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私:この欄では、稲森氏が日航再建に「アメーバ経営」の手法を使ったことを自ら説明しているね。 稲森氏が10年2月、日本航空(JAL)の会長に就き、会社の経営はどうなっているのかを数字で知りたいと思い、「先月の業績はどうでしたか」と聞いたが、数字が出てこない。損益計算書をまとめるのに、3~4カ月かかっていた。誰がどの収益に責任を持っているかもあいまい。 京セラなら月末に締めたら、翌朝には概算実績、2日目には正確な実績が分かる。稲森氏が考案して多くの企業が導入している「アメーバ経営」という部門別採算制度だね。 A氏:会社が大所帯になってくると、社員が同じ目標に向かって働くのは難しい。そこで、全員が経営者になればいいと考えで、小集団である「アメーバ」に分けて、環境に応じて変えながら独立採算で運営するというものだね。 私:そうすれば、経営者意識を持ったリーダーが育つ。ただ、各集団がばらばらになると困るので、普遍的な経営哲学が必要となり、それが「JALフィロソフィ」で、「京セラフィロソフィ」を参考にJAL幹部がまとめた。各集団が利己的に利益を追求しないように、相手を思いやる「利他の心」などを説いているという。 仕組みが機能するようになると、路線ごと、便ごとの採算が翌日には分かるようになり、需要に合わせて機材を変更したり、臨時便を飛ばしたりするようになった。経費明細が見えるようになり、整備、空港カウンターなど、あらゆる現場でコスト意識が高まっていった。 2010年7月から各部門のリーダーが集まり、前月の経営数字をベースに今月はどうするのかを発表する「業績報告会」を始めた。毎月2、3日かけて朝から夕方までやった。 最初のころは、ある人は前月の数字だけを分析して「こういう理由で厳しい収支状況です」と言うので、「そういうことを聞いているわけではない。これからどうするのかを聞いている。君は評論家か」と稲森氏が厳しく言ったこともあるという。 A氏:12年9月にJALは再上場し、初年度から計画を大幅に上回る営業利益1900億円近くを計上し、2年目には2千億円を超えたね。 私:社員全員がそれぞれの部署(アメーバ)で一生懸命に業績改善に向けて、努力を重ねた結果だね。
2014.06.30
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私:EUは26日、第1次世界大戦の開戦から今年で100年になるのに合わせて、激しい戦闘が行われたベルギー北西部の町で式典を開き、28か国の首脳らが、大戦で亡くなった人たちを悼むとともに平和への誓いを新たにしたね。 A氏:1914年6月28日、ボスニア・ヘルツェゴビナの首都サラエボで、当時のボスニアを領有していたオーストリア・ハンガリー二重帝国の皇太子が暗殺され、第1次世界大戦が勃発するきっかけとなる「サラエボ事件」が起きたんだね。 暗殺実行犯のセルビア人青年が、川ぞいの通りを走っていた専用車に向かって銃弾を放った「ラテン橋」たもとの現場には、多くの人が訪れた。 人々は、1千万人ともいう犠牲を出したこの大戦の歴史の原点に見入っていたと報じているね。 私:だが、首都サラエボを舞台とした国家主導の行事は開かれなかった。EU各国の首脳らのサラエボ訪問もなかった。 それは、内戦をひきずってボスニア国内を二分する「準国家」の一つであるセルビア人共和国の側は、オーストリアによる支配からの解放をめざした実行犯の青年を英雄視する。 一方、旧ユーゴ内のほかの民族勢力の間では「テロリスト」との見方が大勢。そうした説に対してセルビア人側は、大戦の開戦責任を自分たちに押しつけるものだ、と反発してきた。 このいびつな状態が最大の障害となり、100年たっても事件についての統一した見解もまとめられずにいる。 現地が和解を描けない以上、EU首脳らの現地訪問も不可能だったというわけだ。 ボリス・クルシェフ教授は「事件をめぐり、全く異なる解釈ばかりが強調される現状は、歴史の事実とは関係ない政治の反映だ」と語ったという。 A氏:この青年の相反する二つの像が存在したまま、事件100年を迎えた。20世紀をめぐる歴史認識の溝に足を取られ、前に進めない姿は、日中、日韓の現状とも通じるね。 伊藤博文を暗殺した安重根は韓国では「英雄」、日本では「テロリスト」。 私:民族主義は、和解を妨げる「怪物」ともなりかねない。 歴史認識の違いを克服し、共存の未来につなげられるのか。 ヨーロッパも東アジアも戦争の世紀を終えた人類の英知が問われているね。
2014.06.29
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私:フランスの経済学者トマ・ピケティ氏が書いた「21世紀の資本論」が米国でよく売れているという。こんなに売れる経済学の本は、ここしばらく見たことがない」と店員が言い、ニューヨーク・タイムズ紙によると、5月にはハードカバー・ノンフィクション部門で3週連続1位になったという。 ピケティ氏は、米国と欧州の300年にわたる租税資料を丹念に調べた結果、資本の集中と経済的な不平等が常に進んでいることが分かったという。 第2次世界大戦後に労働者が豊かになり、社会が平等になったのは特殊要因があったにすぎず、格差の拡大は資本主義の本質であり、このままでは貧富の差が激しかった19世紀のような社会に戻るかもしれない、とまで言う。 A氏:マルクスの「資本論」が出たのが、19世紀後半だね。 私:ある米国人は「分裂」「貧富の差の時代」「不平等の代価」。そんな言葉をあしらったタイトルをあげながら、「米国の経済学者の多くは不平等問題に冷淡だった。でも、これからたぶん変わってくるよ」と言う。この本は経済学の中心である米国の経済学が、じっくりやる歴史的な実証分析が弱いという盲点をついたという。 格差が大きくても、才能や努力に応じたものなら許せる。それはフェア(公正)だからだ。しかし、本当にそうか。米国の人たちにじわりと広がる疑念に、ピケティ氏の書いた内容はぴたりと重なったようだという。 ピケティ氏が具体的に問題とするのは2つだ。1つは、所得だけでなく、資産に存在する格差だ。それは親から子への世襲を許してしまう。 もう1つは教育だ。米名門大学ハーバードの学生の親の平均収入が米国全体の上位2%と同じだという例をあげ、格差の再生産を警告しているという。 A氏:日本も子供を私立の中学に入れられる資力があるかどうかで差がつくようだね。 私:しかし、不平等をどう是正するかという提案には甘さがあるという。 金持ちであるほど税率が高くなる累進課税を収入や資産に強める、金持ちが税金の安い外国に逃げないよう国際的に協調する、というのだが、「そんなこと実現できるのか」という声が強いという。 ピケティ氏はこの本で、答えを出しているとは言えないが、だが、みんなが考える問題として残され、今後の論議のきっかけとなったとは言える。
