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2012.03.21
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カテゴリ: 経済
「林地残材でバイオマス発電」は邪道・・・・
むむ 聞き捨てならないな~。とにかく森林保護とかバイマスに反応する大使である。

この泊さんという人は「林地残材は使えない」として、林地残材の利用にブレーキをかけているが・・・
NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事長という立場から、わりと上から目線の記事となっているのです。

でも大使としては、たとえ業界の論理だとしても、どこかに論理の破綻があるはずだという読み方になるのです。


「林地残材でバイオマス発電」は邪道 より
 FITは、すでに世界80以上の国や地域で導入されている、再生可能エネルギー電力を固定価格で買い取ることで、利用拡大を促す制度である。日本のFIT法は、2012年7月の施行が予定されているが、各電力買い取り価格が決まるのは5月以降になるらしく、関係者をやきもきさせている。

 電力買い取り価格は、低すぎれば再生可能エネルギー電力の増大に結びつかないし、高すぎれば、国民や産業界の負担が過剰になる。条件やポテンシャルによって、適切な設計が重要である。

<「林地残材は使えない」から使われない>
特にバイオマス発電では、
(1) バイオマスが建材や紙パルプ、飼料など他の用途と競合する
(2) エネルギー利用としても発電だけでなく熱利用もある
(3) 燃料となるバイオマスの輸入が可能である
(4) 適切な対策がとられないと森林をはじめとする生態系の破壊や、化石燃料以上の温室効果ガス排出につながる可能性がある
――といった他の再生可能エネルギーと異なる特徴があり、十分な配慮が必要となる。

 日本のバイオマス資源のうち、使いやすい建設廃材などは、すでにほとんど使われており、今後、利用拡大が可能なのは、林地残材と食品廃棄物などの水分量の多い廃棄物バイオマスである。特に切り捨て間伐材などの林地残材は熱量が最も多いため、大きな期待がかっている。

しかし、「では、FITの電力買い取り価格を高めにして林地残材でバイオマス発電を促進すればよい」のかというと、それほどことは単純ではない。林地残材は、基本的に「使えない」資源だから林地に残されてきたのだ。なぜ使えないのか。

<建材や製紙原料に使ってから燃料に>
日本林業が衰退して久しい。「森林・林業再生プラン」などによるテコ入れが始まっているが、欧米に比べて大きく遅れている林内の路網整備、木材加工・流通やマーケティングの改善など、「日本の林業は産業ではない」と言われる状況を変えるのは、一朝一夕ではいかない。

 そもそもエネルギー利用は、有機資源利用の中で最も価値が低い利用法である(下図)。木材なら、まず建材として使い、建材として使えなくなったらチップ化してボードや紙の原料とし、紙も何度かリサイクルし、いよいよ繊維がぼろぼろになって紙にならなくなったら、燃やして電気や熱として利用することができる(カスケード利用)。もちろん、林業や木材加工段階で出てくる樹皮や端材なども適宜、エネルギー利用できる。
バイオマス

 前回、述べたように、日本のバイオマス利用可能量の半分は、森林由来のバイオマスであり、今後のバイオマス利用拡大には、林業振興が不可欠である。

 切り捨て間伐材をなぜ山から降ろして使わないかと言えば、第一に搬出費用が材の販売価格を上回るからである。林地残材の搬出費用はケースバイケースで大きく変わるが、1立方メートル当たり6000~2万円程度とされる。一方、燃料用としての取引価格は同3000円程度であり、到底、引き合わない。<注1>

第二に、林地残材を(一定価格以下で)大量に安定的に集めることは難しい。バイオマスはかさばるので、特に陸上輸送の距離が長くなるとコストがかかるだけでなく、輸送用燃料を消費し、温室効果ガスの削減効果が減ってしまう。

<日本がはげ山だらけになる?>
 さらに、無理に安いチップの大量需要に応えようとすると、地道に作業道を整備して間伐材などを降ろすのではなく、手っ取り早く安価に大量の材を調達できる大面積の皆伐が広がるおそれがある。発電効率は、発電規模が大きいほど上げやすい。1万キロワットのバイオマス発電施設は、年間10万トン以上のチップを必要とする。

