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宮原知子=ジゼルorシンデレラグレイシー・ゴールド=キトリorマノンエリザヴェ―タ・トゥクタミシェワ=オディールorマノン羽生結弦=アルブレヒト私はバレエファンでもある(あった、と正確には過去形)ので、ついついこんな妄想を抱いてしまいます。フィギュアスケーターが仮にバレエの主人公を演じるとしたら誰に何を演じて欲しいか?という全く個人的な妄想をです。宮原選手はあの小さくて華奢な身体が、いかにも病弱なジゼルに見えますし、恋人に偽られていたと知ったショックの余り発狂して死んでしまう・・などという設定に全く違和感がありません。「発狂」というのがちょっと想像付き難い所ではありますが、宮原選手は演技力あると思いますし(しかも年々深化されていると感じます)、また決して発狂シーンを取り入れなければならない訳でもないので問題ないと思います。華奢で儚げでありながらも芯の強そうな所など、正にジゼルにピッタリでしょう。同じような意味でシンデレラなんかも似合うと思います(ただしプロコフィエフのあの曲がネックになって来そうではありますが)。明るく華やかで爽快な魅力に溢れるグレイシー・ゴールドには「ドン・キホーテ」のヒロイン、キトリを、トゥクタミシェワにはあの妖艶な魅力をこれでもかと発揮できる「白鳥の湖」のヒロインの一人、オディールを、演じて貰えたら最高ですね。ゴールドとトゥクタミシェワ、2人に共通して演じて貰いたいヒロインにマノンがいます。オペラや映画では「マノン・レスコー」として有名なあのマノンです。恋人と駆け落ちするも、お金に目がくらんで恋人を裏切り、富豪の愛人となって贅沢三昧に生きる事を選択する、享楽的で刹那的で背徳的なヒロイン、マノン。男の方では純愛を貫き通し、結局マノンの為に全てを失ってしまうという話なのだけど、見た目だけで言えばゴールドが最も様になるんじゃないかと思う。問答無用のあの美貌は正にファム・ファタルに相応しい。リーザも同じく。で、羽生選手にはアルブレヒト(ジゼルの恋人だったのだが身分を偽っており、婚約者がいるという事実まで隠していたのが露見したものだからジゼルは死んでしまった。ジゼルを死に追いやった張本人)と思ったのだけど、そもそもこれまでに男子シングルの選手でこの役を演じた人っているのだろうか?聞いた事が無いような・・けど、アルブレヒトっていうのはジゼルを死に至らしめた張本人であるにも関わらず、ジゼルは彼の事が好きで堪らなくて(だから死んでしまったともいえる)、死後もその想いは変わらずウィリ(精霊というか亡霊というか)となって甦り、彼の命を救おうと夜通し踊り続けるのだから、アルブレヒトっていうのはもの凄く重大な役柄なのね。アルブレヒト自身も、当初は遊び半分で手を出した相手なのに(演じ方には二通りあって、遊びではなく真剣にジゼルを愛していた、というのもある)ジゼル亡き後初めて自分自身の罪の大きさと、ジゼルを心から愛していたという自らの真の気持ちに気が付き、皮肉な事に二人は生死を異にして初めて、本当の意味でお互い愛し合い、求め合うようになるという、「ジゼル」というのはそういうお話なのだけど、そういう意味においてアルブレヒトという役は、バレエ「ジゼル」においてものすご~く重大な役。ダンサーによっちゃ、むしろ「アルブレヒト」っていうタイトルか?って思う位、もの凄い存在感を発揮するし、観客もアルブレヒトを、誰がどんな風に演じてくれるのか、毎回凄く楽しみに会場へ足を運ぶ、そういうものなのね。だから、主役じゃないとはいえ、アルブレヒトはもっと取り上げられてもおかしくない役柄だと思うのだけど。少なくともジゼルと同じ位には、なんて私は思ってしまうのね。で、私は誰のアルブレヒトが見たいか?と言われれば、断然?羽生結弦と答えます。なお、町田樹とも答えたかったのではありますが、これはもう叶わぬ事なので。けど、何故羽生選手なのか?それは「激情」とか「狂気」とかいう言葉で表されるものが、彼ほど相応しい人はいないと思うから。第2幕(ジゼル死後の世界)でのアルブレヒトにはもの凄い感情の振幅が要求されます。先ず、己の過ちを悔い、罪の意識に責め立てられてジゼルの墓参りにやって来るところから、ジゼルと再会しこの人を取り戻したい、もう一度わが手で抱きしめたいと身悶えする程のジゼルへの恋慕の情、一方でウィリの女王ミルタに死ぬまで踊れと命令され、魔のものによって「踊らされている」という状態、とここまで述べただけでももの凄い状況を演じなければならない訳ですよ、アルブレヒトは。見てみたいと思いません?羽生選手で(笑)。どんなに想い合っていても、死者のジゼルを生者のアルブレヒトは、けれど絶対にもう、我が手で抱きしめるという事は出来ない。亡霊をひたすら追い続けるアルブレヒト。けれど最後、漸く二人の想いは重なったか・・と思った所で夜が明ける。墓の下に帰らなければならないジゼルはアルブレヒトに永遠の愛を誓い、そして消えて行く。一人、呆然と立ち尽くすアルブレヒト(人によって色んな演じ方があります)。とまぁ、これだけ書いたらお分かり頂けると思うのですが、アルブレヒトって、凄い役者でなければこなせない役なんですよね。しかも明らかに「普通」じゃない(笑)。ある種「異様」とも言える状況で、「異様」とも言える感情(狂おしいまでの死者への愛)を表現しなければならないのです。考えれば考える程羽生選手にぴったりな役に思えてきます。音楽の使い方が難しいかな?どのように編曲すべきか、確かに頭を悩ませそうではあるけれど、アルブレヒト、いいと思うんだけどなぁ。何とか、実現しないものだろうか?と妄想に取り付かれている私です。
