愛し愛されて生きるのさ。

愛し愛されて生きるのさ。

2004.05.05
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
2003年制作の日本映画。
監督は『NIGHT HEAD』『アナザへヴン』などの飯田譲治。
主演は妻夫木聡とSAYAKA。
原作は望月峯太郎の同名コミック。


ほとんどの乗客が即死した中で奇跡的に生き残ったのは青木テル・瀬戸アコ・高橋ノブオの3人。
3人は救助を待つが、恐怖に耐え切れなくなったノブオは発狂する。
そんなノブオから、また闇の恐怖から逃げ出すために、テルとアコはトンネルを脱出する。しかしそこで彼らが見たのは、白い灰が降り積もる荒廃した地上であった。
一体この国に何が襲い掛かったというのか…?


『ドラゴンヘッド』は言わずもがな、望月峯太郎による大ヒットコミックである。
それを映画化するという話を聞いたとき「無理だろ?」と思った。到底2時間で収まる話ではないし、あの世界観、とりわけ闇の世界を描くのはどだい無理な話だと思った。

その危惧はやはり的中した。

私も『ドラゴンヘッド』の原作は読んでいた。
後半は訳がわからなくなり少々破綻してしまった印象を受けたものの、主人公たちがトンネルから脱出するまでの3巻までの闇の描写はあまりにも禍々しくて肌が粟立った。


しかしこの映画版『ドラゴンヘッド』にはそういった恐怖感が皆無に近い。
もちろん映画ということで、スクリーン上に闇が展開してしまっては話にならない。
しかしこの『ドラゴンヘッド』には「闇の恐怖」が必要不可欠であって、やはりハナから映画には向かない題材だったと思われる。

ウズベキスタンまでロケに行ったということはあって、新幹線のセットや陥落した渋谷駅のセットは確かに凄い。
しかし特撮技術が凄くても、内容が追いついていなければ大した感動に結びつかない。

原作との比較を差し置いても、この映画はどうにも幼稚である。
主人公を演じた2人の芝居からは、どうにも極限状態の切迫感が伝わってこない。
こういう極限状態を経験した人は少ないため、芝居には想像力をフルに使ったテンションの高さが必要とされると思う。
しかしまだ役者として発展途上である妻夫木聡とSAYAKAの芝居はまだまだリアル感を伴っていない。

途中で挿入される中途半端なアクションシーンも、この映画の格を下げている。
どことなくアイドル映画の様相が強い映画である。


終末的世界を目の当たりにした、ちっぽけな人間の弱さや脆さを描いて欲しかった。

人間の描き方がとても安直で平面的なのが非常に面白くない映画である。

★☆☆☆☆





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004.05.10 23:41:27
コメント(4) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:『ドラゴンヘッド』(05/05)  
Andrejs  さん
まぁ、アイドル映画でしょうね。
そう思えば、作品のクオリティや演技レベルも納得。
母・聖子の「プルメリアの伝説」だの「夏服のイヴ」だのよりはましだと思うけど(笑)。
(2004.05.11 00:45:09)

Re[1]:『ドラゴンヘッド』(05/05)  
あきひこ827  さん
Andrejsさん
>まぁ、アイドル映画でしょうね。
>そう思えば、作品のクオリティや演技レベルも納得。
>母・聖子の「プルメリアの伝説」だの「夏服のイヴ」だのよりはましだと思うけど(笑)。

そう、アイドル映画でした。
しかしSAYAKAは母親に比べると、質素というか地味ですね。
ソツがない印象を受けます。芝居も歌も。 (2004.05.16 01:11:57)

Re:『ドラゴンヘッド』(05/05)  
私もこの映画、とてもつまらなくてビックリしましたよ。
緊迫感のないダラダラした印象の物語で、
見たのが映画館だったので、
近くから大きなイビキが聞こえてくるし、
トホホーンという感じでした。 (2004.05.16 03:43:02)

Re[1]:『ドラゴンヘッド』(05/05)  
あきひこ827  さん
こぶたのベイブウさん
>私もこの映画、とてもつまらなくてビックリしましたよ。
>緊迫感のないダラダラした印象の物語で、
>見たのが映画館だったので、
>近くから大きなイビキが聞こえてくるし、
>トホホーンという感じでした。

僕はなまじ原作を知ってたために、それと比較してトホホと思ってしまいました。
あんな壊滅的な日本を描いているのに、あの緊迫感の無さは一体なんなんでしょう。
金はかけてるのにやっつけ仕事っぽい、雑な映画でしたね。
(2004.05.17 00:08:14)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

キーワードサーチ

▼キーワード検索

コメント新着

大嶋昌治@ 彼らは世々限りなく王として治める (つづき4) しかし、私達クリスチャン…
大嶋昌治@ 防腐剤として生きませんか (つづき3) 社長は日本を保守したいの…
大嶋昌治@ 舐められてませんか (つづき2) 本題に入る前に、先ほどの…
大嶋昌治@ 小泉進次郎さんは聡明で優しい方であり、イエス様が死なれるほどに愛している方 (つづき1) 私は、室伏さんとモーガンさ…
大嶋昌治@ 誹謗中傷やめてください! あきひこ827さんが悔い改めたら、チャンネ…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: