガザ侵攻第25日 (2009年1月21日 水曜)皮肉なことだ。侵攻が終わったのだという。イスラエルの戦車が持ち場から引き揚げていった。言っておくが、侵攻は終わってなどいない。侵略者は今なおガザ地区の中にいるのだから。再配備は撤退を意味しない! 続いて、取り決めのため、首脳会談が三つ開かれた! しかし、いったい何を取り決めるというのだ? 政治的な意味ではなく、人道的な意味でどうか、と問うているのだが。私がとにかく気にかかっているのは民間人犠牲者であり、人命の損失だ! あいにくどの国王も、大統領も、首長も、スルタン[イスラム教国の君主]も、国家の代表使節も、誰一人としてイスラエルによる人権侵害を敢えて口にしようとしない。民間人や住宅に対してイスラエルが白燐弾を無差別に用いたことも「見えなかった」のだ!最大の損害のひとつが農業の営みが破壊されたことだ! イスラエルは実に広範に農業地帯を破壊した。ガザ地区全域に比して、それは広大だ。軍事用ブルドーザーで木々を根こそぎにし、温室、作物、収穫物、井戸、灌漑網、電線、そして農地にあるほかのありとあらゆるものを破壊した。文字通り、その周りにあるありとあらゆるものだ! 奴らは家畜、食肉用動物に、鶏まで殺した! 土地の姿が変わってしまった! 小さな土地を仕切る垣根さえ破壊された! 農家の家までも粉々にされた! 農地は、私の掌のようにまっさらになってしまった! イスラエルはガザ地区で暮らすパレスチナ人ことごとくを罰したのだ! 全体の損害のうち、およそ 50%が農地におけるものだと推定されている。ありていに言えば、イスラエルの対ガザ戦争は、ガザ地区のありとあらゆる人々に対する無差別懲罰であったことがはっきりした!それは、来るべき世代を殺害する措置だった。何百人もの幼児や子どもたちが殺されて瓦礫の下に埋まった。また、何百人もの女性が民家への狂気の爆撃で殺された! イスラエルによる正当化や弁解はまったくもってばかげている。国連[事務]総長がガザを訪問した。総長は UNRWAの学校で罪もない市民が非人道的な生活をしている状況を視察し、ジャバリーヤ[難民キャンプ]にあるアル=ファフーラの学校へも足を運んだ。イスラエルの戦車からの砲撃によって、避難していたパレスチナ人 67名が殺され、何十人もが負傷した場所だ! 事務総長は、自身の言葉でもってイスラエルを非難したか? だから何だ? ――私は本気で言っている。国連事務総長の訪問が何だという? 三つの首脳会談が中東地域で開かれたが、イスラエルによる人権侵害と戦争犯罪を非難する言葉は一言も口にされなかった!ガザでは、今なお、同胞の死者を見つけようとする努力が続いている。停戦後の最初の日、103体の遺体が瓦礫の下から発見された。その翌日にはさらに 26体。捜索はなお継続中だ。全家族が、人間性の地図から一掃されてしまったのだ! 一方、どうにか助かって生き残った人々に目を向ければ、保護を必要とする孤児が何十人もいることに気付かないわけにはいかない。いったいこれらの子どもたちを誰が面倒みるのか? 使える設備が何もなく、孤児のための正式な計画社会も何一つないというのに? ガザ地区には孤児院が一つだけあるが、寄付と善意の人に依存する貧乏な施設だ!侵攻後 25日が過ぎ、戦闘行為が中断され停戦になったというのに、イスラエルの戦車がガザ地区の中央部に進攻し、2名を殺害した! 一方、昨日と今朝、イスラエルの軍艦から砲撃があった!言うまでもないことだが、イスラエルの偵察機が複数、依然、頭上を低空飛行していて苛立たしい。そしてイスラエルの戦車も依然、ガザ地区の境界の内側で展開している!【メールその40】日時: 2009年1月24日 (土) 18:38件名: 学校再開初日ガザ市内の学校が再開された初日、生徒たちの負った精神的な傷跡が明るみに出てくることになった! たとえば私の末の息子は学校に行きたがらなかった。イスラエルが新たに攻撃を仕掛けてくるかもしれないと言って恐がっているのだ。息子は、かって治安警察があった複合ビルに対する F16の最初の奇襲攻撃を目撃した。そこで 5人の民間人(通りがかりの人だった)が即死した。うち 3人は、息子がスクールバスを待って立っていた場所からほんの数メートルのところで死んだのだった! 大丈夫だからと、学校側は今日一日まるまる遊びや演劇や生徒が純粋に楽しめるようなことだけに費やすつもりなのだからと、言ってはみたものの、息子を納得させるのは無理な相談だった。ところで、12歳になる息子のカリームは、クラスの優秀者名簿の筆頭で、学校や先生たちのことが大好きだ! その息子が学校から帰って、侵攻によって被害を受けた他の人々の話をいろいろ聞かせてくれた。どの生徒にもそれぞれの恐怖の話がある――誰もが心に傷を負っている!長男のハルドゥーンは 16歳で、アメリカ国籍も持っている。ハルドゥーンによれば、生徒の一人が空襲で殺され、別の一人は手を負傷して病院に担ぎ込まれた、という。その男の子は病院に着くやいなや、手を切断された。学校はぞっとするような話で満ち、悲しみに沈んでいた。17歳になる娘ソムードもアメリカ国籍を持っている。ソムードは私と長い時間話し合った後、学校に行った。学校の再開初日のようすを行って見てくればどうか、大丈夫だから、と私は娘を説得したものだ。ところが学校で、娘は、イスラエル兵による拷問についての微にいり細を穿った話の数々を聞くことになったのだった! 娘が下校の道すがら歩いているとき、同級生が地面を強く蹴ったところ、砂が燃え上がった。爆弾の破片があったのだ。イスラエル軍が撤退して 8日たった今でも、白燐弾が残っていて、ある条件のもとで発火するのだ!昨夜は、この 30日以上のあいだで初めてよく眠れた。だが、子どもたちのことが今も心配だ。子どもたちのうち2人は依然、自分のベッドで眠ることができない。子どもたちがふつうの生活に戻れるよう、ケアし続けなければ。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━原文: Prof. Abdelwahed (ガザ・アル=アズハル大学教養・人文学部英語学科) 発信の一連の電子メール━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━◎教授からの過去のメールの邦訳の TUP速報は以下です。速報793号(メール 1~7; 12/27):http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/826速報794号(メール 8~11; 12/28~12/29):http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/827速報795号(メール 12; 12/29):http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/828速報797号(メール 13; 12/30):http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/830速報799号(メール 14~17; 12/30~12/31):http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/833速報800号(メール 18~21; 1/1~1/3):http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/834速報802号(メール 22~24; 1/4):http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/836速報803号(メール 25~28; 1/5~1/6):http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/837速報806号(メール 29~31; 1/6~1/10):http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/840速報808号(メール 32~37; 1/12~1/15):http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/843速報809号(メール 38; 1/19):http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/message/844◎教授からのメールに添付されている写真は、順次、以下にアップロードされています。http://picasaweb.google.com/tigrimpa/wLVhCF?feat=directlink#
2009/01/28
準大手ゼネコン「西松建設」の裏金疑惑にからみ、裏金が政界に流れていたのではないかと噂されているが、マスコミも政界も沈黙を守っている。だが、なにかありそうである。 26日付け「しんぶん赤旗」によると、西松建設が企業献金のために設立したとされる二つの政治団体が、政界への資金提供を行っていた全容が調査の結果わかったという。 二つの政治団体とは「新政治問題研究会」と「未来産業研究会」でいずれも西松建設が政界に献金するためにつくったトンネル政治団体とされる。 調査の結果によると、西松建設のつくった二つの政治団体から献金を受けたのは自民党が一派と13人、民主党が一県連と2人、国民新党が1人で、飛びぬけて多いのが、自民党の尾身元財務相の2080万円と民主党の小沢代表の3100万円となっている。 これでは、国会で両党がなれあうはずである。両党仲よく議員の不祥事を発生させているが、問題のありそうな献金を両党の幹部がこんなに受けているのである。 両党は、元々一政党の派閥のようなもので、政策的にも大筋でほとんど違いがない。政権をとるか、政権を守るか、などというのは、なんの違いでもない。 そんな両党が違いを見せるために互いのスキャンダルを攻撃するのがよくある手だが、ここのところ静かだと思ったら、互いに傷を持つ身、攻撃のしようがなかったというわけである。 そもそも政党交付金などというあってはならない制度をつくっておいて厚顔無恥にもほどがある。 詳細は→ここ
2009/01/27
