田崎正巳のモンゴル徒然日記

田崎正巳のモンゴル徒然日記

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

モンゴル2008

モンゴル2008

Calendar

Comments

愛読者@ Re:ブログ休載中(09/03) 長い間お疲れ様でした。どうかお大事にし…
Mei@ Re:ブログ休載中(09/03) お大事になさってください。ブログの再開…
あくつ@ Re:ブログ休載中(09/03) お大事にしてください。 再開を楽しみにし…

Freepage List

2016.10.23
XML
カテゴリ: 世界とモンゴル
日経新聞の「習近平の支配」という特集が続いています。その記事自体は、特に目立ったことが書かれているわけではありませんが、私にはどうしても気になるポイントがありました。

例えば、10月20日の記事。ここには一国二制度のことが書かれ、香港で実施されているが実は台湾と将来統合するための知恵なのだということが書かれています。

ですがこのせっかくの知恵が、最近の香港の状態からして、「高度の自治」とはとても言える状態ではない、というものです。

なので、共産党政権を脅かす存在として、香港も考慮に入れないといけないというわけです。ここからの記事が私には気になりました。

「著名な中国専門家、米ジョージワシントン大学教授のデービッド・シャンポー(63)は、中国政府と大きな対立を引き込む恐れがある不安定な地域として、新疆ウイグル、チベット、台湾に加え、香港を挙げた。」と書かれているのです。

そうです、内モンゴルなんてどこにも書かれていません。つまりもうモンゴルについては、領土問題や民族問題として考える対象ですらないってことなんです。

うーむ、これは嬉しいことなんでしょうか?もう完全に漢人からは「モンゴル人は完全に我々漢人の傘下に下った」と安心されているような気がして、ちょっと違和感を感じた次第です。

実際、内モンゴル人の人たちは口では「もう中国なんか嫌だ」などと言うこともあるでしょうが、それは全く伝わっていないってことです。

これは中国外部からの見方です。では内部的にはどうなんでしょうか?

10月22日の記事には例の「中華民族復興の夢」が載っています。ここには、中華民族が偉大な復興を遂げることに加え、新型大国関係と核心的利益が書かれています。

新型大国関係は習主席が何度もオバマ大統領に「太平洋は米中両国を受け入れる十分な空間がある」と言いながらも、全然相手にされてない、あのフレーズです。

そして核心的利益についても解説してます。中国が絶対に譲ることのできない利益のことで、独立問題を抱える「台湾」「チベット」「ウイグル」に「南シナ海」が加わった、と書かれているのです。

ここにも内モンゴルのことは書かれていません。「チベット」「ウィグル」は現在は中国の領土であるにも関わらず、「いつか独立するかもしれない」「外国から干渉されたら、分離してしまうかもしれない」という危機感があるからこそ、核心的利益に入れているのでしょう。

つまりここでも内モンゴルは、漢人にとっては「ありえないでしょ?」「そもそもそんな危機感を感じることは全くない」という証左ではないかと思います。

外部からも「内モンゴルの問題」なんて全く見えないし、内部からも「内モンゴルには誰も危機感を持っていない」ということです。

簡単に言ってしまえば、内モンゴルは超安全パイというか、早い話が舐められているだと思います。

その遠因にはモンゴルという国自体が、中国から見て「恐れるに足らず」という存在なんじゃないかと思います。

別に喧嘩しろとか、テロを起こせと言っているのではありません。

が、領土問題、民族問題で内外から話題にもならないほど安心な内モンゴルは、多分この先50年100年はモンゴルと一緒になることはないんだろうなと、これらの新聞を読んで感じました。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016.11.03 13:24:29
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: