全46件 (46件中 1-46件目)
1
ちょっと遅れてしまいましたが、先回のお約束どおりはなれの茶室の中身を公開します。これは二間あるうちの10畳の部屋で6名から10名様くらいでご利用できます。こんな感じで縁側の日本庭園を見ながらのお食事が出来ます。これはもう一つの部屋で6畳の4名様用の側から見た感じです。こんな感じで、この部屋はVIP扱いの部屋なんです、この茶室は築100年という貴重な建物に加え、家具や調度品も非常に高価なものが多く、掛け軸、花器、絵画といったものまですべてが貴重なものばかり、当然の事ながら全部禁煙!小さな子供さんもご遠慮いただいています。これだけの建物なんですが、釘を一本も使用せず作られており、今、壊れたり、燃えたりしても二度と同じ物は作ることが出来ないそうです。今日はココまでですが、また近いうちに書き込みますね。
2006/07/14
コメント(89)
あまりにも長らく日記を更新していなかったので、ある意味罪の意識さえ、感じているこの頃です。毎日沢山の方からのアクセスありがとうございます、私は元気で相変わらずです。今回のお仕事は、愛知県の一宮市にある高級フランス料理の旧東山亭を、東山邸に改め、装いも新たに復活させる事に全て費やしていました、と言っても、前回ご紹介しました、ホテルの立ち上げの後に、高級焼肉の牛心と言うお店を立ち上げながらなので、今回もまたタイトなスケジュールだったけど。ちょっと紹介しますね。これは東山邸の中庭にある日本庭園です、この庭園と同じく隣接されている茶室とメインダイニングの部分は全て、築100年なんです。メインダイニングは昔言うところの蔵をそのまま活かし、若干の増築で二階建て、可愛い中庭もあってガーデンパーティーも出来るようになってます。窓から見える庭園は絶景です。披露宴の二次会などちょっとしたパーティーにはいいですね~。メインダイニング側から中庭が見渡せます、夜には照明が灯りムードは最高。このレストランはメインダイニングとはなれの茶室といった二つの空間から出来ていて、勿論茶室は特別室でテーブル式の個室が2部屋あるんです、100年前の室内が見事に保存され、それを活かした空間を想像するのは大変な作業です。そして先日オープンしました、最高にカッコいい!最高のお洒落、こんな表現では建物に対して失礼かと思いますが、なんかいい表現が見当たらないよ。今度は茶室のはなれの内部もお見せしますね。と、まあこんな具合でまたまた仕事にどっぷりな毎日、楽しんでやってるんでこれもまた幸せなんですよ。また近いうちに必ず書き込みします。
2006/06/22
コメント(0)
長らく書き込んでないなんてもんじゃ~ないですね~、皆様から「体でも悪くしたの?」とか「やめたの?」とかご心配のメールを頂きました、ありがたいありがたい、でもすみませんでした、とっても元気です!とにかく今回のプロデュースは規模が大きいのとホテル側とのやりとりが大変で、おまけに工期が短く引渡しからオープンまでが気が狂ってるのかと思うほど短く、時間もなし、コンピューターのトラブル、ダメ工事とオープニングは間に合わないかと真剣に思ったりしました、まぁ、オープンってこんな事は普通にあることなんですがね、でも今回はちょっと焦っちゃいましたよ。ちょっとだけ紹介させていただきます。いきなりデカイ画像ですみません、レストランの客席です、まだディスプレイが入ってませんので寂しいけど、レイアウトには苦労しました。和室もあるんです、田舎ですからお年寄りが多く、地元のお客様にも心地よく利用していただけるようにと、しかし純粋な和式より少しだけモダンなデザインにしてみました。ここで30名様の宴会も出来るようになっています。バーコーナーです、ここも見せ方に苦労しましたが、もっと大変だったのがカウンター内の設備です。カウンターの天板を自然木の一枚板を載せたんでカウンター内部の設備がカッコよく収まらず、ちょっとだけ厨房やさんを泣かせました。僕の夜食のまかない飯が写ってますが、売り物ではありませんよ。ばたばたのレセプション準備ですよ、シェフも慣れないキッチンで大変です、おまけに僕の書いたややこしいメニューを作るんです、仕込み風景です、業者泣かせのキッチンがこれです。以前書きましたが、このスペースでレイアウトするのは並じゃないです。とまぁ、言い訳ですがこんな事やってまして、とても事務所に帰ってこれない情況で、こんなにご無沙汰になってしまいました、じゃぁ~、これからはマメに書くのか?と聞かれたら、努力します!と言うぐらいしか出来ません、このホテルを立ち上げているあいだに次のプロヂュースの仕事が何もやってないんです、また怒られないように頑張って次のお店の仕事を片付けなくては・・・・。とりあえづ、今回かこれで、また報告しますね。
2006/04/12
コメント(0)
長らく日記の更新が出来ず申し訳ありませんでした。厨房のレイアウトについてのお話をするつもりが、本番の厨房設計をやっていまして手こずってしまいなかなか日記をかけませんでした。今やっている厨房設計はパントリーを含めて50坪あり、また百戦錬磨のオーナーさんとプロフェッショナルな厨房業者との一大バトル!メーカー4社と専門厨房業者の見積もり合戦です。今回はオーナーさんの駆け引きの上手さに軍配があがり、僕でもびっくりするような価格で発注が決まりました。価格はとても日記に書けません、とにかく尋常じゃありません。僕も加わって見積もり検証と交渉をしましたが、オーナーさんが最後の最後でやってくれました、僕は解っていましたが、「そこまで言うの~!」って感じでメーカーさんその他を泣かせました。そのやり方がいいのか悪いのかは別問題として僕もあらためて勉強させられました。定価2450万円(工事費込み)の設備見積もりが、さて一体いくらになったでしょう~。想像してみて下さいね。(一番近い人だけにそっと教えちゃいます)それではお約束のキッチンレイアウトについてです。まずキッチンのレイアウトとか設備をどれだけ入れたらいいのかですが解りやすく説明しますね。1、ガスレンジ(卓上型で3つほど口火が付いているタイプ2、フライヤー(無くてもよいが、在ると揚げ物が下手でも出来ますし、早くて便利)3、冷蔵庫(冷凍室付き・業務用)4、ガスオーブン(大きめのオーブントースターでも良い)5、コールドテーブル(作業台タイプのテーブル式冷蔵庫)6、シンク(水とお湯が出る水槽7、洗い場用シンク(最低2つの水槽付)これにドリンクを出す場所を加えてみると、大体ですが4坪~6坪くらいになります、これに食材の収納場所とか洗浄機を加えたりすると、あと1坪~2坪ただしコレだけ揃えれば、20坪ぐらいのお店(レストラン・居酒屋・キッチン等)ほとんどまかなえます、料理もいろいろ作れます、ランチも出来ます(贅沢言わなければね)。そう考えて行くと解ると思うけど、コレだけ最低限揃えて、借りた物件が12坪とか15坪じゃキッチンを作ったら客席が作れなくなっちゃうね、これが喫茶店ならもっと設備も少ないでしょう~、と思ったら大間違いなんですよ、逆にカウンターにスペースがかかってくるだけで、やっぱりあまり変りません。そしてレイアウトするときに、実際にその場に立って頭の中で自分の料理を作る動作を初めからシュミレーションしてみてください、例えば ハンバーグのオーダーが通った!1、冷蔵庫がここにあってハンバーグを取り出す。2、フライパンがココに置いてあってフライパンを熱する。3、付け合せのソースを温める鍋がココに置いてある。4、付け合せのサラダ類はココにしまってあって、このテーブルで盛り付ける。5、お皿はココにしまってある。6、ご飯はジャーがここにあって、ここから出す7、洗い物がココに下がってきて、ココで洗って、ココにしまう。こんな感じでレイアウトを考えていくんです、だから何を作ってどんなメニューを出すか決まっていないのに、キッチンレイアウトは出来ません。したがって、メニューが解っていないと厨房業者はキッチンレイアウトは出来ないんです。あくまで業者が事前に作ってくるレイアウトはその業態の基本で自社製品を出来るだけ沢山入れてきます、不必要な設備、贅沢な機器も入っている場合もあります、業者さんが悪いといっているわけでもありませんよ、それが仕事なんです。そこから必要な物を加えたり、減らしたりしてレイアウトの変更をすればいいのです、つまりこれが「たたき台」と言われている図面なんです。あくまで基本ですが、客席とキッチンの割合は、キッチン4、に対して客席6の割合が基本です、あとはその人の考え方次第です、でも初めて商売をする人の多くは小さな店をと考えるんですが、僕の考えは個人で初めてやるんでもやっぱり最低は20坪くらいの物件を探す事をお勧めします。そして30~35席は確保して日商平均10万円を売り上げの基準目標にしてください。そしたら月間25日営業日で月商250万が予測できます。コレだけ売れれば1家族は食べていけます。(ただし、家賃は売り上げの10%以内である事が基本ですよ)この話はあくまで簡単に説明しているので、全てではありません、いろんな業種、業態、立地、環境、その人の能力いろいろ係わってきますので一概にはいえませんが、参考例として頭の隅に入れといてくださいね。
2006/01/20
コメント(1)
前回に引き続き、今度こそ厨房編です。前回で書きましたが、よほどの事情が無い限り建築屋さんとは別に厨房やさんにお願いする事をお勧めします、絶対に安くなります!先ず、厨房やさんについて簡単に説明します。厨房やさんには大きく分けると2系統あります、1つは、メーカー系、ホシザキ、サンヨー、北沢、フクシマ、その他大手の厨房設備機器メーカーもう1つには、それらのメーカーの機器を使って総合的にキッチンを作ってくれる厨房設備屋さん、どちらでもいいですが、メーカー系でも冷蔵庫中心のメーカー、ガス機器中心のメーカー、電気機器中心のメーカー、といろいろ得意な分野があります、どの分野のメーカーさんでも、厨房屋さんでもレイアウトの提案、図面、見積もりを作ってくれます、解らない場合は建築屋さん、近所のお店とか、ネットで調べて、地元の営業所に問い合わせてみればすぐに駆けつけてくれます。(もし、解らない場合は私のところへメールで送ってくれたら、3社ぐらいの見積もりを出させますよ)そして図面を作成してもらい、その図面で建築と同じ要領で見積もりを出してもらいましょう、この場合、先方の厨房やさんには「他社にも見積もりを出していただいています」とはっきり伝えましょう!これだけでも各社とも負けないよう見積もりにも力を入れてきます。そして一回目の見積もりが出ます。ここで、あまり公には書いていいのか迷いますが、一つ一つ機器の金額を比べてみましょう、特に定価(上代価格)と納品価格(掛値)を見ます、掛け率(値引き率)も注意です。びっくりする人もいるかと思いますが、あくまで僕の場合です。冷蔵庫関係は50%以下から話をします(値引き率です)。40%なんて価格を出してきた業者には返事もしません、問い合わせてきたらもちろん断ります、断る電話代ももったいないです。60%台で話が始まります。(あとは規模の違いもありますので一概には言えません)大きな物件(厨房設備だけで見積もり金額が500万を超えるような)ではメーカーによっては70%台です。機器によっては値引き率が低い物もあるので全部という訳にはいきませんが、トータルで50%の掛け率で話を始めます。つまり定価の価格が600万円なら値引きして出された見積もりが300万ぐらいという事になります。つまりここからが各業者さんの競争なんです。業者さんも心得てます、ここからの勝負だと、どうしても取りたいと思った業者は絶対にすごい見積もりを出してとりにきますよ。そして決まったら、建築と同じで図面通りの設置をしてくれているかのチェックを細かくしましょう、もちろんお金も全額前金で払いません、契約時に50%完了時に50%です、もし仕様を変えてきたり、打ち合わせどおりに作ってくれなかったら、修正しなければお金は払えません、当たり前ですよね、約束ですから。本当はもっとあるんです、注意すべき事が、見積もりの見方が、でもこのサイトではあまり書くといけないので、詳しく聞きたい人は僕宛にメールしてください「yoshimi@seed-s.com」まで。これだけするだけで、300万のお金が50万ぐらい節約できまるかも、それだけでテーブルが10個ぐらい買えますね。この次はキッチンレイアウトについてお話しますね。つづく。
2005/12/24
コメント(0)
今回は厨房編です。飲食店を開業するとき、無くてはならない重要な設備に厨房設備があります。この設備は通常建築、内装とは別になっています、もちろんゼネコンさんにお願いすればまとめて引き受けてくれますが、よほどの事情があるかぎりは、別の厨房やさんにお願いする事をお勧めします。理由は簡単、絶対に安くなります。ゼネコンさんは当然のごとくやってくれますが、タダではありません、当然手数料は上乗せします、当たり前です仕事ですから。詳しくは後から書きますが。その前に、またまた嫌な話です。何度もいいますが百戦練磨の業界を簡単に信じてはいけません、信じる前に自分自身に問いかけてみて下さい、何を根拠にその業者を信じるのか?親切だから?親身になって相談にのってくれるから?他のいろいろな業者も紹介してくれるから?繁盛しているお店に連れてってくれたり、熱心に借り入れの相談にのってくれたから?だから信用するんですか?じゃ~、誰も信用するなって事?!それじゃ~、何にもできないじゃん!って事になりますよ。僕が言いたいのは、誰も信用するなと言ってるんじゃなく、簡単に信用するなって事。どんな業者でも、優しいです、親切です、相談にも乗ってくれます、何でも言ってください、安くします、何とかします!みんな言うんです、それが普通なんです、標準なんです、営業のスタートラインに立ったと言う事だけです。大切な事は、そこから何?それで?って事。勘違いしてほしくないのは、悪い業者ばかりって言ってるんじゃないですよ、みんなそれぞれ立派な業者さんも沢山います、いい仕事してくれます。当たり前ですよね、違法な事などしませんし、ちゃんと仕事してくれます、ただ、お客さん側からしてみて良い業者に順位をつけるとしたら、1、良い材料で良い仕事、そして安い。2、良い材料で良い仕事、そしてちょっと高い。3、節約し工夫した材料と良い仕事、そして安い。4、とにかく安い材料で良い仕事、そして安い。(やっぱり安く済ませたいですよね)これらをまったく逆のパターンも考えてみてください。自分がお店を作るときにどれを選びますか?選んだ考えを的確に理解して、的確に正直に実践してくれそうな業者を設計士も含めて選んでください。優しくて、親切な業者さんを最低でも3社ほど呼んで、同じ仕様で見積もりを提出してもらい、一番お値打ちな業者さんを指名しましょう。そしてその業者さんに自分の思いを一生懸命に伝えて、質を落とさないで価格の交渉をもう一度しましょう、何度もいいますが必ず安くなります。内装屋さんにしても、建築屋さんにしてもボランティアじゃありません、利益が必要です。でも、その利益幅はその会社によっていろいろなんです、20%の利益確保が必要、いや25%だ、いやうちは15%でいい、10%の利益があればいい。こんな感じで見積もりを出します。それはその会社の現状と係わってきます、依頼された物件の材料の仕入れも業者によって得意、不得意があって安く仕入れる業者、そうでない業者いろいろ状況があります、だから総額の費用でしか判断できません。そして業者が決まったら、今度は業者さんには敬意を表し常にコミニュケーションをとりましょう、作業をしている人達にも監督さんにも挨拶をし、差し入れもしましょう、現場で働いてくれてる人達との関わりは大切です、気持ちよく働いていただけるように努力するのは施主の役目でもあります。建築関係の方がこの日記を見られて気分を悪くされているとしたらごめんなさい、実名は挙げられませんが、やっぱりいるんです不親切な業者が。安い物を高く売りつけるのではなく、自分たちの売りたい物を加えてきたり、飲食店の知識があまり無いのに施工して、飲食店らしからぬ仕上げをしたりし、オープン後は何もしてくれなく、オーナーは何も判らず困るだけ、こんな業者が多くなると真面目な業者は大迷惑ですよね。今回は厨房編と言う事で話をしようとしてたのに建築の続編になっちゃった、何故かって?今、オープンしたてのお店の相談にのってるんですが、やっぱり優しい業者さんに言われる通りに作ったんですが、高級なテーブルと椅子が使い難く、お客様からのクレームが多し。(少人数の食事もテーブルが合わせられない、足が引っかかって出入りしぬくい、結局取り替えします)カウンター席が使い難く使用されない(案内しても断られる)。自分の自己満足のお店なら別ですが、お客様に喜んで頂き、また利用して頂く事によって、繁盛し、自分も満足する、その為には、お客様の視点に立ってお店を作る事が大切ですよね。次は必ず、厨房編です、ごめんなさい。つづく。
2005/12/19
コメント(0)
