そんなにEUに残りたかったのなら残ればいいじゃん、と思ったら、そうではなくて個人の「孤独」に対応する担当大臣だそうです。話を聞いてくれるのかも知れません。
けれども「あほくさ」って思ってはいけません。
例えば、日本では2007年に少子化対策担当大臣のポストが新設されました。その頃、遠く離れた英国では「いったい何をしてくれるのだろう」とわくわくして、来日した人だっていたかも知れないじゃないか。
外国の事情はわからないものです。
ともあれ、英国ではそれだけ孤独が社会問題になっているのでしょう。
ニュース記事に依れば「75歳以上の人の半数が一人暮らしで、その多くは何日何週間も他人と関わることなく暮らしている」そうです。新たなポストに任命された大臣は、この問題に取り組みます。
記事によっては「冬の間は寒さと孤独が合わさると危険で、それが死因になることもある」という識者のコメントを加えているものもありました。多くの読者は「それは寒さが原因だろう」と突っ込んだことでしょう。
マッチ売りのお年寄りを助けるためにやるべきことは、?@ マッチを買ってあげること、?A 暖かい住居と食事を提供すること、?B 暖かい言葉をかけあうグループに属するように世話をやくこと、が挙げられます。
?Bはそれだけで助けにならないものの、?Aだけでは孤独の解消になりません。?@を政策に掲げれば、小さなマッチ売り市場に新規参入者が急増し、その結果、強いものしか生き残れなくなって、却って初期の目的を逸脱してしまうでしょう。
背景のひとつには、ボランティア以外での福祉拡大に風当たりが強い政治的風土があるように思います。
今さら以前のように「ゆりかごから墓場まで」の時代に戻ることはできません。がしかし、そこをうまく誤魔化して、これまで政治的関心が低かった階層の支持を新たに取り込めば、政権支持率に影響を与えられるかも知れません。
きっと耳障りの良い新たな福祉政策なのです。
以上
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