田崎正巳のモンゴル徒然日記

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モンゴル好き@ Re:あーあ、プーチン来ちゃった。。。(09/03) このニュースを知ったときには本当に残念…
モンゴル2008 @ Re[3]:韓国系が活躍?(06/27) ichiguさん、 ありがとうございます。 気…
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2021.03.29
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モンゴルの民主党党首を決める選挙が行われることは先週くらいから聞いていました。そしてそこにMainbayar Tulgut氏、通称トギーさんが立候補しているのも聞いていました。

トギーさんは、本ブログではTさんの名前で何度も登場している、優秀で信頼のおける友人です。トギーさんは京都大学出身で日本企業に勤めた後、大きな志を持ってモンゴルに帰ってきました。

当時、モンゴル国立大学にいた私を訪ねてきたのは、丁度そんな時でした。「モンゴルを変えなければならない!」と多くの日本留学帰りの人がいうフレーズは同じでしたが、真剣味が違いました。

その後ビジネス経験を積み、現在はウランバートル市議会議員です。ですので、「市議会議員が党首に立候補?」と思いましたが、トギーさんのクリーンで優秀なところは誰もが認めるのでしょう、普通ならあり得ない市議会議員による党首候補者となったのです。

但し、現地の声を聴くと概ね「今回は立候補はするけど、さすがに当選は無理でしょう。」という声を聞いていたので、実際に党首になるということまでは期待していませんでした。

ところが、昨日の選挙結果についての私への第一報が「トギーさん、民主党党首に!」だったのです。で、確認にしようとモンゴルのニュースサイトを見たのですが、なかなか確認できませんでした。そして現地と直接電話したところ、下記のことがわかりました。

今回の民主党の党首選は2つのやり方に分かれてしまったというのです。1つはインターネットによる投票、もう1つは投票所での投票。これだけ聞くと、なるほどコロナでもあるし、いろんな投票方法があるのはいいのではないかと、と思いますが、この2つは別々の選挙だというのです。

つまり両方の投票数を合計するのではなく、別々の選挙主催者が別々の異なる選挙を行ったというのです。なので現在、今回民主党首選挙で当選したのは、2人いるというのです。

1人はインターネット選挙で当選したトギーさんで、もう一人は投票所選挙で当選したツォグトゲレル(オブス県出身の国会議員)とのことです。ちなみに、現大統領バトトルガは投票所派で、トギーさんを支持しないそうです。

そもそも選挙を別々にやるのですから、やる前から2人の党首が出ることはわかっていたというのです。なので、モンゴルのマスコミ的には「党首を決める選挙」「次期大統領候補を決定する選挙」と騒ぐことなく、言ってみれば民主党のごたごた、内紛の一環程度にしか捉えていないということなのです。

一体何が起こっているのか?もちろん、私にはわからないことばかりですが、多少下記の通りまとめることはできます。

現在のモンゴルの民主党は日本の民主党と似たような状況だと思うとわかりやすいでしょう。長い間、自民党政治が続いた。(長い間、人民党政治が続いた)。

国民は根本的に変えるには、政権交代をするしかないと、民主党に政治を任せてみた。ところが、民主党政権はひどいのなんのって、さすがに国民は嫌気がさして、再び自民党に戻った。(再び、人民党に戻った)。

与党から野党に転落した民主党は、当然多くの有力議員も落選し、ゴタゴタや内紛が起こった。支持率は低いままで、民主党は分裂しそうになった。日本では実際に立憲、国民に分裂したが、恐らくモンゴルでは分裂しそうな状態で、党首選挙を迎えたんだと思います。

とまあ、よく似たストーリーなわけです。改革派は、「民主党はどん底まで落ちた。国民にも見放されている。なので、もう古い体質の人たちは全部辞めてもらって、新しい幹部に刷新しなければならない。」と考えて、国会議員でもないトギーさんを担ぎ出したのでしょう。

一方、守旧派は「今も現職の大統領は民主党だ。国民からの人気もある。ちゃんと改革をしていけば、もう一度政権を取り戻すことはできる。」と現在の幹部を温存しながらの改革を目指そうとしているのでしょう。

そういう従来の考えの延長線上で考えれば「ただのウランバートル市議会議員ごときが国会議員を差し置いて、党首になるなどと言うのはとんでもない!」と思うわけです。

党首選実施直前まで、ギリギリの協議を続けたが、結局別れて選挙をすることになったのだそうです。なので、協議がまとまらなかった時点で、こうなることはわかっていたというわけです。

今後はどうなるのか?恐らく今後は裁判になるだろうとのことです。裁判で決めるとなると微妙です。なぜなら、モンゴルは大統領制ですが、大統領は微妙に裁判所には影響力があります。

韓国の例を見ても、なかなか「完全な三権分立」とは言えないところがあります。現職大統領は守旧派ですから、当然裁判結果はその影響を受けるのではないでしょうか?

そういうことまでわかった上で、トギーさんらは行動したのだと信じています。仮に今回党首になれないとしても、今回の騒動で地方の人たちも含め「次世代の民主党を担うのはトギーさん」という認識が広がるのではないかと思います。

マスコミ的には「人民党と戦うには、まず民主党がまとまらない限りはどうしようもない。このままでは6月の大統領選までに候補者が決まるのか?」といったところではないかと思います。

とにかく、コネもなく、賄賂も使わず、正しいことを主張してきたトギーさんが、金にまみれたモンゴルの政治の表舞台に少しでも顔を出したことは、明るい未来が垣間見れるような気がしています。





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Last updated  2021.03.29 11:39:00
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