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年末と同じで、正月明けも大阪は9日~11日に今宮戎の「十日戎」が開催されてなんとも慌ただしい。あれよあれよと云う間に2月に突入して、今年の2月は閏年とは云え29日まで。年明け早々はなんとも気忙しいんですよね。全米一の人口を誇るニューヨークは、約820万人近く住んでる東海岸の大都市ですが、東海岸と云うのはブルジョワ思考で貧乏人に冷たく、地位や名前とか血筋が大きな影響力をもってる土地が多いそうです。とても下の人間が上の人間に意見を言うような雰囲気ではないそうな。それに引き換え、大谷が移籍したドジャースの本拠地ロスを始めとする西海岸はオープンマインド。新しい考え方が受け入れられ、個性が重視される土地と、東海岸と西海岸で気風がガラっと違うそうです。とは云ってもアメリカ人に云わすと東海岸=ニューヨーク、西海岸=ロスを指す言葉で、その他の地域はそんなに意識してないとか。だいたい東海岸ひとつとっても、ニューヨークからボストンと云うと距離が近い印象がありますし、事実アメリカ人に云わせると「ズグ近く」。ところが実際は車で3時間半はかかるらしい。同じ東海岸でもボストンからフロリダだと車で22時間!だいたい国内に東部時間、中部時間、山岳部時間、太平洋時間と4つもタイムゾーンが有るのですから、広さは日本基準では考えられないんですね。しかも、これに加えてハワイ時間とアラスカ時間まであるのですから。貧富の格差があるとは云え、日本の平均時給は1,004円になって、初めて1,000円台突破と騒いでますが、ニューヨークの最低賃金は時給で19.96$(約2,532円)。つまり2倍以上の開きがあるのです。それにつれて物価も決まりますから、そりゃあ欧米人が日本に旅行に来て安い安いを連発するワケですね。ことさらさようにアメリカの所得は低所得者層も含めて増えてますが、貧困率12.6%を占める低所得者層の支出80%は家賃や食料品、医療費、通勤費などの必需品なんです。アメリカ人の低所得者層ほど実質賃金が上昇しているのにも関わらずです。通勤費ってのはアメリカではどの企業でも支給してませんしね。アメリカの低所得層の賃金上昇率がインフレ率を上回り続ているにも関わらず、賃金上昇が助けにはなっていないのですね。なのでインフレ率より賃金上昇率が下回ってる日本なんて推して知るべしなんです。
Jan 3, 2024
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明けて2日目と云っても、とっくにリタイヤして年中日曜日の高齢者には関係ないですけどね。昨日の地震で被害に見舞われた方、お見舞い申し上げます。私のところも震度4程度の揺れでしたが、幸い被害はありませんでした。照明器具を見てると かなり揺れてましたので、同じマンションでも上層階のお宅は食器など落下したかも知れません。元旦はシドニーのニューイヤー画像を載せましたが、やっぱピンときませな。下の画像はノルウェー、オスロのニューイヤー。これですよね。ん! クリスマスの画像と見分けつかへん(笑)こっちはノルウェー第2の都市「ベルゲン」。なんとも北欧そのものの写真。しかし、寒そうですね。お正月と関係ないですが、オランダの歌手ドロナ・アルベルティと欧米で爆発的な人気のアンドレ・リュウの指揮で「恋のサバイバル(I Will Survive)」で元気もらってください。「恋のサバイバル」はグロリア・ゲイナーが全米1位を記録した楽曲ですね。 I Will Survive – André Rieu & Dorona Alberti
Jan 2, 2024
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何が目出度いか分からんけど、とにかくオメデトーございますです。今年もよろしくお願いします。定型文しか思い浮かばない。そんなこと、ど~でもいいか(笑)画像はオーストラリアのニューイヤー。シドニーのこの時期の最高気温は27℃~30℃前後だって。なんか新年がピンときませんなぁ。
Jan 1, 2024
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と、毎年同じ切り出し方やなぁ(笑)今年一年、こんな拙い珍妙なブログにお付き合い下さいまして有難うございました。WBCでの大谷や山本由伸投手の活躍で、こんな暗い世の中、ちょっとは明るくなったと思ったら、戦争は相次いで勃発するし、自民党の派閥政治資金問題が発覚して年末がなんともイヤな雰囲気に。こんだけスキャンダルが大きくなったら、普通は政権交代なのに、野党は野党で不甲斐ないから日本をあげて無政府状態もいいとこ。ホント、情けない世の中です。こんなままで2024年が明るい未来に変わるなんて考えられないけど、それでも前向きに。とにかく前向きに、それしか無いですものね。せめて、今年以上に悪くならないことを願うばかりです。みなさま、よいお年をお迎え下さい。かわいい異種生き物の交流動画で癒やされましょう。Meerkat saved from zoo made friends with a cat! Their friendship is shocking
Dec 31, 2023
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作家の井上靖と司馬遼太郎 共著「西域をゆく」に見られるように、私たち日本人には全く縁のない土地にも関わらずシルクロードと云うのはなんともロマンを感じる方が多いのではないでしょうか。シルクロードの中国側起点は長安(現在の陝西省西安市)、欧州側起点はシリアのアンティオキアとする説が有力ですが、もともとシルクロード自体がどっかの国や組織が決めたワケぢゃないので、どこが起点など無いに等しいのですね。「西域をゆく」では新疆ウイグル自治区のことに触れてますが、新疆ウイグル自治区は、習近平による凄まじいまでの弾圧と迫害であんなになってしまったし、有名な敦煌市も甘粛省北西部にあるから、外国人と見たら理由もなく拘束する中国ではとても行く気にならない。そんなシルクロードに位置するの国で、中央アジアにウズベキスタンがありますね。イスラムの国だから治安が...と思ったら、日本と変わらないくらい治安が良いらしい。ウズベキスタンの首都がタシュケントなのくらいは知ってますが、隣国カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンも含めて全く知識がありません。同じ隣国のアフガニスタンだって、ターリバーンが掌握して以来、国民の生活が極端に困窮してるくらいしか知らないし。1966年、タシュケントを震源に大地震が起こり、市内の建物のおよそ2/3が倒壊する大惨事が起こりました。このとき中央アジア最大のバレエ・オペラ劇場「ナヴォイ劇場」だけはまったく無傷だったのですが、なんとこの劇場を建てたのは日本人です。第2次大戦後、シベリア抑留日本人捕虜はソ連によってタシュケントにも回され、ナヴォイ劇場の強制労働に従事したのです。それが大地震でもビクともしなかったのですから、なんとも見事な仕事ぶりだったのですね。ウズベキスタンはシルクロードの中心地として、ユネスコ世界遺産の宝庫です。青の街サマルカンドや茶色の町ブハラ、ヒヴァ、シャフリサブス、仏教文化のテルメズなど世界的に有名な歴史的遺構へ観光客が急増。政府も観光誘致を盛んに行っていて、海外ホテルチェーンの大規模ホテルが多く運営されています。ウズベキスタン初の世界遺産が北西部のアムダリヤ川下流域にある「ヒヴァ」。16世紀初頭~20世紀初頭まで存在したヒヴァ・ハン国の首都です。ここの「タシュ・ハウリ宮殿」は1830年~1838年のアラクリ・ハーンの時代にキョフナ・アルクに代わる新宮殿として建立された「石でできた庭」を意味する宮殿です。タシュ・ハウリ宮殿には、3つの中庭と163の部屋があり迷宮のよう。ハーレムの木柱の彫刻や天井の装飾はヒヴァの建造物の中でも特に繊細で絢爛豪華だそうです。ウズベキスタンで移動するのに国内便を使う方法もありますが、それより夜行列車で移動する方がずっとシルクロードを移動してる雰囲気が味わえるそうです。インドやパキスタンみたいに小汚い客車と、列車の屋根に群がる人を想像してたら実物見て唖然としますよ。サマルカンドからヌラタウ・キジルクム生物圏保護区(ユネスコエコパーク)の人里離れた山々へ北に向かって行くと、ホームステイさせてくれる人家もあるらしい。これがアフリカなんかの国でホームステイと云うと拒否反応でますが、シルクロードの村でとなると興味もわきますね。とにかく人々は親切で、お宿も小綺麗なとこばかりらしい。ウズベキスタンとカザフスタンにまたがったキジルクム砂漠の南東部にアイダール湖と云う海水と淡水が入り交じった汽水湖が有るのですが、ここには宿泊できるカザフスタン風のパオも有るらしい。ウズベキスタンもイスラム圏ですから、食事がおわったら「ごちそうさま」の代わりに「両手で顔を洗うときのような仕草を一度する」のが食事マナーです。このとき手が顔に触れてはいけません。イスラムの礼拝の仕草と同じですかね。 しかしYouTube なんかで観ていると、食事前にも同じ仕草してます。イスラム教徒に物を渡すときは左手を使ってはいけませんね。左手は不浄とされています。このあたりのパンは丸い円盤型で、径20cm ~50cm まで様々ですが、ナイフを使って切るのはダメで、必ず手でちぎっていただきます。多人数が同時に食事するときは、自分でパンをちぎるのもご法度で、年長者なんかがちぎって配るようです。そのパンを、例えテーブルに皿があっても、テーブルに直接おくと云うのがマナーらしい。この食事でオモロイのが「プロフ」と云う、ウズベキスタンだけでなく中央アジアどこへ行っても主食として食べられてる「焼き飯と云うより炊き込みご飯」が有るのですが、このプロフがトルコに渡り「ピラウ」と名前が変わり、フランスに伝わって「ピラフ」になったのですね。驚くことにプロフと同時にパンも一緒に食べるのですね。つまりパンを片手にプロフを食べてるワケです。パンと炊き込みご飯ですよ~なかなかでしょ。このプロフにはもっとオモロイ話しがあって、パーティなんかでは必ず2人前のプロフが一皿に盛られてでてきます。つまりお隣の人と同じお皿をつつき合うワケです。たとえ隣が見知らぬ人でも、ルールは同じ。ひとだけ別皿でと云うのは有りえません。まぁ、イスラム圏ですから、日本人には戸惑うことも有るでしょうが、なかなかに魅力的な国ですね。とくに地方に行っても、見るものが沢山あるのはやはりシルクロードの国ならでは。これで、もっと近かったらねぇ。限りなく遠いなぁ...
Dec 30, 2023
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ヒトデと云うのは、ウニと同じ棘皮動物ですが、大量発生してホタテやアサリに壊滅的被害をもたらす厄介者ですね。だいたい形からして、なんで星型なん?だけど日本名の「ヒトデ」=「人手」は、形を人の手になぞらえたものなんですね。とにかくヒトデは雑食性らしい。貝類やフジツボなんかの他に、動きの速いエビや魚まで食べるらしい。口に入らないような大きな餌は、体外に出した胃で餌を包み込み消化吸収するそうですよ。ヒトデなんてとても食べられないでしょうと思うのですが、熊本県天草市の、ごく一部の地域では食べるらしい。海外では中国などいくつかの国で食用にされているようです。ヒトデはウニと同じ部位を食べますが、ウニと違うのはヒトデには大量のサポニンが含まれていること。サポニンはえぐ味の成分です。なので海水程度の塩水で10分ほどしっかり塩ゆでして、いただくそうです。味はコクがあり脂っぽさのあるウニのような感じらしいですが、渋みが強いのもあるので、それは避けるとか。ただ、食べるにはヒトデの種類が分かっている人でないとヤバイとか。きれいな星形をしている「イトマキヒトデ」、こいつは食べるのに適してません。どんなヒトデも外敵に襲われないよう体内に蓄えてるサポニンは毒成分で、イトマキヒトデの場合このサポニンが多いため食べても美味しくない上、舌に痺れるような刺激を感じるそうです。もっともキケンなのは「トゲモミジガイ」。こちらは「フグ毒」テトロドトキシンを蓄えてるそうな。食べてもいいヒトデは「キヒトデ」と云う黄色基調に紫がかった中型のヒトデです。元々の生息地は北太平洋で、日本、中国北部、朝鮮半島からロシア沿岸、移入種としてはオーストラリア南部にいるそうです。日本では北海道以南の浅海から海岸の岩礁や砂底に広くいるそうです。しかし、何ですな。いくら食べてもいいと云っても、あの形はど~も食べる気おこりませんな。もし、無人島にひとり取り残されても、毒があるか無いか見分けがつかなくてはとても口に入れられないし。みなさんは、ど~ですか?そのヒトデと云うのは、どこが頭でどこからが身体なんでしょう。新しい研究によると、ヒトデの全身は頭のように機能するらしい。つまり、全身が頭ってこと。5つの手足のような部分にそれぞれ頭のような部分があるのだという。と、云うことは頭が5つてことです。これは遺伝子研究で、ヒトデは祖先がかつて持っていた胴部を失うことによって、別の進化をしたとか。それによって、腕を持つ動物とは異なる動き方や摂食が可能になったと。ヒトデの腕の先には1つずつ目が付いています。つまり全部で5つの目があるってこと。ヒトデの目そのものの測定と行動実験を組み合わせた研究では、目の前のサンゴ礁を充分に認識できる視野だったそうです。しかし、ヒトデの目にはレンズがないため、かなり大まかな像しか形成できないとか。頭が5つもあるのだったら、さぞかし賢いと思いますが、ヒトデを始めウニ、なまこ、イソギンチャクやクラゲなども「脳」がありません。40億年前、地球に生物が誕生したとき、全ての生き物は脳をもってませんでした。最初に備わった器官は「腸」です。「脳」が無いのに、ど~して生きてられるかと云うと、「腸」が脳の働きをする「ニューロン(神経細胞)」をもっているからです。腸が構成するニューロンは人間の場合、1億にもなるんですね。それで体内に有害なものが入ってきたとき、脳よりも先に腸が異変に気づくのです。それで、腸は「第二の脳」と呼ばれているのです。ヒトデの場合、身体に分布する感覚細胞で受けた物理的、化学的な刺激を神経で伝えています。神経には環状神経があり、そこから各腕に放射神経が伸びてるのですね。また、ヒトデは匂いで餌を探り当てることが知られています。匂いの感覚細胞は体表全体に分布しており、実験では餌の場所だけでなく好き嫌いも判断することができたそうです。
Dec 29, 2023
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古代の天体観測用機器に「アストロラーベ」と云うものがあります。ある種のアナログ計算機なんですな。用途は多岐にわたり 太陽、月、惑星、恒星の位置測定と予測、経度と現地時刻の変換や三角測量に使われた機器です。機器としての用途とは別に、それ自体が芸術作品のため非常に骨董的価値の高いもので、オークションなどで1個 7,000万円以上で取引されるものがあります。アストロラーベはメーターと呼ばれる中空の円盤と、その中にはめ込まれた数個のティンパン、またはクライメータと呼ばれる平らな板からなってます。ティンパンは特定の緯度ごとに作られ、天球の一部分を表すための方位角と高さの線が等間隔で刻まれてて、これが地平線の上に置かれています。メーターのふちには、時間か角度、もしくはその両方が刻まれているのですね。メーターとティンパンの上にリートと呼ばれる、黄道(太陽が1年間に動くみちすじ)の投影線と星の位置を示すいくつかの指針を持った枠が付いています。リートが回転するに従って、星と黄道がティンパン上の空座標の図上を動いていきます。1周は1日。つまりアストロラーベは現代で云う星座早見盤なんですな。メーターの裏には測定に役立つ比率などが刻まれていることが多いです。例えば時間を換算するための曲線、特定の月の日にちを黄道上の太陽の位置に変換するカレンダー、三角法の比など。裏面には アリデードと呼ばれるもう1つのルーラが取り付けられています。アストロラーベを垂直に持ったとき、アリデードが回転し、その長さに従って星に照準が合わされます。それによって、ふちの目盛りから星の高度が得られるのですね。天測航法のために天体と地平線との間の角度を測定する「六分儀」と云う主に航海に使われる機器が18世紀に発明されるまで、アストロラーベが航海での主要測定器でした。アストロラーベの発明者は分かってないのですが、イスラム教の開祖ムハンマドの叔父アッバース・イブン・アブドゥルムッタリブの子孫をカリフ(最高権威者)とし、最盛期にはその支配は西はイベリア半島から東は中央アジアまで及んだアッバース朝(750年~1258年)ではアストロラーベの研究や作成が行われた記録があります。イスラムで最初にアストロラーベを作った人物は占星術師ペルシア人のファザーリーや9世紀の占星術師アリー・ブン・イーサーなど、アッバース朝で活躍した人々でした。アストロラーベはイスラム世界各地で発達しましたが、用途としては天体や地上の目標物の高度を測定したり、時刻の算出、占星術に必要な特定の天球上の星座配置の再現など携帯用天体観測儀として普及したようです。そのため航海中の時刻や位置測定、地上ではキブラ(イスラムにおける礼拝の方向)を見付けるのに広く使われました。下の画像左、ウマル・イブン・ユスフのアストロラーベは元々イエメンで発掘されたもので、ニューヨークのメトロポリタン美術館のエドワード・ムーアのコレクションに展示されています。このアストロラーベは、金細工で非常に伝統的なイスラムのデザインを施した品物で、西暦1291年の日付が刻印されてます。アストロラーベが西ヨーロッパに入ってきたのは11世紀ごろです。イスラーム政権治下のスペインや、ノルマン王朝や シチリア島やイタリア半島南部を支配したシチリア王国を経由してのことでした。ヨーロッパで最初に金属製のアストロラーベが造られた記録に残ってるのは、15世紀にリスボンのアブラハム・ザクートによってです。15世紀には、フランスの測定機器技師ジャン・フソリスが、パリの店で日時計や他の科学機械などと共にアストロラーベを販売し始めました。アストロラーベには平板でなく、立体構造のも作られてます。こうなると「天球儀」と変わりないですね。こうして時代とともに、どんどん複雑で精密な測定ができるアストロラーベが18世紀まで作られ続けたのです。
Dec 28, 2023
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今の成田空港は顔認証システム導入してるのですね。自動チェックイン機でパスポートと顔画像を登録すると、荷物預けはもちろん、保安検査場もまったくパスポートの提示がいらない。ただし、まだJALとANA2社のみの対応とか。関空や羽田空港、福岡空港、中部空港、新千歳空港、那覇空港でも外国人出国手続を含めて順次顔認証システムを導入中らしい。私が最後に海外に出たときは、保安検査場は自動でしたが、対象は日本人だけで、検査場でパスポートを機械に通して、顔画像(空港によって指紋認証)と照合するシステムでした。今ではバンコクのスワンナプーム空港も外国人の顔認証システムが稼働していますね。スワンナプーム空港の敷地面積は成田空港の3倍で、1日あたり5万人~6万人の出発旅客がいるためとても混雑するのですが、「eパスポート」を所持してたら出国時のみ顔認証システムが適用されます。eパスポートと云うのは、ICチップ内蔵のパスポートのことで、日本のパスポートはこれにあたります。スワンナプーム空港だけではありませんね。韓国ソウルの仁川国際空港、シンガポールのチャンギ空港や香港国際空港をはじめ、マレーシアのクアラルンプール国際空港、アラブ首長国連邦のドバイ国際空港とアブダビ国際空港、フランスはパリのシャルル・ド・ゴール空港とオルリー空港、スペインはエル・プラット空港、イギリスはヒースロー空港とロンドン マンチェスター空港、ドイツはフランクフルト空港とミュンヘン国際空港、ハワイ・ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港など主要空港にはみんな顔認証システムが導入されてます。インドなんて、デリーのインディラ・ガンディー国際空港を始め、ベンガルールのケンペゴウダ国際空港 、バラナシのラール・バハードゥル・シャーストリー国際空港、ハイデラバードのプネー国際空港とラジブ・ガンジー国際空港、グワーハーティーのロクプリヤ・ゴピナート・ボルドロイ国際空港、ラクナウのチョーダリー・チャラン・シン国際空港、コルカタのヴィジャヤワダ国際空港とネタジー・スバス・チャンドラ・ボース国際空港と国内の国際空港すべてが顔認証システムを導入してます。とどのつまり、日本がイチバン遅れてるくらい。顔認証システムの便利なとこは、保安検査を通った後、紙の搭乗券を持ち歩かなくてもいいことですね。それ以上に生体認証だから、搭乗券と違って搭乗者のすり替えが不可能になったこと。まぁ、考えてみればスマホで事前登録した人用に店員がいなくてスマート会計のできるコンビニが有るくらいですから、空港の顔認証システム導入は遅いくらいに感じますが、やはり保安面で慎重にならざるを得なかったのですかね。今は出国のみの顔認証しかしてない空港があるのも、出国は出ていくだけだから事故がおこってもワシャ知らぬ。対して入国は怪しい人物入国させたら、たちまち身に降りかかるからでしょうね。アメリカの空港で本人確認をするのに、運転免許証をカードリーダーに差し込み、カメラで顔認証して顔と身分証明書を照合するシステムのプロジェクトを実施したことがありました。パスポートではないので、国内線のことでしょうね。ところがアジア系やアフリカ系アメリカ人は白人男性に比べて誤認される可能性が極めて高いことが分かりました。これは警察の分野で、顔認識ソフトウェアが監視カメラ映像や警察が顔を照合するために使用しているシステムの過去の記録と照合されたため、黒人男性が誤認逮捕された事実からも分かります。サンフランシスコでは警察が誤って無実の黒人が幼い娘たちの前で手錠をかけられ、刑務所に連行された事案が発生してます。そのため、警察による顔認識システムの使用は現在禁止されているのですね。これはシステムのソフトを作ってる側の問題ですね。ソフト作成者が白人か、もしくはテスト用の顔データの大半が白人だったために起こった現象です。いくつかの研究では、顔認識ソフトが有色人種の女性を1/3以上の確率で誤認していることが分かってます。また他の研究では、女性、子供、高齢者は誤認が多いことも分かってます。もっと深刻な問題があります。トランスジェンダーやノンバイナリーの人々に関することです。こうした人々がパスポート写真とまったく違う容姿で顔認識システムに立った場合、ちゃんと機能するのでしょうか?研究ではトランスジェンダー男性は、最大38%の確率で誤って女性として認識されていたと云う統計があります。
