主にハリウッドで活躍していて、オスカーを獲ったこともある一流の役者さんです。
ただ、ときどき謎な映画に出演したり、あまつさえ自分で製作に関わったりしています。
2020年に製作され、日本では2021年に公開された「ウィリーズ・ワンダーランド」もそのひとつ。
「ウィリーズ・ワンダーランド」
2020年製作/88分/R15+/アメリカ
監督 ケビン・ルイス
主演 ニコラス・ケイジ
2020年製作/88分/R15+/アメリカ
監督 ケビン・ルイス
主演 ニコラス・ケイジ
あらすじというか、内容はこんな感じ、かな?
「車が故障し、人里離れた町に取り残された男。通りかかった修理工に助けられるが修理代を払えず、支払いの代わりに、廃墟となったテーマパーク「ウィリーズ・ワンダーランド」の清掃員として一晩だけ働くことに。しかしパークには暗い過去があり、かつて子どもたちに大人気だった動物キャラクターのロボットたちは恐ろしい殺人鬼と化していた。園内に閉じ込められた男は、容赦なく襲い来るロボットたちと死闘を繰り広げる・・・」
・・・だいたい合っていますが、大筋で間違っています。
実際は「死闘を繰り広げ」たりしません。ニコラス・ケイジの圧勝です。びっくりするぐらいに。
ポスター画像を見る限りでは不気味なホラー映画みたいですが、ちょっと違う。
よく見ると、ニコラス・ケイジが妙なTシャツを着ているのがお分かりいただけると思います。
このTシャツが重要なアイテムで、じつは「ウィリーズ・ワンダーランド」のスタッフTシャツです。
彼はパーク内の清掃をする間、このクソダサTシャツをずっと着用しています。真面目というか律儀というか。
観れば分かるとおり、この映画はいわゆる「映画のお約束」を逆手に取った作品です。
ホラーやアクションものを見飽きた人にこそおススメしたい映画です。
なんというか、ニコラス・ケイジを見ているだけでニコニコしてしまう。
どんなに危機的状況でも、休憩時間になるとサクッと休憩室に戻って炭酸飲料をゴクゴク飲みながらピンボールをやります。ピンボールがだんだん上手くなっていくのが可笑しい。
ニコラス・ケイジ以外の出演者は、ホラー映画の法則に従って、次々と斃されていきます。園内は死体の山です。
でもニコラス・ケイジはブレない。そして無意味に強い。強すぎる。
この映画で最高のシーンは、なんといってもニコラス・ケイジがピンボールマシンで最高得点を叩き出して、拳を突き上げているところでしょう。そんなことやってる場合かっ。
結局、最後までニコラス・ケイジは一言も喋らず、きっちりと約束を果たして去って行きます。
そして観客は、あのクソダサTシャツが妙に欲しくなって、ネットで検索を始めるのです。