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私:最近、ウクライナやタイの政治的紛争を見ていると、両国とも民主主義国家のはずなのに、少数派の自己主張の激しさに民主主義とは何かと疑問を持つね。 高橋源一郎氏は、まず、中国との貿易協定に反対して議会を占拠した台湾の学生運動をとりあげていて、さらに学生の少数派が多数派に「ありがとう」という場面をとりあげている。 そして、民主主義は「民意」によって、なにかを決定するシステムだが、「民意」をどうやってはかればいいのか。結局のところ、「多数派」がすべてを決定し、「少数派」は従うしかないのだろうかと問うている。 A氏:ウクライナもタイも結局、「少数派」が「多数派」に徹底的に反抗する。 タイの民主主義はには、国王と軍のクーデターの存在が不可欠なようだね。 私:民主主義の原理を記した、ルソーの「社会契約論」には、不思議な記述があるという。ルソーによれば、「一般意志」(「民意」と考えていいだろう)は、意見の違いが多ければ多いほど、その真の姿を現すことができるのであるという。そこに垣間見える民主主義の姿は、わたしたちの「常識」とは異なっていると高橋氏は指摘する。 A氏;皆が自分勝手に主張することは多数決にはそわないね。 私:高橋氏は、「もしかしたら、わたしたちは、『正しい』民主主義を一度も持ったことなどないのかもしれない。『民主主義』とは、ドイツの思想家、ハーバーマスの、想像力を刺激することばを用いるなら、一度も完成したことのない『未完のプロジェクト』なのだろうか」と言う。 A氏:有名なチャーチルの民主主義についての名言を思い出すね。 「これまでも多くの政治体制が試みられてきたし、またこれからも過ちと悲哀にみちたこの世界中で試みられていくだろう。民主主義が完全で賢明であると見せかけることは誰にも出来ない。実際のところ、民主主義は最悪の政治形態と言うことが出来る。これまでに試みられてきた民主主義以外のあらゆる政治形態を除けば、だが」 私: 民主主義にかわる賢明なシステムはないのかね。 今、資本主義も崩壊しつつあるというのに。
2014.05.31
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私:安倍政権の集団的自衛権の行使に賛成か反対かで、各メディアは、世論調査を実施。朝日では、賛成29%、反対55%、毎日は賛成39%、反対54%。共同通信は賛成39%、反対48%。日経・テレビ東京の共同調査では賛成28%、反対51%。「日本国民の多くが反対だ」ということになる。 ところが、一方、読売の調査では賛成71%、反対25%と賛成派が圧倒的。産経・FNNの共同調査では賛成70%、反対28%。「国民の多くが賛成している」となる。この違いは、質問の仕方に原因がある。 朝日、毎日、共同、日経・テレビ東京は賛成か反対かの二択だが、読売は「全面的行使」「必要最小限の範囲での行使」「行使反対」の三択だ。その結果、「全面的行使」が8%、「必要最小限の範囲での行使」が63%、「行使反対」が25%。最初と2番目の合計で賛成が71%となる。 A氏:「必要最小限」で「それくらいはいいだろう」と認めたくなるのが人情で、それを選ぶ人が多くなる。 私:5月のNHKの調査では、賛否の二択に「どちらともいえない」という選択肢を加えて質問。その結果、賛成30%、反対23%、「どちらともいえない」37%で、多くの国民が判断に迷っている実情を示している。 集団的自衛権の行使は朝日・毎日の社説は否定的、読売・産経は肯定的だから、自社に都合のいい調査結果を出しているかのようにも見える。 世論調査への信頼度が落ちるだけでなく、一種の世論誘導が見えるね。
2014.05.30
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私:大阪大学教授平川秀幸氏は、こないだマスコミで問題になったマンガ「美味しんぼ」の鼻血問題にコメントを寄せているね。 A氏:君は自分の体験を含め、鼻血騒ぎに異議を感じてこのブログに書いているね。 私:平川氏は「デュープロセス(適正手続き)がないがしろにされている」としている。 要するに社会に重要な影響を及ぼしうる物事を進める際にとるべき適正な手続き一般を指すという。 それが軽んじられているとして、憲法改正という手続きを経ず、解釈変更のみで集団的自衛権の行使を可能にしようとする安倍政権の動き。 ずさんな実験ノート、剽窃(ひょうせつ)、画像の不正加工など科学研究における適正手続きがことごとく踏み外されていたSTAP細胞論文不正の問題の例をあげている。 A氏:先日の「美味しんぼ」騒動にはどういう「手続き」が関係しているのかね。 私:最初、「美味しんぼ」の鼻血問題は、何ら正式な調査に基づかず、マンガという手段で問題にしたことが、「適正な手続き」に反していると平川氏がコメントするかと思ったが、逆だね。 事実を究明すること、そのために人々の話を聞くことは、正確な情報発信とともにリスク対応の「デュープロセス」を構成するが、それらが事故後、政府が十分に履行されたかといえば、答えは否定的だろうと勝手にきめつけている。 A氏:鼻血のことを政府が問題にしていないということか。 私:「美味しんぼ」騒動は、政府の「デュープロセスの不履行」とともに、それゆえに放置された問題の所在をも可視化していると高く評価しているね。 しかし、俺は逆に反論したいね。このマンガで、「福島に住んではいけない」と述べる場面があるが、現在、福島県に住んでいる人々に対する「適正な手続き」であったかを。 昨年3月の週刊誌で「美味しんぼ」作者が震災地を訪れ、そして事故の全体像を示し、記憶が風化することを食い止めたいということで「福島の真実編」を始めたという記事がある。 今度の鼻血騒動で作者の意図が果たされたかは疑問だね。
2014.05.29
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私:原子炉冷却のための海水注入を巡っては、吉田所長氏が12日夜、官邸の海水注入中止要請を無視して1号機で継続したことが知られているが、実は13日未明にも3号機を舞台に「海水か淡水か」論争があったことが「吉田調書」にある。 A氏:3号機は原子炉の水位が下がり、核燃料のむき出し危機を迎えていた。午前5時42分に淡水のタンクがすべて空だという報告があり、吉田氏は1号機同様、海水注入を決断した。 私:ところが、午前6時43分、官邸から吉田氏に直接電話が入り海水注入は極力避け、淡水を使用するよう要請された。 A氏:吉田氏は12日夜と異なり、この13日朝はあっさりと要請を受け入れたね。 私:吉田氏はのちの聴取で、電話の主をあきらかにせず、こう語っている。 「私は最初から海水だろうと思っていた。その後に官邸から電話があって、何とかしろという話があったんで、頑張れるだけ水を手配しながらやりましょうと」 ところが、質問が電話の相手に及ぶと、吉田氏の歯切れは悪くなった。 「本当に誰と電話したかも完全に記憶が欠落しているんです」 そして午後0時18分。ついに「あの、もう、水がさ、なくなったからさ」と海水注入への切り替えを指示した。吉田氏は10分程度で切り替えが終わると思っていたが、実際に海水注入が始まったのは午後1時11分。この間、1時間近く3号機には水が入らず、原子炉はますます過熱し、深刻な事態を招く発端となった。最初から海水だったら、3号機は深刻な事態は避けられただろう。 「官邸からの電話の相手」は今も謎のままだという。
2014.05.28
