愛し愛されて生きるのさ。

愛し愛されて生きるのさ。

2004.08.15
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巷で話題だった『ラストサムライ』をやっとこさ観た。
2003年制作のアメリカ映画。


しかしネイサンは軍隊を完全に育てる間もなく、反乱軍に囚われてしまう。反乱軍の首領である勝元はネイサンに興味を抱き、自らの土地に招きいれ共に過ごすことになる。
冬を越し春が来て、ネイサンは解放されることになるが、彼の目に映ったのは堕落しきった日本政府の姿だった。政府が勝元を捕らえたと聞くと、彼は反乱軍の一員となり勝元らを救出する。そして政府軍と反乱軍との戦いが始まる…。


ハリウッドが描いた日本、そして題材がサムライということで、私にとってはどうも食指が動かないタイプの映画であった。
しかも上映時間が2時間半以上ということもあり、やや敬遠していた部分も否めない。

しかし観始めてみたら、なかなかの出来である。
もちろん様々な違和感や矛盾はあるものの、「日本人をしっかり描こう」という姿勢には好感が持てる。

主演のトム・クルーズは演技面では磐石であり安心して観ていられる。やはりこの映画で語られるべき役者は勝元役の渡辺謙であろう。ハリウッドに認められるのも納得の、スケール感に満ちた存在感を持っている。
威厳に満ちていながらもそこはかとなく優しさを醸しだしている彼の芝居についつい見とれてしまう。

他にも日本人キャストとして真田広之や小雪などが出演している。アメリカ人が観ても見劣りしないような日本人役者としてキャスティングされた彼らであろうが、それでも彼らはハリウッド映画ということで気負ったところもなく実に日本人らしい芝居を見せる。そこもこの映画で感心したところである。



特に戦闘シーンであるが、大人数のチャンバラシーンをハリウッド的な動きのある演出で撮っている。
これはかなりの迫力である。画面の中には何百人という役者がひしめきあっているのだが、その1人1人に目を凝らしたくなるような躍動感に満ちている。
このクライマックスだけでも観る価値はあると思う。

そんな映像の迫力と日本人俳優の好演がある裏で、主人公であるネイサンの心情面の描き方が不十分になってしまったのが残念である。

もともと罪の無いインディアンの人々を殺してきたことで、心の中に深い闇を背負っているネイサンであったのだが、その彼が勝元と接したことでどう変化していったのか?
彼は侍たちのどういう部分に共鳴し、命を懸けてまで彼らと共に戦おうと思ったのか?
そういった心情面での描きこみが不足している気がする。
ネイサンが多くの人間の命を奪ってまで守りたかったものは何なのかをしっかり提示する必要はあったと思う。

しかしそんな欠点を差し引いても、「これぞ映画!」という楽しさとカタルシスを感じられる映画である。
日本人なら、きっとどこかグッとくるところがあるはずである。

★★★★☆





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最終更新日  2004.08.18 01:50:53
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