北海道 0
四国地方 0
九州地方 0
商店街 0
全93件 (93件中 51-93件目)
高田馬場には数多くの酒場があってこの町が好きな人であればそれこそここで呑むだけでも十分に満足できるのかもしれません。書いておいていきなり否定しますがぼくにはそれは当然無理というもので、町の景色が目に焼き付いてしまうとそこがどんなに好きな町であるにせよ、倦怠期をやり過ごすためのしばらくの充電時間を要してしまいます。ここ高田馬場は、安くて美味しい肴を出してくれる酒場も数多いですし迷宮っぽさのある路地なんかもあって楽しいのであります。唯一残念なのが若い連中が多くて、さもここがわが町ででもあるかのように我が物顔で闊歩する姿があ ることで、若いんだからしょうがないとは言え、早稲田駅の周辺に呑みに行っても今や店は中華料理店ばかりで、それも古くからの町中華などごくわずかに命脈を保っているばかりで、それは彼らにとってみればどうでもいいことなのかもしれないけれど、ぼくは彼らこそが早稲田なり高田馬場を新大久保みたいにさせた極悪人に思えてならないのだからもうこれはどうしようもないのであります。 恨み言はもうやめておます。駅からしばらく歩いてもうこれ以上歩いてみてもスナック位しかないよという外れまでくるとさすがにそろそろ喉が鳴り始めます。神田川にぶつかるシケた坂を下っていくと「DRINK PROCESSING OCEAN(オーシャン)」という何だかこれはなあという店が見えるはずですが、これが案外悪くなかったのです。脱サラしたばかりのオーナーという感じのおっちゃんと若いのに客商売をこなしてきた感じのあるお兄さんの二人三脚でやってるお店で、スタイルは立ち呑みで軽く呑ませながら、それでもちょいと気の利いた肴は手落ちがないというそれなりの実力店と思いました。いやいや、だからといって今後通いたくなるような魅力があるといえばそんなことは残念ながらまだまだそのいきには達しておらず、どこか素人くさいところが交換が持てるという程度。今後この駅から遠いという不利を跳ね返せるかは予断がならぬように思います。 続いてお邪魔したのは「居酒屋 まき野」です。神田川に沿ってゆるゆると伸びる呑み屋街にある新しいお店です。ここには以前一度立ち寄ったのですが、一階のカウンター席がガラ空きにも関わらず無下に謝絶されあまり好ましい印象がありませんでした。今回は入れてもらえましたが、2階に通されました。これは恐らく1階席までは手が回っていないようです。2階席は卓席ごとにヴェールで仕切られていて、少しばかりエロチックなムードですが同行者がT氏とあっては無論そんな気持ちも湧いてくるはずがないのですけど、まあいずれにせよ男女のカップルやグループ客を想定した店作りということでしょうか。注文後、じっと店の人たちの動きをヴェール越しに見ているとそれほど忙しそうには見えませんが、こういう店でバタついている様子を晒すのは店のコンセプトからは外れているのかもしれません。さて、お通しの大量の枝豆はウンザリですが、オススメの魚介系の肴はまずまずでお値頃感もあります。好きな人は通うのかもしれません、がわれわれには尻がムズムズしてとてもじゃないけど長居しようという気持ちにはなれぬのでした。
2016/06/24
コメント(0)
新宿三丁目駅周辺は、ホントウンザリしていてあまり行きたくないのです。また例のごとく思い出話となり恐縮なのですが、新宿はかつては映画館のメッカてした。ぼくなどはハリウッドでも日本映画でもどちらでも良いのですが、その黄金期など知る由もなくただまもなく訪れるであろう映画の死の徒花の一つとして瞬間盛り上がったかに見える角川映画を少しは知っているという遅れてきた映画好きでしかなかったわけですが、それても新宿の映画館には嫌なくらい通いました。特に新宿昭和館ではどれほどのヤクザ映画を見たかしれません。地下のピンク映画やそばにあった薔薇系の映画館でただならぬ緊張を強いられたこともあります。シネマアルゴや新宿武蔵野館、テアトル新宿、小屋の名は失念しましたが今はなきコマ劇場に併設されていた劇場でも閉館前にクラシックなちょっと珍しい映画が大放出されて興奮して通ったものです。そしてそこでぼくと新宿との蜜月時代は終焉を迎えました。いやいや、勿論呑みに行くことはありますが、好んでいくというよりはむしろ付き合いでやむを得ず新宿ということがほとんどでした。でもこの夜ばかりは違っていました。かつてより憧れもあり、どうしても行っておきたかったお店に行く好機が到来したのです。ってまた奢ってもらうのかよ。 その通りです。奢って貰うのであれば心置きなく憧れの酒場を堪能できます。いつものようにみみっちく呑むなんていう醜態を晒すのはいくら厚顔無恥なぼくでもいたたまれない気持ちになるものです。いや、やっぱりそうじゃないか、いくら自腹でケチ臭く呑んでいてもぼくはちゃんといつでもどこでもよほど酷い店でない限りはいつだって楽しんでるし満足してる。ただこの店では気取って財布の中身など気にもかけていないフリをしたくなるようなお店なのでした。花園神社の境内といえば酒場好きなら知らぬ者はいますまい、おっとこうした物言いはあまり品が良くない、この酒場では下品な物言いは慎みたいので、ちょっと言い換えることにします。花園神社を詣でるために境内までの細い参道を進むと社務所風の建物のゴミ置き場、いやいやこれこそ失礼、小体な茶室のような風雅な物置ーやはりこういう言い方が適当らしいーをご覧になっているはずです。ぼくもここが酒場と知ってから数々の本やらテレビなんかでここを見ていて、それこそ羽振りのいい頃に何度か出向いていますが、いつでも閉まっているか満席で謝辞され続けてきました。「田舎料理 川太郎」は、酒場巡りを始めてから常にぼくの憧れの店で有り続けました。憧れは憧れのままに止め置きたい誘惑もありますが、そうやって後悔した店も数多い。この話を続けると店に入れぬままに話は終わりそうなので、唐突に話題を本題に引き戻します。