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私:習近平国家主席の中国共産党は29日、胡錦濤政権で最高指導部にあたる政治局常務委員を務めた周永康・前党中央政法委員会書記(71)を重大な規律違反の疑いで立件することを決めたという。常務委員経験者が摘発されるという、前例のない強硬な措置に出た。 党内に大きな動揺が広がるのを覚悟で踏み切った背景には、深刻な腐敗を放置すれば、政権の存続すら揺らぎかねないとの危機感があるという。 A氏:周氏を巡る事件の「本筋」になると見られるのが、エネルギー資源と市場を独占する国有石油大手に絡んで、周氏がその権限を用いて家族に不正な便宜を図っていた、との図式を描き、その上で、周ファミリーが1.5兆円の不正蓄財をした疑いがあるとみて追及するとみられる。周永康も昨年の薄煕来(無期懲役)も江沢民をバックにしているだけに党内での権力闘争と路線対立が、背景にあることは疑いようがないようだね。 私:今や中国は、1%の人々の手に、全体の3分の1の富が集中するアメリカ並みの格差社会で、利権を独占する党高官の特権に対する市民たちの不満は爆発寸前までに高まっているという。 一昨年に党総書記に就任した習近平氏は「ハエもトラも捕まえろ」との指示を出した。ハエは一般党員、トラは高官を指す。党内序列9位だった周永康氏の立件決定はこうした流れに続くものだ。 A氏:今年はじめから、水面下で始まった調べに対し、周氏本人や支持者は真っ向から抵抗したとみられる。習体制には、昨年の薄煕来を巡る裁判で疑惑を公開の場で薄氏から否定され、かえって同情が集まってしまった苦い記憶が残る。揺るがない証拠を積み上げるため、慎重にも慎重を期す必要があったようだ。 私:四川省、石油閥、政法と3ルートに拡大した捜査。検挙された関係者は、上級官僚だけで30人以上、民間のビジネスマンやマフィアなどを含めれば数百人に上る。 これは新聞にないが、中国で「裸官」という言葉がある。家族を留学等の名目で外国の国籍や市民権を取得させ、中国内で不正蓄財した財産を外国に送金。本人は官僚として単身で中国国内にいて、不祥事が発覚したら、家族がいる外国へすばやく単身「裸」で逃亡(亡命)。これが「裸官」の語源だ。1990年代中期以降に海外逃亡した政権幹部の人数は1万8000人、持ち出した金額は8000億元(約10兆円)に上るという。 明日のブログは、この緊急連載(上)の続きに期待しよう。
2014.07.31
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私:世界的に金利ゼロ傾向となっているのに対し、欧州中央銀行(ECB)がマイナス金利を導入して、民間銀行がECBにお金を預けると利子をとられるという、主要な中央銀行では初めての「奇策」をとった。「中央銀行に預けるお金があったら企業に貸し出せ」というメッセージだ。 だが、約1カ月半たったが、狙いは今のところ外れているという。7月は多い日には300億ユーロを超えるお金が中央銀行に預けられている。年率0.1%とはいえ、なぜ利子を払ってまで民間銀行はECBにお金を預けるのか。 それは、欧州は債務危機の傷はまだ癒えず、資金に余裕がある場合、リスクをとって貸し出すより、利子を払ってでも安全なECBに預けた方がいいというのが、欧州金融界の空気だという。 A氏:マイナス金利の狙いは、銀行の貸し出しを増やして、デフレを防ぐことにもあるのではないの? 私:しかし、ユーロ圏の6月の物価上昇率は0.5%。5月と同じでECBが目安とする「2%弱」は遠い。 国際通貨基金(IMF)はユーロ圏経済のリポートで、物価上昇率が低いままなら、国債を大量に買う量的緩和をECBも実施すべきだと指摘したという。 しかし、ユーロ圏18カ国の国債の信用度はばらつきが大きいし、域内の経済大国ドイツは第1次大戦後にハイパーインフレを経験しており、中央銀行による国債購入には否定的な考えが強いという。 A氏:ユーロ圏は、18カ国のお国の事情がいろいろあるから、金利マイナスの奇策の効果も出にくいし、中央銀行の国債購入による量的緩和も実行が難しいね。 私:ECBはさまざまな策で、景気の回復と物価の上昇を待つだろうが、それでも来年に向けて、効果が見えないなら、国債購入を真剣に検討する日が来るかもしれないと小陳氏は結んでいる。 欧州はドイツ一人勝ちで、フランス経済も良くない。欧州危機をまだ脱していないね。 国債購入に踏み切って量的緩和をして経済は回復するのだろうか。 楽観視できないようだ。
2014.07.30
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私:「強欲の帝国」の鼎談書評は、これだけでアメリカの現状が大体理解できたね。 この本は強欲の限りを尽くす金融寡占勢力により過去30年の間に、いかにアメリカの政治が腐敗し、教育、雇傭、所得などの格差が拡大したか、辛辣に分析しているという。 マックス・ウェーバーはその著「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」でやがてアメリカは野放図でカジノ的な資本主義に向かうだろうと予言しているというが、この本を読むと現実のアメリカはもっとひどいという。 A氏:俺もこの鼎談書評を読んだが、アメリカの格差の拡大はすごく「最も富裕な1%のアメリカ人がアメリカ国民の純資産総額の約3分の1,金融資産総額の40%以上を握っている」というね。 経営幹部やエリート弁護士、トレーダーなどは当然のように年収数千万ドル(数十億円)の報酬を得る。経営者には起業家としてのモラルはない。自分の会社にハゲタカのように振る舞う。 ベアー・スタンダーンズ社のCEOは突然解雇されたが、数年間の間に用意周到に自社の保有株を現金化して、現在でも純資産が約6億ドルだという。 私:私腹を肥やす超富裕層がいる一方で、親の所得が子どもの生涯所得の決定要因の約50%で、貧困家庭の子供は生涯貧困からなかなか抜け出せない。 それから、学者と政財界のすさまじい癒着があるという。御用学者だね。これはこのブログとりあげるクルーグマン氏がコラムで度々指摘していたね。 アメリカがこんな有り様になったのは、ものづくりが行き詰まった80年代以降で、金融部門に期待するしかなかった。 A氏:水野和夫氏のいう、行き詰まった「地理的・物的空間」から「電子・金融空間」への脱出だね。 私:アメリカは金融資本主義の発展に賭けて、後先を考えずに規制を緩和し、経済学者も理論武装に動員された。それが「強欲の帝国」を産んだ。 この本の著者は、アメリカの復元力に期待しているというが、鼎談諸氏は疑問を呈しているね。 そして、このアメリカの経過を少し遅れて、ややスケールを小さく、日本がまねをしているので他人ごとでないという。 似たことを水野和夫氏は「資本主義の終焉と歴史の危機」で述べているね。 アベノミクスで浮かれている場合ではないようだ。 この本は図書館に予約したが、33番目で入手は当分先だね。
2014.07.29
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私:俺たちの時代にはサッカーはほとんど関心がなかったね。スポーツの中心は野球で、プロ野球、高校野球、大学野球、都市対抗野球だ。 この文藝春秋8月号の記事は、アマチュア野球で名監督と言われた原貢氏の人生をおっている。 俺が、なぜ、この記事に興味をもったかというと、原貢氏とは、沖縄のあるホテルのロビーでチラッと瞬間的に目があったことがあるからだ。偶然、ロビーには2人だけ。その鋭い眼光ですぐ原貢監督だとわかり、今でもその瞬間的な眼光が忘れられない。この文春の記事を読んで、あの鋭い眼光が「78年の壮絶ケンカ人生」を象徴していると思ったね。 A氏:いつ頃の話かね。 私:その沖縄のホテルは嘉手納基地に近い場所にあって俺は近くの会社に用事で行っていたんだよ。原貢氏が東海大野球部の監督をしていた頃だから、もう30年以上前になるかね。 東海大野球部は、沖縄キャンプのときに、宿泊にそのホテルを使っていたんだね。 廊下で、当時東海大野球部の選手であった原貢氏の息子辰徳氏とすれ違ったこともある。 そんなちっとしたことから、原貢氏には親近感があった。 A氏:今年、5月4日、心筋梗塞で倒れ入院。5月29日、心不全で死亡。享年79歳。 私:息子の辰徳氏が野球をやりたいと5歳の時、切り出した時、貢氏は何球も体にぶつけアザだらけにしているという。 「ボールが体に当たると痛いということを知るのが野球の出発点なんだ」という。 孫の今の巨人のエース菅野(娘の子)も野球をやりたいと言った5歳の時、貢氏からボールを顔にぶつけられ、鼻血を出し、泣いて家に帰ったことがあるという。 息子も菅野も向こうから野球を教えてほしいといってきたのであって無理やりやらせていなかったという。菅野については、子供の時に野手をやらせたが性格的に向いておらず、マイペース型のピッチャー向きだと見抜いていたという。それに指が長く手先が器用だからコントロールがいい。 A氏:巨人のエースとなることを小さい時に見抜いていたんだね。 私:息子の辰徳氏をWBC優勝の監督に導き、孫の菅野が巨人のエースになったのを見届けて逝った。見事な人生だったね。 30年ほど前の、沖縄のホテルロビーで目があった瞬間の鋭い眼光を思い出しながら、遅ればせながらご冥福を祈ります。
