田崎正巳のモンゴル徒然日記

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モンゴル好き@ Re:あーあ、プーチン来ちゃった。。。(09/03) このニュースを知ったときには本当に残念…
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2022.04.01
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モンゴルに住んでいた時、そしてその後も問い合わせや相談されることが多いのが「日本でOOを売れないか?」ということです。具体的な商材として挙がったのは、カシミヤ、チャッツラガン、モンゴル岩塩、そして馬肉です。

確かにこれらは私がモンゴルにいた時も個人的に「日本で売れたらいいな」と思っていましたが、なかなか具体化しません。もちろん、小さなボリュームでは、カシミヤなどはかなり前から日本に輸入されていますが、なかなかモンゴル側の「期待通り」というわけではありません。

カシミヤについては、そもそも日本で大量にカシミヤが売れるきっかけとなったユニクロのカシミヤは、私のアイデアがきっかけだったのでその経緯はよく知っています。確か本ブログでも経緯を書いたことあります。

ですが、結局、無念ながらモンゴル産は採用されずに内モンゴルのカシミヤがユニクロで採用されたのです。少なくとも当時のモンゴルでは「大量生産」と「品質管理」の両面でユニクロのニーズに合う会社はありませんでした。ゴビでも小さすぎました。

チャッツラガンもそれまで高価格で通販など限定的なルートでしか日本では売られていなかったのを、イオンへの納品をして量産型飲料として挑戦した企業もありましたが、これも残念ながら短期間で終わってしまいました。

モンゴル側の要望は痛いほどよくわかります。モンゴルは人口300万人、日本はその40倍以上の市場です。日本で大きな市場シェアなんかいらないから、ほんの1%でいいからシェアが取れたら嬉しい、と言います。

ですが、その1%が大変なんです。ユニクロなどを相手に商売するとなると、「ちょっとだけ買ってください」みたいな商売は成り立ちません。イオンやコンビニ相手では、大量注文を責任をもって短期納品できる体制にしないと相手にされません。

「そんな大手じゃなくても、小さな市場でいい」となると、個人のブティックとか小さな会社の健康食品通販のようなところとの取引となり、今度は1回あたりのロットが少なすぎて輸送量が非常に高くなってしまいます。モンゴル側が低価格で提供しても輸送費や流通費用で信じられない高価格になるのです。

FTAでモンゴル側は日本への輸出増加を大いに期待していますが、「関税以外の問題」はFTAでは解決できないのです。私が知っている範囲では、残念ながら日本への輸出で大きな成功を成し遂げた消費財会社は知りません。

そんな中で、最近二つの嬉しい「モンゴル産」を見つけました。一つは馬肉です。コロナで相当ご無沙汰していたワインバー(とはいえ、シェフが美味しいイタリアンを提供してくれる店)に行った時でした。印刷メニューとは別に手書きメニューのお薦めを見ていたら、、、

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えっ?なにこれ?思わず声が上がったのです。「あのー、このタルタルのモンゴル産馬肉って、あのモンゴルから来たんですか?」とシェフに聞くと「はい、そうですよ。モンゴルからです。」と。当然、即それを注文しました。

で、さらに突っ込んで「この肉はどこかの商社とかがこちらへ持ってくるんですか?それともお肉屋さん?」と聞くと「出入りの肉屋です」とのこと。当然冷凍でしょう。私があまりに興味を示すので、シェフも驚いていました。

出てきました。出てきたら写真を撮るつもりだったのですが、そんなことは忘れてすぐに手を付けて食べました。「うん、美味しい。しかも、そこそこボリュームもありなかなか立派。」と思いました。半分以上食べたところで思い出し写真を撮りました。

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馬肉ステーキとか馬肉煮込みとかなら熱を加えるのでわかりますが、生のタルタルです。私は挑戦しようというモンゴル側の業者が日本の品質基準(衛生基準)をクリアするのが大変だと聞いていたので、きっと頑張った業者がいるんだなと思いました。

どの会社かは知りませんが、いろいろ聞いてみると日本で外国の馬の生肉を提供する方法は二つあるそうです。一つは馬を丸ごと輸入する方法です。これはカナダなどから馬の生体を日本に輸入して、しばらく日本で飼育して、日本の工場で加工処理するというものです。

これはかなり多いらしく、モンゴルからもこのやり方で来ている馬があるとも聞きました。ですが、当然「馬肉処理」や「馬刺し」として付加価値はないので、モンゴル側もあまり利益は期待できないようです。

もう一つは、海外で加工処理をし、馬刺し(生肉)のまま冷凍して日本へ輸入するというものです。この場合は、モンゴル側に付加価値があるのですが、なかなか日本の基準を恒常的にクリアするのは大変です。

当然ですが、そもそもモンゴル人は生肉を食べませんので、生で食べてもよいような基準も流通もないのです。とはいえ、日本での馬刺しがかなり高価!であることを知ると、馬刺しに挑戦したくなるのもわかります。モンゴル人から見たら、日本の馬刺しの値段は天文学的に見えるでしょう。

私が今回食べた馬肉の流通経路はわかりませんが、わざわざモンゴル産とかいてあることから、モンゴルで加工処理したものかもしれません。嬉しいのは、こうしたワインバーでわざわざモンゴル産を書いてくれることです。イメージが悪ければ書かないわけです。中国産を熊本産アサリと書きたいのが本心かも知れませんが、堂々と書いてくれるのはいいことだと思います。

そんなことを考えながら歩いていた数日後、とあるラーメン屋さんの看板を見ました。

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「モンゴル塩豚骨ラーメン」です。食材を使っているだけじゃなく、商品名にわざわざ「モンゴル」を使っているのです。「幻と言われたモンゴルの岩塩を使用」とあります。メルクーリ(ザハ、市場)でいつでも安く買えるので、幻でないのは確かですが、でもこうして書いてくれるのは嬉しいですね。

しかも当店一押しのラーメンです!更に1億数千年前もの年月をかけてできた塩と、解説まであります。これら細かい解説が「店内」ではなく「店の外の看板」に書かれているのですから、店主としては「モンゴル」を売りにしているのは明白です。これまたモンゴル食材がマイナスイメージであれば絶対にそんなことはしませんから、当然良い評価と考えていいでしょう。

カシミヤやチャッツラガンなどの量販狙いは苦戦していますが、こうしたモンゴルを前面に出した食材が「店の押しメニュー!」として表示され、提供されているのを見ると、今後に期待できそうです。





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Last updated  2022.04.03 20:01:30
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