たまたまこの夜の最初の客になれたのは全く幸運でした。テレビなどで見ていた女将さんは、まだまだ半世紀は現役でいてくれそうなほどに溌剌として、見たところは勝ち気そうでおっかないと思っていたのですが、初めてお会いした印象は少しくたびれた様子で儚げな姿に映ります。じきに常連が集まるにつれいくらかお元気になられる様子が嬉しいのですが、その常連たちも女将さんの衰えを見ぬふりをするかのように努めて戯けて振舞っているように感じます。ぼくはこの酒場が好きです。でも長年通ってこられた常連たちをさておいてまで、彼らの特別席を侵す気にはなれません。もう一度か二度でもいい、お邪魔できればと切に願うのでした。 続いては、「立花」にお邪魔しました。たまたま知らぬだけかもしれませんが、味のある今の新宿には似つかわしくもなく、もったいなくもある古びたお店ですが、以前から何度か目にしていたにも関わらず、なかなか入る機会のなかったお店。一生忘れることのなさそうな脆弱と喧騒の入り混じった儚さがぼくをここに連れてきたようです。こちらは古さを武器に無体な勘定を要求する体の店と思い込んだのは新宿という場所に責任がある。思ったより奥行きのある店内には、しかしほとんどお客さんはいません。奥に女性2名とカウンターに20代の男性サラリーマンがいるだけ。もう一息酔っ払っていようものならここかまさか新宿三丁目であろうとは思えないほどです。そんな地方の小さな町のような旅情さえ感じさせるお店がよもや新宿にあろうとは思ってもみませんでした。他のお客もそんなしばし都会の喧騒から離れてしんみりと呑めるひと時を求めてここに来られてるようです、若者など料理を口に運び、酒をゆっくりと口に含むたびにウンウンこれよこれみたいな満足げな表情を浮かべており、それを見たぼくなどはさすがにそれはオーバーアクションでないかいなどと突っ込みたくもなるのですが、相方にお前なんだかずっとニヤニヤしているぞと指摘されたのだから他人のことを言ってる場合ではない。とにかくこういう店では酒や肴にこだわる必要などない。簡単な品を前にゆったり語らったり、旅のことなどに思いを馳せるだけで十分なのです。
2016/05/21
コメント(0)
西武新宿線の沿線は、自宅からけして遠くはないし、思い立ったらいつだって行けるくせに何だか面倒なのです。何で面倒なのかは自覚しているけれども自らの恥にしかならぬ解答を告白するほどの覚悟は今の自分にはまだないのです。でも暇でしょうがない休日の昼下がりならば思い切って出向くこともあるのです。そんな昼呑みに耐えうる、いや昼呑みもさせていただける素敵なお店をちらほらと開陳することにします。何て秘密のお店のようにもったいぶってみせていますが、これらはいずれもネットで調べればすぐに判明するお店なので、西武新宿線沿線にお住まいの方は特に、そうでない方で知られざる酒場を求める方は素通りいただくのがよろしいかと思うのです。実は沼袋までも自宅からぽてぽてと歩いて向かったのですが、これは近所というにはやや無理がある1時間程度の散歩で到着したのです。休日の昼間にのんびり散歩して町の食堂で休憩がてら軽く一杯呑んで、商店街を散歩したり喫茶店に入ったりしながら、帰りはこれは無理をせず電車で帰るなんていうのはなかなか庶民のささやかな贅沢という感じでいいんじゃないですか。なんて書きながら今週末もどこか行ってみようかなんてことを想像するのです。 沼袋駅前は今度地下化されるらしいことが掲示されていて、数多の酒場の名店がこの開発工事によってどのような変遷を迫られるのか注意しておかねばならなさそうです。といって何ができるわけでもないのでせめて現在のごちゃごちゃした呑み屋街を記憶に留めておくことにします。ここ「福久家食堂」は、駅を出るとすぐの路地の入口にあるのですが、あまりにもさり気ない構えなのでうっかりすると気付かずに通り過ぎてしまいかねません。店内からは人の気配も感じられませんが、入る前にこの辺りの酒場をチェックするため一巡り、二巡りする度に食事を終えたお客さんが出てこられるのが見られます。そんな先客と入れ替わるように入店します。大衆食堂らしい飾り気のない質素さに触れると、再開発を乗り越えてこのまま続けていってもらいたいと切に願うのですが、それもなかなか難しいことでしょうか。昼飯時を過ぎていたので店の方も一息ついてのんびりしたムードが漂っています。他のお客さんもビールを呑みながら休日の昼下がりを満喫しているようです。品書は100円台のちょっとした惣菜も多く、定食メニューばかりでドカンと食べるのもたまにはいいのですが、酒呑みにはお浸しとかハムエッグみたいな簡単なものでやるのがちょうどいいのです。なんとか町食堂みたいな手軽で安価な大衆食堂風の店も近頃増えていますが、気軽で安いだけじゃやっぱりねえ。町名だけ変えてみせてもやはり一度行ったらまた行こうなんて思えない、どこ行っても似たりよったりで個性のないのはやはり退屈なのです。そのどこも変わらぬ安心が受け入れられているのでしょうが、せっかくの数限りある飲食くらいは徹底的に楽しみたいものです。ここ「福久家食堂」は紛れもない他にはないお店なのでまた来たくなるのです。
2016/05/18
コメント(0)
