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「カッパは歌と踊りが好きだから、ちゃんと働かなかったんだわ」ハナコは、負けじと言い返す。 「カッパだけのせいじゃあないね、まじめすぎのカメもいけないんだ」あらあら、いつの間にか二人はカメ派とカッパ派にわかれて言い争いをして いる。おばばは、しばらく黙ってその様子を見ていた。 「カッパがいなければいいんだわ」 「カメなんていないほうがいいんだ」聞き捨てならない。相手を攻めだしたら、もう、いけない。・・・けれども「そうそう、もっとやれ!!どっちが勝つか見ものじゃのー」なんて無責任なことを言い出す始末。それには二人とも白けてしまう。 「なぁ、おばぁ ふつう大人は、やめなさいって言うんじゃねー」「なんか調子がくるっちゃった」と、顔を見合わせる。「ふん、大人は、こうなんてことはクソくらえじゃ。それになぁ、おばばくらい、もぅ大人もてっぺんまで来るりゃー子供に戻るばかりよ、お前たちよりも若いんだぞ、いいだろう、それよりも、こんな時なんじゃよ、カメぱっぱがやって来るのは」「こんな時って?」「こんな時は、こんな時じゃ、今、お前たちは、相手を攻め合っていたじゃろう」そう言われると、さっきまでは、相手を気に入らず負かせてやろうと必死になっていたのをすっかり忘れていた。 「昔も、そうじゃったよ、南と北の人は、今と同じように言い争ったんじゃ、雨が降らないのは、カメを大切にしないから、いや、カッパを大事にしないからと、はじめのうちは、そんなもんじゃった。それが、どんどん加速して悪い方へ悪い方へと行ってしまったのよ、相手をののしり、しまいにゃぁ暴力をふるう者まで出てきてな、そうなると、何が起こるかわかるか」「おばば、怖い・・・」ハナコは、泣き顔になるが、タロは、厳しい顔をする。 「ボク知ってる、戦争でしょ」 冷たい透き通る声だった。「はぉーお前は思ったより賢いにゃぁ」悪い気はしないタロ、しかしここで油断してはいけない。顔を引き締めたまま、おばばの言葉を待っている。 「世界中で起こっている戦争も偉そうな理由をぶっこいちょるんけんどたいして変わらんのよ、自分たちが正しい、正しいのは自分だけ、相手は間違っちょる。だから、間違いをなおしてあげるんじゃ・・と、余計なお世話じゃあ」「昔、ここでも戦争があったの?」さすがにタロも不安になってきた。「んにゃあ、学校で習うような大きな戦争じゃあにゃー、にゃーけれどそれが、本当のところ一番、タチが悪いんだわ、争いの芽じゃからの、これが育つと大きな戦争に成長するのよ、こればっかりは、栄養不足で育ってほしくないもんじゃぁ、そんな時じゃよ、カメぱっぱが、現れたのは!カメとカッパが、一体になって村人を救ったのよぉ」「一体って、なーに」 「どういうことか、わかるかにゃ?」「一緒に、なったのよね」 「カメとカッパは、神様のお使いじゃろ、ただ南と北の人のために振り分けられたにすぎない。お互いの守り神を理由に争うのなら、その原因をなくしてしまえばいいんじゃ、と、神様は思われたんじゃ。第一カメもカッパも必死で争いをやめさせようとしていたんじゃ。そんな思惑が一緒になりカメでもない、カッパでもない<カメぱっぱ>ちゅーものが生まれただ。丸ぁるい頭の上にはお皿が、あっての~ 丸ぁるい目ン玉と、雪だるまのような体には、甲羅があってな、ピョコタンと可愛い尻尾もあるそうな・」「やっぱり、合体したんだ! カメとカッパが」タロは自分の考えが当たったと、うれしくてしかたがない。 ハナコも一緒になり喜んでいる。あれ?さっきまで確か二人は対抗意識をむき出しにしていたようだけど。 おばばは、嬉しそうに見ていたが、ゆっくりと話しだした。「カメとカッパで、カメカッパ。それが人づてに呼ばれるうちにカメぱっぱになったんだよぉ、守り神が一緒になってしまえば、村人は争う理由なんてどこにもない。それからは、みんな仲良く暮らしたんだよぉ」 タロとハナコは、嬉しくてたまらない。おばばの周りを「カメぱっぱ」「ぱっぱっぱっぱカメぱっぱ」と踊りながら駆け回る。 目を細めてその様子をみていたおばば、大きな声を出す。「まだ、じゃあーーー」 無邪気にはしゃいでいた二人、おばばの前に来てストンと、腰をおろした。「・・・・そうは言っても人間は、忘れっぽい。