【4-5-1. AUDの特徴】
一方、これら議事録・声明は、1月16日に発表されたIMFの世界経済見通しを意識していた可能性があります。IMFの見通しでは、2017年の豪成長率は2016年を0.3ポイント下回るとなっていました。それでも2.7%の成長ですから、先進国で最も高い成長率が見込まれていることになります。
当然「現在の前提が続く限り」という条件が付くにせよ、RBAもIMFも中国の2017年経済成長が2016年よりも小さくなることを折り込んでの話です。
株価は、2015年こそ下げが目立ったものの、2016年にはまた右上がりに戻りました。
中長期的には、中国リスクと米豪金利差縮小を除き、AUDを悪く言った話を知りません。
直近の問題もまた、中国リスクと米豪金利差縮小です。
前者は漠然とした不安を持つ以外に何もできませんが、後者ははっきりしています。2017年の複数回の米利上げでAUDUSDが売られる(チャート↓)一方で、USDJPYも米利上げ後のセオリー通りに売られてしまうと、AUDJPYは一気に下げるので注意が必要です。
がしかし、USDJPYは3月利上げが行われても、近々に次の利上げがあるとなれば、上昇の可能性もある訳です。その場合にAUDJPYは、日本時間で買われて欧米時間に下げるばたばたを繰り返す時期が続く可能性があります。
日足よりも4時間足で動きを見ておきたいと思います。
【4-5-2. 現状チャート】
12月23日週安値と2月3日週安値と先週安値を結んだサポート上を推移する上昇トレンド中です。但し、日足チャートで見る限り、2月9日頃からペナントを形成しているように見受けられます。
先週終値はちょうど21日移動平均線に頭が当たった状態です。ペナントの上端でもあるので、次週月曜は陰線の順番となります。2月28日・29日・3月9日の安値を結んだサポートが85.9付近にあって、この値は一目均衡表の雲上端でもあります。このまま推移すると、5日後には遅行線が実体に当たってしまいます。
先行き示唆に乏しいチャート状態です。
【4-5-3. 現状テクニカル】
週レベルではほとんど動いていません。
RSIが正転換したりATRがマイナスとなったり、ジグザグな動きが現れています。こういう場合、テクニカル指標は役に立ちません。
【4-5-4. 現状ファンダメンタル】
株価上昇率が一定のまま金利差が広がっているものの、レートの変化がほとんどありません。
【4-5-5. 今週経済指標】
3月16日09:30に豪雇用統計が発表されます。
全体的に雇用情勢は良く、今回の新規雇用者数予想も前回より増加と予想されています。過去平均から言えばかなり大きく反応する指標ですが、前日未明にFOMCのため取引するかどうか迷っています。
きっと眠いし、発表時刻も仕事中だし、過去の分析に基づく傾向が当てはまるか疑わしいタイミングだし(そもそも上記のようにテクニカルもファンダメンタルも使えてないし)。
【4-5-6. 指標分析一覧】
A. 政策決定指標
A1. 金融政策
(1) RBA政策金利 (2017年3月7日発表結果検証済)
(2) RBA金融政策理事会議事録 (2017年2月21日09:30発表結果検証済)
A4. 物価指標
(1) 四半期消費者物価指数
(2) 四半期生産者物価指数
A5. 雇用指標
(1) 雇用統計
B. 経済情勢指標
B1. 経済成長
豪州経済自体は堅実に成長が続くと見込んでいます。がしかし、AUDJPYの反応はまだ暫く中国経済の見通しに影響を受けると思われます。
(1) 四半期GDP (2017年3月1日発表結果検証済)
B3. 実態指標
豪州は先進国で最も今後の人口増が期待される国です。人口増は消費指標や小売指標に対し長期的改善をもたらします。
B31. 消費
(1) 小売売上高 (2017年3月6日発表結果検証済)
以上
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