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3年程前、筒井康隆著「残像に口紅を」の単行本(中央公論社)を買った。文庫本より活字が大きいだろうと思って買ったのだが、1989年発刊なので、活字は大きくなかった。なので、電車の中や病院の待合室で、メガネ無しで読む事はできずそのままになっていた。で、ここに来て、コンピュータのセットアップやバックアップで、待ち時間が多くなったので、その間に残りを読み進めることにした。この本は、言葉(文字・音)がひとつずつ消えていき、その言葉を持つ「物」も同時に消えていく、という内容。最初は「あ」と「ぱ」が消えて、書棚から、この音を含む作者名と書名の本が消える。そして、次には、自分の娘まで消えていく。書名の「残像に口紅を」は、消えた娘に口紅を塗ってあげる、ということから来たもの。で、作者特有の漢字使いなのか、私の知識不足なのか、やたらと読めない漢字が出てくる。脚立にルビを振っているのに(他に読み方がないのに)、それ以上になじみの無い漢字にルビが無い。そして、読んでいくうちに、矛盾を感じるようになった。言葉(文字・音)が消えると、その音を持つ物体も消えるのだが、消え方にえこひいきというか、自己都合があるように思えるのだ。例えば、地球の「ち」は早い段階で消えているのだが、地球は存在している。ま、地球がなくなったら、小説の舞台もなくなるのだから、それを言っちゃぁお終めよ、なのだろうが。
2022.10.12
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知人から、面白いから、と紹介のあった、竹倉史人著「土偶を読む」(晶文社)を読んだ。著者は人類学者であって、考古学者ではないが、土偶イコール女性像ではない、というところからスタートしている。そして、妊婦だとか宇宙人とか、「俺の土偶論」が展開されているが、客観的な根拠に乏しく、話が抽象的すぎて、土偶の具体的な造形から乖離(かいり)していて、統一的な見解が形成されていないという。特に多いのが、「土偶は女性をかたどっている」というもので、中学校や高校の教科書にも記載されているとある。ならば、土偶は何なのか、食物と土偶を対比したカラー写真が何枚もあり、土偶は食物をモチーフにしていると明確に示している。しかし、それをここに載せるのは著作権上よろしくないと思われるので、本の表紙の画像で記しておこう。左側が土偶の頭の部分。右側が(食べる)栗。口の下の「ブチブチ」と頭の突起が、栗をモチーフにした証拠という。表紙の画像は小さいので分かりづらいが、なるほどと納得できる。単なる対比だけではなく、栗の栽培地など色々なデータから、裏付けをしている。この他、8様式の土偶についても、クルミや牡蠣、里芋など、食物をモチーフにしているとの解説があり、いずれも納得合点がいく。私自身も、土偶は女性、と思っていた(教えられた)一人だが、「土偶を読む」を読むと、古代人が食物を大切にし頼りにしたが故の土偶であることがよく分かった。タイトルの「土偶を読む」の「読む」とは、土偶からその時代背景を読み取れ、ということ。久しぶりに「ガッテン」の本を読んだ。
2022.09.26
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講談社道尾秀介著・「カエルの小指」(講談社)、を読んだ。この本は、前作の「カラスの親指」の続編。いわゆる推理小説の一種なので、続編と言うのは少し違うが、登場人物が前回と半数は同じなので、続編、でいいと思う。今回のタイトルは、「カエルの小指」だが、表紙に、murder of crows と、カラス(crow)があるように、前作のカラスを引きずっているようだ。だが、本の中で、murder of crows は、カラスの殺人(murder)でなく、「カラスの群れ」だと紹介している。著者はかなり英語の雑学に凝っているようだが、カエルは単なる(わざとらしい)小道具にすぎない。で、前作では、騙されて、騙されて、騙されたので、今回は騙されまいと、注意深く読んだ。前半と中間の場面で、ここは何か隠しているポイントだな、と感じたところがあったが、それ以上は考えが回らず、後半の種明かしで、そうだったのか、と納得させられた。前作ではあまり感じなかったが、この本では、著者は映画化を意識している、と感じた。やたらに、映像化し易いような表現が多いからだ。もしかして、映画化されたのか?と思って、ネットを検索したら、前作の「カラスの親指」が映画化されていた。そっか、ならば、前作を映画を見ていよう、と図書館を検索したが、図書館にはなかった。ネットには色々な値段で売りが出ていた。
2022.07.29
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講談社chiichan60さんのブログにあった、道尾秀介著・「カラスの親指」を読んだ。「一気に読んだ」とのことなので、どんな本なのかと興味が湧いたからだ。著者は、道尾/秀介さん、「背の眼」でホラーサスペンス大賞特別賞、とあるので、ホーラー小説かと思った。どぎついホラーはイヤだなと思ったのだが、いわゆる推理サスペンス。気楽に読めた。と言いたいのだが、この本も、誰の会話なのかが分からなくて、何回も読み直したところがある。特に、姉妹の名が似ているので、誰が言ったのか、と読み直した。本を読んでいると、残りのページ数から、そろそろまとめ、そろそろエンディング、と分かるものだが、そろそろラスト・・・と感じた段階で、なんと、数十ページが残っていた。この後、だらだらとラストが続くのかと思ったのだが、後始末というか、ラストのラストがあった。なかなか面白い本だった。タイトルの「カラスの親指」はホーラー的なものではない。流れの中で説明のようなものがある。同じ作家で、「カエルの小指」がある。図書館に予約したが、50人以上待ちになているが、所蔵17冊なので、今月中には順番が回ってくるだろう。
2022.05.02
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naomin0203 さんのブログに紹介のあった、垣谷美雨著 「70歳死亡法案、可決」 幻冬舎文庫 を読んだ。タイトルが穏やかではないが、老人が増えすぎて、介護だ健保だ年金だと財政が破綻するので、70歳になったら、誰もが死ななければならない、という法案が可決され施行まであと2年、という書き出し。2年後には寝たきりの姑もあの世行きなのだが、その2年が長い。介護を一手にする嫁と、介護に無関心な夫と、引き籠もりのせがれ、が流れの中心。法律で70歳で死ななければならないので、自分自身の人生もあと15年なのに、口だけ達者な姑の介護をあと2年も続けなければならない。夫には姉と妹、すなわち、姑の娘が2人もいるのに、母の介護に手を貸そうとはしない。しかし、生前贈与の話となると駆けつけてくる。介護はしたくないが財産は欲しい、引き篭もりの原因は甘やかし、正社員になりたいがための超過労、世の中の暗い部分を、更に暗く、時には明るく描いている。仕事で、兄弟の遺産争いは何遍も遭遇している、私の姉弟も介護には無関心だった・・・色々なことを思い出しながら、一気に読んだ。私の読み方が悪いのか、誰の会話なのかが分からずに、読み返したところがいくつもある。そして、後半のまとめがアバウト(すぎる)のが気になった。麻生太郎が、年寄りは早く死ね、と言ったが、寝たきり長期介護には考えさせられるところがあった。
2022.02.26
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山崎圭一著、BSクリエイティブ一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書を読んだ。 この本は、以前に読んだ「日本史」の世界史バージョン「一度読んだら絶対に忘れない」に引かれて、これらの本を予約したのだが、「日本史」に遅れて5カ月、ようやく「世界史」が回ってきた。前回は、日本史を学ぶ人と、世界史を学ぶ人では、考え方が違うのではないか、と書いたが、今回は、本の順番を待たされた割には、本が汚れていないと感じた(画像下)。パラパラとめくって、読んだ気になってしまうのだろうか?それとも、世界史を学ぶ人は、指がきれいなのだろうか?私は、日本史も世界史も大の苦手。「苦手」と書くと、得意でない、というニュアンスが生まれるが、落ちこぼれの劣等生だった(今も)。なので、これらの本を借りたのだが、やはり、理解が難しい。年代順にすると国別(地域別)の歴史が分からなくなり、国別(地域別)にすると、時代の流れが分からなくなる、という世界史の難点だ。で、ひとつだけ、記憶に残ったところがある。パレスチナに関する所だ。なぜ、パレスチナは争いが起き、なぜ争いが絶えないのか、という点が疑問のままだったが、この本には、次のようにあった。イギリスの二枚舌から始まったパレスチナ問題『ことの発端は、第一次大戦中、イギリスが戦争への協力を取り付けるため、ユダヤ教徒とイスラム教徒の両方にオスマン帝国が支配していたパレスチナへの建国を認める約束をしたことによります』そうだったのか~~パレスチナ問題の発端はこれで分かった。絶対に忘れないと思う。