前回につづいてお話します。まず建築屋さんを決める場合の注意点は前回書きましたが、次に決め手のなる工事費ですが、やっぱり最低3社は見積もりを取ってください、設計士さんの紹介、友人の紹介、知り合いの紹介、とにかく比較できる建築屋さんから同じ図面と同じ仕様で見積もりを取る事をお勧めします。設計士さんはデザインだけでなく、設計と現場管理をやってもらえます。専門の人の目で不正はないか、図面通りの施工が行われているかのチェックも必要になってきます。建築屋さんお抱え設計士もいますが、利害関係の無い設計士をお勧めします、利害関係があると、今テレビで騒がれてる000設計士みたいな人がいても困ります。自分のお抱え設計士の書いた図面を素に、同じ仕様で同じ材料を使ってどこが一番お値打なのか自分も含めて設計士とよく相談して決めましょう。価格は仕様によっていろいろありますが、だいたい内装費だけで、厨房 設備別で50万(1坪当り)から80万ぐらいが平均です。80万ですとかなりいい内装が出来ます、ぎりぎりで50万くらいでそこそこの内装が出来るはずです。内装費は図面に載っている家具など、椅子、テーブル、看板等等、全部ひっくるめてですよ。プロの多店舗を経営しているオーナーは45万(1坪当り)で作っているのはザラです。(あまり良い内装は出来ませんが)よくある話で、見積もりをとってみるとすごく安い!ここにしよう!と作り始めたが、家具が別料金だったり、看板が載っていなかったり、時には安い材料を「これが一番人気ですごく売れてる」とか言って変えてみました、なんて勝手に了解済みのようにして設計士に対してごまかす業者もいます。見積書が揃ったら、細かくチェックして、図面の中のいろいろなものが抜けていないか?図面通りの床材、家具、照明、椅子、テーブルなど設計士と一緒に調べてみましょう、そして一番良心的な業者に指名をしてそこからもう一度見積もりの見直しを依頼してみましょう。必ず、仕様を変えずにもう少し安くなります、このやり方は大手と言わず、プロの経営者は当たり前すぎた話で、業者もこのぐらいは覚悟して、一回目の見積もりを出しています、すんなり一回目の見積もりで契約できたら建築屋さんは逆にびっくりしますよ。「ラッキー!」って。だけど初めてお店をやる人は、ここの所が非常に甘い!優しく相談にのってくれる人と、信用してしまい、百戦錬磨の建築屋さんの上客になってしまいます、とっても簡単でやりやすい相手です。(建築屋さん関係の人がいたら誤解しないでください、あなたの会社じゃありませんよ、しかし事実です、こんな業者ザラです、けっこう地元ではおおきな建築屋さんですよ)そしてめでたく契約になったら、する事は工事手付金です。これも初めての人によくある事ですが、工事費用を前金一括で払ってしまうんです。そりゃあ喜びますよ、工事屋さん。でもお勧めはしません、最低でも、着手金50%、完了時に50%、出来れば引渡しから1ヶ月後ぐらいにしてください。3回に分けて支払ってもいいです。これはセコイんじゃありません、慣れてるオーナーはみんなそうしますよ。じゃあ、なんでみんなそうするの?要は追加工事とかトラブルとかでやり直さなくちゃいけない場合とか、事前の打ち合わせと違った場合に、やり直しをさせるために、支払いを止めて、別料金ですとか、これは追加工事だから追加料金の請求をさせないためです。「話と違うから、やり直して下さい」とか「ここが調子悪いから」とかいろいろなトラブルはオープンしてから気づく事が多いんです。だから約束と違ったり、話していた事と違って不都合な時は、当たり前ですがお金は払えません!と言うためです。これが全額お金を払ってしまった後は、すごく動きが鈍くなります、最悪の場合は言った言わないの話にもなります。「ちゃんと仕事してくれるまで、残りのお金は払えませんよ!」と言うための手段なんです。だって、一生に一度あるか無いかの大きな買い物です、中途半端な不良品に一生かけるわけには行きませんよね。ここで、またまた余談ですが、今年プロデュースしたお店について、オーナーさんが始めての商売だったので、僕が付きっ切りで。時には僕が代わりに、建築屋さんの不思議な点をいくつか指摘していました、そしたら、あろう事か!僕に圧力をかけてきました、「お前は何モンだ!」「黙って飯を考えてりゃいいんだ!」です。建設会社の社長様です。僕も言ってやりました。社長が、「この製品は今日本で買うと高いし、最近は香港の製品しか入ってこない、在庫は無いし、今から発注かけてたら引き渡しに間に合わない!」と言ってた商品を、僕はその場で知り合いの家具屋製造会社に電話して聞いてみたら、「そんな事ないよ、今からすぐにでも入るし、もっといろんな柄があるよ」これを社長にそのまま言ってやりました。そしたら、先ほどのきつ~い!お言葉その商品は椅子の張り生地で、長いすからソファーまで沢山使用する大切なこだわりの柄です。業者はコストを下げるため、取り決めの生地が高いので、入荷が不可能とウソをついて、安い香港製にきりかえてコストダウンするためなんです。それからは、僕にはとっても意地悪な事をしてきました、でも僕はへっちゃらです、本当の事しか言いません、最後には「お前が発注しろ!」と言うので、「いいですよ!」と言ってその椅子とシートは僕のブレーンの業者に入ってもらい納品しました、安くなり、気に入った柄も選べました、そして恐ろしい正体も現しました!僕のブレーンのその業者に、見積もりを20%上乗せして出せ!と。どう言う事かと言うと、バックマージンを20%俺の会社に支払えと言う事です。結局、黙ってお客様には20%上乗せした請求が行くんです。何で解ったかって? 僕のブレーンの業者が困って電話で相談してきたんです。普通に請求書書いたら、もう一枚20%上乗せしたものをよこせ!って。怖いですね、でも実話です。次回に続きます。次回は厨房編です、おわり。
2005/12/05
コメント(0)
今回はこれから脱サラ、独立し自分のお店を持とうとしている人達に、少しでも役立ててもらえたらと思い、いろいろ実例を挙げて教えちゃいます。この日記を見て、誤解しないで頂きたいのは、あくまで実話で、もちろん僕の考えも書きますが、作り話ではない事です。とりあえず、悪い実例を多く書きます、意味はきっと理解していただけると信じています。順番に話していきますね、先ずは建物からです。お店を作ろうとした時、まず一番初めに考えなければいけない事、それは資金ですね、しかしこれは個人にそれぞれ調達方法がありますのでここでは触れません。どんな業態か決まって、場所が決まり、資金準備ができた場合からです。まず設計士、デザイナー、建設会社と決めなくてはいけません、この場合今までの経験からすると初めての飲食店の場合、設計&デザインは専門の先生にお願いしたほうが良いと思います。ビルの中、マンションの1階など、内装だけの物件の場合も同じです、まして一戸建ての物件は必ず店舗を多く手がけている設計&デザインの先生にお願いしたほうが良いです。これは良いデザインのお店を作るためでもありますが、適正な価格で建物を作るためでもあるんです。(後で説明しますが)設計料は大体、建築費用の8~10%(あくまで基準です)、交渉は出来ます、総額でいくらでお願い出来るか交渉しましょう。10%なんて高くてお金が払えない!っていう方もいるかと思いますが、3000万円の見積もりを、設計の先生と相談してデザインを考えてもらったら2500万円になって、もっとカッコいいお店が出来ておまけにデザイン料を払っても、まだおつりが出たなんて話はよくある事です。必要以上の高価な材料を切り詰め、手作りのデザインで仕上げたり、高価な家具を買わず、特注で作ってもらったりと、いろいろ手法は持っています、それと、飲食店に必要な知識を持っていないと、営業していると、いろんなトラブルが発生してきます。1、椅子がすぐにガタガタになってきた!(原因)かっこいいデザインだが一般のリビング用の椅子を使用。 業務用の椅子は一日に何十人もの人が座り、ガタガタと動かしても大丈夫な様に出来ていて100kg以上の体重の人がドスン!と座っても大丈夫にできています、明らかに強度と耐久性が違います。2、テーブルが四本足で座りにくい!(原因)一般の業務用は中心1本足か2本足になっています4本足だと座る時、出る時にひっかかって出にくく、グループのお客様が来店されたときなど、テーブルを2本合わせても真ん中に足があって、お客様が座れなくなります。3、カウンターの天板が削れてざらざらになった。(原因)通常の仕上げをしていては営業店では家庭と違い、毎日多くのお皿やグラスを置くので、擦り切れてしまいます、ましてカッコいい塗装仕上げにしてあっても、すぐに色が落ちて塗りなおさなくてはいけません。4、フローリングががたがたになった、うるさい!(原因)これもよくある苦情です。家庭用の少し丈夫な程度の床材を使用している場合があります。日本の素足で歩く床と、毎日硬い靴底で何十人が歩く床材とではまったく違います。まだまだ沢山ありますが、これらは飲食店をあまりやった事が無い施工業者に多く見られます。和食屋さんが強い業者、カフェを多く扱っている業者、レストランが強い業者、やっぱり得手不得手はあります。しかし業者は勿論言いますよ、「うちは得意です!」って。窓にもの凄い結露が出て、カビが生えてきた!エアコンをかけると、ドアが開かなくなる!風が強い日には、勝手にドアが開く!天井の電球が切れても高くてはしごをかけても怖くて登れない!電気代が異常に高い!部屋の一部が異常に暑い(寒い)!入り口がわかりにくい(お客様が迷う)。お店が見渡せなくて、アルバイトが沢山必要。お客様が来ても解らない(見えない)。窓際が暑くて、まぶしすぎ、ケーキケースに日光が当たって、ケーキが傷む。物置が無い!(収納が少ない) これらは、実際にお店の仕事を考えて作ってあれば起きない事ばかり、今、建築屋さんも仕事を取るのに必死です、でも気をつけましょう、次回もつづきです。
2005/11/21
コメント(0)
またまた前回に引き続きカナダ館お話です。前回のチャールズはまた明日逢って酒を飲む事になっているので今回は大御所“カナダ館ヘッドシェフ・ウエインマーフィー”と“広報代表のローリー ピータースさん”のご紹介です。今回このお二人には本当に本当にお世話になりました、そしてお世話させて頂きました。カナダ館ヘッドシェフのウエインさんです。とても日本語が上手です。「行く」と「来る」がいつもあべこべでした。日本食が大好きです。何食べたいですか?と聞くと「干物」と答えてました。大酒飲みです。「日本みずクダサイ」と言って日本酒ばかり飲んでました。凄い色男です。(写真がぼけててすみません)痩せてスリムな日本女性が好みのようでした。スリム系の若い女性を見かけると、「ヒュ~、ヒュ~!」と声を発していました、だから間違いないと思います。すごく愛妻家でとても仲のいい夫婦です。(じつはローリーさんとはご夫婦での来日でした。)カナダ館広報代表のローリーさんです。一緒に写っている男性はアンドリュウ斉藤さん。ローリーさんはよく取材でテレビに出てましたからご覧になった方もいるかと思います。日本語もお上手で、とてもユーモアにあふれすごくチャーミングな方です。ある時、新聞の取材で対談の記事が載った時「カナダ館・広報代表ローリーピータースさん 00才」と年齢が載っていたのを観て、「何で私の年齢まで乗せるのですか~?意味が解らない!関係ないです!年齢まで紹介するなんておかしい!」と怒っていたのを思い出します。日本食はほとんど何でも食べます。納豆がダメでした。僕と会うといつも豆腐を食べていました。僕が英語が下手なので、「もっと英語を覚えなさい!」と言われ、はい!と爽やかに返事をしてからは、僕と話をするときは、わざと英語しかしゃべってくれませんでした。いつも早口でしゃべって僕が聞き取れなくて困っていても、ニヤニヤ笑って、日本語で話してくれません。でも、その態度が何か可愛らしく僕には思えてなりません。一緒に映っている、アンドリュウ君はハーフの青年。カナダ館代表の秘書をしていました、今回のイベントのためニューヨークから帰って来たんです。ニューヨークのレストランで、チップだけで月に40万稼ぐ猛者です。顔は日本人ですが思考回路はアメリカ人です、日本語は100%ですが日本語で話すとストレスを感じるそうなんで、最初は気を使いましたが、慣れると真面目な顔して強烈なジョークが飛び出します。まだまだ今回は総勢60人くらいのスタッフと仲良くなり、パビリオンの中を歩いていてもみんなが声をかけてくれたり、時には今回のイベントの中でカップルが出来、僕のところに2人で遊びに来てくれたり。一番びっくりしたのは、両親が日本に観光に来たからって、わざわざ僕のところに連れてきてくれて紹介してくれたんです。ウエインさん達も、カナダから来た、親せきやら、兄弟を紹介してくれたり一緒に食事したり、完全に仕事を超えたお付き合いになってました。そんなこんなで終わってみれば楽しい思い出ばかり、こんな経験が出来たのも、料理をやっていたから、フードプロヂュースの仕事をしていたからなんです。けっして他の人が思うほど楽ではないし、儲かりません。けっして他の人が想像するほどカッコよくありません。でもこんないい経験が出来たのも、この仕事のおかげです、よかったな~! お仕事に感謝です。終り。
2005/11/10
コメント(0)
前回のお話の途中でゴチャゴチャ仕事が入ってて遅くなっちゃいましたが続きをお話します。僕の中でも一般的にも愛知万博は終ったんですが、やっぱりまだ終ってなかったんです。終った~!と思っていた気持ちをひっくり返してくれた張本人を紹介します。チャールズです、ナイスガイです。彼の名前は「チャールズ ガードナー」もとカナダ領事館の商務官で万博期間中は日本とカナダの間に入ってのパイプ役です。日本語は上手です、(いやらしい~!言葉も知ってます)。日本に住んでます、(在日6年?岐阜県人です)。結婚してます、 (奥様はとっても美人です)。いつもお腹が減っています、(ビールが主食です)。とっても明るい性格です、 (トイレに点けてしまった100ワットの電球状態です)。このチャールズ君は今もまだパビリオンの残務処理に忙しく動きまわっているんです。そうです、どこの国のパビリオンも後片付けと残った機材をオークションにかけています、応募された人達とのやりとりで忙しいんですって。一昨日電話がかかって来ました。「ハロー!ヨシミ、元気~?」(あんたにゃ勝てない!)元気だよ、チャールズはもう落ち着いた?「まだまだ~、忙しいよ~、ヨシミは何してるの?仕事してます。「いいね~!儲かってますね~!いいぞ~!」・・・・・・何が?。(儲かってねえよ!)「今度の金曜日にスタッフとみんなで飲みましょう!」えっ!誰と?パビリオンのスタッフが日本に居残ってるんです、だからまたみんなで集まって飲みましょうとの事。嬉しいですね、いい事ですね。まったく知らなかった者同士、外国人どうしが知り合って異国で同窓会?みたいな飲み会、ありがたいな~。発起人はチャールズみたいです。ここでチャールズについてのコメント。(無断で暴露です)以前2人で飲んだ時に言ってました。今住んでる家には、奥様のご両親が同居されてて奥様と子供を含めて6人で暮らしてるそうな、共稼ぎのチャールズは毎晩帰ったら奥様ではなく、おばあちゃんの手料理が待っているそうです、その手料理に真剣にギブアップみたいなそうね、「焼き魚、煮物、味噌汁」完全に日本料理。(毎日ではないらしいが)「分厚いステーキとポテト」「チーズたっぷりのハンバーガー」食いて~!と思って毎日トホホっなジャパニーズディナーを「美味しい!」と言って食べてるようです。奥様が作るときは多少は彼のリクエストも取り入れてあるそうなんですが、やっぱり年配の方は日本食ですよね。(わかるな~。)明日はたっぷりと、お肉を食べさせてあげよう!次回はいよいよカナダ人シェフのウエインさんを紹介します。つづく。
2005/11/03
コメント(0)
僕とカナダシェフの珍道中は万博開催までが大変でした。僕はパビリオンの計らいでカナダのスタッフパスを発行してもらい会場にはフリーで入る事が出来ましたが、こんな事もありました。カナダの国旗をモチーフにした特大のケーキがほしいとの事、僕は友達のパティシエにたのんで60人分にカットできるケーキを作ってもらいました。さて、どうやって運ぼうか?パビリオンのスタッフは万博開催に向けてのレセプションの仕込みでガチャガチャになってます。それを知っててぼくは運んであげると言っては見たものの車は中には入れません(事前に許可が必要)。かといって、ゲート近くに駐車場はありません。両手を一杯に広げてやっと持てる大きさのケーキは台車にも載せる事は出来ません、柔らかいケーキは崩れてしまいます。持ってくなんて、言わなきゃよかった・・・・。僕は考えた結果、会社の女の子に中央ゲート(北)の前に一瞬だけ車を停めてもらい、手に持って歩いて入る決心をしました。知っている人も多いと思いますが、ゲート前は駐停車禁止!止まった途端に警備員が怒鳴り込んできます、通りすぎるだけなんです、タクシーさえも止まれません。(僕)いい?一瞬だけ止まって!すぐに降りるから!降りたら すぐに発進するんだよ。僕は運転してもらっている女の子に言いました。そして決行です。停まった途端(わずか1秒もなかった)ピー!ピ~!(すごい笛の音)(警備員)とまるな~!そこの車~!窓際まで来ました(もの凄い声です)(僕)僕が降りるだけです!車はすぐどかします!(警備員)だめだ!降りちゃいかん!早く行け!(僕)だから降りるだけです、そこをどいてください!(警備員)だめだ車を停めちゃいかん!早く行け!思うんですが、これだけのやりとりしてる間に降りれるじゃん!僕の作戦はこれからです。発進して20mも走って、警備員が遠ざかった時!再度車を停めて、一気に車から降りました。ピ~!ピピ~!こら~!停めるな!(2人が走って来ます!)僕は無視して車から降ります。(警備)停まるなと言っただろ~!危ないじゃないか!(僕)・・・・・・・・。無視です。(警備)何だその箱は、ちょっと来なさい!(僕)すいません、配達なんで、かんべんしてください!(警備)何処にもって行くんだ、何処の注文だ?(僕)カナ・・。いえ売店です。(警備)どこの売店だ、君は一体規則という・・・・・。(僕)ダダダダッ~!(走って逃げる音です)(警備)こら~!(僕)すいませ~ん!ダダダダダッ~~! まるで漫画です。 でも必死でした、大きなダンボール箱を抱えて逃げる僕と追いかける 警備員2名、結局追いつかれましたが、僕はひたすら「すいません!」と言ってそれ以外はいいませんでした、警備員は諦めて去っていき、僕は汗びっしょりになってケーキを持って広い会場の人ごみの中を歩きました。ケーキの納品先、カナダパビリオンのキッチン内のスナップです。初公開!連日レセプションが開かれていたパビリオン内のVIPルームです。内外のVIPとか日本の皇族の方々もここにお見えになりパーティーが盛大に行われていました。こんな写真載せてもいいのかな~?この日記を見た人の中にはカナダパビリオンにいらっしゃった方もいると思いますが、こんなスペースが二階にあったんです。ひょっとしてVIPルームに招待されて来た人もいるかな~?沢山日本人の招待客も来てましたから。この場所の他にも、特別な個室とか、スタッフのオフィス、その他とっても広い裏側です、70名近いスタッフが働いていました。次回はそのお話です。つづく。
2005/10/26
コメント(0)