停戦後、ガザの惨状がつぎつぎと報告されている。あまりにも非道なイスラエルの行動である。TUPはイスラエルの戦争犯罪を告発するユダヤ系イギリス人の下院での発言を紹介している。以下前文から転載する。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ナチスの亡霊にとりつかれたようなイスラエル。目にあまるパレスチナ人虐殺の惨状の数々。ホロコーストで家族を失ったユダヤ系英国人、ジェラルド・バーナード・カウフマン卿は、2009年1月15日、英国議会下院でガザの悲劇をナチスによる大量虐殺に喩える演説を行った。(翻訳:宮前ゆかり/TUP)===================================「ガザにいるパレスチナの祖母たちを虐殺するイスラエル兵士たちよ、ナチスに殺された我が祖母の死を隠れ蓑にするな」ジェラルド・カウフマン卿私は正統派ユダヤ教徒として、そして、シオニストとして育てられました。我が家の台所の棚には、ユダヤ民族基金のためのブリキの箱があって、そこに私たちは小銭を入れてはパレスチナにユダヤ人の存在感を築いている開拓者たちを支援していました。私が初めてイスラエルを訪問したのは1961年で、そのあと行った回数は数え切れません。イスラエルには家族がいましたし、今でもイスラエルに友達がいます。その一人は1956年、1967年、そして1973年の戦争に従軍し、そのうち二回では、負傷もしました。私が今身につけているタイピンは、その友人に与えられた従軍勲章から作ったもので、彼から贈り物としてもらいました。私は初代首相ダヴィド・ベン=グリオン以来、イスラエルの首相のほとんどと知り合いです。ゴルダ・メイアは私の友人でしたし、将軍として1948年の独立戦争のときにネゲブでイスラエル勝利を収めた副首相イガル・アロンも友人でした。私の両親はポーランドから避難民として英国に来ました。両親の親族のほとんどがその後ホロコーストでナチスに殺されました。祖母は、ナチスがスタシュフの町に侵攻したとき、病床にありました。ドイツ軍兵士がベッドに伏せていた祖母を撃ち殺しました。祖母の死を、ガザにいるパレスチナの祖母たちを虐殺するイスラエル兵士の隠れ蓑にしないでください。現在のイスラエル政府は、パレスチナの人々に対する殺戮行為を正当化するために、ホロコーストにおけるユダヤ人虐殺に対し異教徒たちが抱き続けている罪の意識を冷酷かつ冷笑的に悪用しています。それは、ユダヤ人の命は貴重であるが、パレスチナ人の命は価値がないとする視点を暗黙に示唆しています。2、3日前のスカイ・ニュース[訳注1]で、イスラエル軍のスポークスパーソンの女性、レイボビッチ曹長が、イスラエル人がその時点で800人ものパレスチナ人を殺していることについて質問を受けていました。ちなみに今の合計数は1000人です。同曹長は即座に「そのうち500人は戦闘員です」と答えました。それはナチスの兵士の答えそのものでした。ワルシャワ・ゲットーで命をかけて戦っていたユダヤ人たちは、戦闘員だということで無視されたことでしょう。イスラエル外相ツィピー・リブニは、ハマースはテロリスト組織なので、政府は彼らとは交渉しないと主張しています。リブニ外相の父、エイタン・リブニは、テロリスト組織であるイルグン・ツバイ・レウミの最高運営執行官で、エルサレムのキング・ディビッド・ホテルの爆破を計画した人物です。その事件では4人のユダヤ人を含む91人が殺され犠牲となりました。イスラエルはユダヤ人のテロリズムから生まれました。ユダヤ人のテロリストたちは二人の英国人軍曹を縛り首にし、その死体に地雷爆弾を仕掛けました。イルグンはテロリスト組織であるシュテルン・ギャングと一緒に、1948年にデイル・ヤーシーンの村で254人のパレスチナ人の大虐殺[訳注2]を行いました。今日、現在のイスラエル政府は、好ましい状況ならばファタハのパレスチナ大統領アッバースとの交渉に応じるつもりがあることを示唆しています。それは手遅れというものです。彼らはファタハの前の指導者で私の友人でもあったヤーセル・アラファトと交渉することもできたはずです。それなのに、イスラエル政府はラーマッラーの掩蔽壕にアラファトを軟禁しました。私はその掩蔽壕まで彼を訪ねたものでした。アラファトの死後、ファタハの権威が失墜したため、ハマースが2006年のパレスチナの選挙で勝利を収めました。ハマースは非常に面倒な組織ですが、民主的に選出され、パレスチナで力を持つ唯一の勢力です。ハマースをボイコットすることは、私たちの政府によるボイコットも含めて、間違いとして咎めるべきです。その間違いを端緒にして、恐ろしい結果の数々がひき起こされています。私はかつてイスラエルの偉大な外相であったアバ・エバンと多くの政策で平和のために共闘したものでした。そのエバンが言っていました。「平和を築くためには、敵と話あうものだ」ガザでどれだけ多くのパレスチナ人をイスラエルが殺したとしても、この実存的問題を軍事的手段で解決することはできません。いつ、どのような形で戦闘が終わろうとも、ガザには150万人のパレスチナ人がいて、くわえて西岸地域には250万人のパレスチナ人がいます。パレスチナ人は、イスラエル人からゴミのように扱われています。何百ヶ所にものぼる通行止めがあり、身の毛がよだつほど恐ろしいユダヤ人不法入植者から嫌がらせを受けています。そのうち、今から遠くない将来、パレスチナ人人口がイスラエルのユダヤ人人口を上回るときが来るでしょう。イスラエル政府に対し、同政府の行動および政策は許されないということを私たちの政府が明言し、イスラエルに完全な武器使用禁止令を命じるときがきました。平和を実現するときです。しかしそれは征服による解決ではなく、真の平和でなければなりません。イスラエルの本当の目的は征服による解決ですが、その達成は不可能です。彼らは単なる戦争犯罪者であるばかりではありません。愚か者です。============================================================ジェラルド・バーナード・カウフマンは労働党員で英国議会議員。カウフマン卿は、英国において2009年1月15日、下院でのガザに関する討論で上記の発言をした。============================================================[訳注1] イギリスの民放ニュース[訳注2] デイル・ヤーシーン村の虐殺犠牲者は長らく254人とされてきたが、近年の研究により、首謀者が、パレスチナ人の恐怖を煽るためにその成果を誇張したといことが判明している。実際の犠牲者の数は100~120名。http://www.deiryassin.org/faq.html演説のトランスクリプト:Monthly Review Presshttp://mrzine.monthlyreview.org/kaufman170109.html映像リンク:http://www.youtube.com/v/qMGuYjt6CP8&hl=en&fs=1━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
2009/01/26
負傷で休場が続いた朝青龍が優勝した。勝って涙を流す姿に拍手を送った。傷が完全に直ったとはいえず、あれこれの批判、非難が飛び交うなかでの優勝である。しかも、横綱同士の優勝決定戦にかって。 朝青龍についてはなぜ、あれほど悪く言われるのかわからない。エビジョンイルなどと言われたかならすしも品格に問題がないとはいえない人物が委員長を務める横綱審議会が横綱の品格を云々する。執拗に、朝青龍を責める脚本家や漫画家がいる。 だが、かつての代々の横綱を見ても、朝青龍が特別に言われるようなことではない。問題をかかえた横綱は少なくはなかった。 朝青龍は明るく気配りのできる好青年だと思う。サービス精神がちょっと多すぎるかなとおもうくらいだ。彼の気配りについては、モンゴルからの飛行機にたまたま乗り合わせて人がエッセイでほめていた。そして相撲が見ていて面白い。 朝青龍が欠場した場所は、ガラガラだったが、今場所は連日超満員である。よかれあしかれ、相撲人気を彼は支えてきたということがよく分かった場所だった。 朝青龍の涙には、さまざまな思いが詰まっていたことだろう。とにかく、おめでとうといいたい。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 今朝は近くの里山が真っ白になっていた。田圃にもあちこちに雪の積もった跡が残っていた。寒さも本番である。
2009/01/25
オバマ大統領の就任式の献金額と経費についての報告が「暗いニュース」に載っていた。これによるとブッシュ、クリントン、オバマ氏が膨大な献金を集めているのに驚く。ブッシュ氏はいかにもブッシュ氏らしいが、オバマ氏がブッシュ氏とかなり似ているのに気がつく。 オバマ氏が選挙キャンペーンに使った費用、大統領就任式に要した経費は、記事の筆者でなくても「もったいない」と思わずにはいられない。 オバマ氏がこれからどのような政治を行っていくかまだわからないが、これらの費用や、発表された閣僚の顔ぶれを見るとき、本当にアメリカ市民のための政治に徹しうるか、心配されるところである。 アメリカ市民は民主と共和とに選択肢を限られ、こんなバカげた献金と選挙費用が必要とするという点で、更に選挙に立候補する権利をほとんどゼロにちかく限られている。 アメリカは収入面で上位400人の総資産が、下から数えて1億5000万人の全資産を上回るという国である。(週刊金曜日1月16日号) オバマ大統領に湧くワシントンだが、あれが理想の民主主義の姿とはまったく見えないのである。 これから先どんな政治が展開されるか、あまり期待せず、厳しく見守っていきたい。~~~~~~~暗いニュースからの引用~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~1993年、ビル・クリントンの大統領就任式開催のために集まった献金額は、約3,300万ドル。その大部分は、お土産物やチケットの売り上げで賄われた。10万ドルを超える献金をした支持者はわずか13人。2005年、ブッシュ大統領2期目就任式のために集まった献金額は、約4,280万ドル。その90%はロビイストや、大企業及びそれら企業の経営者が支払った。ウォールストリートの投資企業、保険企業、石油メジャー、ホテルやカジノチェーンが、資源開発や移民雇用分野での規制緩和を求めて大量の献金を行った。そしてブッシュ政権はキチンとそれら大口献金者の期待に応えてきた。当時、民主党支持者たちはブッシュのことを「金権政治だ!」と声を大にして批判していた。2009年、オバマ大統領の就任式開催のために集まった献金額は、現在までにおよそ4,100万ドル。 大統領選挙時の資金同様、タテマエでは大企業やロビイストの影響力を排除するフリをしてきたオバマだが、実際には金融・保険・不動産業界を筆頭に、小売業界から広告業界まで幅広く献金を集めており、ロビイストからも300万ドルほど受け取っている。選挙キャンペーンですでに約600億円以上も出費したあげくに、エイブラハム・リンカーンが使った聖書に手をおくという馬鹿げた政治プロパガンダのために40億円以上浪費するオバマ政権。おまけに、会場整理や警備のために、連邦政府はおよそ14億円ほど緊急出費するが、実際に必要とされる費用は67億円を超えるらしい。ブッシュを批判した民主党支持者は恥ずかしくないのだろうか。「100年に一度の経済危機」と言いながら、アメリカ国民のだれも「モッタイナイ」とは思わないのだろうか?
2009/01/24