2014.07.28
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A氏:2001年8月の小泉首相の靖国神社参拝に対し、中国は強く反発していたが、10月、北京郊外の盧溝橋にある抗日戦争記念館に、小泉首相が訪れ、日中戦争の被害者に対し、日本の首相として初めて「心からのおわび」という言葉に踏み込み、当時の江沢民国家主席ら中国指導部を喜ばせた。 私:このとき、記念館ホールで、小泉首相は「忠恕」と書いたという。「まごころと思いやり」を意味する論語の言葉だが、その場にいた中国人記者が、「日本は誠意を、中国は寛容を、という意味かしら」つぶやいていたのを思い出すと筆者は言う。 ところが小泉首相は翌年春に再び靖国神社に参拝し、日中関係はさらに悪化。江沢民国家主席はメンツをつぶされたと激怒したという。 A氏:あれから13年。この記念館で7月7日、日中の全面戦争のきっかけとなった盧溝橋事件の77周年式典が開かれ、習近平国家主席が国家主席として異例の出席をした。 習氏は全国にテレビ中継された演説のなかで、「日寇侵略」への「全民族抗戦」といった厳しい言葉を使い、安倍政権の歴史認識も暗に批判。 私:中国当局が来年の戦後70周年に向け、対日歴史批判のプロパガンダを強めているのは明らかで、今年から9月3日を「抗日戦争勝利記念日」、12月13日を「南京大虐殺犠牲者国家追悼日」という国家レベルの記念日にすることも、決まっている。どちらも日本を批判する大々的な式典が行われるとみられる。 式典だけではない。中国中央テレビのニュースチャンネルでは、まるで日本専門のように連日、日本の侵略の歴史を伝える報道が続くという。 A氏:残念なことに、安倍首相の靖国参拝や、侵略を否定するかのような発言が、「日本は侵略の歴史を美化しようとしている」との中国当局の宣伝に一定の説得力を与えていることも事実であると筆者は言う。 私:記念館に来た中国の若者たちに意見を聞いたが、「日本は悪」といったイメージが植えつけられており、成長していく彼らの今後の対日観を思うと、暗い気持ちにならざるをえないと筆者は言う。 記念館で小泉氏の「忠恕」に触れる展示を探したが、見つからず、歴史をめぐる「思いやり」の言葉はいま、日中のどちらの政府からも聞こえてこないと筆者は嘆いている。 最近、中国ではネットでの民衆の反日記事が多いというのも気になるね。
2014.07.27
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私:1970年前後の日米繊維交渉の過程で、ニクソン米大統領が佐藤栄作首相宛てに「失望を隠すことができない」との異例の書簡を送っていたことが、外務省が24日に公表した外交文書で裏付けられた。米国はすでにこの書簡を公開していたが、日本では今まで存在が確認されていなかったもの。 A氏:これはこのブログの「戦後史の正体」でとりあげられているように例の1969年の沖縄返還のときの「密約」に関係しているね。 実は、このとき、密約には、「核持ち込み密約」以外に、1970年からの「繊維の輸出規制についての密約」もあったが、佐藤首相は「繊維の輸出規制」の密約を守らず、日本の業界の自主規制という緩い規制にしたんだね。 私:71年3月12日付のニクソンの書簡はこの自主規制に言及したもので、書簡からは佐藤首相に対する激しい怒りと不信感がにじんでいるという。密約を担当したキッシンジャーも激怒。結局、日本側が米国の主張通りの厳しい輸出規制と2千億円の業界補償で結着。 A氏:「戦後史の正体」によると、それからニクソン大統領の佐藤首相への報復が始まるね。 第1弾は、1971年7月のニクソンの突然の中国訪問で、日本に事前連絡をしなかったことだ。 私:第2弾として、ニクソンはわざわざ日本の敗戦日の8月15日を選んでドルと金との交換停止と10%の貿易課徴金を日本に課すと発表。 第3弾は、尖閣諸島について日本の主張に対する支持を修正してあいまいな態度をとるようになったことだ。ついに、1972年7月佐藤首相は辞任。 それにしても沖縄密約は米国では公開されているのに、日本では外務省に元新聞記者らが求めた情報公開訴訟で今年7月14日、最高裁は原告側の上告を退ける判決を出したね。これで。国に開示を命じなかった二審の東京高裁判決が確定。密約文書は「探したがない」との国の主張を認めたわけだ。それが今回はその密約につながるニクソン大統領の書簡が外務省から公表されるとはね。 今もオバマ大統領のTPP問題と尖閣諸島の米国防衛義務とからんでいるのは同じパターンだね。米国側は農産物大幅関税引き下げを要求しているが、尖閣にからんで、日本側が想定以上の代償を払うことになるのか、またまた、日本外交の真価が問われるね。
2014.07.26
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私:昨日のブログに続き、ゲストは元外交官の東郷和彦京都産業大学世界問題研究所所長。 戦争では勝者は敗者を処罰するが、第2次世界大戦では、勝者が敗者を処罰するときに「法」という手段をとった。このときにソ連は8月に勝手に攻めてきた国であり、太平洋戦争は米国と日本の帝国主義国家同志の戦争だから、それを「正義」という「法」で裁くのは勝者の勝手な論理だと考えられるが、「法」による裁判という形をとったために、日本のA級戦犯は法廷で自由に意見をいうことが出来た。 A氏:逆に当時の占領下の日本はGHQの言論の検閲が厳しく言論の自由はなかった。 私:同時に行われていた東京裁判の空間では日本人被告が自由にものを言えたというのは皮肉だね。 東郷氏は靖国問題については天皇陛下の参拝がないことが問題だという。説はいろいろあるが、昭和天皇はA級戦犯合祀以来、行かなくなり、今上天皇も皇太子もそれを受け継いでいる。 英霊は天皇参拝を期待していると思うが、それができるように解決すべきだと東郷氏は言う。 A氏:もう一つからむのは日中国交正常化のときに、周恩来が「日本人民は悪くない。一部の軍国主義者だけが悪いのだ」として国交を正常化しているね。 私:それに対して歴代総理は誰も異論を言わず、そのままだね。 「従軍慰安婦」問題は米国でも問題にしているが、その問題の扱い方が女性の人権重視が常識的な現代と混同しており、非歴史的な見方が多いという。だから、その非論理的な点をいかに明確にするかが、議論の仕方だという。 「村山談話」は簡素で明確にまとまっていてよくできた内容だと東郷氏は高く評価しているね。 「河野談話」も「苦しんだ女性がいた。それに対しては申し訳ない」とあるので、これが世界でも「河野談話」が評価されている理由だと東郷氏はいう。 東郷氏は、日本帝国が中国と韓国に対して行った行為を明確に自覚する事こそが、日本歴史を正しく理解する姿勢だという。 東郷氏は「歴史認識を問い直す 靖国、慰安婦、領土問題」 (角川oneテーマ21) という本を出しているので、図書館に予約したよ。待ち数が13と多く入手はかなり先になりそうだ。
2014.07.25
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私:ゲストは元外交官の東郷和彦京都産業大学世界問題研究所所長。氏は東京裁判でA級戦犯として禁錮20年の判決を受け服役中に病没した東郷茂徳外務大臣の孫。ほとんど祖父の記憶はないという。 東郷氏は、ロシアのことを含め東アジア外交について外交官として実績を重ねてき、また、日本の対米、対露そして対アジア外交に関して多くの書物を出版している。 東郷氏はクリミア、ウクライナの米国とロシアの対立は、冷戦時代の対立と背景がまったく異なり、中国の台頭が大きいという。ロシアを叩き潰すような行動はロシアを大国中国に押し付ける結果となり、さらにロシア、中国、イランと結ぶという最悪の枢軸ができる恐れがあるという。 A氏:北京、モスクワ、テヘランの枢軸だね。 私:そういうことにならないように欧米の外交交渉は必要だという。 ウクライナ問題もクリミア問題も長い複雑な歴史を抱えて起きているが、これをよく勉強しない人が多いという。 日本のある学者が今度の欧米とロシアの対立は、西欧型民主主義と民族型国家主義の対立だというが、歴史的にそんな単純なものでないという。 A氏:ウクライナの首都キェフはロシア王朝発祥の地でロシア史では日本の京都のようなものだというね。 私:4島返還問題は、2年前にプーチン大統領の「引き分け」論でとりあえず2島返還のチャンスがあり、安倍首相が動き出したが、今回のウクライナ問題で頓挫。 尖閣問題は、日本が固有の領土を主張する限り、中国も固有を主張するので対話がはじまらない。尖閣を守る軍事力を持つ必要があるが、一方で対話が必要で「抑止力」と「対話」のバランスが重要だという。 その点、「抑止力」のため、集団的自衛権の最低限の行使は必要で、実は、冷戦の終わった25年前にすべきだったが、当時の国民感情ではムリだったために遅れていたという。 尖閣で万一、中国と軍事衝突した場合、ある程度の抵抗は自力でする力をもてば、戦争が深入りしそうになれば米国が出てくるだろうという。「天は自ら助くるもの助く」かね。 そういえば、自民党の高村正彦副総裁が5月に訪中した際、中国側要人に「安倍晋三首相はもう靖国神社には行かないと思う」と伝えていたという。首相に近い高村氏が「靖国」で譲歩する見通しを示すことで、首脳会談の実現という「対話」を促す狙いがあったとみられる。