2014.06.28
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私:今度の都議会のセクハラヤジ問題で、池上彰氏が独特の視点で、各新聞の動きを比較して対応の違いを指摘しているね。 朝日新聞はヤジのあった18日の翌19日に都内版でしか報じていない。 読売新聞も同様。 この発言は、その後海外メディアも報道していて、国際的に批判を受ける重大な発言だが、なぜ全国の読者に読んでもらう判断が下せなかったのかと池上氏は批判している。 しかし、毎日新聞は地方版でなく第2社会面で報じているという。 A氏:朝日新聞が社会面に掲載したのは20日の朝刊からだね。 社会面への掲載は遅れたものの、経緯を丁寧に説明し、過去には女性蔑視発言をして国政選挙で落選した議員の例も紹介しているね。 私:その後、騒ぎは一段と大きくなり、朝日新聞と毎日新聞は21日付朝刊で、社説でも取り上げた。 池上氏は、さらに各紙の新聞コラムの対応を比較しているね。 毎日新聞の「余録」欄は21日付朝刊で「ユーモアも気迫もない下品な罵詈雑言(ばりぞうごん)」を嘆いているという。 読売新聞の「編集手帳」欄も同じ日にふれている。 日経新聞の「春秋」欄は22日付朝刊で取り上げた。 A氏:朝日新聞の「天声人語」欄がこれにふれたのはいつだったかね。 私:ヤジ発言の主が名乗り出てから、「天声人語」は24日付朝刊でようやく取り上げた。 池上氏は、その「天声人語」の文章を読んで、「これほどまでに重大なことだと考えるなら、なぜ、すぐに取り上げなかったのか」という疑問を呈しているね。 「あまりに愚かな行為は、取り上げる気もなくなることがありますが、人権に関する感度が問われているのですよ」と池上氏は鋭くその対応の遅れを指摘している。 今度のセクハラヤジ問題でマスコミがいろいろ騒いでいるが、こういう視点から見るのも興味があるね。 それにしても、朝日新聞の対応の遅さの批判が朝日新聞に紙上に掲載されるとはね。
2014.06.27
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私:大ヒット中の映画「アナと雪の女王」について、中森明夫氏は、 「あらゆる女性の内にエルサとアナは共存している。雪の女王とは何か? 自らの能力を制御なく発揮する女のことだ。幼い頃、思いきり能力を発揮した女たちは、ある日、『そんなことは女の子らしくないからやめなさい』と禁止される。傷ついた彼女らは、自らの能力(=魔力)を封印して、凡庸な少女アナとして生きるしかない。王子様を待つことだけを強いられる」 と書き、「雪の女王」に「雅子妃殿下」をあてはめた論文を依頼主の「中央公論」誌から掲載拒否されたという。 A氏:不敬とみなされたのかね。「サンデー毎日」には掲載されたらしいね。 私:天皇制研究の専門家の原武史氏は雑誌「群像」で「皇后考」を連載しているが、今後、天皇制について考えようとするなら、この画期的な論考を無視できないと高橋氏は指摘する。 我々が知っている「天皇制」は近代に生まれたもので、たかだか百数十年の歴史しかなく、それに先立つ2千年近い「天皇制」の中に、近代のそれとはまったく異なる原理が混じっていた、と原氏は指摘しているという。 そもそも女神であるアマテラスを始祖とする古代天皇制には、現在のそれとは正反対の「女性優位」ともいうべき思想が底流としてあった。 それを象徴するのが、神であるアマテラスと人間である天皇の中間にいる「ナカツスメラミコト」とも呼ばれる存在だ。その、ある意味では天皇より上位の存在に、皇后はなることができるのであり、実際に、歴代の皇后の中に、いや近代になっても、それを強く意識し、その地位に上ろうとした者もいたのであるという。 A氏:こないだの都議会のセクハラヤジにある「男性優位」社会と違う思想だね。 人類の最初は「母系社会」だったからね。 私:「男系男子」のみを皇位継承者とする「皇室典範」の思想は、「男性優位」社会のあり方に照応しているといえる。 だが、その思想も、人工的に作られたものにすぎない。 高橋氏は「人工的に作られたものは変えることができるのだ。どのような制度も、また」と指摘している。
2014.06.26
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私:朴大統領は旅客船沈没事故の責任を取って辞意を表明した鄭首相の後任として当初は元大法院(最高裁)判事を指名。しかし、退任後の弁護士時代に得たとされる巨額の報酬などを野党から批判され、本人が指名を辞退。 2人目に文昌克・元中央日報主筆を新たな候補に指名したが、過去の講演などで日本による植民地支配や南北分断について「神の意思」などと発言していたことが表面化。世論調査で首相にふさわしくないとの意見が大半を占め、野党だけではなく与党からも指名辞退を求める意見が出ていた。 文氏は、慰安婦問題で韓国が日本を追及することに批判的だという。 A氏:文氏は24日記者会見し、「私は大統領を助けたかった。しかし、今は辞退することが大統領を助けることになると判断した」と述べ、指名を辞退する考えを明らかにしたね。 私:3人目の候補を探すのも容易ではない。新たな候補者も慰安婦問題や歴史認識についてメディアや与野党から厳しく問われるのは間違いない。