Dec 27, 2023
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明日、27日はコールドムーン(寒月)ですね。今年、最後の満月。オークムーンとも呼ばれてます。来年1月の満月はウルフムーン(狼月)、2月はスノームーン(雪月)と月ごとに満月には名前がつけられてますね。お月さまは現在、1年に2~3cm ずつ遠ざかっています。これは主に、月の引力が潮の満ち引きを起こす力「潮汐力」の影響によるものです。潮汐力は地球の自転速度を下げる働きもしてます。潮の満ち引きで海水が移動すると、海底に大きな摩擦が起き、地球の自転にブレーキをかけて速度を遅くするのですね。その結果として、月の公転半径が大きくなる、つまり月が地球から遠ざかる現象が起こると云うワケです。私たち日本人は「中秋の名月」に代表されるように、ことあるごとに月を愛でるてきたワケですが、それは「むしろ欠けてたり、雲の裏に隠れたりして見えにくくなった月の方が見えたときの姿がより一層感じられるので好ましい」と云う日本人独特の感性が関係してるらしい。しかし「お月見」の由来そのものは、中国が始まりですね。日本では月を見て楽しむだけでしたが、中国からお米が無事にできたことを喜び、感謝する思想が入って、秋の収穫物に感謝する日と云うイミになりました。日本や中国に限らず、月は芸術で描かれた最初期の星です。古代ギリシャ人、 ローマ人 、エジプト人もみな彼女を女神とし、多くの文明において彼女は崇拝され、恐れられ、あるいは善悪の前兆として見なされてきました。例えば紀元前172年につくられたメソポタミアの粘土板には、月食によって引き起こされる悪から身を守るために何をすべきか示されていました。しかし月は善の力でもあります。三日月の形をしたお守りは、ギリシャ人やローマ人によって女性の生殖能力を助けると信じられていました。紀元前3,000年前からナイル川流域で栄えた古代エジプトの文明、キリスト教やイスラム教が広まるずっと前から古代エジプトには信仰されていた月の神がいました。古代エジプトの月の神さまは3人います。実はこの3人、全員男性なんです。エジプト神話の太陽の神ラーは太陽の船に乗りますが、月の神も同様に月の船に乗り、太陽の船が辿った航路を辿ると云われてます。古代エジプトの月の神さま1人目はコンス神。ほぼ常に幼児の姿で描かれることから、自由奔放な若者のイメージを持つ神とされてます。また月の神であることから、満月と三日月の頭飾りとともに描かれてます。月が満ちている時は癒しの力、欠けている時は鋭い刃で邪気を祓う力を発揮するとされ、月の光で病を癒すとともに、三日月をナイフとして振るう両極端な神です。2人目はトート神。数学や計量を司る学問の神さまです。トート神は、太陽神であるラーから命令され、月を創造したと云われてます。3人目はイア。新月の意味を持ち、元祖「月の神」とも云われる神さまです。英語の「lunacy=狂気」という言葉は、「月」を意味するラテン語の「luna=月 」に由来しており、月と私たちの精神状態とのつながりについての考え方は古代にまで遡ります。ギリシャの哲学者アリストテレスは「月は海と同じように心に影響を与え、満月は狂乱的な行動や心理的不安定という形で高潮をもたらす」と述べました。だから「狼男」なんて伝説が生まれたのでしょうかね。けど、実際には月と精神的なことがらに全く関連性がないことは科学的に証明されてます。ちなみにオオカミは月に向かって遠吠えしますが、これは単に鳴き声が届く距離を伸ばすために上を向いているからです(笑)お月さまは人間以外の生き物にも影響を与えてます。例えば牡蠣(カキ)は満月より新月のときに殻を大きく開きます。ウミガメの赤ちゃんは、外海に輝く月明かりを目指して砂浜を越えて海へとたどり着きます。ライオンは満月がニガテです。なぜかと云うと、獲物に向かって闇にまみれて近寄れない。また満月は獲物を緊張させ、身を隠してしまう可能性が高くなるからです。そのため、満月直後のライオンは最も飢えているときなので、人間への攻撃が最も起こりやすい日となるのです。砂浜に埋もれて暮らす小さな甲殻類である「ハマトビムシ(サンドホッパー)」は、太陽光と月光の違いを区別できるため、時間に関係なく海と海岸の間を自由に移動することができます。アフリカのフンコロガシの一種「スカラベ」は、月の光を利用してフン(糞)球を安全な巣穴に転がします。フンを最も効率よく転がすのは直線ですが、月光のなかでスカラベは一直線に転がしていくのですね。ところが月光がないと、ランダムな経路に沿ってフンを転がすことしかできないことが分かっています。月によって引き起こされる最も壮観な自然現象は、グレートバリアリーフのサンゴ大量産卵でしょう。何十億ものサンゴが卵と精子を海に放出するこの毎年恒例の光景は、宇宙からも見ることができます。サンゴは、水温、塩分、餌の入手可能性などのいくつかの要因に従って産卵のタイミングを決めますが、月の周期が引き金となり、産卵は常に満月直後の10月~12月の間に行われます。月は多くの動物や植物の行動にさまざまな影響を与えますが、私たちが把握していないことの方が多いですね。僻地に生息する生き物や夜間のみ活動する生き物を研究することは極めて困難であると同時に、都市や人間の活動によって引き起こされる光害は、生き物にとって月の下での自然な生活リズムを大きく乱す可能性があります。
Dec 26, 2023
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1998年に公開されたブルース・ウィリス主演映画「アルマゲドン」は地球への衝突コースを取る小惑星の内部に核爆弾を設置して内側から破壊、コースを外らせようとする話でしたね。これの地球版が、2003年に公開の映画「ザ・コア」。地球の地殻変動で地上が大混乱になって、その原因が25万年に一度起こるとされる 地球の核(コア) の回転が停止して、地球の磁場が不安定になったからと解明した科学者たち。コアを再始動すべく停止してしまったコアを包んでいる液状の外核部分まで潜行、そこで核爆発を起こして、その衝撃でコアの再回転を促す作戦を立案。世界中から集められた掘削のスペシャリストが、特殊合金で出来た特殊車両「バージル」で地下3,200km まで降下すると云うお話し。この「ザ・コア」と同じような作品が2006年公開の映画「アンダー・ザ・プラネット」。こっちの作品も環太平洋火山帯の異常な火山活動が発生して、科学者はマントル層の異変を察知。このままだと地球は氷河期に突入してしまう!そこで地底掘削マシンで地下40km のマントル層に突入。核爆発の高熱でプレートの亀裂を溶接しようとするお話し。アイスランドですごい噴火が起こってますが、その非ぢゃない規模。「アンダー・ザ・プラネット」予告編 これらの映画はあくまでSF、それも小惑星まで飛行してドリルで掘削したり、地球の核まで掘削したりと現実的でないSFの範疇ですね。地球の核は、ゆで卵で例えると卵の黄身にあたる部分ですが、これは中心核(コア)と呼ばれて、直径は約3,470km 、マントルと核の境界面は地表から深さ2,900km にあります。核はさらに地球の中心より半径約1,390km を境にして、内核と外核の2つの部分に分けられます。ゆで卵の殻や白身に相当する部分が岩石質なのに対して、核は鉄とニッケルが主で、外核は溶けた状態、それに対して内核は固体状態なんですね。内核が個体なのは極度の圧力で、金属原子が固まるためです。コンパスが南北を示すように地球には地場がありますが、これは外核で融けた導電性の金属鉄が対流していることで、核そのものが巨大な発電機となって、発電機の作用によって磁界が生じてるためです。核は地球の他の部分と同様に、北極から見ると反時計回りに回転すると考えられています。ところが最近の研究で核の回転は2009年頃に停止し、その後逆方向に回転を始めたらしい。この逆転の周期は約20年~30年ごとに起こってるらしいです。なぜ逆転を繰り返すのか? 今のところ分かっていません。次の逆転は2040年ごろとか。もし映画「ザ・コア」や「アンダー・ザ・プラネット」のように地球を掘り進めることができたら、どんなでしょう?地球の直径は約12,756km なので、掘削には巨大なドリルと数十年の作業が必要になります。映画みたいに数時間で核に到達なんて、いくらSFでも乱暴すぎる話なんですね。現在最も深いボーリング坑は、ロシアの「コラ半島超深度掘削坑」で、深さは12.262km です。科学者たちがこの深さに到達するまでに20年近くかかってます。コラ半島超深度掘削坑の底部の圧力は海面の4,000倍に達します。この場所は2008年に放棄されて、今では観光地になってます。地殻とマントルとの境界を「モホロビチッチ不連続面」と呼びますが、この境界まで掘削を行おうという「モホール計画」がアメリカで行われたことがあります。この計画が実施されたのが60年代だったので、当時、宇宙開発競争でソ連に遅れを取ったアメリカが地球科学で挽回しようというと云う動機があったのですね。この計画では、陸地ではなく海底が掘削されました。陸より海底下のほうが地殻が薄く、掘るべき深さが小さくて済むからです。1961年に実行された第1段階では、メキシコのグアダルーペ島沖に5つの穴が掘削され、そのうち最深のものは海面下3,500m の大陸棚を183m までまで掘り下げました。コアサンプルの最下部13m は玄武岩からなる中新世堆積物で、大変貴重なサンプル取得に成功しました。こうして計画の第1段階は、地球のマントルまでボーリングを行なうことが科学的にも技術的にも可能であることを証明したのですが、第2段階は運営がまずかったのと、予算超過のため1966年に頓挫してしまいました。地球を掘削するために開けられた穴は、掘削液を穴に継続的にポンプで注入しなければ陥没してしまいます。深海掘削や油田掘削では、掘削液はバリウムなどの重鉱物を含む泥の混合物です。流体の重さによって穴内の圧力と周囲の岩の圧力のバランスが取れ、穴の崩壊が防止されるのですね。掘削液にはさらに2つの役割があります。1つはドリルビットを洗浄して砂や砂利が機械に付着するのを防ぎ、もう1つは温度を下げるのに役立つのですね。マントル内の温度は約1,400℃と非常に高いです。この温度では、ステンレス鋼は溶けてしまうため、ドリルはチタンのような高価な特殊合金で作る必要があります。マントルを通過すると、ドリルは約2,896km で地球の核に到達します。述べたように外核は液体の鉄とニッケルでできており、温度は4,000℃~5,000℃にもなりますから、この合金に穴を開けるのは特に困難です。現実的にはムリです。燃えるような外核は液体の中を掘削するようなもので、冷水がポンプで送り込まれない限りドリルが溶けてしまう可能性が高いからです。さらに5,000km 掘り進むと内核に到達しますが、言葉では表せないほどの圧力にさらされることになります。その圧力は大気圧の3億5,000万倍になるそうです。核の中心では、重力は軌道上にいるのと同じになり、ドリルは事実上無重力になります。だって引力がどの方向でも等しいのですから。と、云うことで宇宙旅行するより困難なんですな、地球のコアにドリルで到達するなんて。
Dec 25, 2023
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小鳥さんと云うと、耳に心地よいさえずりが魅力ですよね。日本で日本三鳴鳥とも云われる鳴き声の美しい鳥は、ウグイス、コマドリ、キビタキと云われてます。しかしクロツグミは最も耳に心地よい声でさえずる鳥と呼ばれています。クロツグミは今では数少ない夏鳥として、大阪府のレッドデータブックでは絶滅危惧種の2類になってしまっています。逆にデカイ声でウルサイ鳥は?世界でもっともウルサイ鳥は南米ギアナやブラジルのパラー州、ベネズエラやトリニダード・トバゴにいる「スズドリ(Procnias albus)」と云われてます。2019年にマサチューセッツ大学が発表した研究によると、スズドリの鳴き声は125dB(デシベル)に達し、これは鳥類の鳴き声としては最も大きなものでした。125dBと云うとロックコンサートの音量とほぼ同じ大きさです。上の画像で口からヘンなものぶら下がっていますが、これは七面鳥なんかに見られる肉質の塊「肉垂」ですね。これは力強いオスの象徴で、大きいとメスにモテるそうです。他には温度調節の役割もあるとか。スズドリの体長は28cm ほど。オスは画像のように純白で、嘴には肉厚の黒い肉垂がありますが、メスは全体的にオリーブ色をしていて肉垂はありません。スズドリの鳴き声は、配偶者(メス)を誘惑するために使用されます。その大声は彼らの食性が関係しているそうです。果実を丸ごとついばんで食べ、約1日で消化して種を吐く習性を持ちますが、果実を丸ごとのみ込めるよう、くちばしを90度を超す角度で開くことができます。これが金管楽器の広がった先端のような役割を果たし、音を増幅させるのですね。オスが同じとまり木にいるメスに鳴くとき、メスの顔に向かって怒鳴る傾向がありますが、メスがどのように聴覚障害を回避するのかはまだわかっていません。White bellbird: listen to the world's loudest bird call
Dec 24, 2023
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ニュースで報じられてる通り、北欧の島国アイスランドのレイキャネス半島で大規模な噴火が発生して、吹き出す溶岩の高さは最大時150m にものぼったとか。現在は少し沈静化してきたようですが、まだまだ予断は許しませんね。2010年にはエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山が噴火し、ヨーロッパを中心に世界中で飛行機の運用に大きな影響を与えました。ご存知の通りアイスランドは、大西洋中央海嶺とアイスランドホットスポットの上に位置している火山島です。アイスランド全体が常に引き裂かれつつあって、この大地の裂け目を「ギャオ」と呼びます。ヘクラ山を含む多くの火山が活動し、多くの間欠泉や温泉が存在する国全体が火山の上に存在すると云っても過言でない火山国なんですね。今回、噴火があったレイキャネス半島で最後に噴火を観測されたのは13世紀初頭でした。それが1,000年近くの休眠期間を経て、再び活動を開始したのです。今回の噴火には予兆があって、この3年間に既に3回爆発がありました。そして、今月18日の夜、4回目の噴火となったのですが、これが群発地震が差し迫った噴火を警告してからわずか2時間後に発生し、過去3回のピーク時に比べて毎秒10倍の溶岩が噴出。しかも亀裂が驚くべき7km の長さに達したのです。ほとんどの人は火山噴火は火山から来るものだと考えていますが、レイキャネス半島で発生した噴火は「亀裂型」でした。つまり、溶岩が薄いクレバスを通って地殻から押し出され、噴火しそうにない場所で発生する噴火だったのです。このため、噴火地域には3,600人の人が住む漁師町グリンダビークとともに、地熱発電所まで設置されてたのが、今回の噴火で壊滅の危機に陥ったのです。不幸中の幸いで、予兆が早くから出ていたので、11月の上旬には住民は当局の指示に従って避難を始めており、地熱発電所の周囲には、溶岩を避ける壁を建てる余裕がありました。しかし、今回ここでナゼ噴火が発生したかまだ解明されてないんですね。なぜなら、この場所に噴火に必要なマグマ層があるか分からず、どっか他の地のマグマ層が地下を通って流れ込んできたかも知れないからです。科学者はスヴァルツェンギに蓄えられているマグマが深部からまだ噴出されているのであれば、噴火はより低い強度で平衡に達し、かなり長い間続く可能性があると述べてます。今後さらに2ヶ月続く可能性があるかも知れないと見ています。
Dec 23, 2023
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海洋生物の発見数は現在記録されているだけで、約24万種ありますが、それは全体の約10%と推測されてます。つまり我々が知らない海洋生物の方がだんぜん多いと云うことです。新種発見から登録までの期間は、最短でも1~2年かかり、原始の海に誕生した生命の進化の歴史を紐解く鍵となる生物種が発見されないまま絶滅してしまうことが危ぶまれているのですね。アメリカのGoogle元CEO、エリック・シュミットは飛び抜けた大富豪です。一昨年には33億円もする豪邸を購入したほどですから。このエリック・シュミットと妻ウェンディ・シュミットによって2009年に設立された「シュミット海洋研究所」と云う開かれた海洋科学者の研究機関があります。設立の目的は海洋を理解し、生命を維持、地球の健康を確保するために必要な発見をすることで、全く営利を目的にしてない純然たる慈善団体。しかも国際レベルの海洋学者が自由に参加できる団体です。昨年には自然科学で定評のあるナショナルジオグラフィック協会と提携しました。これによって両団体は、多様な若手・中堅の海洋科学者や探検家に焦点を当て、先進的で包括的、かつ公平な研究者のコミュニティの形成を目指すとしています。ウェンディ・シュミットは、「多くの科学がそうであるように、海洋生態系の研究は、有色人種や南半球の国々の研究者の視点が欠けています」と述べ、「私たちは、ナショナルジオグラフィック協会と共に、海洋を探求し理解するために必要不可欠な、深く協力的な仕事にいろんな国の人が参加することを歓迎する」と語ってます。シュミット海洋研究所の調査船は全長82.9m のファルコール号と云い、もともと漁業保護船として1981年に建造されたものをシュミット夫妻によって海洋研究所設立の際に買収されました。2年間にわたる大規模な改修を経て、ファルコール号は科学者が無料で使用できる世界初の通年慈善研究船に改造されたのです。この船は世界中を12回以上航行し、130万平方km 以上の海底の地図を作成しました。ファルコール号の調査により グレート・バリアリーフの高さ500m のサンゴ礁や南西オーストラリア沖の深海サンゴの群生など貴重な映像や数多くの発見がもたらされたのですね。そのファルコール号が昨年、イタリア国立研究会議に寄贈されました。新しい最新鋭の調査船ファルコール号が今年3月にシュミット海洋研究所の調査船に加わったためです。イタリアの科学庁に寄贈されるまで、実に1,056人の国際科学者を受け入れてたのですね。新造のファルコール号は昨年秋に進水しましたが、全長110m と大幅に大きくなり、世界の海洋研究を支援するというシュミット海洋研究所の使命を継続します。新しいファルコール号は7階建てで、105平方m のメインラボに加え、7つの海中ラボを備えて科学者が海上でほとんどすべての研究を行うためのモジュラープラットフォームが設置されています。他に150トンクレーン、2つの底に設けられた人や装置を出入りさせるための出入り口「ムーンプール」、高解像度海底マッピング装置、マイクロプラスチック水流通システム、後部デッキスペースも備えています。 なんか アクアラングの発明者、ジャック=イヴ・クストーの「カリプソ号」を彷彿させますが、カリプソ号はあくまでクストー個人の研究船なのに対し、ファルコール号は来る者拒まずの開かれたボランティア船。ファルコール号の方が存在意義は大きいですね。新造船の航海ではやくもとてつもない発見をしました。先月、太平洋の深海で海底の地図を作成していたとき、世界で最も高い建物ブルジュ・ハリファの2倍、エンパイア・ステート・ビルの2倍の海底の山を発見しましたこの海山は海面下約2,400m にあり、高さは1,600m もあります。未知の海山の発見は、生物多様性のホットスポットの発見でもあります。深海のサンゴ、海綿動物、魚、イカやタコの頭足類 、甲殻類の新種が見つかるでしょう。こうした取り組みにいくら財閥とは云え、無償で提供してくれるのは有り難いことです。日本の財閥で財産を社会のために還元させるなんて話し、聞いたことないのはナゼでしょうね?