早稲田のそれも早稲田大学のすぐそばにある中華料理店を知ってからどれくらいの年月を経たことか。ずっと気になっていた店にはそれに気付いた瞬間に行っておくべきことと悟っていながらどれだけの店に行きそびれてしまったことでしょう。そしてそんな小さな取りこぼしを結局はいつまで経っても忘れることはできないのです。忘れたくないとその時に感じたものは、儚く記憶の埒外に瞬時に消え去ってしまうくせに、忘れたい記憶はいつまでも淀んで残るのです。そんな一軒がまだ残っていて良かった、これは運が良いとしか言いようがない。ここは鉄則に従いすぐさまお邪魔することにします。 「中華料理 早稲田軒」のことは、早稲田大学に通っていた方であれば知らぬ方はいないはず。早稲田の正門前をちょっと進むとある古くて味のある中華料理店であります。夜というにはまだ早い夕暮れ時であったので、学生で賑わっているかと入る前からうんざりした気持ちになったのですが、入ってみると一人のお客さんもおらず寂しい限りです。店内は都心の店舗とは思えぬかなりのオオバコで、50人は入れそうな感じ。かつては昼も夜も学生で賑わって、第二だか第三だかの学食みたいな存在だったのかもしれません。時代は移って現代には流行らなくなってしまっているとすれば悲しいことですし、もし早稲田の学生がこういう店を無視して流行りのラーメン屋ばかり巡っているとするならーいや、間違いなくそうなっているに違いない、高田馬場までの道なりに一体どれほどのラーメン屋があるか、数えるだけでもひと仕事になりそうなほどに乱立していますー、この町は大学のあるだけの退屈な町に成り果ててしまうような気がします。そういえば近くにあるはずのあのゴージャスな喫茶店も見当たらなかったような。ともあれ、こうした古い店が空いていることを学生のせいにしてしまいましたが、店の方にも努力が足りぬようです。高田馬場まで歩いてみるとラーメン屋もそうてすか、それに劣らぬほどの本場風の中華料理店があって、それらの店は素材の質は問わぬとすればとにかくやたらめったら安いのだから、値段で勝負が難しいとしたら味とか量で工夫するなどの変化が必要ではないかとお節介にも感じるのでした。 早稲田のキャンパスをぐるりと回り込んでやって来たのは「はなのあと」てす。ここはもうそれこそ嫌になるほど通り過ぎていたはずなのに、全くその存在を察知していませんでした。たまたま酒場放浪記に出たから意識したけれどそうでもなければ恐らく未だに知らずにいたかもしれません。いや、店の前に着くとお得なセットの立看板があったので立ち止まりくらいしたかもしれません。店内は民芸品がたくさん飾られていますが、どうも馴染めない雰囲気です。こぢんまりしたお店で店主の目の行き届くところも財布と相談を忘れぬ我々にはーO氏と店で合流しましたー、気兼ねしてしまうのです。品書きを見渡すとO氏のさえない表情も宜なるかなの価格設定です。どうもO氏と呑みに来ると貧乏気分を感じるのが続いているようです。とにかく最もお手頃で量もありそうな酒と肴を見繕うわけですが、その相談も店主に怪訝に思われぬ程度に控え目かつあまり秘密めかないよう気遣いながらとホント気疲れするなあ。いいおっさんの呑み方とは思えぬなという有り様ですが、出費をごくごく抑えてでも存分に店を堪能せんとする庶民の知恵とご了解ください。まあ浅ましい考えなのは間違いないですけど。そうして出された肴は一勝一負。当たりと外れになるにしても気分としては当たりが後の方が印象がいいものですが、先にあたりが来たもんでもう一品とどうしても言えなかったのです。
2016/04/28
コメント(0)
早稲田のそれも早稲田大学のすぐそばにある中華料理店を知ってからどれくらいの年月を経たことか。ずっと気になっていた店にはそれに気付いた瞬間に行っておくべきことと悟っていながらどれだけの店に行きそびれてしまったことでしょう。そしてそんな小さな取りこぼしを結局はいつまで経っても忘れることはできないのです。忘れたくないとその時に感じたものは、儚く記憶の埒外に瞬時に消え去ってしまうくせに、忘れたい記憶はいつまでも淀んで残るのです。そんな一軒がまだ残っていて良かった、これは運が良いとしか言いようがない。ここは鉄則に従いすぐさまお邪魔することにします。 「中華料理 早稲田軒」のことは、早稲田大学に通っていた方であれば知らぬ方はいないはず。早稲田の正門前をちょっと進むとある古くて味のある中華料理店であります。夜というにはまだ早い夕暮れ時であったので、学生で賑わっているかと入る前からうんざりした気持ちになったのですが、入ってみると一人のお客さんもおらず寂しい限りです。店内は都心の店舗とは思えぬかなりのオオバコで、50人は入れそうな感じ。かつては昼も夜も学生で賑わって、第二だか第三だかの学食みたいな存在だったのかもしれません。時代は移って現代には流行らなくなってしまっているとすれば悲しいことですし、もし早稲田の学生がこういう店を無視して流行りのラーメン屋ばかり巡っているとするならーいや、間違いなくそうなっているに違いない、高田馬場までの道なりに一体どれほどのラーメン屋があるか、数えるだけでもひと仕事になりそうなほどに乱立していますー、この町は大学のあるだけの退屈な町に成り果ててしまうような気がします。そういえば近くにあるはずのあのゴージャスな喫茶店も見当たらなかったような。ともあれ、こうした古い店が空いていることを学生のせいにしてしまいましたが、店の方にも努力が足りぬようです。高田馬場まで歩いてみるとラーメン屋もそうてすか、それに劣らぬほどの本場風の中華料理店があって、それらの店は素材の質は問わぬとすればとにかくやたらめったら安いのだから、値段で勝負が難しいとしたら味とか量で工夫するなどの変化が必要ではないかとお節介にも感じるのでした。 早稲田のキャンパスをぐるりと回り込んでやって来たのは「はなのあと」てす。ここはもうそれこそ嫌になるほど通り過ぎていたはずなのに、全くその存在を察知していませんでした。たまたま酒場放浪記に出たから意識したけれどそうでもなければ恐らく未だに知らずにいたかもしれません。いや、店の前に着くとお得なセットの立看板があったので立ち止まりくらいしたかもしれません。店内は民芸品がたくさん飾られていますが、どうも馴染めない雰囲気です。こぢんまりしたお店で店主の目の行き届くところも財布と相談を忘れぬ我々にはーO氏と店で合流しましたー、気兼ねしてしまうのです。品書きを見渡すとO氏のさえない表情も宜なるかなの価格設定です。どうもO氏と呑みに来ると貧乏気分を感じるのが続いているようです。とにかく最もお手頃で量もありそうな酒と肴を見繕うわけですが、その相談も店主に怪訝に思われぬ程度に控え目かつあまり秘密めかないよう気遣いながらとホント気疲れするなあ。いいおっさんの呑み方とは思えぬなという有り様ですが、出費をごくごく抑えてでも存分に店を堪能せんとする庶民の知恵とご了解ください。まあ浅ましい考えなのは間違いないですけど。そうして出された肴は一勝一負。当たりと外れになるにしても気分としては当たりが後の方が印象がいいものですが、先にあたりが来たもんでもう一品とどうしても言えなかったのです。
