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2019年05月23日

2019アイスホッケー世界選手権?@(五月廿一日)



 アイスホッケーのシーズン最後を飾るイベントとして、アメリカのNHLのプレーオフとほぼ同時進行で行われるのが、世界選手権である。今年は、チェコの隣国スロバキアで、首都ブラチスラバと、第二の都市東スロバキアのコシツェを舞台に開催されている。
 アイスホッケーの世界選手権は毎年開催されるため予選などは行われず、前年の世界選手権の結果に基づいて出場国が決まる。全部で16の出場チームのうち、下位2チームが降格し、世界選手権Bの上位二チームが昇格する。つまり、毎年にチームしか入れ替わらないわけで、しかも昇格と降格を繰り返すチームが多く、変わり映えのしない対戦相手ばかりということになる。しかし、今年は、イギリスが、確か25年ぶりに出場することが、話題になっていた。

 出場16チームは8チームずつ二つのグループに分かれ、それぞれブラチスラバと、コシツェで試合をするのだが、開催国のスロバキアは、首都ではなくコシツェのグループに入った。ハンドボールのデンマークの大会でも、デンマークはコペンハーゲンのグループに入らなかったから、これは人口が少なく観客の集まりにくい地方都市で開催国の試合を行うことで、観客動員につなげようという目的があるのかもしれない。チェコで開催すると、チェコ代表はプラハのグループに入るのだけど、これはチェコは観客動員に気を使う必要がないぐらいアイスホッケーの人気が高いということだろう。

 そのコシツェのグループに入ったのは以下の8チーム。上位4チームが準々決勝に進出し、最下位のチームは下のカテゴリーに降格する

  スロバキア
  カナダ
  アメリカ
  フィンランド
  ドイツ
  デンマーク
  フランス
  イギリス

 このうち、勝ち抜け確実なのが、カナダ、アメリカ、フィンランドの三カ国で、四つめの席をスロバキアとドイツ、運がよければデンマークが争い、降格はフランスかイギリスというのが戦前の予想だった。もっと言えば、イギリスは降格確実だと見られていた。

 注目していたのは開催国のスロバキアだったのだが、初戦でアメリカ相手に鮮やかな勝利を挙げたときには、今年のスロバキアはいいところまで行くのではないかと期待した。それが、次のフィンランドとの試合に負けたのはいいとしても、カナダとの試合で、互角の点の取り合いをしながら、終了2秒前に決勝点を決められたのは痛かった。2−0、4−2と二度も二点差をつけてリードしながら、そのたびに追いつかれるという試合運びのまずさもあったのかなあ。
 最悪だったのは、ドイツとの試合で、終盤まで1点差でリードしていながら、残り1分で連続してゴールを決められ、負けてしまったことだ。これでドイツと勝ち点が並んだ場合、直接対決で負けていることから、スロバキアの敗退が決まる。スロバキアが準々決勝に進出するためには、アメリカがドイツに負けるのを期待するしかなかったのだが、そんなことがそうそう起こるわけもなく、スロバキアは早々に、敗退が決まった。最終的には4勝3敗と勝ち越したのだけどね。

 それにしてもこの試合順はどうやって決めたのだろう。スロバキアは、アメリカ、フィンランド、カナダと強国三つと連戦した後のドイツ戦で、ドイツは、イギリス、デンマーク、フランスと下位三チームと対戦した後スロバキア戦というあまりにも対照的な試合の順番だった。逆だったら結果も変わっていたかもしれないなんてことを考えてしまう。アイスホッケーの世界選手権には開催国に対する組み合わせ上の優遇はないようである。

 そんな開催国敗退の寂しさを吹き飛ばしたのが、イギリスの大健闘である。アメリカとの試合で3点も取っていたのにも驚いたが、フランスとの残留をかけた直接対決で0−3から同点に追いつき、延長に持ち込んで勝利したのである。コシツェの会場を埋めたイギリスの観客の応援が、チームの背中を押したのだろうと解説者が語っていた。
 これで、フランスとイギリスは勝ち点2で並んだが、直接対決の結果が優先されるために、イギリスの残留とフランスの降格が決まった。イギリスは、去年のB選手権でもハンガリーとの最終戦で劇的な勝利を挙げて昇格を決めたらしいから、二年ごしの大騒ぎである。アイスホッケーが盛んだというイメージはない両国だが、久しぶり出場のイギリスとは違って、フランスはこれまで10年以上連続で世界選手権に出場し続けていたらしい。

 最終戦でドイツがフィンランドに勝つという番狂わせを起した結果、カナダ、フィンランド、ドイツ、アメリカの順番で準決勝進出チームが決定した。ブラチスラバグループで二位に入ったチェコの相手はドイツに決まった。油断は禁物だけど、チェコにとっては一番ありがたい相手になったのかな。
2019年5月21日23時。















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