2022.02.24
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低温「ふしぎ現象」小辞典、低温工学・超伝導学会編、講談社(BLUE BACKS)を読んだ。図書館で借りたのだが、おそらく、「ふしぎ」で検索して、出てきたのがこの本だと思う。サブタイトルにあるように、0℃~絶対零度で何が起こるか?とあるように、普通の温度から絶対零度までの不思議現象を、10人の専門家が書いている。気化熱で冷やすウォタークーラーから始まり、超伝導現象が起きる温度、宇宙の温度、などまで、様々な低温度での世界を解説している。低温度の世界と言っても様々なようで、10人の筆者がそれぞれの立場で書いているため、全体が一つの流れになっていないのが残念。ま、「小辞典」とあるように、各分野は独立しているということなのだろうが、辞典というスタイルにはなっていない。索引が付いているだけだ。なるほどと思いながら読んだのは、液体にならない気体、固体にならない液体のこと。科学者のこだわりのようなものを感じた。そして、思い違いしていたのは、気象のフェーン現象。単に大気の流れが山に当たって雨を降らせ、その乾いた空気が山の反対側に吹いてくるものと理解していたが、そこに大気圧が関係していることを初めて知った。
2021.12.21
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新井紀子著(東洋経済新報社)AIvs. 教科書が読めない子どもたち を読んだ。ブログ友のザビ神父さんに「読んだ?」と尋ねられた本で、図書館で借りた。AIvs. 教科書が読めない子どもたち というタイトルに興味が湧いたが、AIと教科書を読めない子どもとの関係は・・・よく分からなかった。AIは中学生程度の常識さえ持てない。詰め込まれた冷蔵庫から缶ジュースを取り出すことさえできない。という点などから、AIvs. 子ども、なのだろう・・・。おそらく著者は、AIを育てるのと、読解力の足りない子ども教育するのは同じ事、として書きたかったのだろうと思う。で、この本の分類は、「コンピュータ」になっている。AIと言えばコンピュータだが、この本の内容は、読解力の足りない子どものことと、AIの発達で消えていく職業と、生き残る職業、つまり、AIには出来ない仕事と得意な仕事のことなので、「コンピュータ」の本ではない。このブログのカテゴリー分類でさえ迷うのだから、図書の分類はさらに難しいと思うが、この本の分類はタイトルだけで判断したと思われる。新井紀子著(東洋経済新報社)AIvs. 教科書が読めない子どもたち を読んだ。ブログ友のザビ神父さんに「読んだ?」と尋ねられた本で、図書館で借りた。AIvs. 教科書が読めない子どもたち というタイトルに興味が湧いたが、AIと教科書を読めない子どもとの関係は・・・よく分からなかった。AIは中学生程度の常識さえ持てない。詰め込まれた冷蔵庫から缶ジュースを取り出すことさえできない。という点などから、AIvs. 子ども、なのだろう・・・。おそらく著者は、AIを育てるのと、読解力の足りない子ども教育するのは同じ事、として書きたかったのだろうと思う。で、この本の分類は、「コンピュータ」になっている。AIと言えばコンピュータだが、この本の内容は、読解力の足りない子どものことと、AIの発達で消えていく職業と、生き残る職業、つまり、AIには出来ない仕事と得意な仕事のことなので、「コンピュータ」の本ではない。このブログのカテゴリー分類でさえ迷うのだから、図書の分類はさらに難しいと思うが、この本の分類はタイトルだけで判断したと思われる。
2021.12.02
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新井紀子著・新曜社・「生き抜くための数学入門」を読んだ。中学生に向けた数学の本で、多くの漢字にルビが振られている。タイトルは、なんで数学が人生に必要なのか・・・という、中学生の疑問に答えるためかと思ったが、タイトルのことについては書かれていない。ただ、「1個250円の林檎と、1個120円の蜜柑を買い、1230円を支払いました。林檎と蜜柑は何個ずつ買ったのでしょう」などという文章題が作れない算式に、 -5+3×(7-9) とか 12÷(-2)^2 【^2 は、2乗】などがある、と書いている。文章題にならないことと、「生活には無意味」は、イコールではないかも知れないが、そんな気がして、少々ほっとした。そっか~~~~と、この歳になって知ったのは、 1/3 は 0.33333・・・・・・・ だから、 0.33333・・・・・・×3 は 0.99999・・・・・・ だが、(1/3)×3 は 1 だから、 1=0.9999・・・・・ ということ。私の時代に、このようなことを教えられた記憶はない。もし、教えられていたら、数学が好きになっていたかも知れない。もう一つ、教えられていたら、数学が好きになっていたかも、は、円周率が、3と4の間であることの証明。正三角形6個と、正方形で証明ができる。この歳になって、数学と図形の関係がよく分かった。ただ、円周率が3と4の間であることを証明しても、何ら私の人生には関係ないのだが・・・この本の中に、「博士の愛した数式に挑戦」という項目があり、オイラーの等式の説明があったが、読めば読むほど分からなくなり、まったく理解できなかった。中学生向けの本なのに。
2021.11.17
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「科学のふしぎな話365」ナツメ社 日本科学未来館監修を読んだ。読んだと言っても、小説のように最初から最後まで読んだのではない。パラパラとめくりながら、目に止まったところだけを読んだ。この本は、科学の面白さを子供に分かりやすく書いたもの。365の話が載っているのだが、日記のようなものではないが、月割りがなされている。しかし、その月割りには意味がない。毎日1項目を読んで欲しいということのようだ。なので、科学の分野はバラバラ。動物、電気、宇宙、気象・・・脈絡なく並んでいるので、最初から読もうとすると、面白くない。という本だが、感想を2つ。1つは「ライオンはどうしてオスだけたてがみがあるのか」。進化の過程のことかと思って読んだが、オスの特徴を書いているだけだった。もう一つの感想は、「キリンの首はどうして長いのか」これも首が長いと便利なこともあるが、不便なこともある、その理由はよく分かっていない、そして、進化の過程を示す化石が見つかっていない、とある。ライオンの方はがっかりだったが、キリンの進化の化石が無い、にはそうなんだ~と教えられた。当然に進化してきたのかと思っていたが、突然変異だったのかもしれない。
2021.11.08
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山崎圭一著 SBクリエイティブ社一度読んだら絶対に忘れない 日本史の教科書を読んだ。この本は、「世界史」と一緒に図書館に予約をした本だが、なぜか、「日本史」の方が先に回ってきて、「日本史」と「世界史」に興味を持つ人に、何らかの人間的な違いがあるのではないか、と余計なことを考えさせられた本。著者は、県立高校の教諭。YouTuberという軽い印象の肩書きが気になるが、まともな、真面目な、歴史の教科書だ。・○○時代、△△時代、などと区分せずに、すべてを数珠つなぎにして、 1つのストーリーにしている・ストーリーの主役は、天皇、将軍、総裁などの政権担当者・年号や年代を使わないことを特徴としている。時代の変わり目には、「あらすじ」があり、その時の、政治、経済、社会、外交、などの要約があって、分かりやすい。私に欠落している、明治、大正、の歴史が面白かった。だが・・・歴史が苦手な私には基礎的知識が無いため、「一度読んだら忘れない」にはならない。やはり、歴史は覚えられないようだ。この本は、期限までに返却した。
2021.09.25
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真柄俊一著 イースト・プレス「がんは治療困難な特別な病気ではありません!」を読んだ。がん関連の本はもういい、と思いながらも、新聞の広告に載っていると、図書館を検索してしまう。特にこの本は、 「近藤理論」の誤りを指摘し、 がんが消えていく自然治癒力のすごさを徹底解説と、近藤理論の誤りを強調しているので、読んでみた。だが、最初から、「近藤理論」の抗がん剤批判は正しい「近藤理論」の「免疫細胞療法」批判も信用できるとある。抗がん剤は「毒」というのも、医者がストライキをすると死亡率が下がるというのも、近藤医師と同じ意見だ。著者も医師。「食事」と「自然治癒力」で、がんが治る(こともある)、と言っている。食生活が貧しい国では先進国のような病気は無い、食生活が貧しい国の人でも、裕福な家庭では、子供が現代病になる、食生活の貧しい国の人が裕福な国で(その国の軍隊に入ったりして)生活すると、その国の人と同じような病気になる、ということから見ても、食生活が第一だという。だが、だからこういう食生活をするとがんが治る、とは書いていない。「近藤理論の誤りを指摘」に釣られた人が買う本のようだ。と言う私も、図書館で借りて読んだワケだが・・・
