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FX手法研究会のApajiです。     そして写真はM君です。さんの画像
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何でも食べるな!
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イエティはいるのか
このブログの内容です
「お通」を見送る顔
内容の補足です
モストアンラッキー
先に謝っておきます
孤独な英国人は減ったのか
但書きです



1. FXは上達するのか

小さなコツをいくつか覚えたって駄目です。勝てない原因をきちんと突き止めてからやり直しましょう。FXを楽しむためには「投資期間」が必要です。すぐに始めたって勝てないことは、FXに限らず、何事であれ同じなのです。だからこそ、その期間を短縮するための「方法論」が大切なのです。

1-1. FXを楽しむために
アマチュアらしく…
1-2. いつか負けないはずがない!
上手くなるまでは短期取引です
1-3. 難しさの正体って何だ
利確と損切の理解は大切です
1-4. FXは上達するのか
取引機会を絞り込むべきです
1-5. 数字で掴もう
その機会にどう臨むかです
2. 経済指標の楽しみ方

このブログで扱う取引の理想は、経済指標発表前後の反応を着実に刈り取り、ポジション保有時間を最短化してリスクを避けることです。でも、効率良く取引するにはそれなりに予備知識が必要です。大した話は紹介できませんが、基本だけは押さえておきましょう。

2-1. 大きなゾウの隠れ方
指標取引のための予備知識です
2-2. ウソは嫌いだ!
短期取引をやるときの指針です
2-3. イグアナを見分ける前に
このブログの指標取引での成績です
 2-4. 小ズルくいきましょう
いわばジンクスで勝つ方法です

3. 指標取引分析手法

このブログでは経済指標への調査・分析を定型書式で行っています。定型書式を用いることで、反省を踏まえてやり方を進歩させたり、相場環境が変わったことを見つけやすくするため、です。

3-1. 指標取引の予備知識
指標発表前後の他の時間と違い
3-2. ローソク足各部の名称
全幅・値幅・跳幅とは?
3-3. 4本足チャート
このブログで使うチャート表記
3-4. 反応方向の予備知識
指標分類と反応方向の基本
3-5. 取引通貨ペアの選択
通貨ペアによる有利不利
3-6. 指標分析の方法
定量指標分析とは?
3-7. 反応分析の方法
定量反応分析とは?
3-8. 分析の成績
事前分析的中率
3-9. ブレイク対応準備
ついでに…
4. 経済指標DB

経済指標発表前後の短時間に分析期間を絞ることによって、指標への反応に一定の再現性(傾向)があることはわかりました。各国「政策決定指標」・「経済実態指標」の項に、主要な指標についての分析結果と分析事例を纏めてあります。

4-0. 各国経済・通貨の特徴
4-1. 日本経済
4-1-1. 政策決定指標
(a) 日銀短観
(b1) 東京都区部CPI
(b2) 全国CPI
4-1-2. 経済実態指標
(c) GDP一次速報
(d) 機械受注
(e1) 通関貿易統計
(e2) 国際収支
4-2. 米国経済
4-2-1. 政策決定指標
(a) FOMC
(b1) UM消信指数速報
(b2) CB消信指数
(b3) ISM非製景指数
(c1) NY連銀製景指数
(c2) Phil連銀製景指数
(c3) ISM製景指数
(d1) 輸出・入物価指数
(d2) 生産者物価指数
(d3) 消費者物価指数
(d4) PCEコアデフレータ
(e1) ADP雇用統計
(e2) 雇用統計
4-2-2. 経済実態指標
(a1) GDP速報値
(a2) GDP改定値
(a3) GDP確定値
(b1) 小売売上高
(b2) 個人消費・所得
(c1) 鉱工業生産
(c2) 耐久財受注
(d1) 中古住宅販売件数
(d2) 新築住宅販売件数
4-2-3. 収支関連指標
(a) 貿易収支
4-3. 欧州経済
4-3-1. 政策決定指標
(a) ECB金融政策
(c1) ZEW企業景況感調査
(c2) 独国Ifo企業景況指数
(c3) 独国PMI速報値
(c4) 欧州PMI速報値
(d) 欧州HICP速報値
4-3-2. 経済実態指標
(a1) 独国GDP速報値
(b) 独国貿易統計
(c1) 独国製造業新規受注
(c2) 独国鉱工業生産
4-4. 英国経済
4-4-0. 英国経済指標反応要点
4-4-1. 政策決定指標
(a) BOE金融政策
(c1) PMI速報値
(c2) 製造業PMI改定値
(c3) サービス業PMI改定値
(d) 物価統計
(e) 雇用統計
4-4-2. 経済実態指標
(a1) 月次GDP
(a2) 四半期GDP速報値
(b) 小売売上高指数
(c) 鉱工業生産指数
(d) 貿易収支
4-5. 豪州・NZ経済
4-5-1. 政策決定指標
(a) RBA金融政策
(b) RBNZ金融政策
(c1) NAB企業景況感指数
(c2) WP消費者信頼感指数
(d1) 四半期住宅価格指数
(d2) 四半期生産者物価指数
(d3) 四半期消費者物価指数
(e1) 賃金指数
(e2) ANZ求人広告件数
(e3) 雇用統計
4-5-2. 経済実態指標
(a) 四半期GDP
(b) 貿易収支
(c) 小売売上高
(d1) 住宅ローン件数
(d2) 建設許可件数

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2017年10月03日

英国景気指標「サービス業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年10月4日17:30発表結果検証済)