次は失敗は許されないため、より慎重にならざるを得ないだろう。このため政治空白が長期化する。 大統領支持率も下がり続けている。各種世論調査では旅客船事故前には60%台あったが、事故後に一気に急落。首相の人選ミスも重なり、最近の調査結果では不支持が支持を上回り、40%台になっている。 経済もウオン高で輸出の多い韓国にとって痛手だね。政権浮揚策は見当たらない中、レームダック化が早く始まるのではないかとの見方も出始めている。 A氏:国内不安が増大すると反日活動が激化することになるかね。 私:しかし、東京都議会のセクハラヤジ問題は外国メディアがとりあげたが、韓国メディアは沈黙しているようだね。 セクハラだから、従軍慰安婦問題にくっつけることができ、反日運動につながるのにね。 A氏:驚いたことに、今日、ニュースで朝鮮戦争後の韓国で政府の管理の下、駐留するアメリカ兵士の相手をさせられ、「米軍の慰安婦だった」と主張する韓国人女性122人たちがソウルで記者会見を行い、韓国政府に謝罪と賠償を求め集団訴訟を起こしたと報じている。 私:フェリー沈没以降、韓国国内は問題山積となってきたね。
2014.06.25
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6月14日(土)午前中、体がだるく、おかしいと思い体温を測ったら、38度を超えている。最近の異常気候で、風邪でもひいたかと思い、3月に風邪で熱を出した時の解熱剤が1錠だけ残っていたので、服用。午後には37度台に下がる。 しかし、歩くと左足が付け根から痛い。筋肉痛だと思っていた。 15日(日)に熱が下がらなかったら、もう、解熱剤はないので翌月曜日に近所の内科で解熱剤をもらう予定にしていた。 しかし、15日になったが、また、熱は38度台だ。 16日(月)近所の内科医に左足を引きずりながら行く。医者は「足をみせろ」といい、触って「足が熱い。これが原因だろう」として、すぐに血液検査をした。そして「白血球が異常に多い。紹介状を書くから、総合病院にすぐに入院して抗生物質の点滴を受けなさい」となった。 あわてて、入院の用意をして、総合病院に行き、診察。 5月に足首でやった、蜂巣炎(蜂窩織炎)が今度はもも内側からふくらはぎにかけての広い範囲で再発だ。 今度は重症なので治療に1週間の入院は必要とのこと。 4人向かい合いの8人の大部屋の廊下側のベッドに入る。 午後2時頃、第1回の抗生剤の点滴を受ける。 ベッドでは足を上体より高くし、氷で冷やし、トイレには歩くが基本的に絶対安静。 上体を起こせないので新聞や読書も不可能。パソコン操作も不可能。スマホはやってないからインターネットもだめ。 上体をやや斜めにして、ベッド横にある有料のテレビ放送を見るだけ。チャンネルはBSの9つだけだから、バラエティばかりで面白くない。暇を持て余す。 こうして、23日(月)に血液検査をしてOK。抗生物質の勝利。 この日も点滴2回やったから、全部で1回30分位の点滴15回やったことになる。 24日(火)午前に入院費をカードで払い、家までタクシーで帰る。 これからは、やわになった足腰をもとの状態に少しずつ戻すこと、1週間休んだブログを再開して次の連続記録に挑もことになる。
2014.06.24
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私:ウクライナはウクライナ経済の低迷をきっかけにウクライナ国内で親露派と親欧米派の対立が激化し、ヤヌコーヴィチ政権が崩壊し、親欧米派の暫定政権が発足する。 選挙によらない政権交代だから本当はクーデターだね。何故か欧米はクーデターと言わない。 その間に、クリミアが暫定政権を嫌い、ロシアに編入されるかを決める住民投票を実施し、その結果、ロシアへの編入が賛成多数となり、ついにウクライナを離れロシアに編入。 民主主義は皆勝手なことを主張すると、遠心力で国がバラバラになるいい例だ。 クリミアはウクライナでの遠心力で離れ、ロシアの求心力に巻き込まれたね。 A氏:ウクライナは、東部も独立の遠心力が働いてロシアの求心力に吸い寄せられそうだね。 私:タイも同じだ。タクシン元首相の妹、インラック首相率いる政権の打倒を叫ぶデモが始まったのが昨年11月。インラック氏は下院の解散・総選挙に打って出たが、反政府派は「何があっても選挙には応じない」と議会民主主義の枠外で戦いを続けた。 民主主義国家なのに選挙に負けるからといって選挙をしないとは、変な主張だね。 反政府派と政府派の遠心力の対立で国がおかしくなってきた。 選挙を拒み、軍の介入を待つ反政府運動。この点が一番わかりにくい部分だ。 「国体」に悪影響を与える混乱を起こせば守護者である軍がクーデターで取り除く これが、政治学者らが語る「タイ式民主主義」だ。 A氏:軍が政治混乱をリセットするサイクルは繰り返され、今回のクーデターは1932年の立憲君主制移行後19回目とされる。 国内の世論の遠心力が国を破壊しそうになると、国民はクーデターも選択肢だという、ある種の共通理解があることを示している。 私:これは軍が求心力となって、国が安定する。 しかし、前回の選挙で示された民意は葬られ、憲法が破棄されたいま、新憲法下の総選挙による民政復帰がいつになるのか判然としない。 だがおそらく、痛恨の逸失は「異なる価値観を持つ人びとが共に生きていくための痛みを伴う対話」(チャリダポーン・タマサート大学准教授)ではないだろうか。 民主主義に踏みとどまり、危機を乗り切るチャンスを、タイはもう何度も奪われていると寄稿したバンコックの大野良祐氏は最後にコメントしている。
2014.06.15