 林産業の効率を上げようと、近年、九州などで年間5万トン以上を加工する大規模な製材工場がいくつも建設されたが、大量で安価な木材需要が生まれた結果、100ヘクタールを越える皆伐地が広がっている上に、再造林(植林)が行われていない。

 こうしたことが起こる一因は、土壌流出などの問題がある伐採の「伐採届」が提出されていなかったり(違法である)、伐採届が出されていても(人手不足などで)自治体が十分チェックできていないためである。FITによって大量のチップ需要が生み出される一方で、こうした歯止めが機能しないままだと、各地にハゲ山が広がる可能性がある。これでは林業の再生どころではない。

 つまり、林地残材は、大量に安価なチップを求められる発電用途には向かない資源なのである。林地残材は、建設廃材より水分量が多く燃料としての価値が低いにもかかわらず、搬出費用がかかるため建材用よりも高くなる。現状では、「使えない」ものなので、使わないのが(経済的に)正しい姿とも言える。

もちろん、この前提条件のどこかを変えることで、「使える」資源にすることはできる。最近、各地に広がっている「バイオマス集積基地」では、一定価格で材を買い取るようにしたところ、自伐林家などが搬出するようになり、これまで林地に放置されていた材の利用が進むようになっている。林地残材は、こうしたバイオマス集積基地で行っているように、製紙用チップなどとして使ってから、それらに向かなければ熱利用とするのがよいだろう。

<製紙用チップをやや下回る程度の原料費が目安>
 FITのバイオマス発電の買い取り価格はまだ発表されていないが、一つの目安は、他用途である製紙用チップをやや下回る程度の原料買い取り価格に基づく発電コストとすることが考えられるのではないだろうか(同時に、伐採届などがきちんと機能することも重要である)。仮に、林地残材の搬出、チップ化、輸送の費用を単純に合計すると、建材向けを超える価格になって、林業の現場は大きく混乱するだろう。

 政府のエネルギー・環境会議コスト等検証委員会報告書では、バイオマス発電のコストは「1キロワット時当たり17.4~32.2円」と紹介している。その内訳は、下限が「輸送費10.9円、運転維持4.5円、資本費2.0円の合計17.4円」。上限が「輸送費24.3円、運転維持5.2円、資本費2.7円の合計32.2円」になる。だが、実際に買い取り価格を決める際には、単純なコストの積み上げではなく、上記のような事情を勘案しながら、買い取り価格を決めていく必要があるだろう。

 FITに関してバイオマスのもう一つの焦点は、持続可能性である。日本は、年間7000万立方メートル程度の国内の木材需要を、人工林の更新分でほぼまかなえるだけの資源量を持ちながら、7~8割の木材を輸入している。その中には、違法伐採木材や、生態系を破壊するものも一部含まれていると考えられる。

<温暖化対策に逆行する場合もある>
 FITの施行によって発電向けバイオマス需要が増えると、輸入バイオマスが増える可能性がある。

FIT施行をにらんで、事業者は東南アジアなどで木質チップやペレットなどの調達に動き始めている。バイオマスの持続可能性な利用は、2011年2月に経済産業省が発表したFITの報告書にも記述されており、FIT施行を前にして、持続可能性に対する国としての方針を早めに打ち出すことが望まれる。

このエントリーを読んで論理の破綻も無く、お説ごもっともと思うが・・・・
日本がオーストリア化する日も近いか でエネルギー永続地帯への希望を述べた大使としては、泊さんの忠告じみた提言は、どうしてもブレーキと感じてしまうのである。

泊さんは、林地残材は現状では「使えない」ものなので、使わないのが(経済的に)正しい姿と言うが・・・・そう言い切る「 バイオマス産業社会ネットワーク 」というNPOの成り立ちを知りたいと思うのです。

バイオマスの熱利用 を読んでみよう。
また、 RPS法上認定されたバイオマス発電設備の種類と使用燃料 を見てみると、木質バイオマスが占める位置がわかるけど、主流にはなりえないこともわかります。





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Last updated  2012.03.25 10:08:15
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