Dec 22, 2023
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エジプト観光と云うと、誰でも訪れる定番のギザのピラミッドやスフィンクス、アブシンベル大神殿、それにエジプト考古学博物館とかツタンカーメン王の墓ですかねぇ。私はアラブ諸国に疎いので、こんな発想しか出てきません。泊まるとこもマリオットやインターコンチネンタル、グランド ハイアット、リッツカールトンなど世界中にチェーン展開してるホテルしか思い浮かばない。ヨメのお金持ちの友人が往復ファーストクラスの超豪華エジプト旅行を計画してたのに、例のイスラエルとハマスの戦争で、安全のため中止しました。結局、その費用を使って札幌の雪まつりに行って、すすきののラーメン横丁でラーメン食べるとか。えらい格差のある旅行先変更ですな(笑)エジプトに「シワ(Siwa)」と呼ばれるちっちゃい町があります。エジプト北西部のリビア国境からわずか50km ほどの距離。砂漠地帯の深い盆地に位置するシワオアシスは古代には交易路の要所だった場所です。300万年前、この町に住んでいた原始人の足跡が発見された事もあり、非常に長い間人々が住み続けている歴史ある町です。また住民の大半は「ベルベル族」と呼ばれてる先住民で、独自の文化を守り続けている数少ない部族なんですね。シワは砂漠の中心とは思えない程水が豊富にあり、井戸の水は汽水(淡水と海水の中間の塩分を含む水)で作物の栽培に適しているため、この辺りではデーツやオリーブ、ミントなどが栽培されています。不思議なことにシワで湧き出ている水は塩分濃度が非常に高い水と、飲み水になる塩分の薄い水に分かれていて、塩水が湧き出ている土地には広大な塩湖があって塩田が広がっています。シワはエジプト屈指の塩の産地で海外にも輸出されています。また、シワ産のミネラルウォーターは、エジプト全土で見かけます。ベルベル人は7世紀以降、アラブ人に追われて荒涼とした乾燥地帯に移り住み、当初は砂岩が削られて出来た山頂を利用した砦状の横穴式集落に住んでました。今では赤茶色の日干し煉瓦を積み重ねた壁に、泥と干し草を混ぜたものを塗った土壁の住居に住んでます。建物の中は一定に温度が保たれ、夏の暑い日差しでも中は涼しいのですが、地震がないのでしょうかねぇ?こんな建物では地震にあったらひとたまりも無いでしょう。そんなシワに世界の不思議なホテルの1つに挙げられているホテルがあります。「アドレール・アメラル」と云うリゾートホテルです。宿泊料金はシングルで約7万5千円~、スイートだと約23万円~と結構お高い。このホテルの客室数は少なくて、40室しかありません。云ってみれば、ロッジみたいなものですね。建物の構造はベルベル人得意の「日干し煉瓦と泥」。このホテル、電気もなければ、WiFi もありません。周囲にもスマホ用のアナテナが少ないので、スマホ中毒の人は衛星通信できるスマホ用意した方がいいでしょう。目ん玉が飛び出るくらいの通信料金を覚悟で(笑)電気がないので、夜は蜜蝋のキャンドルだけが唯一の光源。こうしてるのは理由があって、昔からのベルベル人的生活を楽しんでもらおうと云うより、星空がハンパなく綺麗だからです。なので余計な光源を極力廃して、魔法のような夜を楽しむためなんですね。問題は気温ですね。年間を通じて降雨量が極端に少ない砂漠性気候です。と、云うことは日中暑くって、夜間になると途端に冷える気温差の激しい気候。シワの平均気温を調べると、最高気温は6月がイチバン高くって38℃くらい。砂漠にしてはまぁまぁですね。最低気温は1、2月がイチバン低くって7℃くらいです。ホテルには電気を引いてないのでエアコンなし。で、暖かく過ごせるよう毛布をたくさん用意しており、ベッドシーツの間に湯たんぽまで置いてあるらしい。日本からシワへは航空機が運行してないため、カイロ経由になります。カイロまでは、エジプト航空が直行便を週2便運航していて飛行時間は13時間20分。シワには空港や鉄道がないので、カイロからシワまではバス輸送になりますね。所要時間は11時間だって!到着するまでに疲労困憊で死にそう(笑)
Dec 21, 2023
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1996年に公開された映画「スタートレック ファーストコンタクト」では、2063年に人類が自分たちよりはるかに進んだ知能と接して、地球上で戦争などしてるのはバカげてるとようやく認識します。そして地球外生命体によって、人類初のワープ飛行が可能となり、宇宙船エンタープライズ号が建造される布石になっていくのですね。1997年に公開されたジョディ・フォスター主演映画「コンタクト」はもっとシリアスでしたね。SETIプロジェクト(地球外知的生命体探査)メンバーのエリー(ジョディ・フォスター)が、ニューメキシコの超大型干渉電波望遠鏡群を使って、こと座で最も明るい星「ベガ」から断続的に発信し続けられる電波信号を受信します。これが契機となり、自分たちが「ひとりで無い」ことに確証を得て、解析を進めていくにつれ驚嘆する技術が電波に込められてることを知る物語。実際に存在するかは不明ですが、生命が生存可能な惑星の数は銀河系だけで数百億個あります。太陽から30光年以内にあるものだけでも約100個と推定されてます。人類はそんな惑星に知的生命体がいないか探索しているワケですが、逆にこちらが発見されている可能性があるのではないかともSETIプロジェクトは考えてます。そこで先ず、人工的な電波が受信できる100光年以内に、生命の存在に必要な液体の水がある惑星がいくつありそうか推計することにしました。そして、これまでに判明している系外惑星の統計から、75個の恒星に液体の水がある惑星は計29個あると結論づけてます。人類が無線やラジオなどで電波を使うようになって100年ほど経過しているため、この29個の惑星には、すでに電波は届いていることになります。だとしたら、これらの惑星に住む生命に地球に生命が存在すると分かっているかもしれないのですね。1974年にはプエルトリコのアレシボ望遠鏡から2.5万光年先のヘルクレス座の球状星団M13に送ったアレシボ・メッセージがあります。これがSETIプロジェクト最初の行動でした。しかし、こうした試みは「友好的ではない相手にも届いてしまう」と故スティーブン・ホーキング博士などは反対しています。逆に映画「コンタクト」のように、地球に送っているかもしれない信号を受信する観測も続いてますが、いまのところ成果はでてません。いずれにしても、今や科学者の関心は「地球以外に生命体が存在するか?」ではなく、「いつ、どのようにして地球外生命と接触するか?」に絞られてます。目をもっと身近なところに向けて太陽系内で考えると、土星の衛星の中で6番目の大きさをもつ「エンケラドゥス」が生命が存在する最有力候補と云われてます。エンケラドゥスは、直径500km 程度ですが、熱源をもってて適度な温度があり、表面は比較的新しい氷で覆われています。氷はおよそ99%が水が固体となったものと考えられており、氷の下に液体の水が存在する可能性が充分あるのですね。2005年、NASAの土星探査機「カッシーニ」がエンケラドゥスに接近して観測したとき、炭素、水素、窒素、および酸素と云う、生物の成長に欠かせない有機分子が存在する可能性が示されてます。この衛星の中心部には煮えたぎる溶岩が存在しているとみられており、生命の誕生が可能な適度な温度が得られる可能性があるのです。昔から生命が存在するかも知れないと有名なのは木星の第2衛星「エウロパ」ですね。大きさは「月」よりまだわずかに小さいです。エウロパの主成分はケイ酸塩岩石で、鉄とニッケルの金属核を持つと推定されてます。そして酸素を主成分とした極めて薄い大気を持ってるのです。何より、表面は氷で覆われていますが、その下には液体の水の海が隠れていると推測されてます。「エウロパの表面は、少なくとも厚さ3km 以上の氷で覆われており、所々にひび割れが走っている」また「海底の火山活動によって、生命を支える熱と、有機生命体に欠かせない重要な化学物質がもたらされている」可能性があるとしているのです。つまり地球と同じように、微生物がエウロパの熱水噴出孔近くで生息しているかもしれないと云うことです。もっと昔から生命が存在する可能性が圧倒的に高いと云われきた「火星」はど~でしょう?この赤い惑星は、地球に最も似た惑星で、その大きさも温度範囲も地球に近い。火星の北極と南極には凍った水が大量に存在しているため、その下に液体の水がある可能性は大きいのですな。火星の大気は薄いため、生物を死に至らせる太陽熱の放射から星を保護することはできないでしょうが、微生物なら地面の下に存在しているかも知れません。また、昔は今よりはるかに生命の存在に適していたと思われる証拠も見つかってます。火星の地質学的特徴から、かつては地表に水が流れていたと考えられているのですね。今は停止していますが、過去には活発だった火山活動によって、化学物質やミネラルが火星の地表と内部を循環していたと考えられてます。最初の生命探査プロジェクトの1つは1924年に行われ、アメリカの天文学者デイヴィッド・ペック・トッド率いる科学者チームが飛行船を使用して地上数マイル上空にラジオ受信機を打ち上げました。当時地球に最接近していた火星の生き物からのメッセージを受信するためです。ドイツのフライブルクにある心理学およびメンタルヘルスのフロンティア領域研究所のアンドレアス・アントンが主導している新しい研究では、人類が地球外知的生命体との接触によって起こり得る社会的影響が調査されています。つまり地球外生命体のファーストコンタクトは人類にとって、かなりのリスクをもたらすだろうと。リスクとは、社会的、心理学的なリスクです。アントンの研究では次のような一連のシナリオを想定してます。・SETI電波天文学者が異星文明の兆候を探索し、電波望遠鏡が宇宙の彼方から人工に作られた信号を受信する。・遭遇はある日、太陽系で地球外文明の物理的な残骸(宇宙探査機など)に遭遇することを想定しています。・遭遇シナリオには、地球近傍空間に異星人宇宙船が出現することが含まれており、その飛行操縦などにおいて生物か人工的な知性によって制御されていると想定できます。 つまりこう云うことです。もし他の星に知的生物がいたとしても、何万光年もの旅を何代にも渡ってやりとげて、人類に接触する方がムリがあります。それよりもAIが、例えばNASAが1977年に打ち上げた「ボイジャー」のように、機械を使って探査する方が理にかなってると云うことです。生物なのか、それとも人工知能なのか?論文は、異星人のテクノロジーが生命体によって制御されているのか、それとも人工知能によって制御されているのかという重要な問題を提起していると指摘しています。「生物学的生命体は、より大きな不安を引き起こす可能性があると我々は疑ってます。当面の問題は、「彼ら」が人類になにを望んでいるのかということでしょう」「彼らは比較的近くに基地を持っているか、超高速移動(おそらく光よりも速い)技術的を確保しているかも知れません」その場合、彼らの技術は私たちよりもはるかに先を行ってることになる。私たちは一人ですか?地球外生命体の探索によって、宇宙の奥深くに侵入すればするほど、私たちが「異星文明」「その信号」あるいは「その遺産」に直面する可能性が高まってます。そのとき、人類はグローバル社会としてこのシナリオに備える必要があると研究者らは示唆しているのです。「政治の分野では、この発見と地球外文明との通信の可能性にどのように対処するかという問題は、世界的な議論になるだろう」と彼らは論文で書いてます。「この新たな現実に対処するための統一的なアプローチを開発するには、国際協力が不可欠だ」と。
Dec 20, 2023
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インドは東南アジアの国々と違って、地方に行っても見るべき文化遺産の豊富な国ですね。これが東南アジアだと、田舎はただの田舎で、例えばカンボジアのアンコール・ワットがある北西部のシエムリアップは有名でも、他の地域はと云うとやっぱただの田舎。そこいくと、インドは各地に歴史的な背景の豊富な文化遺産の宝庫。ただ、問題は食べるものが「なんでもカレー」では旅の大切な楽しみのひとつ「食」の魅力が損なわれる。きょうは、そんなインドでもあまり日本人に馴染みのない遺跡を。南インドの古代王朝にパーンディヤ王朝と云うのがありました。紀元前3世紀~紀元4世紀までのサンガム時代に存在した南インドの古代タミル国の3大王国のひとつです。この王朝は少なくとも紀元前3世紀から存在し、紀元6~10世紀と「後期パーンディア朝(紀元13~14世紀)の2つの帝国支配時代を経た息の長い王朝です。そのパーンディヤ王朝によって紀元8世紀にヒンズー教の主要神の1つ、シヴァ神を祀って建設されたのが「ヴェットゥヴァン・コイル寺院(Vettuvan Koil)」です。この寺院はエローラ洞窟のカイラーサ寺院のように、一枚の花崗岩から彫り出されているのですが、その規模がハンパありません。これが一枚岩!?信じがたい巨大さです。ヴェットゥヴァン・コイル寺院はヴェトゥヴァン ・ナードゥの町カルグマライにあります。ヴェットゥヴァン・コイル寺院(Vettuvan Koil)を直訳すると、タミル語で「彫刻家の天国」を意味し、別に「殺人者の寺院」を意味します。そのワケは...カルグマライ丘陵には他に8世紀に建立されたムルガン寺院のカルガ・サラモーシー寺院がありますが、ヴェットゥヴァン・コイル寺院は父親、カルガ・サラモーシー寺院に最初に手を付けたのは息子の建築家でした。ところが この親子、お互いに腕を競い合ってたのですね。息子はヴェットゥヴァン・コイル寺院は決して完成しないだろうと父親を嘲笑したのです。そしたら父親は怒りにまかせて息子を殺害。後になって自分のしでかした所業を悔やみ、悲しみのあまり完成間近の自分が建ててたヴェットゥヴァン・コイル寺院建設を途中で放棄してしまったのです。と、云う伝説です。知らんけど(笑)ヴェットゥヴァン・コイル寺院はひとつの花崗岩から彫られてますが、上部には豊饒、愛、美、結婚、子供の女神やガナなどのシヴァ神に付随する神々などジャイナ教の精緻な浅浮き彫り彫刻が描かれています。この寺院はインド考古学局によって、タミル・ナドゥ州政府保護記念物として維持管理されています。としても観光客の少ない地域で、土地の人は純朴らしい。そしてカルグマライ丘陵に登るのは、そうとうな運動量らしい。しかも寺院周辺に宿泊施設は無いらしく、宿のある近隣の村から日帰り旅行が必要らしいです。1日なん便か分かりませんが、バスは走ってるらしい。
Dec 19, 2023
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日本に初めて下水を処理する「下水きょ(道路側溝)」ができたのは、なんと奈良時代です。710年に藤原京から唐の都「長安城」を模倣して大和国に建造された「平城京」に下水きょができました。平安時代には日本初の水洗トイレである野玄式便所が高野山にできました。安土桃山時代(16世紀)には、大阪の城下町に下水道(太閤下水)が作られてます。その後、江戸時代(17世紀~19世紀)に水道の建設が始まりました。江戸市民の生活用水を、小石川上水、玉川上水などから給水して、傾斜を使って流す「自然流下方式」と呼ばれる設備が建設されたのですね。ポンプによって送水する近代水道が始まったのは、1887年からです。この年に、横浜で水道の給水を開始。その後、函館、長崎、大阪、東京、神戸と次々に給水が開始されました。なぜ、こんなに急いで水道が敷かれていったかと云うと、江戸時代前にはあまり接触なかった西洋でコレラの大流行があったからです。対する西洋はとんでもなくバッチかったですね。だいたい手指を洗わない。今でも外出先でポテチを買ってきて、手を洗わないでそのまま食べるってのが西欧流。だいたいナイフ、フォークが使われる以前は、手づかみで食事してたし。手づかみスタイルは、「指は神様が与えた優れた道具である」という宗教観からきていて、料理に触れられるのは自分の手指だけなんて教えのためです。ぢゃあ、食事のたびに手洗い励行してたのかな?それは分かりませんが、ナイフ、フォークが使われだすと、たちまち食事前の手洗い励行はなくなったそうです。ヨーロッパでは中世末期(15世紀)まで、家庭で作成した汚物(ウ◯チ)は、道路の上とか道路の中央にある溝に流してたのはよく知られてる話ですよね。それが原因で何度もペストやコレラの伝染病が流行して、多数の人命が犠牲になりました。そこで、16世紀になってようやく、小規模の上水道の工事が行われるようになりました。1582年、ロンドン橋に水車で動くポンプを据えて配水したのが本格的な上水施設になりました。その後、1831年にコレラの大流行があって、それが契機となりロンドンの地下下水道を発達させました。ところが下水道ができても、ただ河川に放流するだけだったので、ただでさえ汚いテムズ川なんかはますます汚れて、工業用水としても使用不能な状態になったのです。1861年~1875年にテムズ川の両岸に川と平行の水路をつくって下水を流しましたが、それでも下流の汚染は防げなかったそうです。それではアメリカの19世紀、つまり西部開拓時代はど~だったのでしょう?植民地時代から発展していた大西洋岸から、1848年にカリフォルニアで金鉱が発見されてゴールド・ラッシュがわきおこり、それとともにノースダコタからテキサスまで南北にわたる6つの州が発展していった時代ですね。ガンマンとかカウボーイ、アウトローなどが跋扈していた時代です。まぁロンドンでさえ、あの体たらくですから、この時代のアメリカがどんなだったか容易に想像できますね。西部劇映画を観てると、よくカウボーイが砂嵐のときに顔を覆ったり、銀行強盗が顔を隠すために「バンダナ」を使ってるシーンがありますね。実は、バンダナには他の利点があったのです。それは「盾」の役割。何から身を守るかと云うと、自分の体臭からです。あまりお風呂にはいらなかったので、体臭がハンパなかったのですね。それでバンダナで、体全体から漂ってくる臭いニオイを少しでも止める役割があったのです。そもそも西部開拓時代の人々は「入浴しすぎはかえって健康を害する」と云う独特の考えを持っていたそうです。頻繁に身体を洗うことで毛穴が傷つきやすくなり、バクテリアや病気の温床になることを恐れたのだとか。そもそも、この時代には清潔で汚染されてない水そのものが貴重だったので、シャワーや入浴をする機会は限られてたのですね。しかも、あまり洗濯しないと不衛生だと云うことも知らなくて、毎日同じ服を着ていたカウボーイたちは、まさに体臭の温床だったワケです。西部開拓時代の男性ヘアスタイルはファッションとは無縁でした。ほとんどの男性は散髪を避けて、長髪のままでした。身だしなみを整えることもなかったし、髪がどれほど臭くなっても平気の平左でした。ど~云うワケか、西部開拓時代の酒場なんかでは、どの男たちも床に噛みタバコのツバを頻繁に吐き捨てる習慣がありました。そのため、唾壷や痰壷がバーに設置されてたのですが、これでは賄いきれなくて、床におがくずを敷いたぐらいです。ところが、そのおがくずが唾を吸い上げるため、雑菌の温床になってたのですね。もっと悲惨なのは、当時の酒場は宿も兼務してたので、部屋を借りた旅行者は、この不衛生な汚物の中で眠るしかなかった。この不衛生な行為に対抗するため、後に駅構内でのツバ吐き禁止法が制定され、高額な罰金や禁固刑が科されたところもありました。女性たちはど~だったでしょう?泉や小川のある町では毎日そこで顔を洗ってたようで、男に比べて清潔だったようです。ただ体全体を洗うにはプライバシーがほとんど無いため、風呂に入るのは稀なことだったのは男と一緒だったようです。問題は女性の髪です。西部開拓時代のヘアケアは、ラードと灰汁の固形石鹸が主流だったのですね。ウイスキーとヒマシ油のブレンドで髪を洗い、コンディションを整えた大胆な女性もいました。それでも女性なりに可愛くしたいと考えたのか、鉛筆に髪を巻きつけてカールするのが流行ってたそうです。そもそも西部開拓時代は、ほとんどの地域で充分な水インフラが不足していました。発達した町ではまだしも、未開の地ではシャワーを浴びたり、歯を磨いたり、飲水を確保するさえ困難だったのです。それで降った雨を集めることしか方法がなかったのですね。と、云っても雨が頻繁に降る土地は少なかったので、いずれにしても水は貴重品だったワケです。さて、問題のトイレ。この時代、近代的なトイレなかったのはどの国も一緒ですが、西部ではアウトハウスと呼ばれる、地面に穴を開けた屋外小屋がトイレです。それにしても西部開拓時代のトイレは汚い!刺激臭、虫だらけ、トイレットペーパーなし(トイレットペーパーが登場したのは19世紀半ば)。トイレットペーパーの代わりは、トウモロコシの穂軸、葉っぱや草、よくて雑誌の破れたページやカタログなどです。そもそもアメリカでは、ニューヨークのような大都市を除いて屋内給排水設備の完備はほとんどなされていませんでした。1920年に屋内給排水設備が完備していた家庭は、全米の1%しかなかったのです。なので西部でそれを望むのはしょせんムリで、手汲みの水が精一杯でした。
Dec 18, 2023
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マダガスカル島はアフリカ大陸の南東海岸から沖へ向かった西インド洋上にありますね。日本の面積の約1.6倍もの広さがあり、六大陸を除いた世界で4番目に大きな島です。昔々、ゴンドワナ大陸と云うアフリカ大陸、南アメリカ大陸、インド亜大陸、南極大陸、オーストラリア大陸や、アラビア半島までひとつにした超大陸があったのですが、先史時代にゴンドワナ超大陸の分裂に伴ってマダガスカルがアフリカ大陸から分かれ、さらにその後の8,800万年前ごろインド亜大陸とも分離して孤立した島となりました。なので島内の生物は独特の進化を遂げ、現在でも野生生物種の90%以上が固有種という特異な土地です。そんなマダガスカルにマングースの仲間で、マダガスカルだけに生息するフォッサと云う生き物がいます。身体が61~80cm 、シッポの長さは65~90cm 、体重はオスで6~12kg 、メスは5~7kg とマダガスカルにいる肉食動物では最大の大きさを誇ります。しかし身体のワリに脚は短いんですね。足裏にほぼ体毛がなく、樹上での生活に適しているのですが、指に水掻きがあるんです。このフォッサは、民家に侵入して飼ってるニワトリやアヒルを襲うことがあるんですが、逆にマダガスカルでは食用にもされてます。ところがお馴染みの森林伐採や農地開発による生息地の破壊とともに、狩猟や害獣としての駆除などにより生息数がどんどん減少していて、絶滅の恐れのある種として商業目的の国際取引が禁止されるワシントン条約「絶滅危惧Ⅱ類」に分類されてる生き物なんです。フォッサは基本的に単独行動ですが、キツネザルなどの大型の獲物を、2頭で協力して捕らえることもあります。獲物はカエル、ネズミ、鳥、昆虫など捕らえられるものならなんでも食べます。ところが、こうした自然の獲物が環境破壊によってどんどん減少しているために、フォッサもやむなく飼育されてる生き物を襲ってしまうってことなんですね。フォッサはマダスガスカルの森林地帯全体に広がっていますが、標高2,000m 以下の熱帯雨林やサバンナなどに生息しています。フォッサは臭腺から刺激的なニオイを放出することがあります。自分のナワバリをマークするとともに、仲間をひきつけるためですね。遺伝子研究により、フォッサとマダガスカルの他のすべての肉食動物が互いに近縁であることが証明されており、こうした肉食動物は約1,800万年~2,000万年前に島に定着していたと考えられてます。
Dec 17, 2023