2014.07.24
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私:朝日新聞は、激動の昭和を生き、90歳を前に衰えず、ときには時代の流れに反しようとも、政敵・小沢一郎氏や旧大蔵省、小泉改革などに挑んできた野中公務氏のロング・インタビューをしたね。 「老兵」の目に映る、この国の今と行く末を聞くのだという。 A氏:野中氏は集団的自衛権の行使に反対の立場だね。 私:憲法を常に見直す態度は変えてはならないが、すべての条文を同じように扱うべきではなく、9条があり、武力行使をしてこなかったから、戦後70年近く平和でおれた、9条は変えてはならないと思うという。 公明党が団的自衛権の行使に最後に妥協したことについて、立党以来、平和を柱にしてきた党がどうして最後は折れてしまったのか、実は残念でならないと言い、政権に居続けることを優先するような、そんなケチなことで動くとは思わなかったし、いまでも信じたくないという。 公明党の支持母体である創価学会の協力なくして自民党議員の8割は選挙で落ちるという、公明党以外との連立では自民は選挙に勝てない、今からでも遅くないから、公明党が少しでもブレーキ役になってくれればと望んでいるね。 A氏:今の自民党は野中氏がいた頃と違って多様性がなくなったね。 私:小選挙区制で、党本部が選挙区の調整やカネの配分に大きな権限を持ち、派閥の存在が薄れ、党総裁である首相の意向に従う議員ばかりになり、党内の左右のバランスは崩れたという。 軍備増強を続ける中国を日本が警戒するのはやむをえないのではという問いに、日本人は中国とのつきあい方を知らない、いま議論されている内容は『抑止力』にならず、かえって刺激するだけだという。偶発的な接触から、いつ戦争が起きるかわからない、その可能性を除去しておかないといけない、自衛隊は戦争にいかない前提で入隊した人たちが多いから、実際に行けといわれたら辞める人も多いはず、その次に何がおきるか、国防軍、いずれ必ず徴兵制がやってくるという。 「政権批判をするたび『売国奴』などといわれ、家族を含めて大変な目にあってきたが、僕がいわなければ誰がいう? 戦争が繰り返されたら、我々戦争世代のつらい経験は『無』になってしまう。あの戦争で亡くなった人々の無念さを伝えなければ、死んでも死にきれない」と野中氏はこのロング・インタビューの最後で言っているね。 野中氏へのロング・インタビューは読売、産経はしないだろうね。
2014.07.23
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私:鈴木康弘氏によると世界や国土を知るうえで重要な地理教育がいま、日本では危機的な状況に置かれているという。 高校の「地理歴史科」は世界史、日本史、地理の3科目からなるが、1989年の学習指導要領では世界史が必修、日本史と地理は選択科目になり、そのため、地理を学ぶ生徒の割合が減り、現在は半数程度にとどまるという。 A氏:さらに、安倍晋三首相が今年1月、国会の答弁で高校での日本史の必修を検討していくと表明したね。仮にそうなれば、地理を学ぶ機会を失いかねないことになる。 私:鈴木氏は強調する。 「地理を学ぶことの本質は何か。それは、地球上の自然や人間活動を広く俯瞰(ふかん)的に眺めることで、『大局的な地球観や世界観』をつかむことである。各地域の自然的・社会的風土を把握したり、地域ごとの特異性を考察したりすることで、それは可能になる。このように世界を俯瞰的に眺める能力は、リーダーの資質としても欠かせない。長い目でみれば、地理教育の不足はグローバル化時代における国力の低下も招きかねない」 A氏:歴史と地理は時間と空間を把握するための両輪であり、バランスが重要だね。 私:日本学術会議は、誰もが学ぶ高校の必修科目として、日本史と世界史を統合した「歴史基礎」と、グローバル化に対応する最低限の知識やスキルおよび考え方を習得させる「地理基礎」の新設を提言している。鈴木氏は今こそ、その実現を図るべきだという。 俺は高校のときの記憶ははっきりしないが、たしか地理は選択しなかったように思う。 A氏:俺もそうだね。 私:グローバル化がこんなにどんどん進むとは思っていなかったから、遠い地域の問題が、我々の日常生活に直結しているのに、未だに、「大局的な地球観や世界観」に弱いね。 日本人も30年位前から海外旅行が盛んになり、海外体験が容易になったね。 俺は欧州、米国、中国、シンガポール、タイなどは行ったが、インドはまだだね。インドは一度行くとその文化風土で強烈な印象で一時的に精神的なインド病になるそうだ。 俺はイタリアのバチカン宮殿に入った瞬間、ショックだったね。ヨーロッパは「石の文化」、日本は「木の文化」であることを直感したが、同時にさらに理解を深めるには「地理基礎」の学習の必要性を感じたね。
2014.07.22
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私:一昨日の「世界新秩序・米中を追う」欄の続きで、今回は米国側からの取材だね。 取材相手は、中国で生まれ、駐中国米大使などとして対中外交に深く関わってきたJ・ステープルトン・ロイ氏だ。 ロイ氏は、この10年でアジアは大きく変わり、その転換点は08年の世界金融危機で、中国はすぐに高い成長率を回復させ、日本を抜いて世界第2の経済大国になり、米国を追い抜こうとしている。この事実は、中国人に計り知れない心理的影響を与え、ナショナリズムに拍車がかかった。それが領土紛争に強硬に臨むという態度に表れ始めたという。 A氏:一昨日の中国の呉建民氏とほぼ同じ見方だね。 安倍政権の集団的自衛権の行使はどうかね。 私:歴史問題を抱える中国や韓国の人たちは、日本が集団的自衛権の行使により普通の国になって地域で役割を果たすことに強い抵抗を感じる。むしろ、地域の緊張を高める結果にもなっているという。 A氏:米中2強関係はどうかね。 私:米中2強でなく共存目指すもので、他国に従わせる国際秩序が(米中の)『G2』体制だとすれば、米国が目指しているものは全く逆。2つの大国の競争関係をうまくコントロールすることこそが、「新型大国関係」の目的だという。 ただし、取材記者のまとめでは米中の首脳がともに口にした「新型大国関係」の解釈には、実は違いがあることが、次第に明らかになってきたという。 中国は「核心的利益(Core Interests)」を尊重しあい、衝突を避けることを求めるが、「核心的利益」とは、台湾やチベット問題など主権や領土にかかわる問題で、内政干渉を拒む意味合いが強く、中国はその対象を南シナ海などにも広げようとしている。 一方、米国は「共通の利益(Common Interests)」で協力し合い、衝突を避けようとしている。気候変動や北朝鮮問題などでの協力を指し、中国には国際法に基づいて行動するよう求めてもいる。 多くの立場の違いを抱えつつ、いかに米中関係をコントロールするか。根底となる信頼関係が築けていないなか、米政権はもがいているように見えるという。
2014.07.21
