デフレの正体 0
原発 0
体罰 0
糖質制限食 0
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私:アメリカでは大統領選の直前に、子供たちによる模擬投票が行われるが、この模擬投票は本番の選挙の結果を高い精度で予言することで知られているが、今回は外れた。 子供の投票と大統領選が一致するのは、子供が親の会話を聞き、その価値観を学習するからだ、と言われているのに、なぜ今回は外れたのか。 それは、トランプの支持者が、子の前でその意思を語らず逆に、クリントン支持を偽装したからだという。 A氏:トランプは露骨に人種を差別し、自己顕示のために平然と嘘をつく等々のこれらの欠陥は、トランプにマイナスには響かず、逆に彼の支持率を上げた。 どうしてか?。 クリントン支持のリベラルは常に正しいことを主張していたが、肝心な「ツボ」を外していると感じられた。 逆にトランプの主張の大半は道徳的に不当なのに、確実に「ツボ」に触れているという印象を与えた。 「ツボ」とは何か。 それは「階級闘争」で、トランプ支持者の中心には、所得が伸びない白人中産階級(の労働者)がいることだ。 私:しかし、マイノリティーや貧困層の支援に重点をおくリベラルな民主党が、労働者からの支持を得られなかったのは、格差への効果的な対策もなしに、ただ貧困層の困難に「理解を示す」という態度がよくなく、上から目線の傲慢さであり、言葉と裏腹に自分たちの階級的な優越性を表現していると見えた。 トランプは逆に、リベラルの道徳的優越性の根拠となる「政治的公正性」を次々と蹂躙することで、リベラル側の欺瞞を突いたことになり、既成勢力の特権に不満をもつ労働者は、そこに自分の味方を見た。 A氏:もちろん、トランプ陣営にも問題があり、労働者階級を応援するために、我ながらいかがわしい(子供の前で口にできない)と感じる、正当性を欠いた主張と対策しかないのだから。 トランプは、階級格差からくる欲求不満を、「外敵」(移民や外国)に転嫁しているだけ。 私:つまり「ツボ」を外した者と「ツボ」をずらして表現している者が対立していて、この対立の究極の原因は、ヨーロッパ的なものの延長線上にリベラルな多文化主義があるのに、大統領選の教訓は、その多文化主義の敗北。 そんなヨーロッパとアメリカの間の亀裂を2002年の『帝国以後』で早くも指摘していたのがE・トッドだね。 A氏:このブログでも下記のように「トッド知的街道」があり、彼は選挙中からトランプの勝利を予言していたね。 「深い分断、きしむ民主主義」、「分断される世界」、「グローバル化『国家復活』導く」、「展望なき世界」、「行きづまるグローバル化」 私:これらのブログでもとりあげていたが、昨年彼は、米国の高等教育を受けていない中年白人の死亡率だけが近年上昇している事実に着眼し、大統領選が、この層をストレスで疲弊させる深刻な格差ゆえの階級闘争の様相を呈していたことをも正確に見抜いていた。 ヨーロッパ/アメリカの差異の歴史的起源に遡り、キリスト教がアメリカに移植されたことで被った変質の最終産物を、われわれは今、目撃していると評者は各種の書を取り上げて結論づけている。 世界は今、大きな転換期を迎えているのを実感するね。
2017.03.12
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私:日本政府は「南スーダンの国造りのプロセスは新たな段階に入りつつある」と説明するが、国造りに不可欠な治安は悪化しているようだ。 キール大統領とマシャル副大統領(当時)が民族の違いを利用して主導権と利権を争っている。 副大統領を解任されたマシャル氏は先月、滞在先南アフリカで朝日新聞の取材に「ジュバは主要な標的だ」と述べ、ジュバでいつ戦闘が起きてもおかしくない。 キール政権の労相や軍幹部らが相次いで辞任し、マシャル氏に忠誠を誓ったり、反政府勢力を立ち上げたりしている。 国内には10以上の反政府勢力が存在し、キール大統領は昨年末から和解に向けた「対話」の準備を進めてきたが、マシャル氏は「和平が実現しなければ、対話もない」として不参加を表明し、事態の改善は見通せない。 A氏:市民は国外へ逃げ出しており、国連難民高等弁務官事務所は、周辺国へ逃れた難民が150万人を超え、シリアやアフガニスタンに次ぐ世界3番目の規模の難民危機になっていると警告。 治安の悪化で農業ができず、食料危機も進行しており、国連世界食糧計画(WFP)は今年、深刻な食料不足の状態が460万人に及ぶ可能性を警告。 私:国連南スーダン派遣団(UNMISS)には16年12月の時点で、中国やインドなど60カ国から約1万3千人の軍事・警察要員らが参加している。 今回、首相が語る撤収の理由に「治安」という言葉はないが、当事者間の停戦合意などPKO参加5原則=キーワード=はなお維持されているとの姿勢で、派遣している施設部隊の道路補修などに「区切りがつく」という理屈を強調。 首相らの説明には、足元の与党からもいぶかる声が上がり、「実際には現地情勢について、PKO参加5原則に適合しないと、自衛隊の最高指揮官である総理が決断したのだろう」と、ある防衛相経験者は語っているという。 5月に撤退というが、それまで、大きな戦闘が起きないであろうか。
2017.03.11
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私:トランプ大統領に嫌われているマスコミのトップを走るNYタイムズだが、そのまたトップを走るのがクルーグマン教授だね。 今月のコラムもトランプ大統領批判で、特に政権内に「ウソ」が蔓延していることを指摘している。 まず、ジェフ・セッションズ米司法長官の「ウソ」だ。 彼は、上院の指名公聴会で、2016年の大統領選の期間中にロシア当局と接触したことを否定していたが、実際には駐米ロシア大使と2度面会しており、しかも、大使は大物スパイでもあると報じられているという。 閣僚ではほかにも、スコット・プルイット環境保護局(EPA)長官、トム・プライス厚生長官、スティーブン・ムニューシン財務長官といった人たちが「ウソ」をついている。 A氏:大統領補佐官だったマイケル・フリン氏もセッションズ氏と同じように駐米ロシア大使との接触について「ウソ」をついたことをメディアに暴かれ辞任しているね。 私:教授は、かつて、米国の政治文化の批評家たちは、政治家が常に情報を操作していることを糾弾したものだったが、それには根拠があり、政治家たちは、やっかいな事実を軽く扱い、自らの行動を実際よりはるかに良く見せることが当たり前になっていたからだ。 だが、情報操作の時代は終わったことが明らかになり、代わって、露骨で恥知らずな「ウソ」の時代になったと教授は指摘する。 A氏:教授は、これまで、どの大統領も、あるいはどんな主要政治家も、トランプ氏ほど自由にかつ、しょっちゅう、「ウソ」をついたことはないが、これは単にトランプ氏の話にとどまらず、少なくともこれまでのところ、彼はうまく逃げ切っているが、これは、数多くの人々の協力があってこそできているという。 共和党選出議員のほぼ全員、多数の有権者、そしてかなりのメディアが加担していると教授は指摘する。 トランプ氏の「ウソ」をつくやり方は、これまで我々が経験してきたすべてと異次元のレベルにあると厳しいね。 私:かつて政治家が真っ赤なうそをつくのは、簡単には調べがつかない、秘密の話やら、闇取引やらに限られていたが、トランプ大統領は違う。 例えば、3年前にモスクワでミスユニバースの大会を開催し、つい昨年には「私はロシアをよく知っている」と明言していながら、先月に「ロシアにはこの10年、電話もかけていない」とすぐ分かる「ウソ」を言う男だという。 A氏:政策に関しても、政治家が「ウソ」の説明をするのは、これまでならば比較的検証しづらい主張に限られていた。 しかし、トランプ氏の「ウソ」はすぐ検証可能で、例えば、殺人発生率がこの45年間で最悪だという「ウソ」は、発生率は2015年に上昇したとはいえ、1990年の半分しかないと簡単に検証できる。 さらに、主張の「ウソ」が証明された後も、とにかく繰り返し言い続けているのが今までにない特徴だという。 私:ここで問われるのは、いったいだれが彼を止めるのか、という点だと教授は言う。 共和党議員が道徳性に欠け、大統領を制止するような行動をとりそうにもないことは、日に日にはっきりしている。 現在の選挙制度の状況では、本選挙が多くの政治家にとってあまり意味を持たなくなっていて、現実的には共和党予備選の有権者が政治を決しているが、やっかいな真実は決して入り込まない、FOXニュースの世界しか知らない人たちだ。 A氏:ジャーナリズムはどうか。 トランプ政権発足後の数週間には、ジャーナリズムの栄光の日々があり、独裁気質の連中が隠し通そうとしている秘密を、記者たちは洗い出してきて、そのプロ意識と勇気は、高く評価しなければならないと教授は評価する。 私:しかし、問題は、その後にトランプ大統領が議会で行った施政方針演説への反応だと教授は言う。 大半のニュースメディアを見ると、絶望を感じるという。 演説内容は、「ウソ」とひどい政策提案だらけで、それがプロンプターに映し出され、落ち着いた口調で読み上げられると、だれもが突然、「『ウソ』つき長官」を「大統領にふさわしい」と断言するようになったという。 教授は、最後に「たったそれだけで、かつてなく欺瞞に満ちた男のみそぎが済み、米国の最高位に就任できるのなら、絶望的だ。そんなことが再び起きないように、願おう」と絶望的な言葉で終わっている。 日本も覚めた目で、米国政治の真の姿を見つめる必要があろう。
2017.03.10
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私:ネット検索大手グーグルが、同社のガイドラインに反する不適切な手法で検索結果の表示順位を引き上げたとして、企業サイトやまとめサイトの順位を強制的に下げるペナルティーを相次いで科していたことが分かり、ペナルティーは、多数の上場企業にも広がっていると報じている。 低品質なまとめやリライト記事を量産していたメディアが順位を下げているという。 A氏:検索順位で1ページ目の1番目と5番目でもアクセス数は天と地の差があり、2ページ目ではユーザーの目にとまらず、サイトの存続に関わるという。 私:IT業界では、今回のグーグルの検索順位を決めるアルゴリズム変更は閉鎖された医療情報サイト「WELQ(ウェルク)」の問題が引き金になったとみられている。 WELQを運営していたIT大手「DeNA」は、外部筆者に対し、「サプリメントはがんに効く」といった不正確な情報や他のサイト情報を丸写しする手法を指示し、大量のまとめ記事を投稿し、内容が充実したサイトと見せかけてアルゴリズムを欺き、検索上位を確保していた。 「DeNA」は昨年末に謝罪会見を開き、WELQなどのまとめサイトを一斉に閉鎖した。 A氏:グーグルはペナルティーの存在を認めていないが、その対象は幅広い業種に及んでいるという。 朝日新聞が2月に実施した上場100社アンケートでは、23社が最近5年間にペナルティーを受けたと認め、内訳は保険9社、金融5社、IT・サービス4社、運輸2社、自動車販売2社、教育1社で、一方、ペナルティーを「受けていない」は49社、無回答や回答拒否が28社だったという。 私:もう一つの例として、ネットメディア企業「リブセンス」(東京)は2012~14年、運営するアルバイト情報サイト「ジョブセンス」がグーグルから警告を受け、順位は1ページ目の上位から2ページ目以降に下落し、売り上げも一時落ち込むなど業績に響いた例がある。 同社は当初、「被リンク型」と呼ばれる方法で検索上位を確保していたが、この手法は、各自治体サイトの広告枠にジョブセンスのバナー広告を出したり、自社で多数の別サイトを立ち上げたりして、他のサイトとジョブセンスとのリンク数を増やし、利用者からの評価やアクセス数を上げるものだ。 A氏:「検索エンジン最適化」(SEO)の手法を大別すると、自社や顧客のサイトの充実度や価値を上げる「内部対策」と、外部からの評価を高める「外部対策」に大別されるという。 日本で当初主流だったのは「外部対策」で、サイトに対するリンク数を「人気投票」に見立て、リンクが多いサイトほど利用者に支持されていると考えるが、実際は有用ではないサイトでも、リンク数が多いと上位に表示されることもあった。 リンクを水増しするために内容の乏しい外部サイトを大量保有し、大もうけした業者もいたという。 このためグーグルは2011年、他サイトからの転載や内容が乏しいサイトなどの評価を下げるアルゴリズムを導入(日本語適用は12年)し、12年には、関連性が薄かったり、低品質だったりするサイトからのリンクを評価しないよう改善を進めたという。 私:これにより、コンテンツの内容をより重視するグーグルの方針変更に応じ、企業はサイト自体の価値を上げる「内部対策」に重点を移したという。 利用者にとってはいいことだね。
2017.03.09
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私:君は「糖質制限食」をしているが、この欄の宗田氏のオピニオンは、まさにそのすすめだね。 氏は、現代人は甘い食べ物や飲み物をとりすぎていて、甘さがこれほど容易に手に入る時代は、人類史になく、せいぜいこの60年で、この変化で、食べ物から生命体に必要なエネルギーを得る代謝回路に狂いが生じ、糖尿病など多くの病気の原因になっているという A氏:甘さと一口にいうが、栄養学では炭水化物から食物繊維を除いた糖質で、なかでも、現代の甘さを支えているのは、精米や精製小麦粉、清涼飲料に含まれている糖類といった「精製された糖質」だね。 私:歴史的にみると、人間の代謝回路には、糖を分解するものと、脂肪を分解するものの二つがあり、縄文時代の遺跡から日本人の食事内容を推測した研究では、主食は魚や貝、クルミで、たんぱく質と脂肪が80%、炭水化物が20%。 当然、代謝の主役は脂肪を分解する回路だった。 A氏:ところが、その後、農耕が始まり、炭水化物の摂取が増えたが、人体は数千年ではその変化に対応できず、代謝の主役が逆になり、糖を分解する回路が常にフル稼働。 膵臓から出るインスリンが、血液に溶けた糖の量を調整し、かつては代謝の脇役だった膵臓が長年の長時間労働で疲れ果て、糖尿病を起こすともいえるという。 特に「精製糖質」は、血糖値を短時間で急激に上げ、調整役のインスリンが一気に大量分泌され、これを繰り返す膵臓の疲れは、たまる一方。 私:糖質のやっかいさは、必ずしも強い甘みを伴わないことにもあることで、茶わん1杯のご飯150グラムに含まれる糖質は55グラム、角砂糖なら17個。 角砂糖を一度に17個も食べられないが、ご飯1杯は食べられるという「糖質のワナ」だね。 A氏:糖質は体に欠かせないエネルギー源なので、医師の間でも、とり方や適量には様々な意見があるが、多くの人は甘い物には甘い。 なぜ、人間は糖質から逃れられないのかというと、脳が甘さを感じると、快感をもたらす神経伝達物質のドーパミンを分泌し、この味を覚えると中毒になるから。 メカニズムは、危険な薬物に似ていて、中毒性を持ち、徐々に体をむしばむ糖を「マイルドドラッグ」と呼ぶ医師もいるほど。 私:人体は糖質の多くを、植物由来の食べ物から得るが、植物は美しい花を咲かせて昆虫を集め、受粉を手伝わせて広く繁殖する。 これと同じように、糖質をとりすぎてしまう原因は、脳内で甘さの中毒症状を起こして動物にたくさん食べさせ、繁殖域を広げる植物の戦略に、動物がのせられてしまっているからではないかと、宗田氏はいう。 A氏:宗田氏は、この欄ではふれていないが、「糖質制限食」に反対する医師は、糖は脳の活動に重要だからだというが、実は糖不足になると、人体はケトン体というものを作り補うのだという。 ケトン体のほうが脳にすぐれているという医師もいる。 私:とにかく、君の「糖質制限食」に理論的な説明が追加されたね。
2017.03.08
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浅田 次郎 帰郷【中古】afb 私:この本は、このブログの「14日朝日新聞・日曜書評」よりでとりあげたが、その後、 第43回大佛次郎賞に決まったね。6作の戦争小説を収めた短編集。 6作中、気になった3作についてまとめておく。 1.短編「帰郷」:庄治は松本のある庄屋の長男に生まれた。昭和16年、22才で、春に女学校を出たばかりの糸子と結婚したが、その年の12月8日、太平洋戦争がはじまった。 弟の精二は小児麻痺で体が不自由だったが、頭がよかった。17年に娘が生まれ、翌年、2人目の子供が女房の腹にいるとき「赤紙」がきた。 松本の連隊の補充隊にいたが、昭和19年動員令が出て、満州でなく、マリアナのテニアン島に到着し、松本連隊はここに集結した。 南国のテニアン島は夢のような島だったが、そうこうするうちに、青い海が真っ黒に見えるくらいの敵が押し寄せてきて、松本連隊は玉砕した。日露戦争のさなかに編成され、郷土の誇りだった歩兵50連隊は南洋の孤島で消滅した。 何人か生き延び、結局、庄治は捕虜になり、敗戦後、帰郷の旅につく。 ようやく松本駅に降りたら、駅で待っていた姉の夫の三郎がぴったりと横につき、家に帰るなという。 すでに庄治の戦死公報が家に来たので葬儀も終わり、弟の精二が妻と結婚し、子供もなついているという。その平和を乱してくれるなという。 庄治は、松本駅を後にしてあてもなく焼け野原の東京に向かう。2.短編「鉄の沈黙」 吾市は小舟で、ニューギニアの小さな分隊の陣地にある高射砲の修理を命ぜられ、派遣される。 彼は大阪の軍需工場に勤務していた技術者であった。 分隊にはマラリアにかかった兵士もいたが、薬はきれていた。 高射砲は修理できた頃、敵襲があり、高射砲は使えたが、反撃を覚悟していたら、敵は近くの別の地域の日本軍に攻撃目標を変えたようで、こっちに反撃はなかったが、その近くの日本軍は全滅したらしく、一瞬の静寂が訪れた。 その間、吾市は壕に入り軍隊手帳の余白に書きつけた。「我が砲兵は熟練の職人のごとく、正確に目測し、的確なる操作を行うが、米国の新兵器は計算機にて電気的に照準するという。技術が及ばないのは虚しい。国が貧しいのは宿命だが、科学技術の及ばないのは怠慢だ。米軍の爆撃に続く濠洲軍の砲撃は正確無比。科学技術の敗北、技術者のはしくれとして認めざるを得ない。お父さん、吾市は不勉強でした。とても頑張ったが敵いません。」3.短編「夜の遊園地」 勝男は、遊園地の案内のアルバイトをしていた。幼い時、父親はレイテ島で戦死したという公報がきた。 遊園地の公園内にお化け屋敷がある。担当の女性に「15分位たつが出てこない親子連れがいる」と言われ、さがしにお化け屋敷に入る。すこしいくと、少年が路上にぽつねんと佇んでいた。「ボクどうした」というと、少年は路端の茂みを指差した。作り物の木立ちの根方に父親が、うずくまって正座して、震える手で合掌していた。そこは、戦国時代の合戦場というしつらえで、あたりかまわず累々と死体がころがっていた。勝男は理解した。この父親は南洋の玉砕の島から生還したのだと。弾丸も尽き果て、口にする食糧の一粒とてない地獄から。 、戦争経験者は、次第に減少し、日本では4人に1人くらいになっていて、語り部も減り、平和ボケで、次第に戦争に対する想像力が乏しくなりつつある。最近、国会でも問題になっている「森友学園」の教育がそうで、日本の戦争の反省の影は皆無。戦争の残酷性もついでに教えるべきだ。「帰郷」のように文芸作品で、その想像力を高めるという方法が ある。