以下、「?T.指標予想要点」「?U.過去調査詳細」を事前投稿し、「?V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。

?T.指標予想要点

2017年10月4日17:30に英国景気指標「サービス業PMI」が発表されます。今回発表は2017年9月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点(10月1日)の値なので、発表前に確認しておきましょう。

1709英国サービス業PMI110.png

本指標の特徴は以下の通りです。

  • 先に発表される製造業PMIとは、指標結果の良し悪しや反応方向の相関が高くありません。
    注目すべき点は、本指標の実態差異(発表結果ー前回結果)が、同月のEURGBPの上下動と逆相関し、GBPUSDの上下動と相関している可能性がある点です。EURGBPの9月月足は陰線、GBPUSDのそれは陽線なので、今回の実態差異はプラスとなる可能性があります。2017年に入ってからのEURGBPやGBPUSDの月足方向と、本指標実態差異の符号の方向一致率は87%となっています。

  • 前回結果・市場予想に対する発表結果の良し悪しには素直に反応します。追撃は反応方向を確認したら早期開始し、発表から1分を過ぎたら利確の機会を探る方がいいでしょう。その後も追撃するなら、短期利確の繰り返しが良いでしょう。直後1分足と直後11分足の終値同士を比較したとき、反応を伸ばしていたことは57%しかなく、ポジションを長持ちするには心もとない数字です。

  • まれに、直前10-1分足や直前1分足が大きく動くことがあります。がしかし、こうした動きは直後1分足の反応方向とは関係ありません。釣られて追いかけると、痛い目に遭うことが多いでしょう。

以上の本指標特徴を踏まえ、後記詳述した調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 直前1分足は陰線と見込みます。
    反応一致性分析の結果、陰線率が76%です。

  • 直後1分足は陽線と見込みます。
    本指標実態差異は、同月EURGBP月足と逆相関、GBPUSD月足との相関が見込まれています。今回の本指標実態差異の符号がプラスとなる期待的中率は87%です。その一方、指標一致性分析結果では、実態差異差異と直後1分足の方向一致率は83%です。よって、今回陽線となる期待的中率は、0.87?0.83
    72%となります。
    指標発表直前にポジションを取得し、発表直後の跳ねで利確/損切です。

  • 指標発表後は反応方向への追撃を早期開始し、発表から1分足を過ぎたら利確機会を探ります。
    その後も追撃を行うなら、短期利確の繰り返しで行います。

以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。


?U.過去調査詳細

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。

【1. 指標概要】

本指標の意義は、企業購買担当者から直接調査した企業景況感を通じ、小売売上高を始めとする実態指標の先行きの予想根拠となることです。それは、経済成長率(GDP)の加速・減速・転換を知るヒントでもあります。
指数の解釈は、50[ips(Index Points)]を上回ると景気拡大・50[ips]を下回ると景気後退、です。

英国重要指標全般に言えることですが、指標発表結果への反応(値動き)が素直で大きいという特徴があります。がしかし、FX会社などの経済指標ランク分では、本指標は他国の景気指標と同程度かそれ以下の重要度・注目度に位置づけられることが多いようです。
けれども、我々は経済情勢自体にでなく、為替レートの動きに興味があります。そういう意味で、英国景気指標は主要国景気指標で最も反応が大きいため、最重要な指標と言えます。調査対象期間で最も大きく反応したときには110pipsにも達しています。米国ISMの反応なんて、本指標の足元にも及ばないのです。

ーーー$€¥ーーー

本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。

1709英国サービス業PMI120.png

最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で23pipsです。
但し、分布を見ると12pips以下の反応だったことが75%で、たまに大きく反応したとき、その大きさが半端じゃない、ということでしょう。そういう意味で、注意が必要な指標です。


【2. 既出情報
(2-1. 過去情報)

過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。

1709英国サービス業PMI210.png

2016年6月のブリグジット離脱国民投票直後が直近のボトム(底)になっています。その後、同年末まではGBP安による輸出好調によって企業景況感は急上昇しました。直近ピークは2017年4月分の55.8、直近ボトムは2017年前回8月分の53.2です。今回の市場予想は前回同値となっています。

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PMIは為替の影響を受けるかも知れません。
EURGBP・GBPUSDの上下動と、実態差異符号を見比べておきましょう。

   EURGBP GBPUSD 実態差異
9月  △    +     ?
8月  +    △     △
7月  +    +     +
6月  +    +     △
5月  +    △     △
4月  △    +     + 
3月  △    +     +
2月  △    △     △
1月  +    +     △

EURGBPと実態差異は8回中2回一致(方向一致率25%)、GBPUSDと実態差異は8回中6回(同75%)です。9月月足では、EURGBPがマイナス、GBPUSDがプラスですから、実態差異がプラスとなる期待的中率は、1−(0.25?0.25)=87%ということになります。

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先に発表されている製造業PMIとの関係も見ておきましょう。

1709英国製造業PMI220.png

上表を見る限り、事前差異(市場予想ー前回結果)だけ、製造業PMIとサービス業PMIの方向一致率が63%と、60%を超えています。
市場予想が前回結果より良くなるか悪くなるかは、製造業PMIとサービス業PMIとの一致率が60%を超えるものの、事後差異(発表結果ー市場予想)や実態差異(発表結果ー前回結果)のように発表結果を絡めると、両指標の一致率が下がっています。まして、反応方向に至っては、両指標間の一致率がほぼ50%となっています。
つまり、両指標間で、先に発表される製造業PMIは、後で発表されるサービス業PMIの取引で、参考にし得る情報がありません。