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私:今朝の朝日新聞の「日曜に想う」欄には、中国流の報復処置が書かれているね。 ベトナムと中国は今、領海問題でもめている。そのベトナムに中国政府は先月末「密輸対策のため、中越国境にある税関数カ所をしばらく閉鎖する」通告した。ベトナムにすれば、密輸対策とは見えすいた口実で、「四の五の言わず南シナ海を中国の海と認めろ、さもなくば農産品輸入をストップするぞ」という脅しだとだれしも受け止めた。 無理もない。中国と火花を散らすとある日突然、大切な輸出品が中国市場から閉めだされたりするからだ。標的はベトナムのコメかライチかタピオカか。 A氏:領海で中国ともめているフィリピンでもあったらしいね。 私:フィリピンの場合はバナナ。2年前の春、いきなり通関が厳しくなり、中国の説明は「フィリピンの病害虫対策に難がある」だ。南シナ海で両国の艦船がにらみ合ったころだ。大量のバナナが輸出倉庫に留めおかれ、食用期限が切れて廃棄された。 ノルウェーはサーモン。ノルウェー知識人らで構成するノーベル平和賞委員会が、2010年の受賞者に人権活動家劉暁波(リウシアオポー)氏を選んだ。中国政府は猛反発。貿易交渉を中断して、決定打はサーモン閉めだしだった。中国の輸入港での通関手続きがストップ。代わりに他国産が中国市場にどっと流入し、ノルウェー産は前年比6割減という大打撃を被った。被害はサーモンのみ。ほかの魚種は無事だった。「ケンカ相手のどこをたたくと最も痛がるか中国は分かっている。北欧漁業の象徴を狙えば、心理的な打撃が大きい。単なる腹いせではない。よく練られた外交的揺さぶりだ」という。 A氏:中国との交際に各国が困っているのは先刻ご承知の通りだが、驚いたことに、最近はこうした報復が着々と成果をあげるようになったようだという。 私:たとえばノルウェーの国会議長や閣僚たちは今年5月、オスロを訪れたチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世との面会を避けた。サーモンに懲りて3年、再び中国の機嫌を損ねまいと努めたのだ。「サーモンで中国に脅され、ノルウェー政府は屈した。魚の輸出と信仰の自由、どちらが大切かを見失うなんて信じられない」という。 サーモンがこれほど効くとは知らなかった。古来、食べ物の恨みは恐ろしいが、当節は、食べ物を中国から閉めだされるのが何より恐ろしい。中国の抗議が痛くもかゆくもなかった時代はとうに去ったのだ。この先はおそらく各国が、ダライ・ラマという踏み絵を踏み始めるのだろう。空おそろしいほどの戦果であると山中氏は言う。 ウクライナ問題で米国のロシアに対する経済制裁もあるが、中国のやり方は違うようだね。
2014.07.20
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私:中国は南シナ海などでの強硬姿勢で米国や周辺国との摩擦を高めているが、実は中国国内では、こうした中国外交はまだまだ「弱腰」だとの声が強いのだという。 この点について、「中国外交の顔」を長く担い、穏健路線を主張している外交学院元院長の呉建民氏に、朝日新聞記者は中国がなぜ強硬に傾くのかを聞いている。 A氏:呉氏は中国人が強硬なのは、我々は過去、国力が衰退した時期に、元々自分たちのものだった場所を、ほかの国に占拠されてしまったとの思いがある。 今や国力が強大になったのだから、こうした場所を自分たちの手に取り戻したいと思いがあるのだというね。 自らの権利を主張するにしても、あまりにも急ぎ過ぎているという見方はあるかもしれないが、そうした見方があることを庶民に説明するのは簡単ではない。 中国政府にとっても、とても大きな負担となっているという。 私:中国外務省は国内では弱腰批判されているが、外交は「妥協の芸術」なのだということを多くの人が理解していないという。「妥協」という言葉を言えば、「売国奴呼ばわり」される。呉氏もネット上で「弱腰だ」との批判を受けており、呉氏のような声は決して多くない。 でも、悲観はしていないという。沈黙している多くの庶民は理性的であると信じている。過去20年は、中国にとって、最も発展し、平和な時期だった。この平和状態を維持することが、間違いなく中国の利益であると呉氏は最後に結んでいるね A氏:呉氏は中国政府を批判しているわけでは決してなく、常に中国政府の言動の正当性を主張し、日本の安倍政権を批判し、ベトナムの対応を非難しているが、それだけでは飽き足らなく感じている中国人は少なくないようだ。 私:我々日本人から見ると、中国の対外姿勢はどんどん強硬さを増している。しかし、中国メディアの報道に日々接する中国人の多くは、むしろ中国はもっと強く出るべきだと考える。彼らの目には、呉氏は中国外務省の「弱腰」を象徴する存在に映るのだという。 ネット上の意見だけではく、軍関係者の強硬な発言はもちろん、外交の専門家たちの間でも、「国内の主流派の認識は、中国の外交は弱く、譲歩をしすぎだ、というものだ」との声が強いという。 国内と国外の双方から批判を受ける外交姿勢は、不安定にならざるをえないが、中国政府は今、自らに対する国際社会の目を国民に正確に伝える必要に迫られていると記者は最後にコメントしているね。
2014.07.19
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私:この新聞記事は内容的に一昨日のブログ「里山資本主義」と似ているので小さい囲み記事だがとりあげた。 川瀬正久氏は「私が暮らす岐阜県不破郡の多くの山は荒れ果て、すっかり姿を変えてしまい、戦後に植林され、成長したスギやヒノキなどの針葉樹林は間伐すらできていない。鳥獣被害も深刻で、畑の野菜があちこち食い散らかされている」と現状を嘆いている。 山の荒廃が進んだのは農耕が機械化され、燃料が石油に代わり、暮らしが便利になったことで里山の存在意義も薄れた結果だという。 A氏:里山の崩壊だね。 私:森林は日本の国土の67%を占める。それほどの森林大国の我が国にとっては、自然保護を図りながら、同時に持続可能な開発を探っていくことが重要で、山の再生自体を商機とし、利益を生む実業を起こす必要があると川瀬氏は言う。 日本の森林は、ほぼ半分がサクラやカシなどの広葉樹からなる。伐採しても萌芽更新を繰り返すため、究極のエコ資源とされる。視点を変えれば、山はエコ資源の宝庫。 そこで注目したいのが、端材や木くずなどの木質バイオマス(生物資源)だ。 具体的には、エネルギー効率が高い木質燃料ペレットの生産や、木質バイオマスを燃やしたりガス化したりして発電する仕組みを進めることだという。 A氏:「里山資本主義」の着眼点と同じだね。 私:この方式により、過疎地にある自治体でエネルギーの自給自足ができるようになれば、雇用が生まれ人も集まる。中山間地の過疎化を食い止める「救世主」にもなり得る。うまく活用できれば全国的に広がっていくだろう。これに適した地域を探すべく、国は実地検証を急ぐべきだと川瀬氏は提言する。 今年は、国連が定めた「持続可能な開発のための教育(ESD)の10年」の最終年に当たり、11月には名古屋市と岡山市で「ESDユネスコ世界会議」が開かれる。「ESDの10年」は日本が提案し、2005年の愛知万博を皮切りに始まった。この意義深い会議を機に、治山治水のための植林の意義を改めて認識し、持続可能な開発という考え方の下、荒廃した山をよみがえらせたいと川瀬氏は最後に述べている。 大都市中心型の「経済成長」を追いかけているアベノミクスだが、こういう視点から、地方経済の活性化を推進すべきだね。
2014.07.18
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私:今、欧州ではドイツは好調だが、フランスがどうもよくないね。 欧州会議のフランス代表に反EU派が伸びているなど、反EUの動きもあるしね。 このジャン・ピサニフェリー教授のコラム@パリの新聞記事は、そのフランスの立て直しにふれているね。 フランスはグローバル化を受け入れたり、経済・社会モデルを更新したりすることに失敗した、と世界中でみなされている。フランス国民自身、自国の将来にかつてよりも悲観的になっているという。 A氏:進むべき道をきちんと描き、広がる憂鬱(ゆううつ)を払いのけ、繁栄を取り戻すことができるかどうか。フランス人にそれらが問われているというね。 私:フランスが伸び悩んできた1つめの理由は、自らの政治機関や政治指導者を信用していないことだ。正統かつ責任ある機関や為政者とは、分裂した社会をまとめ、難局の克服を助ける存在である。目下、こうしたまとめ役がフランスにはいないのだという。 フランスが伸び悩んできた2つめの理由は、改革の方法にある。経済や社会の改革は一歩ずつ進む傾向が見られる。それぞれの政権は規制に少々手は加えるが、野心的な見直しには往々にして至らない。せいぜい5年先か10年先の改革への道筋をつけるだけに終わってしまうという。 A氏;いまだにフランス社会はあまりにも階層的で分断され過ぎている。経済界、政界、文化界のエリートはあまりにも層が薄く、画一的で閉鎖的すぎる。それが、自分の可能性を発揮する機会に恵まれない高学歴労働者にとって、不満の種となっている。企業は従業員に権限を与えるように経営や管理を変えるべきだ。政府は公務員以外からも上級管理職を採用すべきであるという。 私:最後にフランスの社会モデルを再検討する必要があるという。それは多くの労働者が現役のほとんどの期間、同じ雇用者のもとで働くという、世界の動向に遅れた古い雇用保護、生涯学習、社会的給付の仕組みは、職ではなく個人単位で再構築すべきであるという。 A氏:フランスにも終身雇用的なシステムが残っていたんだね。フランスも正規社員の非正規化が増えるのだろうか 私:日本でも大企業の終身雇用的なものは次第に見直されていくかもね。
2014.07.17