2016/04/28
コメント(0)
西早稲田駅のすぐそばになんだかへんてこりんな店名の酒場があることを知りました。へんてこりんな店名がすぐにへんてこりんなお店とは限らぬもののその存在をたまたま知ってしまったからには行かずにおれないのが悪い性癖です。 その店の名は「諏訪金属」といいます。この店名はさまざまな想像を掻き立ててくれます。第一に考えられるのが元が金属加工場であってその看板をそのまま活かしたタイプ、これは店内はすっかりリフォームされてつまんないことが多い。次に考えられるのが、店主のもとの商売への未練を断ち切れずに店名だけをそのままにしたというタイプ、これも店名だけに名残を留めているに違いない。大体においていつまでも過去に囚われてるなんて恥ずかしい。そして実は最初に想起したのは二毛作店であるタイプ、これはぜひとも見てみたい。この分類はいかにも入念さに欠いており厳密とは対極の不徹底なものとはですが、要するに言いたいのはすなわち3つめに挙げたタイプを期待するのです。月島に昼は畳屋、夜には焼鳥屋という店がありますが、そういうのが一番面白い。金属工場でなくて貴金属販売店ならなおのことに愉快でしょう。宝石がずらり並ぶガラスケースを眺めながら呑む酒はどんな味がするのやら。実はこの日、T氏と一緒だったのですが二人とも似たりよったりのことを考えていたのです。そしてそんな妄想は呆気なく裏切られるのであります。ガラス張りのお洒落なバーで、通常であれば酒瓶の並ぶ壁の棚には夥しいまでのLPレコードが陳列されています。液晶画面にはクラシックな洋画が流れていて、こういうのが心地良いと感じられる人には好きになれるのかも。呑み物は500円均一と安心です。はじめはわれわれを目障りなものを見るかのような視線を浴びせていた店主も、液晶に映る映画の女優さん―デボラ・カーのコメディ―をたまたま言い当てたことで少しばかり話が弾みますが、正直、少し眺めただけでどうしようもない映画と見極めたぼくですが、店主が好みらしいので調子を合わせてしまうのでした。 ところて、たまたま知った綱島にある「加藤貴金属加工」というお店は、本来は貴金属賞金を作ったり修理したりを生業とする貴金属加工店らしくてちょっと気になっていたんですが、副業で居酒屋をやっているようです。ところが今気になって調べたら、あら残念、閉店してしまったようです。
2016/04/18
コメント(0)
高田馬場っていう町は嫌いじゃないし、家からも遠くないからもっとちょくちょく行っていてもいいとは思うのですが、どうも町が早稲田の学生のための町という印象が強いせいか、いや実際に早稲田のキャンパスに近づくにつれその確信は深まるばかりです。いや、この間タモリ倶楽部の空耳アワーでタモリを絶賛させたとおり、早稲田と高田馬場はそれなりに遠いから、奴らは贅沢にもバスに揺られて高田馬場駅を目指すんだろうけども、そんな贅沢な連中にはこの酒場には是非とも足を踏み入れてもらいたくない、バスに乗るくらいの財力があるなら是非ともよそに行ってもらいたいというような立ち呑み屋があるのです。「 いやいや何も早稲田の学生を取り立てて非難しているわけではなく、学生なんてのは外で呑むのは贅沢過ぎる。そこの安売りで買って自宅で大人しく呑みやがれといった程度の発言なのですが、駅前にや 高田馬場店」という酒場があるのですが、そこには是非とも足を踏み入れないでいただきたい。正直ぼくにとって好きな酒場であったとは言えないけれど、ここを帰宅前の楽しみとする客が多い事はよく分かったのです。いや、別に悪い酒場ではないのです。入口付近でもらってきた名刺によると大阪で4、5店舗を構える立ち呑みらしいことは分かりましたした、開店してからそう歳月を経てもいないのに常連が付いていることを考えると悪くはないのかもしれません。でもなんだかとっても余所余所しいのです、いや酒場などというものは基本的には余所余所しいくらいがちょうどいいのかもしれない。客の表情からそれこそいろんなことを瞬時に察して徹底的に無視してくれたほうが有り難いことがあることなど、こんな孤独の呑みを愛する者の独り言を飽きずお付き合いいただけている方たちにとっては言わぬもがなのことでありましょう。そしてやはり一言言っておきたいのはお得なセットの存在をもっと目立つように張り出してほしい、これでこれまでどれだけ失敗してきたことか。立ち呑みなんぞ基本的には安く呑みたいから来るんであって、そこを目立たぬように掲示したんでは騙されているみたいに思われても仕方ないじゃないか。なんて言っているけどまあ悪くないです。孤独な客が多いのも良し。でも食い倒れ自慢の大阪で、この程度でチェーン展開できるとなればあゝこんな程度ですかという感想しか出てきません。大体オーダーミスしてもケロリとしてるのだからガッカリです。店長以外は現地調達の従業員としても教育がなっとらんのじゃないかな。
2016/04/07
コメント(0)