(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。

まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が11pipsです。その跳幅が20pips以上だったことは過去3回(頻度9%)あります。
この3回の直後1分足跳幅は14pipsで、これは直後1分足の過去全平均24pipsよりも、かなり小さくなっています。そして、この3回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(33%)しか一致していません。

1709英国サービス業PMI310.png

次に、直前1分足の過去平均跳幅は8pipsです。この跳幅が12pips以上だったことは過去5回(頻度16%)です。
この5回の直後1分足跳幅は14pipsで、これは直後1分足の過去全平均24pipsより小さくなっています。そして、この5回の直前10-1分足と直後1分足の方向は2回(40%)しか一致していません。

1709英国サービス業PMI320.png

そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は7pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率30%)です。直後11分足のそれは12pips(戻り比率36%)です。反応が大きい指標の戻り比率としては普通ですが、比率でなくpipsで見れば大きいので、高値(安値)掴みには気を付けた方が良いでしょう。

1709英国サービス業PMI330.png

1709英国サービス業PMI340.png



【3. 定型分析】

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。

1709英国サービス業PMI410.png

直前10-1分足は、事後差異との方向一致率が71%です。一方、事後差異と直後1分足の方向一致率は80%です。よって、直前10-1分足と事後差異の方向が一致し、且つ、直後1分足と事後差異の方向が一致する確率は、0.71?0.80=57%です。
これに加えて、直前10-1分足と事後差異が不一致だったときには、事後差異と直後1分足の方向が不一致ならば、直前10-1分足と直後1分足の方向は一致します。その確率は、(1−0.71)?(1−0.80)=6%です。
従って、途中経緯がどうあれ、直前10-1分足と直後1分足の方向が一致する確率は、57%+6%=63%となり、あまり高くありません。
この結果は次に挙げる反応一致性分析(異なるロジックでの分析方法)でも、直前10-1分足と直後1分足の方向一致率が57%しかないことと、大筋で一致しています。

事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率がそれぞれ80%・72%となっています。市場予想に対する発表結果の良し悪しには素直に反応しがちです。

次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。

1709英国サービス業PMI420.png

直前1分足の陰線率が76%と、偏りが見受けられます。
そして、直後1分足と直後11分足の方向一致率が80%と高い点を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しはありません。

最後に、反応性分析の結果を下表に示します。

1709英国サービス業PMI410.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は80%です。そして、その80%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは71%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。

そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは57%です。よって、早期追撃で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を早めに探った方が良さそうです。ポジションを長持ちしても良い確率ではありません。

【4. シナリオ作成】

以上の本指標特徴を踏まえ、後記詳述した調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 直前1分足は陰線と見込みます。
    反応一致性分析の結果、陰線率が76%です。

  • 直後1分足は陽線と見込みます。
    本指標実態差異は、同月EURGBP月足と逆相関、GBPUSD月足との相関が見込まれています。今回の本指標実態差異の符号がプラスとなる期待的中率は87%です。その一方、指標一致性分析結果では、実態差異差異と直後1分足の方向一致率は83%です。よって、今回陽線となる期待的中率は、0.87?0.83
    72%となります。
    指標発表直前にポジションを取得し、発表直後の跳ねで利確/損切です。

  • 指標発表後は反応方向への追撃を早期開始し、発表から1分足を過ぎたら利確機会を探ります。
    その後も追撃を行うなら、短期利確の繰り返しで行います。

以上



2017年10月4日17:30発表

以下は2017年10月4日22:15頃に追記しています。
?V.発表結果検証

【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1709英国サービス業PMI510.png

結果は市場予想を僅かに上回り、反応は陽線でした。

発表結果が前回結果や市場予想を上回った程度は僅かだったものの、先行して発表された製造業PMI・建設業PMIが前回・予想を下回っていたため、本指標も悪化を予想する向きが多かったのでしょう。反応はほぼ平均値となる直後1分足跳幅が25pips、直後11分足値幅が36pipsに達しました。
グラフ推移を見る限りではほぼ前回と同じで、これで5か月連続横這い状態となっています。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1709英国サービス業PMI520.png

直前1分足と2度目の追撃は損切となりました。確率上の問題ですから、これは仕方ありません。

【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を、以下に検証します

  • 先に発表される製造業PMIとは、指標結果の良し悪しや反応方向の相関が高くありません。9月集計分も、製造業PMIは前回結果を下回っていました。
    注目していたのは、本指標の実態差異が同月のEURGBPの上下動と逆相関し、GBPUSDの上下動と相関している可能性があった点です。EURGBPの9月月足は陰線、GBPUSDのそれは陽線なので、今回の実態差異はプラスとなる可能性がありました。
    発表結果は前回結果を上回り、これで2017年に入ってからのEURGBPやGBPUSDの月足方向と、本指標実態差異の符号の方向一致率は9回中7回が当たったことになります。。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオには問題ありません。
下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1709英国サービス業PMI530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

2017年10月01日

米国景気指標「ISM製造業景況指数」発表前後のUSDJPY反応分析(2017年10月2日23:00発表結果検証済)

以下、「?T.指標予想要点」「?U.過去調査詳細」を事前投稿し、「?V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。