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A氏:君がブログ「EU懐疑派・右翼に勢い」上・下でとりあげた欧州議会選(751議席)の結果が今朝の新聞で報じられているね。 結果は予想通り、EU懐疑派が大きく躍進して、フランス、英国、ギリシャでは第1党になり、全体でも計3割の議席をうかがう勢い。EU統合の深化にブレーキがかかるおそれがある。 ウクライナ問題はEU懐疑派にはあまり影響がなかったようだね。 私:フランスでは、仏右翼・国民戦線(FN)は、反EU、脱ユーロ、反移民などを訴え、得票は25%でトップ。ルペン党首は25日夜、開票開始早々に記者会見し、「(EUから)主権を取り戻す一歩を踏み出した」と発言。 ギリシャは、経済立て直しのための緊縮策を「EUの押しつけ」と批判する急進左翼進歩連合がトップ。 チプラス党首は「歴史的勝利だ。(緊縮の)モルモットにされた各国の人々が祝うだろう」と語ったという。 イギリスでは、脱EUを掲げる英国独立党(UKIP)が第1党になる勢いで、ファラージ党首は「英国のEU離脱だけでは不十分だ。欧州はEUをあきらめてほしい」と訴えた。 A氏:今回の選挙で台頭したEU懐疑派や右翼は、移民・自由貿易に批判的で、専門家の間では、「人や物の自由移動」という経済統合の基本原則を揺るがし、政治統合の深化まで妨げることになりかねないという見方がある。 EU全体で約11%と高止まりする失業率と経済の停滞に対する不満の矛先が、「職を奪う」として、移民に向かっている。右翼やEU懐疑派は「自国産業を脅かす」として、第三国との自由貿易協定には批判的だ。 私:噴出した民意は、もはや、一部の極論と片付けられない水準にある。 懐疑派は財政や雇用、移民政策など、重要視する政策課題を核心の議題として協議を促す能力を手に入れた。欧州の既成政党は、緊縮路線や移民受け入れなど不人気な政策を進める際、「ブリュッセル=EU」のせいにしてきた。そのツケが回ってきたともいえる。 懐疑派の勢いに便乗し、移民などの「外」の存在、あるいは共通通貨ユーロをスケープゴートにすれば、信頼を取り戻せるのか。 大衆迎合的な人気取りの政治が前世紀の欧州にもたらしたのは、戦火だったことを忘れてはならないとヨーロッパ総局長・梅原季哉氏は警告している。 EUは経済危機が政治危機に転化しつつあるようだね。
2014.05.27
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私:この欄ではまず、ある女性派遣労働者への労働環境のロングインタビューがあり、それに続いて水野和夫氏のコメントの寄稿が掲載されている。 A氏:今、国会に提出された「労働者派遣法の改正」に応じて企画されたものだね。 私:水野氏は、16世紀以来、資本主義は成長を最も効率的に行うシステムだったが、それが最終局面に近づいているとみていて、派遣を含む非正規労働のあり方をこの観点から考える必要があるとしている。 A氏:氏は、資本主義は利潤を得る主体の「中心」と、利潤を獲得する場である「周辺」(フロンティア)で構成され、かつては「中心」の先進国に対し多数の途上国が「周辺」だったが、現代は地球上での地理的フロンティアは、アフリカにしか残されていない状況になった。 私:このブログで氏の著書「資本主義の終焉と歴史の危機」にあるように、資本が得る利潤はほぼゼロに等しくなって、状が大きく変わったのに、先進国の資本はこれまで通りに利潤を追求しようとして、1990年代後半以降、自分たちの国内、地域内に、新たな「周辺」をつくることになった。 米国では従来の住宅ローンの審査には通らなかったサブプライム層。欧州連合(EU)では自国の体力以上に国際市場からお金を借りたギリシャ、キプロス。そして日本では非正規社員がそんな「周辺」だ。 A氏:資本がもっと前進するために、グローバル化の進展も有利に作用し、瞬時に移動できるカネ(資本)は、新興国への工場移転を「脅し」に使う形で、簡単には動けないヒト(労働者)に、賃下げなど労働条件低下を受け入れさせた。 日本では、90年代後半からの労働市場の規制緩和は、総人件費抑制の有力な手段となり、実質賃金は、97年1~3月期をピークに下がり続けている。 私:氏は、「働く人の多様なニーズに応える」が非正規労働拡大のうたい文句だったが、「労働規制緩和は資本家の利益のためにすぎない」ことはいまや明白だという。 フルタイムで働く日本の一般労働者の年間総実労働時間は先進国でも上位の長さだ。長時間労働をなくす規制を実施すれば、新たな雇用が生まれるワークシェアリングも可能になる。 数百年単位の歴史の大きな転換点に立っているという観点から、資本主義の次を見通すような働き方を、官民ともに探っていくべきだと主張する。
2014.05.26
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私:この記事は、米グーグルで採用責任者を務めるラズロ・ボック人事部門担当上級副社長が昨年6月、ニューヨーク・タイムズ紙のアダム・ブライアント記者のインタビューで述べたことをまとめたものだ。 見出しは「5条件」とあるが、箇条書きになっているわけでなく、だらだらと書いているので分かりにくい。俺なりに5つに区切ってまとめてみた。 1.どの仕事においても我々が一番求めているのは、「全体的な認識能力」であり、「知能指数(IQ)」ではない。「認識能力」とは学習する能力であり、状況に応じて処理する能力であり、種類の異なる情報の断片を組み立てる能力。 2.従来型のリーダーシップではなく、「創発的なリーダーシップ」が重要。従来型は、チェスクラブの会長だった、販売部門の部長だった、どれくらいの早さでその地位に就いた、とかだが、そんなことはどうでもいい。重視するのは、「問題に直面したときに適切なタイミングで進み出てチームをリードできる」かだ。 3.同じく重要なのは、自分は後ろに下がり、指揮をとるのをやめ、ほかの誰かに任せられるかだ。実行力のあるリーダーに重要なのは、「いつでも権力を手放す覚悟」だからである。 4.問題解決に向けて「責任感と当事者意識を持って参加する気持ち」が必要。そして他者のより良い考えを受け入れる謙虚さ。「最終目標は問題解決に向けてみんなで協力して何ができるか。自分なりの貢献をしたら、身を引くこと」。 5.他者が貢献する場をつくりだす謙虚さだけでなく、「知的な謙虚さ」が必要。謙虚さがないと、学ぶことはできない。一流ビジネススクールの卒業生の多くが伸び悩んでいるという調査があるが、原因はここにある。「頭の良い成功者はめったに失敗を経験しない。だから失敗から学ぶすべを身につけていない」。一人の中にプライドの高い自分と低い自分を同居させる必要がある。 A氏:なんだか、日本型のプロジェクトXのようなチーム活動のリーダーやメンバーの高い評価に似ているね。 私:現代の開発活動は、個人プレイよりもチームプレイになってきており、その点、日本は先行型。それに相応しい人材がますます要求されるのだろうね。 STAP細胞問題は日本型でなかったね。
2014.05.25
