『福島の歴史物語」

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2011.05.01
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カテゴリ: 街 こおりやま


 日本神話に、八束水臣津野命(やつかみずおみづのみこと・別の神名、大国主命・おおくにぬしのみこと)が、「八雲立つ出雲の国(島根県)は小さな国であるから、縫い繕うことにする」と仰せられたという『国引き神話』があります。八束水臣津野命は多くの島々に丈夫な綱をかけて「国よ来い。国よ来い(国来、国来・くにこ、くにこ)」と引っ張って掻き集めました。そのお陰で、いまの大きな大倭豊秋津島(おおやまととよあきつしま・本州)になったというものです。

 さて何億年も昔、ゴンドワナ超巨大大陸が今の五大陸に近い形に分裂し、南海に孤立していたインド亜大陸がユーラシア大陸に衝突してヒマラヤ山脈を形成しました。

また中新世(約2300万年前~約500万年前)になって日本列島が大陸から離れたとき,本州は茨城県から山形県にかけて2つに切れていたそうです。北部は北海道西部を中心に反時計回りに回転して東北地方となり、南部は九州西部付近を要として時計回りに回転して西南日本になりました。日本の東北部と西南部は互いに異なった回転経路を通って現在の位置にきて合体し1つの島・本州になったというもので、『観音開きモデル説』とも言われます。

 さらに日本のはるか南の海から近づいてきた海底火山が衝突して伊豆半島になりました。この衝突による皺が富士山や箱根の山脈(やまなみ)を、そして四国の南半分では深海底がせり上って四国と四国山脈を作ったのです。このことは、古地磁気測定の結果から説明されているそうです。

 福島県にはこの『観音開きモデル説』に沿って、棚倉構造線が茨城県常陸太田市から棚倉町、会津若松市を通り、山形県酒田市付近へ抜けています。構造線とは地層と地層の境界で、断層の一種です。しかし活動していないものもありますから、必ずしも活断層とは限りません。また浜通りには双葉構造線もあります。東日本大震災がこれらの構造線を刺激し、原発の大失態とも重なって大地震を起こさないようにと願うばかりです。

 人類が誕生するはるかな昔の事象が神話の中に、しかも現代科学の成果である棚倉構造線の存在や伊豆半島の衝突が反映していたということが、不思議に思われます。




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最終更新日  2011.05.01 10:15:52
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