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里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く 私:「里山資本主義」という語はNHK広島放送局の井上恭介プロデューサーの造語で、その中身をドキュメンタリー・シリーズ(中国5県限定放送)で制作したが、映像だけでなく、本にしたいということで「デフレの正体」の著者藻谷浩介氏との共著でこの新書が発行されたという。 「里山資本主義」とはカネで収入と消費が引っ張り回されている「不安」な我々の生活を見直して、もっと安定して豊かな生活を追求するという主義だね。 これをすでに国ぐるみでやっている国があるんだね。この本の第2章は「21世紀先進国はオーストリア・ユーロ危機と無縁だった国の秘密」とあり、ここで紹介している。 オーストリアは安定した健康優良国だという。 A氏:失業率はEU加盟国中最低、一人あたりのGDPは世界11位で、17位の日本より上。 私:なぜ、人口1000万人に満たない小国オーストリアの経済が安定しているかというとその秘密は「里山資本主義」にあるという。 それは「木」を徹底活用して経済の自立を目指す取り組みを、国をあげて実施しているからだという。国土は北海道くらいだが、日本全国で1年間に生産する量よりも多いくらいの丸太を生産している。 林業が最先端の産業に生まれ変わり、その活用技術は世界最先端。合言葉は「打倒!化石燃料」だ。燃料は木屑をペレットにしたものを用いる。 A氏:地産地消だね。 私:化石燃料世界市場の価格変動、外貨の変動に無関係にエネルギーコストは安く安定。 林業を高く評価する国の教育と技術で雇傭も生み、林業の技術進歩で「かっこいい職業」になったから、山に若者が殺到しているという。 また、森林破壊とならなうように管理されている。 開かれた地域主義の下、互いに知恵を吸収しやすいので、互いにつぶして競争しなくてすむ。むしろ、協調して、互いに行き来しながら進化していく。 それが「里山資本主義」のもつ「しなやかさ」だという。 日本でもすでに「里山資本主義」を推進している地方があり、この本で紹介されている。 カネであくせくしない未来の資本主義の1つかもしれないね。
2014.07.16
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私:13日の滋賀県知事選は自公民推薦候補が「卒原発」「集団的自衛権の閣議決定反対」の民主党系候補に僅差で敗れたね。 選挙運動期間後半で「集団的自衛権の閣議決定」があり、追い風となったようだが、自民党も危機感を持ち、石破幹事長、菅官房長官も応援に駆けつけたが効果はなかったね。 A氏:ところで、今朝の朝日新聞の余滴欄で安倍首相が集団的自衛権の閣議決定を急いだ背景を描いているね。 安倍首相が強気の原点は、自民党が衆院480議席のうち294、参院では242のうち114、公明党と合わせて両院で多数を制し、衆院では3分の2を超えるという数の力だ。 私:有権者から圧倒的な支持を得ているように見えるが、実態は12年12月の衆院選比例区の全有権者に対する自民党の絶対得票率はわずかに16%で、得票数でも、民主党に政権を譲った09年衆院選の数字を下回っていることだ。 民主党の自滅と60%を割った低投票率、そして死票が多い小選挙区の特性。この3つが重なって、実力以上の議席を安倍政権に与えている。つまり、かなりの偶然のたまもの。 A氏:だとすれば、首相が「政治はモメンタム(勢い)だ」といって念願の閣議決定を急いだ理由もうなずけるというわけだ。 私:「命を守る」として「情」に訴えながら立憲主義を踏み外した首相に対し、権力を持たない市民は「知」をもって立つとの反対派の宣言がある。 しかも「血を流してでも、命を守る」という前半の「情」は意図的に避けているがね。 あの閣議決定を、朝日新聞社説は「暴挙」だと書いが、国分氏は「軽挙」だと思っているという。 熟慮をへた民意の裏打ちがない、あまりに軽い決定だからで、そこに政権の弱みがあるという。 A氏:しかし、有権者の審判をおそれているかのように、閣議決定を具体化する関連法案の審議は福島、沖縄両県知事選がある今秋は避け、来春の統一地方選後に先送りするという。 私:そのおそれが滋賀県知事選に早くも出たようだね。 今後、自民党の対応に変化があるのだろうか。
2014.07.15
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私:昨日の仏の人類学者・エマニュエル・トッド氏は、米国の衰退は予想していたより早く進んでいると言っていたが、その米国の「大統領への信任投票」という面がある中間選挙まで4カ月を切り、全米各地で、選挙戦真っ盛りだという。 ただ、オバマ氏の支持率が、低迷しているから、大統領に選挙応援のお呼びはあまりかからないという。 A氏:ワシントンでは、オバマ氏への辛口の評価が多いというね。 対立を嫌い、外交政策などは「弱腰」。理想は語るが、議会対策といった「根回し」が足りない。そんな見方が定着しているという。 例外的に人気が高いのは、オバマ氏の生まれ故郷のハワイで、現職の上院議員は選挙戦で、「オバマ大統領との近さ」をさかんにアピールしているという。 私:それは35年前、オバマ氏は、私立の名門プナホウスクールを卒業し、一時期、インドネシアで暮らしたが、小学5年から高校まではハワイにいたからだ。 ハワイでは問題がおきそうになったら、みんなで座って話し合い、解決策を探り、戦いは最後の手段だという。 ハワイ育ちは、オバマ氏の対立を嫌う傾向に影響しているようだ。 米国本土よりも人種差別が少ないことや、他者への寛容さ。それもオバマ氏に影響を与えたという。 ホームルーム担当として高校時代のオバマ氏をみつめたエリック・クスノキ教諭は「ワシントンでの評価が低いわけは、ハワイと本土のスタイルが違うこともあるだろうが、彼が若くて、黒人だから、より批判される面があるのだろう」という。 A氏:一方、保守系の利益団体は、互いに連合を組織するとともに、ますます共和党と一体化するする傾向にあり、それと同時に自らの支持する政策を共和党に売り込む傾向にある。シンクタンクを含めた組織化が進んでいるね。 私:妥協を嫌う議会共和党、イラクやシリアの内戦、軍事力を背景に秩序を変えようとする中国やロシア……。 オバマ氏は今、ハワイとはかけ離れた世界を相手にしなければならない。 「ハワイ育ち」はオバマ氏の強みであり、弱みでもあるのかもしれないと山脇氏は最後に指摘している。
2014.07.14
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私:フランス人類学者で歴史家のエマニュエル・トッド氏は世界的なベストセラー『帝国以後』の著者だが、彼の目に、日本とそれを取り巻く世界はどう映っているのか朝日新聞記者が聞いた記事が載っている。現在の世界情勢を把握するに興味ある記事だね。 A氏:中国問題での日中関係はどうみているかね。 私:日本が中国の台頭に対抗するには、米国に頼るしかないだろうという。逆に米国は、自分たちの力を後ろ盾にしようとする国には軍事的な負担を求めている。米国から自立した欧州と異なり、日本はそれに応じるというわけだ。 A氏:2002年に刊行された『帝国以後』で、米国の覇権の終わりと、米国からの欧州の自立を予言しているが、予言通りかね。 私:欧州の変質を見誤ったという。当時、米国の影響力から自立した欧州は、衰退する米国とは異なり、世界の安定を推進すると思っていたが、今は国際情勢の不安定要因で、米国はむしろ相対的に安定しているという。 欧州はこの10年で、EUの加盟国が水平的につながる関係ではなく、経済大国ドイツが主導権を握る階層的な連合体になってしまった。これは統一通貨ユーロの存在が原因の一つだという。 欧州危機で露見した通り、加盟国の経済力の違いが階層化を生み、さらにEU内部では他の加盟国への憎しみを募っているという。 A氏:米国の衰退は予測通りかね。 私:米国の衰退は、予想していたより早く進んでいて、最近のウクライナ情勢がわかりやすい例だろうという。 5月の欧州議会選挙では、欧州統合を強く批判するEU懐疑派が議席を伸ばし、フランスに割り当てられた議席を最も多く獲得したのも右翼の国民戦線(FN)で、支持が伸びたのは、彼らの主義主張が広がった結果ではなく、欧州統合への民衆の抵抗感が原因だ。 グローバル化によって、世界がアメリカ型社会に収斂されていくという見方もあったが、そうはなっていない。この10年で起きているのは、国家の復活、再浮上だ。米国、ロシア、ドイツ、中国……第2次世界大戦のころの大国が再び台頭している。 今後も国家の時代は続いていくだろうという。
2014.07.13