2021.09.11
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近藤誠著/医者に殺されない47の心得/アスコムを読んだ。新聞の書籍広告欄にこの本が載っていたので、近藤医師の新しい本かと思い、図書館で借りた。が違った。2012に発売された本の文庫版だった。普通の文庫版とは違い、紙が白いので読みやすい。これまで、近藤医師の本は何冊も読んでいるので、がん治療に対する氏の姿勢はよく分かっているつもりだが、 ●医者がストライキをすると死亡率が減る コロンビア アメリカ イスラエル、で報告 ●がん検診をやめた泰阜村 胃がんでの死亡割合が6%から2.2%に下がったなど、新しいデータが載っている。医者がストライキをすると、病院へ行けない患者が死亡する、のではなく、手術や投薬で死亡する患者が減る、ということ。なるほど、言われてみれば、そうかもしれないと思う。泰阜村(やすおかむら・長野県)の、「がん検診をやめた」というのは、最初から分かっていて止めたのではなく、費用対効果などから、検診をやめざるを得なかった、のが最初で、結果的に胃がんの死亡割合が減少したようだ。タイトルは扇情的だが、医者や薬に殺される、のはあると思う。
2021.08.21
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小川洋子著「博士の愛した数式」を読んだ。2005年発売で、第1回の本屋大賞ということでも話題になった本だが、仕事に追われていた時なので、そのうち、そのうちと思いながら、いつの間にか読むのを忘れていた本だ。この本に登場する博士は、数学者。交通事故の影響で、新しい記憶は80分しか持たない。そんな博士が、靴のサイズや誕生日の数字から色々なことを教える。で、図書館で検索したら、新潮社と大活字文庫が出てきた。最近の本、特に文庫本は活字が小さいので、爺さんには辛いので、活字の大きな文庫本も借りてみた。ところが、違った。文庫本で活字が大きいので大活字文庫なのかと思ったら、新潮社のより一回り大きなサイズの本で、大活字文庫というのは、出版社の名前だった。画像は、両者の活字の比較。あまりにも大きな活字にびっくり。こんなに大きくしなくても・・・と思ったら、弱視の人が読めるように作られた本だという。活字が大きいので、同じページ数というワケにはいかないし、小説なので、途中を割愛するワケにもいかない。なので、3分割されている。ということで、「博士が愛した数式」を読んだのだが、話が散らかりすぎ、展開がアバウトすぎでまとまりがない、という感じだ。
2021.07.08
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KKロングセラーズ何とも長いタイトルだ。左が、「余命3カ月のガンが消えた 1日1食奇跡のレシピ」右が、その続編で「余命3カ月のガンが消えた 1日1食奇跡のレシピ2 腸をきれいにする奇跡の「煮あずき」」この本は、ブログ友のちゃおりさんから、色々なガン関連の本があるが、「別角度からのヒントがいろいろあるご本ではないかと思えました」と紹介を頂いたもの。著者は、ムラキテルミさん。料理研究家・ガンサバイバーの肩書きがあり、著者紹介には、カリスマバイヤーだったともある。著者は、余命三ヶ月と宣告されたが、いわゆる食事療法の結果、13ヶ月でガンが完治したと書いている。医者が書いた本ではないので、1冊目は自分自身のことだけだが、ガンは、食べ過ぎと体の冷え、と書いている。そして、料理研究家らしく、いくつもの健康レシピが載っている。ただ、2冊目の「煮あずき」には、煮小豆のレシピは無い。煮小豆そのものを食べることに重きがあるからだ。この本は、画像左が平成26年刊で、10カ月後に右の本が出されている。いわゆる2匹目のドジョウを狙った感じなので、2冊目は字間が広くて内容が薄く、押しつけや決めつけの表現が気になる。精神論的なところもあるが、ちゃおりんさんの紹介にあった「別角度からのヒント」を得た本である。そうそう、ちゃおりんさんは、月曜断食を実践されている。
2021.06.05
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昨日の続き読売新聞の編集手帳に引用されていたのは、ジュール・ルナール著、岸田國士譯「博物誌」からの「蝶」で、「 蝶 二つ折りの戀文が、花の地番を捜してゐる」。なんと夢のある自然に溢れた明るい表現なのだろうと思った。俳句をたしなむ者として、こんな表現をしたいと思う。蝶が花から花へと飛んでいるのは、恋文が届け先の地番を探(今は、この漢字だと思う)しているというのだ。いや、私がこんな野暮な解説をする必要はない。まさにそのとおりなのだ。編集手帳の筆者がこの本を紹介したくなるのがよく分かる。この本を借りたくなったのは、他の動物はどう表現されているかを知りたかったからだ。蝶の次は、蟻を見た。「 蟻 一匹一匹が、3といふ數字に似てゐる。 それも、ゐること、ゐること! どれくらいゐるかといふと、333333333333・・・」旧仮名遣いがなんとなく嬉しいのだが、編集手帳にどう書かれていたのかを見直したら、新潮社の文庫版からの引用だった。おそらく、現代語に直されているのだろう。◎昨日のコメントにあった質問のお答え ちゃおりん804 さん >新潮社の文庫本だったような気がします。 はい、新潮社の文庫本と編集手帳に書いてありました。nik-o さん >使ってある漢字も難しそう。スラスラ読めたでしょうか? そうなんです、読めない漢字がいくつもあります。 その都度、ネットや電子辞書のお世話になっています。わからんtin1951 さん >表紙は、どんな風なのか、お写真載せて下さい~♪ 裏も表も、濃いめの緑一色です。カバーがあったのかも知れません。
2021.05.22
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ナツメ社図書館で、再び、同じ本を借りた。なぜ同じ本を借りたのかというと・・・分からない。借りた本は、「算数なるほど大図鑑」。以前のブログに、「なぜこの本を選んだのか、借りることになったのか、記憶に無い」と書いたが、今回は更に分からない。前回は、何かの本を検索していたら、ヒットしたので借りた、という経緯があるが、今回は、そのような記憶もまったくない。ネットで予約したCDを借りに行ったら、この本も渡された。個性のある表紙なので、この本を既に借りた記憶があったが、図書館の間違いではないようなので、借りることにした。ただ、この本はB5版で350ぺーじもあり、紙が厚いので、結構な重さがある。図書館の帰りに、飲むヨーグルトなどを買う予定だったので、そのまま返却機で返そうかと思ったが、これも何かの導きかも知れないと思い、持ち帰った。この本には、算数関連の項目が150ある。なので、前回借りた時には、全部を読み切れていなかった。“天の声”が、『読み落としの項目を読みなさい』と言っているのだろうか?何か重要なことを読み落としているのかも知れない。1日に5項目読んで、30日かかる。とすると、この本を買えということか・・・ネットを見ると、3080円。どうしよう・・・
2021.05.13
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読売新聞に「時代の証言者」という連載がある。政治・経済・スポーツなど様々な分野から、生い立ちから功を成すまでを、その時代のその分野の背景とともに伝えるもの。一人30回ほどの連載で、今は、宇宙物理学者の佐藤勝彦さん。テレビを組み立て、中学生の時にアマチュア無線局を開局した、という科学少年。中学生の時に夢中になった本が、「不思議の国のトムキンス」というので、どんな本なのかと思い、図書館で借りた。それは、物理学者ジョージ・ガモフが大衆向けにアインシュタインの相対性理論や、宇宙に関する理論を解説したもので、「不思議の国」というのは、光の速度がゆっくりで、汽車より少し速いだけで、自転車で街を走ると街がゆがみ、汽車から降りた中年紳士を迎える老婦人は、紳士の孫娘、という書き出し。しかし、すぐに、難しい算式が出てきて、前に進まない。私も、相対性理論を理解しようと何冊もの本を読んだことがあるが、この本には出会わなかった。いや、出会ったとしても、途中で投げ出していただろう。で、「時代の証言者」では、宇宙の始まりについて、分かりやすく解説しているところがある。・・・そっか~ ビッグバンについて、もう一度読んでみようか、と思わせる解説だが、すぐに難解の壁にぶち当たるのは目に見えている。学者と凡人の違いだ。画像は、「不思議の国のトムキンス」の復刻版。
2021.04.30
