「?T.調査」「?U.分析」は事前投稿です。「?V.結果」「?W.検証」の投稿日時は?Vのタイトル行付近に記載しています。
本指標のポイントは次の通りです。
- RBAは、年率2〜3%のインフレ目標を設定しています。直近のCPIとRBA金融政策理事会議事録に基づくと思われる今回の市場予想は「現状維持」となっています。
- 2015年1月以降で市場予想・発表結果がともに「現状維持」だったことは20回あります。この20回の直後1分足・直後11分足の陽線率はそれぞれ80%・89%と、かなり高い確率で陽線となっています。また、発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は29pipsです。そして、この平均値を超えて反応したことは20回中9回(45%)でした。
?T.調査
【1. 指標概要】
RBAとはオーストラリア準備銀行(Reserve Bank Of Australia)のことで、日本の日銀に相当します。RBAの金融政策は、金融政策決定理事会で決定されます。金融政策決定理事会は近年1月を除き毎月第1火曜日に実施されます。
金融政策は、物価を適正水準に保つため中央銀行が行う経済政策です。政策には金融緩和か金融引締という施策があって、政策金利もそのひとつと言えます。
現在、主要先進国で為替レートを適正水準に保とうとする行為は、それがその国の通貨を安くする場合に表向き否定されがちです。がしかし、現実問題として金利が動けば、金利差が広がったときに資金は金利の高い方へと移動します。そして、政策金利を動かした国の通貨の為替レートは動くものです。
本指標について既に公開されている情報を整理します。以下の調査・分析は2015年1月以降先月発表結果までの23回分のデータに基づいています。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は37pipsとなっています。がしかし、過去の反応を調べると平均値を超えて反応したことは23回中7回(30%)しかありません。
調査期間中、直後1分足跳幅が最大となったときは131pipsでした(2016年5月)。このときRBAは市場予想「現状維持」に対し「0.25%の利下げ」を発表しています。
今回と同様に「現状維持」と予想され、実際の結果も「現状維持」だったことは、2015年1月以降20回あります。この20回について調べてみると、下表のようになりました。
発表結果に対し最も素直に反応する直後1分足跳幅の平均値は29pipsです。そして、この平均値を超えて反応したことは20回中9回(45%)でした。
そして、下表をご覧ください。
市場予想・発表結果ともに「現状維持」だったとき、直後1分足・直後11分足の陽線率がそれぞれ80%・89%と、かなり高い確率で陽線となっています。
(2-1. 過去情報)
本指標の過去の動きを下図に示します。
2016年8月以降、RBAの政策金利は1.5%となっています。そして市場では今回「現状維持」と予想されています。
RBAは、年率2〜3%のインフレ目標を設定しています。
2017年1月25日に発表された2016年10-12月四半期CPIは1.5%で、その前の7-9月四半期CPI1.3%よりも改善しています。つまり、インフレ目標には達していないので、利上げ局面ではありません。また、目標の2〜3%に向かって改善中ですので、更なる利下げが必要とも思えません。
そして、2016年12月20日に公表された前回RBA金融政策理事会議事録には「最新のデータを考慮すると、成長やインフレのために政策を維持することが正しいと判断」という一節があります。
そのため今回の市場予想は「現状維持」となっているのでしょう。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足を下図に示します。
直前1分足は過去23回中2回が同値で、残る21回中15回(71%)が陰線となっています。
直後1分足が陽線だった確率は過去23回で74%です。但し、前述の通り、市場予想・発表結果ともに「現状維持」だったときの陽線率は80%です。
直後11分足が陽線だった確率は82%です。但し、前述の通り、市場予想・発表結果ともに「現状維持」だったときの陽線率は89%です。
直後1分足と直後11分足の方向一致率は全23回で82%となっています。そして、それら方向が一致したときに、直後11分足終値が直後1分足終値よりも伸びたことは61%となっています。
(2-3. 関連指標)
2016年12月20日に、前回RBA金融政策理事会議事録が公表されています。公表された議事要点は「豪ドル高が経済の均衡を複雑化する可能性がある」「最近の豪ドルは対米ドルで下落した」「住宅市場の全体的な状況は強くなっている」「労働市場の勢いには引き続き多大な不確実性がある」「最新のデータを考慮すると、成長やインフレのために政策を維持することが正しいと判断」「国際環境は過去数カ月に一段と前向きに」「データは第3四半期のGDP成長が予想より弱くなると示唆」というものでした。
?U. 分析
解釈・コメントは「?T. 調査」の該当箇所に記載済のため、以下は分析結果のみを示します。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
指標一致性分析では、事前差異と事後差異の方向に偏りがないかを調べています。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
?V. 結果
2017.2/7.12:30発表
2017年2月7日14:30追記
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
指標発表前の動きを10分足で見てみると、09:40足で85.24の安値をつけ、11:50足で85.6の高値をつけています。その後、もみ合いとなって12:20足始値が85.52で、上の4本足チャートへと続いています。
反応は直後1分足で陰線となったものの、直後11分足は陽線となりました。その後、12:40足で85.89の高値まで一気に陽線側に反応しています。なお、この時間帯に85.98付近には4時間足の転換線が位置していました。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
シナリオ1・2は、ついうかっりポジションを取り損ねてしまいました。発表直後のシナリオ3で気づいてポジションが取れましたが、シナリオ1・2は取引を逃して惜しいことをしました。
シナリオ4は、直後1分足が陰線だったものの、陰線から陽線への転換中だったため、その時点でまた陰線に戻るという風には見えませんでした。そのため、ポジション取得を断念しました。
?W. 検証
【8. 調査分析検証】
直前1分足が陰線、直後11分足が陽線、という点は分析通りでした。一方、直後1分足が陽線、直後1分足と直後11分足の方向一致、は分析が外れました。
解釈が難しいところです。
今回のポイントは、直後1分足が陰線になってしまったという点にあります。これが陽線ならば全て分析通りということになります。前後の流れや発表結果から言って妙な動きでしたが、言い訳は止めておきましょう。
【9. シナリオ検証】
問題はありません。
以上
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以上
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