積年の課題であった新宿三丁目駅に近い2軒の酒場を訪れることが叶いました。あまりにも定番な面白味のない店選びなので、興味のない方は素通りしてください。訪れたのは太田和彦氏の著作や酒場放浪記に限らず夜に蔓延る酒場本でもよく取り上げられている―そうです、酒場を扱う雑誌やムック本は時折書店に赴いてはパラパラと立ち読みしているのです、そういう俗な一面がぼくには多分にあります、大体参考にならぬのですが―ようでもあります。そんなに定評があるのなら一度位は行っておきたいと思ったっていいじゃないですか、って誰も止めちゃいないですね。 そう、一軒目は「居酒屋 鼎」であります。何だこんな定番店にまだ来てなかったのかと馬鹿にされそうですが事実なので甘んじて嘲笑を享受いたします。さて、地下に降りる階段を進むと思いの外に広くてゆとりのある趣ある落ち着いた空間がありました。カウンターでも良いけれど、この夜の相棒兼スポンサー―日頃人には親切にしておくものです―が130kgの巨漢なので多少なりともゆったりできる奥のテーブル席に向かいました。ハナっから予想はしていましたが、雰囲気はなかなかにオトナの店という風情です。これが独りだと怯んでしまったことでしょうが、この夜は堂々と構えていればよいのであります。でも次も予定しているのであまりここで浪費させるわけにはいきません。この巨漢さんとは以前一緒の部署で仕事していたこともあって大変仲良くしているのですが自宅が遠いので滅多に呑む機会を持てないのが残念です。たまたま一緒に出張というまたとない好機が到来したので、早めに予定を押さえておいたのてす。その彼は最初に頼んだ南蛮漬けの味を褒めていましたがぼくには幾分酢が勝ちすぎているように感じられます。酒もそれなりに銘柄を揃えていますが、ギクリとするほど値が張るのです。根が小者なだけに値が張ると途端に卑屈な気分になってしまうのはもういい年なんだからやめたいと思うのですが、そればかりはそうそう変えられそうにはありません。次のレンコンの挟み揚げなどはなかなか美味しかったのですが、このささやかな一品が日頃愛用している田端の立ち呑みでは満足いくだけの値段だと考えると、定評ある酒場で満足行くまで呑むと月にせいぜい2回程度しか居酒屋に来れないじゃないかと、とことん値段に頓着するのです。 ところでしつこいてすけど、酒場本は基本的に眺める程度のものとしか思っていませんが、太田和彦氏の初期の著作とちくま文庫から出されている「下町酒場巡礼」、あとは女性ノンフィクション作家の執筆した大阪の酒場本は好んで読みました。他にも悪くないと思える読み物もありますが、近頃の読書傾向が漫画に偏向しているのですっかり忘れてしまいました。まあいつか告白しておこうと思っていたのでここに記しておきます。そうするまでもなくこれまでちょくちょく触れていたんですけど。 さて巨漢さんは沖縄が大好きなのです。季節ごとに通うほど好きなのです。一方でもう一人、今回の彼に比べるとぐっと小者の、と言っても人物がちっさいということではない目方が100kg程度というだけの意味ですが、人もいて、この人も沖縄に頻繁に通っているのです。2人だけで一般化するのはいかにも乱暴ですが、どうも沖縄好きには身体のデカイ人が多いのではないか。確認してみたわけではないですが、その印象はどうも当たっている気がしてならないのです。ただし、楽しみ方は真逆で、今晩の彼が沖縄の夜を楽しむとするともう一方は、昼のために夜は休養に当てているらしいのです。なんてったって昼型の彼は酒が呑めないんですからね。さて、何ゆえに沖縄話を持ち出したかと言うと次に向かったのが沖縄料理店だったからです。ここも来そびれていた「海森 1号店」であります。ここの若い店主はもとはそばにある有名酒場「地林房」で仕事していたらしくシーナマコトの切り抜きなどが貼られているのです。それは良いとして店そのものは居酒屋らしくない正直あまり面白味のないお店でした。高円寺にある有名沖縄酒場のような味わいは微塵もない。予想していたとはいえちょっとがっかり。加えて値段や料理もそれなりという他なくて、近くで見かけた2号店の存在が信じられなく思われるのです。これならアルタそばの「ヤンバル」辺りで呑んだほうがまだ楽しそうです。それでも最初はガラガラだった店内も次第に席が埋まっていき、ますます己の感覚が世の人たちからは乖離していることを思いしらされるのです。
2016/04/06
コメント(0)
常日頃、安酒場で安酒ばかり呑んでいて、職場の同僚などには目潰れるぞなんてことを言われたりもするのですが、この夜は旧知の仲であるとある男と飯田橋で呑むことになりました。この彼氏というのがちょっと風変わりな人でありまして、東京郊外に住んでいるのに都心の町のことを全然知らないーそういうことなので飯田橋ばかりでなく神楽坂さえほとんど地名しか知らないー、全くの無趣味である、酒は週末のみーあっ、これは普通かー、肉が嫌いで丸のままのきゅうりが一番の好物など書いているとまあさほど変わり者という感じもしませんが、あまり身の回りにいないタイプなのです。そんなことはまあどうでも良くてこの彼氏が何度か約束を反故にしたということで、詫びを兼ねてご馳走してくれるというのでした。でも高いところはダメよと言うので、イメージ的に安くない神楽坂は避けて、坂の下の呑み屋街で初めての酒場を探すことにしたのでした。 飯田橋ギンレイホールは今でも二番館としてーロードショー落ちのフイルムの再利用システムとして、度々利用したものの実のところは目黒シネマ同様に分かりきったプログラムばかりでさほど贔屓にしたわけではないー、地下も含めて時折お邪魔したということもあって通るたびに感慨深くなざるを得ないのです。そんな思い出深き地の目と鼻の先に「大衆酒蔵 鳥よし」があったことを知らなかったわけではありませんし、もしかすると立ち寄っていたのかもしれません。でもまあ記憶にない店は行ってないのと同じことなので、その大衆的な雰囲気に惹かれて入ってみることにしたのでした。で早急ではありますが結論としてはごく当たり前のこれといった個性のない居酒屋でしかないのです。それがいいとか退屈なんては言いません、でもこの10年、20年とやってきた店でこのままでやってやれるかは疑問の残るところです。いや、でもこのままでいて欲しいという気持ちがないわけではないのです。これだけの入りをずっと続けて来られただけのなにがしかがあったはずだし、そこにぼくはなにがしかの郷愁を感じたらしいのです。 たまにはそば屋で呑みたいなと思ったら「志な乃」という雰囲気がある店に出逢いました。あゝ、ぼくはまだまだ呑む気満々なので正直そばで〆るつもりはなかったのですが導どうしてもそば屋呑みを経験してみたいというスポンサーのご意見は受け入れざるを得ないのでした。