★「教育に臨時はない!」と臨時教員が声をあげたのは、もう十数年前である。その頃、非正規雇用という言葉はなかったが、すでに臨時教員=非正規雇用の教員はおびただしい数だった。待遇も悪く、カネがかからないように、短期契約を繰り返すなどの方法をとっていた。 教育が大切だといいながら、いっぽうでは正規、非正規=臨時ともに教職員は削られ、教育費全体が削減されていったのである。権力をにぎる政治家にとって、教育は政治の道具でしかなかった。 小中高だけだったそんな傾向が、今では大学にも及んでいるという。非常勤講師の数の占める割合がかなりなものだという。 今日のヤフーニュースによると京都大学が非常勤職員100名を22年度再契約しないという。ここまで来たがという感じだが、同じ記事によると時給制で働く非常勤職員は、約2600人もいるという。 小中高と進んでいたことが、とうとう大学にまでやってきたということである。 政府は、国公立大学を独立法人とし、大学に対する財政支出を大幅に削ってきた。その結果が教員や職員の非正規化が大学にまで進んできたということである。 政府は教育の重要性をいうが、実際は、必要な費用を削り、教員や職員を非正規化してきた。ノーベル賞を云々する前に、これでは、教育の中身が劣化し、何年かさきには、世界の上旬のレベルにも達しないことになりそうである。 政府や文科省は、道徳だの愛国心だのには熱心だが、教育を豊かに育てる方向とは全く反対の行政を進めて日々教育を劣化させ破壊しているのである。 ★2次補正予算を26日に成立させることで自・民が合意したという。報道では、「水面下で調整」とあるが、例によって闇の談合である。 時々、予算委員会のようすをNHKの中継でみたが、張り詰めた質疑はなかった。取り上げるべき課題や政府を責める問題は山積しているが、首相に漢字テストをするというような気の抜けたやりとりが目立った程度である。それも程度の低さが目立ったのである。 一方自民党は国民をごまかすための猿芝居である。消費税を附則に書き込むという姑息で悪辣なやり方を強行するのに、そのままではいけないというわけで、一芝居打ってもめて見せたというわけである。 自公はもちろん、民主も消費税増税路線であるから、国会の議論を盛り上げようがなかったのである。労働者派遣法改正についても、自公も民主も財界に奉仕する立場であるから、これも正面から議論にするのはまずかったから、対した議論もせずに済ましたのである。 そうして最後はいつものとおり裏で談合してすます。自民の派閥が「二大政党」に分かれたにすぎないということが、政治をますます腐敗させている。 国民も三文芝居はもう見飽きたといってもいいころである。 ★クリントン国務長官がさっそく、日本の外務大臣と電話会談をした。すばやいものである。(NHKニュース) その短い会談で、クリントン氏は「日米同盟はアメリカのアジア政策の礎であり、国際社会が直面する諸課題にも対処していきたい」と述べたという。 中曽根外務大臣は「ともに協力してすすんでいきたい」と応えたという。具体的には、アフガンでのテロとの戦い、米軍再編、日米安保体制の強化なども約束したということだ。 日米同盟がアメリカのアジア政策の礎とは、はっきりというものだ。中曽根氏、つまり日本政府は、それに対して、忠実に手足になることを約束したのである。 アフガン、米軍再編、安保とアメリカの要求はさらにつよまるであろう。そのさっそくの指示がクリントン氏から下りたということであろう。クリントン氏が拉致問題に触れたのは単なるリップサービス。 金融危機にも協力して対応するというが、なんでもかんでもアメリカ追随の愚はもう見えたと思うのだが、まだまだ続けるつもりなのだあろう。こりない人愚かな政治家たちである。
2009/01/23
まど・みちおさんの詩は、虫から宇宙まで、ことばあそびから童謡までと多様で溢れるような豊かさをもっている。全詩集を読み終えて、気に入った詩がずいぶんたくさんあったが、その中から、人の労働にかかわる詩三編を紹介しよう。 水道のせん 水道のせんをひねると 水がでる 水道のせんさえあれば いつ どんなところででも きれいな水が出るものだというように とおい谷間の取り入れ口も 山のむこうの浄水池も 山の上の配水池も ここまでうねうね土の中を はいめぐっているパイプも それらすべてを つくった人も いっさい関係ないように 牛乳びんさえあれば 牛乳がやってくるかのように 電灯のたまさえあれば 電灯がともるかのように 水道のせんをひねると 水が出る あの橋をつくったのは りっぱな橋ができあがった 三年かかって なん万人の人が働いて… 「あの橋をつくったのは私だ!」と 大臣がいった 大臣の部下のえらい役人がいった 設計した人がいった 下しらべをした人がいった 金を出すかかりだった人がいった 材木や金物を組立てた人がいった 砂利や砂やセメントを運んだ人がいった 土を掘った人がいった クレーンを動かした人がいった 大工さんと左官やさんがいった 石やさんとポンプやさんと 電気やさんとペンキやさんがいった なん万人の人が残らずいった 自分ひとりがつくったかのように 「あの橋をつくったのは私だ!」と 自分の家で 料理屋で とこやで ふろやで バスの中で 「あの橋をつくったのは私だ!」と ほんとに橋をつくっている 自然の法則と材料たちと ほんとに金を出している国民と 三年間の時間だけは だまっていた バキュームカー みんなが顔をそむけ 何やら遠回りして通りすぎる! と思ったら そこに とまって バキュームカーが仕事をしているのだ ぼくには なかった! こんないやな仕事を こんなに黙々と 世のため人のためした ためしが そしてそのために世から人から こんなに嫌われたためしが 生まれて今日まで ただの一ども! と思った しゅんかん まぶしく照らし出されたような気がした 生まれて今日までの十幾年の毎日毎日を ただ人から 物から お世話になりっぱなしだったぼくの姿が…人は細菌も虫も草も木も動物も物も人も地球も宇宙もすべてのものに支えられているとまどさんは思っていらっしゃるようだ。人は水道や牛乳のようにそれを忘れて暮らしている。「水道のせん」はそんな私の日常に気付かせてくれる。「あの橋をつくったのは」は、働いた人すべてのその後ろで支えているものがいることを。「バキュームカー」は、人の営みの深さと多様とを気付かせてくれる。人も物も互いに差さえあって生かされているのだ。 このような詩を読むと人や物という「存在の輝き」というものを感じる。 『まど・みちお全詩集』(理論社)を読み終えて、厳選十数編を一度打ち終えたときエラーで全部消えたので、打ち直した。疲れたので三つにしたが、紹介したい詩はもっともっとあるのです。ぜひ、詩集を手にしてください。
2009/01/22
オリックスの宮内義彦氏は、規制緩和などに関わる政府の政策決定に関わる委員会等の中心人物であり郵政民営化にも関わりながら、かんぽの宿一括買い入れで批判を受けている。 問題は、かんぽの宿70箇所を約109億円で一括、オリックス参加のオリックス不動産に売却したということと、宮内氏が規制緩和郵政民営化に果たした役割との関連、倫理的正当性にある。これは国民の財産の私物化ではないか。 週刊誌の報道によると、売却対象であるかんぽの宿70施設の名称と住所の一覧の表の右下にこんな記載があるという。 「かんぽの宿等の各施設に附帯する社宅等の施設及び首都圏社宅9施設を含む」 一括売却されるのはかんぽの宿だけでなかった。社宅等も含み、「首都圏社宅9施設」も含まれるのである。 週刊朝日の調査によれば、首都圏9施設はそれだけでも、概算約47億円に評価されるという。 かんぽの宿と社宅等と首都圏社宅9施設を一括叩き売り価格で売却するという大盤振る舞い。宮内義彦氏の果たした役割。そんなことからうかびあがるのは、暗い陰でしかない。 郵政民営化は、郵貯、簡保の300兆円を含め、国民の大切な財産の叩き売り、私物化だといわれ続けている。 「国民のための政治」をいう自公の政治屋をやじめ、政官財の癒着と腐敗の一端をここにみるような気がしてならない。
2009/01/21
★自衛隊がソマリア沖に派兵されるという。海賊取締りのためだというが、それでいいのだろうか。れいによって国際社会を持ち出しているが、国際社会のあり方にも問題はないのだろうか。 自衛隊は、そもそも違憲の存在である。それが合憲だとしても、自衛の範囲は領土内に限られるはずである。それを特別措置としてアフガン、イラクに派兵し、各地のPKOに派兵するそのこと事態、憲法違反である。 自衛隊法の「改正」などという姑息な手段で海外に自衛隊が当然のように進出するのは賛成できない。 ソマリアの場合、海賊が頻出するのは、ソマリアの国内が経済的にも政治的にも崩壊していることに問題がある。国際社会はまずそのことに取り組むべきではないか。日本政府も自衛隊を派兵するまえに、ソマリア安定のための助力をすべきではないだろうか。 海賊の被害が問題だというかもしれないが、海賊のねらいは金にあるのだろうから、金を払っておけばいい。その方が結局、安くつき、安全だというのは暴論だろうか。 なにごとかあればすぐに自衛隊海外派兵も当然という風潮を私は受け入れることができない。それは、憲法がなしくずしに崩されていくことに他ならないからである。 (補足)テレビのインタビューで、麻生総理が「国民の生命と財産を守るため」云々といっていた。この論理に従えば、世界のどこへでも自衛隊は行ける、あるいは行かねばならないということになる。 衆知のとおり、日本帝国は侵略戦争のいくつかで、この論理を出兵の理由とした。その他諸国でもよく使われた、今も使われる論理である。 ★自衛隊にも関連するのだが、こんな記事があった。 「麻生首相は19日の参院予算委員会で、退職した国家公務員が天下りを繰り返す「渡り」を首相権限で容認する政令について、「改正国家公務員法では3年以内は『渡り』(のあっせん)が認められている」と述べ、政令の修正や撤回を拒否した。」(読売) とかく公務員(国家公務員、地方公務員)が問題になる。政治家は国家公務員や地方公務員の存在が悪であるかのようにいい、自らの責任を転嫁する。 また、公務員(国家公務員、地方公務員)が多すぎるから大幅削減が必要だと政治家はいう。 だが、現実には有能な公務員は国にも地方にも必要であり、それなしには、政府も地方自治体も運営が難しくなる。公務員の数も国、地方ともに「国際社会」との比較からいっても少なすぎるのである。更に問題なのは、政治家が削ると言う公務員は、国の場合も地方の場合も、国民の生活に直結する部門がおおいということである。これ以上国民へのサービスが切り下げられていいはずがない。 特に国家公務員の場合、改善すべきなのは、まさに先の記事にあったような特権である。高級官僚、キャリア国家公務員が天下りを重ねて国民の税金を私物化することこそ解消すべきことである。また高級官僚が、政治家と結託して政治を財政を私物化することなどの行為である。 高級官僚の既得権益は守り、本当に必要な公務員を削るなど、国民の立場をいう政治家のすること、いうべきことではない。 最後に自衛官の場合も、それは同じである。高級自衛官の天下りは規制すべきである。ただ、自衛官の場合、その数はもっと減らしていいと思う。
2009/01/20