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私:「吉田調書」によると、吉田氏はこう語っている。 「本当は私、2F(福島第2)に行けと言っていないんですよ。福島第1の近辺で、所内にかかわらず、線量が低いようなところに1回退避して次の指示を待てと言ったつもりなんですが、2Fに着いた後、連絡をして、まずはGMから帰ってきてということになったわけです」 第1原発にとどまったのは吉田氏ら69人。第2原発から所員が戻り始めたのは同日昼ごろ。 この間、手薄になった第1原発では2号機で白い湯気状のものが噴出し、4号機で火災が発生。放射線量は正門付近で最高値を記録。 A氏:外国メディアは残った69人を「フクシマ・フィフティー」、すなわち福島第1原発に最後まで残った50人の英雄たち、と褒めたたえた。 私:しかし、吉田自身も含め69人が福島第1原発にとどまったのは、所員の9割にあたる約650人が所長の命令に反して福島第2原発に行ってしまった結果に過ぎない。 所長が統率をとれず、要員が幹部社員も含めて一気に9割もいなくなった福島第1原発では、対応が難しい課題が次々と噴出した。 まず、爆発は、2号機でなく、無警戒の4号機で起きていたことがわかったなどだ。 私:今、図書館から借りた「福島第1原発収束作業日記」を読んでいるが、3月15日には吉田所長の声で作業員に「今までありがとうございました」と放送があり、筆者は福島第1原発を離れ、自宅に帰ったとある。これも「吉田調書」と違うが、事故後1年後に東電が公表したテレビ会議の記録では何故かこのシーンは映像のみで音声は欠落していたので吉田氏の音声記録はないという。。 「吉田調書」は非公開だそうだが、朝日新聞は紙面やデジタルで公開している。 とにかく「福島第1原発収束作業日記・3.11からの700日間」を読むと、東電は収束の手は打っているが、バタバタの状態を依然として続いているね。 福島第一原発収束作業日記 3・11からの700日間
2014.05.24
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私:5月20日の朝日新聞では、原発事故当時の福島第1原発の吉田所長が政府事故調の調べに答えた「聴取結果書」(吉田調書)を入手したと報じている。 その調書の中で、東日本大震災4日後の11年3月15日朝、第1原発にいた所員の9割にあたる約650人が吉田氏の待機命令に違反し、10キロ南の福島第2原発へ撤退していたという。 その後、放射線量は急上昇しており、事故対応が不十分になった可能性がある。 東電はこの命令違反による現場離脱を3年以上伏せてきたという。 A氏:俺もこの記事を読んだが、15日午前6時15分ごろ、2号機方向から衝撃音がし、原子炉圧力抑制室の圧力がゼロになった。 2号機の格納容器が破壊され、所員約720人が大量被曝(ひばく)するかもしれないという危機感に現場は包まれた。 午前6時42分、緊急時対策室内の放射線量はほとんど上昇していなかったので、吉田氏は前夜に想定した「第2原発への撤退」ではなく、「高線量の場所から一時退避し、すぐに現場に戻れる第1原発構内での待機」をするため、社内のテレビ会議で「構内の線量の低いエリアで退避すること。その後異常でないことを確認できたら戻ってきてもらう」と命令した。 吉田氏の証言によると、所員の誰かが免震重要棟の前に用意されていたバスの運転手に「第2原発に行け」と指示し、午前7時ごろに出発したという。自家用車で移動した所員もいた。道路は震災で傷んでいた上、第2原発に出入りする際は防護服やマスクを着脱しなければならず、第1原発へ戻るにも時間がかかった。9割の所員がすぐに戻れない場所にいたのだ。 A氏:その中には事故対応を指揮するはずのGM(グループマネジャー)と呼ばれる部課長級の社員もいた。 過酷事故発生時に原子炉の運転や制御を支援するGMらの役割を定めた東電の内規に違反する可能性があると新聞は指摘しているね。 私:明日はその後の吉田氏の証言に移ろう。
2014.05.23
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私:昨日まで、安倍首相の15日の記者会見での集団的自衛権の説明を3日にわたってとりあげてきたが、20日に自民・公明の協議の段階に入ったと新聞は報じているね。 一昨夜のテレビ5チャンネルの報道ステーションには公明党の山口那津男代表が出演して、キャスターの古館氏の質問に答えていたが、安倍首相の憲法解釈変更による集団的自衛権容認には反対が明確だね。公明党の自民党との対立は明確だ。 一方、安倍首相は強気だから、自公対立はどうなるか。 A氏:16日に創価学会は集団的自衛権の行使容認に反対する見解を示したね。 「創価学会が政治的局面に意見を言うのは珍しく、それほど重要な問題」と受け止めているという。 私: だが、学会員に不安の声もあるという。 それは、過去、1992年、創価学会内に反対論が強かったPKO協力法に公明党は賛成し、2003年の自衛隊イラク派遣も自民党に追随して賛成した。 公明は「自民党にまた押し切られ、集団的自衛権の限定的行使を容認するようになるのではないか」と心配の声もあるという。 A氏:1992年のPKO協力法は、自民、公明、民社の3党で成立させ、99年には朝鮮半島有事などでの米軍支援を定める「周辺事態法」を自民、自由、公明3党で成立させた。03年、自衛隊のイラク派遣を認めた「イラク特措法」では、派遣先を「非戦闘地域」に限ることで、自民の意向を受け入れた。 今回もグレーゾーン事態で自民と協議する点について「公明党は集団的自衛権の限定的行使を容認しようとしているのではないか」という見方もある。 私:一方、創価学会に詳しい宗教学者の島田裕巳氏は「これまで公明党は政権の枠組みを重視し、自民党に歩み寄る場面がみられた。だが、集団的自衛権の行使は平和貢献の範囲を超える。学会の人たちを裏切り、党の存在意義を否定することにもなる。今回ばかりは妥協の余地はないのではないか」と話しているという。 12月に県議選が予定される茨城県では、公明党県議では「憲法改正や解釈変更を主張する自民党候補には推薦を出すべきではない」と考えるという声も出ているという。 与党分裂か、公明妥協か、憲法解釈による集団的自衛権容認は今後の大きな問題だね。
2014.05.22
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私:首相はPKOなどで海外派遣された自衛隊の「駆けつけ警護」と呼ばれる事例についてパネルを示して「ボランティアで医療活動に従事する人もいるし、(他国の)PKO要員もいる。しかし彼らが突然、武装集団に襲われても自衛隊は救うことができません」と訴えた。 なぜ救えないのか。自衛隊が1992年、カンボジアで初のPKOに参加して以来守ってきた、憲法上の制約があるからだ。 政情や治安の不安定な国や地域に派遣されることが多いPKOでは、国連が任務の内容や武器の使用条件を決めている。 ただ、日本の場合、国または国に準ずる組織に武力を使えば、憲法解釈で禁じられている「海外での武力行使」に当たる可能性が出てくる。A氏:防衛省によると、民兵などに襲われた避難民が宿営地内に入れば「自衛隊の管理下に入った」として、正当防衛と緊急避難の範囲で武器を使い、保護することができる。 しかし、離れた場所で助けを求められても、対応は困難とみられる。私:法制懇の報告書は、日本がPKO参加の原則とする「停戦合意の成立」などを見直す検討を主張。自衛隊が治安維持や市民保護の業務も担えるよう武器使用基準の緩和を求めている。 安倍首相は会見で、法制懇の提言を「これまでの政府の憲法解釈と論理的に整合しない」「自衛隊が武力行使を目的として湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してない」と否定。 複数の国で侵略国を制裁するような「集団安全保障」には直接参加しないと明言しつつ、多国籍軍の後方支援については検討する意向も示した。 首相は、PKOの本来の任務内容よりも海外での武器使用基準の緩和につながる「駆けつけ警護」の実現を訴え、国連決議が必要な「集団安全保障」ではなく日本だけで行使が判断できる集団的自衛権の議論を先行させる意向だ。「やりやすいことから先に実行」という姿勢が透けて見えるという。 日本の国連代表部で外交官を務めた経験もある星野俊也・大阪大学副学長は 「自衛隊の海外活動の現実に即した武器使用の法整備も必要だが、国際貢献は日本だからこそ果たせる役割を見極めることが大切だ。勇ましいことをするのが目的ではなく、外交や情勢分析の力を生かし、必要とされる場所でベストの能力を発揮することが重要だ」 と話す。外交力が問われるね。