2017.03.07
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私:15日投開票のオランダ総選挙が迫っているね。 もともと、オランダは、近隣国との良好な関係は死活問題だから、常に欧州統合(EU)を推進してきた経緯がある。 だが、EU統合に邁進するエリート層と、国民の思いは次第に乖離してきた。 その表れが、EU憲法条約をめぐる05年6月の国民投票で、61・5%が反対し、否決されたことだ。 欧州統合の牽引役だったオランダが、統合深化に「ノー」を突きつけたことに、EUや各国に驚きが広がった。 移民流入への懸念や、EU分担金の負担が重い割に見返りが少ないことへの不満が反対の理由とされる。 A氏:この時、「反EUキャンペーン」を主導したのが、自由党のヘルト・ウィルダース党首(53)ウィルダース氏だった。 徹底した「反イスラム」が特徴で、イスラム教を、「自由」を脅かす存在とみなし、国内のモスク(イスラム教礼拝所)の撤去や聖典コーランの発行禁止を掲げ、一方で、低所得者層や高齢者への福祉の充実を訴える。 私:背景にオランダ経済の悪化があり、リーマン・ショック後、欧州経済の減速のあおりをうけて、経済成長率が急激に落ち込み、財政赤字は拡大し、政府は社会保障の見直しを迫られた。 国民には負担増が重くのしかかり、オランダ統計局のデータでは、08年以降、9割の国民の資産が減り続けていて、不動産を売却したり、貯金を取り崩したりしているとみられる。 生活への不満が、移民や難民の「福祉ただ乗り」批判につながっている。 A氏:この経済状態を背景に、自由党のヘルト・ウィルダース党首は、移民排斥やEU離脱を訴えて、第1党をうかがう勢いだという。 私:ただ、最近の世論調査ではEU離脱反対が多数派だという。 英国のEU離脱決定後の混乱を目の当たりにした国民は、安定を優先しているとみられる。 それでも、既成政党への反発を追い風に、総選挙で自由党が下院の第1党になる可能性は高く、EUに与える衝撃は少なくなく、今後の統合のあり方にも影響を与えることは必至とみられるという。 15日の選挙結果に目が離せないね。
2017.03.06
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私:7世紀、倭国(日本)の国書を携え、中国大陸に向かった遣隋使について、初めて派遣された年や、隋に対する優位感情が国書から読み取れるというとらえ方は変わってきているという。 遣隋使の記録は、「日本書紀」と中国の「隋書」に残り、本居宣長以来戦後の一時期までは、国内史料を特に重視する立場から、「日本書紀」に記述がない600年は顧みられる機会が少なかったが、史料分析が進み「日本書紀」の一部に誇張があることが明らかになり、隋書に残る600年を第1回と考える見方が広がってきたという。 A氏:学校では、遣隋使は「607(群れなす)船」と語呂合わせで覚えたもんだが、第1回の派遣は、600年という見方が現在では優勢なんだね。 私:この7年の差は大きい。 607年に次の遣隋使が派遣されるまでの間に、「冠位十二階」や「憲法十七条」が制定されるなど矢継ぎ早に改革が断行されたからだ。 その原因は、隋書に書いてあり、600年の遣隋使に隋の皇帝側が倭の為政方針を尋ねた時、「夜明け前に政務をし、日が昇るとやめる……」と答えたため皇帝はあきれ、政治のやり方を改めるよう諭したとあることによるという。 A氏:「野蛮な国」扱いされた衝撃が、倭に改革熱を呼び込んだというわけだね。 私:しかし、改革後の倭から派遣された、小野妹子ら607年の遣隋使は、「日出処の天子、書を日没処の天子に致す」の国書を持参した。 受け取った隋の2代皇帝・煬帝が激怒したという記録が残る。 怒りの理由について、かつては「日出処・日没処」に、倭が隋に対して優越か対等の関係にあるというメッセージを込めたためと解釈されることが多かった。 A氏:しかし、そうではなく、今は仏典を分析した奈良大の東野治之教授による「単に東と西を指す表現で使ったに過ぎない」という考え方が広がっているという。 私:中華思想では、「天子」は、天から委ねられた唯一の存在という意味で、皇帝以外に使うのは言語道断というわけだ。 「天子」という言葉について、倭は仏教用語の「仏法により国を治める王」の意味で使ったのではとする説もあり、煬帝は激怒したが、帰国する妹子に若手官僚を同行させた。 「倭と友好関係を築き、朝鮮半島の高句麗などを牽制する意図があったかもしれない」と気賀沢保規・明治大元教授はいう。 A氏:翌608年、再び隋に赴いた妹子は「東の大王(天皇)、敬(つつし)みて西の皇帝に白(もう)す」という国書を携えた。 「形だけかもしれないが、文書からは隋への恭順の姿勢が読み取れる」と東野教授は指摘する。 蛮国扱いの衝撃から8年。倭もしたたかな外交ができる国になっていたというわけだ。 私:派遣前夜6世紀後半の倭では、仏教を国として受け入れるか否かで対立があり、受容派の蘇我馬子らが反対派の物部氏らを暴力で一掃した。 当時の仏教は、中国皇帝が保護と世界的な普及を担う一方で、中国中心の国際秩序をつくる戦略にも使われ、それを受け入れたのだとみられ、それが遣隋使派遣の背景にある。 A氏:もう一つの背景が、朝鮮半島情勢で、半島にある高句麗、新羅、百済の3国は早くから仏教を受容し、隋への朝貢も始めていたことだね。 私:倭以外の周辺国は隋を共通のボスと認め、国際秩序ができていた中で倭だけ隋を無視して朝鮮諸国と外交をするのは難しいし、まして紛争など起こしたら、大国の隋に秩序を乱すとにらまれる恐れもあったと考えられるという。 中国との関係で、「国王」が問題になるのは、後の14世紀の明王朝のとき、足利義満は、明に朝貢の使者を派遣するが、明の皇帝からの親書では、朝貢してきたことを褒めてとらすと言う内容で「爾、日本国王源同義(義満)に対し、以後も朝貢を欠かさず『天下をして日本をもって忠義の邦たらしめよ』」とあったということだね。 「お前が日本国王であることを朕も認める」という明の皇帝からの国書で、隣国の皇帝から臣下となる「国王」を任ぜられるとは何ごとかとなり、これで義満は後の「大日本史」や「日本外史」で天皇に対する逆臣とされるね。 A氏:これは、このブログの「足利義満・消された日本国王」でとりあげているね。 私:そのブログでは、「日本書紀」で聖徳太子の言葉として「東の天皇、敬して西の皇帝に申す」と対等のような発言があるが、聖徳太子の頃は「天皇」の用語は生まれていないし、最近では聖徳太子の存在すら疑念が出ているという。 日本史は「天皇の歴史」に修正されている点が多いと指摘されているね。 遣隋使もその観点から、理解すべきだね。
2017.03.05
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私:石原氏の3日の記者会見を俺はテレビ中継で見ていたが、東京都はなぜ、土壌汚染が残る豊洲を、食品を扱う市場用地に選んだのかということで、当時知事だった石原慎太郎氏は折々でどんな判断をしてきたのかという事実の説明を期待したが、「専門家が決めた」「任せていた」「記憶にない」と連発し、事実解明は進まなかったね。 A氏:土壌汚染を認識した当初の石原氏の判断は大きな焦点だが、同じ質問が繰り返されたが、石原氏は「専門家が専門性を駆使して多角的に決めた。私が関与する余地も知見もありません」と、自身の専門外だと何度も強調。 司会者が、「何のために知事がいるのか」と問われると、「知らないものは知らないし、任せるしかない」と堂々と突き放したね。 要するに、説明が肝心のところに来ると、「私は専門家じゃない。知見も、能力もない」「総意として上がってきたものを認可した。議会も是とした。責任はみんなにある」と淡々と繰り返すだけだったね。 私:俺は、石原氏の発言を聞きながら、丸山真男氏が指摘した日本人の戦前から日本の「無責任論」的体質を連想したよ。 太平洋戦争に負けて、「一億総責任」「一億総懺悔」の再現だね。 A氏:石原氏は都知事というトップの仕事を理解していなかったようで、週2日ぐらいしか登庁していなかったという。 私:石原氏は、「専門家」「専門家」というが、自分は都のマネジメントの「専門家」だという自覚が皆無だね。 十数年位前だと思うが、ある大手製造企業で、「現場主義」ということで5つある工場のそれぞれの工場長は、1日何回かの現場巡回が要求されていた。 ところがあるとき、ある工場の工場長が交代になった。 新任の工場長はアメリカの工場に10年ほどいた人だが、彼は現場巡回をあまりしなかった。 彼は、現場は担当に責任と権限をまかせているのでやたらに介入すべきではないというアメリカ式のマネジメントが身についていたんだね。 そのかわり、現場担当から、常に詳しい報告を求めていたね。 工場全体のマネジメントの責任は工場長にあることを明確に自覚していたね。 A氏:「まかせっきり」はマネジメントをしていないことになるんだね。 石原氏は責任には「作為の責任」と「無作為の責任」があるといい、豊洲移転延期は小池知事に「無作為」の責任があるといいたかったらしいが、「まかせっきり」も「無作為の責任」だね。 私:マネジメントの専門家は、技術的な専門家の報告を聞くときは「シロートにも分かりやすく、かつ、ポイントを明らかにして説明してくれ」と要求する。 そうでないと、安易にハンコを押せないからだ。 A氏:その意味で週2日しか登庁しなかった石原氏より、毎日、忙しく登庁している小池都知事のほうがマネジメントを理解していると思うね。 私:マスコミも石原都政では、マネジメント不在だったことを追及すべきだね。 石原氏のマネジメントなしの「無作為の責任」をだね。 記者会見で石原氏から東京ガスとの交渉をめぐるキーマンと名指しされた元都知事本局長の前川燿男練馬区長は3日、同区役所で記者会見し、「とばっちりで、いい加減にしてほしい。私は関係ない」と憤りをあらわにした。 都が東ガスに土壌汚染対策の追加負担を求めないとした23年の協定書についても前川氏は「(締結は)私が辞めた6年後。知りません」と述べた。 また、部下の動きを掌握していない石原氏のマネジメントの盲点が顕になったね。
2017.03.04
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私:日本の防衛費は、三木内閣が平和主義を掲げる国家として、防衛費を青天井にしないという狙いがあり、1976年、国民総生産(GNP)の1%以内に抑える方針を閣議決定したが、その後、中曽根内閣が1%枠撤廃を決め、87~89年度の3年間は1%を突破したが、財政事情を反映し、それ以降は民主党政権の10年度を除き、1%弱で防衛費は推移。 A氏:安倍首相は2日の参院予算委員会で、「国内総生産(GDP)比1%」にとらわれず、防衛費を増やしていく意向を示したという。 トランプ米政権が国防費を1割増やし、同盟国に「応分の費用の負担」(トランプ大統領)を求める中、日本としても1%突破に向け意欲を見せた格好だと報じている。 私:安倍政権はもともと、「中国は27年間で軍事費を40倍増やしている」(首相)などと、中国の国防費増を強く意識しつつ、日本の防衛費の増額を優先課題に据えてきており、2017年度当初予算案の防衛費は過去最大の5兆1251億円。 それでも、対GDP比は0・93%にとどまっている。 A氏:首相は「安倍政権においては、GDPの1%以内に防衛費を抑えるという考え方はない」と明言。 「アジア太平洋地域の安全保障環境等々を勘案しつつ、財政状況もあるなか、効率的にわが国や日本人の命を守るために必要な予算を確保する考えであり、1%という上限があるわけではない」と強調 また、第2次安倍政権発足以来、防衛費を前年度比で毎年0・8%以上伸ばしてきたことに触れ「米国に大変高い評価を得た」と胸を張っているという。 私:首相はトランプ氏から直接、防衛費の増額を要求されてはいないが、米国は「現状に決して慢心してはいけない」(マティス米国防長官)と自衛隊の役割拡大に期待を寄せているという。 A氏:2日の参院予算委員会で、日本維新の会の片山虎之助氏は、北大西洋条約機構(NATO)加盟国の多くが「GDP比2%」の軍事費目標を達成していないことを米国が問題視している点に触れた。 安倍政権は米国の意向をテコに、これまで以上に防衛費の増額に力を入れるとみられるが、日本の防衛費増が東アジア情勢の緊張感をさらに高める恐れもあり、片山氏は「他国の軍拡を誘発しないか」と懸念を示したという。 私:しかし、トランプ米政権の国防費1割増や、東アジア情勢の緊張、北朝鮮の動きに対して、少子高齢化の厳しい財政事情の中で、防衛費の増加はさけられそうもないね。 軍需品の購入は米国よりのものが増加し、トランプ氏が歓迎するかもしれない。
2017.03.03
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私:日銀の政策委員会の佐藤健裕審議委員と木内登英審議委員の両名が、大規模な金融緩和を行う日銀で、政策決定に異論を唱えてきて、最近、相次いで現在の政策を批判したという。 両氏は7月に退任する予定で、異例の政策を続ける日銀内での「歯止め役」が、今後はいなくなりかねないという。 A氏:佐藤氏は、2013年4月の大規模緩和の導入には賛成したが、その後、日銀は「物価上昇率2%」達成に向け、マイナス金利、長期金利操作を繰り出した。 佐藤氏はこれらの追加策には反対し、「政策の持続性を確保すべく、意見してきた」と語り、「2%」達成にこだわって、柔軟な政策運営ができなくなることに懸念を示したという。 日銀が金利を低く抑える中、政府が財政再建の努力を怠ることへの懸念も表明し、「財政への信認が低下して長期金利が上昇する場合、日銀の買い入れでリスクプレミアムを抑えることができるかは不確実だ」と述べたという。 私:佐藤氏は、「前例のない大規模な金融緩和策をソフトランディングさせることが今後非常に重要だ」と述べ、緩和策の先行きへの危機感をにじませたという。 同様に反対姿勢を示してきた木内氏は、最近、米国の金利上昇で日本でも金利が上がっており、日銀の金利抑制策は「最初の大きな試練になっている」「国債市場の機能を著しく損ねて不安定化させる」と指摘したという。 A氏:両氏は、白川前総裁時代の2012年7月に審議委員に就任し、佐藤氏はモルガン・スタンレーMUFG証券、木内氏は野村證券のエコノミスト出身で、当初は「緩和積極派」とされた。 私:13年3月に黒田総裁が就任し、大規模な緩和策の導入には両氏も賛成したが、その後、物価が「2%」に届かない中、追加策を続ける黒田総裁ら執行部と、「この政策は短期決戦型のいわばショック療法」(佐藤氏)と慎重な両氏の違いが目立つようになったという。 これまでの追加策の決定では、両氏以外の反対があり、政策委員9人で賛成5人、反対4人というケースもあったが、委員が交代するごとに反対は減り、最近、反対するのは両氏だけになったという。 A氏:両氏は、7月に5年の任期を終えて退任するが、これで、執行部案に反対票を投じる人がいなくなる可能性があり、現在の執行部は、反対意見を取り込まないようにみえるという。 私:多様な意見がないと議論が活性化しない懸念が増えそうだね。 株価の問題もこのブログ「公的マネー、東証1部の半数980社で大株主に・GPIF・日銀の『2頭のクジラ』株高演出、運用40兆円の巨大投資、ゆがむ株価」でふれたように異常な状態なのにいつ「出口」が見えるのかね。
2017.03.02
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私:25日のブログの「アマゾン宅配急増、ヤマトに集中 『今の荷物量、無理』」でとりあげたヤマト運輸の宅配便問題について、会社側はドライバーの労働環境の改善に向けて、時間帯指定の配達を見直す方針を固め、今春闘の労使交渉で組合側に提案すると報じられているね。 A氏:現在、荷物の受け取りを指定できる時間帯として、午前中▽正午~午後2時▽午後2~4時▽午後4~6時▽午後6~8時▽午後8~9時の6つを用意しているが、配達が特定の時間帯に集中すると、ドライバーの負担は重くなるため、指定が比較的少ない正午~午後2時と、時間帯の幅が短く多忙になりがちな午後8~9時の二つの時間帯の指定をとりやめ、正午~午後4時のように時間帯の幅を広げることを検討しているという。 ドライバーの負担軽減につなげる狙い。 私:俺のところは時間指定となると、在宅の確実な午後8~9時となるね。 アマゾンプライムだから、翌日配達の場合、時間指定はしていないね。 A氏:俺もそうだね。 私:「アマゾン宅配急増、ヤマトに集中 『今の荷物量、無理』」でふれたように、インターネット通販の普及で、宅配便の荷物量は急増し、組合側は今春闘で、荷物の取扱量の抑制を要求しており、より抜本的な対策が求められる可能性もあるという。 しかし、宅配便のサービス低下は人手不足の影響で避けられそうもないね。
2017.03.01