まど・みちおさんはすばらしい詩をたくさんかいている。私の手元に何冊がまどさんの詩集があるが、その一冊に『まど・みちお全詩集』(理論社)がある。1993年・第6刷とあるから15年前に買っていたことになる。この詩集を読んでいてまどさんの偉さを再確認した。 まどさんは、すばらしい詩をかいている。それだけで尊敬にあたいするが、この全詩集には、たった二編の戦争協力詩がちゃんと載せてあり、「あとがきにかえて」の全文を使ってこの詩について触れ謝罪している。偉いなあと感心した。 先の戦争にはほとんどの詩人、歌人、小説家、評論家、各分野の学者が協力した。この人たちは戦後、黙っているか、こそっと手直ししてしらぬふりをするか、いずれにせよ、きちんと反省、謝罪を表明した人は、数えられるくらいしかいない。そんななかで、忘れていた二編の詩を人にも頼んで探し、全詩集に掲載し、謝罪しているのである。このような誠実さがまどさんの詩をさらに輝かせる。 では、あとがきからその一部を 「(戦後も生物の命の大切さを考え、政府のやり方に腹を立てつづけ、各種の会にも参加し、人間の横暴残虐を憤ってきた)つまり、一方で戦争協力詩を書いていながら、臆面もなくその反対の精神活動をしているわけです。これは私に戦争協力詩を書いたという意識がまるでなかったからですが、それは同時にすべてのことを本気でなく、上の空でやっている証拠になりますし、またそこには自分に大甘でひとさまにだけ厳しいという腐った心根も丸見えです。そしてとにかく戦争協力詩を書いたという厳然たる事実だけは動かせません。どうてんした頭でどうすべきか考えましたが、昔のあのことの読者であった子供たちにお詫びを言おうにも、もう五十年経っています。懺悔も謝罪も何もかも、あまりに手遅れです。慙愧にたえません。言葉もありません、と私は私の中のはるかなところから、母のように私に注がれている視線に掌を合わせ、心を落ちつけました。 そして結局この「はるかなこだま」を公表して、私のインチキぶり世にさらすことで、私を恕していただこうと考えました。本当に慙愧しているのなら、詩作の筆も絶って、山にでもこもるところでしょうが、あとで記しますように、私の中にはかすかながら私を庇いたい思いもあって、このような虫のいい対応を考えついた次第です。」 では、この痛切な文章を書かせた二編の詩とは。以下紹介しよう。 朝 じつにあかるく澄んだ空気だ。 ぼくが 顔をあげているのが こんなにはっきりわかる 空を仰ぎさえすれば すぐに顔を映すだろう。 この戦争に 神となられた方方が 朝夕お通りのこの銀のそらには もはや塵ひとつ飛んでいないのだ。 なんでもやれば そのやったことはただちに おそれおおくも 宮城までおつたわりしているような気がするのだ。 からだのすみずみにまで 痛いように 日本人のちからがしみわたってくる。 ーああ ぼくはみる ぼくのまえに これからやらねばならぬ仕事が 富士山のように高く神神しいのを はるかな こだま 野に立って とおく かしわでをうちならすとき こたえてくる ながれてくる はるかな はるかな こだまはなにか。 きよらかな そぼくな とおいむかしの日本の 神いますふるさとのよびごえか。 天の岩戸や かぐやみめや 日のあたたかな かちかち山や はるばる はるばる こえてきた なつかしいふるさとのよびごえか。 「日本人よ 日本人よ 天皇陛下 をいただいた 光栄の日本人よ 君らの祖先がしてきたように 今こそ君らも 君らの敵にむかえ 石にかじりついても その敵をうちたおせ ー神神はいつも 君らのうえにある。」 ひびいてくる ながれてくる そういうようにきこえてくる。
2009/01/19
★麻生内閣は国民からすっかり見放されてしまったようである。だが、なぜか、強引に愚策を通そうとしている。2兆円のばらまきの上に、消費税の実施を附則に明記するというかたちで強行しようとしている。 2兆円のばらまきが愚策であることは国民公認になっているが、もう一度触れると、1、景気浮揚効果に乏しく、2、「生活支援」策として中途半端(高額所得者、富裕層にも支給)3、事務経費も多額、4、確実に2兆円の財政悪化、など、いい古されたことだが、欠点だらけである。 2兆円もあれば、1年だけでも、生活必需品の消費税引き下げだって出来るという説もある。これの方が簡単で、生活支援、景気浮揚効果も大きいだろう。 それに今、大多数の国民が待ち望んでいる政策が目白押しなのである。 雇用保険の拡充、雇用保険の積立金を使っての失業者の支援、生活保護の捕捉率引き上げ(もっと広く支給する)、生活困窮世帯への支援、住宅ローン控除の拡大などせずに受託困窮者への支援をする、医療、介護、障害者福祉の充実など、国民の生活をしたから押し上げる政策である。 すると麻生、自公政権は、金が不足するといって消費税増税の愚策を強行しようとする。今の状況で消費税増税をすれば、国民のほとんどは生活が破壊され、輸出主導の経済が破綻をきたしている時、それでなくても低下を続けている内需の低下をもたらすだろう。それは、今求められていることと正反対の愚策である。消費税なしに、先に上げたような政策をする工夫が各政党には求められている。 なお、自公両党は衆院で多数であるが、これは小泉総裁と自公が「郵政改革」一点に絞って選挙をした結果であって、政権投げ出しを二度も続けた三代目の内閣が、もちろん自公両党が消費税増税を政策として法に明記するという正当性はない。 国民の声を無視し、強行する。二世三世、時に四世世襲議員が多数を占める。これではまるで某国とそっくりではないか。 ★今日の朝日の社説に、「かんぽの宿 筋通らぬ総務相の横やり」というのがある。納得のいかない社説である。 社説はかんぽの宿をオリックスに一括して売る話に総務相が待ったをかけた件について総務相を批判するないようになっている。→ここ 両者のいい分を紹介しながら、売却には正当性があり、大臣のよこやりは筋が通らぬというのであるが、私がひっかかるのは以下の部分である。 「宮内氏は規制緩和や民営化を推進してきた。官僚任せでは構造改革が進まないため、当時の政権が要請したものだ。過去の経歴や言動を後になってあげつらうのでは、政府に協力する民間人はいなくなってしまう。」 朝日は過去の経歴や言動を後になってあげつらうなというが、政府の重要政策の決定に関わる機関に関係する場合、その経歴や言動が問われるのは当然ではないだろうか。そのような政策に関係するということは、国民の利益と直接関わるからである。関係する人物は、私益とのかかわりを常に清潔、公正に保たねばならない。 宮内氏は、規制緩和や民営化、郵政民営化推進の中心人物の一人であり、かんぽの宿についても発言をしてきた人物である。その彼が会長を務めるオリックスグループの会社にかんぽの宿が一括して売られるのであるから、公正さが問われるのは当然である。 政府の重要政策決定に関わるのなら、その人物はそれ以後も以前も経歴を問われ、言動に責任を負うべきである。例えば、元日銀総裁が村上ファンドに投資していたということがあったが、その時点で彼は総裁を辞任すべきであったのである。 それで、民間人のなり手がないというのならそれでいい。多くの場合、民間人のほとんどは、政府の代弁者でしかないからだ。 なお、郵政民営化について朝日は賛成なのかもしれないが、私は反対である。
2009/01/18
大阪市のマンションで、49歳の元派遣労働者の男性が餓死していたのが発見されたという。男性は生活扶助の申請にも行ったらしいが、働けるという判断から手続きの用紙さえもらえなかったらしい。(愛媛新聞17日)食糧の40%が廃棄されているとも言われる国で餓死者が出ている。生活扶助というセーフティーネットは権力によって極めて小さく縮小され、穴だらけである。 生活扶助の捕捉率は20%程度ともいう。つまり現在生活扶助を受ける条件以下の生活でありながら、しかも受けていない、あるいは受けることを拒否されているひとが、80%もいるということである。 同じ新聞によると国保料滞納が20・9%453万世帯。低収入者が増えており、納められなくなっているらしい。国保料滞納は、医療を受けられないことを意味する。ここでもセーフティーネットは破綻をきたしているのである。 セーフティーネットが機能せず、餓死者が出ている時、政府は全くの愚策である予算を強行採決しようとしている。2兆円の「給付金」などその際たるものだ。収縮し、穴だらけの貧困者のセーフティーネットの拡大、補充のために使うという方法もある。「金持ちも議員も堂々ともらうべきだ」などとたわごとをいってはならない。 その上、政府はさらに低所得層、貧困者をおいつめようとしている。消費税増税である。国民の大多数が生活苦を訴え、低所得層、貧困者が増大し続けている時にである。 こんな時、朝日新聞は社説で、消費税増税について「附則に明記し決意示せ」と消費税増税をあおっている。福祉を安定させるためだというが、今までの消費税5%は、大企業や富裕層を中心とした減税、優遇政策に使われてしまった。これから増大が予想される軍事費や関連費用や大企業や富裕層への減税、優遇策を維持するだけでも消費税増税は、福祉に回されることはないだろう。餓死者が出る国日本は更に低福祉の国になるに違いない。餓死者は増すに違いない。 日本が餓死者のいる国だということが何を意味するか。じっくりと考えるべきである。
2009/01/17
派遣切りから始まった労働者解雇はまだ続いている。賃金カットも始まったようである。世界同時不況を理由にしているが、企業経営者の責任は回避できまい。それなのに、大企業経営者は、再び労働者と国民だけに負担を押し付けようとしている。 そもそも戦後最長の好景気で潤った大企業が、率先して大量解雇をするのがおかしい。それも派遣社員だけである。この解雇にはいくつかのねらいが隠されているようだ。 その一つに「マガジン9条」で鎌田慧さんが指摘している以下のようなことがある。「たしかに、需要が減ったとか業績の見通しが悪いから解雇するという言い方ですが、だからといってちゃんと契約している派遣労働者を中途で切るなんていうのは、やっちゃいけないしあり得ない。それに、自動車不況だからというけど、不況は年末の1カ月2カ月くらいで始まったわけじゃないのに、それで8万人とか10万人とかの労働者を切るという。 実際には、今年の3月には多くの企業が派遣社員を正社員に登用しなくちゃいけなくなるから、その前にどんどん切っているというのがあると思います。それに、「闇に乗じて」じゃないですけど、自分の会社だけ3000人切ったら大ニュースになっても、他の企業も一緒くたになって切ればそれほど目立たないという。日本経団連の陰謀。汚いんですよ、本当に。 ★派遣社員を正社員に~2007年3月の労働者派遣法改正により、製造業における派遣労働者の派遣期間は、それまでの1年から3年に延長された。これを見越し、また「偽装請負」の社会問題化もあって、2006年に採用された大量の派遣労働者らが、2009年に一斉に3年の契約期限を迎えるため、企業側には直接雇用を申し出る義務が生じることになる。」 不況は事実であろうが、それ以前に法律違反を承知のうえで、それ以上のコストを回避するために途中解雇をする、そしてこの際を利用して「余剰し労働力」を一気にカットするというわけである。それも大企業が一斉に大量に。 こうすれば不況だからと正当化できる。そして、ますます不況感をいきわたらせることができる。 それによって大企業は、もう一つの目的も達成できる。それは、増税論議から大企業や富裕層をはずすことが可能になるということである。不況だ、減益だと叫ぶことで、人びとの目をそらせ、消費税増税に焦点を絞らせる。 さらには、大企業や富裕層に減税などの手厚い措置をとらせる。 今国会で論議になっている予算でも、自公も民主もマスコミも触れないが、大企業や富裕層への特別の措置が取られているようである。 大企業や富裕層、あるいは財界、経団連の欲望と陰謀はつきることがないようである。 追記、春闘で連合が経団連と政府に雇用対策を要望することで一致したという。これはおかしいのではないか。連合は経団連に雇用維持あるいは増大を要求すべきではないか。御用組合の面目躍如というところである。
2009/01/16