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開成中学の入試問題の難しさに驚き、算数を勉強する気になった。今更どうこうしようというわけではないが、小学生が解ける問題なのに、まったく歯が立たないのは悔しいので、図書館で3冊の本を借りてきた。1、中学入試の算数が面白いほど解ける28のルール 明日香出版社 間地秀三著28のルールがあるというのだが、ルール化しようとしたためか、多くを図式化しているので、なぜこんな図式になるのか、を考えてしまい、先に進まない。2、大人のための算数練習帳 講談社 佐藤恒雄著出題された中学校の名が載っている。実際に出された問題とういうことが分かるので、現実的になる。こちらは解説がわかりやすいので、読んでいて楽しい。3、算数はアタマのよくなるパズルだ みくに出版 ピーターフランクル著この本にも出題中学の名がある。なぜか、この本は読みづらい。フォントなのか、行間なのか、紙質なのか、読みたくなくなる何かがある。ということで、3冊のうち2冊を読んで、解けずに、解説を読んだのだが・・・頭の中には、何も残っていない。
2021.02.23
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NHK出版図書館の本を検索するには、タイトルまたは著者名を入れるのだが、その一部だけでも該当すれば、検索結果として出てくる。この時代、当たり前のことだが、時として思いもよらない本が検索されて出てくることがある。先日の検索で出てきたのが、画像の「子ども科学電話相談 おもしろギモン大集合」。私の入力に間違いがあったのか、図書館のデータに間違いがあったのか、分からないが、予想もしなかった本が出てきた。こうして画像を載せているということは、この本を借りたということ。借りたということは、読んでみようと思ったということ。この本は2019年6月発売の本。最近NHKラジオは聞いていないが、子ども科学相談は健在のようだ。仕事をしていた頃は、車の中で聞いていた。で、最近の子の疑問相談は・・・ 猫は水が嫌いなのに、なぜ魚好きなの? 小3 138億年前の宇宙誕生の前にはなにがあったの? 小5 リニアモーターカーはなぜ速く走れるの 小6 人間はなぜ争いごとをするの? 小1 AIが人に恋をすることってあるの? 小4などがあって、レベルが高くなっている。今の子には色々な情報が入っているのだろう。この本を借りて、普段疑問に思っていることが浮かんだ。 図書館は何のためにあるの? と。図書館は何のために生まれたのか?この情報過多の時代に必要なのか?図書館でCDやVDVまで扱うのはなぜなのか?本が売れないのは図書館があるからではないのか?・・・・・と。
2021.02.09
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「がんと闘うな 論争集」、「抗がん剤だけはやめなさい」、「がん患者よ、近藤誠を疑え」の3冊を読んだ。いずれも、近藤誠医師の編著や著書。図書館で、がんに関する本を検索すると、いわゆるサプリメントが効いたというもの、そして、近藤誠医師(他)の切るな、飲むな、という内容のもの、それに、近藤医師への反論書、が出てくるのだが、圧倒的に近藤誠医師の本が多い。それだけ、近藤誠医師が書いている、ということだと思うが、多くの情報を得たいガン患者としては、「切るな、飲むな」について様々な意見が欲しいのだが、無いものは無いということのようだ。●「がんと闘うな 論争集」(1997年)メディカルトリビューンという医学新聞に掲載された対談を、割愛された部分も含めて再掲載したもの。がんセンターや総合病院の院長や医長、医学関係者12人と11回に分けての対談が載っている。近藤医師が別の本で「敵前逃亡した」と書いた医師との対談もあるので、人選に極端な不公平はないと思われる。大方の人が、切るにしても、薬にしても、対患者にしても、日本の医学界の基本的な部分に問題があると言っている。●「抗がん剤だけはやめなさい」(2013年・文庫版)まえがきに、近藤誠医師への反論書、「抗がん剤は効かない」の罪 を書いた勝俣範之医師から、対談の申し込みがあったが、直前になって、「がん放置療法のすすめ」を読んだら、自分が準備不足であることが分かった、という理由で、キャンセルされた。相手の本も読まずに対談をしようとは・・・と書いていて、本章では、勝俣医師が書いている、「腫瘍内科医が少ないから、外科医などが抗がん剤を投与せざるを得ないのが現状だ」、というのは、抗がん剤が悪いのではなく、医師の方が悪いと言いたいのか・・・と嘆いている。●「がん患者よ、近藤誠を疑え」(2016年)念のため、これも近藤誠医師の本である。自分で自分を疑えと書いているのだ。セカンドオピニオンで、医者の意見が同じだったら、警戒しなければならない。なぜなら、医者は教科書どおりの判断をするから。すべてを疑って、自分の頭で考え、納得できる治療を選べ、と書き、近藤理論についての45の疑問について答えている。色々なガン関連本を読んできたが、とりあえず、ここまでにして、セカンドオピニオンをしてみようかと思う。
2021.02.02
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文春文庫近藤医師の「何度でも言う がんとは決して闘うな」(2014年)を読んだ。著者は、「患者よ、がんと闘うな」を書いた医師。二番煎じの本かと思ったが、そうではなかった。生い立ちから始まり、父親が医者なのだが注射が嫌いで医者になるのが嫌だっとある。また、慶応病院の放射線科に勤めながら、司法試験を9年連続で受けて、(一次試験は)7勝2負だっともある。このような本を書くことになったのは、アメリカ留学中に知った乳房温存療法。アメリカでは、1950年代は乳房全部切除が74%あったものが、1981年には3%まで減ったのだが、日本では1985年時点で67%を占めていた。医師を相手に情報を発信しているだけではダメだと考え、世の中の女性に広く直接訴えて行くことにしたという。慶応病院の勤務医の身分で書くと、病院内で村八分にされて孤立する。そうと分かっていても、「勝手に乳房を切り取るのは外科医の犯罪行為ではないか」と文藝春秋に発表した(この時も司法試験を受けていた)。しかし、定年まで慶応病院に勤めた。教授にはならなかった(なれなかった)が、居心地は悪くなかった。そして、本は、逸見政孝アナウンサーのガン手術を徹底的に検証する、が続き、逸見夫人との対談などがあり、手術や抗がん剤について、「闘うな」と書いている。あとがきには、定年退職して一週間もたたないうちに、慶応病院放射線治療科から「絶縁状」が届いたとある。自由と平等、独立と自尊、という慶応大学の理念は、慶応病院にはなくなった、と。
2021.01.26
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文藝春秋「抗がん剤10のやめどき」(2013年)の著者、長尾和宏医師も書いている。患者が本やインターネットでがん治療の情報を取り入れるのは大いに結構だ、と。しかし、玉石混交で情報が発信された年代が入り乱れていることを念頭に置いておいたほうがいい、とも書いている。そして、近藤誠医師の大ベストセラー「患者よ、がんと闘うな」は、 1996年発刊で、それまでは、がんとは、闘い、闘い続けて死ぬるもの 医療者側からすると、死ぬまで過剰な延命治療やり続けるもの という風潮だった。 だが、抗がん剤の情報は月単位で更新されているので、 15年以上も昔に書かれた医療の真実が、現在の医療の真実とイコールと言えるのか、 答えはNOだ、この本が電子化されたりして今でも売れ続けていることに 首を傾げざるを得ない、と書いている。そのとおりだと思う。抗がん剤治療を数年間受けただけでも、治療の流れが変わっていくのを感じる。この本の存在は知っていたが、古い本なので、読まずにいたが、何がどう変わってきたのかを知るには、読む価値があると思い直した。ということで、「患者よ、がんと闘うな」を借りた。96年3月に1刷で、同9月には17刷、確かに大ベストセラーだ。データが古いことを念頭に読むつもりだ。
2021.01.21
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抗がん剤に関する本を図書館で借りている。今回借りたのは「抗がん剤治療を安心して受けるために」。図書館で受け取る時に、思わず、「えっ」とつぶやいてしまった。病院の化学療法室においてあるような冊子だからだ。財団法人がん研究振興財団が、宝くじ普及宣伝事業の費用で作成したとある。裏表紙は宝くじの宣伝。ページ番号が振られているのは28ページまで。図書館で扱う本なのだろうかと思った。そもそも「本」とは何を指すのだろう。「本」の定義はあるのだろうか?ウィキペディア(Wikipedia)を見ると、 「1964年のユネスコ総会で採択された基準は、「本とは、表紙はページ数に入れず、 本文が少なくとも49ページ以上から成る、印刷された非定期刊行物」と、 定義している。5ページ以上49ページ未満は小冊子として分類している」とある。ユネスコが何の目的で定義したのか分からないが、ページ数だけで決まるものではないように思う。BOOKという外国語の問題なのかもしれない。例えば、印刷した用紙の左肩をホチキスで止めただけの物は本と呼べるのだろうか。また、枚数は少なくても、用紙の縦を数カ所ホチキスで止めたら本らしくなる。おそらく画像の本は、普及のために市役所に無償で送られてきたものだろう。それを、図書館に回したので、図書館の蔵書となったのではないだろうか?私がもらった、化学療法室に置いてあった冊子は、46ページある。ま・・・ページ数だけではないだろうが・・・
