市場予想は、29日時点で
前年比+2.1%(前回改定値+2.1%)
コア前年比+1.1%(前回改定値+1.1%)
となっていました。直前にもう一度確認しておく必要があります。
事前差異判別式の解は0です。
この指標発表前後の反応には珍しいクセが3つあります。
市場予想の精度が高く、反応が短時間で小さく、発表結果の市場予想に対する良し悪しに55%しか素直に反応していません。
反応があまり素直でない指標は、プロ固有の解釈や市場の雰囲気に左右されている可能性があります。そういったことは、我々にはわかりません。また、市場予想がレートに織り込まれる時期が早いという可能性もあります。織り込みが始まる時期が早いと、それに便乗しようとしても他の要因との区別がつきません。
我々アマチュアの取引にあまり向いていない指標だということです。
そして、指標発表前10分間は、市場予想が前回改定値より改善していれば陰線、悪化していれば陽線で反応しがちです。逆ではありません。
この現象も、本指標の市場予想の良し悪しがレートに織り込まれる時期が早いことを示唆しています。指標発表時刻が迫って、事実が確定する前にポジションを解消しているのでしょう。新たにポジションを持つのなら、市場予想の良し悪しと逆に動きがちなことを説明できません。
また、直前10-1分足が15pips以上跳ねたことは、過去5回あります(頻度12%)。発生頻度は低いものの、その5回のうち4回が、直前10-1分足と直後1分足の方向が一致しています(一致率80%)。けれども、注意が必要です。その4回のうち3回の直後1分足は10pips以上の逆ヒゲがあります。
直前10-1分足が大きく跳ねたときは、慌てて追いかけてはいけないのです。直前10-1分足が15pips以上跳ねたら、それと逆方向に10pips戻したのを確認してから逆張りし、直前10-1分足と同じ方向に追撃を開始しましょう。これなら負けても、損切が10pips小さくできます。
詳細分析に興味があれば、 こちら を事前に一読頂ければ幸いです。
以上
【事後検証】
以下は8月31日21:30頃に追記しています
分析検証です。
HICP・コアHICPとも前回・予想を下回りました。
この結果について、ここ数か月のHICP上昇が一時的現象とするECBの見解が裏付けられた、と解説している記事も見受けられるものの、それはどうかと思います。前回改定値結果を僅か0.1%下回っただけで、まだ物価上昇が反転したとは言えません。
ちなみに、1年前8月のEURUSD全幅は1.17〜1.21です。現時点における今8月のEURUSD全幅は1.13〜1.17です。
反応があきれるほど小さかったことはさておき、直後1分足・直後11分足は小さな陰線で、ともに上下にヒゲを残しました。
なお、本指標速報値の次回発表は9月28日です。
本指標での取引は行いませんでした。金曜日の18時なんて、早く帰りたくて忙しいので、普通は取引なんて無理です。
以上
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