パレスチナ問題に長年にわたって取り組み、最近もイスラエル建国によるナクバ(大惨事あるいは大破局)についての映画を制作された広河隆一さんが以下のような文章を発表した。ぜひ、多くの人に広めてほしいということなので、ここに転載する。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~メディアとガザ報道ガザ報道に携わるメディア関係者及びその報道に接する人々へ私はこの40年間、中東問題を専門に取材・発表してきました広河隆一といいます。岩波新書「パレスチナ新版」、「広河隆一アーカイブス・パレスチナ1948NAKBA」DVD(30巻・45時間)を発表し、月刊誌「DAYS JAPAN」の編集長をしています。私は今回、メディアのガザ報道について、看過できない点が多くあり、大勢の人々が亡くなっている事件でもあるため、それについて私の意見を申し上げたくて、この文章を書きました。1 イスラエルによるガザ攻撃の原因はハマスが作ったという報道について。「ハマスは自爆テロで90年代から数百人のイスラエル人を殺害、ガザからイスラエルへのロケット弾攻撃をくり返し、イスラエル軍の報復攻撃を招いた」(朝日新聞2009年1月6日 時時刻刻 きょうがわかる 「なぜガザを狙ったのか」)2 地球防衛家のヒトビト(朝日新聞4コマ漫画2009年1月8日)内容は、まず小さな子が大きな子に「コノヤロー ポカ」と殴り、次のコマで大きな子が「あっ いてー やったなー おかえしだーっ ポカ」と殴り返し、それを大きな子の父親が見て「ワッハッハ」と笑い、3コマめでその父親が「相手が手を出してきたら100倍にして返してやれ」「ワッハッハ」と笑い、4コマめで、ポカポカ殴り続ける大きな子とあおる父親を見て、「まるでアメリカとイスラエルのような親子だな」と夫が言い、妻が「笑ってないで止めてやりなよ」というと言うものです。この漫画はよくできていると思いました。しかし最初に手を出すのが「パレスチナ側」と描かれています。こうした考えは、朝日新聞だけでなく、ほとんどのメディアに共通しています。イスラエルは自爆攻撃やロケットの攻撃で大変な犠牲を払い、たまりかねて今回の空爆と侵攻に及んだ、となっています。しかし事実はその通りなのでしょうか。アメリカ政府も「ロケット弾攻撃が中止されない限り、イスラエルは攻撃を停止する必要がない」と言ってきました。朝日の解説記事では、自爆攻撃がハマスのせいのように書かれていますが、実際のところ自爆攻撃はハマスだけでなく、ファタハやそのほかの勢力によっても行われました。またそれらの自爆攻撃も、いつも理由なしに殺戮を目的として行われているわけではありません。日本のメディアは「自爆テロ」と呼びますが、「自爆テロ」という言葉は、日本の造語で、英語では「自爆攻撃」「自殺攻撃」と呼びます。攻撃対象が占領地の中のユダヤ人入植地や検問所のイスラエル兵であった場合などは、海外では「テロ」とは呼ばない場合が多いのです。もちろん市民を対象とした自爆攻撃も多くあり、それがテロであることは言うまでもありませんが、その引き金をイスラエルが引いた例も多くあります。つまりパレスチナ側がイスラエルに殺害されて、その復讐で自爆攻撃を行った場合が多いのです。だからイスラエル人が一方的にハマスの暴力にさらされてきたという解説のし方は、占領という暴力の中で、大勢のパレスチナ人が殺害されてきた事実関係を調べていないことになります。次にロケット攻撃の問題です。今回のガザ攻撃の理由となったのが、ハマスのロケットであると、各紙、テレビ局が報道しています。しかしイスラエルがロケット攻撃を一方的に浴びたかのような朝日新聞の解説に反して、ガーディアン紙、AFP通信、ロイター通信などは、砲撃がイスラエル軍の挑発によるものだった例を報じています。たとえばAFP通信を紹介しましょう。「イスラエル軍が(2008年11月)4日夜から5日朝にかけてガザ地区に侵入し、ハマスと戦闘になり、ハマス6人が殺害された。その後イスラエル軍の空爆により、ハマスにさらに5人の犠牲者が出た。ハマスは4日から5日にかけて、ガザ地区からイスラエル南部に向けて、ロケット弾と迫撃砲弾合わせて53発を発射したと発表した」(2008年11月5日、AFP通信)「(2008年12月)23日夜にパレスチナの戦闘員3人がイスラエル軍に射殺されたことを受け、パレスチナ自治区のガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスなどが、23日から24日にかけて、イスラエル領内に向けてロケット弾70発以上を発射した。イスラエルとパレスチナ当局者によると、ロケット弾の一部はガザの北13キロのイスラエル・アシュケロンの住宅などに着弾したが、負傷者はいない」(2008年12月25日、AFP通信) ではロケット弾で、イスラエル側に大変な犠牲が出ているために、今回のガザ攻撃が行われたかのように伝えられている点については、正しいのでしょうか。それほどハマスのロケット弾はイスラエルに多大な犠牲を与えたのでしょうか。パレスチナ側の犠牲者について述べると、2006年1月のガザにおけるハマスの政権支配以降、今日のガザ空爆直前までのイスラエルの攻撃によるガザのパレスチナ人死者数は、446人です(英ガーディアン紙)。一方のイスラエル側は、ロケット弾でどれだけの犠牲者を出したのでしょうか。 同じ時期、2006年1月以来、今日のガザ空爆直前までのガザからのロケット弾によるイスラエル人の死者数は、イスラエル首相官邸ホームページを見ると次のとおりです。http://www.pmo.gov.il/PMOEng/Communication/IsraelUnderAttack/attlist.html(場所の名前をクリックすると、詳細が表わされます) 2006年11月21日 1人 2007年5月21日 1人 5月27日 1人 2008年2月27日 1人 5月12日 1人 計 5人 このほか迫撃砲により2004年から2008年12月までに2人が死亡しているということです。また同時期の負傷者数は、同じイスラエル首相官邸のホームページでは1人でした。特筆すべきは、イスラエル空爆までの半年間に、ハマスのロケット弾による死者は1人も出ていないということです。ロケット攻撃がイスラエル人にとって恐怖でないと言うつもりはありませんが、それを記事にするなら、大勢の犠牲者を出し続けたイスラエルのミサイルや砲撃、爆弾にパレスチナ人がどれほどの恐怖を抱いてきたかについても言及すべきでしょう。パレスチナ人446人が殺害されているときにイスラエルのロケット被害が5人であった情報を得ることは困難ではありません。イスラエル首相官邸のホームページを見ればいいのですから。それなのにハマスのロケット攻撃がイスラエルをガザ全面攻撃に踏み切らせたと解説するのは正しいのでしょうか。パレスチナ側に千人近い犠牲者を出さなければならないほどの被害をイスラエルは受けたと言えるのでしょうか。「ロケット弾攻撃を繰り返し、イスラエルの攻撃を招いた」という解説、すべてハマスがまいた種、責任はハマスにあるといわんばかりの解説を、大手メディアが行っていいのでしょうか。さらに言えば、ガザの報道をするときに、そもそもなぜこんな問題が起きたのかを、きちんと解説するメディアが非常に少ないことは、残念です。この間のガザ封鎖がどれほど非人道的なことで、人々はどれほど追い詰められた生活をしていたか、1967年から始まるイスラエルによる占領支配、そしてさらに1948年のイスラエル国家建設とパレスチナ難民発生(アラビア語で「大惨事」を意味するNAKBAという)から問題を説き起こす記事が非常に少ないのにも驚かされます。ガザの犠牲者たちのことを正しく伝えなければならないメディアが、攻撃する側に追随したと思われても仕方ない報道をし、しかも問題の原因を無視している状態では、情報を受け取る側は、正しい判断ができなくなると思うのです。このような状態では、攻撃による被害者をどのように報じようと、大手メディアはイスラエルの攻撃と殺戮をどこかで後押ししているといわれても仕方がないのではないでしょうか。ガーディアン紙の報道(2009年1月12日GMT7時49分)によるとパレスチナ人死者は少なくとも884人(うち半分は女性と子ども)、イスラエル人死者は13人(うち市民は3人)となっています。この文章は、DAYS JAPANブログに掲載するとともに、メディア各社報道部・外信部にファックスさせていただきました。2009年1月12日DAYS JAPAN編集長 フォトジャーナリスト広河隆一
2009/01/15
キリスト教徒もイスラム教徒もユダヤ教徒もおだやかにともに暮らしていたパレスチナ。そこへ、神から与えられた土地だとしてシオニスト達の植民がはじまる。だが、このころはまだ神から与えられた土地についてはシオニスト内部にも論争があり、パレスチナと決まっていたわけではない。 だが、パレスチナを委任統治していたイギリスの政策もあり、パレスチナへのユダヤ人の植民が次第に増加する。1936年には、それに反対するパレスチナ人の一斉蜂起がおこる。 悲劇は戦後におこる。シオニスト、欧米諸国がパレスチナへユダヤ国家をつくろうとするし、やがてそれは国連の決定にまかされる。 国連は特別委員会をつくり、特別委員会はAd-Hoc委員会をつくりパレスチナ分割案について検討させる。Ad-Hoc委員会は検討の末、「法的には違法、経済的には持続不可能、政治的には不正」であるとして分割案否定の結論をだす。だが、特別委員会はそれを無視、国連総会はパレスチナ分割案を可決する。これらは、すべてアメリカ主導ヨーロッパ諸国が追随したごり押しの結果であった。 この結果パレスチナは分割され、ユダヤ国家イスラエルと、分割された残りのパレスチナとに分けられる。 このとき、ユダヤ人は分割前のパレスチナ全土の6%、人口の三分の一(約60万人)しか占めていなかった。その彼ら彼女らのために、国連は全土の52%の土地を与える決定をしたのである。 この分割案では、分割されたユダヤ側の土地には、人口の45%ものパレスチナ人が内包されていた。ユダヤ国家を準備していたユダヤ人指導者たちは、1948年の独立までに、パレスチナ人人口が20%になるように、民族浄化を始めた。その結果、少数のパレスチナ人を残して、80万人のパレスチナ人が追放された。 この際、500以上のパレスチナ人の村が破壊され、地名はユダヤの新しい地名に変えられ、サボテンやオリーブに覆われていた土地には針葉樹が植えられ、公園化し、更地にされ、記憶の抹殺がなされたのである。こうしてイスラエル国家は新しい土地に新しい国家を築いたと記憶を、歴史を偽造したのである。 イスラエル建国、民族浄化で追放されたパレスチナの人たちは、着の身着のまま追放された。装飾品や宝石はイスラエル兵士に奪われた。抵抗するものは銃で殺された。村を追われて、当てもなく逃げる道筋には、猛暑のなかで体力を使い果たした、女、子ども、老人、病人の死体が連なっていたという。 建国後もイスラエルは植民、入植を続け、武力による入植地の拡大とパレスチナ人の追放をやめなかった。そして、数次にわたる戦争での領土拡大。その間、パレスチナ人は殺され続けた。それが今も続いているのである。 こうしてパレスチナの苦難は始まり、続いている。 この間、世界に余り知られない大虐殺があった。1976年8月12日、東レバノンのタッル・エル=ザアタル難民キャンプでの難民4000人の虐殺。虐殺したのはイスラエルと結託したレバノン右派民兵。1982年イスラエルのレバノン侵攻後、8月16日~18日、サブラーとシャティーラのパレスチナ難民キャンプでの2千数百人の虐殺。これもレバノン右派民兵。 ブッシュがテロとの戦争をいい、アフガンを侵略した頃には、イスラエル軍はパレスチナ人を世界にしられないように毎日十数人ずつ殺しつづけたという。 今もイスラエルの植民による領土拡大はやまない、パレスチナを塀で囲いまわし、パレスチナ人を閉じ込め、苦しめ続けることをやめない。 パレスチナの苦難はこうしてはじまり、今だつづいているのである。 追記、 オスロ合意が和平の象徴のようにいわれているが、和平の裏側では、イスラエルの植民がつづき、パレスチナの土地が日に日に削られ、イスラエル軍の暴力が横行し、パレスチナ人が殺され続けていたのである。一方、パレスチナ暫定政府のファタハは世界からの援助物資による利権で腐敗しきっていた。オスロ合意はパレスチナ人の間では認められるものではなかった。 ハマスが選挙で勝利したのも当然だった。だが、イスラエル、アメリカをはじめとする「国際社会」は、ハマスを認めなかった。それを力にファタハは政権に居直ったのである。こういう経緯も知っておく必要があろう。 そして、なによりもイスラエル建国以来続く、パレスチナ人の苦難について私たちは十分に知っておく必要があるだろう。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ (注)・上の文章の歴史的事項は岡真理さんの『アラブ、祈りの文学』を参考にした。 ・パレスチナとは、イスラエルと分割されるまえの名称と分割後のイスラエルを除いたパレスチナとがあるのでご注意を。