今日は独り事務所で、思いにふけっています。とっくに終ってしまったはずの愛知万博、僕の中の万博は昨日やっと終了しました。去年の10月から準備を始めてちょうど1年間の万博でした。えっ?万博は半年間じゃなかったの?もう会場も片付いてるし。今回の愛知万博は、在名カナダ領事館のお付き合いの中から始まったお話です。去年の10月ごろ僕のところに領事館の方から電話が入り「お客様をお連れしたい」との事、待っていると、来ました来ました大きな外人さん!「こんにちは!はじめまして!」 (これぐらいは英語です。)外人さんは本当にカタコトの日本語しか出来ません。通訳を交えながらの打ち合わせが始まりました、僕はその時ちょうどカナダ領事館の領事主催のパーティーで料理人兼プロデューサーをする事になっていました、メニューも考え、材料の調達も終って、あとはスタッフと共に領事邸で作るだけ。そこに現われたのがカナダの外人さん、それも立派なフランス料理のシェフだったんです、今回の愛知万博のために来日して、パビリオン内のVIPルームで内外のVIPの料理を作るためカナダ政府より派遣されてきた有名な料理人さんです今回の依頼は領事館主催のパーティーで出す料理の中にそのシェフの作った料理を加えてほしいとの要望でした。え~っ?じゃ~、一緒に作るの?何作るの?いつ仕込みするの?材料は何?間に合うの~?僕はメニューもすべて決めていたので慌てました、するとシェフは「ダイジョ~ブデス」「シンパイナイデス」「心配だよ!」外人さんとの仕事には慣れていますが、急に言うなよ!間に合ね~よ!でも結局、カナダ料理とのジョイントパーティーになっちゃいました。パーティー料理は20品、その内2品がカナダの郷土料理です、急遽、予定を調整して、朝からカフェの立ち上げの打ち合わせをして、昼はガイド、そしてまた夜に現場に戻ってカフェの立ち上げです。そしてたまには、シェフと居酒屋で一杯やりながら料理の話で盛り上がり、そこに他の準備スタッフ(外人)も加わって、ついつい仕事も忘れます。こんな感じで、食材選びの万博珍道中が始まったのでした。今回領事館から僕への依頼はパーティーをシェフと一緒に作ってほしいという依頼ともう一つ、初めて来た土地で知り合いもなく、勿論仕入れ業者、生鮮市場、どこに行ったら必要な食材が手に入るのか?マニアックな西洋の食材なんで近所の八百屋さんにも売ってないし・・・。ようするに僕はなんちゃってガイドです、領事館のスタッフは万博準備でそれどころではないらしい、僕なら料理に関するフランス語と、あくまで料理に関する英語は解ります、おまけに食品メーカー各社にも通じていて輸入食材の業者にも詳しい、うってつけの付き人だったんです。その時の僕はカフェのプロデュースが入ってて、オープンが迫ってます、大変なんです!でも、もしも僕が逆の立場だったら、知らない土地で自分の作りたい料理の材料を探せと言われても困ります、まして言葉が通じない外国だったら無理です。だから、人情派の僕としては黙って見ている訳にはいきません、喜んで引き受けました。ここから始まったんです、慌てたり喜んだりの1年が。パビリオンもまだ出来てません(勿論会場すら出来てません)、カナダからのキッチンチームは全員で7名ですがシェフ以外は年明けの2月にならないと日本に来ません、その間に2人でいろいろなメニューとか食材を手配をするんです。急にシェフから電話が入ります(シェフ)「duck fat アリマスカ?」(鴨の脂です)(僕) いついりますか?(シェフ) キノウ (僕)・・・・・・・・・・・。 英語で言ってください(泣) 大丈夫、解りますから(英語で言います)明日と言いたかったのを間違えたんです。夜の十時すぎに電話が鳴って、(シェフ) 「Wild rice イリマス」(外国産の野生のお米)(僕)どれだけ?いつ使いますか?(シェフ) 「アス ジュウジ」(僕)明日の夜10時迄にですね、 「えっ?朝、10時?」(泣) わ、わかりました、頑張ります。(シェフはとても勉強家で日本に居るときは日本語で話をするのがポリシーみたいなんです)こんな事もありました。いつものように電話が鳴ります、シェフです。(シェフ) 「イマ 000に、イマス、コレカラ クルネ」(僕は今、000に居るから今から来てほしいと解釈しました。)結果は逆でした。000に居るけど、今からそちらへ行くという意味でした。僕は車で向かいましたが、居ませんでした。(当たり前ですね)(行くと、来るは、最後まで逆さまになっていました)つづく。
2005/10/21
コメント(0)
料理(お店で提供する商品)とコストについて書き始めたらあまりにも長くなりすぎて読んでてもイヤになっちゃいそうなので、例を挙げながら僕の簡単な気持ちで表現してみますね。ある大型居酒屋さんの板長とのやりとり。(僕)けっこういいマグロですね~!高いでしょう。(板長) うん、kg3000円だよ、美味しいよこれは。(僕)でも注文来なかったら、悪くなっちゃいますね、どうするんですか。またコスト上がっちゃいますね。(板長)大丈夫!捨てないよ、ちゃ~んと口取りで使ってるから!。(誇らしげです)(僕)・・・・・・・・・。僕の気持ち解りますか?業界の人なら解りますよね、でも初めての人は覚えておいてくださいね。(とんちんかんな板長さんよ覚えておくんじゃ!)これはある意味、立派なロスです!たしかに捨ててはいません、しかし高価なマグロの煮付けの無料提供です、もっと極端に言い換えるなら、1丁100円の冷奴を半分だけ使用して売値180円、原価率は28%。どうだ!いい感じだろ!でも残りの半分は悪くならないうちに自分で食べちゃうようにしてます、だから捨ててません。と言ってるのと大差ないよ~!(実話) (笑)原価率の上昇原因として一般的に考えられる事は、1、定められた基準量を超えて盛り付け、又は提供している。2、調理の基準表(レシピ)の定期的な見直しがされていなく、基準が間違っている。3、ロス(失敗・腐敗・歩留まり)のカウントがされていない。(見えないロスが発生している)4、コストの高い商品がメニューの上位(Aランク)を占めている5、みんなで食べている(笑)その他まだいろいろありますが、初めてのお店で考えられるのは、大体はこのあたりが原因です。しかしこれがプロの料理人が入っているお店はけっこう複雑なんです、料理人の考え方が入り込んできます。これは文章では表すのが大変なんで、結論(僕の持論)だけでとどめておきます。僕の商品開発の基準になっている考え方。「こだわってこそ料理、見切ってこそ商品!」 この意味は。僕は料理人です(まだそのつもり)、料理人である以上、良い材料、良い環境、恵まれたスタッフで作りたいものです。これは高級店やお金にいとめをつけない人の集まるお店なら別の場合もあります、しかし多くは売れる価格帯、コスト、スタッフの能力、設備と環境、立地とかいろいろ守らなければいけない約束があるんです。この約束を守るためには、使いたい材料を諦め、設備を考えた上で仕込みを簡素化し、スタッフの能力を考え作り置きをする。勘違いしてもらったら困りますが、これら全てを諦め(見切り)なさいと言っているのではないですよ。お店の繁盛を最優先に考えた時、何処までこだわって、何処までで見切るか?っていう分岐点を考えて商品を作ると言う事です。「こだわり所と見切り所」です。全てにこだわって仕上げら、素晴らしい料理になります。しかしうまく見切って仕上げたら素晴らしい商品になります。お店の料理は商品でなければいけません。でなきゃ、ただの自己満足、腕自慢大会じゃ困ります。お店で働いている以上、そのお店にお客様が沢山来て、繁盛し利益を出す事が料理長(オーナー)の役目ですよね、料理を考えるのは当たり前です、それが商品となった時、売れるんですか~?美味しけりゃ売れるってもんでもないでしょう、、そのお店に来てくださっているお客様が喜んで買ってくれる「商品」でなきゃ~。そのためには約束の範囲を守って、その範囲内でこだわって、最高の商品に仕上げてください。余談:やっぱ難しい~!文章ではきれいに表現できないな~。ことばが足りなくて、誤解されそうな文章になってしまった。今度からもう少し文章を煮詰めて書き込みます、ごめんなさい。終り。
2005/10/19
コメント(0)
前回のお話の続きで、人件費率と食材比率を合わせると70%近くまで上がってしまう、うちの店で満足していただける料理とお客様に迷惑をかけず、喜んで頂けるサービスを提供しようとするとそうなってしまう。こんな時は視点を少し切り替えたり、ひっくり返して見ましょう。オープンしたてのお店で、こんなやり取りをよく交わします。(僕) 人件費が高すぎますね~。(店長)これでもギリギリなんですよ。(僕) でも本当にギリギリなんですか?(店長)これ以上減らしたら、お客様に迷惑がかかっちゃうよ。 ぎりぎりでやってます。(僕)そ~ですか~。じゃぁ~、今の人数ならお客様には迷惑が かかってないんですね? お客様に満足していただける接客が出来ているんですね?!(店長)・・・・・・・・。それは、ぎりぎりでやってるから・・・。(僕)じゃぁ~、あと何人入れたら満足いくサービスが出来るの? あと1人?2人?5人?いいですよ、入れちゃいましょうか?(僕は性格悪いんで、どんどん言っちゃいます)(僕)今度は料理長さんにお尋ねします。 何でキッチンはこんなに材料費が高いの?(料理長)価格を安くしなきゃ売れないし、量も減らせないし、 かといって、ネタの質を落とせば、お客さんに嫌われるし。これからお店を始める時には覚えておいてくださいね。店長さんの場合、要は人数の問題じゃないんですよ、と言うと、「一人一人のスキルアップを図りなさい」とか「教育です、トレーニングです」とか、難しい事はいいません。(注・必要でないというわけではありませんよ)考えてみましょう。僕が実際にお店のオープンをお手伝いする場合に、強く言う事です。オープンですから応援スタッフとか沢山いますね。サービススタッフは10人居るとします。(店長は別です)これで忙しいオープニングを乗り切るのです。お店のサービスの仕事を100%とします、単純に考えたら、一人一人の作業割り当ては10%ずつになりますね、しかし、本来このホールの適正配置では4人です。つまり本来一人で25%の作業が割り当てられるのです(僕) 一体いつまでこの人数で営業するの~?(店長)まだ、みんな仕事が遅いんで~、まだ全部覚えてないし~、だったら、人を早く減らしなさい!と言います。目茶目茶な事を言うと思われるかもしれませんが、オープンの時はこれが、多くの場合有効なんです。当たり前の話なんです、(荒っぽいですが)通常一人で行わなければ行けない作業や役割を2人以上で分け合って仕事しているんです、1人1人の考えは自分の他に9人いるという考えで、全員が仕事してしまっているんです。本当は25%の作業割り当てが出来る(潜在的に)実力のあるアルバイトさん、これが続くと10%の実力しか出せなくなります。当然です、例えば提供と片付けを分担してやっていたら、いつまでたっても二つの作業を一人で行う機会はありません、そのうちに提供したら、自分の仕事は終りと思ってしまいます。お客様がレジで会計しようと思っても、レジ担当者以外は気にもしません。気がついて、適正な人員配置の4名体制にしようとして10%の実力のスタッフが4人集まっても全体の40%の仕事しか出来ません、そのカバーをしようと店長さんは一人でへろへろになりながら残りの60%の仕事を抱える訳です。大変ですね~!考えてみましょうよ。人間、殴られると思ったら身構えるでしょう、頭を防御するとか、歯を食い縛るとか、よほどの人でないかぎり何か対策を考えるものですよ。仕事も同じだと思うんです、いつもより人数が少ないんだったら「あれは今からやってかなくちゃ!」「準備は前日に済ましておこう」とか「今日は忙しかったら、そっちに応援いくからね」とか自然に考えて行動し始めるもんです、(そういう方向にさせるんです)そして、その時は大変だと思いますよ、いつもより仕事の量も範囲も広くなるんですから、だけどいつしか、それが普通になるんです、実力が上がっちゃうんです、潜在能力が出てきちゃうんです。ぎりぎりじゃなく、余裕と自信も出てきます、適正です。ほんの数日の経験で変ってきます、店長さんの仕事は、その間、作業面と精神的なフォローをしてあげてください。店長は「オペレーター」です。僕はお店のオープニングの時、必要最少限しか、増員しません、これは開業前人件費の削減も考えますが、この時期に過剰な増員はトレーニングになりません、スキルもあがりません。もちろんオープニングに支障が出るようなシフトは組みませんが、体制を整え、あくまでギリギリまで助けません、助けた後はまた外れます、可愛そうじゃないんです「後ですっごく楽になるんだから」「みんなでオープン頑張っていこうね!」と言って声をかけてあげてください。何だか人件費の話から外れちゃったよ~、オープニングの話になっちゃった。材料コストの話は何処に行ったんだ~?って言われそうなんで、次回は料理とコストについての考え方お話です。またまた余談ですが。いつもギリギリのシフトで営業していると豪語している、あるお店のお話。ある日、そのお店のバイト君2人が突然出勤してきません、ドタキャンです。(正確には1人トンずら、1人体調不良)翌日それを知った僕は、お店に電話をかけて店長に「大丈夫だった?」「電話くれたら応援に行ったのに」と言いました。返って来た言葉「大丈夫ですよ~、心配いりません!問題無かったです!」何とも心強いお言葉!?いつもギリギリのシフトって言ってたじゃないか~!2人も休んだのに、ウソだったの? つづく。
2005/10/14
コメント(0)
前回はフードコストついて考えて見ましたが、もう一つの重要なコスト、人件費を考えて見たいんですが、考え方はやっぱり同じなんですよ。人件費(率)はその業種、業態によって若干違ってきます。それは食材コストと密接に絡んできます、例えば、比較的食材コストが高い回転すし、焼肉屋さんなどは食材コストは35%を超えています(全てではありませんが)、したがって、人件費は逆に25%以下に押さえるように考えてあります。今度は人件費が非常に多くかかる業態は、食材コストは低く考えてあります、極端に例えば接客サービスにお金がかかるスナック、クラブ、キャバレー、みたいな業種、ほとんど人件費です。ここまで考えると解ってくると思いますが、管理費と営業利益(40%)を差し引いた残りの60%をどちらで分け合うかという事になってきますね。あくまで基本的にですが、食材率30%、人件費率30%、管理費20~30%、営業利益10~20%ということです。つまり売り上げ100%から約40%の固定費と利益を確保するとしたら残った60%でやりくりしないと、「家賃が払えないよ~!」とか利益がまったく出ないよ~!」ってことになっちゃうわけです。そうですよね、家賃は毎月払わねば追い出されちゃうし、固定費ですからコントロール出来ないし、暇でも忙しくても電気代もあまりコントロール出来ないし。結局お店の店長さんと料理長さんがコントロール出来るのは、この60%の領域なんです、利益がでるのも、赤字になるのも、この部分にかかってくるんです。売り上げという分母に対して、コストという分子の振り分けという事です。これで少しは解ってもらえたかな~?あくまで一般論的ですから、必ずしもそうでない場合ももちろんありますよ。さっき、人件費もコストと考えかたは同じと言った意味がここにあります。人件費は30%以下に抑えているから大丈夫とか、25%だから優秀だとか、そんなんではないと思ってます。低けりゃいいってわけでじゃないって!考えてください。おくまでそのお店が、お客様に満足していただける為の、適正な食材費、それを提供するための、適正な人件費を考えた上で、コンとロールしてくださいという事です。これは結構難しいことです、でも大切なことです。人件費も食材コストも低けりゃ良いって考えはいけません、利益もコストも自分のお店にとって、あくまで適正なのはどうだろうか?って考えてみてください。極端な話、人件費がどうしても35%はかかってしまうし、満足していただける接客をするためには、それが適正だ!食材コストは、お客様に満足して頂くためには40%はかかってしまう、それがこのお店の売りだ、となった場合。この業態は成り立たないという結論になっちゃいますよね。だって両方で75%もかかってたら、利益どころか管理費も払えないですよね。 って事は結局、適正って何?どうしたらいいの~?って考えた人に「あきらめなさい!」って言ってしまったら終っちゃうので次回は「こんな風に考えよう!」ってお話にします。つづく。余談:僕の頭の中にある考え、方法論、一般論を説明すると読んでる人がイヤになっちゃうぐらい長くなるので、短くしたいんだけど難しい~!でも、そんな事本に書いてあるよ、本屋さんに行けばわかるよ!って言われないような、現実的に解りやすく説明したいな、だって、何とかコンサルタントとか偉い人の書いた本って、難しい業界用語と英語のカタカナが並んでて、解らない!って声を聞きます、こうしなさい!こうあるべき!って書いてあるけど、だ、か、ら、!って言いたくなるんです、って。今度こそ、つづく。
2005/10/07
コメント(0)
前回はフード関係のメーカーさんとか問屋さんのお話をしましたので、今回は食材コストについてお話します。すごく解りきった事を考えてみましょう。初めて聞く人がいたら頭の隅に入れといてくださいね。飲食店は一般的に"食材コストを30%に"が基準に考えられています。多くのお店がこれを守ろうと料理長さん以下、何かにつけ原価は30%とよく言われます。僕がクライアントのお店の料理長さんにお会いしてコストの内容を聞くと決まってどこも、「30%以下に押さえているから」とか「うちは大丈夫、ちゃんと30%以下だ」と言います。飲食店に限らず、どんな業態であっても、物を販売している限りコストはついてまわります。そこで考えて見ましょう。なんでコストは30%以下に抑えなければいけないんでしょう。超えてはいけないの?40%ではダメなの?それを今度は料理長さんに聞き返すと、「30%以下がうちの決まりだ!」と言われました。だから何で30%以下にしなければいけないんですか?と聞くと、イヤそうな顔をして「だから、それじゃ~赤字になるんだよ~!」と、言われちゃいました。僕も性格が良くないんで、言っちゃいました。そ~ですか、じゃ~、それ以下ならいいんですね。簡単じゃないですか。売価を上げれば下がりますよ、20%なら最高に儲かりますね。それと、材料を減らしてしまえばいい。いっそ仕入れを月末はするのをやめて、ありあわせでやりましょう!料理長は怒りますよ~!僕が料理長に言いたいのは、コスト管理を任されている立場であるなら30%の根拠を説明できなければいけないんです!と言いたかったんです。飲食店には業種、業態によっては25%必達!いや28%でないと、といろいろです。逆に35~40%でなければいけない業態もあります。(若くて綺麗なお姉さまが沢山いらっしゃるお店の料理のコストは? フルーツ盛り合わせ、時価! 怖いですね~。)しかし皆さんはこれからお店を始める時、コストの事を考えて行かなくてはいけなくなった時、思い出してくださいね。コストは低くけりゃ良いってもんでもなく、高くて良いわけでもないんです。そのお店にとって、「適正」であるか?が大切なんです。喫茶店、居酒屋、フレンチ、イタリアン、中華、和食、鮨(すし)、それぞれの業態も、それぞれのお店にはいろいろな事情があります。環境、立地、といった条件や、勿論そのお店の利益目標によっても違ってきます。あなたのお店にとって、「最も適正な食材コストは何%なんだろう」って考えてほしいのです。(説明を文章で全て表すのは長くなってしまい、誤解を招くかもしれませんが)人件費、食材費、水道光熱費、販促費、その他の管理費などなど、そのお店によって違います、当たり前ですよね。だから販売価格もその場所地域によって同じ商品でも違ってきます。大切な事は、自分達の考えた料理という商品の価格が、お客様から見て・お値打に仕上げっているか?・味、量、価格のバランスはよいか?、(当然ここには環境とサービスという商品も係わってきます)という事です。それらを総合して、あくまで適正なコストで、あくまで適正な利益を挙げる事が大切です。 儲けすぎは嫌われます、お客様は離れていきます。しかし利益を出さなければ存続さえ危なくなります。もう一度、自分達のお店の適性なコストを考えて見て下さい。コストをもっと上げたら、ひょっとしたら利益も上がるかも?コストを下げすぎているから利益が低いのかも?この意味解りますか?逆なようでも逆じゃないんですよ。やっぱり、日記では上手く短く説明できないな~、文章能力が完全に不足してます。もしこれから、料理長を目指す人、独立を志している人、この部分で詳しく知りたい人は、ご遠慮なくメールください。長々と(笑)説明させていただきます。・余談・ 最近の若い人は厳しい時世と環境の中で必死のオーナーさんの指摘をもろにあびながら、日々コスト削減と戦っています。だからコスト管理においては熟練の料理人さんよりも知識も理解力も上がってきています。熟練の料理人さんがこの日記を見ていたら、考えてください、もう一度。自己満足のために料理を作ってませんか?「コストは30%に抑えている!」なんて事しか言えない人に限っていつも、たまたま30%になっちゃってるだけの人が多いんです。管理する事によって30%にコントロールしている人は少ないですよ。「なんちゃってコントロール」です。「出来ちゃった30%」です。 そこのあなたの事です。(なんか全国のベテラン料理人さんから怒られそうだな~。でも、 料理人のはしくれとしては、黙ってられないんだな~。)今日は、終りにします。