2014.05.21
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私:安部首相は憲法解釈による集団的自衛権容認に反対している公明党に対して、まずグレーンゾーン事態の問題から入って説得しようとしているようだ。 グレーゾーン事態について、安倍首相は15日の会見でこう説明している。 「武力攻撃に至らない侵害、漁民を装った武装集団が我が国の離島に上陸してくるかもしれない。こうしたグレーゾーン事態への対応を一層強化する」 首相の頭には中国海警局の公船などが尖閣諸島の領海や周辺の接続水域への侵入を繰り返すことを意識したもので、中国が島に民兵などを送り込むかもしれない――。 グレーゾーン事態とはそんな想定のもと、明らかな武力攻撃、つまり有事(戦争)ではないが、今の海上保安庁などの警察権では対応できない「準有事」とも呼べる状況を指しているという。 中国の「脅威」を強調する安倍政権はすでに、現場の自衛隊にも準備を急がせている。 A氏:現行の自衛隊は、相手に危害を与える武器の使用は原則として、攻撃に対し反撃する正当防衛と急な攻撃を避ける緊急避難の場合に限られる。 与党協議を前に自民党は、治安出動や海警行動の際の武器使用範囲を広げたり、防衛出動の要件を緩和したりすべきだと主張。これに対し公明党は「自衛隊の派遣は相手を刺激する」として、海保による対応を求めている。協議は入り口から難航しそうだ。 私:自公両党がグレーゾーン事態から議論をスタートさせるのは、憲法解釈の変更をめぐって対立する集団的自衛権の是非の議論とは、直接関わらないと考えるからだ。しかし、本当に関わりはないのだろうか。 東シナ海では、自衛隊と米軍が常に連携し、情報交換をしながら警戒にあたっている。政権が想定するグレーゾーン事態を防ぐための活動も、日米共同での対処が前提だ。 自民党幹部は「グレーゾーンは米国と関係ない」と言い切る。しかし、防衛省関係者は「安保政策に詳しい自民党幹部ならグレーゾーン事態に集団的自衛権の問題が絡むことを理解しているはずだ。公明党と協議を進めるため、その部分を意図的に隠しているのでは」といぶかるという。 斎藤隆・防衛省顧問は、グレーゾーン事態の検討が始まった点は評価しつつ、警鐘を鳴らす。 「現在の議論は尖閣防衛の問題などに矮小(わいしょう)化されているのではないか。グレーゾーンでも集団的自衛権の行使にかかわる問題に必ず直面する。そこを切り離した議論は成り立たない」と指摘しているという。 公明党の説得は困難だね。 明日は、最終回の「下」に移ろう。
2014.05.20
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私:朝日新聞では、5月15日の首相記者会見で首相が語ったこと、そして語らなかったことの「狙い」を3日間(上・中・下)にわたり読み解くという。 初日では、集団的自衛権行使は「日本人の命」に直結すると首相はこう力を込めたが、その説明は従来とは大きく異なったと指摘。 これまでは国会などで行使の必要性を説く際、「日本人の命」ではなく「米兵や米国民」を守る点を強調。示した想定例も日米同盟の絆を深めることに力点を置いていた。 A氏:しかし、おかしいのは、日米は正確には同盟関係にないのにね。 同盟関係とは、同盟国が戦争すれば、その戦争に自動的に参加する関係だね。 01年9月の米同時多発テロを受け、米国は個別的自衛権を使ってアフガンに派兵したが、大西洋条約機構(NATO)に加盟する同盟国の英国やフランス、ドイツなどが集団的自衛権を行使して参戦している。 同時多発テロでは日本人も犠牲になり、日本もテロの対象になる危険性が指摘されたから、日本は従来の憲法解釈のもとで、戦闘が行われない「非戦闘地域」で各国軍に協力するとして「テロ対策特別措置法」を成立させた。インド洋に派遣された自衛艦は米艦などへの燃料補給活動などにあたった。 私:法制懇の報告書は「我が国の安全に重大な影響を及ぼす」かどうかを、政府の判断要件の一つにするよう提言した。集団的自衛権行使が可能となり、アフガン戦争と同様の事態が将来起きれば、日本が英国のように参戦の判断を迫られる。 首相が法制懇の報告書に従わず「憲法が集団的自衛権を含め、自衛のためなら全ての活動を許しているとは考えていない。自衛隊が武力行使を目的として他国との戦闘に参加するようなことはこれからも決してない」という言葉をそのまま受け止めれば、集団的自衛権を行使する余地はないことになるね。 A氏:首相が15日に持ち出した「日本の避難民が乗る米艦の防護」といった事例に対しては、本当にありうる想定なのかとの疑問が出ており、集団的自衛権行使容認に慎重な公明党の山口代表は、首相が示した事例を「現実的な必要性があるのか」と指摘。 従来の政府解釈で認めてきた、日本船や日本人を自衛隊が守る個別的自衛権を使えば、対応が可能との見方を示しているという。 私:明日はこのシリーズの2日目の「中」の記事に移ろう。
2014.05.19
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私:このところ、人気漫画「美味しんぼ」(小学館)の原発事故と「鼻血」問題が大きな社会ニュースになったね。 A氏:5月12日発売号では「今の福島には住んではいけない」というセリフすらあるというね。 私:俺は原発事故後、福島市のある企業の会議に1泊2日で2回行っている。 しかし、俺も1日中会議しているメンバー約10名も「鼻血」を出した者皆無。 事故後、知事が安全をうたったパンフレット添付の福島産の果物1箱を毎年、送ってくる。 全部食べているが「鼻血」皆無。 だから今回の「鼻血」問題は俺には青天霹靂だよ。 A氏:何か事実を隠しているんだろうという陰謀説まで出る始末だね。 私:今、たまたま「福島第1原発収束作業日記」という本を読んでいる。 毎日、低被曝線量の中で現場作業している人の詳細な日常生活のツイッター記事をまとめて本にしたものだ。 これによると「鼻血」の2文字は皆無。 福島第1原発では、何千人という人が低被曝線量の中で現場作業してきているのにだね。 A氏:大体、作業中は防護服もマスクをはずせないので、「鼻血」が出たら、拭き取りも出来ず、作業が不可能だろうね。 私:原爆やスリーママイル・チェルノブイリ事故で低線量地帯では「鼻血」が多発して問題になったのだろうか。 A氏:今朝の新聞では「美味しんぼ、苦い後味 編集部見解『表現のあり方見直す』」という見出しで報じているね。 私:「閣僚らが一斉に遺憾の意を示したことは、国が漫画表現に対して介入する余地を残した」という人の意見が載っていたが、閣僚は福島県民の風評被害を恐れたので、国が漫画表現に介入する意図は疑いすぎだね。 「美味しんぼ」は次号から一時休載に入るが、小学館広報によると「以前から決まっていたこと」という。
2014.05.18
