田崎正巳のモンゴル徒然日記

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モンゴル2008

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2016.11.09
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カテゴリ: 世界とモンゴル
カザフスタンのナザルバエフ大統領が来日していました。

例によって安倍首相と会って「資源分野での一層の協力」「ユーラシアの中心にある国との重要な関係」などと言いながら握手していました。

内容だけ見ると、モンゴルの首脳と会う時と大して変わらない内容に見えますが、実効性はどうなんでしょうか?

これは私のイメージだけかもしれませんが、同じように「資源分野で協力しましょう」と握手しながら、過去からほとんど実績らしい実績がないのがモンゴルで、カザフスタンは意外と具体的な案件が進んでいるように感じます。イメージだけなのかどうか、ちょっとデータを見てみます。

2国間の「交流」と言う意味では、圧倒的に日本とモンゴルの関係の方がカザフスタンより強く見えます。

例えば、在モンゴル日本人数は外務省によれば468人ですが、カザフは153人。在日モンゴル人は7,698人いるのに対しカザフ人は307人。カザフの人口がモンゴルの5倍以上であることを考えると、相当な差です。

ですが、実利と言うかビジネスとなると違います。日本からモンゴルへの輸出額は303億円に対してカザフへは701億円です。これは人口やGDPの差を考えれば、こんなものでしょう。

問題は日本への輸入です。当然日本向けに大きな金額があるとすれば資源でしょう。カザフから日本へは798億円と日本側の輸入超となるほど輸入しているのに対し、モンゴルからはなんとたったの65億円です。カザフからの10分の1以下です。

もちろんカザフだって内陸国ですから、モンゴルが条件的に非常に不利と言うわけではありません。

これは私の全くの個人的見解ですが、過去例えば10年ほどの間にモンゴルともカザフとも資源開発の話題は結構ありました。

が、モンゴルの場合はほとんどが「話だけ」だったり「何度も変更したり」で、結局まともな資源開発ビジネスにはなっていないのに対し、カザフの場合はそのうちのいくつかが実際の商談になり、それが貿易実績として表れているんだと思います。

以前テレビでカザフのことを見た時、輸出も輸入もまだ中国が一番と言うわけではないですが、中国に傾注するのを恐れているということを言ってました。ですので、日本との貿易も現実問題として大事なんだと思います。

一方、モンゴルは口では「第三の隣国が重要」などと言いながら、結局目の前の金しか見ていないので、中国比率が異常に上がり、輸出相手の90%近くになっているのに大した危機感がないのです。賄賂も考えると、中国大好きモンゴル人政治家が多いことの表れでしょう。

ここでいつも考えさせられるのが、「未熟な民主主義」と「国民を豊かにしてきた独裁者」とどっちがいいかという問題です。

1991年の民主化直後は、モンゴルもカザフも非常に苦しい時期を経験し、ともに貧しい国でした。

民主主義のモンゴルは、ご存知の通り年がら年中政治家の身勝手さに振り回され、経済は停滞しています。

政権交代があれば「前政権の約束したことなんか知らん!」というのも何度もありましたから、外国投資家からするといつも疑わざるを得ません。

他方、カザフは長年ナザルバエフの独裁ですが、その強烈な指導力により国は発展し、対外貿易も発展させてきました。

以前、モンゴル駐在の日本の商社の方に聞いたことがあります。その方は、モンゴルに赴任する前はカザフ駐在だったのです。

「モンゴルとカザフとではどちらがビジネスをやりやすいですか?」と聞くと、即答で「そりゃあ、カザフですよ。」と言いました。

その理由は、カザフはビジネス的に信頼できるが、モンゴルは信頼できないからだそうです。モンゴルはご存知の通り、首相が変わったり、大臣が変わったり、また政権交代があるたびに過去の約束を平気で反故にしてきました。

なので、外国から信頼されてないのです。他方、カザフは独裁なので、一度大統領が約束すれば、その約束は守られるのです。

もう一つは賄賂です。カザフもいろいろ対策しなければならないことはあるようですが、それは大統領レベルで決まれば、後は官僚や役人たちもそれに従います。

ですがモンゴルは、上で決まっても下は下で欲しがり、小さな窓口の担当者も含めほとんどすべての対応者が何かを求めて来るので、対応しきれないと言ってました。

未熟で不透明な民主主義が独裁国家に勝てるようになるのは、いつになるんでしょうか?

カザフついでに、もう一つ。

カザフの新車販売のデータです。新車販売のデータなんて、ほぼすべての国に存在しますが、モンゴルにはないのです。こんなデータすらまだ整備されてないってことなんですね。

まずはメーカー別で、今年1-9月の販売ランキングです。1位がLadaで月平均676台。2位はトヨタで655台。以下、ルノー、ヒュンダイ、キアと続き、日産が9位で122台です。

Ladaはやはり旧ソ連だからなんでしょうか?モンゴルではLadaの新車は今はほとんどゼロでしょう。

あとルノーが強いのは意外です。モンゴルでこうしたランクがあるとしたら、トヨタ、日産、ヒュンダイ、ベンツくらいの順番じゃないでしょうか?もちろんトヨタは過半数のシェアでしょう。

次は車種別で、同じく1-9月の販売ランキングです。1位はなんとカムリで月平均250台。2位はLada Prioraで248台。

以下、Lada 4X4、GAZ Gazelle、ルノー・ダスター、ヒュンダイ・アクセントと続き、トヨタ・プラドが11位で106台、RAV-4が12位、ランドクルーザーが13位です。レクサスのLXは29位、RXは38位などと続きます。

モンゴルでの今の「新車」販売では、おそらくトップがランクル、レクサスLX、あとはベンツのGクラス、ヒュンダイのセダン系あたりが続くのではないでしょうか?なんせ公式のデータもなく、中古車比率が90%以上なので、なかなか実態は見えませんけど。

中央アジアで先頭を走るカザフスタンですが、モンゴルとの類似性もあるのでいろいろ参考になることが多いのではないかと思います。





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Last updated  2016.11.10 08:45:39
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