2009/01/14
こんな熱い思いに溢れた本に出合えたことは嬉しい。一語、一語、一文、一文に熱い思いが込められていることがひしひしと分かる。 パレスチナがたいへんなことになっている。パレスチナ文学からアラブ専攻へとすすんだ岡さんは、たまらない思いである。そして、文学研究者として文学はなにが出来るかと問いにつきあたる。その答えを探して書かれたのが、この一冊である。 岡さんは、パレスチナ人の小説やパレスチナ周辺の作家が描いたパレスチナについての小説をひとつずつ丁寧に分析する。ひとつひとつを小説のもとになった歴史的事実と照らし合わせる。 文学にないができるのか、小説にないができるのか。それはいつも遅れてしかやってこない。しかも、日々苦難の生活を送るパレスチナの人びとのほとんどはそれを読むこともない。読んでも現状をすぐに変える力はない。 これは文学、詩、小説、その他に突きつけられる難問である。 パレスチナが分割され、イスラエルの建国の後、数十万のパレスチナ人が追放される。ある日、のどかにバスに乗っているとイスラエル兵にバスが止められる。全員が下ろされ、一人の少年を除いて射殺される。イスラエル兵は少年に走れと命令する。だが、少年は昂然とあるく。その後は… 例えばこの短編になにの力があるのか。 岡さんは、そういう作業を続けたあとで、こういう。文学は、殺された死者の命を生かせることができる。文学は死者に代って、死者の思いを伝えることができる。記憶を抹殺させないことができる。そして岡さんはいう。小説は祈りであると。 「小説もまたそういうものであるとは言えないだろうか。痛みをただ生きることだけしかできない者たちのために、彼らが耐え忍ぶ痛みゆえに、彼らの知らないところで、彼らに捧げられるひそやかな祈り……。だとすれば、アフリカで飢えている子どもたちを前にして文学になにができるのか、というサルトルの問いに、私たちはこう答えることができるのかもしれないー小説は、祈ることができる、と。だが、祈りとして書かれた小説が、今まさに餓死せんとしている子どもを死から救うのかと問われれば、祈りが無力であるのと同じように、小説もまた無力であるにちがいない。 孤独の中に打ち棄てられた者にとって、自分のために祈る者がいると知ることは、ひとつの救いだろう。たとえその祈りが、今ある境遇から自分を物理的に救い出してくれなくとも、自分が耐え忍んでいる痛みを知り、そのために祈ってくれる人がいると知ることは、魂の救いとなる。だが、祈りの多くは、祈りを捧げられた者たちがそれと知ることなく、ひそやかに捧げられるものだ。この点において小説は祈りににている。祈りを込めて小説が書かれたとしても、その事実が、祈りが捧げられた者たちにとって、その生を支える希望の灯、魂の救いとなることはほとんど、ない。」 「では、祈ることが無力であるなら、祈ることは無意味なのか、私たちが祈ることをやめてよいのか。しかし、いま、まさに死んでゆく者に対して、その手を握ることさえ叶わないとき、あるいは、すでに死者となったものたち、そのとりかえしのつかなさに対して、私たちになお、できることがあるとすれば、それは、祈ることではないだろうか。だとすれば、小説とはまさに祈りなのだ。死者のための。」 「(餓死せんとする子ども、自爆に向かう子ども、そこにいたら私たちは手をさしのべ、身を挺してとめるだろう)だが、私たちはそこにいない。彼のために祈ること、それが私たちにできるすべてである。だから、小説は、そこにいない者たち、いなかった者たちによって書かれるのだ。もはや私たちんは祈ることしかできないそれらの者たちのために、彼らに捧げる祈りとして。」 岡さん自身はパレスチナのためにさまざまな活動もしている方である。だが、アラブ、パレスチナ文学研究者として現実を前にして、文学、小説の意義をこう結論づける。 この本は岡さんの祈りでもある。この本はこれだけに単純化できない実に芳醇な内容をもっている。できるだけたくさんの人に読んで欲しい本である。 岡真理『アラブ、祈りとしての文学』 みすず書房
2009/01/13
大手メディア七社代表が参加する七社会というのがある。朝日、読売、毎日、産経、日経、東京、共同通信の七社の幹部が自民党幹部などと会食しながら、政治全般について意見交換する会である。 この会は、60年安保の際、数十万の大デモが国会議事堂を取り巻いた時、「七社宣言」を出し、デモを批判し、鎮静化を図って、追い詰められた岸内閣を援護したことがある。 また、自民党が危機に頻した時、「小選挙区制度導入」を大々的に宣伝し、小選挙区比例代表制を実現し、自民党や保守勢力を救ったこともある。この際には、各社代表が選挙制度審議会などにも積極的に参加し、猛烈な宣伝を展開した。 節目節目に支配体制を守り、保守勢力を救う役割を果たしてきたのである。 この七社会は今でも活動している。 昨年12月9日夜には自民党の森元首相や実力者が、会食、渡辺恒雄読売新聞グループ本社会長も参加した。つづく12月12日夜には、東京大手町の高級レストランで麻生首相や渡辺氏、そして七社会幹部が会食した。政局、政治全般について意見交換したらしいが、過去の前歴からして、会食自体に疑問が持たれる。 ジャーナリズムが支配勢力と癒着して政治の方向を左右することに加担することは許されることではない。このような動きがあることを知った上で、大手新聞の報道や、社説、共同通信の配信などについても慎重に吟味する必要がある。 なお、ネットで検索してみたら、安倍首相の頃、七社会と会食したことについての記事があった。→ここ (注)1、12月の会食の件については、「世界」2月号の神保太郎「メディア批評」による。元は日経記事によるとのこと。 2、7社共同宣言の七社は、朝日、読売、毎日、産経、日経、東京、東京タイムズ。(ウィキペディアによる) 、3、麻生太郎首相との会食の際の七社会七社目は、世界の記事ではNHKとなっているが、これはたぶん、引用したネット記事とおり、「共同通信」であろう。新聞関係七社だからである。
2009/01/12
ジョセフ・ナイ氏が次期駐日大使に決まった。ナイ氏とはどんな人物だろう。ガバン・、マッコーマック著『属国 米国の抱擁とアジアでの孤立』(凱風社)から関係する部分をメモしておく。途中に注を一つ入れた。最後に簡単な私の感想をふした。以下引用。 「1995年のいわゆる「ナイレポート(東アジア戦略報告書)」では米国の新たな安全保障政策を提起しており~ナイ・ドクトリンの基本原則は1996年4月のクリントン・橋本会談で確認され「日米安全保障共同宣言」に成文化された。これが拡充されて1997年の「日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)になり、1999年の「周辺事態法」の成立に至った。日本はこの間、一貫して受動的だった。米国が日本に求めてのは、1、自衛隊の能力を発揮するために必要な法的・行政的措置を講じること、2、関連法を整備して憲法上の制限を緩和すること、そして3、全体としてナイ・ドクトリンを着実に実行することーであった。」 (注)「ガイドライン」で日本はそのような場合は完全に米国の戦闘体制に統合されることに合意している。そのような場合とはいわゆる有事の際のこと。 「ジョージ・W・ブッシュのl大統領就任前夜、リチャード・アーミテージとジョセフ・ナイをリーダーとする、日本とかかわりのある「前政権高官や、外交・国家安全保障のアナリストや学者からなる超党派グループ」が、国家戦略研究所の主催する会議に出席するためワシントンに集まった。このメンバーからは、リチャード・アーミテージがジョージ・W・ブッシュ政権の国務次官となり、ポール・ウォルフォビッツは国防次官となった。このとき作成された「米国と日本ー成熟したパートナーシップに向けて」と題したレポートはその第三項で。日本の集団的自衛権の禁止が「同盟の制約」となっていると指摘し、米国と英国の特別な関係を将来の日米関係のモデルとして、日本が東アジアの「英国」となることが望ましいと提案している。~ここでいう「成熟した」関係や「緊密で効果的な安全保障協力」を実現すjるために日本は「同盟への制約」となる集団的自衛権のくびきを解かねばならない。、あた。「経済を好転させる」措置もこうじなければならない。「経済を好転させる」とは、いいかえれば市場を開放し「企業会計や商慣習や商取引のルール作りにおける透明性を確保し……規制緩和を加速する」という意味だ。」 「リチャード・アーミテージとジョセフ・ナイが日米関係を「成熟」に導くための指針を作成してから5年半後、ブッシュ・小泉両首脳の公式会談では、日米関係は「歴史上もっとも成熟した二国間の関係」だと褒め称えられた。この言葉が選ばれたのはたいかに偶然ではなかった。第一期ブッシュ政権の誕生前夜から計画された目標は達成された。それは稀に見る米国外交の勝利だった。アーミテージの問題提起は「旗幟を鮮明にすること」や「部隊を戦場に送ること」だったが、結果として日本の莫大な資金を確保し、東アジアの主要戦力を米軍の指揮下にいれた。またピカピカの新品基地を建設する際も、米国にとって日本以上に素直で気前のいい同盟国はない。」 …こう見てくると日本の政権がアメリカの要求をほぼ100%実施していることがわかる。また、自民党、あるいは自公、あるいは橋本、小泉、竹中その他の独自政策とされたもののうち、重要な政策のほとんどがアメリカの要求の政策化であることがわかる。 まさに自公政権は属国日本を作ることに汗をながしているのである。その米国側の要求を政策として推進してきた中心、重要人物の一人がジョセフ・ナイ氏であるようだ。ナイ氏が駐日大使になることは、アメリカの従来の路線が強力に推進されることを予測させ、あまり望ましいこととは思えない。
2009/01/11
簡保の宿が一括してオリックスに売却されるのだという。全国70の施設がほんの安値で売られるらしい。 オリックスといえば、宮内義彦氏。宮内義彦氏といえば、小泉構造改革の中心人物のひとり、規制改革、規制緩和、民営化の先頭に立った人物である。 その人物も中心の一人として押し進めた郵政民営化。その結果が、国民の貴重な財産であったはずの簡保の宿が一括して宮内氏が会長のオリックスに売却されるという。 これは余りに汚いではないか。 これで、構造改革、規制緩和、民営化の本当のねらいがまた一つ明らかになった。それは、一言でいえば、「私益」。「私腹を肥やす」ということである。 宮内義彦氏はネットで検索してみるとこんなことも講演でいっている。あれこれと理屈を連ねて、ねらいは「私益」がねらい。私腹を肥やすことであったのだ。 「民間の分野においての統制経済色をなくすという動きと違って、官が行っている経済活動についてメスを入れるということに対しましては、官全体と対峙するというようなことになりかねません。これは非常に大きな壁です。その最も大きな壁のひとつは、言うまでもなく、郵政民営化という壁だと思います。官がどういう事業をやっているかといいますと、かんぽの宿のような温泉宿から郵便貯金という銀行機能までやっています。そして、郵政民営化の一番の課題は、金融機能が官によって取り込まれ、それが極めて巨大なものになってしまっているという現実です。郵便貯金残高250兆円とか、簡保残高110兆円とかという金額を足してみますと、日本経済の資金の流れの中で極めて大きな部分、個人金融資産の25%近くが官によって関与されているということがあります。郵政事業というのは日本の象徴的な官業で、これは規制改革会議のような民間の人間から政府に対して答申するというような、そういうレベルのことで動く問題ではなく、まさに、小泉政権が政権をかけてこれを動かしているというのが現状です。」 構造改革、規制緩和、民営化などなど、その本質を厳しく掘り下げる必要がある。 (参考)この件に関しては、銀魂うさぎさんの「ハートを撃て!」に実に詳細で的確な記事がある。