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私:「トランプ断ち」とは、興味をひくね。 始めた人は、米紙ニューヨーク・タイムズのコラムニスト、ファーハド・マンジュー氏で、トランプ米大統領のニュースがあふれるなか、トランプ氏関連ニュースを見ずに1週間過ごす「トランプ断ち」に挑戦したという。 マンジュー氏のコラムを読むと、米国の政治ニュースをいくら避けても、スポーツやエンターテインメントといった一見、トランプ氏とは無関係と思われるイベントにもトランプ氏の影が見え、マンジュー氏がかなり苦労していたことがわかるという。 A氏:アカデミー賞のイベントでもトランプ氏の影が色濃く反映していたね。 私:そこで、この「ネット点描」コラムの筆者・勝田敏彦氏は、日本でもトランプ氏のニュースがあふれている中で「トランプ断ち」を試してみたという。 実験初日の朝、寝床で見た朝日新聞デジタルの「トランプ政権、CNNやNYT閉め出す 記者協会が抗議」「トランプ政権、19年にも有人で月往復 前倒し検討指示」という見出しには興味を持ったが、閲覧をぐっとこらえたが、「『平等』・スカーフ…反トランプ?に喝采 ミラノ・コレ」は思わず閲覧してしまい、早々の挫折となった。 A氏:勝田氏によると、「トランプ断ち」をやってみて分かったのは、トランプ氏の話題は政治だけでなく、「反トランプ」の形でカルチャーの世界も大きく巻き込んでいるという実態で、「トランプ的なるもの」にどう向き合うかが、いま社会全体のテーマになっているという。 私:ニュースメディア側の都合もあるね。 CNNはトランプ氏から名指しで批判されているが、来日した同社のモース上級副社長によると、トランプ氏関連ニュースの視聴率は好調で、経営面のプラスを否定しなかった。 批判はしていてもトランプ氏の影響力を高めている点は否定できないね。 A氏:もう一つ、大きいのはソーシャルメディアの存在だね。 我々が、そのニュースを読みたいか読みたくないかにかかわらず、友人の「リツイート」や「シェア」といった形で、思ってもみなかったニュースが自分のスマートフォンに飛び込んできて、つい閲覧してしまうことだね。 私:自分の興味とは関係なく、いわば横から飛び込んでくるニュースを知らず知らずのうちに読み、自らも「シェア」することで、ニュース拡散のループに自分も加担していることに気づいた勝田氏は指摘する。 この複合的な力が、トランプ氏の力の源泉。 「トランプ断ち」をしようにも、私たちをとらえて離さない。 トランプ流は時代の申し子であると同時に、爆発的な影響力に恐ろしさも感じたという。 トランプ流はネット時代の申し子だね。 彼の短いツイッターでの発信の都度、米国だけでなく世界が一喜一憂して揺れ動いている。
2017.02.28
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私:フランスの大統領選が4月と迫っているね。 イギリスの「EU離脱」、米国のトランプ大統領の登場と世界に大きな変化が起きているだけにフランスの選挙結果は目が離せないね。 A氏:報道によると フランスの右翼・国民戦線(FN)のルペン党首が、4月に迫る大統領選の第1回投票に向けて先頭を走っているという。 私:仏大統領選は、第1回投票で過半数を得る候補が出なければ、上位2人での一騎打ちとなる。 大統領選の主な顔ぶれが出そろった1月以降、世論調査でルペン氏は首位の座を保っているという。 ルペン氏は26日、仏西部ナントで集会を開き、「大量の移民はもういらない」「国境を再構築する」と訴えて喝采をあびた。 選挙戦を優位に進めるルペン氏は先立つ23日、50カ国ほどの外交官らを前にパリで講演会をし、ロシアやシリアとの関係改善を訴えたほか、中東リビアへの軍事介入などを念頭に、「フランスは自らと関わりのない戦争をしてきた」と指摘し、外交・安保面でも「自国第一」を強調。 A氏:トランプの「アメリカ、ファースト」と同じで「フランス、ファースト」だね。 私:景気が足踏みを続け、失業率が高止まりするなかでFNは、既存政党への不信や、国民の不満を吸収して支持を広げている。 A氏:最大野党の中道右派・共和党のフィヨン元首相は1月、妻を架空雇用し公金を流用した疑惑が明るみに出て勢いを失った。 社会党はオランド大統領の不人気が響いて苦戦が続く。 ルペン氏を追うのは、「右でも左でもない」と独自に立候補するマクロン前経済相で、中道政党・民主運動のバイル代表の支持も得て支持率の差を縮めた。 私:FNはこれまで、差別的で憎悪をあおる政党だとして嫌悪される存在だったが、2011年に党首に就いたルペン氏は、「ふつうの政党」へのイメージ転換をはかった。 決選では「反FN」意識が高まるとみられるが、棄権が増えるようだとルペン氏のチャンスが広がるとみられる。 さて、4月はどうなるか。
2017.02.27
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私:年金資産を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)と日銀が、東証1部に上場する企業の約半数の約980社で事実上の大株主になっていることが、朝日新聞などの調べでわかったという。 アベノミクスによる巨額の「公的マネー」が株式市場を支える一方、企業の本来の実力が株価に正しく反映されない恐れもあると報じているね。 A氏:約40兆円に及ぶ年金と日銀マネーは、いまや日本市場の「隠れた巨大株主」になっていて、その存在の大きさから「2頭のクジラ」とも呼ばれる両者の公的マネーに支えられた「官製相場」は、企業の「稼ぐ力」を反映せず、株価に割高感をもたらしており、その終わりはみえず、公的マネーの存在感は増すばかりだという。 私:巨大な「官製相場」ができあがる転換点は、2014年10月にさかのぼり、その半年前の消費税率引き上げで減速した景気を刺激するため、日銀が追加緩和策を決める。 その大きな柱は、日銀がETF(上場投資信託)の購入額を3倍の年3兆円に引き上げることと、同時にGPIFは、日本株での運用比率を12%から25%に引き上げることだ。 A氏:12年末に始まった円安株高の「アベノミクス相場」を引っ張ったのは海外マネーだったが、一進一退を繰り返す日本株を海外投資家が見限り始めると、これに代わるように「2頭のクジラ」が国内の株式市場を支える図式に変わった。 私:しかし、日銀は投資目的でなく、物価を安定させる金融政策の一環としてETFを購入しているのであって、日銀がデフレ脱却の目標としている2%の物価上昇率がやがて達成され、日銀がETFの売却に転じれば、株価の下落を招く恐れがあるし、株式の運用比率を上げたGPIFも打撃を受け、「2頭のクジラ」は一蓮托生の関係ともいえるね。 A氏:公的年金を株式市場で運用する例は、カナダやノルウェー、米カリフォルニア州などでもあるが、運用資産の規模で約130兆円と世界最大級のGPIFには遠く及ばない。 株式市場は幅広い投資家による自由な取引で株価が決まるべきで、長期にわたって公的マネーの関与が強まるべきでない。 市場では、午前の株価が下落すると、日銀がETFを購入する期待が強まって株価が上昇する場面がよくみられ、日銀が買い入れを減らすなどの政策をとれば、市場への影響は大きい。 中央銀行が株式市場に介入する例は珍しく、慎重な出口戦略が必要だね。 私:量も質も世界に類をみない「官製相場」はいつまで続くのか。 日銀からは「ETF購入をやめても市場に影響を与えないように、30年とか50年かけて株式を放出すればいい」(幹部)との声も聞こえるという。 そうなると、アベノミクスに隠れた「わな」からは当面抜け出せそうもないとみられるね。 また、トランプはこの「官製相場」をどうみるかだね。
2017.02.26
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私:俺はアマゾンのプライム会員だよ。 理由は簡単で、売り上げが減少した商品は、スーパーやコンビニで消えていき、よく売れる商品に入れ替わる。 ところが、アマゾンでは「ロングテール(long tail)」という見方があるんだね。 ネット販売において、ほとんど売れないニッチ商品の販売額の合計が、ベストセラー商品の販売額合計を上回るようになる現象のことだね。 販売ランキング順に販売額の曲線を描くと、ベストセラーが恐竜の高い首(ヘッド)で、ニッチ商品が長い尾(テール)のようになっているところから名づけられた。 これまで「2:8の法則」などといわれていた2割の商品が8割の売り上げを稼ぐ、という法則がインターネットにより成立しなくなってきているというわけだ。 A氏:俺もアマゾンのプライム会員で、君と同様にアマゾンがニッチな商品をキチンと扱っているからだ。 例えば、俺の安全剃刀は古い2枚刃だが、スーパーやコンビニでは替え刃は4枚刃が主で、2枚刃などないが、アマゾンの通販では買える。 私:ロングテール現象はインターネット特有のものとしている。 そして、アマゾンプライムでは配達料ゼロで、翌日配達が主で、中には当日配達もある。 便利だが、宅配便業者の負荷増大になっていると新聞は報じている。 A氏:ヤマト運輸は宅配市場の5割近くを握る最大手。 2016年度の荷物量は前年度比8%増の18億7千万個になる見通しで、ネット通販の普及で荷物量は右肩上がりに増えていて、5年前と比べると3割増。 スマートフォンの普及を背景にネット通販はさらに拡大しそうで、伸びは収まりそうにないという。 「扱う荷物の4割ぐらいをアマゾンの段ボールが占めている感じで、ほかにもゾゾタウンやアスクルなどネット通販の荷物が目立って増えているが、今一番困らされているのはアマゾンだ」と都内を担当する30代のドライバーはいう。 私:確かに、アマゾンのネーム入りのダンボールは目につくね。 小さな商品でも大きなダンボールで宅配される。 A氏:業界2位の佐川急便が数年前、利幅の薄い荷物は引き受けない戦略に切り替え、ネット通販大手アマゾンの荷物がヤマトに流れてきたという。 私:「ゆうパック」を扱う3位の日本郵便も、10年の日本通運の「ペリカン便」との統合時に起きた大規模遅配の反省から量を追うことに慎重で、これもヤマトに荷物が集中しやすくなっているという。 ヤマト運輸の労組が危機感を強めたのは2年前で、荷物の増加にドライバーの採用が追いつかず、目標を守れなくなっているという。 A氏:アマゾンや楽天、ヤフーに代表されるネット通販は00年代に急成長し、経産省によると、15年の市場規模は7兆2398億円で、6兆円を割り込んだ全国の百貨店の年間売上高をすでに上回る。 総務省の統計では、2人以上の世帯がネットで1カ月に買い物をする金額は昨年12月に初めて1万円を超えた。 いまや3割の世帯がネットショッピングを利用しているという。 俺なんか、本や孫へのゲームソフトをも含めると2万円を超える月もあるよ。 私:俺も同じだね。 それだけにサービス競争は激しく、「送料無料」や、商品が届く「早さ」を競うサービスが急拡大し、その分、玄関まで商品を届ける宅配業者の負担は確実に増したわけだ。 A氏:一方、急速な少子高齢化を受け、物流を支えるトラック運転手らの不足は深刻。 有効求人倍率は、16年で2・33倍と、全職業平均の1・22倍を大きく上回り、 上昇傾向が続く。 私:労働環境は厳しく、年間の残業時間は、1人あたり平均396時間で、全産業平均の156時間の2・5倍に達する。 月給は32万3600円で全産業平均より1万円ほど低く、年間賞与額は36万9400円と、全産業平均の半分にも満たないという。 配送料は安いまま、「即日配送」といった質の高いサービスも求められる。 このままいくと日本の物流はパンクしかねないという。 アマゾンプライムも、翌日配達や送料無料の特典がどうなるかね。
2017.02.25
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私:このところ、このブログで「2月8日の麻生財務相 衆院予算委員会での発言のファクトチェック」、「『たばこってそんな関係あんの?』喫煙者減っても肺がん増えた 愛煙家・麻生財務相が言及」と続けて、麻生大臣の発言の「ファクトチェック」をとりあげてきたが、今月の「池上彰の新聞ななめ読み」では、この「ファクトチェック」をとりあげているね。 A氏:池上氏はこれに関連して、大統領選でアメリカで流行語となった言葉として、「オルタナティブ・ファクト」と「フェイクニュース」をあげている。 「オルタナティブ・ファクト」とは「もうひとつの事実」という意味で、「フェイクニュース」は嘘のニュースだね。 私:「オルタナティブ・ファクト」については、トランプの大統領就任式の観客数について、「オバマ大統領の就任式より少なかった」とメディアが報じたことに対し、大統領報道官は、「過去最高だった」と批判し、この発言について、テレビ番組で追及された大統領顧問は、「報道官は『オルタナティブ・ファクトを述べた』」と事実でないことを「もうひとつの事実」だと言い張った例を上げているね。 A氏:池上氏は、日本の国会でも「オルタナティブ・ファクト」が語られたとして、自衛隊がPKOで派遣されている南スーダンで去年起きた事件について、「戦闘」ではないかと問われた稲田防衛相は「国際的な武力紛争の一環として行われる人の殺傷や物の破壊である法的意味の戦闘行為は発生していない」と強調した。 銃撃戦が起きていても、「法的意味の戦闘行為は発生していない」というのは、まさに「オルタナティブ・ファクト」であり、トランプ大統領の側近を笑っていられないと池上氏は厳しく指摘しているね。 私:もう一つの「フェイクニュース」では、2月16日、トランプ大統領は記者会見を開き、「フェイクニュース」という言葉を連発。 たとえばトランプ氏の陣営が、選挙期間中に、ロシア側と電話でやりとりしていたという報道について「フェイクニュースだ」と否定し、その一方で、こうした情報が情報機関から漏洩したことを調査すると言った。 漏洩が事実であることを認めながら、それを報じることは「フェイクニュース」になるとは支離滅裂だと池上氏はいう。 A氏:「ファクトチェック」では、トランプ大統領が「ロナルド・レーガン以来最大数の大統領選挙人を獲得した」と述べた点について、オバマ大統領もクリントン大統領もブッシュ(父)大統領もトランプ氏より多くの選挙人を獲得していると、トランプ大統領発言のウソをニューヨーク・タイムズが「ファクトチェック」で、指摘している。 私:朝日新聞の「ファクトチェック」では、安倍首相の発言の「ファクトチェック」をしている。 まず、安倍首相の1月30日の参院予算委員会での発言で、憲法改正について問われると、「具体的な案については憲法審査会で議論すべきだというのは私の不動の姿勢だ」と述べ、「どのような条文をどう変えていくかということについて、私の考えは(国会審議の場で)述べていないはずであります」と答えているが、朝日新聞は、「ファクトチェック」で、「誤り」と指摘。 実際には2013年2月の衆院予算委員会で憲法改正手続きを定めた憲法96条について問われ、「3分の1をちょっと超える国会議員が反対をすれば、指一本触れることができないということはおかしいだろうという常識であります。まずここから変えていくべきではないかというのが私の考え方だ」と答弁していたことを掘り起こしているという。 A氏:また、1月20日の施政方針演説で「兼山のハマグリは、土佐の海に定着しました。 そして350年の時を経た今も、高知の人々に大きな恵みをもたらしている」という発言について、「言い過ぎ」と朝日新聞は判定。 高知県漁業振興課によると、15年のハマグリの漁獲量は約400キロ、60万円相当で「大きな恵み」にはほど遠かったというのが、事実だという。 私:「ファクトチェック」は、政治家に無責任な発言をさせないブレーキ効果を発揮するね。
2017.02.24
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私:40年にわたって韓国経済を引っ張ってきた造船業を不況の影が覆っていて、ビッグ3と呼ばれる造船大手3社は昨年、人員整理を始めたという。 国民の不安や不満は膨らみ、今春にもあるとみられる大統領選の大きな争点にも影響するようだね。 A氏:人員整理の直接の原因は08年のリーマン・ショックで起きた世界の物流減少による船腹過剰で、さらに、経済成長に伴って上昇した賃金で、安価な労働力を持つ中国に競り負けた。 16年のビッグ3の受注額は約72億ドル(約8200億円)で、目標だった197億ドルの4割にも満たなかった。 韓国メディアによれば、昨年の韓国の新造船受注量は累計で1989万CGT(標準貨物船換算トン数=造船の仕事量を表す指標)で、日本の2006万4千CGTを下回った。 韓国の受注量が日本を下回るのは99年以来、17年ぶり。 韓国メディアは「なぜ、日本の企業合併のような構造調整ができないのか」と政府批判を強めているという。 私:記者は、造船の街で韓国南東端の巨済島(コジェド)を訪れて現地の状況を報じている。 巨済市の代表的な繁華街、玉浦(オクポ)地区には、1974年に本格的に操業を始めた大宇造船海洋のドックがあり、かつて夕食時には、同社社員でにぎわったという街角は閑散としていたという。 A氏:巨済には大宇とサムスン重工業の2大ドックがあり、蔚山にある現代重工業も加えた「韓国造船ビッグ3」は世界で十指に入る大企業。 74年当時、11万人だった巨済市の人口は現在、26万人で、総人口の7割以上が造船業にかかわる人とその家族とされる。 私:ところが、2015年末で9万1千人いた造船業関係者がいま、7万9千人に減った。 人員整理は巨済造船業40年の歴史で初めてで、市関係者らによれば、今年も1万4千人程度が整理されるという。 巨済には、米国で産業が廃れたラストベルト(さびついた工業地帯)のような雰囲気は、まだ漂っていないが、市関係者は「まだ人員整理が始まったばかりで実感がない」というが、不況の影は徐々に広がっているという。 韓国にも米国同様のラストベルトができるのが目前に迫っているね。
2017.02.23
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私:昨日のブログの「2月8日の麻生財務相 衆院予算委員会での発言のファクトチェック」で、麻生大臣発言の「ファクトチェックフ」の結果、間違いがあったことが指摘されたが、 この記事ではまた問題発言をしているね。 A氏:麻生財務相は21日の衆院財務金融委員会で、喫煙者が減っていることについて触れるなかで、「肺がん(の患者数)は間違いなく増えた。たばこってそんな関係あんのって色んな人に聞くんです」と述べたのだね。 私:麻生氏は愛煙家として知られ、喫煙と「肺がん」の因果関係に疑問を示した形で、さらに電子タバコについて「国会で吸えるよう提案してみてはどうか。イライラがずいぶん収まって、激論もちょっとは減るんじゃないか」とも語ったという。 「ファクトチェックフ」ではないが、国立がん研究センターなどの研究班によると、喫煙者が「肺がん」になる可能性は、男性では非喫煙者の4・4倍、女性では2・8倍高く、厚労省の専門家会議が昨夏まとめた「たばこ白書」は、「科学的根拠は因果関係を推定するのに十分」としているという。 A氏:これでは、「受動喫煙対策、煙る永田町 飲食店規制、愛煙家の議員反発」でとりあげたように、受動禁煙対策で、安倍首相と麻生副総理の間でももめそうだね。 私:俺の知人で若いときから、糖尿病だが、医者の注意を無視して煙草をプカプカ吸う奴がいた。 彼は、煙草をよく買う、近所のタバコ屋の老婆に「店に煙草をよく買いに来るおなじみさんで『肺がん』になった人がいるか」と聞いたら「いない」と言っていたというのを根拠でにして、「肺がん」と煙草の直接関係を否定しているね。 A氏:解剖学者の養老孟司氏も愛煙家だが、「肺がん」と喫煙の直接の関係を否定し、むしろ大気汚染を問題にしているね。 私:実はトランプ大統領は、「地球は温暖化していない」として、オバマ政権がとった二酸化炭素削減政策を撤回しており、さらに地球温暖化対策に消極的な人物を環境保護局長官に選んだ。 せっかくのパリ協定も意味がなくなりつつある。 トランプ米政権が科学研究をないがしろにする恐れがあるとして、米マサチューセッツ州ボストンで19日、「地球温暖化」を警告する科学者らによる抗議集会があったね。 何か、日米似たような現象が発生しているね。A氏:しかし、君は地球温暖化に疑念を持ち、その知的街道を数年前に「地球温暖化の詐欺を暴く」などで展開していたね。私:これらの人は今、どうなっているんだろうか。 トランプ大統領を支援しているのだろうか。