?T.指標予想要点

2017年10月2日23:00に米国景気指標「ISM製造業景況指数」が発表されます。今回発表は2017年9月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。市場予想は本記事作成時点(10月1日)の値です。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。

1709ISM製造業110.png

本指標の特徴は以下の通りです。

  • 多くの指標解説書籍・記事で、「NY連銀指標で動向を掴み、Phil連銀指標でそれを再確認して、ISM発表に臨むと良い」旨、記載されています。がしかし、この話は事実に基づいていません。
    同月集計分の本指標とNY連銀指数との実態差異(発表結果ー前回結果)の方向一致率は56%、Phil連銀指数とは59%、製造業PMI確定値とは44%しかありません。単月毎の指標結果を予想するのにあたって、個々の指標同士を比べる限り、前月と当月の増減方向すらアテにならないことがわかります。
    本指標に関する限り、アテにできる事前情報は2つです。
    ひとつは、単月毎でなくグラフ推移全体の上昇基調・下降基調といった情報です。
    もうひとつは、NY連銀・Phil連銀・製造業PMI確定値の全ての実態差異方向が一致したとき、、ISM製造業景況指数の実態差異との方向が、過去に6回中5回(期待的中率83%)が一致しています。

  • 指標発表前の直前10-1分足・直前1分足が大きく跳ねても、それは指標発表後の直後1分足・直後11分足の方向や程度と関係ありません。
    直前10-1分足は直後11分足との方向一致率が76%となっています。意外なことに、直前10-1分足と直後1分足の方向一致率は高くありません(52%)。直後1分足と直後11分足の反転は20%しか起きていないものの、反応方向の見極めは慎重に行った方が良いでしょう。

  • 指標発表後は、早期追撃開始して1分を過ぎたら利確の機会を探った方が良いでしょう。
    直後1分足と直後11分足との方向一致率は80%です。そして、その80%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは83%です。指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。
    一方、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは60%です。60%という数字は、早期追撃で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を探った方が良さそうです。60%ですから、無理する必要なんてありません。

以上の本指標特徴を踏まえ、後記詳述した調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 指標発表直前に直前10-1分足と同じ方向にポジションを取得します。利確/損切は発表から10分程度か、15pipsの含益・含損になったときです。

  • 追撃は早期開始し、短期利確とします。複数回の追撃も可ですが、短期取引で行います。

以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。


?U.過去調査詳細

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。

【1. 指標概要】

本指標の意義は、(a) 米国主要経済指標で毎月最も早く発表されること(第1営業日)、(b) 景況感は景気転換の先行指標と考えられること、(c) 一般論として製造業の景況感は小売・消費・物価関連の他の指標への影響も大きいと考えられること、です。そのため、本指標を「重要度・注目度が高い」と位置付けている指標解説は多いようです。
がしかし、後掲データで示す通り、反応(値動き)がそれほど大きくありません。取引を行う上での魅力度で言えば、それほど大事な指標ではありません。

本指数の解釈は、50[ips]を上回ると景気拡大・50[ips]を下回ると景気後退、です。
本指数の意義は、景気転換をGDPよりも先行示唆することと、FRBが本指数が50[ips]未満のときに利上げをしたことがないということ、です。

なお、ISMとはInstitute for Supply Management(米国供給管理組合)の省略形です。本指数は、製造業約350社の購買担当役員へのアンケート結果に基づく企業景況感を示した指標です。その内容は、「新規受注」「生産」「雇用」「入荷遅延」「在庫」の項目を、前月比で「良い」「悪い」「同じ」の三択で回答した集計結果に、季節調整を加えたものです。

ーーー$€¥ーーー

本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。

1709ISM製造業120.png

最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は、過去平均で14pipsです。反応程度は平均的な指標です。
分布を見ると、22pips以下の範囲に反応程度が収まったことが78%を占めています。たまに大きく反応するものの、通常の反応は小さいと見なした方が良いでしょう。


【2. 既出情報
(2-1. 過去情報)

過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。

1709ISM製造業210.png

グラフ推移は、2016年8月分をボトムに上昇基調となっています。直近ピークは前回8月分でした。今回の予想はそれを下回っています。

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次に、見るべきポイントを絞り込むため、主要項目毎に反応方向にどの程度影響しているのかを下表に纏めておきました。

1709ISM製造業220.png

上表の上4行は、各項目をひとつずつ反応方向との一致率を求めています。これは予備計算のようなもので、この予備計算は最も反応方向との一致率が高い項目に注目しています。

上から5行目は、事前差異(市場予想ー前回結果)と直前10-1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
上から6行目は、事後差異(発表結果ー市場予想)と直後1分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。
最下段7行目は、実体差異(前回改定値結果ー市場予想)と直後11分足の方向一致率が高くなるように、各項目の係数を求めています。

結果、事前差異と実態差異は、あまり直前10-1分足・直後11分足との一致率が高い係数を見出すことが出来ませんでした。
がしかし、事後差異は、4?景況指数事後差異+3?雇用指数事後差異+1?価格指数事後差異、という判別式の係数を決めると、その符号(プラスが陽線、マイナスが陰線)と直後1分足との方向一致率が80%となることがわかりました。

この結果から、本指標は発表結果の市場予想に対する良し悪しに直後1分足が素直に反応することがわかりました。本ブログでの「素直な反応」か否かの基準は70%です。

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多くの指標解説書籍・記事で、「NY連銀指標で動向を掴み、Phil連銀指標でそれを再確認して、ISM発表に臨むと良い」旨、記載されています。がしかし、この話は事実に照らして正しくありません。「ありそうな関係」であっても、単月毎の両指標の結果増減を比較する限り、両指標には参考にすべき増減一致がありません。