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みなさんが毎日使ってるスマホには、Wi-Fi(ワイファイ)が備えられてますね。このWi-Fiによって、回線を使った通信をしなくても、Wi-Fi親機があればネットにつながるワケです。つまりWi-FiとはWi-Fi親機とスマホなどを通信する無線規格ですな。おなじ無線規格にBluetooth(ブルートゥース)もありますね。こっちは10m 程度の短距離でつなぐ通信規格で、ワイヤレスのイヤホンや、PCなんかではマウスやキーボードといった機器をワイヤレス接続するのに使われてます。Bluetoothの規格は当初、スウェーデンの通信機器メーカー「エリクソン」、フィンランドの通信インフラ製造・開発会社「ノキア」、そしてアメリカのインテルとIBM、日本の東芝によって制定されました。Bluetoothで使う電波は2.4ギガヘメルツに固定されてて、それを使って無線通信をおこなってます。Bluetoothのロゴは北欧文字の「B」と「*」を組み合わせたマークです。このBluetoothのロゴが、「ブルートゥース」と云う名前の由来になってるのですね。「ブルートゥース」と云う名称は「乱立する無線通信規格を統合したい」という願いを込めてスウェーデンのエリクソン社の技術者がつけたものです。デンマーク語で「青歯」を「Blåtand」と書きますが、これを英語に直すと「Bluetooth(ブルートゥース)」。ぢゃあ「青歯」ってなんなのさ?それは初めてノルウェーとデンマークを交渉により無血統合し、文化の橋渡しをしたデンマーク王"ハーラル・ブロタン・ゴームソン"のことです。つまりバイキングの親玉ですな。このハーラルには、むし歯によって神経活動が停止した失活歯があり、それが青黒い灰色だったので「青歯王」と呼ばれてたのです。Bluetoothのロゴは、スカンジナビアなどでは中世後期まで用いられた北欧の古代文字「長枝ルーン文字」でハーラル・ブロタンのイニシャル「 Hagall (雹) ᚼ(=H)」「Bjarkan (白樺) ᛒ (=B)」を組み合わせたものです。デンマーク、ユトランド半島中部のイェリング近郊で発見された「イェリング墳墓群」と云うルーン文字の刻まれた10世紀の石碑で有名な墳墓群があります。この石碑がデンマークの国家起源を示す貴重な文字資料で、世界遺産に登録されてます。イェリングにある最も古い石碑は、デンマーク最初の王とされるゴーム老王とチューラ王妃について刻んだものです。このゴーム老王とチューラ王妃のものより大きな石碑が、かれらの子であるハーラルの記念碑なんです。ハーラルがデンマークとノルウェーを征服したこと、そしてデーン人のキリスト教への改宗を祝って建てられました。石碑は、イェリングの教会墓地にある二つのおおきな古墳の間に建てられています。ハーラルの逸話にはいくつもの伝説があって、その最も有名なのがアイスランドの征伐断念話です。アイスランド人はハーラルをバカにしてたみたいで、そのことを根に持っていたハーラルは、魔法使いをアイスランドに送りどんな具合なのか魔法使いに報告するよう命じたのですね。鯨に姿を変えてアイスランドに上陸しようとした魔法使いは、東のヴァープナフィヨルドで竜に出会い、北では翼が山の両斜面につくほどの大きな鳥に、西ではおそるべき叫び声をあげる雄牛に、南では山より高い巨人たちに襲われました。アイスランドの強力な守護神で上陸すらできなかった魔法使いは、上陸を諦めてアイスランドを去らざるを得なかったのですね。その報告を聞いたハーラルはアイスランドをあきらめデンマークへと帰っていったと云うお話。この逸話はアイスランドの国章デザインのモチーフになっています。ハーラルは、領土を守るためのセキュリティ対策でよく知られていました。神聖ローマ皇帝オットー2世によるデンマーク侵攻に対応するため、ハーラルは980年、デンマーク全土に要塞を建設しました。ハーラルが展開した要塞はジーランド島にあるトレレボルグなど7つの円形要塞です。これらは現在、ヴァイキング・エイジ・リング要塞、またはトレレボリ様式の要塞として知られています。
Dec 16, 2023
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イギリスのロールス・ロイスと云えば超高級車で有名ですが、今は自動車部門だけドイツのBMWが製造販売してます。今のイギリスの会社は自動車部門を除く航空機用エンジンの開発生産をメインに宇宙、艦船、エネルギー関連機械などを製造販売する会社です。古くは第2次大戦後、初めて日本で製造された旅客機「YS-11」もロールス・ロイスのエンジンを積んでました。そのロールス・ロイスが今月、将来(予定では2029年)の月旅行に備えて、月面の基地に電力を供給できるミニ原子炉を発表したのですね。まだモックアップの段階ですが、宇宙にまで原子炉?月の動力用に原油を運ぶのは現実的でないにしても、さんざ地球を汚染まみれにした原子力を宇宙にまで拡張する気かいな...このミニ原子炉は 、幅約1m 、長さ約3m ですが、まだ発電させる段階ではなく、すべて計画通りにいっても準備にあと約6年と費用数百万$がかかります。この計画に対し、英国宇宙会議で370万$の資金提供が約束されました。通常、宇宙開発では太陽光発電がメインで、水素燃料電池が使用されたのは唯一NASAのアポロ計画における有人月面着陸機の動力源としてのみです。しかし先日、打ち上げ失敗したイーロン・マスクのスペースXが開発してる「スターシップ」は100人が搭乗できる大型の宇宙船です。こんな規模になると太陽光発電だけでは賄いきれないでしょうね。ロールス・ロイスによると、新型月用原子炉はモジュール式設計で、商業と防衛用途で地球上でも多くの使い方が考えられると云います。ど~やら狙いはそっちの方ですね。ロールス・ロイスのエンジニアは現在、核分裂によって原子炉から発生する熱を電気に変換できる方法を研究している段階です。従来の原子炉は、核分裂で発生した熱で水が沸騰し、タービンを回す加圧蒸気を利用してます。しかし、この方法は宇宙で使うには水を必要とするので不適合です。そこで、「マイクロリアクター」と云う新しい発電方法を研究してるのですね。それでは、みなさんはインターステラテクノロジズ(IST)と云う宇宙ロケット開発会社をご存知でしょうか?いかにも欧米の企業のような名前ですが、北海道 広尾郡大樹町に本社をおくれっきとした日本の企業です。2019年、超小型衛星打ち上げ用の小型液体燃料ロケット「MOMO 3号機」が日本の民間ロケットとして初めて宇宙空間に到達しました。例の堀江貴文(ホリエモン)がスポンサーの会社です。そのインターステラテクノロジズが現在開発してるロケットエンジンが試験に成功したと報じられたのも今月の頭です。北海道大樹町にある北海道宇宙港第0号発射施設で、「ZERO」ロケットエンジンの「静的燃焼試験」を実施し、約10秒間、水平方向に青とオレンジ色の炎を噴出し試験が成功したのですね。このエンジンの何がスゴイかと云うと、エンジンに使う燃料が地元の酪農場から収集された「牛糞(牛のウ◯コ)」から作られてると云うことです。牛の糞尿由来の液体バイオメタン(LBM)を利用した燃料を日本を拠点にするエア・ウォーター社と提携して開発したのです。エア・ウォーターは、牛の糞尿をバイオガスに変換する農場設備を備えた地元の農家からバイオガスを買い取りロケット燃料に加工してるのですね。つまり「環境に優しい」ロケット燃料を使ったエンジンなんです。インターステラテクノロジズが開発をすすめるロケットは、アポロ計画の月着陸船降下推進システムで初めて使用され、スペースXのマーリン・エンジンでも採用されてるピントルインジェクターと云うシステムを採用することで部品点数を削減するとともに、燃焼効率を向上させてるのですね。これによって、部品数が従来のエンジンの1/10に減り、総経費の半分を占めるロケットエンジンの製造コストを根本的に削減したのです。ZEROの燃焼室は、優れた燃焼性能を実現するために、東京大学、JAXAと共同で研究開発を行ってきました。今回の試験成功は、この小型衛星打ち上げロケットを2025年に打ち上げるのに重要な一歩となったのです。ZEROは、約1トンのペイロードを地球低軌道まで運ぶことができます。これによって世界市場、特にアジアとオセアニアでの小型衛星打ち上げサービスの需要の高まりに応えようと云うのです。
Dec 15, 2023
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先月30日、世界最大の氷山が南極から離脱する様子を国際宇宙ステーション(ISS)の乗組員が見つけ、その動きを追跡始めました。この氷山は1986年に南極のフィルヒナー棚氷から分離しましたが、南極海の一部を構成するウェッデル海の海底に張り付いたまま、過去37年間もそこに座礁してたものです。その氷山が薄くなり 時間の経過とともに浮力が増えて海底から浮き上がり、その後強風と海流により漂流し始めたのですね。この氷山は「A23a」と名付けられてます。で、A23aの大きさなんですが、約4,000平方km と云いますからニューヨークのおよそ3倍、大ロンドンの2倍以上もあるのです。日本で云うと、東京都の約1.8倍ですね。A23aは南極大陸の北端に達しており、今後は南極周極海流に沿って東に向かい、「氷山路地」として知られる道を南大西洋に向かって進むと予想されてます。この巨大な氷山の動きが周囲の海域で繁殖し採餌するアザラシやペンギンなどの生態系に影響する懸念がでてるのですね。A23a漂流の軌跡World's largest iceberg A23a tracked by satellite imagesこうした氷山にはしばしば綺麗な縞模様が形成されることがあります。縞模様の氷山は、強い海流によって海水が棚氷の下深く引き込まれるときに生まれます。氷山は、大きな氷の塊が氷河や棚氷から砕け、外洋に浮かぶときにできますが、この氷は数千年にわたって南極大陸に積もった雪が蓄積してできた純粋な淡水です。その淡水の氷山が、その下の水と混ざることによりこのような縞模様ができるのですね。混ざった水が冷えて棚氷の底で凍り、その水はさまざまな有機物やミネラルを含んでいるので、氷山にいろんな色を形成するのです。それが風と波で細かく砕かれると、さまざまな色の層が不思議な縞模様を浮かびあがらせるのです。模様では、ブルーのストライプが最も一般的です。これは隙間が水で満たされ、急速に凍結して氷の中の泡が現れる時間がない場合に発生します。緑色の線は、藻類で満たされた水が急速に凍結すると発生します。黄色、黒、茶色の縞模様は、移動する氷床が海に向かう途中で土や堆積物を巻き込むときに形成されます。もっと美しいのが上下ひっくり返った氷山です。「青い氷山」とも呼ばれてます。下の画像はひっくり返った氷山の上を行進するペンギンたち。
Dec 14, 2023
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シンガポールのオーチャードロードの北東、シティホールの北側に「リトルインディア」つまり「インド人街」と呼ばれる地域があります。タイのバンコクだとチャイナタウン近く、パフラット市場のすぐ隣に位置するのが「リトルインディア」。こうした地域はお店を出す人がインド人なら、お客もインド人、並べられてる料理もインド料理、音楽もインド歌謡曲。ニューヨークだと、マンハッタンのちょうど真ん中、ミッドタウンから南へ下ったとこに通称「カレーヒル(Curry Hill)」と呼ばれる「リトル・インディア」があります。同じように中国人街(チャイナタウン)もニューヨークのマンハッタンにあるのが有名ですね。シヴィック・センターの北にあって、私もここでご飯食べたことあります。ここのチャイナタウンは、アジア以外のチャイナタウンとしては最大の約74,000人が暮らしています。海外で帰化して暮らすのはインド人と中国人が圧倒的に多いでしょうね。日本で帰化するのは1位が中国人、2位が韓国人、3位と4位がほぼ同数でベトナム人とフィリピン人です。インド人は日本では比較的少なく12位に甘んじてます。逆にアメリカで日本人街と云えば、ご存知ロサンゼルスのダウンタウンにある「リトルトーキョー (Little Tokyo)」。シビックセンターの南東、1stストリートの南側にあって、日本料理店はもとより、日本のスーパーマーケット、銀行、旅行会社などが集まっており、ほとんどの店で日本語が通じるアメリカ最大の日本人街ですね。マンハッタンのチャイナタウンの北にあるのが「リトルイタリー」。この地域はチャイナタウンも含めて、地盤が軟弱で水はけが悪いため、低家賃の住宅地となり、主に貧しい移民が住むようになりました。最初は黒人やアイルランド人、東欧出身のユダヤ人などが住んでいたのですが、そこに中国人、そしてイタリア移民が住み始めてチャイナタウンやリトルイタリーと呼ばれるようになったのですね。リトル・イタリーと呼ばれる場所はアメリカやカナダにいくつかありますが、このマンハッタンのものが特に有名ですね。アメリカ全土の民族居住区の歴史は、1800年代の大量移民にまで遡ることができます。イタリアからの移民を含む移民は、故郷を模倣したコミュニティを作ることで、偏見やホームシックに対抗することができたのですね。アメリカでは、ほとんどの移民が、最初 東海岸に上陸したため、ニューヨーク、フィラデルフィア、ボストンなどで独自のコミニュティーを構築し始めました。イタリア移民は1800年代後半に単純労働者として大量に到着し始め、工業経済の活況を促進しました。これらのイタリア人労働者のほとんどは、半封建的なイタリア南部から出てきた若者たちです。イタリア移民のほぼ半数は最終的にはイタリアに戻ることになりますが、今日のイタリア系アメリカ人コミュニティはアメリカに残ることを決意した人々の子孫です。彼らは家族を呼び寄せ、北部の都市やペンシルベニア州、オハイオ州の小さな工業都市にイタリア民族の飛び地を作りました。しかし1950年代や60年代でも、イタリア人は偏見や否定的な固定観念に直面していました。その多くはマフィアに関連したものです。組織犯罪の被害に遭うことも多いイタリア系アメリカ人は、組織犯罪によって集団としての評判が傷つくことにもなっていたのです。「ウォップ(Wop)」と云う言葉はイタリア系アメリカ人に対する侮蔑的な言葉なので間違っても使わないことです。マサチューセッツのボストンでノースエンド地区と云えば、迷路のような小路が伸びる、古い街並みのリトル・イタリーです。ここにはイタリア料理店、コーヒーハウス、パン屋、昔ながらの総菜屋が多く、特にハノーバー通り沿いに集中しています。そんなノースエンド地区のイタリアン・レストラン「ガレリア・ウンベルト(Galleria Umberto)」は特に人気レストランらしい。とにかく連日、列ができるくらい人気なので、先ず並ぶこと覚悟で行かなきゃならないらしい。ここで有名なのは「アランチーニ(Arancini)」と云うシチリア風ライスコロッケ。中にはチーズとトマトソースで煮たお肉とグリンピースが詰まってます。カリフォルニア州サンディエゴのリトル・イタリーは、インディア・ストリート(India Street)と云うダウンタウン地区にあります。通りに沿って、老舗のイタリアンレストラン、カフェ、イタリアの食材を扱うマーケットなどなど。ここのファーマーズ・マーケット(メルカート)は毎週土曜日に開催され、シダーストリート(Ceder Street)の4ブロックがたくさんの人で賑わいます。その他、サンフランシスコ、セントルイス、シカゴ、フィラデルフィア、クリーブランド、プロビデンスなど全米いたることにリトル・イタリーがありますね。ニューヨークから始まったイタリア移民が、その後全米各地にちらばって、それぞれの街で独自のコミュニティーを作ったのは、他のユダヤ系移民やメキシコ系など中南米系移民、アジア系の移民たちと同じです。最後にオハイオ州クリーブランドのリトル・イタリー。クリーブランドのリトル・イタリーの特徴は、イタリア料理とともに、美術の中心地でもあることです。頻繁に開催されるアートウォークに参加するか、マレーヒルロードやメイフィールドロードにある数多くのギャラリーを見れば分かります。
Dec 13, 2023
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2014年に制作された映画「LUCY(ルーシー)」と云う作品をご覧になりました?監督は映画「レオン」で有名な人気監督リュック・ベッソンです。映画「LUCY」は、台北のホテルでマフィアの闇取引に巻き込まれ、下腹部にCPH4と云う麻薬が入った袋を埋め込まれてしまう女性ルーシーの物語です。マフィアは体内に麻薬を忍ばせて、その女性を運び屋に使おうと算段したのですね。ところが女性は別のマフィアに捕まって、暴行により体内で麻薬袋が破裂してしまうのです。そしたら麻薬の影響でルーシーの脳はどんどん発達して、しだいに超人的な力を発揮するようになります。ついにルーシーの脳は極限まで発達し、今や時間さえもコントロールできるようになるのですね。もはや肉体は無いもど~ぜん。そうして、ついに人類が見たこともないようなコンピュータに変身してしまう物語です。この映画の興行収入は4億6,300万ドルに達し、制作費の11倍以上を稼ぎ出したヒット作となりました。監督のリュック・ベッソンは、作品に日本のアニメ「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」を彷彿とさせるものがあるとインタビューすると、無意識に影響を受けているかもしれないと語ってます。「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」とは、押井守の監督で1995年と2008年に映画化された士郎正宗の漫画「攻殻機動隊」のことです。この物語の主人公、草薙素子は近未来社会でテロなどを未然に防ぐ内務省直属の組織のスタッフです。物語の中で、素子は脳だけが生身で身体はサイボーグに変身するのですね。そして不死身になった素子が、犯人を追いつめるために活躍すると云うストーリー。この「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」は、2017年に「ゴースト・イン・ザ・シェル(Ghost in the Shell)」としてアメリカで実写映画化されてます。素子(実写版ではミラ・キリアン少佐)の上司、荒巻大輔大佐役をビートたけしが演じた映画です。奇しくも、前出の映画「LUCY/ルーシー」と、実写版「ゴースト・イン・ザ・シェル」は、同じ女優が主役を演じてます。彼女の名前は"スカーレット・ヨハンソン"。ニューヨーク生まれですが、デンマーク国籍の女優さんですね。映画「LUCY/ルーシー」では、主演ヨハンソンの演技が称賛を浴びました。彼女は、2018年と2019年に世界で最も稼いだ女優として知られており。歴代9位の興行収入を誇るスターです。最初に国際的評価を受けたのは、1998年にロバート・レッドフォードが監督した映画「モンタナの風に抱かれて」ですね。彼女の父親はデンマーク系ですが、母親は東欧系ユダヤ人移民です。ヨハンソン自身は半分ユダヤ人ですが、無神論者です。13歳の時に両親が離婚して、一時期生活が貧しく、貧困者向けのフードチケットを利用していたことがあるそうです。身長は160cm と欧米人にしては小柄ですね。2019年の映画「マリッジ・ストーリー」と映画「ジョジョ・ラビット」ではアカデミー賞と英国アカデミー賞のそれぞれに主演女優賞、助演女優賞にダブルノミネートされました。また2003年には、コリン・ファースと共演した映画「真珠の耳飾りの少女」と、ソフィア・コッポラ監督の映画「ロスト・イン・トランスレーション」の2作品が、ゴールデングローブ賞にノミネートされます。まぁ、しかしヨハンソンと云えば映画「アベンジャーズ」や映画「キャプテン・アメリカ」、映画「アイアンマン2」など一連のマーベル・コミックのスーパーヒーロー映画で演じてるブラック・ウィドウが有名ですね。彼女のブラック・ウィドウ役最新作は2021年の映画「ブラック・ウィドウ(Black Widow)」です。ヨハンソンはチャリティーにも熱心で、オックスファムという団体と共にチャリティー活動を行っています。主なチャリティ先はガン予防や治療法を研究する団体に送ってるらしいです。スカーレット・ヨハンソンの映画「ブラック・ウィドウ(Black Widow)」のオフィシャルトレーラーMarvel Studios' Black Widow - Official Teaser Trailer
Dec 12, 2023
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アメリカ南東部にある人口2,000人にも満たない小さな田舎町マーフリーズボロで農業を営むジョン・ウェスリー・ハドルストンが、借りていた農場のカブ畑で、2つの奇妙な石を発見したのは 1906年のことでした。その石はとてつもなく固く、ひょっとしてと思って鑑定に出しました。ジョンは、それ以来「ダイヤモンド・キング」と呼ばれるようになったのです。ダイヤモンド・キングは農場を1,000$とラバ1頭で購入し、その後36,000$で売却したのです。今、その土地は入場料7$の「ダイヤモンドクレーター州立公園」としてだれでも入場でき、発見したものはすべて自分のものにできる、世界で唯一の公共ダイヤモンド鉱山となってます。ダイヤモンドは約30億年前、地殻活動と火山活動によって生み出された膨大な熱と圧力によって地下深くで形成されたものです。それが地表に急上昇するキンバーライトと呼ばれる火山噴出孔がダイヤモンドクレーター州立公園の場所で形成されたのです。そしてガス爆発を伴うダイアトリームと呼ばれる火山管によって、34ヘクタールのクレーターが出来上がったのですね。この州立公園に立ち入るためには、スコップや長靴など採掘に要する道具を持参しなければなりませんが、レンタルもあるそうです。ただしモーターを使った採掘工具など機械類の持ち込みは許可されてません。あくまで、自分の手で採掘するのが原則なんですね。いくらダイヤモンドの採掘が可能だと云っても、ほとんど見つからないのでは?信じられないことですが、今年9月には7歳の女の子が2.95カラットのブラウンダイヤモンドを見つけました。公園が開設されてから実に75,000個以上のダイヤモンドが発見されてます。採掘は「湿式ふるい法」と呼ばれる、ザルで土壌を洗い、ふるいにかけて探す方法がほとんどです。公園の職員によると、敷地内で毎日1個か2個のダイヤモンドが見つかってるそうです。2015年には、ここを訪れた観光客が8.52カラットのホワイトダイヤモンドを発見しています。ダイヤモンドの価格は1カラットで173万円くらいですが、カラット数が上がると指数関数的に高くなりますね。ダイヤモンドクレーター州立公園の来場者は年間12万人訪れます。ダイヤモンドに加えて、アメジスト、メノウ、ジャスパーなどの半貴石や、ガーネット、金雲母、石英、重晶石、方解石など約40種類の鉱物を見つけることができます。また車イスで通れるハイキングコースも整備されてて、設備の整ったキャビンもたくさんあります。またキャンプを楽しみたい人は、無料Wi-Fiやコインランドリー設備を備えた47のキャンプ場があるそうです。
Dec 11, 2023
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PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、ひどく衝撃的な出来事(トラウマ)を体験した後、時間が過ぎても、その時の体験や記憶を無意識に思い出したり、夢に見たりするなどが続くことですね。私らの世代だとベトナム戦争を経験した元アメリカ兵に多くいたと云います。シルベスター・スタローンの代表作、1982年の映画「ランボー」の世界がまさにそうですね。主人公ランボーは、ベトナム戦争の戦場では輝かしい戦歴を残したものの、国に戻れば反戦ムード一色。国のために戦った帰還兵たちは鼻つまみ者扱いされる始末。やがて戦場でのつらい記憶がフラッシュバックして、山に立て篭り、たった1人の戦争を始める物語。同じように第二次大戦でナチスの残虐行為の写真を撮り、そのときの戦争取材が原因でひどいPTSDになった女性写真家がいます。彼女はヴォーグ誌の戦争レポーターとして活躍し、ロンドン大空襲、パリの解放、ブーヘンヴァルトやダッハウの強制収容所などを取材し続けたのです。そして1977年、70歳でがんにより死去。彼女の名前は「リー・ミラー」と云います。リー・ミラーの伝記映画が映画「タイタニック」のヒロイン、ローズ役で一躍知られるようになったケイト・ウィンスレット主演で公開されます。このリー・ミラーは、もともとカメラマンではありません。なんと彼女は雑誌ヴォーグの売れっ子ファッションモデルだったのです。1920年代のニューヨーク・ファッションシーンでモデルとして活躍したあと、パリに移り、そこで撮られる方ではなく撮る方として、彼女の師であり恋人であるシュルレアリスムの写真家マン・レイに師事したのです。パリ滞在中、彼女は自分専用の写真スタジオを立ち上げ、マン・レイが絵画制作で写真の仕事に取り掛かれないときは仕事を引き継いでいました。また彼女はシュルレアリスム運動にも積極的に参加していて、親友のジャン・コクトーの実験映画「詩の血」で彼女は彫像姿で出演しています。他にはパブロ・ピカソ、ポール・エリュアール、ジャン・コクトーなど名だたるシュルレアリストとも親友でした。第二次大戦が始まると、アメリカ本土に戻るよう政府から警告されたにも関わらず、ミラーは米軍に所属して従軍カメラマンの道を選んだのです。彼女はヨーロッパに残り、空襲で地下鉄の駅に群がるロンドン市民やノルマンディーの連合軍野戦病院で流血した患者たちを撮りまくりました。そして有名なミラーの肖像画が撮られます。連合軍がナチスを制圧した後のことです。ミュンヘンにあったアドルフ・ヒトラーのバスタブに入って撮影したミラーの写真です。この写真は「LIFE」で活躍してたアメリカの写真家デヴィッド・シャーマンの撮影で、シャーマンとは戦争中ずっとチームを組んで活動してました。しかし、ブーヘンヴァルト強制収容所など、ナチスの恐怖現場をカメラに収めることで、あまりのむごたらしさに後々PTSDを発症してしまうのですね。戦後、彼女はイングランド南東部にあるサセックスの農場に定住し、そこにはパブロ・ピカソやジャン・デュビュッフェなどの芸術家が定期的に訪れていました。しかし、ミラーはPTSDで鬱になり、すべてを放棄してしまったのです。1977年に亡くなってから数年後、彼女の写真の山が屋根裏部屋から発見されるまで世間から忘れられた存在になっていたのですね。