カメぱっぱが、いつでもいるわけではない、同じ争いごとが繰り返されないとは・・限らない」「そのあと、カメぱっぱは、どうしたの?」タロが聞くと、ハナコもうんうんと、うなずいている。 「そうじゃろう、これを聞かにゃー話は終わらにゃい」おばばは、」悪戯っ子のように「ふぁーふぁーふぁーーー」と笑う。 よくわからないが、それにつられて二人も笑う。「お前たちまで一緒に笑う必要はないにゃー、さぁ、いいか、ここで質問だにゃー、カメぱっぱちゃー、なんだ?」「神様のお使いの・・・・・・」「カメとカッパが一緒になって・・」要領を得ずに二人とも顔を見つめ合っていたが、ハナコが声を発した。 「ねぇ~カメぱっぱは、その後、どこへ行ったの?」おばば、リンとした声で応える。「みんなの心の中に」 「エーー?」二人、同時に大声を出した。 「カメぱっぱは、とても大切な宝じゃよ、宝物は玉手箱の中にしまってあるものよ・・・・・」静かに言い終わると、おばばは、コックリコックリ、背中を丸め、居眠りをはじめる。・・・・どこからか、歌声が聞こえてきた。「♪♪ぱっぱ、ぱっぱ、カメぱっぱ、みんなの心にいる カメぱっぱ♪♪あらそいごとが、嫌いなカメぱっぱ♪ 口先だけの愛よりも まことの愛を求めよう♪♪ボクの希望は、ただひとつ、みんなの平和と みんなの笑顔♪ ぱっぱ、ぱっぱ、カメぱっぱ ♪♪♪」淡い夕日が、おばばの顏にあたり 静寂さが周りを包んだ、だぁ。 おしまい カメぱっぱ伝説は、東北県や他県からも続々寄せられて いるので(?)近日中にまたまた更新します。 by PLUTO
2012/08/11
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「う~ん」なんだか急に自信がなくなってきた。「ふん、人間なんてそんなもんじゃ・・。誰も何も約束はできない」なんだか怒られているようで「だって・・・」 ハナコは何か言わなきゃと、言葉を探すが、それをさえぎるかのように「昔、ここ多摩川の土地でもカメとカッパと人間が仲良く暮らしておった。しかし、ある年にひどい日照りが続いてのぅ」「日照りってなんだ?」タロが声をあげる。ハナコは、ここで自慢げに答えてみたいものだが、わからない。「今の子供は日照りも知らーせんとかぁ」おばばは、情けなそうな顔をしてつぶやく。今の子供は、と、言われても昔のことだっらもっと分かるはずはない。「昔の子供は知っているの」ハナコは、おそろおそろ聞くと、おばばは、声高らかに笑う。「あーあ、知っとったぞ おばばは、こう見えても昔は子供じゃったからのぅ」「えーーーーっ」タロが突拍子もない声をあげた。「あほたれぇ、おばばは、昔からおばばだったわけじゃない、そう、お前達のように可愛い子供じゃったころじゃぁ、お天道さまにゃぁ、雨を降らせんでのぅ、そんな日がずーと続いていたんじゃ。 すると水が足らんようになって、そうなると植物が育たない・・米や野菜や動物たちだって喉が渇くじゃろ、大変なことなんじゃぁ」 おばばは、目を細め、その昔を思い出しているようだった。「神様は、神様は何もしてくださらなかったの」おばばの気持ちを察したのかハナコは、目ん玉に涙をためていた。「おまえは、やさしい子じゃあ」と、ハナコの頭をなでる。タロだって負けてはいない。「何もしてくれない神様なんて、神様じゃあないよ」と、おばばの怒りを代弁したが、タロには頭をなでてくれなかった。「ううん、神様は悪くない、きっとお使いのカメとカッパが、さぼっていたんだ」 思いっきり首をふって訴えたが、「カメはまじめだから、そんなことはしない」ハナコが反撃してきた。自信はないけど反撃には反撃で応えないと負けてしまう。 つづく
2012/08/07