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私:インド総選挙で、野党インド人民党(BJP)が勝利。 10年ぶりの政権返り咲きを導いたのは、首相候補ナレンドラ・モディ氏(63)。 西部グジャラート州首相として経済を成長させた実績で支持を集めた。 米政府は、緊密に協力すると強調。訪米も拒否しない方針だ。背景には、高い経済発展が期待されるインドと関係を強めたい思いがある。 さらに、中国が軍事的な力を強めるなか、「アジアの力の均衡のため、米国はインドが必要」との事情もある。 A氏:新首相の登場でインド経済の環境は大きく改善され、政策は変わり、官僚的なものの決め方から解放されるだろうということで日本企業も期待しているね。 私:しかし、インドは汚職がひどい。汚職指数では177カ国中94位。一党独裁の中国の80位より低い。このため、官僚の手続きが遅く、日本のドコモはそのため撤退しているという。 インドの汚職追放は今までの政権でも公約をあげているが成功していない。 モディ政権にとっても難題とみられている。 A氏:日本は汚職指数ではアジア3位、世界で18位。 私:「ザ・コラム」欄では、日本交通技術(株)が、ベトナム、インドネシア、ウズベキスタンにおける円借款事業等に関連して、外国公務員に対する贈賄行為が行われたものと認定されたね。 それによると途上国の役人らのたかりはすさまじいという。 一方、同社の社員が分担して裏金をカバンで現地に運ぶなど、同社の対応が「相手国の腐敗を助長した」と指摘されている。 親日国だからと援助した結果、国民の金が腐敗の原資となり、日本企業が共犯となる。 汚職は途上国の話と片づけられないと「ザ・コラム」欄は指摘している。 インドはインフラ整備の遅れもあるが、あらゆる行政手続きで賄賂がまかり通る体質を変えないと、経済成長は政権が変わったからといってすぐに効果は期待できない恐れがあるね。
2014.05.17
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私:最初は米国で「最近、マルクス主義が台頭している」という氏の皮肉から始まるね。 米国の保守派の発言に対してだね。 所得格差にふれようものなら、保守派にスターリンの再来と非難される。 「階級」という言葉自体が「マルクス主義の用語」だという。 だから、オバマケア(医療保険制度)は、人々に保険に入るように義務付けるからマルクス主義の制度だという。 義務付けることは強制労働収容所に送るのと同じだという。 A氏:米国のマッカーシズム時代を思い出すね。 私:このコラムは、地球温暖化防止のための石炭火力発電所の規制についてのものだが、保守派は規制に反対だ。 保守派は、気候変動は巨大なでっちあげで、その膨大な研究成果は世界的陰謀の産物だという。 タイトルの「狂気じみた気候経済学」とは、第一に、汚染を制限するあらゆる取り組みが、専制的な行為だと非難されるようになるだろうということだ。 第二に、排出量を抑制するあらゆる取り組みは、「米国経済に計り知れない悪影響」を及ぼすと主張されるようになるだろうということだ。 A氏:本当の温暖化の問題は中国にあるのだから、米国だけが単独で行動してもうまくいかないという議論があるね。 私:たしかに、米国はもう温室効果ガスの排出量が世界一ではない。でもまだ強力な2番手だ。 さらに、米国が気候問題で行動することは、より広範な国際合意に向けて必須の第一歩だ。 ここには、間違いなく不参加国への制裁措置が組み込まれるだろうと氏は言う。 だから、新しい発電所規制に対して来るべき猛反対は、誠実な議論にはならないだろう。 気候科学についての誠実な議論がないのと同じだ。 代わりに、放送波には陰謀説や費用に関する荒れ狂った主張があふれるだろう。これらはすべて無視すべきだ。気候政策はようやく、進みだしたのかも知れない。 「狂気じみた気候経済学」に妨害されないようにしようと氏は警告する。
2014.05.16
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私:ギリシャは2010年、政府債務(借金)危機に陥り、EUやIMFから緊急融資の支援を受けたが、支援条件として、EUやIMFが突きつけたのは「放漫財政を改め、財政赤字を減らすこと」。ギリシャ政権は、年金の大幅カットや公務員の15万人削減で支出を減らし、付加価値税の引き上げなどで歳入を増やすことを約束した。しかし、それは劇薬だった。 ギリシャの失業率は今年1月時点で26.7%に上り、EU平均の2倍以上。25歳未満の若者に限ると実に6割を超える。緊縮策で景気は冷え込み、税収がさらに落ち込む悪循環に陥っている。それだけに、「反緊縮」「反EU」を掲げる急進左翼進歩連合の人気はうなぎ登りだ。 A氏:批判の矛先は、緊縮策を強いたEUとIMFだけでなく、その方向性を主導した欧州最大の経済大国ドイツにも向けられているね。 私:一方、ドイツも国民の税金が、EUを通じてギリシャ救済に使われたとして、ドイツ国内では怒りが充満している。 ドイツは2000年代から社会保障を削り、消費税増税もおこない、身を削って経済を強くしのに、ずさんな財政運営を続けてきた他国の支援に、税金を投入せざるを得なくなったことが我慢できないのだ。 しかし、一方、っ経済危機を巡るごたごたでEU懐疑派が勢いを増す一方で、最近のウクライナ危機で安全保障的な観点からEUを支持する動きも最近目立ち始めている。 A氏:ウクライナ情勢を巡ってロシアの脅威が拡大していることを背景に、EUの重要性を再評価する動きが出ているのは、各国にも共通する現象だね。 私:欧州は、天然ガスの約3割をロシアからの輸入に依存しているという「弱み」がある。一つひとつの国がロシアに向き合うと強い態度に出にくいが、EUとしてなら各国は矢面に立たずに済み、交渉力も増すという思惑がある。 EUは、懐疑派の遠心力と、安全保障的な観点からEUの団結を支持する求心力の動きも出ているという。 22日~25日の欧州会議での議論で、EUの遠心力・求心力はどう働くだろうか。
2014.05.15
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私:民主主義というのは、自己主張を押し通すだけという意味なら、民主主義は危機に貧しているように思う。 ウクライナがその例で、正式な選挙で選出した大統領を暴力で追い出し、暫定政権を作る。 一方、ウクライナ東部地域は自己主張のため、暴力で政府機構を占拠し、独立投票だと言って、形は民主主義の多数決で自己主張を正当化する。 欧州はおかしくなっているようだ。 ところで、その欧州のEUが5年に一度の欧州会議を22日~25日まで開かれる。 朝日新聞の「揺れる欧州」欄は昨日から上下2回にわたって、欧州の揺れを特集しているね。 A氏:高止まりする失業や、もたつく経済に妙手が見いだせない欧州で、自己主張の「敵をつくる政治」が広がっているね。 市民の間のいらだちを「EU」や「移民」に向けるやり方だね。 私:フランスではいま、従来は傍流だった右翼政党FNが、主役の座に躍り出つつある。 「選挙で選ばれたわけでもないブリュッセルの官僚が欧州の将来を決め、ユーロの導入で暮らしは厳しくなった」「巨大な競争力を持つ農家との競争が待ち受ける米国との貿易協定はおかしい」「大量の移民は、雇用を奪い、社会的なコストもかかる」――。 FNのこんな主張は、失業率が10%超で高止まりするなかで、いらだちを強める仏国民に響いている。 オランダの「自由党」は移民排斥などを訴える右翼政党だ。今回の欧州会議選を巡る最新の世論調査では支持率では国内首位。オーストリアの「自由党」も、国内3位の支持を集める。 A氏:右翼やEU懐疑派の政党が支持を集めるのは、欧州各国に共通する現象だね。 私:各国のEU懐疑派の勢力が連携する動きも出始めた。オランダの「自由党」の党首は、自ら各国を訪ね、EU懐疑派勢力の結集を呼びかけた。昨年11月には仏FN、オーストリアの「自由党」との連携を発表した。 ヘイトスピーチや、サッカー場での差別的横断幕が問題になった日本と同様、内向きな視線や、「排外」が欧州でも支持を集めているという。
2014.05.14