2005/09/30
コメント(0)
前回はフードショーのお話でしたので、今回はフード業界とは切っても切れない食品メーカー、問屋さんのお話をします。食品メーカーと言っても、いろいろあります。和風食材が多いメーカー、洋風食材が多いメーカー。乳製品、コーヒー、乾物、冷凍食品、食肉、その他いろいろあるんです。特に日本の大手食品メーカーさんは海外に生産工場を持っていたり、専属の指定工場と契約していたりで、現地で製品加工しています。最近では外国の食品メーカーさんが日本国内で代理店を探して、自社の製品を国内に広めたり、日本法人を設立して、営業マンが積極的に活動していたりします。それじゃ~、新しい食材や製品をメーカー営業マンさんは、何処に向かって営業しているんでしょう?それは大きく分けると(例外もあるが)、2つの方向へ向かいます。1つは、私達の業界、(飲食店、ホテル、製造工場、業界関係者)いわゆるエンドユーザーさん、実際にその製品を使ってらっしゃる方達です。2つ目は、食品問屋さん、(いわゆる配達してくれる業者さん)(一般的に市販されている商品(スーパー、コンビニ、デパート等々)はまた少し違った部分であって、ここでは除外して考えて下さい。)この2方向に向けて営業マンはセールスに出向くのです。自社製品を取り扱っていただいている問屋さんに行って、倉庫を覗いて自社製品の在庫を伺ったり、サンプルを持ち込んで、新商品のアピールをしたり、注文を伺ったりと連日飛び回っています。問屋さんといっても、社員何百人もいる大手さんから、社長を含めても数人の小さな会社と様々です。そしてそこで、ユーザーさんの情報を聞いたり、営業独自でエンドユーザーさんのところへ向かいます。(問屋さん同行の場合もあります)。そして今回僕が参加してお手伝いさせて頂いたフードショーは、メーカーさんと問屋さんが協力して、エンドユーザーさんに自社商品をPRするイベントなんです。そして今回のまたまた裏話です。何度も言いますが、僕は料理人とかフード業界の社会的地位向上のために書いています。問屋さんと、メーカーさんの言ってるお話。(問屋さんの声)(問屋)まいど~!000屋です~!(料理人)・・・・・・・。(問屋)これは、ココに入れておきました!(料理人)それは出しとけよ~!(問屋)ははい、ココでいいですね?(料理人)おい!そんな所の置くなよ、ばかやろ!(問屋)すんません~!(メーカーさんの声)(メーカー)こんにちは!(料理人)・・・・・・。(無視)(メーカー)0000ですが、今日はご挨拶に伺いました。(料理人)ん?だれ?おい、ナンなの?(メーカー)今日はうちの新しい商品をご紹介させて・・・。(料理人)サンプルあるの?置いといて、後で見るから。(メーカー)今日は、これだけしか無いんで・・・。(料理人)なんだ!サンプルないの?これいくら?なに?値段もはっきり言えないの?大体じゃ困るんだな~。(知っておいてください、メーカーさんは、問屋さんを差し置いて勝手に商品価格をユーザーさんに言ってはいけないんです。タブーなんです。価格は問屋さんが決めるのであって、メーカーさんが言えるのは定価ぐらい、もし言ってしまったら問屋さんとモメます。)問屋さんとか、メーカーさんとかと、こんなやりとりしたことありませんか?メーカーさんも、問屋さんも、どちらも商売ですから頭を下げます。当たり前です、お客様ですから。でも、勘違いしてはいけませんよ。頭を下げているのは、あなたの働いている会社に対して下げているんですよ。あなた個人に対して下げているんではないですよ。あなたが街で普通に歩いている人だったら、誰も頭なんて下げませんよ。売り上げに結びつく会社の社員だから(頭を下げるん)です。そんなあなたが、もしその会社を辞めた時、街で見かけても鼻にもかけてもらえませんよ。以前、こんな光景に出会いました。キッチンに、ある有名メーカーの部長クラスの人が若い営業マンを連れてやってきました。(アイドルタイムです。)(メーカー)お邪魔します!0000ですが、今日はご挨拶の・・・・。(若い料理人)おい!アポとってあるの?(偉そうです)(メーカー)いえ、ちょっと近くまで来ましたので・・・・。(他の料理人)今はダメ!料理長は忙しいから、アポとって来いよ!(どなる様に、威張って言いました。)たまたま居合わせた僕は、恥ずかしくなってきました。そのメーカーさんは、お詫びして去っていきました。いくらメーカーとユーザーの関係といっても、それ以前に社会人としての対応というものが在って当たり前でしょう。相手はメーカーとはいえ、一流企業の部長です。年だって対応した料理人とは親子ぐらい離れています。社会的な立場からすれば、どちらが上かは言うまでもありません。相手に対する、言葉使い、態度、常識、対応の仕方、どれをとっても勘違いも甚だしい。(おまえのところの商品をとってやっていると言う、ありがたく思えと言わんばかりの考えを持っていませんか?自分が買ってる訳でもないのに)これらは営業マンにとっては、全て会社に対して仕事で頭を下げていると言う事を忘れないでください。けっして、あなた個人を指して感謝で下げているのではないのです。立場は五分五分でいいのです、売って頂くわけでもなく、ましてや買ってやる!わけでもありません。お互いビジネスですから。よほど親しい場合は別、しかし社会人同士として最低限の常識ある対応は心得ておかないといけません。(初対面の場合は特に)営業マンやメーカーさんは、お店の外に出て、笑っています、呆れています。こんな店には追加の配達があっても、在庫が無いと言ってやる。安い見切り商品があっても、教えてやらない。急遽、配達を頼まれても、配送が出払って行けませんと言ってやる。別にうちの商品使ってくれなくてもいいし。大して使ってくれてないのに威張るだけ。もうお客さん、紹介するのやめとこう。そして、もっと恐ろしい言葉を聴きました。あのね、我慢料って言う料金は見積りに入ってる所もあるんですよ。お~、怖い!こんな風にならないで下さいね。つづく。■TrackBack (トラックバック)送信先■恐るべし!!究極の経費節減・究極の集客…
2005/09/21
コメント(0)
久しぶりの日記です。恒例の北陸巡業から帰ってきました、年2回の食品メーカーさんの新商品プレゼンテーションです。大きな展示商談会なので、北陸地域の大手ホテルの料理長さんやら居酒屋の大将、カフェの経営者、レストランのオーナーシェフ、いろいろなジャンルの料理関係者が来るんです。そして冬メニューの商材を探してみたりする人、真剣にメニューヒントを探している人様々です。僕はと言うと、今年の冬向けの提案商品を使って、いろんな料理を作って解りやすく説明して、その商品が売れる様に努力します。その時の僕は、けっこう楽しんでます。料理を作るのが楽しいのではなく、その商品を食べている料理人さん達の反応を見ているんです作った料理の前に、若い料理人御一向様が来ます。(僕)いらっしゃいませ!(料理人)・・・・・・・。(皆、ムっとした顔)(僕)ポルチーニとマッシュルームのペンネです。トマトベースですごく完成度が高く、このまま温めるだけで・・・・。行ってしまいました。ただ黙って、一口つまんで無言で去っていきます。僕には解りますよ。あれは初めから見ようとしていません。味も確かめてません。名札には「居酒屋000」と書いてあります。次は「000ホテル」と書いてあります、セクションシェフクラスでしょうか、少しベテランっぽい人。難しい顔をしてパスタを「じ~っと」見ています。僕がすかさず今度は「グリルしたナスと野菜のたっぷり・・・・・。(料理人)うちは自分で仕込んでるから・・・。行っちゃいました。皆さん、これから僕の言いたいこと解りますか?初めに来た、居酒屋さんの若い方達へ一言。あなた達の働いているお店のジャンルからしたら、僕の提案しようとしているパスタ料理は畑違いですね、きっと「パスタか~、うちじゃ違うな~」てな感じだったと思います。(違ってたらごめんなさい)でも考えてみてください。日本料理にトマトは似合いませんか?きのこは合いませんか?別にパスタにだけ使ってくださいと言ってる訳じゃないですよ。さっと、炙った秋鮭にレモンと一緒に添えてみては?美味しいですよ。脂ののった秋刀魚(さんま)の塩焼に添えてみては?一味違った秋刀魚になりますよ。北陸の美味しいイカを、さっと茹でて、このソースをからめてみては?パスタを作って見せているのは、パスタを売るためではないんです。ソースの味見をしていただくための手段です。固定観念にとらわれてはいけません。味の組み合わせにジャンルはないんですよ。次は二番目のホテルの料理人さんへ、一言。たしかに貴方が作ったマッシュルームのトマトソースは美味しいでしょう。材料も吟味されて、手間と時間をかけて、ベテランのあなたが作るんです。既製品より材料コストも安く、貴方自身100点のソースでしょう。でも僕もメーカーも、そんな事、十分解って勧めているんですよ。僕が言いたいのは、貴方以外の人でも同じ物が作れるんですか?若い料理人さんが作っても、同じ時間で、いつも同じ味が出せますか?コストに関しては、作業時間も立派なコストです、食材だけではありません。ベテランのあなた達の時間給は一体いくら、かかるのですか?おそらく年収から推測すれば時間あたり2000円の人件費はかかります。それもしっかり原価に関わってきます。それを考えたら本当は既製品のほうが安くなる場合だってあるんです。だからって、まずくても既製品を使えと言ってるんじゃありません、ベテランしか作れないソースに2時間以上も費やしているよりも、そのソースをベースに考え、一味加えて、より美味しく仕上げ、作業時間を短縮し、作業を標準化する事によって安定した商品が提供できるようになります。そしてその分のゆとりを、他の本当に重要な作業に費やしてみたら?って、考えちゃいます。しかし、これは一つの例であって、全ての考えではありません。ただホテルのような、しっかりと管理し、利益を厳しく要求されるような業種では、そこで働く中間管理者はこの辺を理解しなくてはいけません。と、まあ~こんな事考えながら料理人ウォッチングしています。あと、ついでに一つ教えちゃいます。皆さんが機会があって、フードショーに行く場合は、仕事の一環として行くわけですから、会社から近い場合でも最低限の身だしなみは整えて来てください。間違ってもコックコートで来てはいけません。ちゃんと着替えてから来てください。そしてレストランで食事が出来る程度でいいですから、清潔な服装をしてきてください。何故って?あなたの胸には自分のお店の名前が貼り付いているんですよ。会社の看板しょって来てるんです。メーカーさんは、ちゃんと全てチェックしてます。「あのお店の従業員はいい年して、いつもだらしない格好をしている」「あのホテルはコックコートを着て外出する事を許してるのか?」「あんな、汚れた作業着いつも着ているのか?」「いつも威張って文句ばかり言うから適当にあしらっておこう」こんな感じで、みんなチェックしてますよ。(逆に素晴らしく好感がもてる方も、勿論います。)僕も料理人が社会的に低く見られるのは不本意です、社会人としての地位向上を願っている一人です、気をつけて下さいね。つづく。■TrackBack (トラックバック)送信先ひまじんページオブかなざわ@BLOG♪
2005/09/17
コメント(0)
ダメかと思ったシリーズは、とりあえずちょっとお休みして、これから料理人、フードコーディネイト、またはこの業界へデビューしようと思っている人たちに、少しでも役に立てるようなお話が出来たらいいな~、と思い少しだけ真面目シリーズを書きます。このシリーズを読んで、同じ業界の先輩諸氏からみて、「違うだろ~!」と言うお言葉を頂くかもしれませんが、あくまでも自分の考えであり、僕の尊敬する方たちの教えと、実際の経験から学んだ事を、コンサルタント的ではなく、解りやすい表現で初心者向けに、噛み砕いてお話します、多少の省略はありますが、今後、開業される方、料理長を目指す方、またコーディネイト業界にデビューをされる方、何かの役に立ってくれれば嬉しく思います。また読んで頂いて、もう少し突っ込んだ話が聞きたいと思った方はどんどん聞きに来て下さい。⇒有限会社シーズ・フードシステム難しい経営理論や、机上の理想論ではなく(これは重要な事ですが。)あくまで僕が今までに、何十店舗もプロデュースしてきて、出会った人たちを例に挙げたりしながら、生々しい(笑)お話をします。あくまで初級編です、只今の時刻午前1時35分、これから僕のお客様、ダイニング&カフェの冬メニューの最終打ち合わせに現場に行ってきます、終るのは多分4時過ぎだと思います。今日は朝一番で某カラオケチェーンの新メニューの最終試作とその写真撮影で現場のテストキッチンで午後7時までかかりっきりで料理を作り、撮影スタッフと、ああでもない、こうでもないと、息が合わない事にイライラしながら何とか終了しました。そして携帯の呼び出しで思い出した!7時からコーヒーメーカーさんと明日のテスティングの打ち合わせ!完全に忘れていました。急いでオフィスに戻る。9時になったら明日のカナダ・パビリオンの打ち合わせ相手のシェフが突然フタッフを連れてやってきた!一体僕は、何時になったらお昼ご飯が食べれるんだろう?結局11時30分までシェフ御一行様は居ました。そして明日は朝10時から、最近オープンさせたカフェの販促の打ち合わせ、そして2時から愛知万博のカナダ・パビリオンへ行き、ファイナルパーティーの料理の打ち合わせ、通訳を交えながらカナダ人シェフとの料理打ち合わせ(もっと英語が上手くなりたい!)。午後6時から、ベーカリーカフェにて、コーヒーメーカーさんとのコーヒー豆のテスティング。そしてオフィスに帰って、締め切りが迫っているメニューの作成。明日は一体何時に終れるんだろ~。フードプロデューサーって、名乗ってカッコいいように思うかもしれないけど、本当に体力、気力、根気と要領の勝負です、こんなの日常的な事ですよ。今日は時間が無くなっちゃいましたので、ここまでです。遅れると迷惑かけるので、現場に行ってきます。次回から楽しみにしててくれたら嬉しいな。終り。■TrackBack (トラックバック)送信先bookcafe bygonesの店舗日誌 :一年ほど前ですわ・・・ザッともズroom フードコーディネートのレポレポCON@CEPTのHAPPY!!ブログ!!:水色
2005/09/07
コメント(0)
張り紙を見つけた僕は、すぐさま店の中に飛び込みました。入り口には大きなケーキのショーケースがあって1階がコーヒーショップになってます。キョロキョロしていると、「いらっしゃいませ!」と品の良さそうなおじさんの店員が出てきました。以下やりとり。(僕) 外の張り紙見ました。(店員) あ、そう・・・。(僕) コック見習いやりたいんですけど・・。(店員) 君、何歳?(僕) 17才です。(店員) まだ高校生だろ、18歳以下はだめだよ。(僕) 学校辞めました、すぐに働けます。何か困った顔をしながら「こっちにいらっしゃい。」と僕をコーヒーショップの席に案内してくれて、しばらく待っていると、黒服を着た別のおじさんが現われて。「調理場で働きたいのか?」(僕) はい!(やたら元気です)「うちは18歳以上じゃないと雇えないんだ、10時以降は働かせてはいけないと法律で決まってるし、君はまだ17歳」僕は愕然としました。何で~?友達だってみんな働いてるのに・・・・。(僕)どうしてもダメなんですか?(黒服)う~ん~・・。(黒服)いつから働きたいんだ?(僕) 今から!(黒服)ばかやろ~(笑)(僕)じゃ、明日から。しばらく考えて動きが止まっていました。(黒服)わかった!明日の9時に来なさい。(僕)ホントですか?いいんですか?未成年でも!(黒服)何とか考えてやるから。大丈夫だろ、やりました!就職です!明日から僕も料理人です。その後、着替えのロッカー室とユニフォームをもらい、怖そうな調理場に案内されて、「明日からこの厨房に来る「坊や」だ、よろしく頼む!」奥から出てきたのは、やさしそうなコックさん、ニコニコしながら「今日は料理長は休みだから、明日は遅刻するなよ。」僕は緊張しながら「はい!お願いします!」と言って厨房を出ました。やった!思った以上にいい人達ばかり。でもここからが僕の料理人人生の始まり。この日記の最初を飾る「ダメかと思った」シリーズ1の始まりでもあります。最初から見てない方は見てみてください。つづく。
2005/09/02
コメント(0)
