【1. 先週備忘】
週足でなく日足かと思うぐらい動かない週でした。米国雇用統計の発表された週の全幅としては、ちょっと記憶にないほど小さな全幅でした。
ーーー$€¥£A$ーーー
6日、米国で340億USD相当の中国製品に25%の制裁関税が課されました。直ちに中国は報復関税を発動し、双方ともに更に追加関税の対象範囲を拡大する旨を言明しています。事の是非や経緯については、ここでは扱いません。ただ、米国の利上げに匹敵する(ような気がする)ほど世界経済への影響が大きい割に、為替への影響が小さかった気がします。
なぜでしょう。
- 米朝会談に至る序盤がそうであったように、ブラフの応酬がまだ続くと見なされており、既にプロたちは売買ポジションを中立化して備えており、現在は規模の小さなアマチュアしか取引していない
- この騒ぎの終り方のイメージがまだ定まっていないため、既にプロたちは…(以下同文)
- ただ単に、米中対立があっても米欧対立があっても、貿易戦争に留まる限り、それほど影響が大きくないと見込まれている
どれでしょう。あるいは、どれでもないのでしょうか。
ともあれ、まだUSDJPYに関する限り、まだリスク回避的な目立った動きが見られません。何だかオオカミ少年みたいで、おまけに手前みそですが、こんなときは経済指標発表直後にちゃちゃっと稼ぐしかありません。
ーーー$€¥£A$ーーー
あまり目立つニュースにはならなかったようですが、5日、BOE総裁は8月利上げを決める可能性を示唆したそうです。EUとの離脱交渉期限は9月とされており、その期限が迫るにつれGBP安(物価高)が懸念されており、先行対策を講じるということでしょうか。
そして翌6日、英首相はEU離脱方針に関する閣内合意を取り付けたそうです。
この内容がよくわかりません。「EUとは共通ルールに基づく自由貿易圏を創設し、企業に優しい関税モデルを新たに整備すること」という方針は、今さら何を言うとるんじゃと思った企業も多いでしょう。
ともあれ、米大統領の訪英が13日に予定されています。米英は、ともにEUに色々と妥協を迫りたいという思惑が一致している上、ともに産油国で貿易赤字国で移民問題を抱えています。
変な合意や共同声明があっても構いませんが、それがあるとすれば週末になりそうなので、日本の3連休前にGBPが動くかも知れません。
ーーー$€¥£A$ーーー
3日のRBA金融政策は、市場予想通り現状維持でした。以前とは違って、もうほとんどAUDJPYは反応していません。
RBA総裁は「世界経済見通しの不透明要因のひとつは、米国貿易政策に起因する」と述べ、そんなことならワシでも言えると思ったAUDファンは多かったことでしょう。
6日、FOMC議事要旨(6月12-13日分)は、利上げ方針堅持という解釈によって市場の年4回の利上げ観測(年内あと2回)が再確認されました。
もっとも、議事録ましてやその要旨が会議の実態を表しているとは限りません。
例えば、FOMC議事録には、ある理事が「世界中がのけぞるぐらい利上げをしたろうか」と言ったという話は載っていません。だから、そんな話をした理事が居たのか居なかったのか、そんなことはわかりません。
「イールドカーブがフラット化し始めた以上、いずれ景気が悪化に転じるだろう。景気の良い今のうちに利上げを急いでおかないと、前の資産購入分を減らし始めたばかりだから、次は前みたいにFRBの資産規模を増やす訳にはいかないのだ。だから、利上げを急ぐ必要がある」
「誰に言うとるんじゃ。判り切ったことを言うな、ドあほ」
「あんたはテイノーだから、わからないかもしれないと思ってただけだよ」
「なっ、なんだとぉ」
そんな議事だったかも知れません。
【2. 今週予習】
そんなわけで、あまり予習なんかしても意味がありません。
【3. 経済指標】
今週の主要経済指標の発表予定を示します。太字は過去の指標発表直後の反応分析にリンクしています。
7月9日(月)
08:50 5月集計分日本貿易収支
7月10日(火)
17:30 5月集計分 英国鉱工業生産指数・製造業生産指数
18:00 7月集計分独国ZEW景況指数
7月11日(水)
21:30 6月集計分 米国生産者物価指数
7月12日(木)
21:30 6月集計分 米国消費者物価指数
7月13日(金)
21:30 6月集計分 米国輸入物価指数
23:00 7月集計分 米国UM消費者信頼感指数速報値
以上
ーーー注記ーーー
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。詳細は 「1. FXは上達するのか」 もしくは 孤独な英国人は減ったのか を参照願います。
以上