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私:2013年度、「経常黒字」が初の1兆円を割った。 海外への投資で稼いだお金などを反映する「第1次所得収支」は過去最大の16.7兆円の黒字だが、「貿易赤字」が過去最大の10.9兆円になったためだね。 日本メーカーが海外生産を増やしているので円安でも日本からの輸出は伸びにくくなっている。 A氏:「貿易赤字」の大きな原因は、原発停止による火力発電に使う燃料の輸入の大幅増の結果だね。しかし、節電で燃料の輸入絶対量はそんなに増えていないで、円安や相場の上昇による影響が大きいようだ。 私:2013年度は、自動車8社のうち6社は過去最高の純利益。電機各社もソニー以外は持ち直した。しかし、日本企業は海外で稼ぐようになった。トヨタの例では、2004年は国内生産355万台、海外生産が274万台だったのが、2014年には国内生産は337万台と減少し、海外生産は556万台と激増している。 日本は大企業がもうかっても、国内の雇用増や賃上げにはつながりにくい構造になった。 一旦、海外に進出した企業はもどらない。むしろ、車・電機は海外生産を加速している。 アベノミクスにはマイナスだね。 業績の回復を受け、企業は再び研究や開発に力を入れ始めた。円安に頼らずに将来のもうけにつながる種をまき、育てるためだ。 A氏:「海外で稼ぐ」構造の定着を見越し、各社は研究開発に注力するというわけだね。 私:自動車は「エコカー」の開発。三菱電機やパナソニックは成長している自動車部品分野に力を入れる。東芝はヘルスケア事業へ。富士通は遠隔医療分野などに投資するという。
2014.05.13
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私:俺は横浜市の郊外地にできた1戸建ての建売団地Aに移転してきたのは1970年代の末だね。 小高い丘陵地一帯に、1戸建ての家が覆っていた。 家屋は1戸建ての駐車場1台の2階建ての4LDKが基本で、土地は60から80坪。 入居者は団塊の世代より少し上の層から始まり、団塊の世代が中心だった。 一種の民族大移動だ。 当時は子供も声がにぎやかだった。 俺はさらに5年ほど前に建売住宅団地Aの家を売り、今の家に越してきたが、それまでその建売団地Aに35年くらい住んでいた。 2、3日前に、その俺が住んでいた建売住宅Aの家の裏隣の奥さんが亡くなったと聞いた。 70歳代であろう。旦那はケアハウスに入っていて、子供は別に暮らしているので、空き家になるという。 右隣も空き家、左隣も空き家で、今度、裏隣が空き家。 俺が住んでいた家は後を若い夫婦が買って住んでいるが、これは珍しい存在。 だから、その建売団地Aがオールドタウン化してきている。 A氏:オールドタウンはこのブログの「東京は郊外から消えていく!・首都高齢化・未婚化・空き家地図」で扱っていた問題だね。 私:俺の住んでいるところも別のデベロッパーの1戸建て建売団地B、Cの約2000世帯の一角にあるが、似た現象が起きているね。 俺の家の目の前は80坪位の空き地、向かって左の家は老人の一人住まい。右の家は老夫婦2人だけ。さらにその右も空き地。 約2000世帯の中で子どもが2人とも独立して夫婦だけになった家が圧倒的に多い。 父が死亡し、母がひとり暮らしの家も増えてきている。 今月の「中央公論」の広告を見ていたら、「消滅する市町村523リスト」というのがあった。 ゴーストタウン化する横浜郊外住宅地の情報もほしいね。
2014.05.12
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私:この記事の新聞でのタイトルは「不発弾事故で見えた現状」だが、内容タイの移民問題だね。 人口約6700万人のタイで移民労働者は不法移民を含めると300万人とも400万人とも言わるという。ミャンマー人が8割を占め、他にカンボジア、ラオス人が急速に増えつつあるという。 A氏:タイでも日本に追いつくように少子高齢化が進んでいるのだね。 私:そのため非熟練労働者の需要が増しているので、タイ政府は今まで不法移民を黙認してきたのを、労働許可を与えて最低賃金を保証し、長くタイで働いてもらう方針に変えたという。 A氏:不法移民の低賃金で雇用していた、雇用主はコストアップだね。 私:タイ労働省によると今の経済規模を維持するには常に200万人の外国労働者が必要だという。 ミャンマー人は互助機能を持つコミュニティーも持っているが、カンボジア人労働者はバンコクの巨大スラム街に住み、タイ人は危険な重労働はカンボジア人にやらせているという。 タイ人の移民に対する差別的態度はよくないようだ。 移民はタイが好きでやってきているのではないが、今は来るなと言っても来るのはタイが経済的な優位なからで、それは永遠かと心配している人もタイ人にいるという。 A氏:外国人労働者とどうつきあっていくか。 少子高齢化の日本人にとっても人ごとではないね。 私:日本の外国労働者は約200万人。 少子高齢化がタイより進んでいる日本は陸続きの国がないので、あまり問題になっていないが、今後、真剣に検討の必要が出るかもしれないね。
2014.05.11
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私:朝日新聞創刊135周年を記念し、「重大ニュース縮刷版」を作り、これに掲載された出来事を本欄で5月末まで取り上げるとのこと。今日の夕刊がその第1回で「大日本帝国憲法発布」だ。 A氏;最近、「明治憲法の思想・日本の国柄とは何か」、「言論と憲政・『神様』を訴追した時代」、「大日本帝国憲法の立憲主義」、「国家神道と日本人」、「伊勢神宮と天皇の謎」、『持続可能な皇室』1千年の叡智に学べ」と大日本帝国憲法関連の知的街道ができていたので、タイミンのいい新聞記事だね。 私:1889(明治22)年2月11日、大日本帝国憲法は欽定憲法として発布されたが、国民はこの日初めて新聞で憲法というものを見た。 それ以前から全国で祝賀行事が計画され、あちこちお祭り騒ぎだった。国会を開設し、国民代表が作り国民と君主の約束事として承認する「国約憲法」を求め続けてきた、自由民権運動の人々さえ、夜明けとみるほど期待が大きかったという。 ところで、神奈川県横須賀市夏島町の埋立地の工場群にぽつんと「明治憲法草案起草の跡」の碑が立つ。かつては夏島という孤島で、ここにこもって伊藤博文らが帝国憲法草案を書いたという。 A氏:現在では、近くに親子でにぎわう「八景島シーパラダイス」があるね。 私:2月11日、授与式を終えた明治天皇・皇后が馬車で二重橋に姿を現すと、道路に並んだ帝国大学生らが「天皇陛下万歳」と叫んで帽子を振った。 仕掛け人は森有礼文相で、「万歳(ばんざい)」という叫びは、帝国憲法発布の日に誕生したとされる。 「万歳」は「国民の祝声と手を振る天皇の呼応で、国民と天皇を近づけ一体感を持たせる効果を狙った」とみられる。御真影(ごしんえい)とセットで天皇像を高め、庶民にも拡散したという。 成り立ちから「万歳」と天皇は切り離せないね。 その後の戦争で兵隊が戦死するとき、「天皇陛下万歳」を叫ぶようになったのはこのせいかね。
2014.05.10
