多くのFX会社の指標カレンダーで重要度・注目度が★2つでも、英国指標発表前後の反応は米国指標の★3つに相当します。2018年になって、他の主要国の経済指標発表時の反応が小さくなっているのに対し、英国指標だけはあまり小さくなっていません。
その原因は、ブリグジット交渉難航とBOE金融政策変更(利上げ)期待に依るものだったと思われます。ブリグジット交渉の影響は年内いっぱい続くと思われますが、BOE金融政策は来年3月のブリグジット後まで再変更されないという見方が支配的です。
BOE金融政策変更が直近に期待できなくなった分、指標発表直後反応はやや小さくなる可能性があります。但し、指標発表前後を除くGBPのボラティリティは、EUとの交渉ヤマ場時期のため高まる可能性があり、いつもに増してポジション長持ちは避けた方が良いでしょう。
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10月15日(月)伊国の19年度予算のEU提出期限、EU首脳会議は18日まで
- 21:30 9月集計分 小売売上高
・10月集計分 NY連銀製造業景況指数
過去の傾向から言えば、影響力は、小売売上高>NY連銀製造業景気指数、です。
小売売上高発表後の反応方向は、コア前月比>前月比、の順に影響しがちです。早い時刻から本指標を睨んだ動きがチャート上に現れることも多く、そのため指標発表前には一旦ポジション清算も多いようです。一方、指標発表直前にポジションを取る動きもあって、売買が交錯して指標発表前のローソク足にはヒゲが目立つので注意が必要です。
9月は自動車販売が不振だったことが既にわかっています。
10月16日(火)
- 17:30 8月・9月集計分 英国雇用統計
発表後は一方向に反応を伸ばし続けやすい傾向があります。直後1分足終値と直後11分足終値は、後者が平均15%反応を伸ばしています。終値と終値の差が平均15%というのは、この指標だと3pips強に相当します。その差3pips強に至るまでに、直後11分足跳幅は直後1分足終値よりも10pips以上跳ねることが多いので、そこを狙うことになります。 - 18:00 10月集計分 独国ZEW景況指数
このところ独国経済の先行きを不安視する解説をよく見かけます。ブリグジットや伊国ポピュリスト政権を始めるとするEU体制への不安や、米国による貿易制裁先が対欧・対中・対露・対トルコ・対イランといった欧州自身やその取引先が多いためでしょう。 - 22:15 9月集計分 米国設備稼働率・鉱工業生産・製造業生産
不思議なことに、本指標は同月集計の耐久財受注の良し悪しとの相関が高いという特徴があります。両指標は前月結果より当月結果が良いか悪いかが、過去70%程度一致しています。
不思議だと言うのは、受注が良ければ、それから2・3か月後の稼働率が高まるのなら納得しやすいのです。ところが、事実は同月集計の受注と設備稼働率の一致率が高いのです。この現象は合理的に説明できないので、ここ数年間だけが偶然そうなっているだけかも知れません。
10月17日(水)
- 17:30 9月集計分 英国物価統計
指標発表後の反応方向は、CPI前月比>CPI前年比、の順に、市場予想との差異の大きさと方向の影響を受けます。RPIやPPIは、CPIが市場予想通りだったときしか反応方向に影響しません。
10月18日(木)EU首脳会議最終日
- 03:00 9月25・26日FOMC分議事要旨
- 09:30 9月集計分 豪州雇用統計
直前1分足が10pipsを超えて跳ねたことが多く、直後1分足は逆ヒゲを形成したことが多い指標です。指標発表直前直後は危ない指標です。
また今回は翌日に7-9月期中国GDP発表が控えています。前週に発表された中国貿易収支は、対米黒字が駆け込み輸出で過去最高でした。本指標発表前後からAUDの動きは難しくなるでしょう。 - 17:30 9月集計分 英国小売売上高
指標発表前から大きく動く傾向があります。過去に、直前10-1分足では38%、直前1分足では24%の頻度で、それぞれ20pips以上・10pips以上の跳ねが生じています。この大きな跳ねが起きても、直前10-1分足や直前1分足の方向は、直後1分足の方向と相関が高くありません。慌てて釣られないようにしましょう。 - 21:30 10月集計分 Phil連銀製造業景気指数
先に発表されているNY連銀製造業景気指数とは、指標結果の良し悪しに相関がありません。有名な指標の割に反応は以前から小さく、特に最近はその傾向が強まっています。
10月19日(金)
- 08:30 9月集計分日本CPI
- 11:00 7-9月期中国GDP
- 23:00 9月集計分 米国中古住宅販売件数
本指標は、2017年6月以降ほとんど反応しない指標と化しています。新築住宅販売件数は、本指標よりも増減が1〜2か月先行すると言われていますが、少なくともここ数年はそんなことは起きていません。前週のハリケーン被害への影響は、まだ今回(9月集計分)に反映されません。
以上