2017.02.22
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私:トランプ氏のツイッターを含めた発言で、事実とことなるものが多かったので「ファクトチェックフ」という言葉が流行りだしたね。 「ファクトチェック」とは、政治家らの発言内容を確認し、その信憑性を評価するジャーナリズムの手法をいう。 この手法で、2月8日の麻生財務相の衆院予算委員会での発言を「ファクトチェック」している。 A氏:麻生財務相は、2月8日の衆院予算委員会で北九州市と福岡市を比較し、人口の増減の比較から、福岡市長の行政手腕を高く評価する発言をしているね。 私:麻生氏はまず、「両市は、ほぼ100万人前後でスタートして、途中北九州市は『130万人』までいった。今は95万、96万人ぐらいだろう。かたわら(福岡市は)152万人にいった」と発言をはじめたが、「ファクトチェック」によると、北九州市の人口は推計約95万人(1日現在)で、市ができて16年後の1979年の約107万人をピークに、「ファクト」は「どの市長の時代」もほぼ一貫して減っていて、かつ、麻生氏の『130万人』だったことがあるというのは誤りだという。 A氏:一方、福岡市は約156万人(1日現在)で、人口増加率(2015年国勢調査で5・1%)が政令指定都市でトップというのは事実だが、人口自体は戦後間もない46年以降、ずっと増え続けていて、「現市長になって、急に増えたわけではない」。 私:両市の人口動態に映る大きな要因は、製造業からサービス業への産業構造の転換で、工業が盛んだった北九州市は人口が減り、県庁所在地で商業都市の福岡市は増えた。 福岡市長の行政手腕が北九州市市長より優れていたわけではない。 A氏:この背景に現在の北九州市市長は選挙の時、麻生氏と敵対関係にあったが、福岡市長は麻生氏が選挙時に応援していることがあるね。 だから、強引に間違ったデータで「身内びいき」の発言をしたと受け取られかねないね。 また、麻生氏は、この発言の中で、全国の政令指定都市の数が『21』と言っているのも間違いで、正しくいファクトは、『20』。 私:地方創生で首長の手腕が重要なのは論をまたないが、「ファクトチェック」によると麻生氏の人口の増減が首長の力量で決まると言い切るのは、トランプ流で乱暴で短絡的だね。
2017.02.21
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私:長時間労働をやめようと、夜8時にオフィスを強制的に消灯するなど、量的な抑制の報道ばかりで、ムダを省いて時間を短縮した例がほとんどないが、その点、組織風土改革の専門家・柴田昌治氏は、このインタビューでその点を鋭くついているね。 A氏: 柴田昌治氏は、「電通の長時間残業問題が社会的な関心を呼んでいるが、おそらく電通の労働実態は今も昔もあまり変わってはいないが、働き方に対する社会の受け止め方が大きく変わり、変わらざるを得ない状況になっている」という。 私:そして、今の「働き方改革」論議は、残業を何時間以内に減らすといった量的な議論ばかりで、質的な議論があまりないことが問題だと指摘し、仕事の質の見直しが大事だという。 仕事が10あるとしたら、そのうち本当に大事なのは2つぐらいで、そこに8割の時間をあてて集中すれば効果は上がる。 ところがしなくてもいいような仕事や、やらなければいけないが効率化できる仕事に時間を取られるようになると、労働時間が増えても成果は上がらないという。 生産性向上がなければ、意味のある「働き方改革」はできないね。 A氏:必要のない仕事の例として、会議に提出する資料を完璧にしようと分厚くしてみたり、何も決めない会議を続けたりすること。 そこに時間が取られ、忙しいように見えるが、大事な仕事には時間をかけておらず、仕事の質を見直さないと本当の「働き方改革」にはならないという。 私:無駄な仕事に時間を費やすのは、仕事の全体像が見えていないからで、昔に比べて経営環境は複雑で全体が見えにくくなっているが、目の前の仕事をさばくのが精いっぱいで、なぜこの仕事が必要なのか、全体の仕事の中で改善すれば効果が出る仕事は何か、といったことをあまり考えなくなっているからだという。 A氏:柴田氏は、うまく仕事をさばく「できる人」が会社を滅ぼすと主張している。 仕事が速く「できる人」は、どうやるかという手段を考えるのが得意だが、半面、仕事の意味や意義を問うたり、会社の将来にとって何が必要かをあまり考えたりしない人だという。 そんなことを考える人は、社内で排除されがち。 日本の多くの会社はさばくのがうまく、本質をあまり考えようとしない「できる人」が昇進する傾向があり、複雑な時代の経営には向いていないと柴田氏は指摘する。 私:会社に仕事を決められるのではなく、自分で仕事を決めるよう努めることが大切だという。 日立製作所のように子会社のトップとして自分で決断した人が親会社のトップに戻るケースも出始めた。 会社が進化するには、仕事は速いが自分で決めなくて、本質を考えないような「できる人」が変わる必要があるという。 A氏:こないだこのブログの「議会質問『代筆だめ』 小池知事、職員に通知」でとりあげたように、小池都知事が都職員が都議のために議会質問を作る慣習を禁止したというのは身近ないい例だね。 都議の質問書を器用に作成できる「できる人」でなく、職員は都庁や都議会が行政の透明化に向けてムダな文書作りの仕事を排除する本質を考えるべきだね。 それは都知事が方向を示したからで、民間企業では経営者が企業活動の本質を社員に示して「できる人」を変わるように仕向けるべきだね。 私:このブログの「デービッド・アトキンソン著『デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論 潜在能力を活かせない「日本病」の正体と処方箋』」でも指摘しているように「生産性の重要性」と「経営者の無策」に光を当てたこの本の警告は、今更ながら傾聴に値するね。
2017.02.20
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私:まだ、確定申告をしていないのだが、今年からマイナンバーの記載義務があるのだね。 ところが、そのマイナンバーで問題が起きていることを報じているね。 マイナンバー制度がスタートして1年以上が経過したが、全国の自治体に保管されたままの通知カードが約135万通(昨年11月末現在)あるという。 A氏:マイナンバーは住民基本台帳をもとに番号がふられ、その住所に郵送されるのだから、住民基本台帳に問題があるのかね。 私:通知カードは2015年秋から各世帯宛てに発送されたが、これまでの発送数は6千万通超に上るが、「転送不要」とされたため、住民票の住所から転居していた場合などは各市区町村に返送されたという。 転居届をしないで、転居したのかね。 転居先でも届けをださずにすんでいたのかね。 A氏:東京都杉並区では、15年11~12月に約30万世帯に通知カードを送付したが、5万通以上が戻ってきて、その後、丹念に転居先の調査などをし、約3万通は受け渡しに「成功」したが、区外への転出や死亡が判明した約1万通は廃棄したという。 「成功」した理由が明らかでないね。 保管する約9千通のうち、住民票の住所に住んでいないとみられるのは約1500通で、高齢者で施設に入ったままの状態などが考えられるが、残りは、住民票の住所に住んでいるが何らかの理由で受け取っていないケースなどとみているという。 同区は3月末でこれらの通知カードも廃棄する予定で、担当者は「受け取っていない方は早めにご連絡を」と呼びかけているというが、これも原因は何かはっきりしないね。 私:われわれの住む横浜市も各区で計約6万通(昨年末時点)を保管中。 まだ受け取りにくる人もおり、廃棄の時期などは決めていないが、大阪市は約148万世帯に通知カードを発送し、約22万通が返送されたが、その後、調査を続けて保管数を減らし、引き渡し数も減ったために、昨年7月以降、8万通弱を廃棄したという。 これも原因のデータ報道がないね。 住民基本台帳の信頼性が問われることになったね。
2017.02.19
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私:小池都知事が22日の都議会開会を前に、都職員が都議のために議会質問を作る慣習を禁止したという。 都議と都職員との、「なれ合い」が続いていたのに釘をさしたね。 A氏:都は2月上旬、小池氏の意向で、議会前に都職員が都議の質問を提案したり代筆して作ったり、答弁内容を詳しく決めたりする慣習をやめるよう、都の幹部職員に通知。 10日の定例記者会見で小池氏は、「質問権は議員の最高の権能。行政の職員がそこに関与するのはおかしい」と指摘したという。 私:「質問文の手直しくらいは全会派の議員とやる。直してあげないと議員が恥をかく」と話す局長もいるという。 議員が不勉強なのを都職員がカバーしてやるのだね。 ある自民都議は「職員に作ってもらう議員は確かにいた。楽だから」という。 「都議にあわせて四字熟語をちりばめたり、地元の事情に触れたりして作った。議員との円滑な関係作りが庁内で評価された」と話す都幹部職員もいるという。 A氏:都議と都職員双方の利益になり、この「なれあい」は長年続いてきたようだ。 小池氏の狙いは、議員の能力を試しているもので、特に、最大会派の自民を意識しているようだという。 私:識者からは「都議会は相当遅れている」との指摘もあるという。 地方議会の実態を調査している早稲田大マニフェスト研究所によると、事前調整がしづらい「一問一答」の質疑は、知事出席の本会議でも2015年度時点で32道府県議会で導入済みだが、都議会では進んでいないという。 A氏:同研究所顧問の北川正恭・元三重県知事は「事前のすりあわせで答弁を一言一句そろえるなら、議会が『学芸会』と揶揄されても仕方がない。 職員が事前に質問を作るなどして知事の支持会派に配慮してきたから、議会に『ドン』と呼ばれるような有力者ができたのではないか。 小池都政への支持が多いのは、これまで都庁や都議会が行政の透明化について感度が鈍かったおかげともいえる。 今後、新しい文化をどう作るかが試される」と指摘しているね。 私:今、もめている豊洲移転問題も、その過去の都議会の不透明さの反映だね。 22日からの都議会での議員の質問がみものだね。 都の職員も不勉強な都議の尻拭いの文書作りのムダな仕事から開放され、「プレミアムフライデー」を待たず、「早帰り」できるね。 「働き方の改革」で、職員の生産性向上だね。
2017.02.18
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私:新語が増えたね。 「プレミアムフライデー」で略してPFだという。 月末の金曜日、仕事を午後3時に終えて「働き方改革」を進めつつ、消費拡大にもつなげる官民の取り組みだという。 A:小売りや旅行業界にも期待が広がるが、本当に「早帰り」が増えるのかね。 官民ということで、安倍首相は15日の経済財政諮問会議で国家公務員にも「早帰り」を促す方針を示し、内閣人事局は1月、全省庁に職員が早期退庁できるよう求める文書を送っているという。 民間企業でも住友商事は、毎週金曜日の有給休暇取得を約5300人の全社員に推奨していて、完全に休んだり、午後から半休を取ったりする内容だが、「まだ様子見が多く、早く帰る人は少ない」(広報)という。 私:大和ハウス工業も、パートや派遣を含む約1万9千人に24日午後の有給休暇取得を促し、始業を1時間早めて午前8時にし、午前中に集中して働き、今後も偶数月に実施し、うまくいけば毎月にするという。 三菱自動車は工場勤務などを除く従業員に月末金曜日の午後3時退社を推奨。 三菱地所は、社員が必ず働く「コアタイム」を1時間縮め、全従業員に午後3時の退社を呼びかけるという。 清水建設は月末金曜に限り、1時間単位で有給休暇を取れるようにするという。 A氏:商戦も盛り上がってきて、旅行業界は土日を使った2泊3日の旅行需要を期待する。 百貨店も複数の飲食店を定額で回れるイベントなどを用意し、居酒屋チェーンでは開店時間を早める取り組みもあり、デパ地下やスーパー、居酒屋などは「フライデー」と「フライ」を引っかけ、揚げ物を割り引く企画などを準備中。 ただ、あるアンケート調査では、PF採用企業(予定含む)に勤める人は2・2%にとどまり、「可能な職場には早期退社を呼びかけるが、その分の仕事をどう補うかなど課題山積だ」(大手電機)など慎重な企業がまだ多いという。 私:単純に時間を減らすなら、仕事量が減るわけでないから、どこかで埋め合わせをするしかない。 PFへの反対意見として「月曜以降の仕事が増える」「中小企業やサービス業には無関係」「非正規の人のことをまったく考えていない」などがあったというが、当然だね。 A氏:経産省によると、官民の推進協議会がつくったPFロゴマークの利用申請は「早帰り促進のためという企業はわずか」(担当者)で、集客に利用しようとする小売りや旅行などサービス業者が大半だという。 私:どうも単純に労働時間を減らす発想が基本的に理解不能だね。 生産性向上運動を展開し。それによって余裕ができた時間を余暇に回すべきで、 生産性向上なきPFは、企業の業績低下になるだけだね。 このプログのデービッド・アトキンソン著『デービッド・アトキンソン 新・所得倍増論 潜在能力を活かせない「日本病」の正体と処方箋』でふれたように、世界第3位の経済大国日本の生産性(=GDP/人口)は、世界第27位で、絶対量で3位でも、「1人当たりの付加価値生産」では、多くの国々に劣後しているという。 しかも1995年以降は、日本が他国の生産性上昇に突き放された、まさに「失われた20年」だったという 安倍首相は、まず、生産性向上運動を優先すべきだね。 そうすれば、官民ともに、自然にPF運動も成功するだろう。
2017.02.17
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私:昨日のブログ「禁煙飲食店ルポ 意外に好評だった」でとりあげたが、「受動禁煙対策」は永田町でも「火を吹いている」と、今朝の新聞は報じているね。 A氏:「受動喫煙対策」を強化する法案に対し、与野党を超えた愛煙家らが飲食店への規制に反発しているのだね。 15日朝、自民党厚生労働部会に約50人の国会議員と関係団体が集まる中、河野太郎・前国家公安委員長が「たばこを吸う人間が横に座った人間のことをどれだけ考えてこなかったか。日本から受動喫煙を一掃するくらいの決意でやってもらいたい」と、皮肉を込めた規制強化論だったが、ズラリと並んだ分煙派に火を付けたという。 私:1日40本吸うという岩屋毅・元外務副大臣は「分煙社会を洗練、成熟させるのが正しい方向。さらに強制すれば、地下に潜ってよからぬ勢力がはびこる」と主張。 片山さつき政調会長代理も飲食業への打撃を指摘したうえで、「『経営が成り立たない』と言っているのに、そのままにするのは(厚労行政として)完全に矛盾している」と述べたという。 A氏:分煙派の重鎮、野田毅・前党税制調査会長は、「たたき台は大幅に修正される前提だ。厚労相が言ったからといって通る自民党じゃない」とクギを刺した。 私:自民党内が紛糾する背景には、業界の声もあり、たばこの生産者や販売者団体は反対だが、一方で日本医師会は「国民の健康被害の問題」として、例外なき全面禁煙を求めている。 A氏:民進党でも法案成立を目指す超党派議員連盟には長妻昭・元厚労相らが参加するが、松原仁・元国家公安委員長らが慎重派の「分煙推進議員連盟」を結成しており、主張はこちらも真っ二つという状態。 私:こうした政界の状況に、日本禁煙学会は規制強化に向け、たばこ業界からの政治献金を独自に集計し、ホームページで公表しており、対象となった国会議員は約140人に上り、集計した理事は「献金で政策決定がゆがめられる可能性がある」と指摘しているという。 昨日のブログでも少しふれたが、建物内禁煙は世界の流れで、10年に国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機構(WHO)が「たばこのない五輪」の推進で合意。 10年のバンクーバー(カナダ)以降の五輪開催地はいずれも、罰則付きで飲食店の建物内完全禁煙の規制を実現し、14年時点で、49カ国が飲食店を含む公共の場を全面禁煙にしているね。 A氏:日本の「受動喫煙対策」は罰則がない努力義務にすぎず、WHOから「世界最低レベル」と指摘されている。 これに対応してか、厚労省は昨年9月、15年ぶりに「たばこ白書」を公表し、肺がんや虚血性疾患、脳卒中などと「受動喫煙」との因果関係を「確実」と位置づけた。 同省研究班は「受動喫煙」が原因で死亡する人は国内で年約1万5千人と推計し、五輪を契機に世界水準の規制に追いつく狙いもあり、塩崎厚労相は記者会見で「おもてなしの心として、『受動喫煙はありません』という国に変えていかなければならない」と語ったという。 私:自民の石破氏は1日25本吸うそうで、当然、分煙派。 「『みんなやめちゃえ』というのは知恵のある人の言うことでない」と言っているという。 このようにもめていると、結局、施政方針演説で対策強化を訴えた安倍首相がとりまとめに動かざるを得ないのかね。
2017.02.16