店内の様子は極めて平凡で、いつも思うのですが外観はカッコよくても店内が整然とテーブル席が配置されていることの多いそば屋の景色にはもう飽き飽きしているのです。稀にただならぬ程に意表を付いたすごい店があるからうかうか見過ごせないこともありますが、大多数はこの退屈さに与しています。神田淡路町の名店のような長テーブルで相席というのは合理的かつ情緒があると思いますが、多くの店で採用している四人掛けテーブルというのが分からない。そばなんてものは基本独りでやって来てパッと呑んでパッとそばを手繰って済ませるようなものであって、4人でたらたら呑み食いされては店側も迷惑だろうに。そんなに家族連れが多いとも思えないしなあ。それはともかくとして、こちらも残念ながらここでいう退屈なお店なのですが店の人がとても感じが良いのが美徳です。余談ですがこちらのお店、見かけよりずっと古くからやっている店であることを、たまたま鉢合わせしてしまった神楽坂出身の仇敵から聞いたのでした。
2016/01/20
コメント(0)
なるべく避けるようにしている呑み屋街がぼくにはあります。こう書いただけでいつもケチ臭い呑み方をするぼくの苦手とする町は、いつもご覧いただいている方にとっては容易に察せられる事でしょうが、まあ端的に値段の高いお店は嫌いというだけの事なのであります。で値段の高いお店が寄り集まるというのが典型であって、そうした呑み屋街は、亜流に渋谷の呑兵衛横丁などもありますが、典型としては四谷荒木町などを挙げておいても良いかと思います。で今回訪れたのは後者を代表する神楽坂なのでありました。 暮れも迫って忘年会も佳境となりつつあります。ちょっとお手頃そうで、まあここなら大丈夫なのだろうと思われた酒場に振られ続けること10数件ー若干盛ってるもののそう実態からかけ離れてはいまいー、坂を上がったり下がったりしてようやく辿り着いたのは、雑居ビルの2階にある1軒、「せつ」というおでん屋さんでした。店の雰囲気は悪くないです。ただし女将さんは、う~んとても好意的な発言をする訳にはいかない。愛想の欠片すらないのであって、いくら呑んでる最中に不機嫌そうであっても勘定を済ませて上品に店を立つーなんせ瓶ビール大瓶一本が900円なのですから、酔いようもありませんー時くらいはニコリとしないまでも礼の一言くらいあってしかるべきではなかろうか。おでんだって、そうねえ、自分ちで少量だってこれ位のものは作れるかな。まあ、雰囲気はいいんだし、もうちょっとなんとかしてくれれば何とかなるはずなですけどね。
2015/12/24
コメント(0)
前回和歌山に旅してからもう何年経ったのだか、思い出すのが怖いくらいに月日は流れてしまいました。その間一体自分は何をしていたのだろうか、少しは大人になったのだろうか、などと切迫した風を装いつつ何一つ変わってはいない自分のことはとうに承知しているし、諦めてさえいるのでありました。なので出来ることはひとつ、可能な限り喫茶店を飲み歩き、体を壊さぬ程度には―この発言ができる程度には大人になったのか―無理をしてでも酒場を巡ってみるしかない。そのためには多少なり言えども持ち時間を増やしておく必要があります。都内から新幹線で向かっても和歌山への到着は10時を回ってしまうようです。しからば極力避けておきたい方法ではあるのですが、高速バスを利用するという案が嫌がおうにも浮上してくるのでした。 仕事を終え、帰宅し、旅装を整え終えたのが20時を回った頃でした。出発地の新宿までは上手くすれば30分ちょっとで着けるはず。せっかくなのであまり出向くことのない西新宿に行っておきたい喫茶店と酒場があったはず、出発の22時45分まではしばらくな猶予があります。これから辛く退屈な夜を迎えねばならぬと考えるとむらむらとどちらかに伺っておくのも悪くないと急遽スケジュールに加えてみることにします。そうと決まると慌てて家を飛び出して、一路新宿を目指すのでした。 新宿から駆け出すほどの勢いで西新宿に向かい、辿り着いたのがもうすぐ21時にならんとする時刻。一本通りを間違えたので遠回りとなったのです。でも思いがけず知らない喫茶店に出会い当然入ったのですがこれはまた別の機会に。目指すは酒場放浪記で放映された「品川亭」です。ところが住所を頼りに探し回るも一向に見つからぬ。時間が迫っているので―最近の高速バスは連絡しようがとにかく容赦なく発車するのです―、目先の店で良しとすることにしました。 入ったのは、「串揚げ居酒屋 忠吉」でした。ここからならバス乗り場まで10分もあれば辿り着けるはず。安心してのんびりしようと思うものの、気もそぞろです。やはり姿を見せぬ酒場のことが気になってしょうがないらしい。地階の変形カウンターで手っ取り早く980円で生ビール、串揚げ五本と小鉢のセットを注文。セットなのに強制的にお通し250円―お決まりの生キャベツ―を出すのは反則だなあ、しかも外税だし。でも店のお姉さんが綺麗なので、そこはぐっと笑顔でこらえるのが礼儀と心得ぬほどの不重宝者ではないとの自負があります。だから何なのだと言われそうですけど。まあ取り敢えずお代わりしてカッコだけつけて店を飛び出したのでした。 なんとか言う通りを越えると、なんのことはない路地裏に呆気なく見つかりました。「品川亭」です。でも知らなけりゃここを本能だけで見つけ出すのは困難だろうなという位に住宅に混じってそっと佇んでいました。少なくとも雰囲気は抜群ですね。まさにお忍びの店という感じ。敷居の高いお店に感じられますが時間に追われた身というのが逆に思い切りを良くしたようです。店内はカウンター8席程度と小上がりのみ。しかもほとんどが埋まっています。隅っこの壁とにらめっこする羽目になるのでしたが、このお店は、七福神が大挙して飾られているのでちっとも目を飽きさせることがありません。しかしそれにしても値段がお高いなあ。この立地でこの程度の収容力じゃあ致し方ないのでしょうが迂闊に注文するとエラい出費になりかねません。900円の高級な煮物、味はいいけどこの値段じゃさもありなんといった評価となります。小上がりにいるやたらと自慢しいなオッサンは下心アリアリで若い娘を口説きにかかっていますが、そこは今時の娘らしく飄々とかわしています。こちらはこのオッサンの取っときの店のようで、ウイスキーのローヤルをボトルで入れているのですが、ここではそれが安く上げる秘訣のようです。バスの出発が迫っていることもあるので気兼ねすることなく勘定できます。女将さんとその息子さんらしき方に丁重に見送られバス乗り場に急いだのでした。