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A氏:博士問題はこのブログで7年前に「高学歴ワーキングプア・『フリーター生産工場』としての大学院」、2年前に「ホームレス博士」でとりあげたが、10日の朝日新聞でも「博士離れ」を報じた。 私:文科省は90年代に高度な専門知識を持った人材を増やそうと大学院の定員増加を促し、結果、博士号取得者は80年代初めは年6千人台が10年には1万6千人にと3倍近く増えた。しかし、06年前後をピークに低下に転じ、定員割れが慢性化している大学院も数多くある。 理由に挙げられるのが将来への不安。博士課程修了者の就職率は12年度に67%。大学や研究機関のポストは限られ、「ポスドク」と呼ばれる任期が限られた研究員の採用も多い。企業も学部や修士課程の新卒を採用する例が多く、博士を給与や待遇で優遇する会社も少ない。 文科省の12年度の調査では、過去5年間、研究開発職で博士を採用していない企業が7割。「採用後に教育した方が効果的」や「すぐに活用できない」などが理由だったという。 大学の学長や研究者らは「優秀な人材は修士課程から企業に就職する」などの意見がある。 A氏:だから、博士希望は減りだした。東大の修士課程から博士課程への進学率は01年の42%が11年は26%に落ち込む。 博士になる人は人口100万人あたり日本年間124人。米国239人、英国323人、ドイツ313人。一方、中国や韓国などアジア諸国は博士の育成に力を入れている。 私:資源のない日本が博士が減ることは大問題。文科省も過去の失敗を検証し改善すべきだね。
2014.07.12
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A氏:君の7月8日のブログで7月7日の七夕は盧溝橋事件による日中戦争開始のときでもあり、その今年の記念式典に習近平国家主席が出席して、日本批判をしたと書いていたね。 9日の朝日新聞社説では、この問題を取りあげている。 毎年恒例の式典だが、中国最高指導者が演説するのは異例だ。「侵略の歴史を否定、歪曲、美化しようとする者を中国と各国の人民は決して認めない」と習主席は述べた。安倍政権への批判であることは明らかだね。 私:振り返ってみると、日中関係が良好なときに中国側が歴史を前面に押し出すことはまれだった。 07年4月、来日した温家宝首相(当時)が国会で演説し、日本政府が過去に侵略被害国へのおわびを何度も表明したとして「中国政府と人民は積極的に評価する」と明言した。 その翌年に来日した胡錦濤国家主席(当時)は早大で「私たちが歴史を銘記することを強調するのは、恨みを抱え続けるためではなく、歴史を鏡とし未来に向かうため」と述べた。いずれも抑制的な発言だった。 A氏:当時に比べ、習政権の歴史問題をめぐる日本バッシングは際だっているね。露骨な政治利用の姿勢には首をかしげざるを得ないと、さすがの朝日新聞の社説は言っている。 私:中国は自らの軍拡を正当化する理由として利用するだろう。 実は盧溝橋事件が起きたとき、日中両軍はすでに一触即発の状態だったというが、事件後の7月11日に現地では、停戦協定を結んでいた。 しかし、中国側は中国共産党の強硬姿勢、日本側は日本政府と軍上層部の戦線拡大派が戦線拡大に転換し、28日には北支における日中両軍の全面衝突が開始された。 なぜ全面戦争化したのか。歴史にこだわるならば、検証に値する当時の経緯を、日中の共有資産とするよう目指せないものだろうかと社説は言う。 A氏:現状ではムリだね。 私:安倍政権に対する習主席の日本の歴史認識に対する攻撃は異常なまでに拡大しているが、温家宝前首相や胡錦濤前国家主席の路線を否定し、過去の歴史認識に異常に拘ることは日中関係だけでなく、国際平和にとって痛手だね。 今月の文藝春秋の広告を見ると「習近平、見えてきた独裁者の正体:中国はなぜ平気で嘘をつくのか」とトップ見出しにあるね。
2014.07.11
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A氏:君が7月2日のブログで「集団的自衛権の憲法解釈変更」について朝日新聞、読売新聞、産経新聞のそれぞれの見出しのおおまかな比較をしていたが、昨日の朝日新聞では、地方紙も含めた比較をしているね。 在京6紙では、朝日・毎日・東京は反対。読売、産経、日経は賛成。 私:在京6紙で俺が取り上げなかった毎日新聞は、米国の要請に応じることで「国の存立」を全うすることに疑義を呈し「目先の脅威が議論になりがちだが、過去の教訓を踏まえ、警鐘を鳴らすのがメディアの役割。『国の存立』を大義名分にして、過ちを繰り返してはならない」という。 東京新聞は、一内閣による解釈改憲を批判。政府が挙げた行使が必要な例について「自民、公明両党だけの『密室』協議では、こうした事例の現実性は結局、問われず、『海外での武力の行使』を認める『解釈改憲』の技法だけが話し合われた」とした。 日本経済新聞は、台頭する中国などに対して、米国が「世界の警察」役を担いきれなくなったとして閣議決定を評価。ただ、「ここまで急ぐべきだったのか疑問」と指摘。「政権が交代するたびに路線が変わるようなことは、あってはならない」と釘を刺している。 A氏:地方紙の北海道新聞、信濃毎日新聞、西日本新聞は反対。北国新聞は賛成。 このようなブッロク紙や地方紙を集めると反対40紙、賛成3紙だという。 私:この現象について、三浦元博・大妻女子大教授(ジャーナリズム論)がコメントを寄せているね。 それによると、在京紙は賛否が真っ二つに割れたが、これは2003年の自衛隊イラク派遣の際、政府方針を社説で支持/反対した社は今回と同じ構図だという。そして言い放しだけでなく、後で検証をしてほしいという。 米国のニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストはイラク戦争当時、突き進む米政権を後押しした。だが、「大量破壊兵器」がフィクションだとわかると、検証して間違いを正し、読者への説明責任を果たしたという。 イラク派遣に賛成した新聞には痛いコメントだね。 同様に、集団的自衛権をめぐる議論で、自分たちの主義主張が歴史の批判に耐えうるのか、言論機関としての自覚を持ち、現実に即して常に見直す検証は欠かせないという。 閣議決定後の安倍首相の会見は、現実にはあり得ない例示で観念的な説明だったが、新聞は現実に即し、社説や論説記事も事実から出発して論を説いてほしいと三浦氏は指摘しているね。
2014.07.10
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A氏:このブログの「永続敗戦論・戦後日本の核心」(白井聡著)で白井氏の次のような指摘があるね。 この話題は、昨年はじめのことで、まだ集団的自衛権が問題になっていない頃だね。 「自民党の石破茂幹事長は、『あの戦争の実態を検証しないまま、集団的自衛権の行使の議論を始めることは戦死者に対する冒涜である』として、その理由を次のように述べている。『これは私の持論だが、戦後レジームの脱却は、私は先の戦争の検証なくしてはありえない。 この検証プロジェクトは、安倍総理主導のもと、政府として取り組むべきことだと思う。終戦後、{一億総懺悔}という言葉が一人歩きし、なんとなく国民全体が悪かったのだということになったが、これは誤った認識だ。 敗戦が明白だったにもかかわらず開戦を決断した当時の指導者たちと、国のために命をささげた兵士の責任が一緒であっていいわけがない』」。 私:この石破氏の発言を白井氏は「正論」であるとしているが、河野談話や村山談話を破棄したい本音をもつ「棚上げ」論者の「安倍総理の主導」のもとでは、ムリだろうとみていたね。 結果は、その通りで、自民党内で一番、集団的自衛権に詳しい石破氏は「蚊帳の外」で、閣議決定まで行ってしまったようだね。 石破氏の歴史認識でからすれば当然、靖国神社へのA級戦犯合祀には反対で、2008年の防衛庁長官時代にも靖国参拝をしていないね。 石破氏は、総理大臣は靖国参拝をすべきでないという意見だが、昨年末の安倍首相の電撃靖国神社訪問に対しては「英霊に祈るのは当然」とあたりさわりのないコメントをしていたが、心中、おだやかでなかっただろうね。 A氏:もし、石破氏が一昨年の総裁選に勝って、総理大臣になっていたら事その後の政治状況は変わっていたろうかね。 私:歴史にイフは意味がないというが、大きく変わっていただろうね。
2014.07.09