本指標についても確認しておきます。
本指標実態差異と、同月分のNY連銀指数・Phil連銀指数・製造業PMI確定値の実態差異の方向一致回数・方向一致率を以下に纏めておきます。

      一致数 一致率
NY連銀    18回  56%
Phil連銀   19回  59%
製造業PMI  14回  44%

単月毎の指標結果を予想するのにあたって、個々の指標同士を比べる限り、前月と当月の増減方向すらアテにならないことがわかります。


(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。

まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が6pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去4回(頻度13%)あります。
この4回の直後1分足跳幅は10pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均14pipsよりもやや小さくなっています。そして、この4回の直前10-1分足と直後1分足の方向は2回(50%)が一致しています。
つまり、直前10-1分足が大きく跳ねても、直後1分足の方向や程度を示唆しているとは言えません。

1709ISM製造業310.png

次に、直前1分足の過去平均跳幅は4pipsです。その跳幅が10pips以上だったことは過去2回(頻度6%)しかありません。
この2回の直後1分足跳幅は15pipsで、これは直後1分足跳幅の過去全平均14pipsとほぼ同じです。そして、この2回の直前1分足と直後1分足の方向は1回(50%)です。
つまり、直前1分足が大きく跳ねても、直後1分足の方向や程度を示唆しているとは言えません。

1709ISM製造業320.png

そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は5pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率36%)です。直後11分足のそれは5pips(戻り比率25%)です。平均的な反応程度の指標における戻り比率としては、直後11分足のそれが小さいようです。

1709ISM製造業330.png

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【3. 定型分析】

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。

1709ISM製造業430.png

直前10-1分足と事後差異の方向一致率は72%です。そして、事後差異と直後1分足の方向一致率は80%です。よって、直前10-1分足と直後1分足の方向一致率は、0.72?0.80+(1−0.72)?(1−0.80)=64%です。次に挙げる反応一致性分析では、それが52%です。
異なるロジックによる分析結果の一致率がいずれもあまり高くありません。

事後差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率はそれぞれ80%・69%となっています。実態差異と直後1分足・直後11分足の方向一致率はそれぞれ78%・69%です。
市場予想に対する発表結果の良し悪しに、直後1分足は素直に反応するものの、直後11分足はそうとも言えない一致率となっています。

次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。

1709ISM製造業420.png

先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆しは、直前10-1分足と直後11分足との方向一致率が76%、直後1分足と直後11分足の方向一致率が80%、です。

最後に、反応性分析の結果を下表に示します。

1709ISM製造業410.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は80%です。そして、その80%の方向一致時だけに注目したとき、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えて反応を伸ばしたことは83%です。
指標発表時点から見たその後の方向一致率が高く、且つ、反応を伸ばしているのだから、指標発表後に反応方向を確認したら、追撃は早期開始です。

そして、指標発表から1分を経過すると、直後1分足終値を超えて直後11分足終値が伸びていたことは60%です。60%という数字は、早期追撃で得たポジションは、指標発表から1分を過ぎたら利確の機会を探った方が良さそうです。60%ですから、無理する必要なんてありません。

【4. シナリオ作成】

以上の本指標特徴を踏まえ、後記詳述した調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 指標発表直前に直前10-1分足と同じ方向にポジションを取得します。利確/損切は発表から10分程度か、15pipsの含益・含損になったときです。

  • 追撃は早期開始し、短期利確とします。複数回の追撃も可ですが、短期取引で行います。

以上



2017年10月2日23:00発表

以下は2017年10月4日に追記しています。
?V.発表結果検証

【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1709ISM製造業510.png

結果は前回・予想を上回り、反応は陽線でした。

景況指数は前月結果を上回り、2004年5月以来の高水準となりました。その割には、反応は平均値14pipsこそ超えたものの、直後1分足跳幅25pips・直後11分足終値2pipsと伸び悩みました。
解説記事によれば、内訳の受注・雇用・価格がいずれも上昇しており、その原因はハリケーン被害復興需要によるものだそうです。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1709ISM製造業520.png

問題ありません。

【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を以下に検証します。

  • 関連指標の9月分集計結果は、NY連銀製造業景気指数が改善、Phil連銀製造業景気指数も改善、そして直前に発表された製造業PMIも改善でした。
    これら3指標の実態差異(発表結果ー前回結果)が一致したとき、過去6回中5回がISM製造業景況指数の実態差異と方向一致していました。今回結果で、7回中6回が方向一致ということになります。

  • 指標発表直前に目立った動きはありませんでした。

  • 指標発表直後は大きく跳ねたものの、その跳ねを高値として発表から5分後(23:05)に次点高値を付けると、そのまま値を戻す動きとなりました。
    事前分析に問題ありません。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • 指標発表直前に直前10-1分足と同じ方向にポジションを取得し、利確/損切は発表から10分程度か、15pipsの含益・含損になったとき、を考えていました。
    結果は発表直後の跳ねで15pips以上が取れたため、そこで利確しました。

  • 追撃は早期開始し短期利確のつもりでした。また、複数回の追撃も可ですが、短期取引で行うつもりでした。
    結果は、早期開始してほぼ時点高値付近で利確できました。追撃はこの1回でかなり時間がかかったため、複数回を実施できませんでした。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1709ISM製造業530.png