Dec 10, 2023
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「キーウィ・イングリッシュ」と云えば「ニュージーランド人の喋る英語」をイミします。オーストラリア人のは、「オージーイングリッシュ」という独特のなまりがありますが、ニュージーランドイングリッシュもイギリス英語に似ていて非なんでしょうね。ベースは英国式なので「キャット(猫)」は「ケット」と発音します。そのニュージーランドにいる「キーウィ」はニュージーランドにしかいない国鳥ですね。ニュージーランド人の愛称も「キーウィ」です。今ではキーウィは絶滅危惧種に指定されています。キーウィは飛べない鳥なので、外敵の哺乳類に卵や親が捕食されるケースが多いからです。もともとニュージーランドは、コウモリとオットセイ以外の哺乳類が存在しない国でしたが、マオリ人やヨーロッパ人の入植とともに外敵である哺乳類が持ち込まれたことでこんな事態になったのですね。キーウィが飛べなくなったのは、原始のニュージーランドでは外敵がいなかかったため、逃げる必要がなく、羽が退化してしまったからです。キーウィと云う名前はマオリ語で、鳴き声からきてるのですね。試合前に披露する民族舞踊「ハカ(Haka)」で有名なオールブラックスを頂点とするニュージーランド・ラグビーリーグのジャージに記されてるロゴもキーウィです。日本にキーウィがやってきたのは、2025年に開催される大阪万博ではなく、1970年の大阪万博のとき、開催記念としてニュージーランド政府が大阪市に2羽を寄贈したのが最初です。その後、大阪の天王寺動物園には1991年までに合計7羽が贈られましたが、現在残ってるのはたった2羽だけです。その後絶滅危惧種に指定されたため、ニュージーランドからの輸出ができなくなり、アジアでキーウィを見られるのはこの天王寺動物園の2羽だけなんです。キーウィは、ダチョウやエミューと同じ地上を走って移動する「走鳥類(平胸類)」です。大きさはニワトリくらいですが、その卵はメスの体重の1/4ほどと世界の鳥類の中で、体の大きさに対する割合では最も大きなものの1つなんです。卵の平均重量は371g もあります。卵を温めるのはオスの役目で、かえった雛は孵化してから数日で巣の外を歩き回るようになり、自力でエサも探し始めます。ちなみに献身的に家事や子育てに励むニュージーランド人の夫のことは、「キーウィ・ハズバンド」と云います。キーウィの臭覚は非常に発達してます。見るよりも前に餌に気付くため長いくちばしの先端にある鼻孔を使ってるのですね。キーウィのご飯は昆虫の幼虫やクモ、ムカデなどの多足類、ミミズ、果実などです。まぁ、何にしてもカワイイ鳥さんですね。なんかニュージーランドやオーストラリアってずっこいですね。カワイイ生き物ばっか(笑)キーウィ赤ちゃん動画ですThe world's cutest animal? - Baby Kiwi
Dec 9, 2023
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近年はアメリカで生活する日本人も増えて、そう云う方たちは先刻ご承知のことですが、アメリカに行ったこと無い日本人には誤解されてる方も居るのでは?ホワイトハウスや桜並木で有名な「ワシントンD.C.」のことです。ワシントンD.C.は、ワシントン州に有りませんよ~ワシントンD.C.は特別区ですが、メリーランド州とバージニア州に囲まれています。「ワシントン州」は西海岸最北部の州で、シアトルのあるとこです。同じ西海岸のカリフォルニアはサンディエゴ東約300km に「ソルトン湖」と呼ばれる湖があります。英語名は「Salton Sea」なので海と思いがちですが、完全な内陸湖です。ソルトン湖は、コロラド砂漠のソルトン盆地で標高が最も低い場所にあります。モハーヴェ砂漠の北にあるデスヴァレーと同じで、海面よりも低くって、湖水面で-69m と、全米2位、西半球2位の最低地点です。この湖は1950年代、アメリカのセレブの遊び場だった場所です。第2のパームスプリングスとして、50年代~60年代にかけて日光浴や水泳、水上スキーを楽しむために人々がこの地に集まったのですね。それが今は見る影もありません。ここでレクリエーションを楽しむどころか、近寄る人もいないのです。ソルトン湖は「内陸湖」と呼ばれる、湖に流入する河川はあっても、湖から流出する川のない湖です。その一方的に流れ込む水が上流の都市部から流れ込む汚水でどんどん汚染されていったのです。1970年代までに、事態はさらにひどく悪化し始めました。洪水により海岸沿いの家屋や企業が破壊されました。淀んだ水は海よりも塩分濃度が高くなって、藻の異常大量発生により何百万匹もの魚が死に始めたのです。今や、この地に留まって生活する人は喘息、気管支炎、さまざまな肺疾患に悩まされ、農薬や肥料などの農業流出物はソルトン海を環境災害のシンボルに変えてしまったのです。話は飛びますが、EV(電気自動車)で有名なリチウムイオン電池で使われるリチウムは「レアメタル」の代表格で、車体価格の1/3がバッテリーによって占められるEVではリチウムの価格高騰が車体価格そのものに響いてきます。それをいいことに中国はリチウムの輸出規制をしいて、アメリカや日本のICなどの輸出規制に対抗してるのですね。リチウムの埋蔵量世界1位はチリで全世界埋蔵量の36%にのぼります。ただ生産量ではオーストラリアがトップでチリはオーストラリアの後を追っかけてるのは採掘規模の違いです。中国はチリに続く第3位です。で、そのリチウムなんですが、ソルトン湖の地下、約2.5km 下に世界最大級のリチウム鉱床があることが分かりました。ソルトン湖の埋蔵量は、年60万トンものリチウムを採掘できるだけの量があるのですね。ソルトン湖でのリチウム採掘が成功すれば、この地域で生産されるリチウムの量は世界の約40%に達すると見込まれています。すでに数社が名乗りあげて、プロジェクトが動きつつあります。ソルトン湖でのリチウム採掘のメリットは約2.5km の地下採掘に尽きます。採掘の過程で、かなりの量の熱水が湧き上がり、それを使って採掘に必要なエネルギー(電気)を賄えるからです。つまり採掘に必要な電力は、自前のクリーン・エネルギーと云うワケです。これくらいイッパツ逆転ワザはないでしょうね。環境汚染の巣が、たちまち宝の山になったのです。プロジェクトに参加している社長は「すでに10ヶ所の地熱施設すべてで毎分50,000ガロンの塩水を地表に汲み上げており、その塩水からの蒸気を利用してクリーン・エネルギーを生成しています」と述べてます。もはやソルトン湖でリチウムを手に入れると云う点で、プロジェクトは半分のところまで来ているのです。
Dec 8, 2023
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お粥と云うと、私の生まれた奈良県では茶粥が有名で、昔は朝食と云うと茶粥に決まってました。茶粥は和歌山県でもよく食べられてます。奈良県や和歌山県では茶粥のことを「おかいさん」とか「おかゆさん」と呼んでますが、要するに山林の多い県なのでコメが貴重だったためこんな食べ方が普及したのですね。茶粥は煮出したほうじ茶の中に冷やごはんを入れて「へっついさん(竈)」で強火で炊いたもので、とてもさらっとします。FBを見ていたら、大きな鍋で何かを煮ている画像にいきあたりました。画像の説明を読むと、スコットランドでグラノーラを煮ている画像だとあります。グラノーラ!?なんかの間違いぢゃないですかね。グラノーラってケロッグで有名なシリアルなのに...これは、たぶん投稿者が「ポリッジ」を誤ってグラノーラと記載したのでしょうね。スコットランドだったら、ポリッジ(オートミール)は朝食の定番ですから。もっともオートミールは加工されたオーツ麦のことで、ポリッジはオートミールを使った粥のことですから、これはポリッジでしょうね。オーツ麦は正式名称で「エンバク(燕麦)」ですが、英語の「Oat(オート)」からオート麦→オーツ麦の呼び名の方が通りがいいですね。スコットランドやアイルランドはポリッジですが、イギリスは同じオーツ麦でもオートミールですね。こんなに重宝されてるオーツ麦ですが、元々、古代ギリシャやローマでは家畜の飼料でした。原産地は中央アジアで、栽培は紀元前1,000年ごろまで遡ります。スコットランドなんかで食べられてるポリッジは日本のお粥とだいぶ感覚が違いますね。オーツ麦と牛乳で作って、そこにバナナやブルーベリーなどフルーツをトッピングして、ハチミツをかけたりする。日本人からしたら「お粥」に「フルーツ」!所変われば品変わるもいいとこですね。ところで冒頭のFBから借りた画像、説明には「断食明けに毎日摂取されるスコットランドのポリッジ(原文ではグラノーラ)について、おかゆ禁止の暗い時代」とあります。「断食明け」とは、スコットランドですからキリスト教の「灰の水曜日」から「復活祭(イースター)」までの断食期間を云うのでしょう。しかし、「おかゆ禁止」とは何なんでしょう?真偽の程は分かりませんが説明を読むと、ポリッジにはカフェインが多く含まれており、それが昂じて「コカイン」のように高値取引されていったと。つまりポリッジそのものには含まれてないのですが、「ハギス」と云う茹でたヒツジの内臓ミンチにハーブなんかを刻み、牛脂とともに羊の胃袋に詰めて茹るもののクズを入れてるからなんですね。ハギスには麻薬性興奮剤も含まれているらしい。それで1930年代にはポリッジの販売を禁止してたらしいのですが、件の画像は禁止されてたポリッジの密造業者の女性らしい。商業用のポリッジ製造業者は現在、ポリッジからカフェインを除去することが法律で義務付けられているらしいです。
Dec 7, 2023
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私が開港直後の関空で働いてとき、当時アメリカ大統領だったビル・クリントンが大阪で開催されたG7会議出席のため飛来するエアフォースワン(大統領専用機)のサポートする役を仰せつかったのは、以前このブログで触れさせていただきました。結局、クリントンは女性問題で議会対策のため来日できなくなり、代わって副大統領のアル・ゴアが来日したので、私のお世話する航空機はエアフォースワンからエアフォースツーに替わったのですね。エアフォースワンもエアフォースツーも、機材も設備も全部同じです。ただ大統領が乗れば、それがエアフォースワンになり、副大統領だったらエアフォースツーと云う名称に変更になるだけです。専用機が飛ぶとき、必ず全く同じ飛行機を同時に2機飛ばします。メインがエアフォースワンだったらエアフォースツー、メインがエアフォースツーだったらエアフォーススリーと云う塩梅です。これはメインの飛行機が離陸するとき何らかのトラブルで修理が必要になった場合、大統領や副大統領は修理を待たず、サブの飛行機でとっとと離陸するためです。このときの経験で感じたのは、世界中でアメリカだけが特別ってこと。他の各国首脳を乗せた飛行機が着陸態勢をとってても、アメリカの専用機がそのあと飛来してきたら、他の国は空中で待機させられます。アメリカの専用機は保安のため、到着時間も事前通告がないのです。副大統領警護のためSPが同行しますが、着ている洋服のスソから機関銃が見えてるのに、簡単な机置いただけの日本のイミグレーションは口頭で銃器を所持してないか形式上問うだけ。SPの答えは「NO」です(笑)と~ぜん、国内で銃器を所持することは何人と云えども禁止ですが、アメリカだけ特別なんです。もちろん金属探知ゲートなんて通りません。他にも在留米軍からプロレスラーよりデカイ海兵隊の猛者が山のように。関空は安全のため、ヘリが上空飛ぶのを禁止してますが、これもアメリカだけはOK。飛ばすヘリは立川基地から大型輸送機が運んできましたが、その輸送機のデカイこと。機内から3機ものヘリが登場したのです。専用機が到着すると、山のようなケーブルが機内から地上に引かれます。無線通信では盗聴されるキケンがあるため、あえて有線通信に切り替えてるのですね。そんな手配全般を東京のアメリカ大使館スタッフが行っていて、私はそのサポート役だったのです。と、云うようにアメリカの力と云うのは、接触ない日本人が思ってる以上に強大なんですね。ところがアメリカの歴史なんて、せいぜい1600年代初めにヨーロッパから移民が押し寄せ始めたくらいです。ヨーロッパ諸国や日本、中国、韓国なんかと比べたらほんの新参者なんですよね。なので私にはアメリカの文化なんて、ほんの薄っぺらな安物の感がいなめない。アメリカの独立記念日は、7月4日です。1776年7月4日に独立宣言が採択され、イギリス植民地からアメリカ合衆国が独立した日ですね。そんなアメリカで建国より前、1766年に開設されたアメリカのリゾートがあるのご存知ですか?トーマス ブリットと云う人物がバージニア州ホット スプリングス、アレゲニー山脈の真ん中に建てたロッジが始まりのリゾート。今は「オムニ・ホームステッド・リゾート」云う名前でホテル経営してます。1991年に国定歴史建造物に指定された歴史ある建物なんですね。オムニ・ホームステッド・リゾートのある地域には連邦最大の天然鉱泉が湧き出ていて、乗馬が楽しめたり、いくつかの全国トーナメントが開催されたチャンピオンシップ・ゴルフ・コースでも知られています。またアルペンスキーのゲレンデもあり、四季を通じて楽しめるリゾートなんですね。トーマス・ブリットがロッジを建ててから、1832年になってトーマス・グード博士と云う人がブリット家から土地を購入。医療療法を取り入れて、ヨーロッパ スタイルのスパ治療と水治療法を確立したのが、こんにちのオムニ・ホームステッド・リゾートの走りだったのですね。その後、いくたの所有者変遷をへて、今日のオムニ・ホームステッド・リゾートになってます。このリゾートには23人のアメリカ大統領が滞在しており、27代大統領タフトは1908年には2ヶ月間も滞在してます。また、26代大統領セオドア・ルーズベルトもここの顧客でした。アメリカが第2次大戦に参戦した後の1941年からは、785人の日本外交官とその家族を収容する高級強制収容所として使われました。このリゾートは今年10月、数年に渡る1億5,000万$をかけた改装工事を終えました。この改装工事で183ある客室やプール、宴会場、バーやレストランとともに、新たにイベントパビリオンが新設されました。改装を請け負った会社はリゾートの歴史を保持しながら、博物館でなく住宅のように感じさせることに注意を向けたそうです。大広間の広大でカラフルな敷物のデザインには3年近くもかかったそうです。内装を見るとアメリカ人にしては、センスのいいデザインに仕上がってます(笑)
Dec 6, 2023
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有名なポピュラーソング「マイ・ウェイ(My Way)」は「ダイアナ」などのヒットで知られるポール・アンカが作詞した曲です。もう数え切れない歌手がカバーしてますが、オリジナルは"フランク・シナトラ"ですね。あのマフィアとの深い関係が度々取りざたされ、そのマフィアを介してジョン・F・ケネディと親密な交友関係をもったとされているシナトラです。しかし、歌の素養はハンパないですね。25歳のときには、トロンボーン奏者トミー・ドーシーオーケストラに引き抜かれて大活躍してました。シナトラは最初の妻ナンシー・バルバトとともにカリフォルニアの砂漠地帯にあるパームスプリングスの南側に位置するツインパームスに瀟洒な家を建てて暮らしました。ナンシー・バルバトと離婚後、女優のエヴァ・ガードナーと短かい結婚生活を送るのですが、それもツインパームスで営まれました。1950年代のことです。このツインパームスのシナラ邸で本人がくつろぐ写真が残されてます。1965年(昭和40年)の写真ですから、米軍がベトナム戦争で北爆を開始した年で、黒人運動指導者のマルコムXが暗殺された年でもあり、いよいよきな臭くなっていったころですね。その写真が下の画像で、横に座っているのは愛犬の「リンゴ」ちゃんです。シナトラの背後に、なんか大仰なステレオがありますね。実はフランク・シナトラが熱心なオーディオマニアだったと云うのはかなり有名な話なのです。きょうはコアなオールド・オーディオファンしか興味わかない話題で恐縮すが、私がそれなのであえてそのネタで。1960年代と云うのは、アメリカ製オーディオシステムの全盛時代です。シナトラのオーディオシステムも全てアメリカ製ですね。時代が時代なので全部 真空管を使ったものです。テープデッキはスイスのスチューダーと並んで、世界中の録音スタジオで使われてたアメリカは「アンペックス(Ampex)」製です。カセットテープではなく、それ以前のオープンリールテープレコーダーですね。ちなみにアンペックスは、1947年にクリスマスソングでお馴染み、人気歌手のビング・クロスビーが主要な投資家になって設立された会社です。カセットテープは1962年にオランダのフィリップスが開発してましたが、テープの録音再生機器(デッキ)はこの当時、とてもオープンリールに敵いませんでした。カセットデッキの普及は60年代末ごろからのSONYを始めとする日本メーカーの台頭まで待たなければなりません。画像で見えるプリアンプは泣く子も黙る「マッキントッシュ」と云うアメリカのアンプメーカーの最高傑作「C-22」です。この機器がどれだけ人気だったかは、2014年に同社から復刻版が発売されたことでも分かります。写真にはパワーアンプが写っていませんが、たぶん家具の中に収納されてると思います。C-22にベストマッチのパワーアンプは同じマッキントッシュの「MC275」を置いて他に考えられないので、おそらくそれでしょう。MC275も復刻製造されてますが100万円くらいします。AM/FMチューナーは「フィッシャー(Fisher)R-200」真空管チューナーです。フィッシャーは、日本ではあまり知名度ありませんが、アメリカの古くからのオーディオメーカーです。スピーカーは特製箱に入れられててメーカーが判別できませんが、シナトラのオーディオシステムを研究してる人によると、おそらく「アルテックランシング」か「JBL」だろうとのこと。この時代の高級オーディオスピーカーと云うと、この2社しか考えられませんしね。レコードプレーヤーだけは、唯一イギリス製の「ガラード(Garrard)」と推測されるとのこと。写真の1965年に「ガラード401型」と云う究極のレコードプレーヤーが発売されてるので、それとSMEと云う同じくイギリスのメーカーが製造した「SME3009型」トーンアームの組み合わせが当時最高の性能だったので、このシステムか、それより一世代前の「ガラード301型」かも知れません。現在、シナトラが住んだツインパームスの邸宅は年に一度だけ、パームスプリングスの象徴として一般公開されてます。今、この邸宅に行くと、上に写ってるさまざまなシナトラの機器ではなく、全く別のオーディオシステムがリビングルームに鎮座してます。実は、シナトラは自宅に録音スタジオ設備も構えていたのですね。逆に1965年に撮られた写真のシステムは撤去されてしまってます。この録音機器は後にアルテックランシングで働くことになったアーサー・デイビスによって設立された会社「シネマ・エンジニアリング」によって製造され、ロサンゼルスの「ヴァレンティノ・エレクトロニクス」によって組み立てられたカスタム・システムなんです。しかし、シナトラがこの機器で録音をした記録は残ってません。なぜなら部屋の音響がレコーディングスタジオに比べてあまりに悪く、とりわけシナトラは音質に特にうるさい歌手だったので、単に部屋のお飾りに化けてしまった可能性が大きいです。
Dec 5, 2023
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最近、ネットでよく目にするのが台湾観光がつまらないと云う言葉。交通が不便だとか、観光地は代わり映えしないとか。夜市に行っても、どこも同じものを売っているとかも。まぁ、どこでも一緒だけど、外国を訪れる人が何を望んでるかで満足度はおのずと違ってきますからね。例えば夜市ひとつとっても、どの国でもだいたい似たりよったりですよ。私は台北の士林夜市も饒河街夜市も行きましたし、クアラルンプールの唐人街(チャイナタウン)も、バンコクのチャイナタウンも、ホーチミン1区も、香港のテンプルストリートナイトマーケットやニューヨークのチャイナタウンまで行きましたが、しょせん中華料理です。焼くか煮るか蒸すか炒めるしかない。それ以上に何を求めるのかなぁ?むしろ夜市は雰囲気を楽しむとこだと思うのですが...だいたいネットで、ぜひここは訪れるべきなんて観光地はどこも似たりよったり。それがアタリマエですよ。私は台湾に行ったとき、猫村として有名な「猴硐」と云うとこに行きました。ここには、世界で唯一の人猫共用橋と云われる「猫橋」があるところで、とにかく村のいたるところにゃんこばっか。ところが日本人観光客は私が行ったとき誰も見ない。近くにある「千と千尋の神隠し」のモデルになった日本人観光客ご用達の「九份」とは大違いです。来ているのは現地の台湾人と中国人だけでした。で、私はと云うと、にゃんこに囲まれる楽しみもそうだけど、駅前の土産物店のオネエサンと小一時間も駄弁ばかり(笑)だいたいどこ行っても、現地の人と触れ合うのが楽しみ。特に台湾の人は、昔の日本人みたいに素朴な人が多い。クアラルンプールに行ったときも「チャンカット・ブキビンタン」と云う西洋人ご用達のバー街に入りびたってスタッフとバカ話しばっか。ホーチミンでも独りでほそぼそやってるショットバーのオバアサンと仲良くなったり、足繁く通ったバンコクなんて観光の「観」の字も全くしなくてひたすらクラブやバーのスタッフと親交を深めたり。海外の楽しみは私の場合、現地の人との交流なんですかね。私はいつも台湾は台北ばかりですが、新幹線を使えば台中から台南を経て高雄まで行けるし、逆コースだと台東から花蓮、蘇澳ってコースもとれる。台中や台南はぜひ訪れてみたいですね。台中の「彩虹眷村」だって、作られた経緯を見ると国民党の兵士が逃れてきた歴史が分かるし、台南だと台湾の京都と称される「神農街」なんてのも有名ですね。台中にある「高美湿地」なんて、面積こそ比較になりませんが、アジアのウユニ塩湖と呼ばれる幻想的な場所らしい。やはり異文化に触れたり、その土地の人と交流したり、それが海外旅行の醍醐味だし、そのイミでは歴史的に見ても台湾は日本人にとって最適な渡航先と思いますけどね。なにより諸外国に比べて安全度がスゴク高い。円安がもう少し解消されたら、イチバン行きたい国のひとつですけどね。さて、来年の台湾総統選で誰が総統になるか?いまのところ野党が分裂して、現職の蔡英文総統に続く与党 民進党が有利な展開になってますが、民進党が勝つかどうかで国の雰囲気も変わるでしょうね。
Dec 4, 2023
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「神戸どうぶつ王国」や「福岡市動物園」に珍しいジャコウネコ科の生き物がいます。名前は"ビントロング"と云うのが正式なんですが、俗に「クマネコ」と呼ばれてます。"にゃんこ"なのに"クマ"?からだの大きさは60~100cm くらいで、体重も10~17kg ですから、クマにしたら赤ちゃん熊ですよね。ホントウにクマみたいなの?では、姿をご覧いただきましょう。う~ん、クマに似ていると云えばそう見えなくもないけど、かなりムリありますなぁ。クマネコは、インド北東部やインドネシアなど東南アジアにいるらしい。クマネコには大きな特徴が2つ有ります。生活のベースは木の上で、果物やイモなんかが主食なんですが、とにかくシッポが長くて太い!体の長さの半分以上がシッポなんです。しかも、このシッポの力が強くって、木から下りるときにしっかりと木に巻き付けることで、頭の方から地面に下りることができるんですね。もうひとつの特徴はもっと強烈です。体臭のこと...ゲッ!ワキガ臭?いえいえ、そうではなくてバター塗りたてのポップコーンのような香ばしいニオイがするのです。おちりの近くに強いニオイの液を出す臭腺を持っていて、その臭腺から出すニオイが独特で芳しいのですね。なかなかに愛嬌あるお顔ですね。人間にもよく懐く生き物です。では、お約束の(反則の)赤ちゃんクマネコの動画でもどうぞ。生まれたばかりの赤ちゃんは、体重300g くらいです。Baby Binturongs Born at the Greensboro Science Center!Greensboro Science Center
