この三部作は以下の通りです。
『悲しみのイレーヌ』
『その女アレックス』
『傷だらけのカミーユ』
『わが母なるロージー』
「三部作なのに4作ある」ということに気付いた人は流石です。
そうです。正確には3.5部作です。
最後の「わが母なるロージー」はおまけの中編で、三部作完結後に書かれました。作品内の時系列では「その女アレックス」と「傷だらけのカミーユ」の間のエピソードです。
「傷だらけのカミーユ」のあらすじはこんな感じ。
「 カミーユ警部の恋人・アンヌが二人組の強盗に殴られ瀕死の重傷を負った。警察からカミーユに電話がかかってくる。アンヌの携帯の連絡先のトップにあったのがカミーユの電話番号だったからだ。カミーユは病院に駆けつけ、アンヌとの関係を誰にも明かすことなく、事件を担当することにする。しかし強引なうえに秘密裏の捜査活動は上司たちから批判され、事件の担当を外されるどころか、刑事として失格の烙印さえ押されそうになる。カミーユはいったいどのようにして窮地を脱し、いかに犯罪者たちを追い詰めることができるのか。」
「わが母なるロージーのあらすじはこんな感じ。
「パリで爆破事件が発生した。直後、爆破犯は自分であると警察に出頭した青年ジャンは、爆弾はあと6つ仕掛けられていると告げ、金と無罪放免を要求する。右腕のルイとともに事件を担当することになったカミーユ・ヴェルーヴェン警部は、青年の真の狙いは他にあるとにらむが……。」
いずれも傑作だと思います。個人的にはカミーユ警部の右腕として活躍する富豪刑事のルイが素晴らしい。
マンガ「こち亀」の中川巡査みたいな人で、無駄に優秀すぎる。実務的にはほとんどの事件は彼が辣腕をふるうことで解決しています。カミーユ警部はウロウロしたり姿をくらましたりして、上司としては迷惑千万。その分相当ひどい目に遭っているので、まあ、許すかな。
管理人はそれほどミステリィ小説を読む人ではないのですが(そもそも読書をしない)ときどき発作的に読み始めます。だいたいは他のマンガなどで紹介されたり引用された本を探して読みます。だから流行から2周ぐらいズレていることが多い。このシリーズも、10年ぐらい前に流行ったんじゃないかな。
シリーズを継続して読んだ理由は、単に主人公の名前が気に入ったからです。
「カミーユ」って名前は、ガンダム好きな一派には特別な感情があると思います。
「機動戦士Zガンダム」の主人公がカミーユ・ビダンだから。
ガンダムの劇中では「女の名前」と言われてカミーユ君は激昂します。ただしフランスでは男女どちらにも付ける名前のようです。
「カミーユ警部」は50代の禿げた小男ですが、管理人の脳内ビューワにはずっとカミーユ・ビダンの姿で投影されていました。
だから小説内では言っていないはずの名セリフをときどき叫んでいたことになっています。
こういうやつね。
「カミーユが男の名前で何で悪いんだ! 俺は男だよ!」
「遊びでやってんじゃないんだよ!」
「修正してやる!!」
「何でそんな簡単に人を殺すんだよ! 死んでしまえ!」
「ここからいなくなれー!!」
読んだ人なら分かると思います。小説に書いてないだけで、たぶんカミーユ警部は言ってるはずです。
まちがいない。
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