以上



ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

英国景気指標「製造業PMI」発表前後のGBPJPY反応分析(2017年10月2日17:30発表結果検証済)

以下、「?T.指標予想要点」「?U.過去調査詳細」を事前投稿し、「?V.発表結果検証」を事後投稿しています。ブログの日付は事前投稿日となっています。指標発表後に事後投稿し、その日時は「?V.発表結果検証」のタイトル行付近に記載しています。

?T.指標予想要点

2017年10月2日17:30に英国景気指標「製造業PMI」が発表されます。今回発表は2017年9月分の集計結果です。
今回の市場予想と前回結果は次の通りです。

1709英国製造業PMI110.png

※ 本稿は10月1日に作成しています。市場予想は発表直前に確認しておきましょう。

本指標の特徴は以下の通りです。

  • 反応程度は大きく、反応方向は指標結果の良し悪しに極めて素直に反応します。
    指標発表後は1分を過ぎてからも反応を伸ばしがちですが、一時的な伸びに終わることも多いので、安心して追撃ポジションを長持ちできるほどではありません。追撃するなら、早期開始・短期利確繰り返し、が良いでしょう。

  • もともと景気指標は、各種実態指標よりも先に発表されるため、予想の論拠となり得る事実が乏しくなります。
    現在、指標グラフは上昇再開と言える位置を占めています。見るべきポイントは、直近ピークの2017年4月分の57.3(前回は56.9)を上抜けることができるか否かです。
    本指標実態差異(発表結果ー前月結果)と、EURGBPやGBPUSDの月足との一致率はともに高くありません。
    9月FTSE100(株価)は月初こそ上げたものの、中旬に大きく下げており、その後の上昇で月初水準に戻しました。中旬の大きな下げが景況感に影響を与えている可能性があります。

  • 本指標は、指標発表前の取引は危ないので、できれば避けた方が良いでしょう。
    前述の通り、直前10-1分足はときどき(頻度22%)20pips以上跳ねています。恐ろしいのは、そうした動きがあったときに直後1分足はその跳ねと逆方向に反応することが86%にもなっていることです。知っていれば予兆と言える確率ですが、知らなくて慌てて釣られてしまうと、反応が大きい指標だけにかなり痛手を負うことがあります。
    直前1分足は、ときどき(頻度25%)10pips以上跳ねています。このとき、直後1分足は平均よりもやや大きく跳ねることが多く、そして反応方向は予想がつきません。
    ちなみに、直前10-1分足や直前1分足が大きく跳ねたとき、事後差異(発表結果ー市場予想)が大きくなった(発表結果が市場予想と大きく乖離した)、という事実はありません。

以上の本指標特徴を踏まえ、後記詳述した調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 直前1分足は陽線と見込みます。
    指標一致性分析の結果、事前差異と直前1分足の方向一致率は26%(不一致率74%)です。今回の事前差異はマイナスなので、直前1分足は陽線となる期待的中率が74%です。
    但し、前述の通り、直前1分足は過去25%の頻度で10pips以上跳ねています。跳ねても、その方向が直後1分足の方向を示唆している訳ではないので、陰線側に跳ねてしまったら損切せざるを得ません。ご注意ください。

  • 直後1分足は、直前10-1分足が20pips以上跳ねたら、指標発表直前にその逆方向にポジションを取り、指標発表直後の跳ねで利確(損切)します。
    過去の傾向では、直前10-1分足跳幅が20pipsps以上あったときは(頻度22%)、直後1分足の反応がその逆になる可能性が高い(86%)、と言えます。

  • 指標発表後の追撃は、早期開始して短期利確を繰り返しながら複数回行います。
    直後1分足と直後11分足との方向一致率は87%です。そして、その87%の方向一致時に、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えたことは77%となっています。方向一致率が高く、その後も反応を伸ばす確率が高い以上、反応方向を確認したら早期追撃開始です。
    一方、発表から1分経過時点では、直後11分足値幅が直後1分足値幅を超えたことが57%となっています。追撃するなら、ポジションの長持ちを避けて、短期利確の繰り返しで行う方が良いでしょう。

以上の詳細ないしは論拠は、以下の「?T.調査・分析」に記しています。


?U.過去調査詳細

公開情報や既出情報に基づく調査を行い、過去の指標と反応の関係を比較分析しています。方向に関する的中率に比べ、程度に関する的中率は残念ながら低いというのが実情です。利確・損切の目安は、過去平均値を最近の反応の大小と見比べて感覚的に微修正しています。

【1. 指標概要】

PMIは、企業購買担当者に直接調査して算出されるため、景気実態を正確に反映した先行指標と言われています。本指標の意義は、鉱工業生産指数・製造業生産指数の発表に先立ち、それら集計月の企業景況感を知ることができること、です。

一般論として、製造業の材料・部品調達は、数か月先の取引先動向や製品需要から仕入れを行うため先行性がある、と言われています。それよりは先行性が劣るものの、サービス業も販売機会喪失を避けるため、消費者の動向に先んじようと必死です。
但し、この景況感の「先行性」については、以前ほど当てにならないようです。昔とは違って、流通経路が可視化・効率化され、企業購買部門の力量が向上し、国内サービス業を介さずに海外と直接取引を行うことができるから、です。サービス業の仕入れに至っては、今では消費動向とリアルタイムで一致しつつあるのです。