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「よ~し もっといいことを教えちゃろう、え~か、よ~く耳をかっぽじって聞くんだぞ」「かっぽじって?」おばばの言葉はときどきよく分からない。 ハナコは頬をふくらませて耳を傾けた。しかしタロはちょっと違う。身を乗り出しおばばに近づくと、ハナコも負けじとタロにならう。 おばばは、そんな様子がおかしくてたまらない。けれど一生懸命な二人を笑うわけにはいかない。交互に二人の耳元でつぶやいた。 「か・み・さ・ま・が・お・る・ん・で」「神様ーーーッ!!!」あまりにも大きな声で、おばばは、腰を抜かした。あわてた二人はおばばを起き上がらせんだ。照れくさいおばばは、わざとしかめっ面をする。 「騒いじゃいかん!神様がびっくりするで」二人はしゅんとなっていつの間にか正座をしていた。「んだ、だけんども神様はめったにゃ~ 人前に姿を現さなんのよ」 「なんでーーー」「恥ずかしいからだよ」タロは当然のように言ってのけた。それにはおばばもちょっと驚いた。 「よく知っているにゃ~だけど神様のお使いがおるんじゃ」「お使い?」首をかしげるタロ。ハナコも負けてはいられない。 「神様の代わりをする人よ」「うんにゃ、人じゃあない、カメとカッパなんじゃあ、南の多摩川には働き者のカメが、そんで北にある生田の森、その奥にある池には愉快なカッパがおるんじゃよ」 「カメ?」 「カッパ?」ハナコもタロも目ン玉を丸くして叫んだ。「カメは、まじめで村人のためにせっせと働く。カッパは、陽気で村人達を楽しませる」 「カメは偉いね」 「カッパは偉いね」あらら、ここにきて、二人の意見は食い違ったようだ。まあ、いい、おばばは、ゆっくりと、話し出した。 「カメもカッパも偉いんじゃよ~ 昔の人はそれをよく知っていたからみんなが、大切にしあって仲良く暮らしておったんじゃあ」 「めでたし、めでたし」手を叩いて喜ぶ二人。けれども、おばばは嬉しそうじゃない。むしろ淋しそうな顔をしている。 「ずうっと仲良くしていればよかったんじゃあ」「エッ、そうじゃないの」「けんかでもしたの」おばばの顔を覗き込む二人に「お前達はずーっといつまでも仲良くしていられるかい」と、たずねる。その顔付は今までとは、うってかわった厳しい表情だった。 つづく
2012/08/04
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「あたしゃなあ、カメぱっぱちゅーもんを見たことがあるんじゃぁ」「カメぱっぱ?」大きな目ン玉を丸くしてハナコが聞いた。「んだぁ、カメぱっぱだよぉ」「なんだ、それ?」タロがおばばの背中に勢いよく飛びついた。どこにそんな力があるのかおばばは、しっかりと抱き寄せて 「聞きたいかぁ?」と問いかける。 ふたりとも聞きたくてがまんがならない。「うん」しめし合わせたように大きな声をだした。おばばは、にっこり微笑み陽だまりの中、ゆっくり気持ちよさそうに目を閉じる。小鳥が庭先に舞い降りて、ぴょこぴょこ散歩しながら蟻と追いかけっこ。そしてまたお空へ戻っていった。しびれを切らしたタロが、「ばーーお話は?」せっつくとハナコもずっと目を閉じているおばばが心配になり「ばー眠いのぉ?」と、背中をさすると、ゆっくり目を開ける。「昔、昔のことじゃぁ、ここ多摩の土地にはなぁ南に多摩川、北にゃ生田の森、その奥深くに池があったんじゃぁ・・」「今だってあるよ」タロは、もうじれったくてしかたがない。「そう、今もあるなぁ、いいか、川も池もお水の宝庫なんじゃよ、だからこの土地は昔から水に恵まれておったんじゃあ」「だから?」タロは早く話が聞きたくてたまらない。「水に恵まれるってことは、幸せのあかしなんよ、それがなぜだか分かるか」いきなり質問がとんでくるとは思わなかったタロ、勢いよく首を振る。 ハナコは、キョトンと、不思議そうに目ン玉を見開く。その様を楽しそうに見ながら、おばばは、得意げに話す。「水は食べ物の父ちゃんだからなぁ、そして土地こそが母ちゃんなんだよぉその結果、生まれた子供が食物なんじゃ」「食物って」「わたしらが頂いているお米や野菜や・・・」「オイラ肉が好きだぁ」「まあ、直接的ではないにしろ、みんな神様がくだされたもんじゃぁ、命を育ませていただいとるんじゃぁ 感謝せんとなぁ、分かるかのぅ?」 ハナコもタロも分かったような分からないような、分からないと話は前に進みそうもない、だからうなずいてしまったんだ。 つづく のんびり、ほんわかと、お話はつづきますよ。
2012/08/02
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2012/08/01
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