とっても安易で不順な動機で料理業界入りを決心した僕は、とりあえず年末はゆっくりと体力を温存して、お正月からの就職活動に備えました。そして年は明けて、1月4日、活動開始です!さて何処に行けばいいんだろ~。 まったく業界に知り合いはいないし、かといって友達の働いている店に入ったんでは、その友達が僕の先輩になってしまう。そんな事は僕のプライドが許さない!結局、新聞の求人欄で調理師見習い募集を探す事にしました。しかし時は昭和49年、ベビーブーム世代のライバル君たちがうじゃうじゃ居ます、まして西洋料理の求人を探し当てても「ウエイターを1年はやってもらうよ」とか「順番にキッチンに入れてあげるから、それまでホールサービスの勉強のためウエイターをやりながら待ってなさい。」こんなんばかり。僕は焦りました、友達はキッチンでどんどん仕事を覚えている、僕はどこも雇ってくれない!ボーイなんてまっぴらだ!僕は「こんなに就職って難しいんだ~。」て思いながら当時オープンしたばかりの「ユニー(スーパー)」に何となく入って行き、3階のフードのフロアの入り口に立って「求人募集したないかな~」と入り口をうろうろ。当時僕は17歳、おなかが減りました、お年玉もまだ残っています。「何か食べよう!」せっかくだから窓の外の景色がいい店に入ろうと思い、お洒落なお店に一人で入っていきました。そこで食べたこともない物を注文しました。サンプルケースにあった、お好み焼きみたいな綺麗な食べ物。早速、それを注文!来た来た!初めてだ、こんな食べ物、でも何か変な匂い。げ~っ!全部チーズじゃ~!臭いよ~!生まれて始めて食べた「ピザ」でした。名前ぐらいは聞いた事ありました、でもどんな物かも知りません、ましてこんなにチーズだらけの物とは・・・。チーズは学校の給食でリバースして以来、ダメな食べ物ナンバーワン!コーラで流し込んで飲み込み、事なきを得ました。そして何気なく窓の外を見たら眼下にレストランが見えます、そしてその窓に何やら張り紙がしてあるではありませんか!思わず「もしかして!」急いで店を出て、その店の前に行ってみると。「コック見習い急募!」と書いてあります。やった!見つけた!何も考えず、その店に飛び込んで行ったのでした。つづく。次回、雇ってください!エピソード2
2005/09/01
コメント(0)
僕がなんで料理人になったのか。今回はそのお話です。とっても安易でウソみたいなホントの話です。「ダメかと思ったシリーズ(1)」の初出勤の前の、クリスマスも迫った12月でした。僕は高校はワルでも成績は最低でもなく、かといって良いわけでもなくごく普通の高校生でした。しかし、家庭のちょっとした事情で突然学校を自主退学することになっっちゃたんです。それまでの僕は大学に行って、家電メーカーか商社に就職したいと思っていたんですが、、、。しかし、そこで人生が大きく変ってしまいました!学校を12月の2学期で辞めて、正月をゆっくり過ごしたら、就職活動でもしようと、ぶらぶらしてたある日の事。中卒で中華飯店に見習いで働いていた昔のワル仲間のお店に行きました、まだ開店前なので、そのワル仲間は一人でキッチンの仕込みをしています。僕はカウンター越しにその光景を眺めていて、関心すると同時に「カッコいい!」と思いました。あのワルガキが包丁も鮮やかに使いこなし、てきぱきと野菜を切り刻んでいます。そして「腹へったろ~!」と言うと、チャーハンを見事な鍋さばきで作ってくれました。 カッコいい~! あのワルが。「俺もこんなふうに包丁が使えたらカッコいいな~」「きっと女の子にももてるだろうな~」「あんなふうにフライパンが使えたらカッコいいな~」「きっと女の子にももてるだろな~」と、なんとまぁ、とても不純な感動でした。そして今度は、別のワル友達の家に行きました、その友達は僕より1年も早く、学校を辞めていたので、ヒマついでに尋ねて言ったら、レストランで働いているとの事。さっそくそのレストランの裏口に行って、呼び出してもらいました。「お前!忙しいのに突然仕事場に来るなよ!」って真っ白な高い帽子に白いスカーフのワル友が現われました。「カッコいいじゃん~!」それに表のメニューを見たら、何やら難しい料理というか読めないスペルで、しかもフランス語。「カッコいいじゃん~!」こんなフランス語が書けたらカッコいいな~「きっと女の子にもてるだろうな~」やっぱり、もてる事しか考えていませんでした。でもその不順な動機が僕の人生を変えたのでした。特に料理を作る仕事がしたかった訳でもなく、特に料理が好きな訳でもなかった僕が、「俺もやったろうじゃん!」と、ただカッコよさと、きっと料理人になったらもてるに違いない!といった無謀で無計画、極端に甘い考えで、本当に決心してしまったんです。つづく。次回は雇ってください!編です。■TrackBack (トラックバック)送信先商売って面白っ: 「俺は商売が好きである」「それで金が儲かるなら得である」「客が満足してくれると嬉しい」繰返しされる質問 はじまりのはじまり/ウェブリブログ
2005/08/23
コメント(0)
ダメかと思ったシリーズは、おかげさまで好評ですが、おまりのボケネタで僕の本当の姿が誤解されそうなんで今回は、少し真面目なお話です。僕はもう30年以上も飲食に携わっていて、その大半を料理人として現場で仕事をしていました。そして、何度も過去を振り返っています。今、あの頃の描いていた未来の自分でいるのだろうか?見習いになった時、「目標は何でも作れるようになりたい!」ほとんどの料理は出来るようになりました。「料理長になってやる。」36歳でホテルの料理長になりました。「もっと大きな舞台で料理を作って総料理長になりたい!」取締役の総料理長になりました。ここまで約25年かかりました。でも今、思います、ここからなんです、料理の事が本当に解って考え、お客様本位の料理を考える事が出来始めたのは、ハイテクニックの凄い料理、高級な食材を使った料理、観るからに美しい料理。世の中で活躍していらっしゃる料理人は沢山います。そして活躍していらっしゃる料理人さんは、この事が解っている方達。でもその他の料理人の中には、自分のエゴむき出しの料理を作ってばかりいて、店のオーナーを困らせていたり自分は一流と、自分で決めつけ、自己満足とプライドを保つための料理ばかり作っています。こんなシェフは仕事が無くなります。こんなシェフが独立したら、お店はつぶれます。誰が一流と決めるんでしょう?誰が美味しくてすばらしい!と決めるんでしょう?自分で作って、家族に食べさせるとか、身内になら解ります。しかしお金を頂くお客様に食べて頂くわけですから、やっぱり決めるのはお客様。そして売れて繁盛して、オーナーが認める訳です。こだわっているつもりでも、伝わっていない。自分で凄い料理だと思っても、そこまで望まれていない。高級料理を作っても、高くて売れない。全てお客様の気持ちを考えていない料理です。料理人は、料理を作ると同時に売れる商品を作る事を考えなくてはいけません。(見習いは別ですよ。)なんて事を今日は考えていました、でも最近多いんですよこんな料理人。だからオーナーとか企業の社長から見た、料理人の立場が低く見られる場合が多いんです。これは世の中の料理人さんに、頑張ってもらわねばと思い今回は少しだけ、愚痴ネタでした。こんな料理人さんを抱えていて、苦労なさっている、オーナーさんがいましたら、お返事待っております。終り。
2005/08/15
コメント(0)
僕はそのホテルに通うことになって、東京から引っ越してきたので、比較的、通勤しやすく、地下鉄が便利な贅沢な新居を探しました。それが、そもそも災難を招くきっかけでした。通勤し始め、グランシェフの恐ろしさも身にしみたころの、ある休日の朝の出来事でした。僕はアパートの前の駐車場で、天気も良かったので愛車を洗っていました。天気はいいし、休みで早起きして気持ちが良いな~!すると、僕の背後に冷たい気配を感じました!振り向くと、男の人が通り過ぎて生きました。なんか、後姿に見覚えがあるような気がします。まぁ、いいか。当時、僕はまだ独身でしたから、休日は自由の身、仕事も忘れ、リラックスして休日を過ごします。そして、夕方になり、近所のレンタルビデオ屋さんにビデオを借りに行きます、男ですから、アダルトコーナーも気になります。とりあえずアダルト系を1本持って、そして最新の映画を探していたら。朝と同じ、冷たい気配!ふっと、横を見たら。ぎゃ~!わぉ~!グランシェフです!目の前が真っ白になりました。それも顔が僕と20cmぐらいしか離れてません。僕が完全に固まっていると。(シェフ) 何だおまえ。「こっちが聞きたいです。」(僕)おお、おはようございます。(業界ではその日の最初の挨拶は夜でも、おはようなんです。)(シェフ)この近くに住んでるのか?(僕)ははい、すぐそこです。僕はアパートの方向を指で指しました。(シェフ)なんだ、俺と同じ方向じゃないか!(そんなの知るか!なんであんたがここにいるの!)それより僕は左手に持った、アダルトビデオを何とか隠さねばヤバイ!と思っていたら。「オマエは何を借りたんだ?」(ほっといてくれ!)僕は左手に持ったアダルトビデオを即座に目の前の映画ビデオと摩り替えました!やった!うまくいった。シェフは手に取った僕のビデオを指差し、「おお~、その映画は面白いぞ、いい映画だ。」その映画は「ラストエンペラー」過去3回も見た映画。(もう借りたくないよ~。)シェフは結局何も借りずに店を出ていきました。僕も好きなビデオに代えて4度目を観ないで済んだんですが、、、。何で休みの日までグランシェフの顔に怯えなくてはいけないんだ?なんで休みの日にまで逢わなきゃいけないんだ!けっきょくシェフの家は僕のアパートから50mも離れていない高級マンション。それ以来、コンビニ、ビデオレンタル、喫茶店、入るときは必ずチェックしていました。これって、ホントの話ですよ、ウソみたいな話だけど。シェフも東京から出てきて、僕も東京から帰ってきて、同じホテルの、キッチンで、住まいも近所。勘弁してください。だから休みはグランシェフと同じにならないように、そして毎回、休みの日はシェフのマンションの車があるかどうかチェックしていました。(シェフは車通勤なんで、無ければ出勤です)終り。
2005/08/08
コメント(0)
沢山の人たちが働いているホテルのキッチンでは当然ですがいろんなキャラクターの人たちがいます。上司にも性格の良い上司、ちょっと変った上司、どの世界に限らずいるもんです。その上司は、役職からすると僕のすぐ上、すご~く出世欲の強い人。みんな、けっこう嫌っていました。僕もその日に、ちょっとしたミスで起こられたばかりで、その怒り方も「そんな事したら俺が叱られるだろう!」です。とても上司が部下に対して怒る時の言葉とは思えません。そしてまた起こりました。その日、僕は帰る時、ペストリーキッチンに寄って、仲のいい同僚と会い、バイキングに残ったプティシューをもらって食べていました。これは残り物で、明日は使えないので捨てるのはもったいないと2個ほど食べて、雑談をして、残りを少しもらって帰ることにしました。中にはたっぷりカスタードクリームが入っていて、仕事後の疲れを癒すのに好都合です。その横を、その上司が通り過ぎて、ジロ!っと視ていきました、僕は捨てるのもったいないから食べてるんで、起こられないと思い、無視です。そしてロッカー室に行くと、その上司が着替えていました。(僕)あっ、お疲れ様でした!(上司) おっ!(これだけです) ちょうど着替えて靴を履き替えてる時でした。(僕)(いやなタイミングだな、怒られたばかりだし) と思っていたら。(上司) うわぁ~!(変な声です) 僕は上司のほうを見ました。 上司はあわてて靴を脱いでます。その瞬間、僕もびっくり!すると同時に笑えてきました、なんと上司の靴の中に、先ほどの美味しいプティシューが仕込まれていたのでした。靴の中の先のほうに隠して仕込んであって、それも両方に。絶対に判りません、上手いこと考えたな~。臭いはずの上司の足の先は美味しそうな、クリームの香りに変っておまけに靴下はドロドロです。僕は、ただただ面白くて笑っています。でも、その時僕の左手に持っていたのは、サランラップで丁寧に包まれた同じプティシューでした。ぼ、ぼくじゃないですよ~(汗)犯人は判っています、あいつです。でもいい奴だな~、でもタイミング考えてくれよ~!(上司もちゃんと、靴は臭いからってロッカーの上に置いとくからですよ~、自分の靴なんだから、迷惑ですよね。)(余談) 本当にシュークリームが靴の先のほうに入ってたら判らないんですよ、抵抗なく履けてしまうし、揺すっても転がってこないし。見事に両足とも履いてしまってましたよ。でも食べ物を扱う人がやってはいけませんよね、でも若い料理人はこんな抵抗しか出来ないんです、ごめんなさい。
2005/08/06
コメント(0)
大きなホテルには沢山の料理人が働いています。もちろん会社ですから、肩書きがあり、名称はその会社によって様々です。取締役級、部長級、課長級、係長級、主任級、平社員級、見習い社員級、言い方はホテルによって違うけど、こんな感じです。大体、大型ホテルですと10~20ぐらいのセクションに分かれていて、そのセクションごとに、担当の料理長(シェフ)がいます。そしてそれらのセクションの統括をしているのが総料理長(グランシェフ)です。 とても偉い人なんです。そして各セクションの中でも細かく担当が決まっていて、巨大なピラミッド組織が出来上がっています。ですから出世競争もあるんですよ。グランシェフに嫌われたら、左遷セクションに行かされます。そういった意味でも、グランシェフは怖いんです。僕の勤めていた、あるホテルの料理長は、厳しくて、真面目で、顔が怖くて、気が短くて、目が合うだけで、思わず謝りたくなってしまいます。グランシェフのオフィスは前面ガラス張りで大きなメインキッチンの中にあります。だからどうしても、その前を通る機会が多い、だから目が合う事が多い、僕は、わざと視線が合わないように、一点を見つめるように通り過ぎるようにしていました。エピソード1ある日、僕は社員食堂に行こうと、エレベーターの前で待っていました。エレベーターが来て、チン!(ドアが開きます)ギョ!(驚きの表現です。)先客が居ました。グランシェフです。ただ一人、エレベーター内中央で仁王立ち。笑っているはずありません、ただ、怖い顔。僕は瞬間に隠れようとしましたが、早く食堂に行きたかったので、ドアの前で待ち構えていましたから、逃げられません。振り返ったら、さっきまで僕の後ろに居た人たちは誰も居ません!逃げたな~!僕一人ぼっち!グランシェフは「どうした!乗らないのか?」僕は乗りました。そしてエレベーターのドアはゆっくりと閉まります。苦しい!グランシェフと密室で二人っきり!(無言です)エレベーターの中が真空状態みたいです。たった6階まで行くのが30階まで行くような長い時間に感じました。エピソード2僕はタバコを吸います、もちろんキッチン内は禁煙です、喫煙は食堂のみ。でもオープン当初は、忙しくて食堂に行ってる時間も休憩もありません。だから交代で各セクションの同僚達と、トイレで缶を置いて吸っていました。ある日、僕がトイレに行くと2人の後輩が先にタバコを吸っていました、僕はトイレに入るなり、「う~、臭せ~!」と言いました、もちろんタバコの煙の事です。そして、僕もタバコに火をつけたその時!ジュボボ~!(トイレの流す音)ガチャ。(大便のドアの開ける音)ウンチをして、出てきた人が居ました。グランシェフです。う~っ!臭せ~え!と大声で言ったのは僕です。すんません。こんな事書いても、理解されにくいと思うけど、本当にこの世界は特別なんです。まだまだこの業界の裏側を書いていきます、楽しみにしててくださいね。終り。
2005/07/30
コメント(0)
鬼のような形相で怒鳴ってきました!シェフ 「おい! おまえ!こっちへ来い!僕はダッシュ!でシェフに近寄りました。そして。すいません!と、まず謝りました。シェフ「何やってんだ~!、何だこれは!」(僕)フレンチトーストです・・・、失敗の・・・。」(心の中で叫んでいます)(泣)(シェフ)誰がこんな物出していいと言った!(僕)はい! すいません!(ホントにこれしか言えません)(シェフ) すぐ、やり直せ~!僕はすぐに新しい皿を取り出そうと、ディッシュウオーマーに手を伸ばした瞬間!ボコっ!(効果音です)殴られました。それも頭を、しかも、グ~です。(げんこつ)するどい痛みを感じながら僕は無言で仕事を進めます。今度はフライパンを取り出しトーストを焼き始めます。ガツッ!(効果音です)蹴られました。シェフはよほど頭に来ているのか、機嫌が悪かったのか、周囲の若い料理人は、凍り付いて固まっています、他のセクションのスタッフも騒ぎを聞きつけ集まってきます。僕は必死にトーストを作っています。シェフが怒鳴りながら僕を蹴って見たり、殴ってみたり。ボコボコです。地獄絵です。(仕事が遅くなるから、それ以上殴らないでください!)(泣)何とか、無事(?)にトーストを焼き上げ、ルームサービスにフレンチトーストを引き渡しました。そして、シェフは去っていきました。周りのみんなから、「どうしたんだ!」「おまえ、何やったんだ!」何もしてませんよ!若い奴の責任を僕がとったと言うことです。「ばかやろ!何で俺がこんな目に逢わなければいけないんだ!」と心で叫びました、そのトーストを作った若い部下には「はははっ!気にするな、今度から気をつけろよ。」とっても爽やかに言ってやりました。ホントは、強烈な被害者意識で泣き叫びたいくらいです。」痛いです。シェフは管理職になったばかりの僕に対して、管理することの大切さと、厳しさを教えると同時に、若い料理人に対して、手抜きをしないようにとの忠告でした。なんて解りやすいやり方なんでしょう。僕は当時、30才を超えていました、あれが僕のキッチンで受けた最後の鉄拳でした、あれ以来殴られてはいません。最後の思い出の痛みになりました、その総料理長は今でも、そのホテルで活躍してらっしゃいます。思い出をありがとうございます。終わり。次回は、この総料理長のエピソードをお伝えします。あと、これから3日間、山にこもって料理を作ってきますので3~4日お休みします。また見に来てくださいね。
2005/07/22
コメント(0)