2021.01.19
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主婦の友社 斉藤建著「近藤誠氏の『がんもどき理論』の誤り」(1996年)を読んだ。これも、近藤誠医師への反論書だ。著者は東大医学部卒の病理学の医師。最近は著者の経歴を見て、本の発行年月を確認するようになった。医学界の進歩は早いので、古い情報はそのつもりで読めと、長尾和宏医師が書いていたからだ。この本の発売は、平成8年の12月。今時、和暦か・・・主婦の友社か・・・西暦だと、1996年。近藤誠医師の「患者よがんと闘うな」を読んで書く気になったとある。「がんもどき」というのは、ガンではあるが、転移や急拡大しないガンのことで、近藤医師が、「がん」と「がんもどき」は違う、がんもどきは「おでき」のようなものだがら、引っ掻いたりしないで、おとなしくしていれば、悪さはしない、・・・だがら、手術や抗がん剤を急ぐな、と書いている。著者の専門は病理。病理とは、患者から採取した細胞を検査して病理診断すること。患者とは直接接しないが、がんの判断(手術)では重要な診断をしている。反論の中心にあるのは、医者が何もしないワケにはいかない、というもの。医者として当然の考えだと思うが、患者の苦しみをどう考えるかについては、あまり書かれていない。そして、反論は、近藤医師の言葉尻を捉えたものが多い。「断定している」、「言い過ぎだ」、と書いているが、全体を読んでいないと感じる。ま、それが反論の仕方の一法ではあるが、読んでいて、的外れ感を抱く。
2021.01.16
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毎日新聞社勝俣範之著、「抗がん剤は効かない」の罪(2014年)を読んだ。近藤誠医師の書いた「抗がん剤は効かない」の反論書だ。色々な情報を手にして自分で判断するように、と近藤医師自身が書いているので、それに従って、反対意見を読んでみたものだ。著者勝俣範之さんは、国立がんセンター中央病院などに勤めた腫瘍内科医師。いわゆる市販本はこれが初めてのようで、自身の立場上なのか、信念なのか、出版社の売らんかなのか、「抗がん剤は効かない」を「罪」として反論している。反論している、と書いたが、「はじめに」を読んだだけで、反論書ではないと感じた。近藤医師の書いていることを認めつつ、誤った解釈をしないように、という解説のような、補完のような「はじめに」だ。そもそも、近藤医師が「抗がん剤は効かない」を書いたのは2011年で、この本は2014年に出版されている。反論にしては遅いのでは、という感じだ。抗がん剤は毒薬から開発された抗がん剤で生活の質を犠牲にしてはならない抗がん剤服用による死亡は非専門医による処方製薬会社と医師たちが癒着しているという指摘は正しい部分もあるがん放置治療は医者としてできない著者勝俣範之医師はこのように書いて、近藤医師の主張を認めつつ、書き方が一方的で誤解を与える、としている。そして「あとがき」には、次のようにある。「私たち専門家はこれまで、一般社会に向けて、きちんと情報を発信してきたとは いえません。それを果たしていたら、このようなこと(補足:近藤医師の本の絶賛) にはならなかったのかもしれないと反省しています。」
2021.01.13
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文藝春秋近藤誠医師の「抗がん剤は効かない」(2011年5月)を読んだ。著者は、慶応医大の放射線科の医師で、在職中に「患者よ、がんと闘うな」を出版し、定年まで勤めた。文藝春秋2011年1月号に同名の論文が掲載され、大きな反響があり、専門家からは「間違っている」との批判がマスコミを賑わしたので、専門的知識を持たない患者のために、この本を書いた、とある。専門家への反論なので、医学書のような部分もあるが、丁寧に「なぜ効かないのか」を専門家が発表した医学データーを示して、分かりやすく解説している。私なりに要約すれば、抗がん剤でがんは小さくなるが、寿命は延びない、抗がん剤の毒性の方が命を縮める、とある。(固形がんのことで、血液がんは除く)うふふ・・・と微笑んでしまったのは、専門家なのに、証拠も示さずに反論だけしてくる、という件。読んでいて、医学界にもトランプ大統領と同じ回路の人種がいることを知った。そして、素人を納得させる言葉がある。心筋梗塞や脳卒中で生き残った場合には半身不随になることもあるが、ガンであれば、死ぬ少し前まで普段通りの日常生活を過ごせることが多い、と。また、抗がん剤については、法規で「毒薬」や「劇薬」に分類されているものが少なからずあるといい、毒性が体内に蓄積していくことを医学データで示し、抗がん剤の「副作用」と言わず、「毒性」と言うことを提案している。私自身、がん患者であるが、現在の所、がんによる痛みなどはない。あるのは、抗がん剤の副作用(毒性)による足の裏の痛みだ。この本を読んで、抗がん剤は延命にならない、ということが分かった。ならば、抗がん剤を止めで、歩行を楽にした方が良いのではないかと思う。だが・・・と、迷うのである。
2021.01.12
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長尾和宏著 ブックマン社 2013年近藤誠医師の、「多くの情報を集めて自分で理解して判断するように」に従って、がん関連の本を読んでいる。これが3冊目。著者は開業医(いわゆる町医者)の長尾和宏さん。医大を出て、10年ほどで開業している。開業している親の医院を継いだとしても早すぎる、と思ったら、大学病院時代に、末期の胃がん患者に「もう抗がん剤治療をしたくない」と言われ、それを上司に相談したら、抗がん剤続行を指示され、(アホな私は)それをそのまま患者に伝えたところ、その夜、患者は屋上から飛び降り自死した、数時間前までその腕に抗がん剤を打っていた患者の遺体を検死した、怒りとやりきれなさ、己の無力さに歯ぎしりしながら亡骸を拭いた、と書いている。そんな経験から、町医者になり、患者に寄り添った治療をするようになり、色々な経験から、ノンフィクションのようなフィクションで、一人の患者のガン発見から、臨終までを描写している。私は、このフィクションを読んで、3回、涙を流した。あまりにも切なく、あまりにも現実的で、その描写が目に浮かぶのだ。著者は小説家としての才能も持っている。著者は町医者で、患者はがんセンターと呼ばれる病院で治療を受けている、という設定で、このフィクションの段階段階で、抗がん剤を止めるタイミングがあるとして、フィクションの途中途中でその時の医学的解説が入る。町医者は、抗がん剤を止めて楽になった方が良いと言うのだが、患者本人は職場復帰したいと言い、家族も、治療をすれば治ることを信じ、期待しているのだが、病状は悪化し、抗がん剤に苦しむ。最後の場面にも泣かされた。臨終の後、口の中に抗がん剤の溶け残りがあったのを発見したのだ。止めたはずの抗がん剤を、やはり、その時まで飲んでいた患者がいたという、実際の経験から書いている。私も、抗がん剤を止めることを考えてもいいのかも・・・と思う。が・・・抗がん剤治療を止めると、通院しなくてもいい、つまり、来なくていいと病院から見放されるのも怖い・・・
2021.01.07
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ベスト新書近藤誠医師の、「多くの情報を集めて自分で理解して判断するように」に従って、がん関連の本を読んでいる。今回読んだのは、医学博士で外科医の梅澤充医師の書いた、「間違いだらけの抗ガン剤治療」。抗がん剤治療を受けている身としては、気になるタイトルの本だ。がん治療の基礎知識から、インホームドコンセプトを解説し、手術できないガンには抗がん剤が不可欠、と書き始めている。しかし、実情は、抗がん剤治療のベルトコンベアに乗せられてしまう患者が・・・いや、乗せてしまう病院や医師が多い、といい、そこには患者の選ぶ権利がなくなっていると書いている。確かに、私自身、医者の言うことに注文は付けられない。肝臓の再手術を断ったのが精一杯だ。解説や説明は、多くの論文やデータを基礎に書かれていて、素人ながら、同意(納得・理解)しつつ読める。そんな中、臨床データは少ないとしながらも、ごく少量の抗がん剤と免疫力で長生きできると書いている。本題はここだ。著者の臨床経験とデータに基づいたものだ。抗がん剤でがん細胞を殺せば、身体本来の細胞も破壊されて命の危険が生じるが、もともと人体には免疫力があるので、抗がん剤は補助的に少量使えば、抗がん剤による副作用もなく、免疫力との相乗効果で回復できる、という。がん治療という錦の旗の下で、副作用と戦い続けて人生を終わらせて良いのか、というのが著者の訴え。多くの医者は結果優先で、法律に従って(がん対策基本法・標準治療)仕事をするので、使えるだけの抗がん剤を使う、ともある。なるほど・・・頷く点が多かった。