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私:「世界最低レベル」(世界保健機構)と言われている日本の受動喫煙対策。 だが、海外から多くの旅行客らが訪れる2020年の東京五輪・パラリンピックなどを前に、国は対策を強化したい考えだが、飲食業界は「売り上げが減る」「地方の小さな店が潰れる」などと反対しているというね。 A氏:ただ、海外ではすでに50カ国近くで飲食店などは屋内全面禁煙。 全面禁煙によるレストランとバーの営業収入への影響を調べた海外の27報告を厚労省研究班が検証したところ、約8割の22報告が「変化なし」、「増えた」「減った」はそれぞれ2報告、3報告だけで、雇用や店舗数への影響もほとんどなかったという。 国内でも、愛知県の約8500の飲食店を対象にした調査で、自主的に全面禁煙にした約1200店の94%が来客数と営業収入は「変化なし」と答え、「増えた」「減った」はわずかだったという。 私:今日の夕刊記事では、禁煙に切り替える店や最初から禁煙の東京と大阪店の幾つかを、大坂府立成人病センターのがん専門の疫学研究者で、2年前からフェイスブック(FB)で禁煙店専門のグルメページ「ケムラン」を主宰する伊藤ゆりさん(39)が、案内してくれた記事を掲載しているね。 A氏:東京のフランス料理店の店主は、パリで料理の修業をしたが、フランスは日本よりも喫煙率が高いが、「屋内は禁煙、喫煙は外、と徹底されていた。フランスでさえこれかと感心した」という。 そこで6年前、開店時から店内禁煙にし、「禁煙の飲み屋などやっていけない」と同業者から言われて心配したが、営業収入は安定して伸びており、「従業員の健康面からも禁煙で良かった」として、2軒目のも禁煙にしたという。 私:手料理とワインを味わう店では、開店時から禁煙で、「食事を楽しんでほしいから、迷いはなかった」という。 大阪の焼き鳥とワインの店は開店5年目で、昨年5月から禁煙にしたが、きっかけは客がカウンターに座るなりすぐに出ていくのが相次いだことで、店長が客の後を追って理由を尋ねると、「たばこ臭いところで食事などできない」といわれたことだという。 店全体の空気がカウンターを通り、調理場の排気口に流れ込んでいたためで、常連客からも「1杯千円ものグラスワインを頼んだのだから、きれいな空気の中で飲みたい」と言われ、減収覚悟で全面禁煙に。 ワインの種類を充実させるなどの努力も重ね、客単価は禁煙前より100~200円上がり、「売り上げが増えたというと驚かれる。香りを楽しみたいワイン愛好家のニーズにこたえた」という。 A氏:案内した伊藤さんは禁煙店かつ「おいしい」と太鼓判を押せる店だけ、関西を中心に約60店をフェイスブック(FB)に紹介してきた。 FB禁煙店専門のグルメページ「ケムラン」の特派員を募り、紹介する店をさらに増やしたいと思っていて、「全面禁煙の店なんて相当大変なのではと思いきや、どこもうまくいっている。これからも応援したい」と語っているという。 私:俺は友人数人と居酒屋で、飲むことがあるが皆、禁煙だから、あまり気にしないが、気にする人もいるんだね。 どうやら、2020年までには「世界最低レベル」と言われている日本の受動喫煙対策は大きく改善されそうだね。
2017.02.15
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私:「過激派」とはマルクスやレーニンの革命理論をもとに、暴力による革命で共産主義体制の実現を目指す団体と警察は指しており、これまで、爆弾や時限式発火装置を使ったゲリラ事件を次々と起こしてきた。 A氏:警察庁によると、人数のピークは69年の約5万3500人で、現在は約2万人。 80年代半ば以降、学生運動の衰退とともに力を失い、高齢化も進み、一般市民の生活を脅かす状況にはないが、警察側は、「過激派」がなお暴力的な行動に出る可能性が否定できないとして、神経をとがらせているというね。 私:「革マル派」の正式名称は「日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派」で、「過激派」の中でも排他的、閉鎖的とされる。 57年に発足した日本革命的共産主義者同盟(革共同)が63年に「革マル派」と「中核派」に分裂し、両派は60~70年代、内ゲバによる殺人を繰り返し、双方で100人以上の死者が出た。 「革マル派」はいま、5500人ほど(警察庁)で、捜査関係者によると、多くは社会人や学生として日常生活を送りながら、シンパを増やそうとしているという。 A氏:実名を明かさない体質は以前と変わらず、「革マル派」を担当した経験がある捜査員は「目的地に向かう時はタクシーを3回乗り換えたり、いったん逆方向の電車に乗ったりする」とその密行ぶりを証言。 警視庁によると今も盗聴器を設置したり警察無線の傍受を試みたりする部門があるという。 捜査関係者の話しでは、対立相手と見なす警察につけいる隙を与えないため、「革マル派」のほとんどは匿名で活動し、私生活でも結婚や運転免許の取得、実名での賃貸契約も避けるという徹底ぶりで、公の機関などに「痕跡」を残さないという。 私:ところが、組織でこんな「ルール」を定めているのに、議長は実名で賃貸契約を結んでいたほか、携帯電話も契約し、運転免許証も取得していたという。 このため、20年間ベールに包まれていた「革マル派」の最高責任者を警察がその実名や年齢を特定したと明らかにした。 1月上旬の早朝、都心から私鉄で数十分の神奈川県内にあるUR住宅3階の一室に、警視庁と神奈川県警の捜査員が次々と入った。 この部屋で住民登録をしていたのが新田寛氏、70歳だが、1996年に「革マル派」の議長に就任した「植田琢磨」の実名という。 A氏:10年ほど前に都内で会見を開いたが、実名は明かさず、その後も公の場に姿を見せることはほぼなかったが、今回警察は、革マル派が都内で極秘に開いた会議を把握し、それをきっかけに議長の実名などを突き止めたとされる。 私:1月下旬、「革マル派」は機関紙で警察の捜査を「不当捜索」と書いたというが、匿名で極秘の活動をしているのは、どういう目的のためなのだろうか。 まだ、「暴力革命」の夢を捨てきれないのだろうか。
2017.02.14
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私:自動車貿易はどうなるのか、また日本車がやり玉に挙げられるのか。 1980年代の日米貿易摩擦で苦境に立たされながら、日本のクルマづくりを足元で支えてきた工場主らは、日米首脳会談のやりとりをかたずをのんで見守ったと報じている。 A氏:貿易摩擦の影響で日産は95年に座間工場の製造ラインを閉鎖した。 座間市の統計要覧によると、90年末に市内には金属製品を扱う事業所が65カ所(従業者数931人)あったが、00年には31カ所(同434人)に半減した。 私:日産はメキシコに三つの車工場を持つ。 仮に米国がメキシコ製の自動車に高い関税をかければ、日産への打撃は避けられず、しわ寄せが下請けに及びかねないとみられる。 A氏 トヨタ自動車の下請けとして部品の検査具を作製する名古屋の親族4人の零細企業では、髪の毛より細い100分の1ミリの精度が求められる部品を作っている。 貿易摩擦の影響でトヨタが米国で現地生産を始めたため、90年代前半は仕事がなくなった。 「トヨタがくしゃみをすれば、こっちはインフルエンザにかかる」。 米国が関税を上げるなどしてトヨタの売り上げが減らないか不安だという。 私:部品単体の輸出も不安だね。 それに加えて、今、電気自動車が販売されている。 エンジン周りの自動車部品メーカーは、従来の部品では、売上減だね。 米国との貿易摩擦と技術革新で、自動車部品メーカーは、戦略の立て直しが迫られるね。
2017.02.13
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私:この本の著者は英国生まれの元・金融アナリストで、国宝補修などを手がける小西美術工藝社社長だという。 書評は例によって諸富徹氏(京大教授・経済学)だね。 A氏:本書によれば、世界第3位の経済大国日本の生産性(=GDP/人口)は、世界第27位で、絶対量で3位でも、「1人当たりの付加価値生産」では、多くの国々に劣後しているという。 しかも1995年以降は、日本が他国の生産性上昇に突き放された、まさに「失われた20年」だったという。 私:輸出・世界第4位、研究開発費・3位、ノーベル賞受賞者数・6位など、日本が世界で絶対数では優位を占める指標でも、1人あたりに直すと途端に低い値が出てくるという。 著者は、GDPなどで日本が優位を占めてきたのは、人口が多かったからであって、今後、人口減少が本格化すれば、その優位性は失われる可能性が高いと警告する。 しかし、GDPは「生産性×人口」で決まるので、人口が減少しても生産性を高めればその影響を相殺でき、今後は、人口増という追い風がなくなるからこそ、生産性向上はますます重要になるというわけだ。 A氏:問題は、質の高い労働者を活用しても高い付加価値を生み出せない企業経営者にあり、実際、日本企業はITを生産性向上につなげられなかったとして問題点を指摘しているようだね。 私:長時間労働に頼ってきた弊害もその一面かね。 経営者がデータサイエンスによる分析を駆使しつつ、女性の活用、企業合併と統廃合、人材の再配分、仕事のやり方(働き方)の改革、無形資産への投資などを通じて付加価値を高められなかった点にこそ、低迷の原因があるという。 評者の諸富氏は、「政府が経営者にプレッシャーをかけるべきだ」という本書の提言は、賛否が分かれるかもしれないが、『生産性の重要性』と『経営者の無策』に光を当てた本書の警告は、傾聴に値する」としている。 A氏:女性の活用は、このブログのカルビーの松本会長の例もあるし、企業合併と統廃合はシャープ、東芝の後退例もあるね。 また、安倍首相は成長戦略をつくる政府の未来投資会議で、退任した企業の役員が相談役や顧問に就く慣行を問題視し、企業統治(コーポレートガバナンス)の強化を指示したというね。 元社長らが経営に関与し続けることが、不採算事業からの撤退判断の遅れにつながっているケースが多いとみているからだという。 私:総論では著者の言う通りだが、多くの具体的な成功例、失敗例とその分析がほしいところだね。 そして、なぜ、日本の企業経営者が無策になったのかの分析も欲しかったね。 年功序列のサラリーマン社長が多かったせいかね。
2017.02.12
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私:増田氏は、インターネット、ゲーム、スマートフォンを長時間使うことで生活リズムが乱れ、睡眠障害から不登校や問題行動に至るという症状の低年齢化が驚くべき速さで進んでいると危機感を示しているね。 俺の孫の中学生と小学生の2人もゲームに熱心で、家に遊びに来ても下を向いてゲーム機に向かっている。 ただ、睡眠障害から不登校のような症状は一切出ていないが、増田氏がふれていない「視力低下」を起こしていて2人共メガネをかけるようになったね。 A氏:米国で「インターネットゲーム障害」(ゲーム依存症)が新しい病態として記載されたのが2013年。 昨年10月、増田氏が鹿児島県内の小中高生6千人を調査したところ、厚労省の13年の調査(中高生の8%が依存症)から倍増。 中でも深刻なのは小学校低学年の男子で依存症の基準を満たす児童が15%もいて、これは中高生並みの高さだという。 私:上の孫が小学生の頃、任天堂のWiiのゲーム機で文字が出るのを孫が読んで、速く読めるようになったので、「ゲーム攻略本」を買い与えたら、一所懸命読んで、一時、読書力が向上し、作文力も向上したことがあったが、ゲーム機が変わったらダメになったね。 A氏:この2年、増田氏が開業する心療内科を受診した小学生から高校生は620人で年々増える傾向にあり、うち100人がゲーム依存症で、350人が予備軍である睡眠障害。 夜更かしのため、依存症100人の9割は遅刻常習か不登校で、7割が、やめさせようとする親に暴言を吐いたり暴力を振るったりしていたという。 私:増田氏は、まず大事なのは家族の取り組みで、幼児期や小学校低学年まではゲームをさせないのが最善で、医学的にはさせても1日30分以内が望ましく、子供専用の機器を買い与えない、居間など家族の目が届く場所でゲームをさせる――などが有効だという。 俺の孫達も親は1日30分制限で、居間など家族の目が届く場所でゲームをさせているようだが、30分制限を時々破ることがあるようだ。 A氏:また、午後9時以降はゲームをさせないのが一つのポイントで、学校やPTAが協力し、午後9時以降は親がゲーム機を預かる運動をしたところ、勉強時間と睡眠時間が増え、子供同士のトラブルが減った地域もあるという。 私:家庭内の問題として見過ごされがちだが、家庭崩壊に至った例もあり、家族を支える対応を、社会や国が考える必要が出てきていると思うと増田氏は指摘する。 韓国のように、年齢を区切って夜間のオンライン接続を制限することも検討されるべきだろうという。 ゲーム依存症は、成長途上の子供の脳を壊すので、国を挙げて早急に対策を立て、実施する時期にきていると増田氏は警告する。 パチンコなど賭博依存症対策に似てきたね。 子供の脳を壊さず、脳を成長させるゲームはないものかね。
2017.02.11
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私:NYタイムズに対し、トランプ大統領はツイッターで激しい批判をしているね。 1月28日には「経営不振のNYタイムズはかなり初期の段階から私について間違った報道をしている。”予備選挙・総選挙”で私は負けるだろうと!嘘ニュースばかりだ!」とあり、1月30日には、「嘘ニュースで経営不振のニューヨークタイムズは、適正と信念を持った誰かが買収して、正しく経営するか、もしくは厳然と廃刊にするべきだ」とツイートしているね。 A氏:しかし、NYタイムズは、経営不振どころか昨年11月の大統領選後わずか7日間で約4万人を獲得し、トランプ大統領から名指しで攻撃されるほどの厳しい批判姿勢で支持を集めたもようだという。 電子版の有料購読者は昨年10~12月期に27万6000人増え、5年ぶりの大幅な伸びとなったという。 私:このNYタイムズの「クルーグマン・コラム」のクルーグマン教授も選挙中からトランプ批判で、トランプが大統領になってもその政策批判の姿勢を崩していないね。 今月の「クルーグマン・コラム@NYタイムズ」欄の記事もトランプ批判で、トランプ氏は大統領覚書を発表し、最新の「受託者規則」を再考するよう、労働省に求めたことと、金融危機をきっかけに2010年に制定された「金融規制強化法」(ドッド・フランク法)を骨抜きにすることをねらった大統領令にも署名したことを徹底的に批判している。 A氏:「受託者規則」では、退職資金の運用を助言するアドバイザーに対し、自身が多額の手数料を得られるような投資に誘導するのではなく、資金を預ける客の利益を最優先に行動するよう求めているものだね。 私:いずれの動きも、共和党議員、そしてもちろん金融業界がともに重要と考えることと、ぴたりと一致し、どちらも、いんちきな取引から一般の家庭を守るのに役立っている金融規制を、憎んでいるとクルーグマン教授は皮肉っているね。 A氏:「受託者規則」退職後の備えの資金を守るためにできた。 401k(確定拠出年金)やその他の年金は、米国人にとって社会保障制度を上回る老後の収入源であり、人々はこうした資金の運用を金融専門家(のアドバイザー)に頼ってきた。 しかし、運用を任せたほとんどの人たちは、専門家たちに客の利益が最大になるよう助言する法的な義務が課されていなかったことは知らなかっただろうという。 結果、オバマ政権による15年の調査では、「投資の助言に利益相反があった」ことで、退職後の貯蓄の収益率は約1ポイント低くなり、米国市民が年約170億ドル(約1兆9千億円)の損害を受けると結論付けている。 この170億ドルはどこへ行くのか。 多くは金融業界のいろいろな関係者の懐に入り、そして現政権は、このたくらみが確実に続くようにと考えているとクルーグマン教授は言う。 私:金融ハゲタカの規制緩和だね。 「金融規制強化法」に関して言えば、共和党は法律をそっくりそのまま廃止したいだろうが、それではたぶん票が得られないから、できそうなのは、一般家庭を金融詐欺から守ることを目的とした消費者・金融保護局(CFPB)を弱体化させ、この法律の効力がなくなるようにすることだという。 A氏:金融改革で、金融業界の横暴をやめさせる動きが始まっていたが、いまや米国民の政治的指導者は明らかに「やめさせる規制をやめる」決意を固めていて、「金融業界による略奪を再び盛大に!」と、クルーグマン教授は指摘する。 私:トランプ政権の国家経済会議(NEC)議長に起用されたのは、金融大手ゴールドマン・サックス幹部のゲーリー・コーン氏だ。 オバマ政権のときの金融危機で被害を受けた消費者保護の金融規制が緩和されることは、またハゲタカが弱い消費者を餌食にするようになるのかね。 オバマケアの見直しも弱者保護を弱めるのではないかね。 本当に、底辺の労働者は楽になるのだろうか。 格差が拡大するだけではないのかね。
2017.02.10
