英国現状を整理しておきましょう。
政府は、これまで国益に反すると非公開にしていた離脱に関する法的助言を、議会の可決で公表せざるを得なくなりました。11日の首相離脱案が否決された場合、離脱プロセスでの議会権限強化を図る修正案も可決されました。英政権は明らかに弱体化しています。
そこに追い打ちをかけるように、昨日17時過ぎに、EU司法裁判所の法務官が「英国はいつでも離脱を撤回できる」旨の勧告を裁判所に行いました。勧告であって拘束力はないものの、裁判所は過去にこうした勧告に従っています。
何やら、首相辞任→再国民投票→離脱中止、のシナリオが実現性を帯び始めました。英首相にとっては最悪のタイミングでの勧告だったでしょう。もしこの法務官が何も政治的意図を持っていないとしたら、極めつきの専門家だったのでしょう。
ともあれ、11日の首相離脱案を否決しても、これで英国のEU残留の芽が残りました。離脱派も残留派も首相案を承認する必要がなくなって、「混乱さえ許容すれば」急がずに政治信条を追求できるようになりました。
極めつきの専門家の勧告は、それが報道されて約1時間のGBP買を催し、その後はやはりそれ以前のGBP水準より売られました。このGBPの動きは、最初がサプライズでその後が当面の混乱への予感、と解釈できますよね。
本夕もGBPは注意が必要で、チャートを見ていないときにGBPを持つのは避けた方が良いでしょう。
09:30 7-9月期集計分 豪州GDP
10:45 11月集計分中国サービス業PMI
18:30 11月集計分 英国サービス業PMI
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豪州GDP
市場予想(前回結果)
・前期比+0.6%(+0.9%)
・前年比+3.3%(+3.4%)
事前差異判別式の解は△0.4です。市場予想は発表前に再確認しておきましょう。
過去反応平均順跳幅/値幅pips(2018年平均pips)
・直前10-1分足7/4(5/4)
・直後1分足34/26(24/19)
・直後11分足40/32(28/21)
過去傾向に基づく取引方針
・直前10-1分足は、事前差異がプラスのときにロングをオーダーする方が良いでしょう。現時点では、事後差異はマイナスとなっています。
・直前1分足は、陽線側に跳ねたのを確認してから、逆張りでショートをオーダーします。陰線側に戻るのは指標発表直前になることが多い、と推察されるため、ポジション取得と解消のタイミングをミスらないように気を付けましょう。
・指標発表後は、上下動のタイミングをうまく捉えるしか勝ちようがありません。過去の反転率の低さ(頻度9%)や、事後差異との方向一致率の高さ(95%)を踏まえると、方向は事後差異と同じで、直後1分足がまだ17pips以下のときに追撃を始めないとケガの元です。
・再追撃は、指標発表から1分を過ぎてから、直後1分足終値よりも戻したときだけ追撃し、同終値を超えたら利確を繰り返す、という方法が良いでしょう。
※ 10:45には中国サービス業PMIの発表が予定されています。追撃はほどほどにしておきましょう。
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英国サービス業PMI
市場予想(前回結果)
・PMI 52.5(52.2)
事前差異判別式の解は+0.3です。市場予想は発表前に再確認しておきましょう。
過去反応平均順跳幅/値幅pips(2018年平均pips)
・直前10-1分足10/7(9/7)
・直後1分足21/15(16/13)
・直後11分足29/19(22/15)
2018年に入って発表後の反応が小さくなっています。
過去傾向に基づく取引方針
・直前1分足はショートで利確4pipsを狙います。そして、直前1分足が陽線側に5pips以上になったら、逆張りでショートをナンピンし、始値に戻したら利確です。この期間の損切は10pipsか発表5秒前です。
・EURGBP月足値幅が100pips以上だった2か月後の集計月発表では、発表直前にGBP安ならロング、GBP高ならショートします。指標発表直後の跳ねで利確/損切です。残念ながら、今回11月集計分の2か月前9月は69pipsのGBP高でした。
・それとは別に、直前1分足跳幅が10pips以上だったときは、発表直前に直前1分足値幅方向と逆にポジションをオーダーです。直前1分足値幅方向なので終値がつく数秒前の見切りが必要になります。
・追撃は、指標発表後に反応方向を確認したら、早期開始・早期決済します。
以上
以下は12月5日19時頃に追記しています。
【事後検証】
豪州GDP
指標結果は悪化で、反応は直後11分足跳幅が2016年7-9月期以来の50pips超の陰線でした。
指標結果について、賃金の伸び悩みが個人消費支出が伸び悩んだ結果、との報道解説がありました。前期比の+0.3%は低い数字ですが、前年比+2.8%はそれほど悪い数字でもありません。
憶測ながら、昨日、RBA声明で「緩やかな成長が続く」という今後の見通しに対するサプライズが大きな陰線を形成した、と考えられます。
前提不成立だった直前10-1分足以外の判定は、全て「〇」にしたい気もしますが、甘く採点しても仕方ありません。
直前1分足は「陽線側に跳ねたらショート」ですが、陽線側に跳ねることなく陰線側に反応を伸ばしました。その時点でわかっていることなら前提不成立ですが、陽線側に跳ねるか否かを同時的に待つことになっていたら取引できなかったので、判定は「取引不可」としておきます。
追撃や再追撃の判定も同様です。
指標発表直後にどーんと陰線側に跳ねて、とても17pips以下で追撃ポジションが取れるタイミングはなかったでしょう。また指標発表から1分経過以降に直後1分足値幅を削ったのは、発表から1分から1分20秒ぐらいの20秒弱しかありませんでした。この20秒弱以外に、再追撃を行う方向は示していませんでした。
よって、追撃・再追撃も「取引不可」を結論とします。
今回は、勝てた取引を逃した気がする発表でした。
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英国サービス業PMI
指標結果は悪化したものの、反応は20秒余り陰線側に跳ねて、その後は陽線側に転じました。
取引結果と過去成績表を以下に纏めておきます。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
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ーーー注記ーーー
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注記以上
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