2009/01/10
白川静氏の『漢字』を読んだ。以前読んだ『孔子伝』なども眼からウロコ、つぎつぎと開けていく新しい世界をわくわくしながら読んだものだが、この本もさすが白川氏の著作、期待を裏切らなかった。漢字自体の研究、解釈にそくしながら、古代中国のひとびとの生活と思想が精細に論じてあった。 本の始めから終わりまで興味はつきないが、その中から二つだけ、紹介しよう。 ・「学生運動は、もっと古い時代からあった。春秋のとき、鄭(てい)の郷校の学生がさかんに国政を批判し、騒ぎは収まらず、郷校は閉鎖されようとした。このとき子産は、言論の自由を抑止するのは、河水をふさぐのと同様に危険であると警告して、閉鎖に反対し、これを阻止した。紀元前542年のことである。」 ・「征服者は、その征服した土地から、賦税を征取した。それを政という。それを司るものが、正であった。征取の権利は、征服者としてはきわめて正当なものであるとされた。ゆえにそれはまた、正義の意となる。正義とは、おおむね支配者の論理である。」…紀元前542年の学生騒動とは。60年代末期に日本を含めて西欧諸国などで起こった。学生騒動を連想したり、中国の長い歴史の中の民衆の抵抗の伝統などを連想したりした。…正義とはおおむね支配者の論理であるという言葉も至言だと思う。この言葉から、イスラエルが国連決議を無視してガザ侵略を続け、人々を殺し、傷つけ続けていることを連想した。イスラエルはある意味、パレスチナに対する支配者的位置にある。ガザの人びとを殺傷する時、彼らは支配者の論理としての正義を唱えているに違いない。…甲骨、金文の文字から紀元前の世界がいきいきとよみがえる。その世界は決して今と無縁なものではないから、興味はつきないのである。…化粧は神につかえるときにのみ用いられ、仮面の意味をもっていたとか、清の時代まで使われていたという残酷な処刑の話とか細部にも興味が尽きない。なお、そのひとつ、凌遅(りょうち)の刑については、現代中国を代表する清末西太后の頃の話として作家莫言の『白檀の刑』になまなましく描写されている。 (注)ワープロにない漢字を「かな」に直した部分がある。 【メモ】 ★先ほど見たニュース…今日もイスラエルは国連決議も無視して殺戮を続けている。死者777人ということだが、死者も負傷者ももっともっと多いことであろう。家もなにもかもが破壊されていることであろう。 ★国会では、総理は給付金を受け取るのかなどというやりとりをしている。論議をつくすべきことは、対策を急ぐべきことは多いのに。
2009/01/09
★パレスチナ自治区の選挙で、ハマスが圧倒的な支持を得て多数派となった。そのとき、イスラエルとアメリカはすぐさま、選挙の結果を認めないと宣言した。 他国の公正に行われた選挙の結果を認めないというのである。それは、ハマスがイスラエルやアメリカにとって好ましくない存在であったからである。イスラエルやアメリカには腐敗したファタハの方が都合がよかった。 オスロ合意以降もイスラエルは、ヨルダン川西岸地区自治区への入植をやめなかった。ガザ地区からの撤退を演出し、その何倍もの土地を西岸地区から奪った。西岸地区は分離壁で寸断され、大部分の土地を虫食い状態で奪われた。西岸地区でも、ガザ地区でもパレスチナの人びとは収容所状態に置かれた。 そのガザ地区からハマスを排除するために口実を設けての空爆、地上からの侵略をしたのであろう。だが、それは、明らかに違法行為であり、犯罪である。イスラエルが今やっていることは殲滅戦である。イスラエルはホロコーストを今度は自らが実行するのであろうか。 他国の選挙に干渉し、結果が意に反するからといって干渉をつよめ、他国民を収容所状態に置き、侵略する。そんなことは誰にも許されない。★最近財界人の発言がよく聞える。その中で気になることがあった。一つはセーフティーネット、一つはワークシェアリング。 セーフティーネットは、派遣法改正に関連してよく聞く。派遣制度は必要であるから現状のままにしてセーフティーネットを改善せよなどという。 問題は二つある。 一つは、財界がセーフティーネットを壊し、財界や富裕層の優遇を進めてきたことである。もう一つは、競争に勝つためとか、不況に堪えるためとかを理由に簡単に大量解雇を財界が進めているということである。 この二つは矛盾するし、簡単に解雇してその責任を国民に押し付けていいのかということである。 セーフティーネットは十分安全なものにすべきである。とすれば財界は社会保障費の削減などをいうべきではない。 セーフティーネットは十分安全なものにすべきである。だが、簡単に解雇すべきでもない。財界は雇用の安定のために身を削るべきである。 ワークシェアリングもよく聞く。 財界人はその次に必ずこういう。「賃金が安くなっても」 これについても二つ指摘しておこう。 一つは、蔓延する長時間労働を法律どおりにすること。場合によれば、労働時間を短縮する。こうすればかなりな雇用が生み出される。だが、財界人はこういう考えはうすいようである。 もう一つは、賃金は現状を保つこと。財界人はこれを機会に正社員の賃金低下を狙っているようだが、それは許されない。戦後最長期の好況と言われた時期を通じて賃金は低下され続けたからである。財界は溜め込んだものを吐き出し、身を削るべきである。 財界人が不況を理由にさまざまなことをいうようになったが、厳しく吟味すべきことが多いようである。
2009/01/08
「議員も堂々と胸を張って受け取るべきだ」と自民党の幹部がいっていた。例の税金をつかっての公然買収=給付金のことである。自分たちで給付の範囲をきめておいて堂々と受け取るとは。 政党は、支持者でもない人からも政党助成金という金を税金として掠め取っている。(共産党は除く)まるで、泥棒である。議員は金銭的には手厚い保護を受けている。それなのに、貧困者とかいろいろの使い道があるのに、それをしないで「堂々と」給付金を受け取るのだという。 2兆円あれば、低所得者、貧困者への手当てもできる。派遣村に集まったような人たちへのセーフティーネットの破れ目もつくろえる。毎年2200億円減額している。社会保障費にまわしてもいい。国民年金保険料滞納者のうち、所得200万円超について11000件差し押さえしているというその対策に回すという方法もある。必要な部門も方法もいくらでもあるのである。 それをしないで、「堂々と受け取る」といい、給付金をごり押しする自公の議員たちはその発言で自らが腐っていることを天下に宣言したのである。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ガザはますますひどい状態になっている様子だ。 今日もTUPが配信したガザからのメールを転載する。 ◎なお続く地上攻撃 自家発電で命がけで世界に発信される現地の声━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━世界各地で抗議の声が上がっています。その訴えが聞き届けられて、停戦が実現するまで、あと、どれだけの爆撃と破壊と死の知らせを私たちは受け取るのでしょうか。ガザのアブデルワーヘド教授からのメールの邦訳です。<邦訳: 岡真理; 凡例: (原注) [訳注]>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【メール その25】日時:2009年1月5日(月)18:31件名:2009年1月5日午後6時半今日、シファー病院の発表によれば、16人の子どもと7人の女性を含む39人の民間人が亡くなった!公式発表の死者数は540人以上にふくれあがり、加えて負傷者は2600人!人々の健康をめぐる状態は耐えがたく、酸鼻をきわめる。市民は逃げ場を失い右往左往している!ガザ市内のシュジャイヤ(人口がとくに過密な地区だ)で、妊娠中の女性が4人の娘とともに砲撃で死んだ。私の子どもたちは、隣の建物が狙い撃ちされてから、ますます緊張と不安を募らせている。私は努めて子どもたちに話しかけ、できるだけ落ち着かせようとしている。しかし、実際は、航空機、ヘリコプター、無人飛行機が大砲や戦車の砲撃に加わって、私たちは緊張を解いたり和らげたりする暇もないのだ!【メール その26】日時:2009年1月5日(月)19:00件名:ガザ 2009年1月5日2009年1月5日午後6時。地上攻撃の今日、イスラエルの戦車部隊はさらに多くの土地を制圧した。イスラエルの航空機はガザ地区の30の攻撃目標を空襲した。気がかりなのは、ゼイトゥーン地区の東部であれ他のどこであれ、自宅にとどまることのできない市民たちのことだ。ゼイトゥーンは農業地帯で住んでいるのは農民たちだ。彼らのうち何百人かは、ゼイトゥーン地区のなかで人口が密集した住宅地の奥に避難することができた。多くの民間人が、ガザ市の境界地域に対する爆撃で死んだ。電気と水が、ガザの人間すべてにとって依然、主要な問題となっている。発電機はまだ動くので、私はこれらのメッセージを大急ぎで書くことができる!携帯は麻痺し、地上電話はつながらなかったり、聞き取れなかったりすることもあるが、はっきりと聞こえることもある! 数分前、すぐ近くが空襲された。どこだか特定できないが、恐怖におののいた。近所の建物に着弾したのだ!ほんの3軒向こうの建物だ。犠牲者もいる!イスラエルの航空機が照明弾を投下している。あるいは、なにか軍事目的のための光なのかもしれない。イスラエルは何度か、アル=アクサー衛星放送を妨害して、反ハマースの内容を放送した。また戻ります、そうできるなら!【メール その27】日時:2009年1月5日(月)20:13件名: なし次から次へとF16による空襲が今。【メール その28】日時:2009年1月6日(火)13:36件名:ガザ 1月6日12:30昨晩、空襲はますます激しさを増した:30回以上にわたり、ビーチ難民キャンプ東部にある保健センターをはじめ、さまざまな地点が空襲の標的になった。4階建ての建物が1軒、F16に爆撃され、完全に破壊された。何百人もの人々が次々に、戦闘地帯となっている市の郊外から命からがら脱出した。彼らは市内に住む親戚を頼ったり、UNRWAの学校に避難している。フセイン・アル=アイディと家族(女たちと子どもたち)はいまだに、水も食糧も電話その他いかなる生命線となる設備もないまま、一部屋に閉じ込められたまま動くことができないでいる。家族のうち5人が何かの爆弾の破片で負傷している。アミラ・ハス記者が、イスラエルのヘブライ語・英語の日刊紙ハアレツで昨日、それを記事にし、今日、内容が更新された!一方、人権のための医師団が介入して、身動きできないアル=アイディの家族のもとにたどりつけるよう調整に努めている。救急車とおそらくいくらかの食糧を届けようとしている。だが、これまでのところ成功していない!戦闘のただなかにおかれて人道的〔措置を必要としている〕ケースはほかにもある。さらに多くの市民が戦場で身動きがとれなくなっているのだ。死傷者の数も増加の一途だ!