2015/07/04
コメント(0)
高田馬場もうっかり足が遠のくと知らぬうちに店が変わってしまっているということが度々で気を抜けぬ町です。店の入れ替わりが激しいのは競争が激しいという理由ばかりでなく、こうと決めた方針もなく何とかなるであろうという見切りから店を出した場合が殆どであるように思われますが、今回報告する立ち呑み酒場はガンとした意志と覚悟が感じられるなかなか筋の通ったお店でありました。 伺ったのは「立ち飲み 炎天下」です。高田馬場の呑み屋街、栄通りのドンづまりにてきたお店で、実は先般目にしていたのですが、その店名の厳しさ、というか端的に今般目にするラーメン店のような妙に気合のこもった野暮ったさとそれに正対する店舗の陰日向のないあっけらかんとした明るさがどうにも受け入れ難く見ぬふりを決め込んだのでした。実際入ってみると新しくはあるもののコの字のカウンターも折り目正しく硬派な王道の立ち呑み屋に思えてくるのだから思い込みというものでどれだけ損をしてきたかと反省せざるを得ません。それにしてもこちらの肴の充実ぶりはただ事ではなく、この価格でこの量と質を保つのは大変な努力を要することでしょうし、人件費を減らすために一人黙々と仕事をこなす姿勢も大したものです。これはなるほど、店名に気合がこもるはず、でもどうにかなんなかったのかしら。
2015/04/21
コメント(0)
いきなり申し訳ない事ですが、言い訳をさせていただくことにします。ごく個人的な理由で敢えて吹聴するまでもありませんが、何たることか現在、ぼくにとっては例外的なことに仕事が繁忙という事態に陥っており、ハシゴして呑むだけの時間が確保できぬという悲惨な状況下に置かれているのでありました。結局何が言いたいかというと、当初の趣旨は呑むならハシゴが楽しいよという姿勢をしばし控えて、暫くはハシゴなし体制で、やっぱり酒場はどこも楽しいよという体制にシフトせざるを得なくなったのでした。多分ーいつも呟いてばかりなので、実際には何度となく語っていたかもしれませんーこれまで語ったことはないと思いますが、ぼくの呑み方の師匠ー別に慕っていた訳ではなく、ぼくに妙にこだわりのある呑み方を植え付けた人たちであるだけーとりわけ印象深かったーってまだ全然健在だってーの方の流儀だったわけです。って、どんどん注釈するうちに文章の階層が全く見えなくなっています。ともあれ今でもとにかくウィークデイは毎晩呑んでるので、ネタは尽きぬはずなので、師匠の意を汲み続けるためにもいずれはもとのペースに戻したいものです。後、喫茶店についてもさすがにここでは書けぬような外れ籤が続いているので、しばらくは日曜の喫茶報告も休憩となることが多くなりそうです。最近、とある喫茶店ブログの方とやり取りさせていただく機会を得て、本当ならもっとリサーチして差し上げたいのですがそれもままならぬのが無念なところ。それはともかくとしてー最近この言い回しばかりー言っておきたいのがハシゴが基本のこのブログの趣旨が一時的でありたいと思いますができなくなるということです。そうは言っても適当にハシゴ呑みを挟みながらお伝えする所存ておりますので、よろしければお付き合いください。 長々と書いてしまいましたが、最初のお店は結構メジャーらしき「ねこ膳」なのでありました。明治通りをぶらついていて出会った一軒です。よくご覧頂いている方ならお察しでしょうがこのブログには渋谷、新宿という東京を代表する大繁華街が滅多に登場しません。理由は端的にこの2つの町がどうしても好きになれないという極めて単純なことなのでこれ以上は特に語るべきこともありません。それでも花園神社を越えて明治通りを歩き出すと急に足取りが軽くなるのです。きっと雑踏が煩わしいだけなのてす。そんな新宿の外れに逃れるように辿り着くと軽く疲労した身体を休めたくなり、目に入った賑々しくてとても居酒屋とは思えぬ店舗でさえもがオアシスのように思われたのでした。まだ陽も高いというのに店内には多くの人たちがそれぞれ読書をしたり、歓談したりと良い雰囲気です。カウンター席に腰を下ろしてひとしきりメニューを眺め倒すと後は特に見るべき箇所もなく、ぼくも読書を決め込みます。煮卵などが盛られた小皿はちょっとしたアテとしてなかなかのスグレモノです。ここにはこうした気の利いた肴が揃っていて、新宿の雑踏に疲れたらまた訪れようと思うのでした。
2015/04/16
コメント(0)
明治通りをさらにどんどん歩きます。この辺りは新宿を挟んで渋谷ー池袋という副都心のターミナルを結ぶ都営バスが走っていて、ただでさえ時間に追われている(らしい)現代人にとっては贅沢な乗り物となっています。普通ならJRもしくは今なら東京メトロの副都心線まで運行されていて、余程のヒマ人か老人でもなければそれほど利用しないのではないかと思われるのですが、案外伊勢丹辺りで買い物帰りのお客さんの足として重宝されているようです。ヒマ人といえばバスさえ利用せず明治通りを蛇行しながら歩いている自分のほうがよっぽどその言葉に相応しい振る舞いをしているわけで、しかも目的が休憩というわけでもないのに喫茶店をハシゴしているというのだから人には愚かしく思われることも覚悟せねばなりません。確かに喫茶店巡りというものは思った以上に疲れるもので、店探しによる体力面の消耗はもとより、ひたすらコーヒーを飲みまくることからもたらされる臓器疲労に加えて、はるばる訪ね求めた店がお休みだったりひどい場合は閉店していたりした際の精神面の疲労は、すべての疲れの中で最上クラスに位置することでしょう。