2021.01.05
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中野きく子著 潮文社中野きく子著「手術も抗がん剤も断って」を読んだ。近藤誠医師の、「多くの情報を集めて自分で理解して判断するように」に従って、最初に借りた本だ。この本の著者は主婦。夫のがん手術を断って、自宅で玄米菜食での食事療法を続け、結果、回復したという、日記風の闘病記録。約一年間の闘病記録で、出版は1992年。その後も元気なのか、再発したのか、は分からない。夫はがんの手術のために入院したのだが、がんイコール死、という考えから、そして、著者の長男(すなわち患者の長男でもある)が薬剤師で、手術後の抗がん剤の副作用に耐えるのは大変、という考えもあり、手術を断って、自宅で看取ることにして、食事療法に望みを掛けた。一方、病院の医師の考え方や患者との接し方について、良い先生もいれば、そうでない先生もいる、と批判的なことも書いているが、これは、感情的なことがあるように感じられた。医者は、患者全員のことを把握しきれない事情を理解せず、自分だけが(夫だけが)患者だとう思いが強かったように思う。一人のがん患者のことなので、これがガン治療の王道ではないのは当然。ひとつの事例として、私の情報の箱に入れておこう。
2020.12.29
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近藤誠著 エクスナレッジ「がん治療に殺された人、放置して生きのびた人」を読んだ。新聞の広告にあった本を、図書館で借りたもの。多くの場合、新聞広告に載る本は、図書館でも人気で、何人も待ちになるのだが、この本は、直ぐに借りられた。タイトルが過激だから敬遠されているのだろうか?私も少なからず、すごいタイトルだと思ったが、逆に読みたくなった。そして、どんな経歴の人が書いたのかが気になった。この手の本は、(自称)医療ジャーナリストが書いていることがあるが、この本の著者は、慶応大医学部卒で、同大学の医師を定年まで勤めている。その経験とデータから、がんはおできのようなもの、手術をするとがん細胞が暴れる、健康診断で早期発見されると手術で苦しむ、放置した方が長生きの例が多い、と書いている。がん治療で亡くなった人(この本で言う・殺された人)として、沖縄県知事だった翁長さん、元横綱千代の富士、小林麻央さん、米長邦雄さん、渡辺淳一さん、逸見政孝さん、堀江しのぶさん、など、多くの例を挙げている。そして、1000人に一人の生還者として、鳥越俊太郎さんを挙げている。また、この本には、「抗がん剤だけはやめなさい」という項目がある。手術を断って抗がん剤治療を受けている身としては、読みたくない項目だが、 「がんは小さくなっても命は延びない」 「医者のホンネは、根治しない、時間がムダ、副作用がつらい」とあり、頷いてしまった。そして、水素だの、キノコだの、サプリだの・・・に惑わされずに、多くの情報を手にして、自分で理解して判断するようにとも書いている。確かに確かに、私もがんに効果があると本で読んで「紅豆杉」を飲んだことがあるが、高血圧にも効く、リュウマチにも効く・・・などと、売らんかなの姿勢が気になって、止めた経緯がある。ということで、色々な本を読んでみることにした。
2020.12.27
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久坂部羊著(幻冬舎) 小説「院長選挙」から昨日のブログの「院長選挙」の著者は、大阪大学医学部卒の医師。2014年に、「悪医」で、日本医療小説大賞を受賞している。「院長選挙」は、著者も文中で書いているとおり「あんまりバカバカしすぎる」小説ではあるが、随所に現在の医師の立場について書いている。薬ばかりを薦める内科医、手術ばかりを薦める外科医・・・で、医は忍術でなく、医は算術になっている、と。そして、がん患者の一人として、「手術を断る勇気」をもらった。また、私にとって、聞き慣れない言葉がいくつも出てきた。例えば、「コメディカル」。「院長選挙」は、コメディータッチなので、この事かと思ったら大違い。コ・メディカル、すなわち、医療従事者の補佐役、というような意味。医師や看護師が「メディカル」で、検査技士などが「コメディカル」。病院内ではメディカルが主役で、コメディカルは脇役であり、その立場は大きく異なり、コメディカルは隅に追いやられているが、コメディカル無しではメディカルは仕事が出来ないのが現実だと書いている。もう一つは、「デジャブ」。イスラム系の女性の衣装のような名だが、日本語では、既視感(きしかん)。実際には一度も体験したことがないのに、すでにどこかで体験したことのように感じる現象のこと。いずれも、小説の中にサラリと、なんの解説もなく出てくるので、意味が分からないまま読んでしまい、後から調べて「そうだったのか」と、読み直したりした。バカバカしすぎる小説ではあるが、その基本はしっかりとしている。
2020.10.24
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久坂部羊著(幻冬舎) 小説「院長選挙」を読んだ。どこでこの本のことを知ったのか記憶にない。2017年発売なので、新聞の広告ではないと思う。ブログ友のブログで読んだのか・・・それとも、娘からの情報か?図書館で借りたので、本屋で見たのではない。著者は医師。大学病院の院長選挙をめぐる小説で、大学病院に通院している身でも何となく感じる院内の派閥争いが、実際にあるんだ、と思えてくる件(くだり)がいくつも出てくる。そして、やたらと難しい病名やら薬の名が出てくるので、読んでいるとノンフィクションかと思ってしまうことがある。しかし、場面設定や会話にドタバタな所があるので、これは小説なんだと思い直しつつ読んだ。著者は大阪大医学部卒。大阪のノリなのだろうか、登場人物の名が面白い。薬剤科の服佐容太郎(ふくさようたろう)、放射線科の連藤源(れんとうげん)、消化器内科の伊調勘蔵(いちょうかんぞう)などなど、ユニークだ。そして、医師らしいと思うのが、人の死に方には、病死、自殺、事故死、殺人の4パターンがある、と言い、処刑、戦死、情死、野垂れ死に、安楽死、なども前記の4パターンのどれかに収まる、とその理由を書いていることなどだ。著者も「あんまりバカバカしすぎる」と書いているとおり、ドタバタで場面展開が乱暴なのだが、なぜか、一気に読んでしまった。
2020.10.23
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無謀にもJavaのプログラミングを習い始めたのだが、図書館へ行くと、山のような解説本がある。いや、図書館なので、山のようにはなっていない。書架に長さ数メートルも並んでいる。それらの本を見ると、入門の入門クラスの本は、ページを開いた汚れがあるが、上級編、応用編になると、ほとんど利用されていない白さがある。図書館の購入担当者に、その理解力というか、判断力というか、知識がないので、納入業者にお委せになっているものと思われる。だから、というわけではないが、なぜか、プログラミングの本は分厚い。なので、値段も高い。需要が少ないから高くせざるを得ない、というのが需給のバランスだが、仕事の必要経費で落とせるから、という理屈もありそうだ。それは、本の内容にも表れている。Javaを勉強しろと命じられた社員向けのコメントが多かったりするのだ。なので、肝心なポイント(プログラムの起動そのもの)が抜けていたりする。ま、それは、私の知識の無さからの感想、私のレベルでの感想ではあるが、どんな人を対象に書いたのかが疑問に思える本が多い。いや、これは、税金の本にしても、法律の本にしても、同じ事だ。万人を対象には書けないので、どこかに対象(レベル)を決めて書かなければならない。この意味で、プログラミングの本は、対象(レベル)が定まっていない。レベルが上に行ったり、下がりすぎたりして、読んでいると混乱することがある。ということで、大きな数字を扱う方法については、分からないでいる。
2020.10.03