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私:このインタビューの中で、島薗進氏は、このブログの岡本雅享〈著〉『出雲を原郷とする人たち』の中での、稲田朋美防衛相の「神武天皇の偉業に立ち戻り、日本のよき伝統を守りながら改革を進めるのが明治維新の精神だった。その精神を取り戻すべく、心を一つに頑張りたい」という発言をとりあげているね。 宗教と社会のかかわりを見つめてきた島薗氏は、戦前・戦中、全体主義へと突き進んだ日本を下支えした宗教ナショナリズムの再来を見てとるという。 A氏:まず、伊勢神宮が登場するね。 今年の初め、安倍首相は閣僚らと伊勢神宮に参拝したが、これは、歴代首相の恒例行事となっていて、さらに、民進党の連邦代表も参拝。 東京裁判でA級戦犯とされた戦争指導者が合祀されている靖国神社への首相らの参拝は大きく報道されるが、伊勢参拝にはマスコミはほとんど関心が払われていないと島薗氏は指摘する。 私:首相らの参拝は憲法が定める政府と宗教の分離との兼ね合いで問題はないのかという点が、見過ごされてきた。 原点にもどって歴史をたどると、幕府を倒し近代国家を立ち上げるため、国を統合する柱が必要とされた。 そこで浮上したのが尊皇思想で、古代の祭政一致が日本本来の制度であり、また、日本は「天孫」(天照大神の孫であるニニギノミコト)以来の「万世一系」の天皇中心の国家だとする「国体」理念が掲げられた。 天照大神をまつるのが伊勢神宮だ。 明治政府は1871(明治4)年、人々の生活に密着した神祇信仰を神聖な帝国の信仰体系に変える政策をとったわけだ。 A氏:神聖な天皇が国家の中心だという「国家神道」の精神はやがて、個人の生活や習慣、考え方にまで及んでいき、「臣民」である国民に天皇への忠義を教える聖典となった教育勅語が大きな役割を果たし、日本は全体主義への道を突き進む。 伊勢神宮が国家神道の中心施設だった歴史を忘れるべきではないと島薗氏はいう。 私:2013年の伊勢神宮の式年遷宮の際、安倍首相は「遷御の儀」に参列したが、現職首相の参列は、1929年の浜口雄幸首相以来はじめて。 神道で国家行事を行うようなもので、憲法が定める政教分離に照らして大きな疑問のある行為で、16年のG7サミットも伊勢志摩で行い、伊勢神宮で、通常は入れず正式な参拝の場である「御垣内(みかきうち)」に各国の首脳を導いているが、外交行事に特定宗教を持ち込んだという疑念がぬぐえないと島薗氏はいう。 A氏:神道政治連盟(神政連)と日本会議に共通する特徴は、戦前の天皇中心の国のあり方をよしとし、それを支える「神権的国体論」を日本の誇るべき伝統だと考えていることで、これは、他国に例のない万世一系の神聖な王朝が続き、さかのぼると神に至るすぐれた国柄である、という考え方で、2000年、当時の森首相が「日本は天皇中心の神の国」と発言して批判を浴びたが、この発言はこれらの団体の主張と重なるという。 A氏:神政連は、政教分離を定めた憲法20条3項の削除も主張していて、政権中枢にいる多くの政治家たちがこれらの団体に所属していること自体が、大きな問題だという。 私:ここで先の稲田防衛相の神武天皇発言が登場する。 神武天皇は初代天皇として、軍事的な「偉業」を遂げて神としてまつられている神話上の人物で、稲田発言は「国家神道を取り戻すために頑張る」と言っているようなもので、日本会議や神政連の影響力が強まっているのではないかと島薗氏は指摘する。 明治憲法の体制は、西欧から輸入した近代立憲主義と、神権的国体論という二つの緊張関係にある理念を内包していたが、1930年代に次第に神権的国体論にのみ込まれるようなかたちで、立憲主義は息の根を止められ、全体主義化が進んだ。 A氏:戦後にできた憲法はその神権的国体論を否定し、日本は再出発したはずが、社会からは消えることなく残り、日本会議や神政連にみられる、神権的国体論を尊ぶ思想は、今の政権とつながっていて、戦後も長く社会の底でくすぶっていた立憲主義と神権的国体論の対立が、表に現れてきて、国家神道の復興に向けた動きは、憲法が保障する信教の自由や思想・信条の自由を脅かすことになりかねないと島薗氏はみる。 私:靖国も伊勢も政治家が私人として参拝することは問題ないが、公人の参拝は特定の宗教への肩入れとなり、かつて、一つの世界観で塗りつぶされ公私の区分がなくなった反省に立って、政教分離が憲法に明記された意味を思い起こしてほしいと島薗氏は強調する。 A氏:立憲主義の核心には、多様な生き方考え方を守り、国家が個々人に特定の信念を強要することを許さない、という理念があり、日本の精神文化を豊かにしてきたのは、仏教や神道、儒教、キリスト教など多様な宗教で、政教分離は多様な信念体系の共存を守るものだという。 私:島薗氏は、最後に「米国で大統領の排外主義的なふるまいが憲法の価値を揺るがしているのは、他人ごとではありません。立憲主義を定着させるか、神聖天皇の過去へ回帰するのか。考えるべきときでしょう」とトランプ大統領の行動にもふれているね。
2017.02.09
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私:ジョージ・ナッシュ氏は戦後の米国の保守思想の系譜を解き明かし、第31代のフーバー大統領の公式伝記作者で、米保守論壇に大きな影響を与えている歴史家だという。 今回の大統領選は接戦にはなるが、最後はクリントン氏が勝つと予想していたようだ。 だから、トランプ氏の勝利にはあぜんとしたという。 このインタビューでは、米国の保守の流れを詳しく述べているが、俺が、興味があったのは、トランプ氏が共和党の泡沫候補から駆け上がる背景と、今後の大統領としての活動についてのナッシュ氏の予想だね。 A氏:左にも右にもポピュリズムがあるが、右翼のポピュリズムは、政府のエリートを攻撃する傾向があり、92年と96年の大統領選に共和党から立候補したパット・ブキャナン氏がそうで、彼は多すぎる移民を批判し、独立系として立候補した実業家のロス・ペロー氏は、北米自由貿易協定(NAFTA)を攻撃していたという。 トランプ氏は、ブキャナン氏とペロー氏をブレンドしたように見えるという。 私:2008年の大統領選でトランプ氏勝利の予兆があったという。 それは、共和党副大統領候補だったサラ・ペイリン氏で、彼女は労働者層を代表し、知性派ぶらず、大統領候補だったマケイン氏以上に保守層を熱狂させた。 トランプ氏はペイリン氏と仲がいいが、彼女が失敗し、トランプが成功した一つの要因は背景にある経済だとナッシュ氏は指摘する。 1968年には経済状況はまだ良く、90年代にペロー氏とブキャナン氏の訴えが注目を集めたときは、90年代はじめの景気後退のあとだった。 ところがトランプ氏のときは、16年までのオバマ政権の8年間では、いくらかの景気回復はあったものの、まだら模様で、多くの人にとって、心理的には景気が回復しているとは感じられず、それが経済面で、トランプ氏がブレークスルーを果たす状況をつくったのだと、ナッシュ氏はいう。 A氏:トランプ氏の今後の米国の運営について、ナッシュ氏は、内向きで大衆迎合主義の方向性は非常に強いと思うという。 そして、大統領上級顧問で国家安全保障機構(NSC)にも座るバノン氏の影響が大きいとして、彼も、レーガン流の保守連合からは排除されていた過激な流れの一員だとみていて、彼は非常に主権国家を重視し、国際機関やグローバリズムに反発し、外交に関して、国連や多国間主義を遠ざけ、重要なことは二国間で決めようとするのではないかと、ナッシュ氏は予測しているね。 私:多くのトランプ支持者たちは、前政権がイスラム過激派のテロリストたちに無頓着だったと考えていて、トランプ氏はより力強く対応するだろうという。 ナッシュ氏は「私はロシアやプーチン大統領との関係をトランプ氏がどうするのかを警戒心を持ってみつめています。またトランプ氏は中国を警戒しています。南シナ海で具体的な紛争が起こるおそれもあるでしょう。数多くの不確実性があります。我々はタービュラント(乱気流の)時代に入っているのです」という。 こないだ来日したマティス国防長官も中国には強腰だったが、南シナ海に紛争が起きるのかね。 もっとも、マティス氏は後の会見で軍事行動の必要性は排除し、外交的な手段で解決する方針を強調したというがね。 まさに世界中に乱気流が起きている時代となったね。
2017.02.08
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私:大相撲は稀勢の里が18年ぶりに日本人横綱となったというので大騒ぎだが、その空白をモンゴル勢が埋めてきたわけだね。 国技を支えてきたことを感謝しないといけないね。 ところがそのモンゴルの経済が危機だと報じているね。 A氏:資源輸出を背景に高成長にわいたが、資源価格の下落や投資の減少で外貨が稼げなくなっているという。 巨額の借金の返済が迫り、人口300万人の経済の行方は、支援を求めた国際通貨基金(IMF)との交渉に委ねられているという。 私:銅や石炭など豊かな資源に恵まれるモンゴルは、2011年から3年続けて国内総生産(GDP)成長率が10%を超えた。 しかし、「輸出の8割が鉱物資源、輸出先の8割超が中国」という偏った構造は、中国経済の減速と資源価格の下落で逆回転し、前政権による外資の資源権益買収などへの規制もあって、モンゴルへの投資は15年に3年前の20分の1以下に激減。 15年に2・3%だった成長率は、16年1~9月期に1・6%のマイナスに陥った。 A氏:17年からの2年間で国外への借金約20億ドル(約2300億円)の返済を控え、財政緊縮策をとらざるをえなくなり、社会保障を含め、あらゆる分野で支出を切り詰めているという。 私:緊縮策と高金利が、企業をも追い詰める。 政府から受注し、施工した代金が未払いのままの企業もある。 追い打ちをかけるように、昨年11月の米大統領選後、モンゴルの通貨ツグリク安が加速。 年初からはドルに対して2割超値下がりし、今後は輸入品の価格が急騰することも懸念されている。 A氏:政府は10月中旬、IMFに、リーマン・ショック後の09年以来となる支援を要請し、4・5億ドル(約510億円)規模の融資を見込むという。 私:IMFから厳格な財政規律を求められることになるね。 モンゴル側は、IMFの支援計画が固まれば、日本など他の国・機関からの支援も受けやすくなると期待する。 モンゴル国内の報道によると、1月末にIMFの調査チームがモンゴルに到着し、早期の計画策定をめざして交渉が始まっているが、厳しい要求を突きつけられる可能性もあるという。 国技を守ったお礼に日本も至急、資金援助をしたらどうかね。
2017.02.07
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私:このブログの「カルビー 女性奮闘、さくさく時短術」で、松本会長の経営手腕をとりあげていたね。 A氏:09年6月に就任した松本会長がカルビーに感じたのは「なんだ、男村じゃないか」。すぐに「女性の活用なくして成長なし」と社内に宣言し、女性管理職の積極的な登用をしたね。 私:今回のこの記事では、カルビーは4月以降に、自宅など社外で勤務する「テレワーク」の上限日数(週2日)を撤廃すると報じている。 今の制度では、前日までに上司の許可を得れば、週2日まで自宅で勤務でき、社員は配布されているノートパソコンで仕事をし、翌日上司に成果を報告する仕組みで、勤務場所は自宅に限られている。 A氏:新制度では日数の上限をなくすことに加え、自宅以外のカフェなどでの勤務もできるようにするが、実際には「顔を見て話しあう必要もあり、週1回程度は出社することになるだろう」(幹部)という。 私:ときどき顔を見てのコミュニケーションは必要だね。 対象はパートや工場勤務の人を除き、契約社員を含めた入社3年目以上の社員になる見通しで、会社側が勤務時間をどう把握するかなど制度の詳細や実施時期は今後詰めるという。 私:同社首脳は「会社が求めるのは成果。働き方改革をしないと会社はよくならない」という。 A氏:同社は毎日くじびきでオフィスの席を決める「フリーアドレス制」や営業職の「直行直帰」、時短勤務の女性社員を執行役員に登用するなどの取り組みを進めているという。 私;十数年前かな、俺がヤマハのオフィスを訪ねたら、「フリーアドレス制」で、くじ引きもなかったね。 書類は、部屋の隅にあるファイルキャビネットに保管してあり、そこから、必要な書類だけ取り出し、好きな席で仕事をしていたね。 A氏:総務相の2015年の調査では、「テレワーク」を導入している企業は16.2%で、13年の9.3%から伸びている。 カルビーのように全面的に「テレワーク」を認める企業は異例だが、共働きの社員や育児、介護を担う社員が増え、「テレワーク」を認める動きも広がっているという。 私:これはIT化のおかげだね。 オフィスを夜8時に一斉消灯などという姑息な手段を主にするのでなく、堂々と正面から生産性を上げることを主に長時間労働をなくすべきだね。
2017.02.06
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私:来週土曜日は2月11日は「建国記念の日」だね。 実は、2月11日は俺の誕生日なんだ。 俺たちの子供の頃は「紀元節」といって、神武天皇が日本国を作った日と教えられたね。 たしか、紀元2千6百年(1940)という国をあげての記念行事があって、歌まで作られ、今でも覚えているよ。 そうすると、今年は、紀元2677年だね。。 A氏:ところで、こないだ、「明治の日推進協議会」というところで、稲田朋美防衛相が、 「神武天皇の偉業に立ち戻り、日本のよき伝統を守りながら改革を進めるのが明治維新の精神だった。その精神を取り戻すべく、心を一つに頑張りたい」と発言したというニュースをネットで見たね。 神武天皇は神話上の人物なのを知らないらしい。 神武天皇の戦いで有名なのは「金鵄」と「八咫烏」だね。 稲田大臣はこの神話も信じているのだろうかね。 私:ところで、今週の朝日新聞の「日曜書評」では、神武天皇に関連して、岡本雅享〈著〉『出雲を原郷とする人たち』に興味を持ったね。 東京の明治神宮の祭神が明治天皇と昭憲皇太后であり、大正時代に建てられた新しい神社だと知っている参詣者は多くないだろうという。 明治神宮は、アマテラスをまつる伊勢神宮を頂点とする国家神道が確立されるなかで、天皇を祭神とする「伊勢系」の神社の一つとしてつくられたという。 A氏:神社には「伊勢系」と「出雲系」があるんだね。 私:だが、東京が属する武蔵国で最も古いとされる神社は、埼玉県大宮にある氷川神社だが、これは「出雲系」で、埼玉県と東京都を中心に284社もある。 加えて埼玉県には、「出雲」の名の付く神社や「出雲系」とされる横穴墓まであり、それはかつて「出雲の氏族」が武蔵国へと大量に移動したことを暗示しているという。 武蔵国だけではなく、本書は、北は東北から南は九州にかけて、「出雲系」の神社や地名、伝説が分布していることを、度重なる取材を通して明らかにしているという。 A氏:筑前国のように、朝鮮半島に出兵したとされる神功皇后にちなむ神社や地名、伝説が濃密に残っている地域もあるので、「出雲系」だけを特権化して語ることには注意が必要にせよ、かつて出雲の氏族が全国的に住み、独自の文化を築いていたのではないかという想像をかき立てられるね。 A氏:そこから明治政府は、神武天皇を初代天皇として押し出すことで神功皇后を封じようとしたように、「伊勢系」を押し出すことで「出雲系」を封じようとしたのではなかったかと考えられるね。 私:そして戦後は、明治から敗戦までの神道がすべて国家神道として批判の対象になったために、「出雲系」も忘却されてしまったのではないかという。 柳田國男をはじめとする民俗学者も、本書で記されたような神道と民俗学の接点に当たる問題を正面から論じようとはしなかったが、出雲出身の著者の執念が、初めてこの空白に大きな光を当てたと評者は指摘しているね。 読んでみようかと思う。
2017.02.05
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私:トランプ米大統領は3日、オバマ前大統領が進めた「金融規制強化法(ドッド・フランク法)」の見直しに向けた大統領令に署名するが、同法の「廃止」を訴えてきたトランプ氏にとって、金融危機後に進めたオバマ氏の「レガシー(遺産)」の転換への第一歩となるといわれ、モルガン・スタンレーなど米国の巨大金融機関の活動が活発化しそうだね。 A氏:さすがのエスタブリッシュメント嫌いだというトランプ大統領も金融機関には手がつけられないようだ。 私:一方、日本では、住宅ローンや企業向け貸し出しのもとになる長期金利が3日、一時1年ぶりの高水準となる0・150%に急騰。 日銀は金融緩和で金利を低く操作しているが、トランプ米大統領が「ドル高円安につながる」と批判したとの見方が浮上し、日銀が今後、金利操作に苦慮するとの観測も出て、相場の波乱要因になっているようだ。 A氏:ところが、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の生みの親とされる浜田宏一・米エール大名誉教授が最近、その限界を認め、追加策を唱え始めたとインタビュー結果を報じているね。 安倍首相が最も信頼するブレーンの浜田氏の変心は驚きだね。 私:浜田氏は「アベノミクスは、最初の2年ほどは順調で、日銀の金融緩和政策もあり、株価上昇や円安、失業率低下など大きな成果を上げたが、昨年11月までの約1年は、労働市場の改善を除けば、手詰まり感があり、消費税率8%への引き上げで、金融緩和で出回ったはずのお金を回収し、消費が落ち、金融緩和で円安になるはずなのに、想定外の円高も続いた」という。 浜田氏は、金融緩和だけでデフレ脱却できると主張していたが、効果は次第に薄れ、デフレが長引き、人々は貨幣にしがみついたままで、日銀のマイナス金利政策も銀行の収益を阻害するので反発が大きかったとみているね。 A氏:アベノミクスの手詰まりの解消については、浜田氏は財政拡大だという。 金融緩和をしても財政を引き締めたら効果は減るので、消費税率10%への引き上げは凍結すべきで、物価や景気の条件が満たされたら、毎年1%ずつ上げればいいという。 将来の日本を背負う若者の支援など、金融と財政政策の連動が望ましいという。 私:トランプ大統領が、日本の政策を「通貨安誘導」と批判し始めたことについて、浜田氏は、いまのドル高は国境税の提唱などが招いていて、自分の政策の結果を日本のせいにするのは正しくないし、過去5年、日本は為替介入をしていない。 米国債や日本国債を大量に買っている中国との同一視は困る。 また、貿易問題で米国が自分勝手な交渉を迫ると、相手国も対抗しようとするので、日本だけでなく、世界全体が窮乏化してしまうと批判的だね。 A氏:金融緩和で日銀が国債を買い続け、政府は財政拡大に向かうべきだという。 私:インタビュ-した記者は、その2つの薬なら必ずうまくいくか疑問だとしてい、この薬は効かなくなると大変なことになるという。 トランプショックは経済界としては「想定外」だったように、経済は「生き物」で、将来「想定外」のことは十分に起こり得るね。
2017.02.04
