東京2020オリンピック女子ロードレース


例によってネット中継(日本語解説なし)だけでしたが、驚くべきレースでした。
管理人は自宅で自転車のパンク修理などをしながらぼんやり見ておりました。ゴールまで見て、なんとなく気になることがあったので、その後でツイッターなどを調べておりました。
それで、おそらく本当だと思われる情報を得ることが出来ました。わりと衝撃的です。

今回のレースは結論から言うと、アナ・キーゼンホーファーという無名のオーストリア選手が単独で逃げ切って金メダルを獲りました。
一般的に、ロードレースで「逃げ」が決まるのは「100回に1回」と言われています。
「逃げが決まる」というのは、集団から飛び出した選手がずっと先行して、そのまま後続に追いつかれることなくゴールすることです。文字で書くと普通のことですが、実際にやってみると、まず逃げ切れない。
理由は簡単で、人間の体力(資源と言っても可)には限りがあり、自転車で単独の高速走行すると空気抵抗で猛烈に体力を消耗するからです。ロードレースでは周りの選手との駆け引きも重要ですが、「空気抵抗」をいかに抑えるかがさらに重要な要素です。そのためにほかの選手を風よけに使い、それが「集団」を形成する理由となるのです。一人で最初から最後まで逃げ切れる選手など、普通はいません。
ただし、極めて特殊な条件下では「逃げ」が成功することもある、というのが今回のレースです。

ということで、今回の「逃げ」が決まった理由なんですが、どうやら「誰も気づいていなかった」らしい。
ファーストアタックで飛び出した時点でほかの選手は見ていたはずなんだけど、無名選手だったのでとりあえず「最初の逃げ」ならばと容認されてしまい、その後、レースのペースを作る役割だったオランダチームのコーチがそのことを忘れたのか、とくに追撃の指示もなく、ほぼ130km近くを一人旅したという歴史的快挙。
オランダ、ぼーっと生きてんじゃねーよ。オリンピックでは無線が使えないし、急造チームで連携もいまいちということもあると思うけど、すごいな。
無名選手が人生で1回だけ使える必殺技「ステルス逃げ」。

管理人が「おかしい」と思ったのはレースの後半で、先頭との差を縮める気配がないことや、第2集団を吸収した時点でやけに「集団」が落ち着いた感じになってしまい、なぜこのタイミングで全力を出して先頭のキーゼンホーファー選手を捕まえに行かないのか? 距離的にも時間的にもギリギリすぎるだろう、と感じたのです。違和感があるままレースは進行し、気が付いたらゴールしていました。
そうですか、皆さん忘れてたんですね。
そんなわけで、最後はキーゼンホーファー選手が一人でニコニコしてゴールし、その1分後に「金メダル貰った〜!」と言ってオランダの選手が飛び込んできたのですが、ゴールした後で「え、君は銀だよ」って言われて大ショックを受けるというドラマがあったわけです。
オリンピック、よもやよもやだな。
jyosiroadrace01.jpg
優勝したオーストリアのキーゼンホーファー選手
勝利の栄光を君に!
posted by ゆうすけ at 18:46 | TrackBack(0) | 自転車

2021年07月25日

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