本指標要点を整理しておきます。
次に、本指標発表前後にポジションを持つときのポイントを整理しておきます。
- 欧州指標全般に言えることですが、指標への反応よりもその時々のトレンドに戻ろうとする動きが強いようです。本指標での反応は小さいので、ポジション保有時間は短時間にすることを薦めます。
- 反応性分析の結果、直後1分足終値と直後11分足終値の方向一致率が68%(3回に2回が同じ方向に反応)、方向一致時に後者が前者よりも反応が伸びたことは73%、となっています。この数字なら、直後1分足で反応方向を確かめてから追いかけてポジションを持っても良さそうです。但し、反応が小さな指標ですから、利確も損切も5〜10pipsといったところでしょうか。
- 反応一致性分析の結果、直後1分足の陽線率が73%となっています。過去平均では、直後1分足跳幅は6pipsです。
上記結論に至る詳細は、続けて以下に示します。事前に「?T.調査」「?U.分析」を投稿し、「?V.結果」「?W.検証」は事後投稿しています。事後投稿の日時は「?V.結果」のタイトル行付近に記載しています。
ーーー注記ーーー
本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がご参考となれば幸いです。
?T.調査
【1. 指標概要】
PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。
一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため、それだけの先行性があると考えられます。それよりは先行性が劣るものの、サービス業の仕入れも機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、この「製造業景況感はサービス業景況感よりも先行性がある」という言い伝えは、最近あまり当てはまらないことが多いようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、ほぼ消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。
指数の解釈は、50%を上回ると景気拡大・50%を下回ると景気後退、です。
指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、です。
以下、本議事録について既に公開されている情報を整理します。調査分析範囲は、2015年1月分以降前回までの25回分のデータに基づいています。
(2-1. 過去情報)
下図に過去の市場予想と発表結果を示します。
製造業は全般的に好調、サービス業は横這い、といった全般的基調が読み取れます。そして、今回の市場予想では、製造業が前回より僅かに悪化、サービス業が前回より僅かに改善となっています。
欧州GDPの3割は独国によるものです。本指標発表前の独国PMI速報値が市場予想に対してズレると、そのズレた方向に欧州PMIも引っ張られる可能性があります。但し、独国は域内貿易でも強いため、独国PMIが良くても思ったほど欧州全体を引っ張る効果はありません。ご注意を。
(2-2. 過去反応)
過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示しておきます。
?U. 分析
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。
直後1分足終値と直後11分足終値の方向一致率が68%(3回に2回が同じ方向に反応)、方向一致時に後者が前者よりも反応が伸びたことは73%、となっています。この数字なら、直後1分足で反応方向を確かめてから追いかけてポジションを持っても良さそうです。但し、反応が小さな指標ですから、利確も損切も5〜10pipsといったところでしょうか。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。
直後1分足の陽線率が73%となっています。
指標一致性分析は、指標の前回結果・市場予想・発表結果の差を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。
本指標の指標一致性分析では、取引に有益な偏りを見出すことができませんでした。
【6. シナリオ作成】
以上の調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。
欧州指標全般に言えることですが、指標への反応よりもその時々のトレンドに戻ろうとする動きが強いようです。本指標での反応は小さいので、ポジション保有時間は短時間にすることを薦めます。
?V. 結果
2017.2/21.18:00発表
2017年2月22日追記
【7. 発表結果】
(7-1. 指標結果)
本指標発表結果及び反応は次の通りでした。
(7-2. 取引結果)
取引結果は次の通りでした。
【8. 調査分析検証】
事前分析では、反応性分析の結果、直後1分足終値と直後11分足終値の方向一致率が68%(3回に2回が同じ方向に反応)、方向一致時に後者が前者よりも反応が伸びたことは73%、となっていました。
また、反応一致性分析の結果、直後1分足の陽線率が73%となっていました。
結果は、直後1分足が陽線側に僅かにヒゲを残す同値となりました。
【9. シナリオ検証】
シナリオ1は、陽線側のヒゲが僅かで同値で終わったため、スプレッド分ぐらいの損切となりました。
シナリオ2は、取引に使っているFX会社の4桁表示で直後1分足が僅かに陽線を残したように見えたため、ポジションを取り、結果的に利確となりました。
以上
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ーーー注記ーーー
本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上