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私:10日の朝日新聞夕刊「思想の地層」欄に「法の支配と原発 残留の義務、誰にもなかった」と題した小熊英二氏の寄稿が掲載されている。 小熊氏は、「報道では、所員の無断撤退が問題とされた。しかし本来、民間企業の従業員に、こうした状況で残れと命令する権利は誰にもない。拒否する権利、少なくとも辞職する権利は、保障されなくてはならない」とコメントしている。 A氏:この日、福島第1原発所内では毎時400ミリシーベルトが計測された。これは5時間でも致死率5%、8時間では致死率5割に相当する線量だ。 私:小熊氏はこのとき所員の9割は無断撤退し、約70人が残留したが、欧米では彼らを「フクシマ50」と呼んだ。 「それは勇敢さを称(たた)えたからだけではない。そんな状況で所員を働かせる人権無視に驚いた」のであるという。 A氏:門田氏が週刊ポストで報じている海外の反応と違うね。 私:あるドイツ在住者は、当時の新聞投稿で、この問題への欧州人の反応をこう記しているという。 「民主主義の先進国で、これが可能なんて信じられない。ドイツ人ならみんな、残って作業するのを断るだろう。欧州なら軍隊は出動するかもしれないけど、企業の社員が命をかけて残るなんてありえない。まず社員が拒否するだろうし、それを命じる会社は反人道的とみなされる」 A氏:軍人は死ぬ可能性のある命令でも従う旨を契約しているから、政府が軍の核対応部隊などに残留を命令できる。だがそんな契約をしていない民間人に、残留を命じる権利は誰にもないし、またそれに従う義務もないというわけだ。 菅都相の東電撤退拒否は命令でなく要請だ。 私:この投稿者は、「日本でこのような議論があまり無かった気がする」と述べている。それはなぜか。日本では、民間企業の従業員が人権無視の契約外命令を受けても、拒否できないことが暗黙の前提とされているからだ。そして日本の原発も、その前提で運営されているのであると小熊氏は言う。 門田氏とまったく違う視点だね。そして、それは「吉田調書」の朝日新聞記事とも視点が異なる。 その小熊氏の多少反朝日の主張を朝日新聞があえて掲載しているのは意味があるね。
2014.06.14
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私:11年3月15日の「福島第1原発無断撤退」について、昨日の朝日新聞は「下村ノート」を登場させた。 福島第1原発の事故時に内閣官房審議官(広報担当)だった元TBSアナウンサーの下村健一氏が朝日新聞の取材に応じ、首相官邸と東電首脳のやりとりを克明に記録した大学ノートを開示した。 福島で最も高い濃度の放射性物質が飛散した2011年3月15日朝、東京にある東電本店がどう動いたのかを解明する歴史的資料だという。 A氏:この朝は、菅首相が東電本店に乗り込んだ重大局面で、東電がのちに公開したテレビ会議録では音声が消えており、居合わせた人々の記憶に基づく証言で断片的にしか語られてこなかった場面だね。 私:官邸側には本店に陣取る東電首脳たちへの不信感が広がっていた。現場から遠く離れた東電本店にいる勝俣恒久会長ら幹部について、下村氏は「どこか他人事っぽかった」と振り返る。 官邸から一緒に来ていた西川徹矢官房副長官補も東電幹部にそんな雰囲気を感じていたと下村氏はみていた。「下村ノート」には、東電の対応にいらだちを感じた西川氏が声を張り上げた場面の記録もある。 《「自分たちはここ(東電本店)にいるから大丈夫なんて、絶対考えないで下さいよ!」》 A氏:例の「無断撤退」の件はどうかね。 私:「下村ノート」の15日午前の記録には、東電が2F(福島第2原発)への撤退に言及した記述はない。下村氏は当時、菅首相らが東電の勝俣会長らとテレビ会議を見ながら協議していた部屋に同席していた。 その際、東電から2Fへ撤退したという話や、撤退を認める指示が出たという話は「自分は聞いていない。聞いていたらノートに書いたはずだ」と下村氏は証言した。大勢の所員が第1原発を離れたという認識は持っていなかった。 A氏:どうやら2Fへの撤退指示はなかったようだね。 私:下村氏は政府事故調の聴取も、ノート提出の要請もされていないという。 明日は、この無断撤退問題を別の視点からみよう。
2014.06.13
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私:「吉田調書」の問題の11年3月15日の無断撤退に関する箇所は 「福島第1の近辺で、所内に関わらず、線量の低いようなところに1回退避して次の指示を待てと『言ったつもり』なんですが、『2Fに行ってしまいました』と言うんで、しょうがないなと。 2Fについた後、連絡をして、まずGMクラスは帰ってくれという話をして、まずはGMから帰ってきてということになったわけです」 とある。 言葉尻を突くようだが確かに「言ったつもり」とあり、「命令した」とはない。「2F(福島第2原発)に行ってしまいました」とあり、「命令に違反して撤退した」という言葉はない。 A氏:問題は「言ったつもり」でなく「言った」かどうかだね。 丁度、この頃、菅首相の東電本社に乗り込んでの「撤退反対」の演説がある。 このシーンを門田氏は、朝日新聞は「意図的なのか省略している」としているね。 私:しかし、これは違う。朝日新聞は6月1日に細野豪志氏を3時間近くにわたってインタビューしている。細野氏は福島第1原発事故に首相補佐官として吉田所長(故人)との連絡役を務めた。細野氏は菅首相と一緒に東電本店2階の対策本部に乗り込み、首相は第1原発からの撤退に傾く東電幹部を「撤退したら東電は必ず潰れる」と激しく叱責。次に細野氏は首相とともに同じ階の小部屋に移り、そこでテレビ会議の映像で吉田所長がいる現場の様子を知ることができた。 細野氏は「撤退問題」について「吉田調書」を見て「思い出しました。確かにそういうやりとりはあった」と語った。前夜に吉田所長から「頑張ります」という強い言葉を聞いていたため、「退避」という言葉遣いに少し引っかかったが、「吉田さんが言っているから現場が回る(対応できる)ということだろう」と受け止めたという。 A氏:門田氏はこの細野氏のインタビューのことにふれていないね。 私:問題は「言った」「言わない」の証拠になるこのテレビ会議の東電の録画では映像だけで、音声が欠落していることで、客観的な証拠がないことだね。 A氏:門田氏は、それについてもふれていないね。感情的になって詰めが甘い気がする。 私:明日は、今朝の朝日新聞に新たに登場した「下村ノート」に移ろう。
