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FX手法研究会のApajiです。     そして写真はM君です。さんの画像
FX手法研究会のApajiです。     そして写真はM君です。
何でも食べるな!
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イエティはいるのか
このブログの内容です
「お通」を見送る顔
内容の補足です
モストアンラッキー
先に謝っておきます
孤独な英国人は減ったのか
但書きです



1. FXは上達するのか

小さなコツをいくつか覚えたって駄目です。勝てない原因をきちんと突き止めてからやり直しましょう。FXを楽しむためには「投資期間」が必要です。すぐに始めたって勝てないことは、FXに限らず、何事であれ同じなのです。だからこそ、その期間を短縮するための「方法論」が大切なのです。

1-1. FXを楽しむために
アマチュアらしく…
1-2. いつか負けないはずがない!
上手くなるまでは短期取引です
1-3. 難しさの正体って何だ
利確と損切の理解は大切です
1-4. FXは上達するのか
取引機会を絞り込むべきです
1-5. 数字で掴もう
その機会にどう臨むかです
2. 経済指標の楽しみ方

このブログで扱う取引の理想は、経済指標発表前後の反応を着実に刈り取り、ポジション保有時間を最短化してリスクを避けることです。でも、効率良く取引するにはそれなりに予備知識が必要です。大した話は紹介できませんが、基本だけは押さえておきましょう。

2-1. 大きなゾウの隠れ方
指標取引のための予備知識です
2-2. ウソは嫌いだ!
短期取引をやるときの指針です
2-3. イグアナを見分ける前に
このブログの指標取引での成績です
 2-4. 小ズルくいきましょう
いわばジンクスで勝つ方法です

3. 指標取引分析手法

このブログでは経済指標への調査・分析を定型書式で行っています。定型書式を用いることで、反省を踏まえてやり方を進歩させたり、相場環境が変わったことを見つけやすくするため、です。

3-1. 指標取引の予備知識
指標発表前後の他の時間と違い
3-2. ローソク足各部の名称
全幅・値幅・跳幅とは?
3-3. 4本足チャート
このブログで使うチャート表記
3-4. 反応方向の予備知識
指標分類と反応方向の基本
3-5. 取引通貨ペアの選択
通貨ペアによる有利不利
3-6. 指標分析の方法
定量指標分析とは?
3-7. 反応分析の方法
定量反応分析とは?
3-8. 分析の成績
事前分析的中率
3-9. ブレイク対応準備
ついでに…
4. 経済指標DB

経済指標発表前後の短時間に分析期間を絞ることによって、指標への反応に一定の再現性(傾向)があることはわかりました。各国「政策決定指標」・「経済実態指標」の項に、主要な指標についての分析結果と分析事例を纏めてあります。

4-0. 各国経済・通貨の特徴
4-1. 日本経済
4-1-1. 政策決定指標
(a) 日銀短観
(b1) 東京都区部CPI
(b2) 全国CPI
4-1-2. 経済実態指標
(c) GDP一次速報
(d) 機械受注
(e1) 通関貿易統計
(e2) 国際収支
4-2. 米国経済
4-2-1. 政策決定指標
(a) FOMC
(b1) UM消信指数速報
(b2) CB消信指数
(b3) ISM非製景指数
(c1) NY連銀製景指数
(c2) Phil連銀製景指数
(c3) ISM製景指数
(d1) 輸出・入物価指数
(d2) 生産者物価指数
(d3) 消費者物価指数
(d4) PCEコアデフレータ
(e1) ADP雇用統計
(e2) 雇用統計
4-2-2. 経済実態指標
(a1) GDP速報値
(a2) GDP改定値
(a3) GDP確定値
(b1) 小売売上高
(b2) 個人消費・所得
(c1) 鉱工業生産
(c2) 耐久財受注
(d1) 中古住宅販売件数
(d2) 新築住宅販売件数
4-2-3. 収支関連指標
(a) 貿易収支
4-3. 欧州経済
4-3-1. 政策決定指標
(a) ECB金融政策
(c1) ZEW企業景況感調査
(c2) 独国Ifo企業景況指数
(c3) 独国PMI速報値
(c4) 欧州PMI速報値
(d) 欧州HICP速報値
4-3-2. 経済実態指標
(a1) 独国GDP速報値
(b) 独国貿易統計
(c1) 独国製造業新規受注
(c2) 独国鉱工業生産
4-4. 英国経済
4-4-0. 英国経済指標反応要点
4-4-1. 政策決定指標
(a) BOE金融政策
(c1) PMI速報値
(c2) 製造業PMI改定値
(c3) サービス業PMI改定値
(d) 物価統計
(e) 雇用統計
4-4-2. 経済実態指標
(a1) 月次GDP
(a2) 四半期GDP速報値
(b) 小売売上高指数
(c) 鉱工業生産指数
(d) 貿易収支
4-5. 豪州・NZ経済
4-5-1. 政策決定指標
(a) RBA金融政策
(b) RBNZ金融政策
(c1) NAB企業景況感指数
(c2) WP消費者信頼感指数
(d1) 四半期住宅価格指数
(d2) 四半期生産者物価指数
(d3) 四半期消費者物価指数
(e1) 賃金指数
(e2) ANZ求人広告件数
(e3) 雇用統計
4-5-2. 経済実態指標
(a) 四半期GDP
(b) 貿易収支
(c) 小売売上高
(d1) 住宅ローン件数
(d2) 建設許可件数