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私;月刊文藝春秋は毎月買うようにしているが、どうも「積ん読」になってきた。 そこで3月刊行の4月号で、「明治憲法」「国家神道」「伊勢神宮」の知的街道として、この山折哲雄氏の寄稿を読んだ。 特に伊藤博文や井上毅が明治憲法制定のところは、今までの知的街道の流れとは違和感があったね。 山折氏は伊藤博文や井上毅らは強大な西洋文明の背景に一神教という強固な精神的機軸があることに気付きくが、日本の伝統的神道や伝統的仏教はこれにあたらないので、「万世一系の天皇」を国家の基盤としたとあるね。 A氏:伊藤博文は憲法制定のためにヨーロッパに行き、ウイーンで法学者ローレンツ・フォン・シュタインに影響を受けるが、シュタインはその国の伝統的な宗教を国教として憲法に定めるべきで、神道か仏教を例としてあげたという。 しかし、伊藤は、国教はよくないとして、明治憲法には信教の自由をうたったね。 私:山折氏は敗戦後、「国家神道」の頂点であった「伊勢神宮」と「靖国神社」は「普通の神社」になるべきだったというが、これはおかしいね。 占領時のGHQの「神道指令」では両社とも民間の一宗教法人になっているからだ。 しかし、山折氏が、「歴代の総理が正月に伊勢神宮に参拝して、その年の施政方針演説みたいな談話まで出すのも、政教分離にそぐわない」と言っているように「国家神道」は消滅していないね。 山折氏は「国家神道」の頂点は「伊勢神宮」でなく「皇室祭祀」であることを指摘していない。 それから山折氏は危惧すべき問題として、安倍晋三首相の持論である天皇を「元首」とすること をあげているね。 象徴天皇制の優れた点は、宗教的権威と政治的権力の分離と調和なのに、安部首相の考え方は、その両者を天皇に一元化しようという危うさがあるという。 A氏:それは明治憲法もそうであったんで、天皇は君主であるが、立憲君主制だから、制約があるという二本立ては伊藤博文や井上毅らが考え出したことだね。 私:その明治憲法をおかしくしたのは、「国家神道」だね。 それと並列に、議会政治があったのに、軍部が「国家神道」を強化して、国をメチャメチャにしてしまったね。 しかし、また「国家神道」的なナショナリズムが起きていそうな気がするね。
2014.05.09
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私:5月3日からの4連休は、ひどい目にあったよ。 5月3日の朝まだ暗いうちだが、足首あたりが猛烈に痛くなった。寝むれないくらいだった。 見ると足が腫れれている。 A氏:捻挫でもしたのかね。 私:そんな簡単な痛みでない。しかし、体温は平熱だ。 運が悪いことに連休で医者はどこも休みだ。 幸い、医者が2人、交代で来る休日専門の診療所が近くにあったので、家人に車で送ってもらって行った。 大分、混んでいて子供が多かった。 診察してもらったら、原因がわかった。 くるぶしが痒いので掻いた時、小さなキズをつけたらしい。そのキズから細菌が入り皮膚の下に広がる感染症だという。 A氏:なんという病名なんだろうね。 私:蜂巣炎とか蜂窩織炎ともいうそうだ。 痛み止めと抗生物質の薬を5日分もらって帰った。 薬のせいか痛みは軽くなったが、靴をはくと、くるぶしが靴に当たるので、通常に歩けない。腫れはひきそうもない。外出できなくなった。 連休明けの7日に皮膚科の専門医に行き、血液検査もした。 そうひどくはないので、抗生物質を呑んで様子を見ることになった。 医者は、下肢を持ち上げ、安静にして、腫れているところは冷やすように言ったので、今日まで、家に閉じこもって治療に専念したよ。 今日、夕方になって、痛みもとれ、腫れも引いた。 とんだ連休だった。
2014.05.08
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伊勢神宮と天皇の謎 私:太平洋戦争中の昭和17(1942)年12月、昭和天皇は伊勢神宮を親祭し、戦勝を祈願した。 随伴した東條英機は感涙にむせんだという。しかし、天皇は戦後、「伊勢神宮は軍の神でなく平和の神だ。それなのに戦勝祈願をしたのでお怒りになったのではないか」と振り返っていた。 そして、敗戦後3ヶ月たった昭和20(1945)年11月、昭和天皇は皇祖アマテラスに敗戦を報告し、詫びるために伊勢神宮を親祭した。 昭和24(1949)年に予定されていた第59回「式年遷宮」は中止となり、3日後にGHQから「国家神道」を政府から切り離す「神道指令」が出る。このへんは、 このブログの「国家神道と日本人」で「神道指令」にかかわらず、未だに「国家神道」は健在だとしているね。 昭和28(1953)年、延期になっていた第59回「式年遷宮」が戦後初のものとなった。 江戸、明治、昭和初期の過剰な飾り金物は影をひそめたが、それより古代の当初よりはるかに豪奢で、木の材質、仕上げの完成度、建築規模(外宮)などにおいても神宮建築が当初を格段に上回っているという。それが「式年遷宮」の歴史をへた、現在の伊勢神宮であるという。 A氏:完全な復元ではないんだね。 私:建築の現状は、江戸初期より、シンプルになっていて、そのバランス感覚は戦後のものでかえって、その建築が現在では圧倒的な支持があるのはそのせいであろうという。 ところで、伊勢神宮の参拝客は年々、増加の一途をたどっており2010(平成22)年では年間883万人を超え、2013(平成25)は1420万人で過去最多を更新したが、これは秋に行われた第62回「式年遷宮」によって参拝客が増えたからという。
2014.05.07
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伊勢神宮と天皇の謎 私:「万世一系」という考えは、古くからあったが、この語は明治維新後に用いられた近代語で、明治2(1869)年に岩倉具視が文書に「万世一系の天子」と書いたのが初出だという。 明治22(1889)年の第56回「式年遷宮」が実質的に明治政府として初に行うもので、満を持して挙行され、まさに明治国家形成の中核事業と位置づけられた。 A氏:明治22(1889)年は帝国憲法が公布された年ではないの。 私:まさにその通りで、しかも、公布日は2月11日の「紀元節」だ。初代の神武天皇の「即位日」を定め、明治6(1873)年に「紀元節」が発足した。 明治22(1889)年にはまさに、「式年遷宮」を中核として、万世一系の天皇を明示する行事が行われる。まず、1月に東京に宮中三殿ができ、皇祖・皇霊が遷される。 2月11日の朝、明治天皇は宮中三殿で皇室祭祀を行い、ここで、皇祖・皇宗に皇室典範と憲法の制定を奏告。全国の神社も同時に祭祀を行う。 そして、10月に「式年遷宮」が行われた。 A氏:明治42(1909)年に次の「式年遷宮」がくるね。 私:このとき、従来工法である堀立て柱をやめコンクリート基礎の上に礎石を据付け、そこに柱を立てるという案が出たが、明治天皇は拒否した。あくまで、従来の慣行を守ることを選択した。 昭和15(1940)年は「神武創業」から「紀元2千6百年」とされ、国をあげて盛大に祝賀。6月に昭和天皇は伊勢神宮を親祭。その時刻は「全国民黙祷時間」として、ラジオから時報が流れ、各地のサイレンが鳴り、全国民は一斉に伊勢神宮のほうに向かい1分間の黙祷をした。 明日は、戦中・戦後の伊勢神宮にふれよう。
2014.05.06
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伊勢神宮と天皇の謎 私:第1回「式年遷宮」は天武天皇の皇后である持統天皇が即位した690年であった。 実は、この頃は、王位を継承するのは正嫡の長男とはきまっていなかったので、皇后以外の子も天皇を継承する可能性があり、天武天皇には継承候補が6名いた。この中に、持統天皇の姉を母とする大津皇子や持統天皇が産んだ息子の草壁もいた。 天武天皇はこの中から次の皇位継承者として草壁皇子を指名した。 天武天皇は686年に没した。草壁のライバルであった大津皇子は謀反の疑いで自殺。 2年余り続いた天武葬送の儀礼が終わり、草壁即位の段となったが持統統制が続き、そして、草壁が早世。そこで、持統天皇は草壁が遺した幼い孫を皇位につけようとした。 そして直系による皇位継承のレールを敷くことを目指す。 A氏:それが「万世一系」のイメージの礎になったのか。 私:著者は、持統天皇が伊勢神宮に深く関わる異常な行動を3つあげている。 1つ目は、持統天皇は即位の時、神璽として剣・鏡を献上されていることである。 「神」であることを証明する神璽が献上されたことは、持統天皇が最初だった。 2つ目は、即位2年後に重臣の反対を押し切って伊勢神宮に行幸する。 伊勢神宮に天皇自ら足を踏み入れることはタブーとされており、明治以前、天皇が伊勢神宮を訪れるのは持統天皇だけであった。 3つ目は、持統3年から孫の文武天皇に譲位するまで30回以上、神仙境と言われる吉野への行幸をくりかえしていることである。 著者は、これらの行動は、持統天皇が自ら神であるアマテラスになりきるためのものであり、伊勢神宮行幸はそれを報告するためのものであったとみる。そして、それはまた、直系の孫への皇位継承のためでもあった。 A氏:アマテラスの天孫降臨だね。 私:持統天皇が皇祖アマテラス(天)になりきり、その上で「天孫降臨神話」を成立させ、神話通り、自分の「孫」を皇位継承のレールに「降臨」させ、698年、弱冠15歳の文武天皇が誕生。 皇祖と天皇が血でつながり、神と天皇のへだたりをなくした。 明日は、万世一系のスタートについてふれよう。
