TVアニメも2024年1月から2期が放送されるので、もうなんも言うことないんですけど。
8巻の修学旅行編でふたりが告白してお付き合いが始まったわけですが、9巻の冒頭がその現実をなかなか受け入れられない京太郎のモノローグから始まります。
この種のラブコメだと、カップル成立がゴールになっているパターンが多いので、「お付き合い篇」をリアルに描いていくのは稀有かもしれない。
「成就した恋ほど語るに値しないものはない」という説を真っ向から打ち破る展開が始まる訳です。
並みの作家であれば、凡庸な「のろけ話」がダラダラ続くと思われますが、この作品を描いているのは「鬼才・桜井のりお」なので、まだまだ「ヤバイやつ」が出て来る模様です。
9巻をまだ読んでいない方のために、少しだけヤバイものをご紹介しておきます。
左の画像は猛勉強中の市川のスマホに送られてきた山田からの水着画像。
ツイッターでの「次回予告」の画像ですが、この予告画像で数万人の死者が出ました。
右の画像は、10巻から始まる「夏の合宿編」(通称:性の4日間)の始まりを告げる山田の画像です。
一見、普通の画像に見えますが、本編を読むと分かるとおり、山田がいろいろと狂っています。
9巻は、ふたりのお付き合いが始まり、市川が右往左往する様子が描かれていますが、じつはそれに隠れてもっと取り乱しているのが山田です。
山田のモノローグは非表示、というのがこのマンガのルールなのですが、表示アリにしたら、相当ヤバイことになっているのが9巻です。
「彼女」ポジションになったせいで、よけいに混乱している山田を読者はお楽しみいただければと思います。
なかでも、市川と微妙な距離にいる「萌子」への気持ちが複雑で大変です。
そのこじれた気持ちが右の画像に溢れていますので、眼玉のぐるぐるは「目は口ほどにモノを言う」を表しているとお考え下さい。
9巻のラストはふたりのガチンコのキスシーンですが、単行本の「あとがき」ページに描かれている「その夜の山田」のカットが最高に「桜井のりお」らしい。
お風呂から寝るまでの一連のカットが、どれも至高の領域に達している。
こういうヒロインを描ける作家が日本にいてくれて、本当にありがたいことです。
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