少しだけ時代が先に進み、僕が某ホテルのオープニングに参加した時の出来事というか、またまた事件です。大きなホテルです、料理人も200名近くいました。その頃は、僕もある程度キャリアも積み、そこそこのセクションで責任のあるタイトルをもらってました。そして、当たり前ですが、やっぱり、とても怖いグランシェフもいます。僕は、別に悪いこともしていないのに、何故かシェフの顔を見るだけで怖かったんです。(でも本当はとっても、温かい人です)ある日の朝、ルームサービスとダイニングのBFバイキング(※1)の担当をしていて、僕のチームは朝から戦争状態。ルームサービスの予約の対応、バイキングの料理、おまけに前日の深夜まで続いた仕込みの疲れ、キレそうです!その日もいつものように、グランシェフが出勤してきてからの、朝の巡回。全部のセクションに怖い顔を出して、皆さんを緊張させてくれます。僕は必死でバイキングの料理を作っています、当然、シェフが至近距離にいるのに気がついていません。これがまずかった!突然!何だこれは~!(死ぬほど大きな声です。)僕は、そこでシェフが来ている事に始めて気がつきます。そして、次に世にも恐ろしい光景が、目に飛び込んできました!そこには、カウンターに出されたルームサービス用のフレンチトーストふにゃふにゃ!っと情けなく皿に横たわったフレンチトースト君がシェフににらまれて、小さくなっています。やってしまった~!最悪だ~!そのハレンチなトーストは、僕の部下が作って置いたもの。ルームサービスが忙しくて、取りに来るタイミングが悪いせいで、本当はふっくらしているはずの物がぺしゃんこになっていました。(シェフ) おい!おまえ!こっちへ来い!(鬼の形相です)(僕) はい!(大きな声です。)(シェフ) 何やってんだ~!惨劇へここから始まりました。とりあえず終わり。次回へ続きます。 ダメかと思った。その18(ハレンチトースト2)※1:Break Fast朝食バイキングのこと
2005/07/19
コメント(0)
テーブルの下でも、スカートのおかげ?でお客様には、まだ発見されません。このまま隠れてパーティーが終るのを待つか、でも、そんな事したら、あと2時間以上はこの場所に隠れていなければいけない。安全ではあるけど、キッチンに戻ったとき、僕の身が危険だ!ただでは済まない!何とか、この場所から抜け出すか、それしかない!僕は大きなテーブルの中をグルグル這い回り、ひとけの無い箇所を探しました。ダメです!今度は一番出口に近い方へ行きます、そ~っと、スカートの下の隙間を持ち上げ確認しようと出口付近を見たら、ウエイターが立っていました。目が合ってしまいました!その時のウエイターの驚いた顔は笑えます。(その時は笑えません)僕もとっさに隠れてしまいました。(何でだろ~?)ウエイターが近寄って来るのが分かります、そしてスカートの前で、「何やってんだ!おまえ!」(小声です)(僕)すいません~~!(泣)寝ちゃったんです!出してくださ~い!(小声です) (ウエイター)ばかやろ~!待ってろ!(小声です)(ウエイター)俺が良いと言ったら下から出て、テーブルの前に立て!逃げなくてもいいから、俺の横に立て!言われた通りに、合図と共にいっきに出て、立ち上がりました!ウエイターが同時に大きな銀の皿を手渡しました。そうなんです、お客様がテーブルから離れた隙に、いかにも下げ物をするために来た、キッチンスタッフを装ってくれたんです。堂々と会場を出ました!でもきっと、誰かに見られてるはずです。でも、これからが大変でした。祈るような気持ちでキッチンのドアの前に立ち、以下やりとり。 ドンッ!(扉をあける音)(僕)すいませんでした!(全員) ・・・・・・・・。(黙って片付けてます)(僕) ・・・・・・・・・。(僕)あの、つい、テーブルの・・・・。(僕)ホントに、すいませんでした!(全員)・・・・・・・・・。これほど恐ろしい仕打ちはありませんでした、凍りつきそうです。僕はすぐ先輩達に代わって掃除をしました、誰も口を聞いてくれません。結局、後から思いっきり叱られたのは、言うまでもありません。そして、もう一つ。僕がテーブルの下で寝ていたのは、みんな知ってたんです。懲らしめるために、料理長が放っておけ!と言われたそうです。何とも、情けない、笑えない話。でも、若い料理人は競争が激しく、今でも休憩中に寝ている同僚が居ても、みんな起こしてくれない場合が多いんです。何故って?自分だけは休憩が終る少し前にもどり、先輩達から少しでも、ひいきにされたいんです、だから同僚が遅刻したりすれば、自分にいい仕事が回って来ます、「あいつはダメだがおまえは・・」みたいなもんです。意地悪だけど、実際によくある話です。これから、見習い料理人になろうとしている人がいたら、僕に何でもいいから聞きに来て下さい。災難を最小限にとどめる技を伝授しますよ。終わり。次回へ
2005/07/14
コメント(0)
ある日、レストランに貸切パーティーの予約が入りました。大して珍しい事ではないんです、ただ大事なお客様の予約で、料理長もメニューに気合が入っているのが伝わってきます。夕方の五時スタートという事もあって、前日の仕込みも入念に。僕もその頃には、結構仕事にも慣れてオードブルの仕込みもさせてもらってました。(僕)さぁ~!気合いれて頑張るぞ!仕込みは万全!出来あがりも最終段階です。その日はランチタイムも早々に片付けを終えて無事お昼ご飯も食べました。ご機嫌な料理長は、(料理長)夕方まで休憩しようか!後はお客様が来られてからだ。みんな休憩しなさい。ここで、ご存知のない方も多いと思いますので説明します。パーティー会場の大きなメインテーブル(料理が乗っている)は、テーブルの足が見えないように、「スカート」と呼ばれる色とりどりのカーテンみたいな物が巻いてあるのをご存知かと思います。スカートは赤や青、時には季節によって換えたりし、会場の雰囲気に色を添えます。当時(今でも残っている習慣)は休憩は休憩室に行く人、クローズタイムのホールの長椅子で仮眠をする人、様々です。僕も、休憩室は上の先輩が居るので気持ちが休まりません、だから年の近いちび太先輩とかと、ホールで仮眠をとる事がよくありました。その日はたまたまパーティーで長いすが片付けてあり、ちび太先輩達はホールのじゅうたんで横になって寝ています。後片付けを終え僕がホールに行ったら、床は先輩達が寝ています。僕は「横に添い寝するのはイヤじゃぁ~!」と思い、その日の限ってテーブルのスカートの浦、つまりテーブルの下で寝ることにしました。ここなら暗くて寝やすいし、ふかふかのじゅうたんの上、快適!そして僕は快適な空間で熟睡しました。というより、熟睡してしまいました!そして、また「やってしまいました!」何やら、がやがやと人の声、それも大勢の。暗かったテーブルの中にも明かりが差し込んでいます。「何だか、沢山寝たような気がする」「あっ!パーティーが始まってる!」だけど、お客様が大勢テーブルを囲んでいる!そして「乾杯~!」(お客様の声)うぎゃ~!大変だ!乾杯~!じゃないよ!戻らなくっちゃ!でも、どんな顔してテーブルの下から出てくるんじゃ!きっとびっくり!どころか悲鳴を上げられるかも・・・。「みんな探してるだろうな~」「怒ってるだろうな~」こんなテーブルの下でもぐり込んで寝ているなんて知らないだろうし、きっと、とんずらしたと思ってるかも・・・・。またしても大ピンチ!ここに居ますよ~(心の叫びです!)次回につづく。このストーリーはけっしてフィクションではなく実際にあった事件を、出来る限り忠実に再現しております。(恥ずかしいけど)
2005/07/13
コメント(0)
見事な「茶色いお団子」を焼いてしまった僕は、時計を見たらもう8時30分。先輩達が出勤してくる時間です。もう朝の仕込みが始まってしまいます、キッチンは使えなくなります。もうダメだ! 彼女に約束してしまった!何て言い訳しようか・・・・。ドレッシングだけで許してもらおうか・・・・。先輩達が出勤してきました。(先輩)あ~あ~!あらら~!やっぱりね。(僕)膨らまないから・・・・。焼いちゃって・・・・。(先輩)おまえ、イーストが死んでるよ。(僕)死んだ? イースト菌が? なんで?僕には全然意味が解りません、ただ醗酵させる時の温度がよく解らなくて、寒かったから・・・・・。料理長が出勤してきました。(料理長)出来たか?(僕)・・・・・・・。(料理長)やっぱりか~。無理だと思ったが。料理長は完全に予測していたみたいで、驚いた様子はありません。そしてどこかに電話しています。(料理長)電話しといてやったから0000に行って来い!(僕) えっ? 0000ですか?そこは、このレストランが仕入れしているパン屋さんです。(僕) 買いに行くんですか?僕が作らないと・・・。(料理長) ばか! おまえが作るんだよ。そのパン屋さんが、今すぐ行けばパンをまだ仕込んでる最中だから、手伝って一緒にパンを焼いて習って来いと言う事でした。電話でパン屋に「うちの坊主が行くから、使ってやってくれ」と頼んでくれたのでした。パンが焼ける!バレない!料理長は「邪魔にならないように見てろ!」と言いました。そして、「その生地を少しもらって成型させてもらえ」と言われました。そのパン屋は自転車でも15分の距離です。その日は、昼までパン屋さんにお邪魔して見学と洗い物をしてパンの成型と焼成をさせてもらい、沢山の焼きたてパンをもらって帰りました。ほかほかです!焼きたてです!形と大きさは多少違いはあるが、僕が作りました!その日はドレッシングを夕方に作らせてもらい(本当は、ほとんど作ってもらいました。)彼女に逢いに行きました。この日ばかりは、ハッピーエンド!何とかその後も料理人でいられました。終わり。余談。 そのパン屋さんは、その後工場が移転して大きな会社になりましたが、パン屋業界も競争が激しくなり、最近はかなり厳しい情況とか、でも今でも健在です。そして、以前登場した、ガンマニアのちび太先輩が、このレストランを退職して、そのパン屋さんに就職したそうです。その後の行方はわかりません。今度こそ終わり。次回につづく。
2005/07/12
コメント(0)
彼女の友達の前で、焼いた事もないロールパンと、作った事もないドレッシングを披露する事になった僕は、楽しい彼女との時間も、「どうしよう~」<と、その事ばかりで、頭の中がいっぱいでした。まず、作り方から調べなくてはと思い、特別な参考書が売っている、有名書店に行ってみました。難しい料理の辞典や辞書が並んでいます。当時は本屋さんに料理の辞書は買いに行ったことはありましたからすぐに見つける事が出来ました。製パン・・・なんとかって本でした。値段を見たら4千円ほどだったと思います。(月給4万円です)とても買えません。買ったとしても、その月の生活費が無くなってしまう。それにアップルなんとかっていう、ヴイネガーも買わなくては・・・。結局僕は、本屋さんで分量と作り方を書き写す事にしました。しかし、書きながら思ったのは、材料の意味が解りません、強力粉って?どんな粉? イーストって?菌?菌が居るのか?何じゃ?それ?それにいろいろな生地が書いてあるので、どれを書き写していいのやら。今思うと、それはハードロールとか、バターロールとか、用途に応じたレシピが書いてあったのだと思います。今だったら週刊誌にだって作り方は載ってるし、誰でも知ってます、でも、洋食だってカレーライスととんかつぐらい、カニコロッケだって食べた事がない、何にも知らなかったんです。何とか書き写しての帰り道、やっぱり無理だ!出来ない!でも彼女になんて言ったらいいんだろ~か?え~い!料理長に聞こう!(怖いけど)仕事が終って、料理長がキッチンを出て行く時、決心して聞きました(僕)あの~。 ロールパンが焼いてみたいんですが・・。(料理長) ロールパン? 何でだ?(僕) 焼いてみたいんです!(料理長)何でまた急にそんな事言い出すんだ!僕は恥ずかしかったけど、本当の事を言いました、そしたら。(料理長)あはははっ!ばかやろ~!彼女にちゃんと作ってやれよ。だけど、キッチンは使っていいけど、休みの日に出てきてやれ、仕事中はダメだ、お前の休みの日に、朝出てきてやれ!料理長は材料の説明を、いつになく優しく教えてくれました、そして何と!イースト菌とやらも用意しておいてくれる事になりました。先輩達も作り方を教えてくれるし、もうキッチンは完全なプロジェクトチームが出来上がりました。(何ていい人達なんだ!)そして休みの日の朝、僕は早くから一人でロールパンの製作に取りかかりました。作り方はバッチリです。全部聞きました怖いもの無し!彼女には「夕方には焼きたてを持ってくから」って言ってあります。僕は小麦粉を練って、教えてもらった通りに作りました。そして、一次醗酵。膨らみません。予定では3倍ぐらいに膨らむはずなんですが・・・・。もう一度、やり直し。膨らみません!もうすぐ先輩達が出勤して来る、速く終らせなくては!え~い! もう焼いてしまえ!茶色い「お団子」が焼けました。今日、彼女が、この「お団子ロール」を見たら・・・。もうダメだ!そして先輩達が出勤してきました。つづく。。次回、ダメかと思った その13(復活!)終わり。
2005/07/11
コメント(0)
当時の僕の給料は月額で4万円程度(手取り)で、アパートの家賃、車のローンを払うとガソリンを満タンに出来るのは、月に一度だけ、見習いの給料は、当時としては珍しくない金額でした。そんな僕にも彼女が居ました。短大に通っている同じ年の彼女です。でもこの彼女、家は商売をしていてそこそこの家柄、おまけに学生、僕は生活費の総額4万円の一人暮らし。当然、生活水準も違うし、友達カップルもお金持ち、交友関係も違います。でも僕は一生懸命に無理をして、彼女に恥をかかせないようにカッコウだけはつけてました。でも、やっぱりピンチ!がやってきました。見習い貧乏料理人のピンチ!ある日の休日、彼女を迎えに学校も門まで行き、いつものように、彼女が授業を終え出てくるのを待ってました。当然周りは僕のような男の子が彼女の出てくるのを待ってます。そして彼女が友達グループと一緒に出てきました。以下やりとり。(彼女) ごめんね~! 待った? 友達とおしゃべりしてて遅くなっちゃった。(僕) いいよ、そんなに待ってないし。(彼女) これからみんなで「お茶」しに行かない?みんなは行くって。という訳で、周りを見たら、BMW,ジャガー、シトロエン、みんな、外車です。 僕は3年ローンの中古のコロナ(47年式)。皆でカフェに行きました、そして彼女はみんなの前で僕を紹介してくれました。(彼女)この人、こう見えてもフランス料理のコックさんなの。(言っちゃった!)(全員) へ~っ!カッコいいね。いいな~!(当時は珍しかったんです。)(僕) ど、どうも、 よろしく! へへへ。そこで僕は、よせばいいのに料理自慢と、知ったかぶりをチョットだけしました。そしてピンチを呼び込んだんです。(友達A) 私、最近ドレッシングに凝ってるの、やっぱりドレッシングにはアップルヴネガーを使ったほうが美味しく出来るの?それともワインヴィネガー?(僕) ・・・・・・・・・・・・・・。(友達B) そうそう私もこの前、お母さんと一緒にロールパンを焼いてみたんだけど美味く焼けないんだ、なぜ?(僕) ・・・・・・・・・・・・・・。なななんだ、こいつら。訳のわからない言葉を使いやがって!今の若い人なら簡単に答えられるでしょう。しかし、当時の僕はヴネガーといったら酢、それも米酢。ワインヴィネガーは見たことも使った事もありません、ましてアップルヴィネガー?そんなものがあるのか。(しし知らんぞ!)30年以上前に、家でロールパンを焼き、サラダ用のドレッシングを作って、しかもヴィネガーにこだわって。 どんな家庭じゃ!だいたい、そんな物は通常では売ってない時代です、輸入品の専門商社から直接、指定しなければ業者でも知りません。僕の家では、サラダといったら、キャベツの千切り。そこにかけるのは、ドレッシングではなく、ウスターソースが、あったりまえ!ロールパンは、あんこもクリームも、中身が入ってないし高いから買いません。こんな認識でした。でも、彼女が嬉しそうに僕の隣で答えを待ってます、何とか答えなければ彼女がみんなの前で恥をかいてしまう。 早く答えなければ。僕はフランス料理のコックさんです。(僕) アア、アップルヴィネガーか~?そ、そうだね、それもいいね。 ワインヴィネガーも悪くないな~。何とも、当たりさわりのない、いい加減な答えです。 何とか切りぬけました。 ロールパンか~、あれは難しいよ。素人ではチョットね!まったく解ってません。(友達B) そーか~、だったら今度、家に来て教えてくれない?お母さんも喜ぶし。(僕) ・・・・・・・・ん?。(彼女) そーだ!私も行きたい! キャッ!キャ!サラダとパンで、やった~!盛り上がってしまいました。(大変な事になってしまった!)(僕) ああの~・・・、仕事忙しくてなかなか時間取れないし、道具も無いから無理だよ~、その代わり今度、僕が作ったのを持ってきてあげるよ。ものすごく危険な発言をしてしまいました、その場しのぎの、成り行きだったんです。彼女の前で、恥もかけないし、後にも引けません。こうして、見たことも無い材料で、作ったことも無いロールパンとドレッシングを近日中に彼女と友人達の前に披露する事になってしまいました。さぁ~、大変だ!(次回へつづく) 終わり。(余談) 彼女の友達の、お嬢様達は、某有名医薬品販売会社の社長令嬢と、実家はゴルフ場の経営者、年末年始は家族でハワイに行ってるそうで、現地のスーパーで買って、日本に持ってきてるんです。1ドルが360円の時代に毎年家族でハワイですよ、家は後に訪問しました、女中さんが居ました。ガレージが僕の家ぐらいあったのを覚えています。部屋には外国にある様なベットがありました、僕は二段ベットしか知りません。あのお嬢様、今頃どうしてるかな?(実名は問題有りそうなんでヤメます。)今度こそ、終わり。
2005/07/09
コメント(0)
30年以上前ですから、当時は今のようなグルメ本も無く、あってもせいぜい「和風のおかず本」。今は本屋さんに行けば世界中の料理が写真付きで知ることが出来、レシピと作り方まで載ってます。スーパーに行けばいろいろな野菜が何でも手に入ります。「だからどうだ!」と言うわけじゃないんですが、これからのお話は、今の若い料理人の方たちが聞いて、笑い話としてでも、心の中に残ってていてくれたら幸いかと。僕はこの世界に入った時の料理知識の一端を教えましょう。ステーキは豚肉の焼いた物と思っていました。豚と牛の見分けがつきませんでした。当然、ヒレとロースの存在が知りませんでした。コロッケは全部、イモで出来ていると思っていました。とんかつとヒレカツの違いは小さいか、大きいかの違いだと思ってました。ハヤシライスは辛くないカレーライスと思ってました。初めて見たもの。クレソン=雑草みたいだな~。ホワイトソース=白くてどろどろ、気持ち悪い~。デミグラス= 何だこれ?味噌か?フォンドヴォー= 煮込んでいる過程を見て思ったのは、何か気持ち悪い煮込み汁。セロリ=初めて食べました。マカロニグラタン=初めて食べました。ビーフシチュー =初めて見ました。と、まあこんな程度の基礎知識?で業界デビューしたのです。スタート地点が今と比べたら、かなり後ろからですね。僕の家庭の生活水準が低かったのも原因ですがね。(6畳一間で一家4人暮らしの両親共稼ぎ)僕の町内は下町で、貧乏長屋がたくさんあって人情味はあふれてはいるが、お金が無いといった人たちの集まりですかね。そんな僕にも彼女がいました。そして見習い貧乏料理人はピンチを迎えます1次回につづく。(終わり) 次回ダメかと思った その12(ピンチ!)