2015年02月19日
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エリザヴェータ・トゥクタミシェワ選手の快進撃が続いている。グランプリファイナル初制覇に続き、先月開催された欧州選手権ではFSで140点を超える驚異的な得点をマークしその圧倒的な力を見せつけたトゥクタミシェワ。同じく素晴らしい演技を見せたラジオノワを抑えての優勝であった事から、その存在はより一層強く私たちに印象付けられる事となった。トゥクタミシェワ最大の武器、それは何と言ってもジャンプにある。加点の基準のほぼ全てを満たしているといっても過言ではない位の、実に質のいいジャンプ、胸のすくようなジャンプを見せてくれるのだ。ジャンプ(だけ)を見ていて、これだけワクワクする気分になったのは久しぶりだ。安藤美姫、金妍児に続く、紛れもない天才ジャンパーであると思う。しかもトゥクタミシェワは、安藤選手やヨナ選手にはあった若干の不安というか不満、も全くない。安藤選手はフリップに若干不安があったし、ヨナ選手は事実上ループを捨てていたが、トゥクタミシェワはルッツ、フリップの跳び分けが完璧で、両方のジャンプで大きな加点が見込める。ループに不安が無い事は言うまでもない。これだけジャンプ単体で魅せられる女子選手というのは希少だ。フィギュアスケートは氷上ジャンプ競技ではなく、あくまで「スケート」競技ではあるのだがそうは言っても、やはりジャンプには魔力の様な魅力があると感じる。その魔力のような魅力を堪能させてくれるという点において、やはりトゥクタミシェワは「天才」なのだろう、と思う。今季の彼女の躍進はちょうど4年前の2010~2011シーズンにパトリック・チャンが快進撃を見せた事を彷彿とさせる。あの時も五輪シーズンの直後でルール改正があり、その新しいルールがパトリックを絶対王者の地位にまで押し上げた感があったものだが、今回も同じだ。特にエッジエラーに対する厳格な採点は、トゥクタミシェワに対して大いに有利に働いたと思う。昨季世界の注目を集め、五輪団体戦の金メダリストに輝いたリプニツカヤ。飛ぶ鳥落とす勢いだった彼女はしかし、ルッツにエラーを抱えていた。その為今季のリプニツカヤは大変な困難を抱えて闘っていたと思う。何度か彼女について言及したことがあるが、私は彼女のノーブルな雰囲気と大人びた演技力が好きで、ロシアの若手選手の中では彼女を最も応援していた。昨季あれ程輝いて見えたリプニツカヤ、それなのにたった一年経っただけでこんなにも景色は違ってしまったのだ。リプニツカヤとトゥクタミシェワ、ちょうど4年前の高橋大輔とパトリック・チャンを思い起こさせる。あの時も、一年でこんなにも立場が変わってしまうものかと愕然とさせられたものだけれど(私はパトリックを応援していたとはいえ)、やはりルールというのは恐ろしい。選手を活かすも殺すもルール次第、という事をまたまた改めて実感させられた。あ、誤解のないように申し上げておきますが、だからと言って私はこの厳し過ぎるルールがいけないのだ、なんて言っているのでは全くありません。元々ルッツに不安のあったリプニツカヤが「悪い」のであり、ルールがおかしいのではなく、リプニツカヤに課題があった、それだけの事だと思っています。リプニツカヤが誰にも文句を言わせない完璧なルッツを習得すればいいだけの話であり、真の実力の持主であるならば、彼女はいずれ必ずこの場に、トゥクタミシェワと互角に戦える場に帰ってくるでしょうし、そうでなければ結局それだけの選手だった、という事です。フィギュアスケートは正確なエッジ遣いが命ともいえる競技ですから、不正確なルッツやフリップを跳んでいる選手が「悪い」のであり、ルールが悪いなんて批判はお門違いもいいところだと私は思っています。実際この厳格なルールに適応できる選手がいるのですから、ルールのせいにするなんてナンセンスですね。トゥクタミシェワのように完璧な跳び分けが出来、かつ高難度ジャンプをただ跳ぶだけでなく質をも高めて跳ぶ。これだけの課題を克服してしまえる選手が現れたという事に、私は大いなる喜びを感じています。リーザ、凄いよ!あなたのジャンプは本当に凄い!掛け値なしにそう称賛する事の出来る選手が現れた、というか復活してくれたことに、私は心から感謝したいし、エールを送りたいです。辛い雌伏の時を経て、再び輝き始めたトゥクタミシェワ。美しさにも更に磨きが掛かり、本当に光り輝いて見えます。3Aも楽しみで仕方ありません。18歳にして既に女王の如き貫禄のある彼女。アラビアンナイトの世界から抜け出て来たかのようなエキゾティックな魅力のある人ですね。ベタ過ぎるかも知れませんが、いつか彼女の「シェヘラザード」を見てみたいです。
2015年02月04日
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