2014.06.12
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A氏:このブログの5月23日で福島原発事故の「吉田調書」で「東日本大震災4日後の11年3月15日朝、第1原発にいた所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南福島第2原発への撤退」という朝日新聞のスクープを扱っていたね。 ところが、これに対して、週刊ポスト(小学館)が6月20日号にノンフィクション作家門田隆将氏による記事、「朝日新聞『吉田調書』スクープは従軍慰安婦虚報と同じだ」として、「所長命令に違反 原発撤退/政府事故調の『吉田調書』入手」の記事について『誤報』である、ということを言わせていただきたい」などと批判したものを掲載した。 私:この「誤報である」という記事に対して報道機関としての朝日新聞社の名誉と信用を著しく毀損(きそん)するとして朝日新聞社は厳重に抗議し、訂正と謝罪の記事の掲載を求める文書を小学館に送った。朝日新聞社は「記事は確かな取材に基づいており、『虚報』『誤報』との指摘は誤っている」と指摘したと報じているね。 A氏:俺は興味本位でその週刊ポストを買って該当する6頁を読んで見たよ。 まず、門田氏がとりあげているのは、米・ニューヨークタイムズ、英・BBCや韓国のエコノミックレビュー、国民日報の「実は日本人は福島第1から逃げ出していた」という記事だ。韓国は「日本版セウォル号」だと書いているという。反日の韓国は当然の記事だね。 門田氏は、朝日新聞の「吉田調書」には「自分(吉田所長)の命令」に反して「職員の9割」が「福島第2原発に逃げた」という発言はどこにも存在していないという。 門田氏は「なぜここまで日本人を貶めなければならないのか」と朝日新聞の「吉田調書」キャンペーンにただただ溜息をついているとある。 私:門田氏は、「死の淵を見た男―吉田昌郎と福島第1原発の500日」の著書があるね。 A氏:門田氏は「吉田調書」について吉田所長本人が当時は混乱状態にあったので、記憶違いがあるかもしれないので、公表しないように上申書を書いているのをまず、とりあげ、朝日新聞がその意向を無視して、調書の言葉尻を捉え、事実とはまったく「逆」の結論に導く結論をしているとして、いきなり「従軍慰安婦」問題にリンクしている。 ちょっと感情的だね。 しかし、門田氏は肝心の撤退命令に関しての事実認識は、朝日新聞の「吉田調書」に頼っているね。 私:明日は、その核心部分にふれよう。
2014.06.11
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私:資本主義で投資して見返りがあるフロンティアが次第に減っていると金利が低下するが、欧州中央銀行(ECB)が「マイナス金利」という極めて異例の措置を打ち出したね。 A氏:ついにゼロ金利が、「マイナス金利」になるとはね。 私:ECBは6月5日の理事会で、ユーロ圏18カ国の政策金利を現行の年0.25%から史上最低の0.15%に引き下げることを決め、あわせて民間銀行がECBにお金を預ける際の金利も現行の0%からマイナス0.10%に引き下げ、「マイナス金利」に踏み込んだ。 主要な中央銀行では初めての異例な金融政策で、デフレ突入を避けるねらい。 ユーロ圏の5月のインフレ率は前年同月比0.5%と、8カ月連続で1%を下回っていた。 A氏:「マイナス金利」になるとどういう効果が期待できるのかね。 私:「マイナス金利」になると、民間銀行はECBに預金をすればするほどお金を支払うことになり、損をするため、お金を企業への貸し出しに回す効果があるとの期待がある。 市場金利にも押し下げ圧力となり、ほかの通貨より魅力が薄くなる分、ユーロ安、輸入品価格の上昇などを通じてインフレ率が高まるとされる。民間の取引金利は、引き下げ圧力を受けるとみられるが、マイナスにはならない。 主要な中央銀行として未踏の領域に踏み込むことで、デフレと通貨高、低成長に苦しんだ日本の二の舞いを避ける狙いだという。 A氏:量的緩和でなく、「マイナス金利」をなぜ実施したのかね。 私:ECBは18カ国をメンバーに持つ。日米英の中央銀行のように大量に国債を買って量的緩和に乗り出すにも、どこの国債をどれだけ買うのか、決めるのは容易ではない。 「通貨は共通、財政は別々」というユーロの矛盾がECBを苦しませる。 7日の社説では、「ユーロ圏内の南北格差がますます鮮明になるなか、金融政策だけで経済を回復させるのは難しい。南欧を中心とする問題国は古い経済構造の改革に一層、力を注ぐべきだ。ドイツも欧州経済における自らの役割の大きさを自覚してほしい」としているね。
2014.06.10
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私:文藝春秋6月号は「日本の針路はどこに向いているのか。我等の漠たる不安に百人の叡知が答える」として「安部総理の『保守』を問う」というタイトルで特集。100人の叡智が寄稿している。その100人のうちで内田樹氏の寄稿をとりあげる。 内田氏によると保守の定義は「定常的なシステムに強い愛着をもつ傾向」で、人類史的スケールでは、より多くの利便性やより多くの資産を手に入れるために、システムを「変化させるべきだ」という立場に対して、リスクを冒してまでも変化するよりも、定常的であることの利を重く見る立場を「保守」と呼ぶという。 A氏:日本史で言うと信長、秀吉の政権は「成長志向・変化志向」で、徳川政権は「定常志向」だね。 私:現代では経済成長、人口増をめざさず、行政、司法、教育など根幹的制度について急激な変化を厭う人々は「保守」となる。 その意味では自民党はもはや保守政党ではない。 原発稼働、TPP、経済特区、賃金引き下げなど資本家の利益を最大化するように制度改革を推進する政治勢力が「革新」であり、国民生活の安定を優先的に配慮し、脱成長路線を選ぶ政治勢力が「保守」となる。 