2005/07/08
コメント(0)
今回は当時の料理人見習いの朝の仕事をご紹介します。朝の仕事といっても、そのお店によって様々です、でもだいたいは同じです。先ず、朝は一番にキッチンに入り、全てのガスの元栓を開けます。そして、湯沸かし器(現在は必要ない)、オーヴンに点火、そして、洗い場のお湯を沸かす。次に、前日に洗濯しておいた雑巾(ダスター類)が干してあるので、きちんとたたんで所定の位置に収納します。次に冷蔵室と冷凍室(でかい!)に入り、本日分の入荷してあるもののチェック、本日分の使用する食材の在庫チェックをします。ここまでで約30分ぐらいかかります。そしてここからが、良い見習君いか、出来の悪い見習い君かの分かれ道です。先ず、本日の予約状況の確認をして(前日にも確認)自分の役割を全て片付けてしまいます。自分の仕事が全て片付いたら、先輩たちの仕事を自分が出来る範囲内でやってしまいます。これは普段から洗い物とか雑用をしながら、先輩が何をして、どうやって処理し、どこに用意をしているか見ておくんです。「これなら簡単だ!」とか「これなら一人でも技術もいらない」と思う事を、片っ端から片付けておくのです。これを先輩達が出勤してくる前に済ませておけば、少なくともその日は良い見習い君になります。先輩達が出勤してきて、「さぁ!仕事しようか!あっ!出来てる!」てな感じです。そこに僕が登場して「コーヒーが入りました!」とやったら、もう僕は良い子ちゃんです。従って、僕のその日の朝の仕事は終わってるので、僕は先輩達しかさせてもらえない仕事を一緒に教えてもらいながら出来るのです。先輩達も余裕が出て優しくなります。僕が最初に覚えたのが、海老の下処理と魚の処理(うろこ取り)でした。当時の僕は洗い場以外は野菜類と軽食しか手を出す事は出来なかったので、魚介類を触らせてもらえた時は本当に嬉しかったのを今でも覚えています。こうして、徐々に自分の分野を増やしていくんです。一度、触らせてもらった食材や作業は次回から黙って手を出しても叱られません。でも時には、やりすぎもあります。ある日の朝、「さぁ!今日も良い子ちゃんになるぞ!」と意気込んで、自分の仕事を片付け、昨日教えてもらった魚のエマンセ(フランス語で、一定の厚みでスライスする」)を片付けておこうと、大鮃のうろこを取り、いざ!、3枚おろし!。「ガリガリっ!、ザクザクッ!」(効果音です)なんか骨に身がいっぱい付いちゃった!なんかヤバイ感じ。「えいやっ!」ありゃりゃ!身がべろべろだ!どうしよ~・・・・・・・・。しかたない、スライスしてしまえばバレないかも、と思ってスライスしてみたら、もっとべろべろになっちゃった!。 余分な魚はもう無いし・・・・・・・・。 殺される!こうなったらコーヒーを出そうが、愛想を振りまこうが通用しません。僕は思いました。先輩達が来るまでに新しい魚を用意しよう!魚屋さんに電話しました。以下やりとり(僕) もしもし、OOOOですが、今からすぐ大鮃を1尾もってきてくれませんか?(魚屋) 今からは無理です (簡単に言います。)(僕) ・・・・・・・・・・・・・。(魚屋)配達が出払ってるので、取りに来てくれるなら用意しておくよ!(威勢がいいです。)(僕) あの、あの~、・・・・失敗しちゃったんです!大変なんです!(魚屋) あ~あ~!OOOOさんとこの坊やか、わかった!おじさんが今から走ってやる!魚屋さんが神様みたいに思えました。あとは先輩達が出勤して来るのが速いか、魚屋さんの大将が速いかの勝負です。 代金は僕がこっそりと払えば判らないだろう。結果は無残でした。先輩達が出勤してきた時と、ほぼ同時に遅れて魚屋の大将が登場!はち合わせです。 もうダメかと思った。この先の結末は想像して下さい。 きっと想像どおりだと思います。でも、事後処理が出来ていたのでボコボコにはされませんでした。こんな感じで、けっこういろいろ失敗しながら日々過ぎていくんです、みんなそうなんです。とにかく何かをすれば叱られる、やりすぎても叱られる、何か目標でもなければこんな割の合わない職業もないもんだな~と、いつも思ってました。僕なんて、朝寝坊しただけで、仕事場に向かう電車の中で、「お祖母さんが危篤状態になりました。」とか「親類の叔父が死んだ」とか、いろいろウソの理由を考えたりしました。だから、親せきの叔母は3回ぐらい亡くなっていますし、僕のお爺ちゃんも2回亡くなってます。いっその事「もうヤメよう、このまま何処かへ行っちゃおう」と毎回思ってました。(終わり) 次回, ダメかと思った。 その11(初め見た!)
2005/07/06
コメント(0)
ある日僕は先輩に連れられて、大人の世界を見に行きました。そこはまるでテレビで見るような世界でした。入り口を入ると華やかなショーが上演され、ドレスを着た綺麗な女の人が沢山います。当時18歳だった貧乏な僕には「すっげぇ~!」としか言えません。ウエイターさんに案内されてボックス席に着いた僕と先輩には、3人の女性が取り囲むように座って寄り添ってきます。恥ずかしくて視線が合わせられない僕は、周りをキョロキョロ。そしたら綺麗なおねえさんの中に混じって、何か綺麗じゃないおねえさんも混じっています。というより、何か男っぽいおねえさん(?)もいます。わかった! ここはオカマさんも居るんだ1珍しさも手伝って、0000はあるんだろうか!000はないんだろうか?もう、「何とか隣に来てくれないかな~」なんて思いながら居ると。すごい美人のおねえさんがやって来ました!きょろきょろしてる僕を見て、わざわざ隣に来てくれました。聞けば、スペイン系のハーフのようです。(すごいオッパイです)話題の無い僕は「から揚げの味が濃いな~」「このおつまみは盛り付けがイマイチだ」とか、生意気な事しか言えません、というより自分が料理人で料理が作れると言ったら、きっと驚いてくれて、自慢できると思っていたからです。今考えると、とっても浅はかな考えです、そして楽しい時間は流れていきました。もうそろそろ帰ろうかと思っていたときです。以下、美人のおねえさんとのやりとり。(僕)そろそろ帰ります。(美女) あら、もう帰っちゃうの?(僕) もう遅いですから。(美女)今晩お店が終ったら食事に行かない?(僕) えっ? ぼぼ僕とですか?二人で?美女は黙って微笑みながらうなずきました。僕はもうどうなってもいい!と思いました。(僕)どこで待ってたらいいの?待ってます!結局、お店の近くの路上で待ち合わせする事に。そして、約束どおり美女は現れました!(僕) 何処に行く?(美女) 遅くなっちゃったから私のマンションにいらっしゃい。作ってあげるから。すごい! ひょっとしてスペインの家庭料理が食べられる!おまけに美人が作り、マンションの部屋!大きなおっぱい!僕は最近の不幸な出来事が全部ふっとんでしまうほど、喜びと期待で、めまいがしそうでした。さあ、マンションに着きました!タクシー代は彼女が払ってくれました。まるで僕はヒモになったような気がします。(僕) お邪魔します~!(美女) 適当に座ってて、先にシャワー浴びてくるから。(僕) ・・・・・・・・。なんでシャワーなんだ?ご飯が先じゃないのか?でも何だか」嬉しい、でも、ちょっと不安。出来すぎだ!シャワーを終えて彼女がタオルで髪の毛を拭きながら出てきました。シャンプーのいい香り!その時、またまた事件?が起きました!目の前にいる美女(だった人)はスタイル抜群でオッパイも「ぼよよ~ん1」お0000んも無いけど、顔は男です!化粧がないから顔色も黒いです!(僕) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。(美女) どうしたの?素顔は恥ずかしいわ。(僕) ・・・・・・・。(帰りたい・・・・。)怖い!僕は今更、帰る事も出来ず、けっこう男前のサーファー風の美女?と酒を飲みました、そして酔っ払ってしまいました。酔っ払った僕は寝てしまい、意識不明。そして熟睡体制に入ったころ、何かモゾモゾします、下半身が少し寒いんです。あっ! パンツ脱がされてる!上はTシャツのみ。酔ってる僕には、何が起きているのかわかりません。以下(R指定)裸の美女?が僕の足元で座っています!そして、ぼくの000を見ています!あっ! 触った! (僕) わぁ~! やめてぇ~!(美女) どうして? イヤなの? 大丈夫!(僕) イヤだ! やめて~! (泣)まったくどっちが男で女なのかわからない場面です。結局、彼女は諦めたようです、僕が男と知って誘われていると思ったようです、でも彼女?もショックだったようです。(悪いことした。)こんな場面はめったにないと思った僕は、相手が男と判ると興味が出てきます。オッパイもさわらせてもらい、そのオッパイのメカニズムについても聞き、悲しい身の上話も聞きました。とってもイイ奴です。ナイスガイです。小さいころから、男の子にしか興味がなかったそうです。でも、なんであんなに美人なんだ。結局、スペイン料理は食べさせてくれないかわりに、僕が食べられそうになったのでした。(終り)次回はまた料理の世界のお話しに戻します。
2005/07/02
コメント(0)
レストランのキッチンはランチタイムが終ると、いろいろな仕込みが始まります。ディナータイムに向けてのスタンバイ、ディナーの予約準備、次のランチタイムの仕込み、早く済ませるとその分休憩も出来ます。現在は既製品が発達していて、缶きりとハサミがあれば仕込みが出来てしまうレストランもあります(良いか悪いかは別の話。)当時は何から何まで手作りなので、すごく仕事量が多く、大きな魚をさばいたり、骨付きの牛肉をさばいたりと、みなさん必死です。その時、料理長は丸ごとの鶏をさばいていました。沢山の鶏がみるみるバラバラにされていきます、まったく鮮やかです。僕はというと、料理長の2mほど後方で、見習いの定番の仕事、玉ねぎの皮むきをしていました。一人の先輩が僕に「○○○はやってるか?」と尋ねられたので、僕は、その仕事はホールの見習いウエイターの仕事で、現在進行中だったので、(僕) そのままやらせておけばいいじゃないですか~?と、目の前の料理長の向こう側にいるウエイターを見ながら言いました。その時です。今度こそ、記憶に残る最大の事件が起こったんです!以下やりとり。(僕) そのままやらせておけばいいんじゃないですか~?(料理長、いきなり振り向いて) 何ぃ~? 今なんて言ったぁ~! まるで大魔神のような顔に見えました。(僕) ・・・・・・・・・。 えっ~? いえ、 その・・・。それは・・・・・。(怖い)僕がウエイターに向かって言った言葉を、料理長は自分の事と誤解してます!(料理長) 誰にもの言ってんだぁ~!俺がやってるんだ・・・・!#дЩ○Я×$★%!!振り返った料理長の右手には刃渡り20cmの出刃包丁!それを持ったまま僕の方へ飛び掛るように突進してきます!危ない! ドスン!(鈍い音) わぁ~! ぎゃぁ~! 刺されました。右太ももの付け根です。まるでヤクザ映画です、(でも少しもカッコよくない)その包丁は、前掛け、ズボンも貫通し、僕の太ももに突き刺さりました。(約2cmほどだと思います)たちまちズボンは血がにじんで真っ赤になりました。(僕・足を押さえながら) ち、違います~!ウエイターのことれすぅ~!(泣)(料理長) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。僕はその時、本当にダメかと思った。現代だったら絶対に傷害事件ですよね。でも親にも言いませんでした。仕事場で怪我をしたとしか言ってません。でも、刺された直後の処置が今でも笑えます。怖い顔した料理長が、ズボンを下げた僕も前にしゃがんでバンドエイドのでっかいのを貼りながら「血が止まらんな~」といって何枚も重ねて貼ってます。開いた傷口を指でつまんだりしても、すぐに開くに決まってます!(その時、病院に行ったり、会社の人間に知れたら、原因を追究されます)。結局、その上から無理やり包帯をぐるぐる巻きにして仕上げました。だから傷口が開いたまま残っちゃいました。今でも僕の太ももには当時の思い出が、しっかりと刻まれてます。30年経ちました、その料理長は今も現役で頑張ってらっしゃいます。そしてその料理長は、のちの僕の結婚式の仲人さんなんです。刺した料理長もムチャクチャな人だけど、バンドエイド貼ってもらって痛いけど、嬉しそうな顔してた僕も、何だかなぁ~。(終わり)次回 ダメかと思った その9 (男前のお姉さん) R指定です。
2005/06/29
コメント(0)
調理場には様々な「掟」があります。特に、見習い君には厳しくも悲しい掟が盛りだくさん。(でも、最近は過保護教育に加え人手不足のせいか、だいぶ掟は少なくなっています)当時は見習い料理人希望者は多く、ホールのウエイターをしながらキッチンの欠員を待つのが普通でした。以下、その掟の一例です。1、キッチンには一番に入れ!。(最低でも一時間前)(これが辛い!、早起きの先輩がいたら最悪)2、言い訳は言わない!特に料理長はエンペラーです。3、話を切り返さない。(ハイ!で済ませます)(うん!なんて返事したら・・・・・。(怖)4、先輩と話す時は、正面を向き、相手の目を見て話せ!(料理長の場合は直立不動です。)5、仕事中の姿勢。 足は「ハの字」のに肩の幅に開いた状態。(休めの姿勢で仕事をしていると「ローキック」が入ります。6、作業テーブルに座らない。(当たり前です)が、仕事が終るとキッチンには椅子が無いのでどうしても座りたくなります。結果的に殴られます。7、冷蔵庫の扉を足で閉めない。(両手に物を持ってる場合はどうしてもやってしまいます)8、キッチンで口笛を吹かない!(ダメなのは理解できるけど、異常に叱られます。)9、鍋は素手で持たない!(たとえ洗い物として持ってきた空の鍋でも乾いたタオルで持ちます)洗い場に出された空の鍋でも、うっかり持つと一瞬で水ぶくれになるほど火傷する時があります。(意地悪な先輩は、わざと黙って持ってきます)その他いろいろ、これはほんの序の口です。(何だか一般社会でも通じるものがありますね)でも、掟やぶりには厳しい制裁はつき物。即座に「下段蹴り・上段突き・張り手・罵声」です。格闘技ファンならとても見のがせない光景が日常的に繰り広げられています。そしていろんな物が飛んできます「鍋・巨大なしゃもじ・まな板」先輩の間合いに入っていない場合は物を飛ばしてきます。まな板とか鍋は命中の確立が低く、距離もあるのでフットワークでかわす事は容易ですが、かわしてしまって終る人と終らない場合があります。だからなるべく軽く当たるように、かわすのがコツです。でも一番痛かったのは「大きな缶」です。それも角のところで頭を叩かれました。 少し切れました。キレたんではなく頭の皮が切れて血が出ました。頭皮ですから、髪の毛が邪魔でバンドエイドも貼れません、その時僕は血がとまるまで人差し指で押さえてました。(泣)何だかバラエティー番組の一場面のようですが、本人は死にそうです。でも、掟も、時として大きな誤解を招く場合もあります。そして当時起きた事件で、今でもはっきりと記憶に残る大変な事件が起きました!次回につづく。ダメかと思った その8 (誤解じゃ済まないよ~)
2005/06/25
コメント(0)