Dec 3, 2023
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日本を訪れる外国人観光客がイチバン喜ぶ鉄道は東海道新幹線ですね。東京から名古屋を通り京都、大阪へ向かう「ゴールデンルート」で、車窓からは富士山が眺められるんですから。最近では金沢へ向かう北陸新幹線も大人気だそうな。古都金沢を始め、立山黒部アルペンルートの富山もありますしね。よく海外ネットに取り上げられるのが車イス利用者の乗降を駅員が電車とホームの段差解消のボード使って手助けしてるとこ。こんな国は他にどこにもない日本の誇れる美点です。それより以前に当発着時間の正確さは世界一ですものね。鉄道をこんなに普及させたのはアメリカです。蒸気機関車による鉄道が世界で初めて実用化されたのは、産業革命の先頭に立ったイギリスでした。それが19世紀中ごろには西ヨーロッパ全土、アメリカで急速に広がったのですね。アメリカで鉄道網が極端に発達したのは1861年に始まった南北戦争がきっかけです。鉄道の輸送力が軍隊の機動力に大きな影響をもたらし、その後20世紀半ばまで鉄道が軍事輸送に決定的な役割を果たす先がけとなったのです。1860年代までに、米国の民間企業は政府の補助金援助を受けて、初の大陸横断鉄道の建設を始めました。そして1869年に既存の東部鉄道網をサンフランシスコまで接続して「大陸横断鉄道」としたのです。当時、この鉄道は世界最長の鉄道で、アメリカの人口が西に拡大するのに役立ったのです。そんな鉄道王国だったアメリカが現在では見る影も有りません。旅客鉄道はほとんど機能してなく、かつて乗客が使用していた線路の多くは貨物列車のみに使用されています。多くのアメリカ人にとって鉄道旅行は考慮の対象外なんです。現在、多くのアメリカ人にとって国内旅行の足は車か飛行機に限られてます。政府が1920年代に各州の高速道路への投資を奨励し始めたためです。特にアイゼンハワー大統領の下で加速していきました。アイゼンハワーの高速道路システムに至った経緯は、1919年にアイゼンハワーが陸軍初のクロスカントリー自動車護送隊に参加したことに遡ります。このときアメリカの道路の質の悪さにヘキエキしたのですね。そして1954年の一般教書演説の中で、アイゼンハワーは州間高速道路システムを提案し、それが国防計画であると正当化しました。高速道路は軍隊の輸送や核攻撃の場合の都市住民の避難に使用できると。そしてアメリカ政府は民間旅客鉄道会社がゆっくりと無価値なものへと消滅することを容認してしまったのです。こうしてアメリカの多くの町や都市は旅客列車によるアクセスを失っていったのです。2021年、バイデン大統領は1兆2,000億$のインフラ法案に署名しましたが、中身は鉄道によるこれまで以上に長い列車の使用と、それによる安全性や貨物輸送に及ぼす影響を研究する費用が含まれてました。上院議員時代のバイデン大統領は、ワシントンDCとデラウェア州自宅の間をアムトラックで往復したことで有名ですね。バイデン大統領は「それがどれほど重要か私は知っている」と語ってます。アムトラック(全米鉄道旅客公社)の北東回廊は2000年に最高時速150マイル(約240km )で走行できる列車を導入しましたが、それでも日本や中国の高速鉄道には追いついていません。なにしろ現在でも山陽・九州新幹線の「みずほ」は最高時速300km だし、2027年に開通予定のリニア新幹線だと最高時速500km と云いますからね。狭い日本でそんな高速輸送、私には「?」ですが...それでもカリフォルニアに本拠を置くドリームスター・ラインズはロサンゼルスとサンフランシスコ間を走る豪華寝台列車を新たに導入すると発表してます。アムトラックも、40年ぶりに寝台列車の車両を新しくするそうです。しかしアメリカ独特の課題は何世代にもわたって慣れ親しんできた自動車でなく、電車に乗るようアメリカ国民を説得することにつきるのですね。
Dec 2, 2023
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私にとってこの世でもっとも愛おしい野生の生き物はナマケモノです。あのスローな動作と云い、なんとも愛嬌のあるお顔。そして野生なのに人に対してなんの警戒もしてないような行動。こんなに脆弱な生き物は他にいないんでは?みなさんはナマケモノの赤ちゃんの泣き声聞かれたことおありですか?ただでさえカワイイ ナマケモノでも、とりわけ赤ちゃんは絶品です。そんなナマケモノの赤ちゃんが泣いてる動画がありました。Why Do Baby Sloths Squeak?ナマケモノの赤ちゃんは抱っこされるために生まれたようなものです。生後6~12ヶ月はお母さんのお腹にしがみつきます。なので孤児となったナマケモノの場合、保護団体は母親の代わりに寄り添ってくれる人を選定します。そうすることで、赤ちゃんの体温を保ち、過度のストレスを防ぐのに役立つのですね。時々、お母さんとはぐれてしまった赤ちゃんがいますが、お母さんと再会すると、すぐに泣き止みます。野生では、赤ちゃんナマケモノの鳴き声は、お母さんがいなくなった赤ちゃんを見つけるのに役立ちますが、その声はジャングルに住む鳥の鳴き声を模倣していて、耳の鋭い捕食者でも居場所が分からない仕組みになってるのですね。知らない人は驚かれるかも知れませんが、ナマケモノはとても泳ぎが上手です。彼らは水に入ると本能的に泳ぎ方を知っています。ナマケモノが生息する熱帯環境には川やスコールで増水など、さまざまな水域があるからです。この能力は溺れたくないだけでなく、森の林冠の隙間を越えるのに泳ぐのが最も効率的な場合もあります。ナマケモノは一日中眠っている以外ほとんど何もせず、単純で怠惰な生き物であると考えられていますね。だから「怠け者」という呼び名がついたし、英語名の「Sloth」も「怠惰」や「ものぐさ」を意味する単語です。こんなスローな生き物が生き残っていること自体驚くべきことのように思えます。しかしナマケモノが約6,40万年前から存在しているという事実はど~云うことなのでしょう?実は、スローなことが生き残る戦略なんです。ナマケモノって1日中寝ているように見えて実際は日に8~10時間しか眠りません。起きてる間の動きはご存知の通り非常にスローですが、常に一定のペースで動きます。なぜ、こんなにもスローかと云うと、冬眠してない哺乳類の中で代謝が最も遅く、低カロリーの餌で生き延び、1枚の葉っぱを消化するのに約一ヶ月もかかります。したがって、ナマケモノは物理的に速く移動する能力を持っていないんですね。これでは身を守ることも、捕食者から逃げることもできないワケです。ところがナマケモノの天敵となる大型ネコ科動物や鳥類は、主に獲物を視覚的に検出します。姿を見て、「あぁ~あそこにナマケモノがいるよ。いただいちゃえ」とはならないんですね。なのでナマケモノは彼らに気付かれない程度のスローペースで移動しているだけなんです。彼らのゆっくり移動は、熱帯雨林の林冠に溶け込む最も優れた方法なんですな。つまり姿の迷彩ではなく、行動の迷彩をまとってるワケです。下の画像はエクアドルの交通量が多い高速道路から救出されるナマケモノですが、おまわりさんはスグに手を出しません。この後、手袋してから救出しました。なぜナマケモノを素手で触らなかったかと云うと、保護施設にいるナマケモノと違って、野生のは毛の中にのみ生息する特別な種類の蛾がいるからです。蛾に加えて、ナマケモノの毛は藻類、菌類、さまざまな寄生虫、甲虫などを宿す独自の生態系のようなものなんです。よくナマケモノの毛が藻で覆われて緑色になってるのは、そのためなんですね。ナマケモノは代謝が鈍いので、週に1回しかウ◯コをしません。その排便は安全な樹幹からではなく、キケンな地上にわざわざ降りてします。なぜ、キケンをおかしてまで地上に降りるのか?排便と同時にナマケモノの毛にいた蛾がウ◯コに飛び移ります。そして蛾はウ◯コの中に卵を産むのです。卵が孵化すると、幼虫はウ◯コを食べ、そこで成熟し、最終的には樹幹にいるナマケモノめがけて飛び上がります。そう云うサイクルなんですね。この蛾がナマケモノの毛に多いほど、毛の窒素濃度が高くなるんですね。窒素濃度が高くなると、より多くの藻類が成長します。ナマケモノの毛で成長する藻類は、蛾とその老廃物によって継続的に増えていきます。その藻類を口にすることで、ナマケモノにとってかなりのカロリー摂取になるのですね。それに加えて、藻類の緑色が絶妙のカモフラージュになります。さらに藻類は水を吸収します。代謝が遅く、活動的でないナマケモノにとって、水分補給の源にもなってるのです。
Dec 1, 2023
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映画「座頭市」と云えば今は亡き勝新太郎の代表作。勝の座頭市シリーズだけで26作品も作られてます。勝亡き後、ビートたけしも座頭市を作ってますね。2010年には香取慎吾主演の「座頭市 THE LAST」も公開されましたが、「THE LAST」と云う言葉と裏腹に、原作者 子母澤寛の著作権は2037年に切れるので、それ以後は誰でも勝手に座頭市映画を制作できます(笑)アメリカ版 座頭市が「ブラインド・フューリー」。ベトナム戦争に派遣されてたアメリカ兵が迫撃砲の爆発で失明するも、ベトナム人に助けられて、盲目だけど他の感覚を使いこなす訓練を受けて剣の達人になる。その帰還兵が旧友の息子と犯罪組織に誘拐された父親を探すと云うストーリーです。敵は日本人の殺し屋を雇うのですが、それさえもやっつけると云う典型的なアクション映画ですな。この作品は勝プロダクションから正式にOKもらって製作されたらしい。では、ブラスト(blast)と云う会社が制作した座頭市をご存知でしょうか?タイトル「ZVP」としてYouTube に載せられてました。ブラストはCGや特殊撮影からアミューズメントの制作まで行う日本の会社らしい。そのブラストが制作した座頭市が奇想天外!メイキング動画観ると、ほとんどの風景、特殊メイクはCGだけでやってますね。出演者は全員、知らない役者さんばかりです。下の画像が冒頭のシーン。よくある座頭市もののシーンと同じですね。ここから作品に登場する配役の紹介になるのですが、先ずはお城を後にするお姫さま。水戸黄門ぢゃあるまいし、なんでお供が町人姿?(笑)そして、いよいよ敵役の紹介。が、どれもユニークな忍者たち。なんで忍者の前に「特殊」がつくの?(笑)そして、こんなのも登場します。この謎のサムライが後半のメインキャストになる。先ずは、ひもじい座頭市がお姫さまから おむすび貰って恩義に感じるのですな。いきなり特殊忍者に襲われる一行。しかし、お姫さまは使い手らしい。間一髪で特殊忍者が放った手裏剣をかわすも、多勢に無勢。危機一髪!そこに座頭市が現れて、間一髪でお姫さま救出。いきなり画面が変わって、謎のサムライと対決する座頭市。しかし、座頭市の仕込み杖が真っ二つに切られてしまう。画面変わって、座頭市を見つめる謎のサムライの視線は...ひょっとして、これは...謎のサムライは...プレデターでした!とたんにタイトルが映し出されます。今や座頭市は仕込み杖から「スターウォーズ」でお馴染み「ライトセーバー」に持ち替えて...街道にはナゾのUFOが落ちてくるし...お姫さまは、「里見八犬伝」みたいにナゾの輝く玉を取り出し...かくして座頭市とプレデターの一騎打ちと云うストーリー。なんですか、コレは!?お話はかなり乱暴だけど、奇想天外すぎて、逆にオモロイ。しかし、原作者の子母澤寛家族や勝プロ、プレデター制作元20世紀フォックスの了解とりつけてるのかしら?なんかヤバそうなニオイしますね。
Nov 30, 2023
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「近い将来、AIやロボットによって働き方は大きく変わると云われ、それが現実になろうとしています。子どもたちが大人になるとき、どんな時代になっているでしょう。不安もありますが、未知は可能性ともとらえられます。必要なのは、新しい価値観、日々変化する世界と正面から向き合っていく寛容さ。子どもたちを支え、ともに歩んでいく社会を目指して」とAC JAPANのTV CM「白紙の未来」が放映されてますね。このCMを企画した新東通信の弁によると、「不寛容な時代」だこそ、立場や考え方の違いを受容し、多様な人々が共存していく社会をどう実現していくかをテーマにしたと。不寛容な時代とは、自分の主義・信条と合わない行動を取る他人を叩いたり批判したり、さらには人格否定まで行う人が増えた社会のことと定義づけられてます。特にSNSが普及してから、この問題が顕著ですね。しかし、このCMを何度観ても、そんな「不寛容」な時代を告発したCMに感じられない。むしろ私には、「近い将来、AIやロボットによって働き方は大きく変わる」の方が響いてきます。今の中国では「996」と呼ばれる過酷な労働(9時AM~9時PMまで週6日出勤)や就職難に嫌気さして、キャリアアップを拒否。お金や住宅費と引き換えに、親の年金目当てに両親の面倒を自宅で請け負う「専業子ども」が増えてるそうな。日本は中国より一歩先に少子高齢化の段階に入ってますが、中国の高齢化も深刻で、全人口に占める60歳以上の比率が2025年までに20%を越え、2035年にはこの比率が30%を越える超高齢化社会に突入する見通しなんですね。そんな高齢化社会で「専業子ども」が増えると云うことは、労働生産性がどんどん落ち、税収もガタ減りになるワケです。今の試算では、2040年からの20年間で、中国のGDPは20%以上減少すると云われてます。それは日本や中国だけの問題ではなく、21世紀の後半を迎えると、発展途上国も含めた世界規模の高齢化が急速に進展していくと予想されてます。こうした専業子どもの増加は、日本で云えば引きこもりなんかで正業に就かず、老齢化して親の年金をアテに生活する人々と問題は一緒ですが、はたしてこれから先の世界はど~なっていくのでしょう。AI生成の映画がどんどん発達してきて、そのため俳優の権利が損なわれてると全米の俳優組合が118日間のストをしたのはつい先日のことでした。結局、制作側と暫定合意してスト終結になりましたが、俳優の渡辺謙が先日TVの報道番組で、はたしてこれで解決になるのか?と疑問を呈していました。なぜなら、今の若い世代はCGやアニメに慣れすぎて、それでいいと云う感覚が大勢を占めてるから。そうでなくても、主演級の俳優は演技しても、その他大勢の群衆はCGで作られるなんて、昔から行われてました。私はAIと云えども、しょせん人がプログラミングして初めて成り立つものですから、映画「ターミネーター」や「マトリックス」の世界なんて絶対ないと信じてましたが、ど~も最近はその考え方が変わってきました。それは他のプログラムと違って、AIは自己学習すると云うこと。オンラインAI「ChatGTP」も試しましたが、今はまだまだ充分使用に足りる能力ではありません。しかし、もっともっとAIが学習していったら...いつかは、AIと人の垣根が取り払われるのでは?こんな事例があります。ジブラルタル国立博物館が所有してる5,400年前にジブラルタルに住んでいた新石器時代の女性の頭部からDNAを採取して、AIを使ってその顔を再現してしまったのです。これによって当初は中石器時代の狩猟採集者と思われてたものが、遺伝子の90%がアナトリア(現代のトルコ)出身だと分かったのです。もしAIとロボット技術が究極まで発達したら...生産に関わることはすべて機械まかせで良いと云うことになります。そうすると人間はすべて働かなくていいと。つまり、先にあげた専業子ども問題なんて棚上げになるのです。今だって卑近な例ではファミレスの配膳をロボットがやったり、大型物流倉庫ではピッキングからトラックまでの運搬をコンピュータがやっている。こうした技術はまだまだ開発途上ですが、いつかは完成形が現れるのは歴史をみれば一目瞭然。その開発スピードはコスト対費用によって左右されるだけですから。現在、欧米で高給の採用が最も多い職種は以下の通りです。・ソフトウェアエンジニア・プロジェクトマネージャー・臨床心理士・システムエンジニア・歯医者・プログラムマネージャー・かかりつけ医・精神科医しかし既にプログラムの開発はAIの方がバグ(ソフトウェアのエラー)のないプログラム開発が可能になってます。つまり現在、時代の先端を走ってる職業が、あしたには用なしになることも。私が生きてる間に、こんな夢のような世界は不可能ですが、いつか人は労働をしなくていい時代が。しかし...がつきます。こんな世界に到達する前に絶対、雇用主と労働者との間で軋轢が生じる。なぜなら世界が生まれ変わるとき、まだ労働者の収入は保証されてないからです。それは先進国から低開発国へ燎原の火のように世界を覆い尽くすのでは?そして暴動がおこり、場合によっては戦争まで。ちょうど全米俳優組合のストどころぢゃない騒動に発展するのでは?CM「白紙の未来」からととんでもない話に展開しましたが、なんか技術の発達が純粋な人の営みを蝕んでいくような感じもします。18世紀後半、イギリスで起こった「産業革命」によって生産活動の中心が「農業」から「工業」へ移って、それによって富がもたらされたのと引き換えに空気汚染と云ういままで気にもしてなかった厄災に人は見舞われたように。
Nov 29, 2023
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映画「エイリアン」の第一作目は1979年公開でした。私はこの映画をなんとマレーシアのペナン島で観ました。もう何十回も訪れてたペナン島なので観光するとこも底ついたし、暇つぶしに入ったちっちゃな映画館で上映してたのがエイリアンだったのです。この作品で、エイリアンの卵から生まれたサソリのような生物(フェイスハガー)が宇宙船乗組員ヘルメットのシールドを溶かし、乗組員の顔に張り付いたシーンがでてきます。シュルレアリスムの巨匠デザイナーH.R.ギーガーがデザインしたエイリアンです。映画のキャッチコピーは「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」。この映画に登場したフェイスハガーに似た生き物が地球上に生息してるのご存知ですか?その姿はエイリアンそのもの。この奇怪なのはウミグモと呼ばれる世界中の海に生息する生き物なんですね。いろんな形状のがいて、確認されてるだけで1,300種類もいるらしい。体長8.5cm 、脚を広げると70cm もあるベニオオウミグモから、アウストロデクスウミグモと呼ばれる体長1mm 未満、脚を広げて2mm なんてちっちゃいのまでいます。クモと名付けられてるけど、クモの仲間ではありません。Creatures of the Deep | Sea Spiderウミグモの仲間は5億年前のカンブリア紀の土壌から採取された化石まで発見されてます。胴体はとにかく幅が狭くって、ほとんど脚の太さと変わりません。小さな胴体に対して脚は8本、まれに10本とか12本のも発見されてます。下の画像見ると、まさにエイリアンの子供フェイスハガーそっくりですね。違うのは、人間を襲ったりしないこと。ウミグモの獲物はイソギンチャクやカイメン、コケムシなど、柔らかい体の生き物です。こうした生き物に口を刺し込んで体液を吸収するらしいのですが、ほとんど食べることについて分かってません。逆に天敵もよく分からないのですね。魚やカニなどに襲われるのは目撃されていますが、食べられないで、すぐ放されてます。ウミグモの種類によっては、身体の一部が欠損しても、また再生しているのが確認されてます。とにかく胴体が限りなく細いので、役目としては手足を曲げたり動かしたりするためのジョイント機能しかありません。呼吸器も消化器も生殖に関する器官まで、全部 脚にあるのです。エラや肺はありません。脚にある数百の小さな穴から体全体を動かすのに充分な量の酸素を取り込んでいる、つまり息は脚でしてるってこと。雄の精巣、雌の卵巣も脚にあります。ウミグモは世界中の深海と浅海のほとんど全ての海洋生息地にいます。ところが、その生態はほとんど知られてないのですね。どっちにしても、なんとも不思議な生き物です。
Nov 28, 2023
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私は久しくツアーでの海外旅行をしていません。最後のツアーで行ったのは何十年前かの香港旅行のときで、このときは家族同伴だったのでJTBのツアーに申し込みましたが、何から何までツアースケジュールに縛られるのがイヤで、このときも途中でツアーとは別行動になりましたね。アメリカはツアーでなく個人旅行です。近年は東南アジアしか行けなくなりましたが、ベトナムのホーチミンを除いて全部ひとり旅です。ホーチミンに行ったときはヨメ同行でしたが、ヨメは2回目のホーチミン行き。なんですが、1回目は一緒に行った友だちがベトナム到着と同時に熱中症になって、3泊のベトナム行きが3日間とも友だちの介護でホテルから一歩も出れずじまい。その友だちと云うのは過去に何十回も韓国旅行してたけど、娘さんの旦那がお金持ちで、いつもCクラスの飛行機で、娘さんも同行。韓国に頻繁に行ってたのに、韓国語を全く理解しないし、しようともしない人でしたから、どだい海外旅行に不向きだったんですね。以前にもこのブログで海外旅行の注意点を述べましたが、ツアーで行った香港旅行では、同行してた新婚カップルが到着早々の昼食会場に行くエレベータ内でスリにパスポートから現金、トラベラーズチェックまで根こそぎ盗まれる事態に。しかもご丁寧にトラベラーズチェックには確認用のサイン欄にまで事前サインしてたので、トラベラーズチェックの安全性が全部パァ~です。エレベータに乗る前に、現地ガイドからスリに注意するよう云われてたのに、まったく無防備だったらしい。今だったら最低限、ネットでその国の危険情報検索してから行かれるでしょうが、まだネットも普及してなかった時代です。今では海外に行くと、クレジットカード決済とか、ほとんどはスマ決済が主ですね。最近、台湾に行かれたブログのお友だちdanmama313さんの情報では、同じクレジットカードでもICチップの入ってないカードは使えるとこが少ないとか。要するにタッチ決済ができるカードが必要なんですね。スマ決済は海外ではもっと厄介ですが、これがないと買い物も飲食もできない国が多いです。PayPay はダメですよ~訪日中国人は中国のアリババが展開する決済アプリ「Alipay(アリペイ)」がPayPay と提携しているので、PayPay 加盟店でAlipayを使うことができますが、逆の中国ではPayPay は使え無さそう。と、云うかPayPayに限らず、日本のQRコード決済サービスはどれも海外で使うことはできないんです。イチバン簡単なのは「ApplePay」を使うことです。現在、50以上の国と地域で利用が可能です。ApplePay だったら、クレジットカードとしても、電子マネーとしても使うことができます。ただしiPhone を所有してるのが前提ですね。さきほど述べました中国のAlipay、全世界で10億人を超えるユーザーがいるらしい。外国人であっても、「Alipay Tour Pass」というサービスで、中国に口座がなくても利用できるようになってるらしい。とは云っても、私は絶対に中国の決済サービスなんて使いたくないですけどね。世界でもっともキャッシュレス化が進んでるのが韓国です。なんとキャッシュレス普及率は96.4%!この国では「ZeroPay」や「Samsung Pay」「KakaoPay」などがあります。その他の国でもキャッシュレス決済が日本より普及してる国がほとんどです。しかしキリがないので、海外旅行される方はご自分で調べてください。どっちにしても、ガラケーしか持ってない方は完全に圏外の時代です。ぢゃあ現金は全く持たないでいいのかと云うと、それはダメですね。海外の通信事情が日本並みにいいとは限らないし、第一スマホ決済だけに頼ってたら、万一スマホ落としたり盗まれたら万事休す。10年間ひとり旅続けたニコール・ジョーダンと云う女性がFBで述べてますが、財布に入れた現金とは別に200$(約3万円)を別のとこに入れて持ち歩いてると。これが大切なんです。万一財布を落としたり盗まれても、緊急の対処ができる。日本の青年がよくやる尻ポケッから飛び出したデカイ財布なんてのは論外ですね。私はシカゴで路地を曲がったら黒人に囲まれて、そのとき2つのポケットに別々に現金を分けて入れてて、どっちか渡してカンベンしてもらおうとしてたら、たまたまパトカーが通りかかって事なきを得た経験ありますが、とにかく現金は分散させることです。ニコール・ジョーダンの弁では、緊急用の現金は米ドルがいいと。これまでの旅行を通して、米ドルが最も両替しやすい通貨だからです(納得)。それとは別にジョーダンは旅行中、数千ドルの貯金を口座に用意してます。コロナのパンデミックと政情不安のせいで、高額な緊急避難航空券を利用しなければならなかったことがあるからですと。以前の私のブログで、カバンは必ず前にまわして、しかも手をそえて持つとか例え歩道を歩いてても、車道側にカバンを向けない(バイクによるひったくり防止のため)とか述べましたが、こんなことは何も東南アジアだけの話ではありません。一歩、日本を出たらどの国でもアタリマエの注意です。入ったカフェのテーブルにスマホ残したままトイレに行くなんてアホの極みですね。ころが前述のニコール・ジョーダンはもっと切実な注意喚起してます。だからこそ、10年も女性一人旅で事故もなく海外を巡れたのですね。ジョーダン曰く、親しい友人や家族に旅行の計画を事前に話し、自分がどこに居るか折に触れて連絡するのですね。日本でも海外からひとりで旅行してきた外国人女性が行方不明になって、その後遺体で発見されたなんて報道がありましたが、これをしておけば最低限の動向は家族もつかめる。そして現地人であっても、同じ旅行者であっても、見知らぬ人に一人で旅行していることを決して云わないと。誰かがスケジュールを尋ねてきたら、友人と会うつもりと話をでっちあげるのですね。私の経験でも特に日本語で話しかけてくる現地人でロクなヤツは居ませんでした。ジョーダンは続けて、旅行前にGoogle MapやApple Mapなどのオフラインマップをダウンロードておくと。国よっては通信機能が貧弱で、常にネットアクセスが可能とは限らないからです。それでオフラインでアクセスできるよう、地図をダウンロードしておくのですね。そして道に迷ったときは、道路でスマホや地図を取り出さないとも。そうした行為は「あぁ、この人は旅行者だなとフラグを立てられる」からです 。自分と全く違う人種の国に行っても、現地在住の外国人を装うのですね。特にiPhone は絶対道端で取り出して眺めたりしてはダメですよ~後進国ではiPhone =お金持ちのサインですから。とにかく、こんなときは最寄りのカフェとかレストラン、ホテルのロビーや安全そうな場所に入ってから、携帯電話を取り出して確認することです。そして歩き回るときは自信を持って見えるように努めているとジョーダンは述べていますたとえ馴染みのない場所であっても、自信を持って見えるようにし、自己主張をするように努めますと。「私は顎を上げて頭を高く保ちます」「私は一定のペースで歩きます」「私は誰とでも目を合わせるのを恐れません」と。道に迷ったり混乱しているように見える場合は、その地域の出身でないことが一目瞭然なので、とにかく自信をもって行動(してるように見せかける)ことが重要なんですね。ジョーダンはこう締めくくります。「旅行中は自身の安全が最も重要です。何かがおかしいと感じたら、おそらくそうなのでしょう」「不快な場合は、その状況からできるだけ早くスムーズに抜け出すためにできる限りのことをします。また自宅の友人や家族に最新情報を伝えます」と。要するに決定的なのは自分の直感だと。ジョーダンほどの注意してても、それでも、あぁ~この人は旅行者だなと現地の人は見抜くのがほとんどです。日本に来ている外国人だって、旅行者か在日者か分かるように。それでも、これくらいの注意は最低限しておいて、それで楽しい旅ができると云うものです。キレイに着飾ってキョロキョロ上の空で旅行する日本の若い女性はジョーダンの注意に耳を傾けるべきですね。