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私:昨日は7月7日の七夕だったね。この記事はこれにひっかけている。 歴試学とは「歴史を大学入試問題で学ぶ」の略語で、今月は2001年の東京学芸大学入試の次の世界史の試験問題をとりあげている。 「第2次世界大戦は反ファシズムを掲げた連合国の陣営の勝利に終わった。この陣営の一員として『侵略戦争』に対して勝利した中国国民党政権は、この後の国家の再建に大きな期待をもって臨もうとしていた。この『侵略戦争』に対抗するため、抗日民族統一戦線が結成されたが、その結成の経緯について120字以内で説明せよ」 A氏:今から約80年前、中華民国は南京を都とした国民政府が全国政権をとっていたが、国内では共産党が各地に地方政権を樹立して、国民政府と対立。 外には日本が1931年の柳条湖事件以来、中国の東北地方を軍事的に占領し、そこに「満州国」を樹立し、さらに日本は華北への侵略を進めて、中国の国家的統一を揺るがせていた。内憂外患だね。 私:当時国民政府の主席であった蒋介石は、国内の共産党との戦いを優先し、共産党への攻撃をおこない、この結果、共産党による中華ソビエト共和国臨時政府は崩壊し、34年に新しい根拠地を求めて国民政府の包囲網からの脱出を図る「長征」が始まる。 国民政府の追撃をかわしつつ、共産党は35年に「八・一宣言」を発表し、内戦の停止と抗日民族統一戦線の構築を求めた。すると、国民政府の張学良が裏切って36年に西安事件を起こし、共産党との戦いを促しに来た蒋介石を逮捕。結果、内戦停止と抗日民族統一戦線の結成を約束して、蒋介石は自由の身となる。 A氏:しかし、国共合作は、国民党の蒋介石も共産党の毛沢東も、共に相手に対する不信感をぬぐい去ることができず、その後も小競り合いが続くね。 私:そんな両者が最終的に合作を決意したのは、37年7月7日の盧溝橋事件に始まる日中全面戦争が勃発したためで、もう国共内戦なんてやっている場合ではなくなった。 A氏:ということで、一年に一度オリヒメとヒコボシが出会う7月7日は、中国において国民党と共産党を出会わせる日にもなった、歴史上の転換点だったというわけだね。 私:今朝の新聞は77年目を迎えた盧溝橋事件の式典に習近平主席が異例の出席をして安倍政権の歴史認識を念頭に日本批判の演説をしたと報じているね。 日本が中国に戦争をしかけなかったら、中国も日本もどのような未来が待っていたかね。歴史にイフは禁物だが。
2014.07.08
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私:バグダッドに迫ろうとしているイスラム過激派のISIS(「イスラム国(IS)」と改名)に対して、イラク北・中部のスンニ派勢力から「民意ともイスラムの教えとも異なる」と反発の声が上がっていると報じている。 A氏:今まで、ISが主導していたと思っていたがね。 私:現地のスンニ派部族がつくる「革命的部族委員会」幹部のアブドルラザク・シャンマリ氏は「今回の戦いは、スンニ派を抑圧するシーア主導のマリキ政権に対して、スンニ派部族と民衆が立ち上がった民衆革命だ。ISは軍事的にも、反乱勢力の一部に過ぎない」と語り、武装勢力は必ずしもISが主導していない、との見方を示したという。 A氏:なぜ、ISが支配地域を急拡大させているように見えるのだろう。 私:それぞれの都市や町で、地元のスンニ派部族が政権軍に反乱を起こしているのに、インターネットを使ったISの巧みな宣伝と、『テロとの戦い』を強調したいマリキ政権の宣伝によって、ISの存在が誇張されて、事実がゆがめられているのだという。 スンニ派武装組織「ジェイシュ・イスラム(イスラム軍)」幹部のイブラヒム・シャンマリ氏は「スンニ派部族とは連携しているが、ISとの連絡や協力は一切ない」と語っており、同じイスラム系の武装勢力だが、「われわれはスンニ派地域の防衛が目的で、シーア派の権利も尊重する。シーア派を敵視し、攻撃するISとは異なる」と語ったという。 A氏:ISはシリアからイラクにまたがるという反シーア派・反欧米の「イスラム国家」を宣言しているね。 私:これに対し、スンニ派宗教者が集まる「イスラム宗教者委員会」は「イスラム法の正当性はない」と批判し、宣言の撤回を求め、「今のような状況で国の設立を宣言することは、民意を分裂させ、利益はない」としている。 IS以外のスンニ派勢力が共通して目指しているものは、マリキ首相の辞任。最終的には、自治が認められた「スンニ派地域政府」を目標としているという。 しかし、IS主導の武装勢力がバグダッドに侵攻する事態になれば、IS とシーア派の民兵がそれぞれの宗派の民間人を攻撃し、宗派間の内戦に突入する可能性がある。 内戦を避けて、政治的解決を図る時間は限られていると報じている。
2014.07.07
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私: 2年前、カンザス州のサム・ブラウンバック州知事は、経済学者アーサー・ラッファー氏と密に相談の上で、減収分をどう穴埋めするか明確な考えが全くないまま、所得税を大幅に減税した。 知事はこの減税が経済を活性化するだろうと予測したが、現在、カンザス州の経済は近隣州よりも米国全体よりも停滞している。 一方で州予算は大幅な赤字に陥っており、同州の債務格付けはムーディーズで引き下げされるに至った。 A氏:経済学者アーサー・ラッファー氏とは何者なのかね。 私:米国立法交流評議会(ALEC)の有識者委員会のメンバーだという。この団体は大手企業から資金提供を受けた秘密主義の集団で、保守派の州議会議員のためにモデル法案を起草している。 ブラウンバック州知事の減税は、ALECのラッファー氏が提示した青写真にしっかりと従ったのだ。 ALECは企業や富裕層に対する減税が高度経済成長を促すであろうことを示そうとする、一連の経済研究への支援もしてきた。クルーグマン氏は、サプライサイド経済学(減税が景気を刺激するため、完全にではなくともおおむね採算が合うという主張)を今さら信じられる人などどうしていようか。この理論は20年前に完全に崩壊したという。 しかし、これを学ばない学者はビル・クリントン政権の富裕層への増税は、完全な恐慌でないにしても景気後退を引き起こすだろうと予測した。 A氏:しかし、実際に起きたのは、目を見張るような景気拡大だった。 私:驚くまでもなくALECの活動のほとんどが、民営化や規制緩和、企業と富裕層の減税に向けられていて、大規模な所得税減税を支持する一方で、売上税(低所得世帯に一番負担がかかる)の増税と、勤労者世帯への税制面での支援削減を訴えている。 だからALECの議題には、所得下位層に事実上増税し、社会サービスを削減しながら、上位層には減税することが含まれている。 だが、すでに豊かな人々を豊かにして、必死に生きのびている人々の暮らしをますます厳しくすることなど、正当化できるのか? クルーグマンは「お答えしよう。このような政策がすべての人々の繁栄へのカギを握る、と主張する経済理論があればいいのだ。それが間違い続きという事実なんか関係ない」と言う。 それは強力な大企業に欲するものを与えるための間違った屁理屈を見つけるALECの役割なのだとクルーグマン氏は皮肉をこめて言う。 ALECは この4日のブログ「オバマの医療改革」でふれた保守系の理論武装団体の1つだね。
2014.07.06
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私:先月、報道ステーションに同志社大学教授の浜矩子氏が出ていたが、「『個別自衛権』とか『集団的自衛権』とかいうのは変な言葉で混乱を招く。集団的自衛権は、『他援権』だというべきだ」だというようなことを言っているのでなるほどと俺は思っていた。 ところで、4日の朝日新聞の「検証・集団的自衛権」欄に、自民党の石破幹事長が偶然、同じようなことを言っていたことが記事にあったね。 A氏:俺も読んだよ。4月2日夜、石破氏は高村氏とともに首相公邸を訪れたとき、石破氏は安倍首相に「閣議決定定文から『集団的』という言葉を外してはどうですか」切り出したが、首相は一顧だにせず、「だめだ。閣議決定に集団的自衛権という言葉は絶対に入れる」としたというね。 私:石破氏は、十数年前から集団的自衛権の行使容認を訴え続けてきて、日本も他国のように全面的に行使できる「ふつうの国」になるべきだというのが持論だ。 石破氏は「不思議なもので、みんなが『集団的自衛権』と言い始めると俺は冷めてしまう。『そんなに簡単に分かるの』って。売れないころから応援していたアイドルに突然人気がでると、『何か違うなぁ』という感覚かな」という。 A氏:3月31日、自民党の高村氏が160人の議員を前に講演。「集団的自衛権も『必要最小限度』にあたる」との考えを打ち出し、このときを境に「限定容認論」が主流となり、党内から安全保障の本質的な議論が消えたという。石破氏のアイドルだった「集団的自衛権」が離れていった。そして自民党は、「限定容認論」に染まっていったというわけだ。 私:それから石破氏は、5月18日のNHK番組で「『ふつうの国』になることの『代償』、そしてリーダーには『血を流す覚悟』が必要」という趣旨を述べたが、安倍首相は、この点に触れたながらない。 7月1日の閣議決定後の首相記者会見を俺はテレビで見ていたが、「隊員が戦闘に巻き込まれ、血を流す可能性が高まる点をどう考えるのか」という記者の質問に対し、安倍首相は「自衛隊の皆さんは危険が伴う任務を果たしている。勇気ある活動に敬意を表する」と、「血」という語は避け、正面から答えなかったね。石破氏との違いが明らかだね。 来春の統一地方選を控え、石破氏は地方組織の代表を集めて、集団的自衛権について説明する会合を開こうと検討しているが、周りは必死に止めている。「もう決まったことなのに、わざわざ異論が噴出するような機会をつくる必要はない。何より安倍さんが嫌がるだろう」と言われているという。
2014.07.05