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本指標に関する調査期間と、過去の反応程度・分布を下表に纏めておきます。

1709英国製造業PMI120.png

最も指標結果に素直に反応する直後1分足跳幅は過去平均で23pipsです。反応が大きいため、指標発表時刻を跨いでポジションを持つことは慎重でなければいけません。
分布は、15pipsから32pipsの跳ねが全体の65%を占めています。


【2. 既出情報
(2-1. 過去情報)

過去の発表結果と市場予想を下図に一覧します。
下図は発表結果と市場予想をプロットしています。市場予想は発表直前の値をプロットし、発表結果は後に修正値が発表されても定時発表値のままをプロットしています。
1709英国製造業PMI210.png

グラフ形状は、2016年7月分(EU離脱国民投票翌月)をボトムに上昇基調が1年間続いています。直近ボトムの2017年6月分は54.3で、7月分・8月分は2か月連続上昇し、当月分は直近ピークの4月分57.3に迫っています。
今回の市場予想は56.4で、直近ピーク上抜けができずにやや低下するものの、下降基調転換とは言えない程度が予想されています。

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グラフを一見すると、「市場予想後追い型」に見えなくもありません。確認しておきましょう。

調査期間において発表結果と市場予想の大小関係が入れ替わったことは、過去31回中15回(48%)です。一見すると市場予想後追い型のように見えますが、意外に大小関係の入れ替わり頻度が高くなっています。
よって、本指標は現在、市場予想後追い型ではありません。

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製造業PMIは為替の影響を受けるかも知れません。
EURGBP・GBPUSDの上下動と、実態差異符号を見比べておきましょう。

   EURGBP GBPUSD 実態差異
9月  △    +     ?
8月  +    △     +
7月  +    +     +
6月  +    +     △
5月  +    △     △
4月  △    +     + 
3月  △    +     △
2月  △    △     △
1月  +    +     △

EURGBPと実態差異は8回中4回一致(方向一致率50%)、GBPUSDと実態差異も8回中4回(同50%)です。関係ありませんね。


(2-2. 過去反応)

過去の直前10-1分足・直前1分足・直後1分足・直後11分足の始値基準ローソク足を示します。

まず、直前10-1分足は、過去平均跳幅が14pipsです。その跳幅が20pips以上だったことは過去7回(22%)あります。
この7回の直後1分足跳幅は17pipsで、これは直後1分足の過去全平均23pipsよりやや小さくなっています。そして、この7回の直前10-1分足と直後1分足の方向は1回(14%)しか一致していません。
つまり、直前10-1分足跳幅が20pipsps以上あったときは、直後1分足の反応がその逆になる可能性が高い、と言えます。

1709英国製造業PMI310.png

次に、直前1分足の過去平均跳幅は8pipsです。この跳幅が10pips以上だったことは過去8回(頻度25%)です。
この8回の直後1分足跳幅の平均は28pipsで、これは過去全平均23pipsよりやや大きくなっています。直前1分足がいつもより大きく動いたときには、直後1分足もやや大きく反応している可能性があります。そして、このとき直前1分足と直後1分足の方向は5回(63%)が一致しています。反応方向を示唆している、とは言えません。

1709英国製造業PMI320.png

そして、直後1分足の過去平均跳幅と値幅の差は6pips(1ー値幅/跳幅=戻り比率22%)です。直後11分足のそれは11pips(戻り比率31%)です。この程度の反応をする指標としては戻り比率は普通です。
1709英国製造業PMI330.png

1709英国製造業PMI340.png



【3. 定型分析】

指標一致性分析は、指標の前回結果と市場予想の差(事前差異)と、発表結果と市場予想の差(事後差異)と、発表結果と前回結果の差(実態差異)を求め、そのプラス・マイナスと反応方向に偏りがないかを調べています。詳細は 「指標一致性分析」 をご参照願います。
反応一致性分析は、指標発表前後の反応方向に特徴的な偏りがないかを調べています。詳細は 「反応一致性分析」 をご参照願います。
反応性分析では、過去発表直後の1分足と11分足の跳幅と値幅を使います。この分析で十分なpipsが狙えそうな指標か否かが判断できます。詳細は 「反応性分析」 をご参照願います。

まず、指標一致性分析の結果を下表に示します。

1709英国製造業PMI430.png

事前差異と直前1分足の方向一致率は26%(不一致率74%)です。
今回の事前差異はマイナスなので、直前1分足は陽線となる期待的中率が74%です。

事後差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率は各97%・84%に達しています。本指標は発表結果の市場予想に対する良し悪しに極めて素直に反応しています。

実態差異と直後1分足・直後11分足との方向一致率も高いものの、その数字は事後差異との一致率ほどではありません。ならば事後差異だけ見ておけば十分です。

次に、反応一致性分析の結果を下表に示します。

1709英国製造業PMI420.png

直後1分足と直後11分足の方向一致率が高いこと(87%)を除けば、先に形成されたローソク足が後で形成されるローソク足の方向を示唆している兆候は見受けられません。

1709英国製造業PMI410.png

直後1分足と直後11分足との方向一致率は87%です。そして、その87%の方向一致時に、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えたことは77%となっています。方向一致率が高く、その後も反応を伸ばす確率が高い以上、反応方向を確認したら早期追撃開始です。

そして、発表から1分経過時点では、直後11分足値幅が直後1分足値幅を超えたことが57%となっています。追撃するなら、ポジションの長持ちを避けて、短期利確の繰り返しで行う方が良いでしょう。

