“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

“飲食店の勉強代行業”大久保一彦の勉強録

2025.09.22
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高級レストランはおいしいのか、おいしければ繁盛するか

こんな質問をよく受けます。

おしいい、この料理面白いと思うには受け手にもそのおいしさに応じた既知と経験が必要です。
おいしさはその人の過去の既知と経験で判断しておいしい、おいしくないのであって、既知や経験が伴えば変わってくるのです。

 例えば、鮨屋を例に話しましょう。
昔でしたら、気に入った高級寿司店を見つけて、毎月、できれば二十四節気に一度、さらに言えば、毎週通って、魚の移り変わりや状態の移り変わりを店主とコミュニケーションをしながら勉強したものです。
食べ歩きではなく、この茶道の稽古のように淡々と繰り返して、繰り返して、必要があれば店主から情報を受けとることが大切です。
そうすると、あれ、今日の真鰺は違うなとか気づきます。
親父さんにそのことを問うと産地が変わったとんだと帰ってきて、更に既知や経験が深まります。


 しかし、食べ歩きが目的になる時代になると、同じ店に通うのでなく、いろいろな店に行く時代になりました。
そうすると、既知や経験を積めないわけで、大差に目が行きがちになります。
また、店側も多くの人にわかる大差に目がいくので、わかりやすい高級食材の重ね技に走りがちになります。
そして、支払い額もどんどん高くなります。

 通っていただいて、微差で楽しむのであれば、支払い額はおそらく増えません。
しかし、そう言う時代ではないのです。

 料理人はおいしさを追求して日々、食材に触れ、新しい料理法を研究して、既知や経験を積み重ねます。
しかし、おいしさを追求しすぎると、その料理を理解するには既知と経験が必要になり、ある意味、ピンポイントのおいしさを攻めるようになります。
だから、おいしさを追求しすぎるとお客様との既知や経験の差が出来て、わかりにくくなり、以外と集客に苦労したりするのです。

 高級レストランはおいしいのかと言う問いは、単価設定が高いレストランになればなるほどわかりやすい高級食材を使うことになりますで、その金額に価値を感じるかは別として、既知や経験が必要なくなりますので、おいしく感じます。
一方、料理人が一方的においしさを追求すると、お客様との既知や経験の差が開きますので、繁盛からは遠ざかります。


でも、本当の味がわかるようになれば離れない。
実はお客さんに定期的に再来店いただき、わかるように教育をすることが大切なのです。


大久保一彦の本


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Last updated  2025.09.23 15:52:35
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