2014.05.05
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伊勢神宮と天皇の謎 私:伊勢神宮で有名なのは「式年遷宮」だね。今の「神宮」の社殿の横隣に、同じ面積の空き地があり、20年毎にここに現在と同じ神殿と門や垣が作られて敷地ごと遷る。これを交互に行う。 神の住まいである社殿は古びてはならず、常にみずみずしく清新でありたいという気持ちが社殿を定期的に造り替える意図であるという。 「式年遷宮」の「式」は法令の細目を定めたもので、「式年遷宮」を定めたものは平安初期の延喜5年(905)年の「延喜式」による。 A氏:20年毎、新宮を作るというが、もっと建物は寿命は持つのではないかね。 私:新宮建築は茅葺き屋根と掘立て柱だから、傷みやすい。大陸伝来の瓦葺き屋根で、地上に据えた礎石の上に柱を建てる工法の方が長持ちする。 しかし、それにもかかわらず、古式の方法にこだわるのは、皇祖がはるか昔から存在していたことを示す必要があったと考えられる。 20年毎というのは、社殿が朽ち、清浄さを欠いて前にすべてを一新し、新しい宮に遷ることからきていると考えられるね。 だから、建て替えることに意味があり、皇祖を一段と輝かせるための格好の政治的行為であり、目的だから、あえて建て替えを必要とする工法を選んだということになるね。 A氏:徹底した伝統重視のアッピールだね。 私:「内宮」最初の「式年遷宮」は690年の持統天皇のときであった。 しかし、「式年遷宮」が20年毎に規則正しく行われたわけでなかった。 中世後期には「内宮」は123年、「外宮」は129年の中断があり、仮殿でしのいだ。 「内宮」では、正殿不在の事態が85年も続いたという。 A氏:天皇家も時代によって、苦しいときがあったことを示しているね。 私:明日は、「式年遷宮」が始まった持統天皇とアマテラス大神の関係の話に移ろう。
2014.05.04
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伊勢神宮と天皇の謎 (文春新書) (新書) / 武澤秀一/著 私:先月末にこのブログで「国家神道と日本人」島薗進著・岩波新書を5日連続でとりあげたが、そこで伊勢神宮に興味を持ち、この「伊勢神宮と天皇の謎」を図書館から借りた。 A氏:「国家神道知的街道」だね。 私:著者は工学部卒で建築に詳しいので、伊勢神宮の建築構造の変遷の詳細にもふれているが、俺の興味は「国家神道」との関係なので、建築の方はとば読みしたね。 まず、驚いたことに、伊勢神宮の正式名称はただ「神宮」だということだ。 明治政府が定めたものだが、戦後も踏襲されている。しかし、現在は国の手を離れ文科省所管の1宗教法人となっている。 A氏:その単純な名称は、全国の神社の頂点に君臨する超越性を意味しているんだね。 私:「神宮」には「内宮」、「外宮」の2つの宮があり、天皇家の祖先神である女神・アマテラス大神をまつるのが「内宮」、アマテラスの食事をつかさどる女神・豊受大神をまつるのが「外宮」で、今でも朝夕2回、食事をささげているという。 ところで「神宮」は和製漢語でなく中国で生まれたもので、王朝の祖先神をまつる廟として「神宮」が中国で使われているという。 和語でカミノミヤなどと呼ばれて祭祀施設に大陸から入った「神宮」をあてがったとみられる。 「伊勢神宮」が現在の森厳な神域になるまでは、長い年月をかけて段階的に形成されてきた。 A氏:しかし、今年の「式年遷宮」のように、「古代のまま」であることが強調されてきているね。 私:明日は、その「式年遷宮」の変遷にふれよう。
2014.05.03
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私:リーマン・ショック後、アメリカの長期国債利回りは急低下する。 日本もその先に1990年代のバブルの崩壊で1997年に10年国債利回りが急低下する。 過剰債務の返済に必要なキャッシュ・フローを生み出すために、企業のリストラが加速し、賃金が下落する。それが経済のデフレ化を招いた。 A氏:実物経済の利潤率低下がもたらす低成長の尻拭いを「電子・金融空間」の創出によって乗り越えようとしても、結局、バブルの発生と崩壊を繰り返すだけか。 私:バブルの生成過程で富が上位1%の人に集中し、バブル崩壊の過程で、国家が公的資金を注入し、巨大金融機関が救済される。 公的資金と言っても国民の税金だね。 A氏:負担はバブル崩壊でリストラにあうなどの形で中間層に向けられ、彼らが貧困層に転落するね。 中間層は消滅する。 私:水野氏は、中間層の転落は民主主義の危機でもあるとしているね。 水野氏は、この本のあとがきで次のように書いている。 「おそらく資本主義を前提につくられた近代経済学の住人からすれば、私は『変人』にしか見えないでしょう。 しかし、『変人』には資本主義終焉を告げる鐘の音がはっきり聞こえています」
2014.05.02
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資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)[本/雑誌] / 水野和夫/著私:現在の先進国の利潤率の低下は1974年から始まっている。日英の10年国債利回りがこの年をピークとなり、ついで1981年にはアメリカがピーク。それ以降、先進国の利子率は急速に低下。 A氏:1970年代は、1973年・79年のオイルショック、75年にはベトナムの戦争終結があるね。 私:オイルショックにより、先進国がエネルギーや食糧などの資源を安く買い叩くことが1970年代から不可能になり、アメリカのベトナム戦争敗戦は「地理的・物的空間」を拡大することが不可能になったことを象徴的に示す。資源も高騰し、「地理的・物的空間」も拡大できないのだから、1970年代半ば以降の資本利潤率の低下は当然の結果。 水野氏は、封建制度が死んで利子率が下がり、資本主義制度に変わった「長い16世紀」と同様、現代の大転換期を「長い21世紀」と言っていて、それは「資本主義の死」を意味し、先進国は資本主義に代わる新しいシステムを模索すべきだった。 しかし、アメリカは代わりに別の「電子・金融空間」を作り、資本主義の延命策をはかった。 「電子・金融空間」とは、ITと金融自由化が結合した空間で、資本は瞬時にして国境を越え、キャピタル・ゲインを稼ぎだすようになった。このアメリカの新空間は1917年のニクソン・ショックによりドルと金を切り離してからで、錨を外されたドルはバブルが起きやすくなった。1985年、アメリカの金融業の全産業に占めるシェアは9.6%に過ぎなかったのが、2002年には30.9%までに達した。その結果、1995年からリーマン・ショック前の13年間で世界の「電子・金融空間」は100兆ドルのマネーが創出された。 A氏:しかし、リーマン・ショックで一挙に大きな痛手をこうむるね。 私:明日は、その後のアメリカと日本の動きに移ろう。
2014.05.01
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