【4. シナリオ作成】

以上の本指標特徴を踏まえ、後記詳述した調査・分析結果に基づき、以下のシナリオで取引に臨みます。

  • 直前1分足は陽線と見込みます。
    指標一致性分析の結果、事前差異と直前1分足の方向一致率は26%(不一致率74%)です。今回の事前差異はマイナスなので、直前1分足は陽線となる期待的中率が74%です。
    但し、前述の通り、直前1分足は過去25%の頻度で10pips以上跳ねています。跳ねても、その方向が直後1分足の方向を示唆している訳ではないので、陰線側に跳ねてしまったら損切せざるを得ません。ご注意ください。

  • 直後1分足は、直前10-1分足が20pips以上跳ねたら、指標発表直前にその逆方向にポジションを取り、指標発表直後の跳ねで利確(損切)します。
    過去の傾向では、直前10-1分足跳幅が20pipsps以上あったときは(頻度22%)、直後1分足の反応がその逆になる可能性が高い(86%)、と言えます。

  • 指標発表後の追撃は、早期開始して短期利確を繰り返しながら複数回行います。
    直後1分足と直後11分足との方向一致率は87%です。そして、その87%の方向一致時に、直後1分足跳幅を直後11分足跳幅が超えたことは77%となっています。方向一致率が高く、その後も反応を伸ばす確率が高い以上、反応方向を確認したら早期追撃開始です。
    一方、発表から1分経過時点では、直後11分足値幅が直後1分足値幅を超えたことが57%となっています。追撃するなら、ポジションの長持ちを避けて、短期利確の繰り返しで行う方が良いでしょう。

以上

2017年10月2日17:30発表

以下は2017年10月2日21:30頃に追記しています。
?V.発表結果検証

【5. 発表結果】
(5-1. 指標結果)

本指標発表結果及び反応は次の通りでした。

1709英国製造業PMI510.png

結果は前回・予想を下回り、反応は陰線でした。

グラフ推移は、前回結果を上回れなかったものの、高い水準に留まりました。

この日、東京時間は上下動を繰り返しながら151円上抜けを狙う場面もあったものの、14:15頃に高値150.91を付けると、その後は指標発表直前には150.3付近まで値を下げていました。その後もGBPJPYは値を下げて150円を下回ることもありました。

(5-2. 取引結果)

取引結果は次の通りでした。

1709英国製造業PMI520.png

直後1分足は、一瞬だけ陽線側に振れたものの、その後は指標結果が予想を下回ったこともあって陰線側に値を伸ばしました。損切が小さくて済んだのは、前述の通り、この日のGBPJPYが既に大きく値を落としていたからです。助かりました。

【6. 分析検証】
(6-1. 分析検証)

事前調査分析内容を以下に検証します。

指標結果が前回・予想ともに下回ったものの、指標発表以前に大きく値を下げていたため、初期反応は小さくなりました。反応方向は素直で、指標発表後は1分を過ぎてからも反応を伸ちばしました。ここまでは分析通りでした。
そして、指標発表から11分を過ぎてからまた大きく値を下げました。結果論になりますが、今回の展開ならば、ポジションを長持ちしても良かったかも知れません。

(6-2. シナリオ検証)

事前準備していたシナリオは次の通りです。

  • 直前1分足は陽線と見込んでいました。結果は陽線でした。事前差異と直前1分足の方向一致率は26%(不一致率74%)は、今回も有効だった訳です。

  • 直後1分足は、直前10-1分足が20pips以上跳ねたら、指標発表直前にその逆方向にポジションを取り、指標発表直後の跳ねで利確(損切)するつもりでした。
    直前10-1分足は今回18pipsの跳ねとなりました。20pipsには届かなかったものの、直後1分足は直前10-1分足と逆方向にポジションを取り、損切となりました。
    本来、条件を満たしていないので、シナリオ外取引ですが、負けた分を集計に入れないのはズルい気がするので、最下部の表ではシナリオ取引として扱います。

  • 指標発表後の追撃は、早期開始して短期利確を繰り返しながら複数回行うつもりでした。結果は良しです。

下表に、本ブログを始めてからの本指標シナリオでの取引成績を纏めておきます。

1709英国製造業PMI530.png

以上





ーーー注記ーーー

本記事は、同じ指標の発表がある度に更新を繰り返して精度向上を図り、過去の教訓を次の発表時の取引で活かせるように努めています。がしかし、それでも的中率は75%程度に留まり、100%ではありません。詳細は 「1. FXは上達するのか」 をご参照ください。
そして、本記事は筆者個人の見解に基づいています。本記事に含まれる価格・データ・その他情報等は、本記事に添付されたリンク先とは関係ありません。また、取引や売買における意思決定を、本記事の記載通りに行うことは適切ではありません。そして、本記事の内容が資格を持った投資専門家の助言ではないことを明記しておきます。記載内容のオリジナリティや信頼性確保には努めているものの、それでも万全のチェックは行えていない可能性があります。
ポジションを持つ最終的なご判断は読者ご自身の責任となります。その点を予めご了承の上、本記事がFXを楽しむ一助となれば幸いです。

ーーー注記ーーー

本記事における分析シート、一部乃至は一連の体系化された手順を、個人の取引以外の目的で使用・公開・二次利用を行う場合には、著作権者及びFX手法研究会に対し、連絡を取り何らかの合意を行う必要があります。
以上

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