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2024.08.13
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カテゴリ: 気になる本
図書館に予約していた『堤未果のショック・ドクトリン』という本を、待つこと11ヶ月ほどでゲットしたのです。
日本政府が進めているマイナンバーカードであるが、セキュリティに信頼をおけないのでできるだけ取得を先延ばししていたが、このたびマイナ保険証の取得が強制されることになり・・・堤未果さんの告発的な解説を読もうということなんですが。




堤未果著、幻冬舎、2023年刊

<「BOOK」データベース>より
「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさに紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など…。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは?滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。

<読む前の大使寸評>
日本政府が進めているマイナンバーカードであるが、セキュリティに信頼をおけないのでできるだけ取得を先延ばししていたが、このたびマイナ保険証の取得が強制されることになり・・・堤未果さんの告発的な解説を読もうということなんですが。

<図書館予約:(8/25予約、副本7、予約177)>

rakuten 堤未果のショック・ドクトリン


まず「第1章 マイナンバーという国民監視テク」から読み進めてみましょう。紙の保健証が使えなくなるので、この秋には私もしぶしぶマイナンバーカードを作ることになるんですが。

p71~75
■高齢者がカードを作らないなら、健康保険証を廃止します
 実は日本はけっこうなアナログ社会で、官公庁を筆頭に、地方のお役所もいろいろな手続きはまだ紙ベース、契約書も印鑑が主流です。

 総務省の調べでも、2021年時点で70歳以上の半数以上はスマホを持っていません。
 いくら政府が、「マイナンバーカードは身分証明書に使えます」「コンビニで住民票の写しや戸籍証明書が取れます」「健康保険証やワクチン接種証明書として使えますよ」「キャッシュレス決済できますよ」「給付金の振り込みが早いですよ」などとメリットを並べ立てても、「海外に遅れてますよ」と煽っても、アナログでそれほど困っていない国民、特に高齢者は腰を上げません。

 2021年10月からは健康保険証と紐づけて使えるようにしたものの、かえって負担が増えると現場からは批判の声が。約11万人の医師が所属する全国保険医団体連合会の調べでも、専用のカード読み取り機を導入した医療機関の4割で不具合があったという報告でした。

 マイナポイントという餌をちらつかせても、申請期限切れ直前の2022年8月末時点で申し込みは5割以下、政府は困り果てていたのです。
 この状況に、強引さと行動力に定評がある河野太郎デジタル大臣は、会見で眉をひそめながらこう言いました。
「これは一つ、真剣に考えなければいけない」
 法律で強制できないこの状況で、全国民を、有無を言わさず真清窓口に走らせる方法を真剣に考えた河野大臣が決めたのは、国民の選択肢を奪うことでした。

 10月にいきなりこう発表したのです。
「2024年秋をもって、紙の保険証は廃止します」
 国民皆保険制度のある日本で、全国民が必ず持ち歩き、高齢者ほど頻繁に使う健康保険証が今のままでは使えなくなれば、マイナンバーカードを作る以外に選択肢はありません。
 たちまち国内に激震が走りました。
 運転免許証がなくても、パスポートがなくても、健康保険証があれば身分証明書になる日本では、財布に入れて持ち歩いている人も多いでしょう。
 その健康保険証を廃止してマイナンバーカードに統合するというのです。

「あったら便利」だったはずのものが、「ないと生活できません」に、するりと入れ替えられた瞬間でした。
 では、反対している人は、いったい何を心配しているのでしょう。
 まだイマイチわからない、という人のために、マイナ保険証の問題点を順番に見ていきましょう。

<2 マイナ保険証はここが危ない>
■①カード作成は義務じゃないのに、選択肢を奪って強制
「これは違法!」 
 法律家の立場から真っ先に反対の声を上げたのは、日弁連(日本弁護士連合会)でした。
 番号法17条1項には、こう書いてあるからです。
「個人番号カードは住民の申請により交付するものとする」
 つまり作るか作らないかは、私たち国民の自由。
 でも紙の保険証が廃止されればその選択肢は奪われて、事実上の強制になってしまう。日弁連の言う通り、れっきとした違法行為です。

 でも政府はそれを認めるどころか、さらに脅しのようなことを言い出しました。
「2024年にはすべてマイナ保険証だ。紙の保険証は廃止後1年間は使えます。どうしても嫌なら健保組合などに資格確認書を発行してもらうこともできるけど、その場合自動更新はなしで、受診料はマイナ保険証より高くしますよ」

■②医師や病院が追い詰められる
 マイナ保険証の事実上の強制は、違法なだけではありません。
 実は日弁連が反対声明を出す半年も前に、医師や病院からは「勘弁してくれ!」という声が出ていたのです。

 2022年6月、政府は閣議決定した「骨太の方針2022」を踏まえ、全国の医療機関に、マイナンバーカードを端末にかざすと保険証の資格確認ができる「オンライン資格確認システム」の2023年4月までの導入を原則義務化しました。
 ところが、前述したように、このシステムには不具合が多く導入費用も高いため、導入に多くの医師たちが猛反対。

 カードを読み取れなければ、患者は保険が使えず、最悪の場合、その場で10割の窓口負担を払うことになってしまいます。そしてまた、カードリーダーは国から支給されるものの、小さいクリニックほど、システムを使うために従業員が受けるトレーニングの時間と費用といった高額のランニングコストが負担になってしまう。

 しかもやりたい放題の政府は、「期限内に導入しなければ、医療機関の資格停止もあるかも」と、またもや脅し。
「資格停止だぞ!」ではなく「かもよ・・・?」とちらつかせるところが、なんとも反社会的です。

「もう廃業するしかない」と泣き声を上げるクリニックも少なくありません。
 埼玉県保険医協会の渡辺義弘副理事長は、医療機関を追い詰める政府のやり方に怒りをにじませ、県民に必死でこう訴えました。
「このままでは、地域医療が崩壊する恐れがあると知ってほしい」





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Last updated  2024.08.13 00:46:02
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