2009/01/07
★総務省の坂本政務官が「年越し派遣村」にあつまる労働者を誹謗する発言をした。その後撤回したが、撤回ですむことではないだろう。NHKニュースによると経過は次のとおりである。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~総務省の坂本哲志政務官は、省の仕事始め式のあいさつで、非正規雇用の労働者らが年末年始を過ごした「年越し派遣村」について「ほんとうにまじめに働こうとしている人たちが集まっているのかなという気もする」と述べました。この中で、坂本政務官は「年越し派遣村の日比谷公園の情景を見ると、ほんとうにまじめに働こうとしている人たちが集まっているのかなという気もする」と述べました。そのうえで坂本氏は、厚生労働省が省内の講堂を開放し、宿泊場所として提供したことに関連して「講堂を開けろ、あるいは、もっといろいろな人が出てこいというのは、学園紛争のときに『学内を開放しろ、学長出てこい』というのと同じ戦術が、かいま見えるような気がした」と述べました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 坂本政務官は発言を撤回したが、前半については、ふと頭をよぎった、適切でなかったとし、後半についてはエスカレートした場合を心配したとしている。 坂本氏をはじめ、政府・与党がまったくなにもせず、困窮する労働者を冷たく見捨てていながら、せっぱ詰まって集まった労働者やそれを支援する活動を誹謗するのが不当である。 派遣村に集まった労働者に限らず、労働者いや国民が政府に向かって行動し、発言するのは、民主主義の基本であり、なんら不当なことではない。それを「学園紛争」を引きながら不当視するのは間違っている。坂本氏は政府には一切文句はいうなという考えなのであろう。これは、民主主義の否定である。派遣村に集まった人たちの要求は当然かつささやかなものだった。失言などでなく、公式の場での公式の発言である。撤回などではすまない。 それでも、坂本氏は地方振興のため現職にとどまるという。坂本氏の私益に利用される地方こそ迷惑である。地方に住む私たちは坂本氏に「地方振興」のため頑張って欲しいとは思わない。自分の損得しかわからない政治家は去ってもらってかまわない。 こんな発言が出るのも、困窮する労働者を放置して毎夜美食に耽るような首相の下では当然であるのかもしれない。★イスラエル軍がガザに侵攻している。ガザは海も陸も完全にイスラエル軍に封鎖されたなかで、攻撃にさらされている。夥しい人が殺され、夥しい人が負傷者している。食べ物も水も不足し、死者を葬ることも負傷者を治療することも、イスラエル軍の攻撃によって不可能になっている。これではなぶりごろしである。 ガザの現状はどうなのか。 以下、TUPで速報されたガザからのメールを転載する。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^^ ◎地上戦のガザから 自家発電で命がけで世界に発信される現地の声━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━地上戦が開始されて3日目、民間人の犠牲も拡大の一途をたどっています。水も電気も医薬品も食糧も尽きたガザ、ミサイルと砲弾の雨のなかで、それでも他者の命を救おうとしている人たちがいます。ガザのアブデルワーヘド教授からのメールの邦訳です。<邦訳: 岡真理; 凡例: (原注) [訳注]>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━【メール その22】日時: 2009/1/4(日)12:12件名: 緊急!毎分、爆発音が聞こえる。1回あるいは2回、3回のこともある。この状態がここ15時間以上続いている。戦車、大砲、戦艦。UNRWA職員のフサイン・オーダ・アル=アイディ(58歳)が戦闘のまっただ中に釘付け状態にされている。イスラエルの戦車複数が彼の自宅の周りを直径1キロ以上の円を描くように動いている。彼は昨晩10時半、砲撃を受けた。家族5人が重傷を負っている。だが、イスラエルの戦車以外、誰も彼に近づけない。彼の家には電気も水も食糧もない。彼の家族たち、母親と彼の二人の兄弟の家族が一部屋にすし詰めになっている。20人以上だ。フサインを緊急に援けなければ、そして怪我人を避難させなければ。【メールその23】日時 : 2009年1月4日(日)18:15件名 : フサイン・アル=アイディ、戦闘の只中に釘づけ!フサイン・アル=アイディが戦闘の只中に釘づけになっている![注1]フサイン・アル=アイディはガザ市東部在住のパレスチナ人(58歳)。今の場所に25年以上、住んでいる。自宅は野菜畑の真ん中に位置している。彼はUNRWAの職員だ。彼は今、一部屋に、自分の家族20人と、彼の二人の兄弟の家族たちとともにいる。彼らは、狭い部屋で電気も水も食糧も電話もないまま、すし詰めになっている!彼の周りには何もない、あるのは戦場だけ。昨夜10時半、アル=アイディ氏は戦闘の真っ只中におかれ、砲撃が自宅に着弾、家族5人が負傷した!彼は負傷者を救出するため救急車をよこすよう訴え続けているが、叶わない。負傷者を、そして可能ならば家族全員を救出するために、彼のもとに救急車を送ってくれという訴えはこれまでのところ、いずれも聞き入れられるにいたっていない!周囲1キロ半以上をイスラエル軍が完全にコントロールしており、イスラエル人以外、誰もアル=アイディ氏のもとにたどり着くことができない! この状況は、どこの国でもいい、人権団体が緊急に人道的行動をおこすことを必要としている!ガザには電気も水もない。食糧もわずかしかない。私は発電機がまだ稼動するのを幸いに、世界に発信している。爆弾が雨あられと私たちの上に降り注いでいる。そして不運にも、アル=アイディ氏は戦闘のど真ん中にいるのだ![注1]アル=アイディ氏については、イスラエルのハアレツ紙でアミラ・ハスも報じています。http://www.haaretz.com/hasen/spages/1052606.html日本語訳はこちらを。http://esperanzasroom.blogspot.com/【メールその24】日時 : 2009年1月4日(日)19:41件名 : ミサイルの雨と真っ暗闇のガザガザで、私たちは、雨のように降り注ぐミサイルと砲弾の集中砲火の真っ只中にいる!今は完全な暗闇だが、その闇を破って無人飛行機やヘリコプターの唸る音が聞こえてくる。通りは人っ子ひとりいない!ときどき、救急車と消防隊のサイレンが聞こえる!ガザ北部の市民は自宅からガザ市西部に逃げ、ゼイトゥーン地区の者たちは西部に逃げている!市民にはなすすべがないというのに、彼らのことなどおかまいなしだ! 彼らを守るものは何もない。今日、救急医療士3人が死ぬ。ほかの命を救おうとしているさなかだった。一昨日も、医師1人と救急医療士が殺された。今夜、携帯の電話網は完全に麻痺している。地上電話は、回線状態は悪いが通話可能だ!夜明け前、ガザの空のいたるところに黒煙の雲があった!わぁぁぁぁぁ、今まさに、足元で地面が揺れている!ボーーーーーーン!
2009/01/06
「会社の正門前に、ふつうの通勤工以外の自由労働者が、毎朝まっ黒に見えるようなときは、~いわゆる「ハマ景気」の活況時と見てまちがいない。」「その臨時雇用の黒い群は、ハマではかんかん虫とよばれていた。上は腰のまがったおばあさんから幼は14,5歳の少年少女までをふくめてい、かんかん虫にはあまり屈強な壮者はいなかったようである。なにしろそれら異様な細民群の稼動が、波止場や桟橋や沖の船まで雲のごとくウヨウヨみていたころが貿易横浜港としてはその最盛時であったといえよう。」 「かんかん虫という呼称は、ぼくには少しもユモラスには聞えない。反対に、エキゾチックではあるが何か灰色の哀感とそして弱弱しい明治世代のうったえる’うたごえ’も持たなかった細民たちの無数の顔が、はなやかな港の灯を背景として、うかんでくる。」 「それにまた、当時ぼくの通勤しはじめた横浜ドックの船具部という職場が、ほとんど彼らと隔差のない姿や範囲のものだった。ちがっているのは、彼らに期待できない危険きわまる随所の足場仕事だとかはげしい重労働だけである。要するに会社常雇いのA級かんかん虫が船具部であるといってよい。」 明治の終わりの横浜のドックの労働者の状況である。描いたのは吉川英治、『宮本武蔵』他の作品で有名である。当時18歳、家が没落し、いくつか職を変わった後、ドックの船具部で働く。貧困の中にある底辺の労働者の姿を彼は的確に捉えている。 こうした労働者の姿を知って思うのは、戦後の労働法制がいかに、こうした戦前の労働状況を改め、労働者を守ろうとしていたかということである。 幼児労働は禁止された。女子についても数々の法で守られた。労働基準法、職業安定法、労働安全衛生法、労働組合法などなど。これらの法を逃れる違法労働はあったが、基本的には、法によって守られたのである。 安倍首相は、「戦後レジーム」の解体をいった。ある意味で正直な発言であった。教育基本法改悪による教育体制の解体、社会保障法制の改悪による社会保障体制の解体、最終的に憲法改悪による安全保障体制をはじめとするすべての戦後体制の解体。 中でも労働法制の改悪による労働者保護の解体は、ちゃくちゃくと進んだ分野の一つであった。相次ぐ法律の改悪により、かつて法律で守られた労働者は、法律によって悪状況に縛られた。非正規労働者、特に派遣労働者などの法律による正当化。吉川英治のいう自由労働者は法律のないなかで生まれたが、派遣労働者は、法律によって誕生し法律のよって正当化された。 今では、「名ばかり正社員」もいわれるようになった。常雇いの正社員という名ばかりで、劣悪な待遇に泣く労働者である。 吉川英治は、自分の働く船具部を「要するに会社常雇いのA級かんかん虫」とそれ以外の普通の「かんかん虫」程度の違いいったが、そのような労働環境が現実のものとなりつつある。 これでホワイトカラーエグゼンプションでも法律化されれば、法律に守られるのではなく、法律によって「裸にされた労働者」が完成することになる。 「改革」「構造改革」「規制緩和」と新自由主義政策を推し進めたその先に見えたのは、労働者が法律で守られることのほとんどなかった戦前の状況に戻った労働者の姿であった。 派遣村に集まった労働者は、自然に仕方なく生まれたものではない。それは政官財学が意図して、力を合わせて作り出したものなのである。 こうして「細民」つまり底辺の貧困者もまたよみがえった。 (注)引用は吉川英治『忘れ残りの記』偕成社 による
2009/01/05
イスラエルがガザ地区への地上戦に突入したという。幅5~10キロ、長さ約50キロの狭い土地である。圧倒的な最先端の武器をアメリカから供与されて、強武装しているイスラエル軍に、ひしめいているパレスチナの民は無残に殺されるのであろう。 アメリカ政府はすぐにイスラエル支持を表明した。ブッシュもライスもそう声明した。 イスラエルはハマスの攻撃を理由にするが、ハマスの攻撃の前にはイスラエルやブッシュ政権の横暴があった。そもそも選挙でハマスが多数を得たとき、それを認めないといったのがひとつ。停戦後もガザ地区の完全封鎖をつづけ、援助物資や医療用品までも止めたのがひとつ。 ハマスのロケット攻撃に賛成はしないが、それなりの理由はあったのである。 歴史を遡れば、パレスチナの地にユダヤ教徒もキリスト教徒もイスラム教徒も隣人どうし共存していたところに、欧米諸国の後押しでイスラエル国家というものをつくり、住民の多数を追放したところに原因の発端がある。その後の、イスラエルの諸政策と、パレスチナの民の苦難との長い歴史があったのである。 ハマスがロケット攻撃をしたにしろ、長い歴史をふり返れば、イスラエルの攻撃を是認できる理由はない。イスラエルは直ちに侵攻を停止すべきである。 こんなことをすれば、他の国であれば、直ちにテロ国家、悪の枢軸などと呼ばれ、自身が制裁を受ける行為である。 なお、これはユダヤとイスラムの宗教対立などではまったくない。 追記、イスラムについて、パレスチナ問題について簡明な文章がある。ぜひ、一読してほしい。岡真理さんは大学の教員で、イスラム、パレスチナ関係の専門家である。 →ここ
2009/01/04
1日の夜、NHKでスペシャル番組をしていた。30分ほどみた。金子勝、山口二郎、斉藤貴男、勝間和代対竹中平蔵、岡本行夫、八代尚宏で、論戦を戦わせていた。 さすが政府の御用を務める三人組は、ぺらぺらとよく口がまわる。だが、彼らのいうことは、かつて言ったこと、したこと、書いたことと、矛盾すること事実が違うことが多かった。それを平気でしゃべりまくるところに彼らの特徴があるようである。これに騙される人もおおいのであろう。 驚いた発言は多かったがそのなかから二つ。 竹中平蔵氏が、「日本の正社員は恵まれすぎている」といったこと。これは、竹中氏本人にはあてはまるであろうが、大多数の正社員の事実とは違う。こんなことを平気でいうのに驚いたのである。待遇をもっと下げるべきというニュアンスだった。こんな認識で彼は「改革」を行っていたのである。 八代尚宏氏が、「非正規は昔からあったのですよ」と非正規雇用を正当化しようとしたのにも驚いた。昔からあったというが、戦後雇用法制ではどうか。企業の中で、今のような形での非正規があったという事実は法改正まではない。完全な論点ずらしである。彼がホワイトカラーエグゼンプションを唱え、各種審議会、委員会の中心メンバーとして「改革」を進めてきたのである。 二つだけ、例をあげたが、こういう発言山積みだった。彼らには「構造改革」「規制緩和」をして、日本をこんなにした責任がある。こんな詭弁が全国の視聴者に向かって堂々となされるとは、主権者もなめられたものである。悪法がぞくぞくと通るはずである。 追記、山口二郎氏だが、もっと別のきちんと対抗できる学者がいるはずである。どうして彼を選んだのだろう。
2009/01/03
(『Pale Blue Dot』 の一節の邦訳)私たちの惑星はこの茫漠たる漆黒の宇宙に浮かぶ孤独なしみに過ぎません。このあまりの広大さの中、私たちの存在はごくひっそりとしていて --私たちを私たち自身から救うための助けがどこか他のところからやってきそうな気配は一切ありません。すべて私たち次第なのです。カール・セーガン …TUPから転載させてもらった。地球を救うのも、地球でおこるさまざまな不幸を救うのも、わたしたちが発言し、発信するなど、何かをする以外にない。たとえそれがどんなにささやかなことでも。
2009/01/02
水のこころ 高田敏子 水は つかめません 水は すくうのです 指をぴったりつけて そおっと 大切にー 水は つかめません 水は つつむのです 二つの手の中に そおっと 大切にー 水のこころ も 人のこころ も …人のこころが、この詩のようにすくわれつつまれ大切にされますように。…人みんなが、大切にされますように。…2009年の年のはじめの願いです。
2009/01/01
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