社会上層部に位置する人々はどちらに舵を切られても、それなりに自己の利益を確保できるが、問題は階層下位の人々だ。 彼らは「社会制度の劇的変化で起死回生をはかる」か「相互補助的な仕組みを工夫して貧しさに甘んじる」かの二者択一を迫られている。 A氏:階層下位の右傾化は、この二者択一で「起死回生」を選ぶ他はないと信じた人の結論ということになるね。 私:競争に勝つことの重要性については教わったが、共生の作法については何を教えられてこなかった人々の選んだ結論だね。 この特集の100人の寄稿以外に8人の保守論客のインタビューが掲載されている。その中で田母神俊雄氏は「保守の踏み絵は核武装と靖国参拝」だと言っているね。 皮肉なことにこれは内田氏の「保守」の定義によると田母神氏は核兵器所有の変化を求めるので、「保守」でなく「革新」といえるね。 共生の作法については何を教えられてこなかった人々はその「革新」に関心を持つということか。
2014.06.09
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私:安倍首相が官房長官だった小泉政権のときに行われた「タクシーの規制緩和」が、再び規制強化に戻された。 タクシーの規制緩和(改正道路運送法)は、2002年に行われたもので、これらの規制緩和でタクシー会社の新規参入が増え、タクシーの台数も事業者が柔軟に増やせるようになった。長距離などの割引も増えた。 A氏:大阪のワンコインタクシーと呼ばれる初乗り料金500円のタクシーが出てきたのもこの頃だったね。 私:規制緩和をして、競争させると、タクシー料金が下がり、消費者のためになるという大義名分だったが、台数増加で1台あたりの売上が下がり、運転手は歩合給だから給与が大きく減少した。 結局、横浜なんかは逆に料金が上がり、初乗り710円になった。規制緩和の失敗例だね。 しかし、大阪タクシー業界は健闘してきたね。 そこへ国が規制強化を復活した。国土交通省が定めた公定幅運賃(大阪府は初乗り660~680円)が4月から義務化された。 これに対し、近畿のMKグループ4社と、提携する個人14事業者は公定幅より1~2割安い運賃で営業しており、国が民間の料金を強制するのはおかしいとして、現行のままでも処分しないよう求める訴訟を起こし、仮処分も申し立てた。 A氏:国交省と大阪タクシー業者のにらみ合いだね。 私:大阪地裁は申し立てを受け、5月23日、差し止めを命じる決定を出した。公定幅運賃の制度は違憲でないとしたが、狭い運賃幅を定めたことが「裁量権の範囲を逸脱する」と判断したもの。 格安で営業している業者の利益を重視し、近畿運輸局が定めた運賃幅を「範囲を狭く解する必然性はなく、妥当性を欠く」とした。国は即時抗告したので高裁で争われるが、仮処分決定の効力は失われないね。ワンコインタクシーは今のところ健在だ。 ところで、横浜市のタクシーは、消費税アップで4月1日から初乗り730円で、20円アップ。
2014.06.08
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私:今朝の新聞は、もたもたしている自民と公明の集団的自衛権の協議をせかすような首相の指示を報じているね。公明党への姿勢を「太陽」から「北風」に変えるよう主導したのは、首相自身。 5月20日から始まった与党協議がいつまで待っても集団的自衛権の議論に入らない状況に業を煮やし、首相は「協議を急げ」と政府担当者や自民党幹部に指示。「議論から逃げている」という世論の批判を警戒した公明も要請に応じるほかなく、与党協議を倍の週2回各1時間半に増やした。 A氏:首相の指示を受けて、6日の与党協議で、自民党は集団的自衛権の行使容認を視野に、閣議決定の準備に入るよう政府に指示。22日の国会会期末までの閣議決定を目指して一気に突き進み、個別の事例に時間をかけて、閣議決定を遅らせようとしてきた公明を、首相と自民が追い込んでいる形となったね。 私:首相は公明が予想以上に抵抗し、「最終ライン」すら守れない可能性が出てきたこと、野党のみんなの党、維新の会など考えの近い勢力が存在していることで、期限をさらに早めたようだ。 首相にとって最大のカードは「解散」をちらつかせることだ。 A氏:与党協議の議論を早く進めるために、政府方針が朝令暮改と言えるほど一変したのが、自衛隊による多国籍軍への支援拡大策だ。 新たな3基準は、非戦闘地域という考え方はなくすとしつつ、(1)現に戦闘行為を行っている現場では支援活動は実施しない(2)状況の変化によって現に戦闘行為を行っている現場となる場合にはただちに支援活動を中断(3)人道的見地から実施する捜索救難活動は例外にする、としたね。 しかし、新基準では、今は戦闘行為が行われていなくても、今後は起こりうる場所に自衛隊を派遣することが可能となる。 私:公明は、新3基準について「憲法論としては柔軟に考えてもいい」(北側副代表)と、自衛隊の支援活動に一定の歯止めがかけられたと評価。合意に向けて党内で協議するとしたから、党内の議論がどうなるかだね。 公明内では、首相や自民が閣議決定へ強硬姿勢を貫いた場合をにらみ、連立政権からの離脱を示唆するような発言も出始めており、攻防は激しくなりそうだね。
2014.06.07
