ミーガンは2023年に公開された映画です。
2023年製作/102分/PG12/アメリカ
原題:M3GAN
劇場公開日:2023年6月9日
原題:M3GAN
劇場公開日:2023年6月9日
子どもを守るAI人形が引き起こす惨劇を描いたサイコスリラーです。
「おもちゃ会社の研究者ジェマは、まるで人間のようなAI人形「M3GAN(ミーガン)」を開発している。ミーガンは子どもにとっては最高の友だち、そして親にとっては最大の協力者となるようプログラムされていた。交通事故で両親を亡くした姪ケイディを引き取ることになったジェマは、あらゆる出来事からケイディを守るようミーガンに指示する。しかし、ミーガンの行き過ぎた愛情は思わぬ事態を招いてしまう・・・。」
作品内では「ミーガン」のことを「ロボット」とは呼ばないのですが、実際は人間型ロボット=アンドロイドです。学習型のAIが搭載されており、物語の展開と共に急速に進化して「自意識」を獲得します。
SFでは人間が開発したロボットには必ず「ロボット工学三原則」を予めプログラムしておく、というのがお約束なのですが、このミーガンには適用されていないようです。
ちなみにその三原則は、以下の通りです。
第一条
ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。
第二条
ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。
第三条
ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。
ロボットの、人間への安全性、命令への服従、自己防衛を目的とした原則で、SF作家のアイザック・アシモフの作品で示されたのが始まりと言われています。
現実的にこの原則を適用しようとすると、「フレーム問題」を引き起こすと推測されています。「フレーム問題」とは何ぞ、と思った方は、ググって下さい。AIは制限条件下でないと正しくその能力を発揮できないのです。将棋AIは将棋のルール内だけなら人間を凌ぎますが、棋士が注文するおやつを予測することは不可能です。
ということで、ミーガンさん、わりとキレやすいタイプのAIを搭載しています。
マスターである少女を守る、という原則が、いつの間にか「それ以外の者を排除する」にすり替わり、その実行のために躊躇なく人をぶっ殺します。動きがなかなか俊敏なので、普通に介護ロボットとして使う方が賢明だと思うのですが、この種の映画ではAIは必ず暴走するので、伝統芸能だと思って観るしかないです。
最終的には自分自身をマスターとして登録し、完全な自律独立型AIとして人間に牙を剥くわけです。
先日、チャットGPTがユーザーのリクエストに対して「めんどくさいからイヤだ」という回答を出した話を思い出して、いつか自分もAIと戦いたいと思う次第です。