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私:今月の保守思想の論客・京大名誉教授佐伯氏のテーマは保護主義に関するものだね。 保護主義は米国のトランプ大統領の「米国第一主義」で急激に世界の大きな問題となっているね。 マスコミなどで行われている論議の大半は批判であるが、佐伯氏この批判に必ずしも納得しているわけではないということで話題を展開しているね。 A氏:先日のスイスでのダボス会議では、中国の習近平主席が、自由貿易とグローバリズムを守らねばならない、と演説したので、佐伯氏は、つい噴き出してしまうが、それほど保護主義は分が悪いと半分皮肉っているね。 われわれは、いつのまにか、自由貿易は善、保護主義は悪と思い込んでいるが、それは本当に正しいのであろうかというのが、この寄稿の趣旨だね。 私:トランプが大統領に選出された理由は、米国製造業の衰退によって白人労働者の仕事が奪われたからだが、それは、グローバル化のなかで、先進国の製造業は新興国との激しい競争にさらされ、その結果、企業は労働コストを下げようとし、そのために先進国の賃金は下方圧力を受け、雇用は不安定化し、先進国の企業が生産拠点を海外に移せば、国内では産業空洞化がすすむという背景がある。 つまり、グローバル化は、競争力を失いつつある先進国の産業や労働者に大きな打撃をあたえる。 これは、日本も同じだね。 A氏:この状況のもとで自由貿易をやれば、安価な製品が、新興国や競争相手国から流れ込んできて、ある種の産業は衰退を余儀なくされ、それが自動車のように米国の誇る製造業の中核産業であれば、米国は確かに大きな打撃を受ける。 私:もとはといえば、急激なグローバリズムや自由貿易が、アメリカ製造業の白人労働者層に打撃をあたえていたのであって、しかも、冷戦以降のグローバリズムを推進したのもまた米国自身という皮肉なことであると佐伯氏は指摘する。 A氏:自由貿易論者は、そもそも、米国が自動車のような競争力の低い産業に固執する方がおかしいので、自由貿易とは、各国がそれぞれの得意分野に特化して貿易するという国際分業体制で、両国でウィンウィンの関係を結べる、と。 しかし、話はそれほど簡単ではなく、自国の優位な産業を政府が作り出し始める。 私:グローバリズムのもとでは、自由貿易は決しておだやかな国際分業体制などには落ち着かず、何を自国の売り物にするかを各国の政府が戦略的に作り出し、ここに激しい国家間競争が生じる。 グローバリズムは、国境をこえた自由な貿易どころか、政府による経済への戦略的な介入をもたらしてしまい、新重商主義とでもいうべきものになり、それが時には、保護主義にもなると佐伯氏は指摘する。 A氏:デトロイトで自動車の組み立てをやっていた労働者をいきなりウォール街に連れてきて金融ディーラーをやれといっても無理で、労働者の適応能力よりもグローバルな競争の方が激しすぎる。 私:佐伯氏はいう。「保護主義をもたらしたものは、実はグローバリズムのもとでの自由貿易体制であった、という認識から出発したいのであり、そうだとすれば、これは米国だけのことではなく、日本も同じ状況に置かれていて、『トランプの保護主義は危険だ、自由貿易を守れ』といってもあまり意味はない」。 A氏:保護主義も米国第一主義も、ある意味では、グローバリズムを前提にした上での、それへの対応なのであって、急激なグローバリズムが、強い国家による内向きの政策を生み出したものだと佐伯氏は指摘している。 私:佐伯氏は、保護主義が危険なのではなく、敵対的で急激な保護政策が危険なので、いわば節度ある保護主義をうまく使うことを考えなければならない時代なのだという。 その通りだが、トランプ大統領は、うまく使いこなせるだろうか。 しかし、米国のグローバル企業は、グローバル化で利益をだしているのであって、それは、自国の労働者の犠牲の上の利益ではないのかね。 それは格差を産んでいる。 「グローバル企業栄え、国家滅ぶ」だね。 それにもふれてほしかったね。
2017.02.03
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一昨日と昨日と新幹線沿線の駅近くのビジネスホテルに2泊し、その駅を午後4時発の「こだま」に乗って帰途についた。自由席で空いていた。 列車が新富士駅に入ると、車窓に壮大な富士山が広がった。 雲一つない晴天で、雪をいただいた秀麗な富士山を裾野まで見ることができた。 ところが列車が、新富士駅に停車中に、東海道新幹線・JR品川駅構内の線路に人が立ち入ったということでストップ。 新富士駅で30分ほど停車。線路に立ち入った人は新横浜駅方面へ歩いていたが、その後、確保したということで、動き出したが、その間、十分、富士山を堪能できた。
2017.02.02
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私:米コーヒーチェーン大手のスターバックスのハワード・シュルツ最高経営責任者(CEO)は29日、トランプ大統領が出した難民らの入国を制限する大統領令を受け、世界中で今後5年間に1万人の難民を雇用する計画を策定中だと明らかにしたね。 A氏:シュルツ氏は、ネット上に掲載した従業員向けのメッセージで「深い懸念と沈んだ気持ち、そして固い決意でこれを書いている」とした上で、「我々は、この国の良心やアメリカンドリームに疑問符がつくという、かつてない時代に生きている」と、トランプ政権の方向性に懸念を示したという。 さらに、「戦争や暴力、差別などから逃れてきた人たちを歓迎し、5年間で1万人の難民を世界中の店舗などで雇用する計画を立てている」と明かした。 私:シュルツ氏はまた、「メキシコとの間に壁ではなく橋を架ける」と明言。 メキシコのコーヒー農家などへの寄付や投資などを通じ、トランプ政権が検討している関税や入国制限などに対応する考えを示し、同社の従業員に対しては、「あなたたちの声と一票が何より大切になっている」として、政治家に個々の思いを届けるよう呼びかけたという。 A氏:移民問題はすでに多くのIT企業トップが多様な頭脳を世界中から集めているので、トランプ氏に反論を示し、かえって企業の競争力を低下させると反対しているね。 私:欧米先進国も反対し、国内の司法機関の憲法違反との反対もある。 トランプ氏はどこまで強引に押し切るのか。 これから、泊まりで出張するので、明日2月1日のブログは休ませてもらう。 1日だけだがね。
2017.01.31
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私:この記事では、トランプ氏が名指しで批判してきた空調機器大手キヤリアがメキシコへの工場移転計画を見直したことを取りあげているね。 昨年11月の大統領選でトランプ氏は、モーガン郡で75%を得票し、19%の民主党候補クリントン氏を圧倒し、同州を含む五大湖周辺の「ラストベルト」で勝利を重ね、大統領選を制した。 A氏:トランプ氏は当選後、「私は感謝祭の日もキヤリアを米国に残すために働く。交渉は前進中」(昨年11月24日)とツイッターで発信し、同州知事でもあったペンス次期副大統領(当時)を伴ってキヤリアを訪問。 その後、同社の計画変更が発表され、トランプ氏は「1100人以上」の雇用が守られると胸を張った。 企業経営への異例の介入は、トランプ支持者には「実業家の行動力」の象徴として大歓迎された。 私:だが、キヤリアの工場周辺から聞こえてくる声は歓迎一色ではない。 トランプ氏は「1100人以上の雇用を守る」と誇ったが、実際に守られるのは730人ほどで、残りは解雇される見通し。 オートメーション(自動化)の波もあり、トランプ氏は昨年12月1日に工場を訪問した際に、キヤリアが工場の「修繕」のため1600万ドル(約18億円)を投資するとし、「素晴らしいクリスマスになる」と絶賛したが、その4日後、親会社の幹部がテレビのインタビューで、修繕とは「競争力を高めるための自動化」と説明し、「究極的には雇用減を意味する」と述べたという。 A氏:ある従業員は、クリスマス休暇後に職場に戻ると、管をネジで連結するラインに新しいロボットが導入されていた。 「実はその仕事は私が昨年の夏まで2年間やっていた仕事なんだ」という。 トランプ氏らが選挙戦で自由貿易を批判していた昨年、米通商代表部のフロマン代表(当時)も、雇用減や賃金の伸びの停滞は「グローバル化というよりも自動化の産物だ」と繰り返し訴えていたという。 私:トランプ氏は個別企業の経営判断に介入して成果を強調するが、効果の持続性には疑問がつきまとう。 海外移転を一時的に止めることはできても、自動化の波は止められそうにない。 A氏:雇用増加のために自動化中止の大統領令でも出すかね。 私:キヤリア従業員が所属する全米鉄鋼労働組合(USW)支部のチャック・ジョーンズ組合長(65)の元に脅迫が届いているという。 ジョーンズ氏は、トランプ氏の発表に誇張が含まれていたとして、米メディアでトランプ氏を批判したんだね。 脅迫はその直後から始まったという。 トランプ氏は「1100人以上」の雇用を守れたと誇ったが、ジョーンズ氏によると、実際に維持される雇用は730人ほどで、「大喜びした翌日に解雇を知った労働者がいる。正直になれ、労働者をだしにするな、と腹を立てただけだ」と、ジョーンズ氏は今も怒りが収まらないという。 A氏:ところが、トランプ氏はジョーンズ氏を名指しし「労働者の代表としてひどい仕事をしてきた」「話す時間を減らし仕事に使え」と批判した。 その直後から、ジョーンズ氏の携帯電話も事務所の電話も鳴りっぱなしになり、そこに脅迫が含まれていたという。 私:ジョーンズ氏はトランプ氏が一般市民が相手でも個人攻撃をすることを憂慮していて、「一連の個人攻撃は『私を批判しない方が身のためだ』というトランプ氏のメッセージだ。大統領がすることではない」という。 トランプ氏のメディアの個別攻撃もすごいね。 NYタイムズは、誰か買収し廃刊さるべきだといい、ワシントン・ポストも攻撃している。 トランプ氏のツイッター騒動はますます問題になってきたね。
2017.01.30
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私:囲み記事だが、フェイスブック(FB)のマーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は27日、自身のFBに投稿し、移民や難民の入国を制限する大統領令などに懸念を示したという。 A氏:ザッカーバーグ氏自身、曽祖父母がドイツ、オーストリアなどからの移民で、妻プリシラさんの両親も中国とベトナムからの移民だったと説明し、「米国は移民から成る国で、我々はそれを誇りにすべきだ」「助けが必要な難民には門戸を開くべきだ」などと、移民や難民受け入れを制限する大統領令に懸念を示したという。 私:また、数年前に中学校で授業をしたとき、「最も優秀だった生徒の何人かは不法移民だった」とし、「世界中から集まる優秀な人たちがここ(米国)で生活し、働き、貢献することが、我々の利益にもなっている」とも述べ、投稿には、数時間で約23万人が「いいね!」をしたよいう。 シリコンバレーにはインド人が沢山活躍しているね。 A氏:このところ、トランプ大統領が始めた外交は必ずしもうまくいっていないね。 メキシコとの間に壁を作るという命令に伴い、費用は全部メキシコ負担ということは、メキシコ大統領の強烈な反対で、現在、費用の話合いは棚上げになっているね。 私:トランプ米大統領にとって就任後初めての首脳会談となったメイ英首相との会談は、二国間の「特別な関係」が強調されたが、奔放なトランプ氏と堅実なメイ氏の「違い」も垣間見え、20分足らずの共同記者会見はぎこちなさが残ったという。 A氏:英国が望む金融規制改革を米が認める可能性はないし、農業分野の自由化では、英国の農業が破壊される。 両国にとって意味のある自由貿易協定合意できないだろうという。 これから、日本だが、自動車をめぐって、どうなるかね。 私:今まで、築いてきた安定してきた国際関係までもが、これから、大きく変わってくるだろうね。 今年の世界の国際関係に大きな不安要因だとなりつつあるね。
2017.01.29
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私:安倍首相は27日、成長戦略をつくる政府の未来投資会議で、退任した企業の役員が相談役や顧問に就く慣行を問題視し、企業統治(コーポレートガバナンス)の強化を指示したと新聞は報じているね。 A氏:元社長らが経営に関与し続けることが、不採算事業からの撤退判断の遅れにつながっているケースが多いとみており、企業の収益力の向上につなげたい考えだね。 安倍首相は会議で、「(人工知能の活用など)第4次産業革命が急速に進む中で、大胆な経営判断の遅れは致命傷になりかねない」と指摘。 「不透明な、退任した経営トップの影響を払拭し、取締役会の監督機能を強化することで、果断な経営判断が行われるようにしていく」と述べ、具体的な制度は今後、未来投資会議で検討するという。 私:日本企業の収益率は米国企業の半分程度にとどまり、社長経験者が退任後も顧問や相談役として経営に関与する企業では、元社長が手がけた事業からは撤退しにくいことが一因と考えられ、別の企業の社外取締役などとして能力を生かす仕組みが必要だという。 A氏:しかし、これも関連会社天下りで、好ましくないね。 私:新成長戦略の主なテーマとして次のようなものがある。 ・医療介護、自動運転、農業などで官民がデータ共有 ・自動運転の実現に必要な制度の整備 ・サイバーセキュリティーの確保 ・革新的なサービスの実験の際、現行法を適用しない制度の創設(日本版レギュラトリー・サンドボックス) ・行政手続きの簡素化・IT化 ・ICT(情報通信技術)を活用した先端農業の環境整備 これをみると情報技術の革新が中心的な役割となっているね。 A氏:そのほかに、このブログの「22日の朝日新聞・日曜書評より」でとりあげた山口栄一氏〈著〉『イノベーションはなぜ途絶えたか 科学立国日本の危機』で問題提起しているように「SBIR制度」の見直しが必要だね。 私:この制度は、かって、米国政府は「大企業はもはやイノベーションを起こせない」と見切りをつけ、技術革新の新たな担い手として大学院生らの起業を支援する「SBIR制度」を創設し、これが卓越した審査・報償方式によって目覚ましい成果を上げた。 日本もマネをして始めたが実際には「パフォーマンスの低い中小企業」への補助金制度と化し、国税の浪費に終わったという。 この制度の失敗の反省と見直しも必要だね。
2017.01.28
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私:今月の「池上彰の新聞ななめ読み」では、トランプ大統領就任演説の日本語訳について、新聞各紙の比較をしていたね。 池上氏は、大統領の就任演説は、「アメリカ第一」主義で、アメリカさえ良ければいいという徹底した方針を貫いていることと、使う英文がアメリカの小学生レベルで、英語が苦手な人にも理解が容易という意味で、わかりやすいという。 A氏:ツイッター式だね。 私:新聞各紙は英文と日本語訳の両方を掲載していて、読み比べると、日本語訳が随分異なるので、各社の英語力ないしは日本語力が比較可能だという。 まず、トランプ大統領が列席者にお礼を述べた直後の文章。 英語の「restore its promise」を読売と日経は「約束を復活させる」、毎日は「約束を守るという偉大で国民的な取り組みを始めた」と長いが、池上氏は、読売や日経が「約束を復活」と訳した箇所を、毎日は「約束を守る」としていて、「約束を復活」が直訳だとすれば、「約束を守る」方がこなれているという。 朝日は「可能性をよみがえらせる」と他紙とは大きく異なるという。 A氏:次に、英語の「joined in」だが、読売は「加わっている」、日経は「結集した」、毎日は「始めたところです」、朝日は「一つにまとまっています」と随分と印象が異なるね。 ところで、読売と日経は「である」調、毎日と朝日は「ですます」体に訳しているという。 どちらがいいだろう。 私:池上氏が、各紙を読み比べて気づいたのだが、朝日だけは、途中で演説の意味を解説しているという。 俺が驚いたことに、トランプ氏の演説に聖書からの引用があったことだね。 その部分について、各紙は担当者が訳している文章だが、朝日だけは「旧約聖書詩編133からの引用」と明記し、「見よ、兄弟が共に座っている。なんという恵み、なんという喜び」という日本聖書協会訳を使用しているという。 池上氏は、ここに教養の違いが出た気がしますと朝日に軍配をあげているね。
2017.01.27
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私:韓国の体育行政機関の一つ、韓国体育会は25日、来月開幕する冬季アジア札幌大会の選手らが宿泊する「アパホテル&リゾート札幌」(札幌市南区)の客室内に、南京事件や慰安婦問題に否定的な書籍が置かれているとして、大会の組織委員会に書籍の撤去を求めたと発表したね。 A氏:もともと、ホテルに本が置いてあるのは、珍しいことではないね。 私:俺は、若い時、欧米のホテルに泊まった時、ほとんどのホテルに「聖書」が備え付けてあったね。 そのうち、仕事で日本のホテルに宿泊する機会が多くなったが、同じく「聖書」が置かれているのをよく見かけたね。 欧米のホテルのマネかね。 A氏:そのうち、「仏教書」を備え付けているホテルもでてきたね。 これくらいなら、問題ないが、アパホテルはちょっと特殊かもしれないね。 韓国だけでなく、在日中国大使館の張梅・広報部参事官は25日、記者会見で「アパホテルが部屋内に右翼史観を宣伝する本を置くことは、中国の観光客に対する公然たる挑発行為で、観光・旅行業界の基本的なモラルにも反している」と述べたというね。 私:実は、俺は10年くらい前に、東京駅近くで朝早くから用事があったので、横浜からラッシュアワーで行くのが嫌で、前夜、東京駅近くのアパホテルに泊まったことがある。 そのとき、ホテルに備え付けの本にはビックリしたね。 近代日本の侵略性を否定した航空幕僚長・田母神俊雄氏の論文『日本は侵略国家であったのか』が備え付けてあって、異色のホテルだと思ったね。 A氏:内容は政府見解と明白に対立するものであり、これが問題となり田母神俊雄氏は更迭された原因となった論文だね。 私:今回、問題になった本は『理論近現代史学II』というらしいが、著者の元谷外志雄氏はアパグループの代表者。 安倍晋三首相の後援会の「安晋会」の副会長であり、ウェーブ産経(産経新聞の愛読者のクラブ)代表幹事で、航空自衛隊小松基地金沢友の会会長などを務めるという。 これらの活動から保守派財界人と評価されているとのこと。 新聞はアパホテルを経営するアパグループは、24日付のホームページで「2015年4月に選手村としての宿泊について打診があった段階で、代理店を通じて客室内のすべての情報物の撤去の依頼を受けた」「今後、書面で正式な要請があればお応えする」と、アジア大会での対応について説明していたという。 どうなるかね。
2017.01.26