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私:今、自民党と公明党の与党間の集団的自衛権の協議が盛んに行われているね。 どうなるか。 他国を守るために自衛隊が武力を使う集団的自衛権で安倍政権は公明党などへの口説き文句として「集団的自衛権は限定して使う」と繰り返している。この「限定容認」という抽象的な言葉が曲者だね。 A氏:5月30日のブログ「集団的自衛権と世論調査 国民の迷いが伝わるか」でもふれていたが、安倍政権の集団的自衛権の行使に賛成か反対かの世論調査結果が、朝日新聞では、賛成29%、反対55%。ところが、読売新聞の調査では賛成71%、反対28%と逆の結果。 原因は、調査の質問方法にあり、朝日は賛成か反対かの2択。読売は「全面的行使賛成」「必要最小限の範囲での行使なら認める」「行使全面的に反対」の3択。 その結果、読売は「全面的行使」が8%、「必要最小限の限定された範囲での行使」が63%、「行使反対」が25%。最初と2番目の合計で賛成が71%となり、朝日と全く違った結果になるというマジックだね。 私::「必要最小限」という問いで「それくらいはいいだろう」と認めたくなるのが人情で、それを選ぶ人が多くなるという一種の集団的自衛権賛成への誘導マジックになっているね。 今、自民党が公明党を説得する基本戦術は、この「必要最低限」の「限定」の説得でなんとか集団的自衛権を認めさせようという同様のマジックだね。 A氏:このため、政府は集団的自衛権に踏み込む「ドア」が限定され小さいことを強調するため、「国民の生命や権利を守るために不可欠な我が国の存立が脅かされること」という条件を15事例で具体的に公明党と検討しているが、「もし、1事例でも集団的自衛権を使わなければ対応できない、と公明党が認めれば、集団的自衛権容認の憲法解釈見直しの閣議決定は可能になる」(政府関係者)。 首相側にはそうした思惑があるという。世論調査の3択と同じマジックだね。 私:防衛政策に詳しく、行使容認に慎重な政府関係者は、いくら限定的な「小さなドア」でも開けば、15事例を越えて日本が戦争に参加する可能性が高いと指摘。 入り口のドアの大きさにかかわらず、入ったら向こう側には敵がいる戦争の世界しかない。同盟国などと共に、敵国に対して宣戦布告することと同じになる。 こうなると「積極的平和主義」の中身は、実は「積極的戦争参加主義」のように感じるね。
2014.06.06
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私:保守派の代表誌「文芸春秋」は6月号で「安倍総理の『保守』を問う」を特集した。 企画の動機を、編集後記は次のように説明する。 「首相の仕事ぶりは頼もしいが、『漠然たる不安』の声もあり、その保守政治が日本に何をもたらすのか、具体的なイメージが浮かばないこともある」と。 A氏:安倍政権を保守派は支持し、革新・進歩派は批判する――そんな基本構図に収まりにくい発言が、論壇で目につくね。 保守の立場から政権や今の政治状況を憂える声が出ているようだね。 私:「文藝春秋」は、100人の論者から意見を集め、80ページにわたって掲載した。回答者は保守派から進歩派まで幅広い。8人の保守論客へのインタビュー特集も同時に載せている。 保守寄りの論者の舛添都知事は、「良き伝統を守る」のが保守だとする立場から、「和を以(もっ)て貴しとなす」という伝統的な「合意形成」の哲学が今の政治には欠けているとしている。天皇を「元首」と規定する自民党の憲法草案も批判。むしろ「象徴」のほうが「伝統に叶(かな)う」と訴えている。 「現実的保守」を自任する前原衆院議員(民主党)は、安倍首相を「観念的保守」とした。歴史という「極めて観念的」な問題で日韓・日中・日米関係を悪化させたと批判。 親米保守派と呼ばれることもある外交評論家の岡崎久彦氏は、「慰安婦問題」はもう争わないほうがいい」と呼びかけた。 A氏:進歩派の雑誌「世界」は最近、保守派による政権批判を相次いで掲載した。 5月号では自民党の村上衆院議員が首相の憲法解釈を変えることで集団的自衛権の行使を容認しようとする政権の姿勢は「立憲主義」の基本を揺るがせるものだと批判。 私:6月号でも同党総務会長の野田衆院議員が、「解釈変更」に頼る現政権を批判。 「(私がいま語った批判は)私個人の意見というよりは、なかなか表に出てこない、党内の声だ」と述べた。進歩派の雑誌を通じて自民党幹部が“声にならない党内の声”を社会に訴えた瞬間だったと報じている。 その他、NHKの人事、原子力規制委員会の人事など、独裁色に近い動向は「漠然たる不安」を感じるね。 安倍首相は何を焦っているのだろうか。
2014.06.05
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私:安倍首相は、「我が国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき」の集団的自衛権の行使が、「国民の命と暮らしを守るため」に必要だ、と力説した。 最初は、「日米同盟の強化のため」と言っていたが、それでは国民の理解が得にくいと思ったのだろうか。 その結果、集団的自衛権の必要性が、日本の防衛という個別的自衛権の論理で説明されている印象はぬぐえなくなったね。 A氏:安倍首相は集団的自衛権の必要性を国民に理解してもらうために、ムリな論理を展開しているようだね。 私:現代国際法は、攻撃された国だけで自衛が十分に果たせないとき、第三国による支援を認めている。ただし、この集団的自衛権の論理では、本来自衛するのはあくまでも攻撃された当事国であり、第三国はその国を助けるだけだ。 もちろん複数の諸国の個別的自衛権と集団的自衛権が重なることはある。だがその場合は、個別的自衛権は集団的自衛権と両立する、と言うのが適切だ。 A氏:集団的自衛権というのは、基本的に他国の支援だね。 だから、「日本国民を助けるために米国に協力する」という議論は、集団的自衛権の正当化としては、本来副次的なものでしかない。 「不正に攻撃されて危機に陥った米国を防衛するために日本の資源を提供したい」という論理が欠落していたら、集団的自衛権を発動することは難しいということになる。 私:日本が自国民の保護などを理由にして朝鮮半島有事の際に乗り出すには要注意だ。 韓国が攻撃された事態では、韓国の要請こそが集団的自衛権を発動する「要件」になり、換言すれば「歯止め」になる。 日本政府も、韓国政府にはそう説明しているはずだ。 なぜ日本国民にはそのように説明しないのだろうか。 篠田氏は、日本人の保護のみならず、難民対処などに必要なのは、集団的自衛権ではないとしている。
2014.06.04