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2018年10月23日

3-2. 指標間一致性分析



【3-2-1. 同期分析による勝率向上効果】

同じ国の同じ種類同士の経済指標は、中長期的な上昇基調/下降基調が一致しがちです。けれども、それら指標間の単月毎の改善/悪化は必ずしも一致しません。毎月の経済指標発表時の取引では、単月毎の改善/悪化が一致しないと、ポジション方向の参考にはなりません。

例えば、米国製造業景気指標のNY連銀製造業景気指数(以下「NY連銀指数」と略記)とPhil連銀製造業景気指数(以下「Phil連銀指数」と略記」とISM製造業景況指数(以下「ISM指数」と略記)とは、上昇基調/下降基調が一致していても不思議ではありません。
ところが実際は、これら3指標の増減方向はあまり一致率が高くありません。

1805米国PHIL240.png

※ 各指標の2015年1月集計分〜2018年5月集計分の実態差異判別式の解の符号の方向一致回数を調査

このことを知っていれば、先に発表されたNY連銀指数が改善したことを根拠に、Phil連銀指数発表時にロングをオーダーすることが無くなります。両指標の単月毎の改善/悪化は関係ありません。Phil連銀指数発表時に取引するには、別の根拠が必要だということがわかります。

一方、NY連銀指数とPhil連銀指数の改善/悪化が一致した集計月のISM指数は、過去70%がそれらと改善/悪化が同じになっていました。そして、ISM指数が前回より改善したとき直後11分足が陽線で、悪化したとき陰線で反応したことは、過去73%に達しています。こうした事例は、上表から発生頻度49%です。ざっくり年6回の取引機会に勝率73%なら4勝2敗以上となり、ISM指数の直後11分足値幅平均値13pipsから、年26pips以上の収益が期待できる訳です。
※ 2015年1月集計分〜2018年8月集計分の44回の調査結果に基づく

取引方針(分析視点)は、

  • 実態差異と直後1分足や直後11分足の方向一致率が高い指標を狙うこと
  • 先行指標は狙う指標と実態差異方向一致率が高いか同不一致率が高い指標同士を選ぶこと
  • 狙う指標が「市場予想後追い型」ならば市場予想を超えて、指標間一致性分析の示す方向になる確率が一層高まること

ということになります。

【3-2-2:時差分析による先行性寄与度の判断効果】

そもそも景気指標というのは、購買担当者の部材手配状況の増減や、消費者の現在と将来の購買意欲を調べて、先々の実態指標の改善/悪化を予測するためのものです。調査は多岐に亘り、受注・売上(生産)・価格・納期・在庫・雇用等について、それぞれ現在(事実)と将来(予測)を調査しています。
一方、実態指標もまた、受注・売上(生産)・価格・納期・在庫・雇用等について、それぞれ現在(事実)だけでなく、売上(生産)は過去の受注・在庫が影響します。
つまり、景気指標と実態指標は、互いに重複した時期のある項目も含めて総合値が算出されています。

だからもし、景気指標の受注と実態指標の売上(生産)の項目同士を比べるなら、きっと景気指標には先行性があるのでしょう。
けれども、重複した時期もある総合値同士を比べるのでは、景気指標の実態指標に対する先行性は弱まって当然です。更に言えば、景気拡大局面との経営判断があるとき在庫回転月数が1・2か月あるなら、受注急増には短納期(当月)対応することで、値引きをせずに済まそうとするのが営業部門(の幹部)です。このとき、景気指標と実態指標の総合値は、ほぼ同期してしまいます。
このように総合値同士を比べる限り、必ずしも景気指標が実態指標に先行するとは言えません。

例えば、英国サービス業PMIの改善/悪化は、英国小売売上高指数との相関が期待されます。ところが、下図をご覧ください。

1809英国サービス業PMI261.png

※ 両指標の2015年1月集計分〜2018年8月集計分の実態差異判別式の解の符号の方向一致回数を調査

横軸は「小売売上高指数がサービス業PMIよりも〇か月先行/遅行」と読みます。縦軸は、両指標の実態差異方向一致率です。

両指標の同月集計分は37%の方向一致率があり、前後に月ズレしたときに比べて一致率が低くなっています。けれども、両指標の実態差異方向一致率が高くなるなら説明がつくものの、低くなるのでは説明がつきません。景気が良いとき売上が悪く、景気が悪いとき売上が増えるという内容では、とても当月のFX取引の参考にできません。
どちらかと言えば、サービス業PMIは小売売上高指数よりも先行しているなら納得できます。けれども、小売売上高指数より1か月前のサービス業PMIは方向一致率52%で、1か月後のサービス業PMIは55%です。
つまり、両指標間には、先行性/同期性/遅行性の関係がないか、あっても取引に有益な情報が抽出できないということです。

取引方針(分析視点)は、

  • 原理的に相関が高そうな指標同士であっても、多くの指標発表結果速報で我々が目にするのは総合値だけで、総合値同士では先行性/同期性/遅行性がない場合が多いこと(それを知らないと、指標発表前の解説記事・予想記事の間違った論拠に基づくポジションをオーダーしてしまいかねないこと)
  • 先行性や遅行性がある指標同士は、同期性がある指標同士に比べて方向一致率が低いこと(時差がある間に、別の要因が両指標の相関を薄めてしまうため、と推察)
  • よって、時差分析が寄与するのは、どちらかと言えばポジションを積極的に持つことよりも、分析結果と反対方向にポジションを持つことを思い止まること

ということになります。
以上

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