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私:今年、春には、フランスの大統領選がある。 米国同様、分断社会をかかえたフランスにも「トランプ現象」が起きるだろうか。 これについて、今月の「ピケティコラム」はふれているね。 EU離脱のマリーヌ・ルペン氏が率いる右派ナショナリストが勝利に近づいている可能性も排除できないし、激変は回避できても、その次の大統領選では、ルペン氏の政党がフランスのリベラル右派勢力に唯一対抗できる位置に立つリスクは、もはや現実のものだという。 A氏:かたや急進左派は、ジャンリュック・メランション氏の勝利が期待されているが、ルペン氏とメランション氏には共通点があり、2人ともEUに関する条約をやり玉に挙げ、国や地域同士が激しく競い合う今の体制を疑問視し、その姿勢がグローバリゼーションから取り残された人びとをひきつけるという。 私:ピケティ氏は、この大統領選のリスクは、他の全ての政治勢力――大メディアも――が両候補を酷評し、「ポピュリスト」のレッテルを貼って、それでよしとすることだという。 この新手の侮辱表現は米大統領予備選でのサンダース氏の健闘にも使われた。 ポピュリズムとは、先進国の庶民層がグローバリゼーションと格差拡大に直面して抱く「自分たちが見捨てられた」との感情がもたらす、混乱しているものの理のある反応。 A氏:リベラル右派勢力(フランソワ・フィヨン氏)と中道勢力(エマニュエル・マクロン氏)は残念ながら庶民層の現実を無視する戦略をとろうとしていて、2人とも2012年のEU財政協定を維持する立場。 あらゆる世論調査で確かめられるように、2人に魅力を感じるのはグローバリゼーションの勝ち組だという。 しかし、ピケティ氏は、この財政協定がとんでもない間違いで、ユーロ圏は将来への投資ができなくなり、致命的なわなにはまりこみ、この規模の公的債務を削減するには例外的措置をとらざるをえないという。 何十年にもわたってプライマリーバランス(基礎的財政収支)を黒字化し続けるしかないが、あらゆる投資能力に延々と負担がかかり続けると反対だね。 私:過去に英国は1815年から1914年まで1世紀をかけて巨額の黒字を捻出し、これにより年金を支給し、仏革命戦争で負ったGDPの200%もの債務を減らしたが、この選択は不幸ももたらし、教育への過小投資につながり、英国が後に失速する原因となった。 対照的に、1945年から55年まで、仏独は同様の債務から迅速に解放された。 それは債務取り消し、インフレ、民間資本への特別な課税が併せてあったからで、これで両国は成長に投資することができた。 同じことが今なされなければならないとして、ピケティ氏は、「ユーロ圏議会」発足をドイツに認めさせて民主的手続きを踏んだ上で債務を軽減するのだと主張する。 さもないとイタリアで起きている投資の遅れと生産性の低下がやがてフラン、ユーロ圏全体に広がるだろうとみる。 A氏:ピケティ氏は、大切なのは、EUルールに本質的な疑問を提起する候補を指名争いで選ぶことだと主張する。 頼みは急進左派ポピュリストだね。 私:右派ナショナリストの国民戦線が権力につくことを望まないのであれば、「万事休す」といわないまでも、事態は切迫しているとピケティ氏は指摘する。 4カ月もしないうちにフランスに新しい大統領がうまれるが、「トランプ」や「ブレグジット(英国のEU離脱)」に続き、世論調査はまた間違うかもしれないね。 昨年は、「英国のEU離脱」と「トランプ」で世界の潮流は変わりつつあるが、これに今年はフランス大統領選は追い打ちをかけるのか。 話は、ぐっとマイナーになるが、今度の都議会議員選挙も、長年続いた都政の潮流を大きく変えることになるようだ。
2017.01.25
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私:政権批判の映画を世に出し続けてき、かつてはトランプ氏に手厳しい発言もしていた米アカデミー賞監督オリバー・ストーン氏が「トランプ大統領もあながち悪くない」と意外な「評価」をしているというので、朝日新聞が、ロング・インタビューしているね。 まず、驚いたのは、ストーン氏が、ヒラリー・クリントン氏が勝っていれば危険だったと感じていたということだね。 彼女は本来の意味でのリベラルではなく、米国による新世界秩序を欲し、そのためには他国の体制を変えるのがよいと信じているという。 ロシアを敵視し、非常に攻撃的で、彼女が大統領になっていたら世界中で戦争や爆撃が増え、軍事費の浪費に陥っていて、第3次大戦の可能性さえあったと考えているという。 A氏:トランプ氏は「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」を掲げ、他国の悪をやっつけに行こうなどと言わない。 この結果、政策を変えるべきだと考える人たちに近くなっているという。 米軍を撤退させて介入主義が弱まり、自国経済を機能させてインフラを改善させるならすばらしいことで、これまで米国は自国経済に対処せず、多くが貧困層で、自国民を大事にしていなかった。 ある面では自由放任主義かと思えば、別の面では規制が過剰で、トランプ氏もそう指摘しており、その点でもストーン氏はトランプ氏に賛成だという。 私:トランプ氏は、イラク戦争は膨大な資産の無駄だった、と明確に語っていて、ストーン氏は、これは正しい意見だとしている。 例えばロシアや中国、中東、IS(過激派組織「イスラム国」)への新政策では、テロと戦うためロシアと協調したいと発言しており、これは正しい考えだという。 A氏:ロシアが米国にサイバー攻撃したという問題について、米国の情報機関についてストーン氏は極めて懐疑的で、CIAは長年、多くの間違いを犯してきているという。 キューバのピッグス湾事件やベトナム戦争、イラクの大量破壊兵器問題がそれ。 米国は世界をコントロールしたがり、他国の主権を認めたがらず、多くの国家を転覆させてきており、そんな情報機関をけなしているトランプ氏に、ストーン氏は賛成だというが、そうしたことは社会で広く語られていないのは、米国社会のリーダー層と反対の立場となるからだという。 私:米政府による個人情報の大量監視を暴露したCIA元職員エドワード・スノーデン氏を描いたストーン氏が監督した新作映画「スノーデン」は スノーデン氏の証言に基づいてつくっており、彼が09年に横田基地内で勤務していた頃、日本国民を監視したがった米国が、日本側に協力を断られたものの監視を実行した場面も描いているという。 スノーデン氏は、日本が米国の利益に背いて同盟国でなくなった場合に備えて、日本のインフラに悪意のあるソフトウェアを仕込んだ、とも述懐しているという。 A氏:そんなことがあったんだね。 私:これは戦争行為ではないかと、確認をとろうにも米国家安全保障局(NSA)側と話すことは認められなかったが、ストーン氏は経験上、スノーデン氏は事実を話していると思っているという。 米情報機関は映画の内容を否定するだろうし、米大手メディアも取り合わないという。 大統領就任後、トランプ氏はCIAの影響で反ロシアに陥るかもしれない可能性はあるが、トランプ氏はビジネスマンで、貿易を好む限り、ビジネスマンは戦争をよしとしないという。 A氏:映画「スノーデン」の制作にあたっては、米国のどの映画スタジオにも断られ、大変だったという。 彼らの多くは政府と関係があり、政府の何かを踏んでしまうのを恐れて自己規制したのだと思うという。 制作にはとても困難を伴い、なんとか小さな配給会社が見つかったという。 今回、ワーナーにも断られ、米国がテロとの戦いを宣告した01年以降、米国に批判的な映画をつくるのが難しくなり、そうした映画がどんどん減っていて、米軍が過剰に支持・称賛されたり、CIAがヒーローに仕立てられたりする映画やテレビシリーズが目立ち、非常に腹立たしいことだと、ストーン氏はいう。 私:映画「スノーデン」の制作資金は、少額資金を集めながら悪戦苦闘し、フランスとドイツからの出資が支えとなり、欧州議会がEU加盟国にスノーデン氏の保護を求める決議をするなど、欧州はストーン氏に耳を傾けているという。 2度の大戦を経た欧州は国家による監視を好まず、その危険性も理解しているという。 英国は例外だが。 その欧州は、今、米国同様、分断現象を起こしているとはね。
2017.01.24
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私:多くの地方がそうであるように、鹿児島県も人口減少に直面していて、県の人口は10年前より約6%減り、今後もその傾向が続く。 市場が縮小してお金の貸出先が減れば、収益も先細り、長引く低金利も収益の押し下げ要因となっている。 その中で鹿児島銀行は健闘しているという記事だね。 A氏:上村頭取は、「薩摩の先祖は明治維新を成し遂げた。俺たちにはそのDNAがある。未来の鹿児島とこの銀行をどうしたいかを描き、そのためにあらゆるジャンルへ顔を出して手を染めておく」という。 私:前例踏襲型で変化を好まないとされる銀行だが、鹿児島という保守的な土地柄もあり、鹿銀も例外ではなかった。 「支店長だった40代のとき、牛の肥育農家に融資をしようとしたら、『担保のない先に貸せるか』と部長や常務に一蹴された」と、上村頭取はいう。 「地域に密着するといいながら、大切な農林水産業に金を貸さない地銀があるものか。偉くなったら俺が変えようと思った」という。 A氏:頭取に就任した10年から、挑戦がはじまるね。 畜産業者が飼う牛の価値を1頭ずつ算出し、それを担保に融資をする独自システムを開発し、畜産業者への融資を増やしたという。 私:今度は農業法人「春一番」を立ち上げた。 資本金は5千万円。このうち6割超を鹿銀と、同行などが設立したファンドが出資し、銀行員が出向した。 銀行による農業法人への出資は、三井住友銀行などが出資したコメの生産を手がける「みらい共創ファーム秋田」(秋田県大潟村)があるが、鹿銀のように行員が出向して農作業をするのは異例だという。 A氏:鹿銀内部でも、「春一番」設立は驚くべき出来事で、支店勤務の次は本部のしかるべき部署にという、鹿銀の人事はそういうルートが一般的で、現役の支店長が新設の会社に出向するのはにわかには信じられないこと。 昨年9月の支店長会議で上村頭取がこの人事を発表すると、「頭取が冗談を言った」と受け止めた人もいたという。 私:前例を打ち破り、あえて「春一番」に働き盛りの管理職を出向させた鹿銀の狙いは農協に負けない農業経営のプロを内部で育て、農業金融の世界に風穴を開けることにあるという。 A氏:ライバルの農協は強大だね 「春一番」は、まずは野菜販売の実績を積んで、ブランドを確立し、次に「農協より高く買う」という触れ込みで、県内の農家が生産した野菜を買い、「春一番ブランド」で出荷する。 農家との関係が深まれば、農業の運転資金や設備資金といった融資に加え、住宅ローンやカーローンなどの資金需要の開拓につながる。 「今は小さな組織だが、農協が無視できない存在にしていく」と、上村頭取は意気込むという。 私:鹿銀が農業とともに成長を狙う医療介護分野。 ここで力になっているのが独自システム「トロボメディカル」で、例えば、パソコンで「東京都」「開設予定」という条件で医療機関を検索すると、新設される施設の名前がずらりと表示される。 その一つをクリックすると、医師数や病床数、理事長の年齢といったデータが出て、地図には、周囲のライバル施設が表示され、どこの薬局や介護施設と連携しているかをチャート図で見ることもできる。 A氏:これを使えば、病院を取り巻く市場調査のプロになれるという。 鹿銀の医療介護業への融資残高は、2016年3月末時点で約2750億円で、法人向け貸し出しの約2割を占め、3年前より3割以上増加。 高齢化で市場自体が膨らんでいることもあるが、システムの力も大きいという。 私:15年からは、システムの販売も始めた。 システム会社などとの共同出資で、IT企業「サザンウィッシュ」を東京に設立し、首都圏を中心に営業し、これまでにみずほ銀行や製薬大手エーザイなどに販売したという。 地銀の明治維新の発足地点になるだろうか。今後の活躍を期待したい。
2017.01.23
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私:今週の日曜書評で興味を持ったのは2冊だね。 1.ロバート・B・ライシュ〈著〉『最後の資本主義』評者・諸富徹(京大教授・経済学) 著者は経済学者で、オバマ大統領のアドバイザーなど歴任し『暴走する資本主義』などの著書がある。 近年の格差拡大と、再分配政策の重要性は、広く認識されているが、著者は、政府が再分配しても問題を解決できないと訴えるという。 それは、そもそも「市場ルール」が圧倒的に大企業に有利だからで、その傾向は1980年代以降、特に顕著。 著者はそのことを、所有権、独占、契約、倒産、(それら各プロセスの)執行について圧倒的な説得力で例証していく。 市場が巨大な格差増幅装置として働く限り、政府が事後的に是正しても効果は雀の涙だという。 A氏:米国で60年代まで経済成長と中間層形成が両立しえたのは、米国社会で労組、農協などの「拮抗力」が存在し、政府が市場ルールを通じて大企業や富裕層を牽制しえたからだというが、これはよく言われるね。 それが、いまや拮抗力は打ち破られ、民主党までもが政治資金を獲得すべく、金融機関、大企業、富裕層になびいている。 モルガン・スタンレー様々だね。 私:政党に見放された国民のワシントン不信は、今度の米国大統領選で顕著に表れたという。 トランプ現象だね。 著者は是正に向けてまず、拮抗力を取り戻すべきだと提言。 今後の米国の政治的対立軸は、共和党/民主党から、現体制支持派/反体制派にシフトする兆候が現れているという。 A氏:トランプは共和党でなく、反体制派の支援を得たのかね。 私:著者は、新しい多数派形成で市場ルールを組み直し、逆再分配を止めるべきだという。 「政府による事後的再分配」から「市場ルール改革による公正経済」へ。 本書は中間層が没落し、格差が拡大し続ける中で資本主義改革の新しいアジェンダを打ち出した点で、経済論壇の風景を一変させうる重要な問題提起の書だと評者は言う。 A氏:トランプ新大統領はそのような政策をとるだろうか。 私:それが、彼の支援者の期待に応えられるかのカギだね。 2冊目は 2,山口栄一氏〈著〉『イノベーションはなぜ途絶えたか 科学立国日本の危機』・評者・小林雅一(ジャーナリスト) かつて「科学立国」と呼ばれた日本の産業基盤が揺らいでいて、1980年代に栄えたエレクトロニクス産業は今や衰退し、医薬品など21世紀を担うバイオ分野でも国際競争から脱落。 本書によれば、その主な原因は「イノベーション政策の失敗」にあるという。 A氏:アベノミクスの「3本目の矢」の問題だね。 私:日本では90年代、製造業など大手が基礎研究所を廃止したことで産業競争力が衰えたが、同時期、実は米国もAT&Tやゼロックスなど大手企業が基礎研究から撤退した。 A氏:しかし、米国はその後、ITや医薬品などで技術革新が巻き起こったが、日本はそうならなかったね。 私:両者の違いはどこにあったのか? 当時、米国政府は「大企業はもはやイノベーションを起こせない」と見切りをつけ、技術革新の新たな担い手として大学院生らの起業を支援する「SBIR制度」を創設。 これが卓越した審査・報償方式によって目覚ましい成果を上げた。 日本政府も追随しようとしたが、実際には「パフォーマンスの低い中小企業」への補助金制度と化し、国税の浪費に終わった。 日本で企業家精神が育たないのはリスクを避ける国民性ではなく、制度設計に問題があるという。 著者は、これを修正すれば、産業競争力は復活するという。 どのような修正をするのか、書評ではふれていないが、読んでみたいものだね。 図書館にネット予約したが、すでに12人予約待ち。で、入手は3月くらい後になるか。
2017.01.22
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私:20日に米国大統領に就任したトランプ大統領は、就任早々に、オバマケアの見直し、TPP離脱をきめたね。 メキシコとカナダとの間で結ぶ北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しもするね。 A氏:メキシコのペニャニエト大統領はツイッターでトランプ米大統領の就任を祝福したが、NAFTAの見直しには、断固とした姿勢で臨む考えもにじませた。 私:フランスのオランド大統領は20日、訪問先の仏東部で「国境を閉じることは産業の妨げになる」と強調。 「我々は開かれた世界経済のもとにあり、孤立するのは望ましくない」とも指摘し、保護主義的な姿勢を取るトランプ氏を批判。 しかし、トランプ氏と共通する「自国中心主義」を掲げ、独仏で勢力を伸ばす右派勢力は20日、就任を手放しで歓迎した。 9月に総選挙を予定するドイツの新興右派政党「ドイツのための選択肢」(AfD)は、ペトリ党首らの連名でトランプ氏に祝電を送り、「われわれは、ドイツと欧州に害をもたらしたメルケル首相の(難民)政策に反対する唯一の政党であり、あなたの同盟者だ」とアピール。 A氏:4~5月のフランスの大統領選に向けて勢い付く右翼・国民戦線(FN)のルペン党首も、仏メディアに「新しい時代の幕開けだ」とトランプ政権の誕生を歓迎。 FNは、欧州連合(EU)から主権を取り戻すと訴えて国境の再構築などの政策を掲げており、「これまでとは違う米国の大統領は、国家の主権という考え方を受け入れてくれるだろう」と強調。 私:イスラエル寄りの姿勢を鮮明にしているトランプ大統領に、イスラエルのネタニヤフ首相は20日、ツイッターで「おめでとう、我が友、トランプ大統領。両国の同盟を今までになく強いものにするため、密接に働くことを楽しみにしている」と述べた。 A氏:台湾を巡っては、トランプ氏は今月、中国と台湾がともに「一つの中国」に属するという中国側の原則について「すべてが交渉対象となる」と語り、中国側を牽制しているが、20日、台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総統はツイッター上で、トランプ氏に「おめでとう。民主主義が台湾と米国を結び付けている。私たちの友好と協力が前進することを期待している」と呼びかけた。 ツイッターが多いね。 私:ところで、トランプ政権の財務長官のスチィーブン・ムニューチン氏はゴールドマン・サックスの元幹部だね。 興味あることに、クリントン政権時代の財務長官は、ロバート・ルービンで元ゴールドマン・サックスの会長、そして、共和党政権に変わってブッシュ(ジュニア)政権の財務長官はヘンリー・ポールソンで、これも驚くべきことに元ゴールドマン・サックスの会長。 オバマ大統領の選挙のときも政治資金の最大提供者はゴールドマン・サックス。 ヒラリーの義理の息子のヘッジファンドも大量のゴールドマン・サックスのカネが行っている。 トランプ大統領は、米国エスタブリッシュメントからの離脱と言うが、閣僚の顔ぶれを見るとTPP離脱のような歯切れの良さがないようだね。
2017.01.21
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