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奥本代三郎訳/解説 集英社ファーブル昆虫記は、1878年に出版された第1巻から、1907年出版の10巻までの読み物。いわゆる科学論文でなく物語風なので「読み物」としたほうがいいようだ。また、原作のタイトルは「昆虫記」だけで、ファーブルの名は無いようだ。で、読み物の「ファーブル昆虫記」を図書館で借りた。29年前に出版された本だが、手垢がないきれいな状態。あまり借り手がいないようだ。翻訳本だが、文中には「ファーブル先生は○○○と思った」などとあり、解説の部分が多い。同じ道を行って帰るアリの行動については、 体に磁石を持っているのか 触覚や嗅覚の力ではない 景色を覚えているのではないということを確かめるために、アリが往復する道について、 土を入れ替えてみる 水を流して臭いを消してみる 新聞紙で塞いでみるなどして、観察をしている。140年も前のことなので、これ以上の観察はできなかったのだろう。翻訳解説者が色々と補足をしているが、アリの帰巣については、フェロモンが使われ、0.3ミリグラムのフェロモンで、地球一周分をたどれる、とある。ファーブル先生もビックリの科学的進歩だ。
2020.07.27
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ひさかたチャイルド 科学絵本ライブラリー 小学生の時、ファーブル昆虫記を読んだ。正しくは、「読んだ記憶がある」だろうか、内容はほとんど記憶していない。記憶しているのは、ハチに真綿を付けて飛ばして、その後を追って走った、という、ファーブルの凄い観察行動だ。ファーブル昆虫記を読んだのは60年以上前。そして、ファーブルが昆虫記を書いたのは140年も前のこと。ドローンもなければデジカメもない時代だ。そんなファーブルを思い出して、図書館で検索して出てきた一冊がこの絵本。「ファーブル昆虫記」のタイトルだが、文-小林清之介 絵-金尾恵子 とある。ファーブル昆虫記を基にしているが、翻訳ではない、ということのようだ。翻訳というより、著作権が切れているので、分かりやすく書き直したものだ。この絵本は、ファーブル昆虫記のアリの部分の、クロヤマアリとサムライアリの特殊な関係・・・ ・・・働き者のクロヤマアリ・・・ ・・・クロヤマアリの子を誘拐して召使いにするサムライアリ・・・を取り上げている。初心に帰って、いや、童心に戻って、絵本を楽しんだ。
2020.07.26
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久しぶりに「ビッグイシュー」(BIG ISSUE)を買った。おそらく、1年振りだと思う。都内へ行く回数は減っていないのだが、ビッグイシューの販売に出会わなかった。ビッグイシューというのは、駅近などの繁華街で、ホームレスが立ち売りをする雑誌。ビッグイシュー社の目的は、ホームレスの自立を助ける、というもの。本を売って、自立の資金を自分の手で稼ぐことを基本としている。表紙も入れて30ページというA4判の本で、450円と割高。一冊450円の内、230円が販売者の収入になるので、販売者がいれば買うことにしている。コロナ騒ぎで販売者が街頭に出なかったのか、それとも、通院などの時間帯が合わなかったのか、久しぶりのビッグイシューだ。内容は様々だが、エッセイと情報が主。ビッグイシューは世界各国で売られているので、書き手がサッパリ分からない人物ということが多いが、読んでみると、こんな人がいるんだ、と感心する。今回の記事の「在宅自炊指南」は、おそらく、日本独自のもの。外出自粛対策としての特集だ。欲を言うと・・・活字がもう少し大きいと読みやすいのだが・・・
2020.06.22
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view card と戦っている、ビューカードを許さない、と書いているが、電車の中で画像の広告を見た。「人は、なぜ他人を許せないのか」という本だ。著者は脳科学者だという。「正義中毒」、「他人の意見を聞かない」、「脳の老化現象」、「考えの異なる人 = 悪と考えてしまう」などと、赤い文字で書かれている。私がビューカードを許さないのは、これに該当するのだろうか?「正義中毒」というほど正義感は強くない。「他人の意見を聞かない」のはビューカードだ。「脳の老化現象」は起きているかもしれない。「考えの異なる人」を悪だとは思っていないが、ダメな対応は正すべきと思っている。と、書いてはみたが、はたして、この本は、何を言いたいのだろう?この広告を見る限りでは、何を言いたいのか、私には分からない。と、書くことが、「他人を許せない」ことなのかもしれない・・・・
2020.04.02
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原武史著「大正天皇」を読んだ。私的には突然の内容の本だが、当ブログに大嘗祭の費用について書いた折、ザビ神父さんから、「名著」との紹介があったので、読んで見ることにしたもの。図書館で検索したら、単行本(朝日選書)と文庫本(朝日文庫)があることがわかり、文字の大きい方を借りることにした。文字の大きさ(の比)は画像のとおりで、単行本の方が大きかった。思えば、大正天皇に関しては何一つ知らない。知っていたのは、大正は15年で終わったということだけ。難しい内容の本だと思ったが、読みやすい文章ですんなりと読むことができた。そして、何と言うのだろう・・・野次馬的で覗き見的な感覚が生じて、先へ先へと読み進めることになった。病弱であったこと、正室の子ではなかったこと、脳神経の病でもあったこと、詰め込み教育がなされたこと、行啓巡啓で息抜きしたこと、家庭的であったこと、節約を重んじたこと、明治天皇との違い、などが書かれていて、まさに、覗き見をするような感じで大正天皇を知ることができた。
2020.01.03
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治療が難しい がんがなぜ 治ったのか?木下カオル著 前山和宏医師監修 平原社新聞の広告に「がん」の文字があると目が行き、この本の存在を知り、図書館で借りた。著者と監修者の名に、少しの記憶があったので、調べてみたら、以前のブログに書いた、「がんを治した 人たちが密かに やっていたこと」と、同じ著者と監修者だった。出版社とタイトルを変えて、新しい本として売り出すことがあるので、それかな、と思ったが、書いてある内容は異なっていた。が、アントロキノノールの紹介という本筋は同じだ。すると、この2冊、どちらが新しいのか、が気になる。今回の本が古いのなら、あえて読む必要はないと思うからだ。この本が発行されたのは、2018年10月。ロボット手術などの記述があるので、この本の方が新しいようだ。現在、アントロキノノールはサプリメントとして販売されていて、研究が進んでいるアメリカと台湾では、抗がん剤として使われる日は近いが、日本で抗がん剤として認められるのは何年も先になる、と本の末尾にある。副作用のない抗がん剤ができることを強く望みたい。
2019.12.21
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がんを治した 人たちが密かに やっていたこと木下カオル著 前山和宏(医師)監修 総合科学出版を読んだ。新聞の広告にあった本で、入院以来、この種の本の広告に目が行く。図書館で借りたのだが、順番が回ってくるまで、半年以上かかった。読みたい人が多数いるようで、自分ひとりではないという安心感を覚えた。以前、同じ様な本で、中国の高山にしか自生していない、紅豆杉のことを読んで、香港まで、紅豆杉サプリを買いに行ったことがあるが、この本では、台湾の漢方素材である、ベニクスノキタケの成分のアントロキノノールというエキス。紅豆杉もベニクスノキタケも、臨床試験中で、抗がん剤として認可されるには長い年月が必要なので、その前に、この成分の効果を知って欲しいので、サプリメントとして売り出しているという。がん細胞の仕組みや、がん細胞を攻撃する仕組み、副作用が出るしくみ、などが書かれていて、素人ながら、なるほどと思えてくる。ということで、アントロキノノールをネットを検索したら、凄い値段のサプリが出てきた。紅豆杉も安くはないが、紅豆杉の何倍もの値段だ。なので、試しに飲んでみるか、という考えは消えた。
2019.11.24
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今月初め、筒井康隆著、「残像に口紅を」、を図書館で借りた。小説の中から、1音ずつ文字が使えなくなり、別の表現を使う、という面白い内容なのだが、文庫本なので文字が小さく、読みづらかった。なので、単行本を買えば、文字が大きくて読みやすいと思い、ネットで同名の単行本を買い求めた。だが、だが、しかし・・・である。単行本の文字の方が大きいというのは、誤りだった。画像左側の文字が、「残像に口紅を」で、右側が新聞の文字。明らかに新聞の字の方が大きい。単行本は、30年前の1989年の発売。文字が小さい時代だ。高齢化社会に対応するため、新聞や雑誌の文字を大きくするようになったのは、2000年になってから。単行本だから文字が大きいと思ったのは、間違いだった。電車や病院で読むのではなく、家で、眼鏡を掛けて、のんびりと読むことにした。
2019.11.22