そのころの僕は洗い場担当ながら、サラダ類と軽食を作らせて頂いてました。そのレストランは1階がコーヒーショップになっていて、喫茶のオーダーがインターフォンで一階のバーテンさんから2階キッチンに直接入ってきます。そのインターフォンは洗い場の横に掛かっているんで、洗い物の手を休めて僕が作って、リフトで下ろしてあげると言った具合です。 ぷ~ぷっ!(インターフォンの音) (僕) サンドイッチ下ろしました~! (バーテンさん) ありがと~! てな具合です。しかし、まだまだ当時の僕にはテクニックが無く、普通の食パンは均等な厚みにスライス出来たんですが、焼きたての食パンはとてもスライスが難しく。。。(経験ある方もいるはず)その日は特に柔らかく、ふかふかで、とってもまっすぐにスライスするのが難しく、、、でも何とか許容範囲内のスライスは出来ました。しかし、いざサンドイッチの具を挟んでナイフで食べやすい大きさに切ると・・・。トマトが グシャ!きゅうりが ベロリン!玉子が ドロッ! と飛び出てしまい、おまけに、指で強く押さえたんでパンはつぶれてしまってます。見ただけで、とってもぶさいくなサンドイッチが出来上がりました。ここからが地獄の始まりでした!。以下やりとり(先輩) 何もたもたしてんだ!さっさと作れ!(僕) は、はい! 出来ました! けど・・・・。(先輩) 早く下ろせよ! こっちを手伝え!その時、先輩はとっても忙しくて僕のぶさいくなサンドイッチに気がつきませんでした。まして、自信が無いので作り直すなんて、この忙しさ、とんでもない、言えません。僕は「大丈夫だ!一生懸命作ったんだ!」と心に言い聞かせて、下ろしました。以下やりとり(僕) ぷ~ぷ~っ!(効果音) サンドイッチ下ろしました~!(バーテン) ありがと~さん!(少し低い声)(なんかいつものバーテンと感じが違うぞ?と思ったその時、インターフォンから)(バ-テン) 何だこれは!ばかやろ~!(僕) 何だとはなんだ!(どうせいつものバイト学生のくせにと思いながら強気です。)(バーテン) 出せるか!作り直せ!僕はもう引き下がれない情況でした。そして、相手が年上のベテランだけど、普段はおだやかな学生さん、きっと機嫌が悪くて僕に八つ当たりしてるんだ。なめられてはいけない、相手は学生だ。(僕) この忙しいのにやってられるか!文句があるならおまえがヤレ!(言ってやりました。)(バーテン) ガチャン!(電話を切る音) うりゃ~! (何か聞こえてきます) ドドドン!、ドスン、ドスン! (階段をものすごい音と共に駆け上がってくる様子) バン!と扉を開け(バーテン) 誰だ~!今の電話の奴は~!出て来い!(僕) ・・・・・・・・・。上がって来たのはいつもの学生ではなく、ものすごい悪役顔の男。とっても強そうだし、おまけに片目がつぶれかかっている。(もうダメだ。)そこに登場してきたのが、いつもの怖い料理長!(料理長) それはいかんな~、わかった、俺がすぐに作り直すから ちょっと待っててくれんか。料理長は犯人をバーテンに差し出す事なく、その場を収めてくれました。後に聞いたんですが、そのバーテンは前日に飛び込みで働かせてくれと入店してきた新入りだそうな。つぶれかかっていた目はものもらいでした。そんな強そうなバーテンに喧嘩を売った僕も命知らずです。もう本当にダメかと思った、と言うより 死ぬか(殺されるか)と思った。お客様に提供する商品はいつも、最高のクオリティの物を。そして、自信が持てないような商品は出してはいけません。お客様にはすぐ伝わります。 (終わり) 次回 見習い料理人を目指す人達へ(掟編)
2005/06/22
コメント(0)
有限会社シーズ・フードシステム皆様からのアクセスお待ちしております。(私の写真もあります。)
2005/06/22
コメント(0)
人間って悲しいものですね~。とっさの時の判断力が命運を分けるといいます。僕はとっさの判断力に欠けるのか、それともお人よしなのかな~。当時、僕の勤めていたレストランに見習いウエイターで西久保君(ごめんね)という16歳の軟派な奴がいました。硬派の僕にとっては恐れるに足りません。気が弱い、痩せっぽち、軟弱な顔、おまけに割り算が苦手らしい。そいつにだけは硬派の僕の威力が通じます。(僕は掛け算も出来る)。その日は「おしっこ」がしたくなって、休憩中でもありトイレの前に立って、勢いよくドアを開けました!なんと!先客がいました! 西久保君です。以下やりとり。(僕) バ~ン! (勢いよくドアを開ける)西久保君は僕に真っ白なお尻を向け、今まさにウ○チが10cmほど垂れ下がった状態だ!(僕) あっ!(西久保君) ばかぁ! やめてよ!(僕) ご、ごめんなさい。勝負は一瞬でついてしまいました。 僕の負けです。とっさに、謝ってしまいました。ドアを閉め、しばらく僕は呆然としました、なんで僕が謝らなければいけないんだ!もうダメかと思った。ウ○チをするんだったら鍵をかけるのは、使用する側の当然の義務。確かにノックしなかった僕も悪い、しかし、義務を怠った西久保君にも非はあるはずだ。そのおかげで西久保のウ○チを10cmも見てしまった、いや見せられてしまった。僕は被害者だ。(そのトイレはノックしに、返事をしようとも、しゃがんだ状態ではドアに手が届かない。)しかし、とっさの判断力が明暗を分けた。日久保君のとっさの迫力に負けたのでした。あんな軟弱な奴にあっけなく謝ってしまった僕はそれ以来、硬派の看板を下ろしました。(終わり) 次回:ダメかと思った その6(命がけのサンドイッチ)
2005/06/20
コメント(0)
ある日の事、僕が一人で洗い物をするのは少し可愛そうとの声が広がり、僕のすぐ上の先輩が手伝ってくれることになった。おまけに手が空いてる時はその先輩の仕事で、サラダと軽食の手伝いをするように命ぜられました。「やった!、楽になる!おまけに料理も作れる!」さっそくその先輩が僕のところに来ました。まるで、昔のマンガキャラクターでちび太と言うのがいましたが、ひげの濃いちび太です。以下やりとり。(僕)よろしくお願いします!(先輩) おうっ!いろいろ教えてやるから。(僕) はい! (とっても威張って言います)。(先輩) オマエはまずサラダから覚えろ、次はサンドイッチだ、 俺がオーダーで作るのを見てろ!(僕) はい! (ハイしか言えません)。その先輩は背が僕より15cm以上低く、ひげが濃くて、あごと口の周りがいつも青いから、きっと僕より10歳以上年上の人に決まってます。(手にも沢山、毛が生えてます。)ある日僕は手の空いたのを見計らって、トイレに行きました。(もちろん許可済み)急にお腹が変になり「ウ○チ」がしたくなったのです、前に言いましたように僕は一流の悪(ワル)でした。だから当然、タバコぐらいは吸います(当時17歳)、しっかりポケットにタバコを仕込んでいざトイレへ!和式トイレなので、しゃがんでタバコに火をつけ、柔らかめの「ウ○チ」が出かかった時、またまた事件です!突然「火の玉」が上から降ってきました!一つではなく、次々と降ってきます!僕はパニックを起こしました。「柔らかいウ○チ」の出始め、そう簡単には打ち切れません。しかし背中にも、お尻にも、容赦な火の玉は降りかかってきます。(僕) あちちちっ~!それは「ちび太」のしわざでした、ドアの向こう側からトイレットペーパーに火をつけ、トイレの上から投げ込んでたんです。向こう側から声が聞こえてきます。(ちび太) お~い!吉見!おまえ仕事中にタバコなんて吸いやがって!ギャハハ~!一流の悪でもウ○チをタレ流しでは反撃できません、ましてやタバコを吸っていたのは事実。僕は素直に現実を受け入れ、「すんませ~ん!」と叫びました。でもいい年をして、何というハレンチで幼稚な行為だとあきれました。でも、そのちび太の本当の正体がその夜に判明するのです!仕事が終って、たまたまちび太と初めてロッカー室で一緒になった時ちび太が言いました。(ちび太) へへへッ!今日は災難だったな、新入りはみんなやられるんだ。(僕) そそそ~なんですか、びっくりした。先輩もされたんですか?(ちび太) おう!俺も去年はたっぷりされたぞ。(僕) えっ? 去年?・・・・? (まだ最近じゃん!?)そんな話をして、着替えが終ったちび太は最後にロッカーからとんでもない物を出してきた!モデルガンである。 それも一目でおもちゃと判る安っぽい物。それを嬉しそうに「クルクルっと」まわしてベルトに差し込んだ!僕はその時、ちび太にはきっと「触れてはいけない生い立ちがある」と思い。でなければいい年して・・・。以下やりとり。(僕)先輩! いいガンじゃないですか! かっこいいですね~。(いつになく爽やかに)(ちび太) おう! やらんぞ! (僕) ・・・・・・・。いつのまにか他の先輩たちが周りにいてニヤニヤ笑って見ています。(僕) 先輩、年はおいくつなんですか? (聞いてしまった~!)(ちび太) おう! 俺か。 15だ。 あと1ヶ月で16だけどな。(僕) ・・・・・・・・。・・・・・・・・・・。ぎゃ~!うぎゃ~!わぁ~!僕は気が狂いそうになりました。 (泣けました)。ひげが濃い、頭がすこし薄い、威張ってる、怖い、僕のこと呼び捨て。これだけのデーターでちび太を、年上と決め付けていた僕が情けない。一流の悪の僕としたことが、15のおもちゃマニアにアゴで使われ、お尻にFont Color="#ff0000">火をつけられ、ご機嫌とって・・・。(泣)ちび太は僕より数ヶ月早く入っただけとの事。この世界が怖いのか・・。 怖いのは15歳にもなっておもちゃの鉄砲を腰にぶらさげて出勤してくるガンマンが怖いのか・・・。 もうダメかと思った。この物語はノンフィクションであり、登場するキャラクターはすべて実在します。(おわり) ダメかと思った その5(ばかやろ~!ウ○チ編)につづく。
2005/06/19
コメント(0)
あの熱湯事件以来、僕とサルおばさんは険悪なムードになりました。僕は、こう見えても高校時代は「悪(ワル)」で周りから大変恐れられていたんです。「サルおばさんごときにナメられていては一流の悪とは言えません」しかし、ある日の午後、ささいな事で口論となり僕が投げつけたタオルがサルおばさんの赤いメガネに命中!真っ赤になって怒ったサルおばさんは仕事をほったらかして帰ってしまい、それ以来帰ってきませんでした。それからは僕が洗い物を全部一人でやることになり、喧嘩相手も無く、話し相手のない孤独な洗い場係長の日々を送っていました。料理人の世界は完全な縦型社会、何でも上から順番です。従って食事も上から順番に交代で食事に行きます。当然僕は一番最後の人が帰ってきたら僕の番です。それも全員がランチタイムの前に済ませなくてはなりません。だから、食べると言うよりほとんど飲み込み状態です。「今でも僕はカレーライスは飲み物だと思ってます。」そんなある日、思い出したくもない悲しい出来事が起きました。いつも通りその日は最初に料理長とセコンドの人が食事に行き、次々と先輩たちが食事に行きます。最後の人が帰ってきた!いよいよ僕の番だ!あれれ?皆、黙々とランチタイムの準備に取りかかっている。声がかからない!(泣)以前に食事に行っていいですか?と自分から訊ねて料理長に「くそ坊主が、飯の催促するなんざぁ~ 10年早い!!」と厳しいお叱りを受けてました。一流の悪でも学習能力はあります。努めて平常心で洗い物していると、ランチタイムに突入してしまいました。キッチン内は戦場と化し、張り詰めた空気が伝わってきます。こんな時に食事の話なんてしたら間違いなく殺されます!周りは凶器だらけです。だから我慢、我慢、辛抱、辛抱。。。そして時間は過ぎていく。そしてランチタイムが終了し、先輩たちは仕込みに入り、僕は山積みされた洗い物を必死で洗っています。そしてとうとうディナータイムの前の夕食の時間になっちゃいました。またまた順番の始まりです、昼も食べてない僕は、だんだん意識が遠ざかって行くのを感じていました。もうダメだ、限界だ!以下やりとり(僕) あの~。食事・・・・、行って・・・。いいで・・すか?(料理長) なんだ!(怒) またオマエか!まだ解らんのか!オマエのような・・・・ (僕) ちょ、ちょっと待って・・・。 あの~、お昼ごはん食べていいですか~?(料理長) なに~?夕飯だろ?(僕) いえ(泣)、昼ごはんです、まだなんです...(料理長) まだって、今から夕飯だぞ。(僕) だから、まだ僕、昼もたべてないんです(泣)(料理長) ばかやろ~!なんで昼に言わないんだ!その時自分から言わなきゃ、わからんだろ!(僕) だって・・・(泣)、だって・・・・・。(言うなって言ったでしょ~!)あの時の僕、 もうダメかと思った。この物語は決してフィクションではなく、あくまで過去を忠実に再現したものです。これまでも、これからも、登場するキャラクター及び、人物は実在します。 (終わり) 次回 ダメかと思った(チビ太編)
2005/06/18
コメント(0)
僕の洗い場デビュー2日目の出来事です。洗い場の水槽は3つに別れていて、洗剤洗い、すすぎ、熱湯と、この3つが横一列に並んでいます。これを順番に洗いながら次々と順番に熱湯の中に入れていきます。(当時は自動食器洗浄機なるものは無かったんです)。サルおばさんは僕が洗って熱湯消毒した食器を拭く係りです。(それだけかよ~!)先輩のサルおばさんのユニフォームは白い長靴に、濡れないようにとゴムの前掛け、ママレモン手袋。 重装備です。僕はと言うと、長靴は無く、自前のユニーで買ったサンダル(もちろん裸足)、布の前掛けに手袋は無しで、素手で熱湯にさわるといった荒業を披露させられてました。しかし、この「布の前掛け」が後の事件に発展するとは思いもよりませんでした。サルおばさんは人使いがとっても荒く、僕が手を休めると。。。以下やりとり。(サルおばさん) 早くやんなよ!遅いね~、休憩できないよ~!。(僕) やってるよ!(これしか言えてない)。 (サルおばさん) 洗い物が溜まってるよ!終れないよ!(僕) ・・・・・・・。ここで事件が起きました!熱湯の入っている水槽は下からガスで火を焚いているのですが、その火が僕の前掛けに引火したんです。初めは熱湯の熱さで分からなかったんですが、気がついたときは黒くこげた状態が...僕の大切な股間の上まで広がってきていて、気がついた瞬間に発火しました。以下やりとり。(僕) わぁ~!!あちちっ!(サルおばさん) 何やってんの~!早く前掛け取りな!(僕) ヒモが濡れてて固まって取れない!(サルおばさん) 馬鹿だね~。ざぶ~ん!(効果音です)股間めがけてサルおばさんがかけてくれたのは、水ではなく、熱湯でした。大火傷はしなかったけど、やけどしました。 もう、ダメかと思った。(終わり) その3(孤独編)につづく。
2005/06/15
コメント(0)
今から思い起こせば、30年ほど前この業界デビュー(料理人見習い)したとき、出勤初日、僕は逸る気持ちと期待に胸をときめかせ「やっぱ見習いは早く行かねば!」と出勤時間より20分も早くキッチンのドアを開け、大声で「おはようございま~すぅ!」と叫んで一歩キッチン内に踏み込んだ。しかし返ってきた言葉は「ばかやろ~!」とでかい声、だれか早速怒られてる、さすが料理の世界は厳しいぞ~、と思っていたら僕の事でした。「おまえのようなクソ坊主がギリギリに出勤してくるなんざぁ~10年早い!!!。」以下やりとり(僕) あのぉ~、まだ20分も前なんですけど・・・。(料理長)なんだ!おまえ口ごたえするのか! (僕)いえ、そんな、すすすいません!(料理長)おまえのような坊主は1時間前に来て当たり前なんだ!もっと早く来い!(僕)・・・・・。(泣)そして初めに連れて行かれた場所が洗い場、そこに居たのが身長145cmぐらいの子憎たらしい顔をしたオバサン。僕には長靴をはいたサルのように見えた。これから当分はこのサルおばさんと一緒に洗い物するのか~。 もう、ダメかと思った。~その2につづく(かな)~
2005/06/13
コメント(0)
誕生日は複雑で24歳までは3月13日でしたが、23歳のある日、叔母より「あんた、そんな事も聞かされてなかったんかい!(笑)」と言われ、「ホントは2月13日だよ」と告白されてしまいました。それまではうお座の欄をみて恋愛戦術を必死に考えていた僕はその日から2月生まれの水がめ座になりました。でも、、。その事実を確認しようと母親に尋ねたら「そうだそうだ!そうなんだ!でも、13日だったっけ?」知るか!なんでも、父親が届けを忘れていて気がついたら1ヶ月経っていたという、それだけでもいい加減なのに、本当に生まれた日はよく覚えてないらしい。(叔母の言葉も事実なんだろ~か?)という事で戸籍上は3月13日。星座は都合によってはうお座、悪いときはみずがめ座を見ています。
2005/06/13
コメント(0)
全46件 (46件中 1-46件目)
1