Nov 27, 2023
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キリンはウシなんかと同じ反芻動物ですね。キリンは開けたサバンナ(まばらな草原地帯)にいますが、鬱蒼とした熱帯雨林にしかいないキリン科の生き物がいます。それは「オカピ」。具体的に云うとアフリカのコンゴにしかいない生き物です。このオカピ、コンゴでは保護対象になってる絶滅の危機にたたされてる生き物です。森林伐採や宅地開発による生息地の破壊の他に、食用や皮革などの密猟でどんどん生息数が減少しているのです。日本でオカピを見れる動物園は横浜の「ズーラシア」と「横浜市立金沢動物園」、そして「上野動物園」の3箇所しかありません。ズーラシアが日本における飼育の起源で、ここでは1997年から展示していて、4頭の繁殖にも成功しています。日本のオカピ最高齢更新中なのが金沢動物園の"キィァンガ"。この子はズーラシアで日本初に展示された子で、2012年に金沢動物園に移動してきました。上野動物園の"トト"は、ズーラシアで生まれた子で、金沢動物園経由で上野動物園にやってきました。現在、世界22箇所の動物園で42頭が飼育されているそうですが、オカピの繁殖に世界で初めて成功したのはドイツのフランクフルト動物園です。下の画像はコンゴ国内最大の国立公園「サロンガ国立公園」のオカピ。サロンガ国立公園は、アフリカの国立公園の中でも第2位の規模を誇り、最大の熱帯原生林が保存されてます。オカピの最大の特徴は、キリンと同じ長い舌です。オカピの舌の長さは35cm ~45cm に達することがあり、その長い舌は耳まで届くそうです。オカピのご飯は100種以上の植物です。彼らは、唯一の下層の葉に依存する森林有蹄類なんですね。有蹄類が森林の木の葉なんかを食べるために森林が荒れるってのが定説ですが、逆に下層の葉を食べることで、枝や葉っぱをつける木と下草との栄養塩をめぐる競争の緩和や、糞尿が土壌に栄養塩を供給することから、森林に対して良い影響を与えてる面もあります。オカピってのは体重200kg ~300kg にもなって、尻と四肢に白っぽい横縞が入ってます。ちょっと見ると、身体の形やシマウマ模様からシマウマの仲間だと勘違いされることが多いですが、キリンと同じように2つに分かれた蹄を持っています。対するシマウマは蹄が1つしかありません。また頭には毛皮に覆われた2本の角があるのもキリンと同じですね。オカピの妊娠は14~16ヶ月も続き、それで生まれてくるのは1頭だけ。親子はヒョウを避けるため、生まれてから6~9週間は同じ場所で過ごします。鬱蒼とした熱帯雨林での生活ですから、子供と連絡を取り合うため、メスのオカピは人間には聞こえない約14ヘルツの超低周波の鳴き声を出します。実は、オカピの方がキリンの先祖に近い生き物なんですね。森林で暮らしていたオカピの仲間から草原に適応したものが現れ、現在のキリンに進化したと考えられてます。Okapi Calf Mosi
Nov 26, 2023
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インド洋にある島国モーリシャスってのは風光明媚なとこですね。ビーチやラグーン、サンゴ礁で知られているけど、内陸部の山には熱帯雨林や滝がたくさんあって理想的なリゾートのひとつ。治安もスリやひったくりと云った犯罪が散発されてますが、凶悪犯罪は少なく、周辺諸国と比べると治安状況は良いとされています。モーリシャスはイギリス連邦の1つで、インド洋にあるのに、国際的にはアフリカ国家の1つに数えられてるんですね。この海域に島々が点在していることは、10世紀以前からアラブ人航海者に知られていました。15世紀にはインド系とインドネシア・マレー系がやって来てます。ヨーロッパ系としては、1505年にポルトガル人が初めて到達しました。ここからはお馴染みの西洋人による植民地政策が始まります。先ず、1638年にオランダがインド航路の補給地として植民を開始しました。しかし植民地経営は上手くゆかず、1710年にオランダは撤退しました。そしたらお次はフランスです。で、首都のポートルイス建設や開発を行ってモーリシャスの基盤を作ったのです。このときにもアフリカから多くの奴隷が連れてこられてます。1810年にはイギリスに占領され、4年後にはイギリス領になってます。1835年にイギリス議会で奴隷解放が可決され、農園などで働いてた奴隷たちは自由を得ました。ところが奴隷解放によって労働力が不足してしまったのですね。それで、補充のためにインドからの移民が開始されました。そうしてインド人はモーリシャスで最も多い民族となっていったのです。1968年になって英連邦王国として独立を達成。シウサガル・ラングーラムが首相に就任しました。そうして徐々に繊維産業や観光業の発展で経済成長を実現したのです。そう云うワケで、モーリシャスは奴隷と移民で構成された典型的な多民族国家です。インド系が68%、アフリカ系と白人の混血クレオールが27%、中国系が3%、フランス系が2%なんですね。そう云うことで、島の通りには寺院から教会、モスクが立ち並んでいます。 インド洋に面した国です。と~ぜんシーフードのメッカ。なんですが、土地独特の料理にもそそられるものが沢山あります。なにしろ多民族国家ですから、出てくる料理も千差万別。ただしが付きますね。ほとんどは屋台やそれに類する飯屋料理なので、こう云うトコが受け付けない人は圏外。そう云う方は、ホテルのダイニングで食べるしか無いのは、どこの国に行っても同じこと。そんなモーリシャスの庶民料理を何点か。先ずはインド系が多いのでカレー料理を下の画像はクレオールカレーです。クレオールカレーはインドカレーと少し異なって、スパイスはそれほど強くきかせてません。ベースは玉ねぎ、にんにく、カレーリーフで作られています。しかしモーリシャスもモーリタニアに負けず劣らずタコの産地でもあります。で、タコカレーもモーリシャスではとてもポピュラー。私にはインド風より、こっちの方が食べやすそうな。同じ煮込み系では「ルガイユ」と云うクレオール料理がポピュラーです。ルガイユはトマトを使った料理です。それにニンニク、玉ねぎ、唐辛子、コリアンダーとタイムを加えたソースで煮込みます。このソースに牛肉や鶏肉、羊肉、シーフードなんかをぶちこんで煮てあるのですね。モーリシャスの典型的なインド料理に「ビリヤニ」ってのがあります。サフランライスと牛肉、鶏肉、マリネした魚なんかを「デグ」と呼ばれる大きな銅製の大釜で調理したものです。サフランライスはサフランの他に、クローブ、シナモン、砕いたカルダモン、スターアニス、クミン、などのスパイスで香り付けしてます。チリソースとタマリンドソースを添えて食べるのですね。「逆さ丼(Bol Renverser)」と云うのがあります。マダガスカルなんかでもポピューな料理で、クレオール語で「逆さまのボウル」が名前の由来とされてます。ボール状の器に、丼とは逆の順に肉や魚介類の具を入れ、その上に白飯かチャーハンを入れてから、ひっくり返してお皿に盛りつけたものです。さっきタコカレーをご紹介しましたが、カレーがあるならサラダもあります。こっちの方が馴染みやすそう。中華系モーリシャス人にポピュラーなのはお馴染みの焼きそば「マインフリット」ですね。広東語と客家語で麺「マイン」とフランスの揚げ物「フリット」を組み合わせたものです。 モーリシャスのはカボチャの葉やタロイモの葉など「ブレデ」を添えて提供されるそう。麺は黄色みおびてます。味付けは基本のナンプラーですが、ガーリックソースやチリソースを加えることもあります。モーリシャス風ギョーザは「ブーレット」。中国と同じ蒸しギョーザですね。モーリシャス人のソウルフードと云えば「ダルプリ」。ダール豆を煮てつぶし、丸い団子状にしたものを小麦粉の生地で包み、それをクレープ状に平たくして焼いたものです。数種のカレーを包んでいただきますが、1つでは物足りないので、常にペアで提供されます。モーリシャス料理の特徴は熱帯の食材と、多国籍の文化が融合したものですね。フランス文化、元アフリカ人奴隷、インド人労働者、19世紀にやって来た中国人移民の影響を受けてます。モーリシャス中国料理は、島中のレストランで最も普及している料理の1つです。
Nov 25, 2023
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若い方はご存知ないでしょうが、昔、白土三平と云う有名な劇画(漫画)家がいました。「忍者武芸帳 影丸伝」や「サスケ」「カムイ伝」など忍者物を扱った劇画でとても有名だった人です。貸本屋が全盛だった時代です。その白土三平が創刊した「ガロ」と云う雑誌があります。1964年のことです。ほとんど貸本屋でしか見れなかった漫画雑誌ですね。そのガロの執筆に白土三平が誘ったのが"つげ義春"。私がもっとも敬愛するマンガ家です。つげは、シュールな作品が多いですが、どの主人公も「旅」をしていますね。つげ義春の代表作「ねじ式」なんて、まったくの芸術作品を思わせます。その つげ作品に「山椒魚」と云うのがあります。つげは作家 井伏鱒二の「山椒魚」に感化されて、この作品を描いたと云ってますが、内容はまったく別物です。「俺がどうしてこんな処に棲むようになったのかわからないんだ」と、いつごろからか下水道に棲み付いた山椒魚の独り言で物語が進行する内容。ろくな食べ物もなく、犬や猫の死骸の流れ込む下水に最初は不快感を感じていた山椒魚でしたが、しだいにヌルヌルした汚水の環境に快感さえ覚えていくのですね。体も3倍くらい大きくなり、いつの間にか全く別の生き物に生まれ変わったような感覚を覚える。下水が自分の住処だと思えるようになり、誰にも邪魔されずに自由を満喫できるようになっていくのです。毎日、上流から見慣れないものが流れてきて、退屈することがない。そんな山椒魚の前に、ある日、見たこともない"物"が流れてくるのです。("物"の正体は伏せておきます)正体不明で3日間も考え込む山椒魚。結局、ど~しても分からず、腹を立てて頭突きを2、3発くらわします。そして、「明日はどんなものが流れてくるか それを思うと俺は愉しくてしようがないんだ」と云うストーリー。最大で全長150cm まで育つオオサンショウウオは、日本固有の両生類です。「ハンザキ」と云う別名がありますが、アレは「口を大きく開けた様子が体が半分に裂けたように見える」とか「体を半分に裂いても生きていられるほど生命力があるため」とする説など様々です。昔は食用にしてる土地もありました。今は国の天然記念物ですから、食べてはダメですよ~こんな大きなオオサンショウウオですが、卵は直径5mm ~8mm くらいしかなく、黄色いのが特徴です。オオサンショウウオは夜行性で、昼間は水辺に掘った巣穴などで休んでます。顔に似合わず、案外 獰猛で、魚やサワガニなどを食べるほか、ヘビやカワネズミを食べた例もあるそうです。ときには、共食いすることも...オオサンショウウオってのは普段じっとしてますが、食事どきになると大きな口で広範に水流を作り、餌を口の中に吸い込んでいきます。餌を口で直接捉えるのではなく、自分の方に吸い寄せてあっという間に飲み込んでいくそうです。オオサンショウウオは、触覚や嗅覚で餌の存在を感じ取り、強力な吸引力で獲物を捕らえるのですね。オオサンショウウオの食事シーン 京都水族館日本のオオサンショウウオよりさらに大きいのは、オオサンショウウオの近縁種である中国の「ワワユ(赤ちゃん魚)」です。全長180cm 、体重30kg にもなるこの巨大なサンショウウオは、水から引き上げるときに鳴く声から、中国では「赤ちゃん魚」と呼ばれてるのです。しかしワワユは、生息地の破壊から汚染、気候変動、乱獲、病気まで多岐にわたる危機に遭遇しており、絶滅危惧種に指定されてます。
Nov 24, 2023
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1958年と云えば昭和33年、日清食品が世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を発売した年です。この年にスカンジナビア航空が主催した「世界早回り」に挑戦した日本人がいました。女性です。名前は"兼高かおる"。そして彼女は当時、世界最速の73時間9分35秒の新記録を樹立してしまったのです。これがTBSで1990年まで30年10ヶ月もの長期にわたり放映された紀行番組「兼高かおる世界の旅」の始まりでした。兼高は初めて南極点に立った一般女性の1人でもあります。この兼高の世界一周よりはるかに昔、1873年に出版された世界一周の冒険小説がありますね。作者はジュール・ヴェルヌ、小説のタイトルは「八十日間世界一周」。後期ビクトリア朝にイギリス人資産家フィリアス・フォッグが執事のジャン・パスパルトゥーを従えて、世界を80日間で一周しようと試みる物語です。当時はトーマス・クック主催による世界一周ツアーの第1回目が行われている最中であり、ヴェルヌはこれに刺激されて小説を書いたそうです。1909年になって、やっと世界初の航空会社DELAGがドイツに設立され、ツェッペリン飛行船の運航を開始しました。ライト兄弟の「ライトフライヤー号」による世界初の有人飛行が行われたのが1903年。なので「八十日間世界一周」が書かれたときに航空会社はなく、物語では船、自動車、機関車、気球などを駆使しての世界一周でした。最初の定期商業航空会社がアメリカにできたのは1914年の「セントピーターズバーグ - タンパ・エアボート・ライン」まで待たなければなりません。1919年にはBA(英国航空)の前身となる「ハンドリー・ページ・トランスポート」がイギリスで創設されました。この航空会社が世界初の機内食を提供した会社で、サンドイッチとフルーツがサービスされました。と、云うワケで、航空会社もない1889年に世界一周を80日間でやろうとした女性がいました。"ネリー・ブライ"、新聞記者です。彼女は勤めていた新聞社「ニューヨーク・ワールド」のために世界一周を試みたのです。なんと彼女は世界一周の旅を72日間で成し遂げてみせました。途中フランス滞在時に「八十日間世界一周」の作者ヴェルヌの自宅を訪れています。ネリー・ブライは、彼女が記事を書くときに使ってたペンネームで、本名はエリザベス・ジェーン・コクランと云います。彼女が幼いころ父親が亡くなり、母親が再婚した相手は大酒飲みな上に家庭内暴力をふるうダメ男でした。それで離婚に至ったのですが、離婚後に母親とブライは工業都市ピッツバーグへ移り住んだのですね。この地でブライは厨房の手伝いから、家政婦、家庭教師などで家計を助け続けました。ピッツバーグは新聞産業も盛んで、複数の日刊紙が発行されていたのですが、そのうちの「ピッツバーグ・ディスパッチ」に掲載されてた社説にある日こんなことが記されてたのです。「一部の女性の間で職業に就く動きがあることは嘆かわしい、これによって女性が家庭から離れることは女性の使命を忘れさせて社会組織を破壊することだ、女性の本分は家庭である」と。それを読んだブライは、編集長あてに「女性も男性と同じだけの知性も能力もあること、アメリカでは市民の持つ才能を求めていること、女性もこの世界において進出し正しい地位を獲得すべきである」と手紙を書いたのですね。それを読んだ編集長は、ディスパッチ紙に新しい風をおこすのでは?と面会を求めたのです。ブライは会社を訪れ編集長と対面しました。そうしてブライは正社員となり、女性記者の生活をスタートさせました。1885年のことです。ブライの名を世間に知らしめたのは世界一周旅行よりずっと前からおこなってた「潜入取材」においてです。当時、ジャーナリストが潜入取材をするのは男性記者でもやってませんでした。彼女こそ潜入取材の開拓者だったのですね。彼女が最初に潜入取材を行ったのは、ニューヨークのイースト川ブラックウェル島(現在のルーズベルト島)にあるニューヨーク市立精神病院への潜入です。このころ彼女は「ニューヨーク・ワールド」紙に職を得てました。ニューヨーク・ワールド紙の編集長が「精神を病んだふりをしてニューヨーク市立精神病院に入院し、女性病棟の現状を暴露する記事を書く」よう命じたのです。「どうやって退院させてくれるのですか?」編集長は「まずは中に入ることだ」。ブライは「ネリー・ブラウン」という名のキューバ系移民を装って市内の宿泊所を訪れ、所内をさまよい歩き、暴言を吐き、奇声を発しました。当時、貧困と疲労によって精神を病むキューバからの女性移民がおり、その結果、キューバの女性は精神を病みやすいという噂が流れていたからです。警察が呼ばれ、医師は彼女を「精神障害者」と認定。裁判官は彼女をベルビュー病院の精神科病棟に入院させ、最初の診断が確定したところでブラックウェル島の病棟に移したのです。ブライはすぐに、この病院が精神疾患をもつ女性だけでなく、健康な女性も収容されていることに気づきました。アメリカに来たばかりで英語ができなくて意思疎通ができない移民の女性や、単に貧しくて身寄りがないという理由で収容されてる女性もいました。かつ1,000人が収容できるこの病院には、1,600人もの患者が収容されていたのですが、医師はわずか16人、そして訓練されていない粗暴なスタッフしか居ませんでした。朝は全員で散歩、その後は部屋で一日中座った状態で過ごさせ、他の人と話したり姿勢を変えたりすることは許されませんでした。食事は満足に与えられず、看護師による患者への折檻が絶えなかった。週に一度水風呂に入り、そこでは頭から冷水をバケツでかけられたのです。さらに悪いことに、入院患者は病気でないことを証明する機会が与えられていなかったのです。「ここに収容された女性たちの状況を、犯罪者と比較してみてください。犯罪者には、無実を証明するための機会が与えられています」と彼女は書いています。10日後、新聞社の弁護士による交渉の結果、ブライは退院しました。1887年10月「ニューヨーク・ワールド」は彼女の体験談を2部構成で発表したのです。記事は世間に衝撃を与え、大陪審による調査が行われました。ブライも証言台に立ち、ブラックウェル島への視察にも同行しました。そうして精神病院の予算は増額され、患者の環境は改善されたのです。ブライの記事は全米に広がり、話題を呼んで、たちまち彼女を一躍スターに乗しあげました。この記事は後に「精神病院での10日間」と題して出版もされました。それ以来、ニューヨーク・ワールド紙は彼女を表看板に、乳児の人身販売や低賃金で箱工場で働く女性労働者など次々に暴露記事を載せるようになって、読者を増やしていったのです。ブライが世界一周をはたしたら、たちまち時の人となり、作家ジュール・ヴェルヌも祝福の言葉を送りました。ブライの名を冠した競走馬や列車、ミュージカルの曲ができれば、グッズも登場し、ネリー・ブライ帽子、ネリー・ブライドレス、ネリー・ブライノートなどが販売されました。中でもルーレットを回してブライの旅程に沿ってコマを進めるボードゲーム「ネリー・ブライと世界一周」が大人気になったのです。1890年ニューヨークの住居を引き払って、ホワイトプレインズの農家を借りて母と住むようになりました。世界一周旅行から1年で人気は影を潜めました。そして1922年、肺炎にかかって病院に運ばれ、57歳で死去したのです。彼女の死から数十年の間に、ジャーナリズムと報道は大きく様変わりしました。ブライの粘り強さと先駆性が、ニュースとそれを報道する人々に新たなフロンティアを切り開いたのですね。
Nov 23, 2023
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今日は、先ずこの動画から。女性がオオカミに襲われてる!ではなくて、ノルウェーのポーラパーク(北極圏野生生物保護センター)で2年間、野生のオオカミを世話してきたアニタと云う女性が、数ヶ月この地を離れ、再び戻ってきた時のオオカミたちの喜びを撮影したものです。Reunion between Anita and the wolvesオオカミと云うと、童話「赤ずきん」で人を襲うイメージ強いですが、正しい接し方をしていれば、狂犬病なんかに感染してない限り襲われることはないらしい。オオカミたちはアニタのことを忘れること無く、「どこ行ってんだよ~」みたいに再会を喜んでます。ご家庭で同居してるワンちゃんと一緒ですね。動画のポーラパークは、ノルウェーの北部、トロムソと云う都市にあります。トロムソはノルウェーお馴染みの水産業の街であるとともに学術都市でもあって、白夜やオーロラを体験できる観光地でもあります。ポーラーパークはノルウェー北部にある動物公園で、世界最北の動物公園でもあります。ここでは公園内の動物を囲む豊かな自然環境を保護し続け、動物あたりの面積比が世界最大の場所の1つなんですね。ここには、夏にキャンプをしたり、田舎のゲストロッジに滞在したりするために、宿泊施設がたくさん有るらしい。しかし訪れるのに最適なのは冬だと。冬は気温が低いため、厚い毛皮に覆われた極地の動物たちはより活発になるからです。「ただし」がつきます。クマは冬眠するので、クマに会いたい人は冬季を避けてくださいだって(笑)とにかくノルウェーの北極圏に入ったとこですからね。冬にポーラーパーク行くには、生半可な服装ではダメでしょう。とくに雪が深そうだから、履く靴は保温と防水のしっかりしたものでないと。ここのウリはズバリ、野生のオオカミです。無料ガイド付きツアーがあるので、恐れることはなさそうな。このパークでイチバンのウリはキャンプツアーですね。飼育員の誘導でオオカミと共に夜空を彩るオーロラを見ることができるのです。オーロラに向かって吠えるオオカミたちの遠吠えを聞きながら...