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筒井康隆著、「残像に口紅を」、を図書館で借りた。図書館に予約したのは一年ほど前。なぜ、どんな経緯で、この本を読んでみたくなったのか、記憶が失せていた。が、この本を読み始めて、思い出した。 小説の文から、日本語表記の「音」が1つずつ消されていき、 その音の含まれていることばは使えなくなる。 消えたことばは代わりのことばで表現できるが、表現できなくなった場合には、 その存在は消える。という基本ルールで書かれた小説だ。読んでいくと、どの音と、どの音が使えなくなったんだっけ、と思ってしまうが、表現豊かな著者の文章では、それが気にならない。おもしろい小説なので、電車や病院の待合室で読みたいのだが、借りた本は文庫本なので、眼鏡なしでは読めない。ネットで単行本を探して、買うつもりだ。
2019.11.09
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「母さんがどんなに僕をきらいでも」 歌川たいじ著 PHP研究所を読んだ。1年ほど前に、コミックエッセー版の「母さんがどんなに僕をきらいでも」を読んだが、これは、文字だけの「手記」。コミックエッセーは、著者自身の容姿を醜く書いてあるので、どうしてもそのイメージが強くなってしまうが、この手記は文字だけなので、自分なりのイメージで読むことができた。母親に嫌われても、虐待されても、裏切られても・・・・母さんを思い続ける作者。なぜにそんなに母を慕うのか、思いを断ち切れないのか・・・私には分からない作者の心境だ。コミック版とは情報量が違うので、コミック版にはなかった別の場面、会社務めのこと、劇団に入ったことなどが加わっているが、著者がゲイであることについては、手記版には書かれていない。映画化されたのだが、まだ見ていない。免疫力が落ちているので、映画館はどうかな・・・だったからだ。
2019.05.17
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面白いほどよくわかる日本書紀の挿絵から(一部) 日本文芸社の「面白いほどよくわかる 日本書紀」を読んでいて、目からウロコ状態を感じた。それは、「邪馬台国も卑弥呼も出ないのはなぜか」というコラム。中国の史書、魏志倭人伝にあって、古事記や日本書紀に記載がないのはなぜか、と、疑問を呈し、その理由として、 魏志倭人伝が誤伝か創作 邪馬台国が大和政権とはまったく接点のない地方政権だった 大和政権によって歴史から抹殺されたなどを挙げている。なるほど・・・言われてみれば・・・読ませて貰えば、そのとおりだ。何冊もの(正確には4冊)古事記本を読んだのに、卑弥呼の「ひ」も思わなかったのが恥ずかしい。ということで、私なりに、古事記の内容と魏志倭人伝を考えてみた。古事記が書かれたのは、西暦700年過ぎで、魏志倭人伝のある三国志が書かれたのは、西暦300年少し前。卑弥呼がいたのは、西暦250年少し前とされているので、大和政権では天皇の実在が検証できないあやふやな時代である。このようなことと、4冊の古事記本から得た知識を基に、私なりに老化した頭で考えると、卑弥呼と記された人物が「女王」とされたのは、画像のような衣装と髪型からではないか、実際は男だったのではないか、と思われること。卑弥呼と呼ばれた人物が、実は、大和政権の天皇だったとするなら、卑弥呼も邪馬台国の場所も、古事記に記されていないことも、すべて解決する。と、ド素人が言っても何にもならないが・・・・
2019.05.01
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島崎晋著 面白いほどよくわかる 古事記 日本文芸社 この本も借りた。私の悪い癖は、同じ内容の本やCDを一度に借りてしまうこと。CDは、高速でオーディオ器機に入れるだけなので問題はないのだが、本は読まなければならないので、一日中同じ内容の本を読むことになる。で、今回借りた古事記の3冊では、この本が一番丁寧で読みやすかった。神の名を「伊耶那岐の命」「伊耶那美の命」(イザナギノミコト・イザナミノミコト)と漢字表記していることが第一。第二は、系図が示されていること。私が古事記をを読みながら作った系図など足元にも及ばない。そして、「名場面を読む」と称して、古事記の原文が載っていること。原文と言っても、仮名交じりなので分かりやすいし、さらに、その現代語訳が併記されている。また、古事記は、何のためにいつ誰の命で書かれたのか、などという解説のページもある。さらに、例えば、天の岩屋戸が落ちたとされる、長野県の戸隠神社の写真がさりげなく挿入されていたりする。350ページの本なので、まだ読み終えていない。貸出しの延長を申請した。
2019.04.21
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学研 絵で見るたのしい古典 古事記・風土記この本も図書館の検索で出てきたもの。タイトルからして、低学年向けと思われたが、私には合っていると思い借りることにした。「神様」にルビはないが、「脂」「姿」などにはルビがある。だが、イザナギノミコトとイザナミノミコトの国生みについては、「私の体の余った部分と、あなたの体の足りないところを合わせて・・・」とあるから、この意味が分かる年代向けなのかとも思う。「絵で見る古典」とタイトルにあるが、手書きの絵はほとんどない、海や山、建物などの写真、美術館や神社などに保管されている絵、が豊富だ。だが、風土記と合わせて56ページなので、古事記のさわりの部分だけとなっている。巻末を見たら、「このシリーズは、小学校と中学校の読書学習、および国語と社会科の学習に役立つようにつくられています」とあった。
2019.04.20
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富安陽子文 偕成社 絵物語 KOJIKI 古事記 を読んだ。入院中に読んだ古事記をもう少し深く知ろうと思い、図書館を検索した結果、ヒットした一冊がこれ。ネット検索なので、本の内容は分からない。とにかく借りてみよう、ということで借りた本だ。何歳の子を相手に書いた本なのか、あとがきを読んでも分からないが、「神さま」の「神」にルビが振ってあることからしても、低学年向けと思われる。入院中に読んだ古事記では、「まぐわう」(まぐわい・性交)という表現があったが、この本では、「めでたく夫婦になった」と書かれていることからも分かる。タイトルに「絵物語」とあるように、各ページには単色で、鉛筆画のような絵がある。なので、250ページでは古事記をつながりよく再現するのは難しいようだ。最初にこの本を手にした子供がどこまで分かるのか、???である。古事記を知り尽くした著者としては、分かりやすく絵も入れて書いたのだろうが、何の知識も持っていない小さな子には、理解が難しいのではないだろうか?
2019.04.19
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入院中に何冊かの本を読んだ。その内の一冊が、画像の古事記。いつの日か、神々の家系図を書きながら、読んでみたいと思っていた古事記だ。日本列島を作った神々の子が、いつの間にか神武天皇につながっていく不思議が、神話なのだろうが、疑えば切りがない。どっちへどう伸びるのか分からない家系図を適当に書き出したものだから、用紙の端で、*印で繋いだり、点線で横に伸ばしたりして、神武天皇まで書いた。天皇陛下が、退位までに、伊勢神宮と神武天皇廟をお参りするそうだが、何となくその流れが分かるような気がしてくるから、古事記の存在は偉大だ。が、日が経つにつれ、コノハナサクヤヒメは誰の子だっけ?海彦山彦は誰の子だっけ? ・・・ と記憶が薄れていく。もう一度、家系図を書き直してみると、少しは記憶に残るのかも知れない。
2019.03.16
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去年のことだが、久しぶりで、ビッグイシューに出会った。BIG ISSUE(ビッグイシュー)は、ホームレスの仕事をつくり自立を応援する情報誌。人通りの多い駅近などで、無言で雑誌を掲げて売っているのが、ホームレス。1冊350円のうち、180円が販売者(ホームレス)の収入になるという。仕事をしていた頃は、あちこちで出会った販売員だが、今は、通院する都内の大学病院近くで会うのみ。久しぶりで、BIG ISSUE を買った。出始めの頃は、素人集団が作ったであろうことが現れていたが、いつの間にか、あか抜けした情報誌になっていた。続き物を読ませる工夫もされている。表紙は、「ボブという名のストリートキャット」のボブ。何回か特集を組んでいて、表紙を見ただけで買いたくなる。そして、昔からある、「ホームレスの人生相談」。社会の底辺を見てきたホームレスの回答は、納得もし、笑わせる。最近は、深刻な悩みではない、「あなたならどうする」風の相談もあり、第三者が楽しめるコラムになっている。この冊子全体で31ページ。350円は高いかもしれないが、これからもホームレスの応援をしていこうと思う。
2019.01.23
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