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【送料無料】オバマの医療改革 [ 天野拓 ] 私:図書館から借りた。340頁を超える専門書で、完全に読了は困難なので、興味があるところだけ、拾い読みして記録しておきたいと思った。 2010年、オバマ大統領の署名をもって、長い間、民主党の悲願であった国民皆保険の医療改革法が成立した。20世紀以降の米国の医療改革の歴史は、一言でいえば100年にわたる「国民皆保険導入の試みの失敗の繰り返しの歴史」であったと言ってよいという。まさにオバマ大統領は米国の医療制度史を塗り替える100年に一度と言える画期的な「変革」を「なし遂げた」といえる。 A氏:しかし、日本やヨーロッパ諸国の公的な医療制度と性格が異なり、民間保険をベースとしたもので「米国型」国民皆保険制度だね。 私:それはこの医療改革は、共和党との厳しい政治的対立、足元の民主党のリベラル派と穏健派の対立を引き起こし、最終的に共和党からは一票の賛成票をも得ることができず、こうした政治的対立は改革法の成立後も継続しており、法律の実施過程にまで影響している。 ところで、俺が興味をもったのは、最近の共和党のイデオロギー的な確立だね。 もともとは、共和党は明確なイデオロギーがなく、公的な社会政策についても民主党と妥協的だった。 しかし、1970年代にそれまで学術的、政治的に中立なシンクタンクとは性格を異にする「イデオロギー・シンクタンク」、すなわち、支持するイデオロギーを明確に掲げ、それに基づき具体的な政策アイデアを研究・開発するシンクタンクが台頭する。 1980年代以降、共和党は自己責任を中核とした社会像を明確に打ち出すが、こうしたシンクタンクが大きく貢献しているという。 A氏:民主党に対するイデオロギー的理論武装が確立したということか。 私:また、利益団体レベルでの共和党の支持基盤の強化も重要だね。保守系の利益団体は、互いに連合を組織するとともに、ますます共和党と一体化するする傾向にあり、それと同時に自らの支持する政策を共和党に売り込む傾向にあるという。このシンクタンクを含めた組織化が、新しく個人の自由と自己責任を重視する考えで、現行の医療制度を見直そうとしているという。 オバマケアは前途多難だね。
2014.07.04
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私:昨日の朝日新聞は集団的自衛権行使容認反対で一色のようだったが、オピニオン欄の神保謙氏の寄稿文の内容はむしろ、集団的自衛権行使賛成の内容だね。 A氏:朝日新聞の主張と異なる識者の寄稿を掲載するとは、オープンだね。 私:神保氏は 今回の閣議決定のリアルな意義は、3つあるという。 第1は年末をめどに改定をめざす新しい「日米防衛協力のための指針」に向けた基盤整備。中国の軍事的台頭を牽制する意味合いが強くなった。集団的自衛権が行使できれば、平時に日本周辺でおこなう日米共同の警戒監視活動の幅が広がる。 第2は国際協力での日本の役割の向上。国連平和維持活動(PKO)は部隊装備の強化と強い権限を持った積極的PKOへと多様化している。PKOは多国間のチーム活動だけに、国際標準に日本が合わせなければ活動が円滑に進まない。 第3はグレーゾーン事態への具体的な対応で、武力攻撃には至らないが警察権では対処できない事態へのリスクが高まっていて、自衛隊法と海上保安庁法の隙間を埋める法的基盤整備は依然、必要だという。 A氏:集団安全の議論に関連して、自衛隊員と離れた所にいる人が襲われた場合に隊員が武器を持って駆け付ける「駆けつけ警護」で武器使用を認めることは、日本が国際標準に近づく一歩になるという考えだね。 私:神保氏は、集団的自衛権の行使容認は日本外交にとってはプラスが多く、日米同盟を強化することになり、中国が批判するほど日米は結束するので、結局、中国は静観せざるを得ないという。 問題は、首相が本来もつ保守主義の側面を抑制し、リアリストに徹した自省的な姿勢を貫くことができるかがポイントだと神保氏はいう。 A氏:安倍首相の中国と対立する外交だけではだめということか。 私:「対話のドアは常にオープンだ」と言うだけではなく、自らドアを出てはどうかと神保氏は言う。 東シナ海上で不測の事態に備える「海上連絡メカニズム」の構築など、日中の危機管理体制は喫緊の課題で、世界が望むのは、何より日中関係の安定だという。
2014.07.03
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私:今朝の朝日新聞、読売新聞、産経新聞の3紙はいずれもトップに昨日の安倍政権の閣議での集団的自衛権行使の憲法解釈の変更を報じている。 しかし、この閣議決定に反対の朝日と賛成の読売、産経は、その報道内容がまったく逆だね。 だから、比較してみようと思い、3紙を購入してみたよ。 A氏:池上彰氏の「新聞ななめ読み」にならったね。 私:朝日は「9条崩す解釈改憲 集団的自衛権、閣議決定 海外で武力行使容認」と大きな見出しで報じていて、すでに「9条崩す」と批判的で、「日本はどこへ」の欄で「『強兵』の道 許されない」とある。 読売は「集団的自衛権 限定容認 安保政策を転換」と淡々とした見出しだが、解説欄で「真に国民を守るとは」というタイトルで「時代にそぐわない憲法解釈を安倍首相が正しくしたことは高く評価できる」と解説している。 産経は「『積極的平和』へ大転換」とあり、検証欄に「首相『今後50年 日本は安全だ』」とある。 A氏:見出しからして大きく異なるね。 私:社説のタイトルは、朝日は「この暴挙を超えて」、読売は「抑止力向上へ意義深い『容認』」、産経は「『助け合えぬ国』決別を」と主張の大きな違いがタイトルに出ているね。 朝日は2面以下で「外交戦略なき軍事優先」「民意とずれた国会」とあり、最後の3面記事面では見開き2ページにわたり、「不戦 叫び続ける 国民守れるのか」と大きなタイトルが載っている。識者の意見として山本義彦氏の「9条空洞化『敵』抱える国に」がある。 読売は「法整備できる限り早く」として賛成の識者3氏・北岡伸一氏、中谷元氏、斉藤隆氏の座談会を載せている。 産経は「正論」欄で「苦節35年、集団的自衛権の時きた」と題して岡崎久彦氏の賛成論が述べられている。 A氏:朝日対読売・産経だね。 私:集団的自衛権の問題は、一言でマスコミといってもこれだけの主張の違いがあるね。
2014.07.02
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私:今日の朝日新聞の朝刊、夕刊ともトップに集団的自衛権の武力行使を認める閣議決定のニュースがさかんにとりあげているね。 A氏:朝日新聞は閣議決定に反対だから、反対記事が多いね。 私:しかし、オピニオン欄では視点を変えて二人の論客の寄稿を掲載しているが、まったくの反対論ではないようだね。 集団的自衛権の行使容認が武力攻撃の抑止力になるというが、グローバル経済で世界は深く結びついているので経済は抑止力にならないのかという視点からも論じているね。 まず、慶応大学教授の竹森俊平氏は、中国が海洋進出を強めている東アジアの現状を見れば、日本の安全にとって米軍による軍事的な抑止力は不可欠だとしているね。そして、オバマ大統領が尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内と明言してくれたので、中国との軍事的衝突が発生する可能性は、大きく減ったと言っている。米国が強くコミットしたことで、中国もしばらくは慎重になるとみている。 A氏:経済のグローバル化が進み、貿易や投資での相互依存が深まれば、戦争や紛争の抑止力になるのかというと、最近のロシアによるクリミア半島併合や、南シナ海での中国とベトナムの衝突を見ると、必ずしもそうではないようだね。 私:グローバル経済は両刃の剣で、制裁側にも痛みがある。従って、抑止力は軍事だけではダメだし、経済だけでも限界がある。双方の使い分けが肝要だという。 日本は中国の変化を注視しつつ、日米同盟では隙を見せない、強い連携が欠かせない。集団的自衛権も、こうした観点から容認せざるを得ないと竹森氏はいう。 もう一人の論客は津田塾大学教授・菅野稔人だ。菅野氏は、考えなくてはいけないのは、日本が経済的には中国に強く依存していることで、中国は日本の輸入相手国の第1位で、輸出でも第2位で軍事的には米国に依存し、経済的には中国に依存するパラドックス的な状況にあることだという。 もちろん中国が日本にとって脅威にならないわけではない。ただ深刻なのは、軍事的なリスクよりも、むしろ経済的なリスクだという。やがて中国発の経済危機が起きる可能性が非常に高い。 中国のバブルが崩壊しても、日本経済をそれに耐えられるような強い構造にしていくことが日本の安全保障上必要だが。アベノミクスはその点、経済の安全保障では弱いという。
2014.07.01
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