Nov 22, 2023
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米ABCニュースによると、バイデン大統領との会談でサンフに行った習近平を歓迎するために約1,000人もの中国人が参集しましたが、そのほとんどは中国からの参加者(連れてきた?)だったとか。加えて、アメリカに住んでる中国人に歓迎する(そぶり)見せるために、中国政府から1人あたり200$支払われたと。バカぢゃないの。プーチンや北朝鮮の金正恩なんかは、同様のことを国内でおこなってるけど、習近平は海外に出てまで。国内向けのマスコミ報道を意識してのことなんでしょうが、こんなアホやってもどっちみちスッパ抜かれるのに。話し変わってきょうは金星(ビーナス)の話題。「水金地火木土天海」と地球よりひとつ太陽に近い金星。主に岩石や金属などで構成されてる地球型惑星で、太陽系内で大きさと平均密度がもっとも地球に似た惑星なんですね。そのため「地球の姉妹惑星」とも呼ばれてます。しかし、温暖化でだんだんキビシイ環境になってきたと云えども太陽から理想的な距離を保ってる地球と違って、太陽に近い分、金星の環境はすさまじく劣悪です。金星の大気はほとんどが二酸化炭素で、それによる温室効果のせいで平均気温は460℃もあります。二酸化炭素の雲からは酸性雨が降り、その大気全体がものすごい速さで金星の周りを回ってるのです。金星の雲の下では、時速約700km もの突風が吹くことがあります。金星には2つの顔があります。「昼側」と「夜側」です。昼側は、望遠鏡で覗いたときに光って見える部分のことです。昼側に対して、欠けて見えるところが夜側で、月の満ち欠けと同じ理屈なんですな。金星は公転周期が約225日、自転周期が約243日と、自転周期のほうが長くなっています。また、自転の方向が他の7つの惑星とは反対向きで、金星では太陽は西から昇り東に沈みます。なぜ金星だけこのような向きで自転しているのか解明されてません。実は、金星の夜側で酸素が観測されてるのです。とは云っても、私たちが生きるために吸う酸素とは異なって「原子状酸素(Atomic Oxygen:AO)」と云うものなんですな。私たちが吸っている酸素は、2つの酸素原子がくっついた「分子状酸素」すなわち「O2」ですね。一方、原子状酸素は酸素原子たった1つだけ(O)の状態で存在しています。なので、他の原子とすぐに反応してくっついてしまうため、あまり長持ちしないのです。地球では、原子状酸素は空の高いところ、高度200km ~600km の大気の主成分です。太陽の紫外線によりO2が分解される(光分解)からです。原子状酸素は、国際宇宙ステーション(ISS)や地球観測衛星が飛行する高度に存在するので、ロケットや人工衛星などで使用しているプラスチック材料が、原子状酸素と衝突することで表面が削られてしまう危険があります。同じようなことが、金星でも起きているのですね。太陽の光が二酸化炭素の大気に当たると、光分解によってCO2が原子状酸素と一酸化炭素にわかれ、さらに一酸化炭素も光分解されるのです。こうした原子が、太陽の光が当たらない夜側に流れていくと、再び結びついて二酸化炭素になり、そのプロセスで金星の夜側が光るのです。原子状酸素は金星の夜側では観測されているのですが、昼側ではまだ見つかっていませんでした。ところが、この度ドイツの天文学者によって、金星の昼側の大気に含まれる「原子状酸素」が世界で初めて観察されたのです。ドイツ航空宇宙センター(DLR)の物理学者ハインツ=ヴィルヘルム・ヒューバースらは、DLRとNASAが運用する成層圏赤外線天文台「SOFIA」で、金星昼側の酸素を探してました。SOFIAは飛行機に搭載され、地球の空から赤外線を観測する飛行天文台です。今回の観測では、3回のフライトによって、金星の昼・夜側とその境目(明暗境界線)の計17カ所のデータが集められました。すると、17カ所すべてで原子状酸素が検出されたのです。原子状酸素がもっとも濃かったのは、地表から100km の高さでした。金星の大気には、2つの大きな循環があります。1つは高度70km 以下のもの。その高さの大気は、金星の自転とは逆方向に流れています。もう1つは、高度120km 以上のもので、太陽側(太陽直下点)からその反対側(太陽対蹠点)へ向けた流れです。原子状酸素が一番濃いのは、この2つの大気循環パターンの間と云うことだったそうです。
Nov 21, 2023
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アメリカのマサチューセッツ州に小さな島ナンタケット島があります。淡路島の1/4弱しかないちっぽけな島です。位置は日本の津軽半島あたりと同じです。この島でイチバン寒いのは1月で、最低気温を記録したのは1968年1月8日の-11℃でした。このナンタケット島で海の表面がシャーベット状のフローズンドリンクのようになったスラーピーウェイブ(Slurpee Wave)が撮影されました。スラーピーウェイブと云うのは、海面だけが凍り、海面下の海水は凍らない現象です。これは淡水が凍る凝固点が0℃、塩水の凝固点は-2℃と云う違いによって発生します。なので、なかなか海水温では凍りにくいのですが、塩水は凝固点に近づくと濃くなり、薄くなってきた淡水に近い水が海面の上部へと向かいます。そこに氷点下の外気に冷やされるとシャーベット状になるのですね。地球温暖化が叫ばれて久しいですが、やっぱ寒いところは寒い!地球上でもっとも寒い地域は南極東部南極高原です。衛星データによると、気温は約-94℃にもなります。しかも、その地域は乾燥してるので体感温度はもっと低くなるらしい。かつてマッキンリー山として知られていたデナリは、海抜6,000m を超える北米最高峰です。1950年~1969年に観測されたのでは、気温が約-73℃に達しましたが、風による寒さは-83.4だったそうです。人が住む町でもっとも寒いのはロシアのシベリアにあるヤクーツクです。この町は永久凍土の上に作られてます。冬は川が凍って道路として使用できるほど酷寒ですが、1891年には気温が-64.4℃まで下がりました。冷蔵倉庫の保管温度は温度別に7つの階級に分けられていて、最も低いものはF4級の-50℃以下ですから、ヤクーツクは まさに最低温度の冷凍倉庫の中よりもっと寒いと云うワケです寒さによる自然現象にはもっとあります。それが「ブリニクル(Brinicle)」。ブライニクルは、1960年代に初観測された自然現象の一種です。ブライニクルは海中に0℃以下の塩水が流れ込んだ時にできると云われてます。ブライニクルは、主に南極海で観測される現象です。さきほど述べたように海面の氷は2つの成分で構成されてます。凍結するときに水から塩の大部分が除去され、氷の結晶自体は比較的純粋な水のままになります。しかし、これは逆に云えば周辺はその分塩分が濃くなると云うことです。と云うことは、周辺の海水が凍結するにははるかに低い温度が必要なため、残った塩水は液体のままなんですね。その濃い塩水が急速な外気の温度低下で氷の割れ間から海中に流れ込む現象がブライニクルです。塩分濃度が濃いので比重が重く、どんどん沈んでいくのですが、そのときに触れた周りの海水を凍らせながら落ちていくのですね。ブライニクルは通常の海水より密度が高く、私たちが知ってる「つらら」よりはるかに速い速度で成長していきます。そのため、ブライニクルに触れた生き物も瞬時に凍りつき死んでしまいます。こんなことからブライニクルは「死のつらら」とも呼ばれているのです。ブライニクル現象は関係者間では周知の事実でしたが、映像として撮影がなかなかできませんでした。それが、このほどBBCの撮影班によって南極のロス島海で世界で初めて撮影されました。撮影時、海中流れ込んできた塩水は-1.9℃、海面上の温度は-20.0℃だったそうです。BBCの撮影班はこの凍てつく海水の中で5~6時間も耐えながら撮影を続けたそうです。Ice Finger of Death Caught on Camera for First Time Freezes Everything In Its Path
Nov 20, 2023
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ずっと以前に、「未来世紀ブラジル(原題ブラジル)」と云う映画を観ました。監督はブルース・ウィリス主演の傑作映画「12モンキーズ」のテリー・ギリアムです。20世紀のどこかの国の物語。統制的な全体主義政府が運営する巨大組織、情報省により国民は厳しく統制され、町では爆弾テロが頻発していました。そんな中で、情報省に勤める主人公サムは、翼の生えたナイトの格好で囚われの美女を助け出すと云う、ヘンな夢を見てはまた見て。サムは機密情報持ち出し、サボタージュ、省用車の無断使用などにより、テロリストとして追われる身に。そうしてサムはテロリスト容疑者のタトルの助けを借りて、自分自身と周囲の無実の人々の命を救い、政府の支配の手から逃れようとします。しかし情報省によって捕らえられ、頭(脳)を手術され廃人となって最後を迎える。しかし、サム自身の頭の中では幸せな情景が永遠と流れていくのですね。なんとも絶望的な映画です。映画に描かれた政府の全体主義的な官僚政治は、ジョージ・オーウェルの小説「1984」にインスパイアされています。ジョージ・オーウェルの「1984」は、1949年(昭和24年)に書かれたものです。今から70年以上も前に書かれた作品ですが、「ビッグデータ」の概念が導入され、データを使った監視がすさまじいものになってる点で、現在の中国やロシアの政治そのものを表してます。1949年と云うのはNATOが発足し、中国共産党の人民解放軍が中華民国の首都 南京を制圧した年です。1955年にはNATOに対抗して、ソ連のスターリン肝いりでワルシャワ条約機構が発足しました。現在、完全な民主主義国家数は24カ国しかありません。ソ連崩壊後の現在では、社会主義国を自称する国は中国、北朝鮮、ベトナム、ラオス、キューバの5カ国のみです。しかし国際社会を大きく「民主主義」対「独裁」の構図で見た場合、人口の合計は23億人対55.6億人となり、世界の多くの人が「独裁」側に住んでいると云うことになります。また、民主国家でも政治に懐疑心をもってる国民は非常に多いです。ジョージ・オーウェルの「1984年」の世界では、「ビッグ・ブラザーがいつもあなたを見ている」と云う全体主義の政府が常に国民を監視して、国民の自由を制限するだけでなく、リーダーであるビッグ・ブラザーに対する感情を操作し思い通りに操っているのですね。そのため疑問や質問、反乱を止めるために、自由な活動や文学、芸術は禁止され、歴史書や辞書は都合のいいように書き換えられているのです。「1984」は、まさに1984年にイギリスで映画化されてます。主演のスミス役は名優ジョン・ハート。監督はBBCでドキュメンタリー・フィルムも制作してきたマイケル・ラドフォード。1984年、世界は3つの国に分かれていました。舞台となるオセアニアの国民は、思想、言語、結婚などあらゆる市民生活に統制が加えられ、思想警察によって全ての行動が監視されてる社会。真理省役人のウィンストン・スミス(ジョン・ハート)は、日々歴史記録を政府に都合いいように改竄(かいざん)する作業に携わってました。しかし、いつしか体制に対する疑問を持ち、禁じられている日記を密かにつけ始めると云うのが冒頭のシーンです。この作品では、オセアニア国家特有の敬礼が表現されてます。腕を上げ、手首を小さくV字に交差させるもので、ナチス式敬礼を容易に思い起こすものです。全体主義国家としての強烈な印象を刻み込むシーンなんですね。国民でさえも国家のプロパガンダに騙されて、熱狂的に政府を支持する。まさに現在の全体主義国家となんら変わりがないのです。そして民主国家においても、トランプ支持層のように狂信的な人種が...そんな国で批判的な行動をとったら、それが例え人知れずであっても、いたるとところに監視の目が張り巡らされてる国でとったら...末路はおのずと知れてます。拷問にかけられ、脳をイジクリまわされ、廃人となっていくのです。この映画の公開から今日まで、ソ連共産主義の崩壊、そしてプーチンや習近平、トランプの台頭を目の当たりにしてきました。ウクライナへの侵攻、香港民主住民に対する弾圧、トランプの支持者による議事堂占拠、そしてイスラム国を始めとするシリアやイランでの人権侵害。もっと以前には中国での天安門事件やチベット仏教への弾圧、新疆ウイグル自治区でのウイグル族大量虐殺、北朝鮮の300万人以上と云われる国民の餓死、脱北を初めとする各種の圧政・人権侵害、そして日本人や韓国人の拉致と、みんな一部の政権中枢者による犯罪行為です。にも関わらず、国際的には全体主義国家が根強くと云うよりも、増え続けてる。アフリカ諸国では内戦や民族紛争に始まって干ばつ、飢餓などで自国を出て難民となる人々が後をたたない。コンゴ、南スーダン、中央アフリカ、ブルンジとアフリカ問題は枚挙にいとまがない。これも全部、為政者の問題です。ファシズムやナチズム、中央集権、大勢順応主義が日に日に強まってるのですね。
Nov 19, 2023
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いよいよ本格的な冬のシーズン到来で鍋物が恋しい季節になりましたね。鍋と云えば、カニすきにすきに カニちり、カニしゃぶとカニの出番が増える。私は焼きガニがイチバン好きです。で、鍋のカニと云えばタラバと相場が決まってますが、アレはカニではないことはご存知の通り。普通のカニの足は10本だけど、タラバは8本しか無い。アレはヤドカリの仲間ですね。カニはクモや昆虫などと同じ節足動物ですね。全部で10本ある足のうち、2本はハサミですから、歩くのに使う足は8本。胴体は横に長い四角形で、その体の横に足が並んでいますね。しかも足と足の間隔が非常に近い。なので、あの太さと長さを持った足ですから、前に歩こうとすると、足がぶつかって速く歩けません。横にならば、足と足の間に隙間ができるので、大股で速く歩くことができますね。カニはなぜ横歩きするのか?答えは簡単。敵に見つかって逃げるとき、素早く移動できるからです。足が体の両側についてるのに、前にしか歩くことができないのがエビのロブスターです。その代わりロブスターは敵に出会うと、素早く後ろに泳ぐことができます。と、カニは横歩きするのが最適にできてるのですが、最も速く動けるのは熱帯の海岸に生息するスナガニの仲間で夜行性のオバケガニ(ゴーストクラブ)です。カニの仲間でも横ではなく、まっすぐ前進するのもいます。鋭い足の先端を使って切り立った岩壁をよじ登る世界最大のカニ"タカアシガニ"です。駿河湾や土佐湾で捕れますが、水揚げして放置すると身が溶けて液体化してしまうため、産地以外ではあまり見かけませんね。同じ理由でズワイガニも、前後に動けます。もっとスゴイのが"アサヒガ二"ですね。足も爪もすべて平たいので、砂に潜るのに最適な構造です。鹿児島では「カブトガニ」、高知では「ヘイケガニ」と呼ばれてますね。アサヒガニは足で砂底を掻いて後ずさりするように砂泥に潜り、目ん玉だけ出します。逆に横歩きはできず前後に歩きますが、前進もほとんどしません。
Nov 18, 2023
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人それぞれに、朝だけはこれと決めたモーニングルーティンがおありでしょう。昼間や夜間はルーティンを決めてても、予期せぬことが次々おこり、なかなか計画どおりにいかない。せいぜい夕食は何時ごろとか、お風呂に入るのは何時とか。しかし、起きぬけの時間と云うのは他人に左右されない自分だけのもの。起床後の1時間をどう過ごすかで、その日一日のコンディションが決まると云われてます。私の一日は起きぬけの血圧測定と体温測定から始まります。そしてベッドの上で軽いストレッチ体操。それからトイレ、洗顔をしてリビングに行き、飲まなきゃいけないお薬の用意とか、朝コーヒーの用意とか。ここで血中酸素を計りながら、朝食用意して、朝食食べながらスマホでニュースの確認と云ったとこです。モーニングルーティンを行うことで得られるメリットには、規則正しい生活ができるとか、時間を効率良く使えると云った他に「心にゆとり」も生まれますね。何せ何も考えなくても、自動的にやるべきことが決められてるのですから。「朝日を浴びる」と云うのも推奨されるモーニングルーティンのひとつですが、私は窓のカーテンを閉めないので、日が差してくると自動的に朝日を浴びることに。もっとも、この時期になると夜明けが遅いので「起きる」→「朝日を浴びる」にはなってませんが。朝日を浴びることによって、メラトニンやセロトニン、2つのホルモンが活性化されるのですね。セロトニンは脳の活性化に結びついて、記憶力も高まると云いますが、オジンの私には記憶力は効果ないみたい(笑)朝シャワーを浴びるって方も多いですね。私はやってません。睡眠中は体温が下がり、目覚めとともに体温が上昇するそうですが、体温が上昇しづらいために朝が苦手という人は、朝シャワーで強制的に体温を上げることで解決するらしい。理想は41℃くらいのやや高めのシャワーを浴びた後、30秒くらい冷水シャワーを浴びると温冷シャワーで交感神経にスイッチが入り、完全に目が覚めるのだとか。こうしたモーニングルーティン、何も目新しいものではなくて、古代からみんな実践してきたことですね。紀元1世紀にマルクス・アウレリウス・アントニヌスと云う第16代ローマ皇帝がいました。ストア哲学などの学識に長け、良く国を治めた事から賢帝と評された人物です。ところが、この皇帝 朝がめっちゃニガテだったのですね。マルクス・アウレリウスは不眠症で、朝ベッドから出るのがイヤでイヤで仕方なかったのです。それは人々が朝起きていることが美徳と考えられていたローマ時代では重大な欠点でした。そのためマルクス・アウレリウスは毎日ベッドから引きずるように起き上がるのに懸命の努力しました。朝、嫌々立ち上がるときは、常に「私は他の人々のために立ち上がっている」と云い聞かせながら起きてたようです。彼は、このマントラ(心を落ち着かせるために唱える短い言葉)を、一日をスタートするためのモチベーションとして使用してました。コーヒーは中東で古くから飲まれてきましたが、ヨーロッパで普及したのは17世紀~18世紀になってからです。コーヒーの人気が上がるとともに、どんどん高価になっていったのですね。19世紀初頭には、ウィーンでコーヒー1杯の値段が、牛肉0.5ポンド(226g )のカットとほぼ同じになったのです。この時代の作曲家にベートーべンがいますね。ベートーベンの一日の始まりはコーヒーからと云うくらいコーヒー好きなんですが、なんと1杯分のコーヒーに使う豆の数を決めていたのです。その数、きっちり60粒!それ以上でも、それ以下でもなく、きっちり60粒。通常コーヒーを淹れるとき、豆を量ることはしてもさすがに数えることはしないので、これはどんなイミが?ベートーベンは完璧な1杯を追求するためだけでなく、経済的な懸念から豆を数えたのですね。凧の実験で雷が電気だと唱えたベンジャミン・フランクリンは「言葉よりも行動がすべて」と云うタイプ。彼はそれを毎日の習慣を通して実践したいと考え、1日を時間ごとに計画しました。フランクリンの1日は早朝のモーニングコールから始まりました。彼は午前5時にベッドから起き、それからの3時間を洗濯、朝食、その日の計画立てに終やしました。なんか3時間って、時間かかり過ぎと思いますが...これだけで8時になってしまう。彼のモーニングルーティンのひとつに少なくとも30分は裸で座ることが含まれてました。フランクリンは冷水風呂より、裸座りの方を好んでたようです。人は人生のおよそ1/3を寝ることに費やすと云われてますね。2度寝や朝食とらないのはやらない方がいいとも。どっちにしても起床時間を一定にすることが肝要だとか。なのでマルクス・アウレリウスのように不眠症や寝付きが悪いと苦労しますね。私は横になると5分以内に熟睡派ですが、よる年並みの夜間頻尿で起きてしまう(笑)
Nov 17, 2023
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きのうはグランドセントラル駅のオイスターバーをご紹介しましたが、欧米には独特の雰囲気かもしてる駅のレストラン・バー多いですね。日本も最近はステキな駅レストランが増えてきましたが、歴史的な重みでは欧米のそれに敵わない。だいたい日本人は忙しやり屋だから、駅舎で食べるのはサッと済ます傾向が多いですものね。ロンドンの主要ターミナル駅のひとつに「セント・パンクラス国際駅」があります。国際駅と名がついてるのは、この駅が英仏海峡トンネルへとつながる高速鉄道路線であるハイ・スピード1(HS1)や、パリ、ブリュッセルへ向かう国際列車ユーロスターも当駅を起終点としているからです。「セント・パンクラス(聖パンクラス=St. Pancras)」はキリスト教への改宗により14歳で斬首刑に処せられた古代ローマの聖人の名前です。この駅の2階、ちょうどユーロスターのプラットフォーム横にあるのが「セント・パンクラス・バー」です。ここの名物は「押してシャンパン」ボタン。時間のない旅行者のために、ウェイターを呼ばずもボタンを押せばたちまちシャンパンがサービスされます。って、日本の居酒屋なんかの呼び出しボタンと一緒ですが、こっちはシャンパン専用。駅のレストラン・バーでシャンパン!?それが...欧州の人たち、朝食でもシャンパン飲む人が結構いるらしい。それもグラスではなく、ボトルでと云いますから本格的ですね。だいたいシャンパンは開栓したら飲み切るのが正当で、グラスシャンパンでは気が抜けてしまう。ここではプライベートラベルのキュヴェ、クラシックなキール ロワイヤルから2,000ポンド(約37万6千円)のネブカドネザール テタンジェ ブリュット リザーブ NVなんて高級なのまで。テタンジェ ブリュット リザーブ NVはフランス大統領の主催する公式レセプションには必ず使われるし、フランスや世界の一流レストランの極上ワインリストにも必ず入ってますね。このお店ではスコットランドのスモークサーモンから湖水地方の牛肉、グレシンガム鴨のサラダ、国立公園で有名なエクスムーアの塩漬けキャビアなどのイギリス料理も提供しているそうですが...なんせ不味いので有名なイギリス料理。期待できるのは「イングリッシュ・ブレックファースト」くらいかな。とにかく雰囲気は駅のレストラン・バーと云うより、海外空港のイミグレーション内レストラン・バーのような感じ。やっぱ、ゆったり旅行する欧米人ならではですね。あくせく観光してまわる日本人では馴染まないかも。セント・パンクラス国際駅の構内には、これまた荘厳な「セント・パンクラス・ルネッサンス」ホテルもあります。開業は1873年の歴史あるホテルで、5つ星です。セント・パンクラス国際駅からロンドン動物園まで徒歩30分、大英博物館まで徒歩15分ですから、お泊まりになった方も多いでしょう。ここはコーヒーショップもバーも歴史感じさせる内装で、あぁ ヨーロッパに来たと!切実に感じられますね。パリ南東のセーヌ川近くにあるリヨン駅は、南フランスやスイス、イタリアなどへ向かう列車の発着駅てす。この駅舎の2階に、老舗レストラン「ル・トラン・ブルー(ブルー トレイン)」があります。このレスランはもともと1900年(明治33年)の「パリ万博」のために作られました。1972年に歴史記念碑に指定されたル・トラン・ブルーは、伝統的なフランス料理がウリの本格的なレストランです。が、それより豪華絢爛な内装がとんでもなく目を引く。当時もっとも人気のあった芸術家による41点の絵画が飾られてます。私なんぞ、こんなトコ行ったら動転してしまって、何を頼んで良いのやら...こりゃあ旅慣れてない日本人には鬼門ですな。ベル・エポック調の装飾は、数々のフレスコ画や彫刻、豪華なシャンデリアなど豪華絢爛そのもの。これまでに数々の映画の舞台として使われてます。ここのメニューは45分間の旅行者向けお急ぎのお客さま用コースと、ゆっくり滞在できるお客さま用7コースのどちらも用意されてます。子羊脚のロースト、タルタルステーキ、クレープシュゼット、ヘーゼルナッツのスフレなどのフランスの伝統料理がウリなんですね。
Nov 16, 2023
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品川駅に隣接した商業ビル「アトレ品川」4階にある「GCOBR品川」と、東京駅近くの丸の内MY PLAZA内にある「GCOBR丸の内」と日本に2つも支店を出してる「オイスターバー」。日本国内展開は、カプリチョーザや、ハードロックカフェなどレストランチェーンやブライダル運営を行う六本木のWDIがやってるらしい。WDIと云えば、古くは「プレイボーイクラブトーキョー」も出店してました。このオイスターバーの本家本元は、ニューヨーク市マンハッタンのパーク アベニューと42丁目にあるグランドセントラル駅の下層階にあります。グランドセントラル駅そのものが、もともとあった駅舎が改装されてグランドセントラル駅になったのが1913年と云う、マンハッタンを代表する歴史的建造物ですね。私もニューヨークに行ったときは駅舎の前を通り過ぎたのに、中に入らなかった。悔やまれます。オイスターバーは豊富なシーフードメニューがウリですが、スペイン生まれの建築家でエンジニアのラファエル・グアスタビーノが設計したタイルアーチの天井で1913年(大正2年)のオープン以来、つねに人気のレストランとなりました。グランドセントラル駅のオープンが、オイスターバーのオープンと同じ1913年どころか、グランドセントラル駅のオープン前日には100人のゲストを招いてレストランのプレオープンが行われてます。当時、食材の多くはニューヨーク湾で収穫されてました。他に北極海で捕れた魚やニュージーランドのキングサーモンなどが提供されました。牡蠣の品種は約30種類あります。他にもロブスターのガスパチョやブイヤベースなど、シーフード好きにはたまらないメニューが並んでますね。海外で生牡蠣と云うのは、食べるのに勇気いりますが、営業を続けてると云うのは問題ないのでしょう。日本人は意外に思われるかも知れませんが、昔、商社の方にうかがった話では、南アフリカの生牡蠣がとてつもなく美味しかったと云います。私もあんな暑いバンコクで岩牡蠣の生を恐る恐る食べたことありますが、まったく体調に変化ありませんでした。逆に日本に帰ってきて一度、生牡蠣で当たったことあります。一緒に食べてた人たちでも、当たった人もいれば、何も問題なかった人も。やはり、そのときの体調次第なんでしょうね。このお店は1997年に火災をおこし、一時閉鎖されてました。1999年にオーナーは自身が高齢だったため従業員に売却しました。他の出資者に売却するより、従業員に売却した方が待遇が変わらなくて良いと判断したためです。オイスターバーは、新型コロナのために2020年の大半を休業しました。2021年、一時的に2週間営業を再開しましたが、地下で、窓も屋外スペースも無いレストランでは客足が戻ってこなくて、また営業中止に。その後、通常営業に戻って営業を再開、以前の活気が戻ってます。オイスターバー前のアーチ道は「グランドセントラル駅の不思議スポット」と呼ばれています。隅に立っている人がどんなに小さな声で話しても、反対側の隅に立っている人が完全に聞こえるようになっているからです。レストランは半地下の場所で少し天井が低くなってます。さらに天井はアーチ型。壁に向かって囁いた声は、壁からこの低いアーチ型の天井を伝わって、反対側に立つ人にまで届くのですね。オイスターバーの店内もグアスタビーノ・タイル張りのアーチ型天井を特徴としています。
Nov 15, 2023
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