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私:昨日、WOWOWの放送で、1989年製作の「デットフォール」という刑事役のシェルベェ・スタローン主役のアメリカ映画を見たが、スタローンが妹に国債を買ってやる会話で金利が7.5%と言っていた。 現在は、2%台だから、今と比較するとかなり高い金利だ。 A氏:1981年から1989年までアメリカ大統領はレーガンでレーガノミックス時代の最後だね 水野和夫氏によると、現在の先進国の利潤率の低下は1974年から始まり、日英の10年国債利回りがこの年が10%台でピーク。ついで1981年に米国が13.9%でピーク。ピーク以降、先進国の利子率は急速に低下しているとある。その映画の頃にはすでにピーク時の半分だね。 私:昨日2日の日経によると、米国債長期金利はFRBの量的緩和の縮小観測から、上がりだしたが、実際にFRBが1月に国債などの購入額を減らし出すと、金利は逆に低下基調に入り、欧州で金融緩和観測が出た5月はじめから、低下ペースが加速、2.6%台から2.4%台に下がった。同じ頃、ドイツは1.4%台から1.3%台に低下。日本でも下限とみられた0.6%を下回り、29日に1年1カ月ぶりに一時0.56%まで低下。 米国景気は回復基調なのに金利が下がったきっかけは、「長い目で見た金利は低い水準で推移するだろう」というニューヨーク連邦準備銀行のダドリー総裁の20日の発言。 この先数年の景気低迷、高齢化による労働供給の鈍化、金融規制の強化の3つを理由に挙げたという。市場では、景気回復は鈍く、金融緩和の出口も見通せないとなれば、長期金利は上がりづらくなるとの見方が急速に広がったという。 水野氏が指摘するように、じわじわと資本主義の終焉は近づいているのかね。
2014.06.03
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私:福島第1原発の事故に首相補佐官として対処し、吉田所長(故人)との連絡役を務めた細野豪志氏が3時間近くにわたって朝日新聞のインタビューに応じた。 細野氏は事故対応の取材にほとんど応じてこなかったが、事故から3年以上が過ぎ、「記憶の限界に来ている。そろそろ話さなければいけない」と考えていた矢先に「吉田調書」報道を見て、証言を決心したという。 A氏:例の所員の9割が所長の命令に違反して10キロ離れた第2原発へ撤退したことが「吉田調書」で判明している件については、どうかね。 私:第1原発からの撤退問題が浮上する14日夜、細野氏は吉田所長から「2号機に水が入りません。原因が分かりません」という電話を受け、吉田所長が「自分たちは頑張ってきたけど、ダメかもしれないというニュアンスと受け止めた」という。 15日午前5時35分、細野氏は菅首相と一緒に東電本店2階の対策本部に乗り込み、首相は第1原発からの撤退に傾く東電幹部を「撤退したら東電は必ず潰れる」と激しく叱責(しっせき)。細野氏は首相とともに同じ階の小部屋に移り、そこでテレビ会議の映像で吉田所長がいる現場の様子を知ることができた。 午前6時42分。吉田所長が、前夜に想定した福島第2への撤退ではなく、すぐに現場に戻れる第1原発構内やその近くの場所での待機を命令した瞬間だ。ところが、東電がのちに開示したこの時の映像には音声がない。映像には菅氏とともに画像を見つめる青い防災服姿の細野氏の様子が映っている。 吉田所長は調書で「2F(福島第2)に行けではなく、福島第1の近辺で、所内にかかわらず線量が低いようなところに1回退避して次の指示を待てと言った」と言っている。 細野氏は「吉田調書」を見て「思い出しました。確かにそういうやりとりはあった」と語った。 前夜に吉田所長から「頑張ります」という強い言葉を聞いていたため、「退避」という言葉遣いに少し引っかかったが、「吉田さんが言っているから現場が回る(対応できる)ということだろう」と受け止めたという。 A氏:やはり、「2F(福島第2)に行け」はなかったのだね。 私:テレビ会議の記録で、そのときの音声が欠落しているのが妙だがね。欠落していなかったらすぐわかることだがね。
2014.06.02
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私:昨日、日中、NHKテレビにチャンネルを合わせたら、「金曜eye」の再放送をやっていた。テーマは「働き方革命がニッポンを救う!」だね。 内容は3つに分かれていて、「脱長時間労働」「女性の雇用改善」「地方雇傭の増加」となっていたが、関心があったのは、「脱長時間労働」だ。 A氏:長時間労働については、関連して、残業代ゼロ法案が今、問題になっているね。 私:俺は残業代ゼロ法案よりも、生産性をあげる残業ゼロ法案の方が先だと思うね。 このNHKテレビではある大手のIT企業の例をあげている。 社長は残業が特に多い企画部門の業務改善を要求し、なんと4割ほど時間を減らしたという。 別にIT化したわけではなく、部門内の上司と部下のコミュニケーションを密にするなどのマネジメントの改善で成功している。 さらに、残業減少で所得が減るのを補うために、改善した者には報奨金として最大12万円を支給するようにしたという。 また、伊藤忠の例をあげていたが、ここは2万時間短縮に成功したという。 A氏:中小企業ではどうかね。 私:従業員約2千人の製菓会社の例をあげていたが、「一人三役」という方法で現場もオフイスもムダな時間を減らし、教育・訓練制度を確立し、有給休暇取得率が90%台になったという。 これもロボット化、IT化でなくマネジメント改善だね。 A氏:日本では現場の生産性は高いが、デスクワークやサービス業の生産性は低い。 日本が先進国としては労働時間が長いのは、そのせいだね。 私:その原因は機械化、IT化のような技術力の遅れではなく、上記の事例のようにマネジメント力不足だと思う。 J ALを再建した稲森マネジメントのように、マネジメント力の向上意欲が日本企業には不足している。 残業代ゼロを問題にするのでなく、マネジメント力の向上で生産性を先進国並みにして、非効率な長時間労働をなくし、残業を減少させるのが先。残業代ゼロはその後だ。
2014.06.01
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