わざわざくたびれる為にハイエナのように街を彷徨うといえばカッコよくも聞こえなくはありませんが、探訪者は常に疲労しているのです。 さて、歩いているとバス目線からでは気付かぬ喫茶店にも出会えるわけで、「COFFEE GPOUP」、「カフェ ド ムウ」などはその存在すら知らなかったというのだから灯台下暗しとはよく言ったもの。などと気取ってみますが単に知識と努力が足らないだけ、怠惰こそがすべてなのでした。これらはまだまだ新しいお店で活気もありますので、またの機会に訪れることとして、今回は敢えて怠惰故に訪れずにいた老舗の喫茶店を訪れることにします。なので登場するのはよく知られた喫茶店ばかりなので喫茶ファンの方にとっては興醒めかとは思いますが思いの他良かったので備忘を兼ねて記録に留めることにします。とかなんとか書いていますが前置きが長いのは実際の店自体に語るべき言葉があまりないのだということは、日ごろご覧くださっている方であればお見通しでしょう。 新宿三丁目界隈は町がガチャガチャしていてあまり近寄りたくない土地なのですが、それはぼくがなんとなくという怠惰の種を涵養するばかりの軟弱な言葉で避けてきたのは間違いだったかもしれません。以前はきっともっと多くの喫茶店が当たり前のように営業していたのだと思います。「アルル」もその生き残りの一軒で大都会の足元とは思えぬ個人営業の店舗としてはかなりのキャパと落ち着いたケバケバしさが同居するそれでもしっかりくつろげるお店です。コーヒーに添えられるバナナやナッツもくつろぎに一役を担っているように思われ好みのお店です。 本格派の正統喫茶「ポニー」は、キャラバンコーヒーらしさの凝縮されたお店だと言えばそれだけで充分に伝わる方には伝わってしまうかと思われます。幾分狭めの造りでありながらカウンターをうまく配することでこれだけでひとつの喫茶宇宙として十分成り立っています。好みという面ではこの日巡ったうちでナンバーワン。 最後の「キクノヤ(Coffee Shop KI KU NO YA)」は、店名こそクラシカルですがチェーン系のコーヒーショップから装飾をさらに削いでしまったかのような淡白なお店になっています。半地下、中二階という造りこそ好みではありますが、いかに目を細めたり、細部に視線を及ぼそうともこの店の歴史を伺わせる何物かを見出すことはできませんでした。 と最後がちょっと締まらなかったのですが、陽気も良くなったのでちょっとした散歩がてらに明治通りを歩いてみるのもいいものだと思います。興味がある方は是非一度お試しを。
2015/04/05
コメント(0)
本当はあまり知られることのない地元だったり職場があるのでもない限りは訪れることもなさそうな喫茶店のことを書いたほうがずっと喫茶店好きの方の皆さんの参考ともなるのでしょうが、このところ珍しく仕事が立て込んでいてそれら撮りためた写真を発掘する作業をする時間がありません。ってこんなことを書いている今現在、列車の旅を楽しむ最中なのでした。 というわけですので、正月明けのとある平日の昼間に池袋から代々木に向けて明治通り沿いにある喫茶店を訪ね歩いた時のことを報告することにします。池袋から千歳橋を経由して早稲田に至るまでは都内でも屈指の喫茶店過疎地帯になります。かつて蔦の絡まる古い店舗で知られた「般若」がそばで営業を再開していますが、今のあれは果たして喫茶店と呼んでもいいのやら疑問です。 明治通りから逸れて学習院女子大学の辺りになると突然喫茶店が次々と現れ出します。最初の一軒は「珈琲 ロイヤル」です。薄暗い古びたビルの二階に伸びる階段を上がっていくとさほど個性的というわけではありませんが、なんかホッとできる憩いの空間が広がっていました。テーブルゲーム機目当てのランチ客が多いのも場所柄なのか。今ではスマホやら何やらでいくらでも遊べるのにわざわざテーブルゲームを楽しむオヤジたちにどういうわけか共感を感じてしまうのでした。 続いては「サイフォンコーヒーの店 メルヘン」にお邪魔しました。戸山の団地にある団地商店街の一軒でとても繁盛しています。こちらもちょっとだけ本格的な正統派喫茶の趣がありますが、お客さんが多いためじっくりと雰囲気を味わうわけにはいかないようです。奥にも客席があるようてすが、あまりうろキョロするわけにもいかなさそうなので自重して大人しくコーヒーを味わうとあまり長居せず席立つことにしたのでした。 商店街にもう一軒喫茶店がありました。「COFFEE・FOODS 磯詩樹」です。表からは店内も見えずなんとなく危険な感じが漂っていますがこれを逃すともう二度と入ることはないかもと思ったので勢いで入ってみることにしました。入ってすぐに失敗したなと思いますが後の祭りです。どうでもいいと言っては見も蓋もありませんが実際見るべき細部さえありません。しかも酔っぱらいのおっさんが雄叫びを上げたりしてちっともくつろげない。これがもしもたまたまだったとしても、それは客にとっては不愉快極まりない体験であるということは店の方も当然理解すべきではないかと思わざるを得ないのでした。 とまあさほどの出会いはなかったもののそれなりに楽しんだわけですが「珈琲茶館 デミタス」、「珈琲 瑠奈」などなどまだ未訪の店もあって、「喫茶 マリエール」にももう一度お邪魔したいなど、まだまだいろいろお知らせすべきお店もあるやもしれませんが、取り急ぎここまでといたします。
2015/03/22
コメント(0)
新宿から池袋まで明治通りをブラブラと歩いてみることにしました。もちろんまっすぐ歩いただけでは、日頃しばしば利用している都バスからの眺めとそうそう違った風景が見られるわけでもないのでーと言いながらこれまであったことすら気付かぬ喫茶店にも出会えたし、なにより全くノーマークだった酒場にも遭遇しましたー、出来る限り脇道にそれて、迂回しながら歩いてみることにしたのでした。そうすると驚くくらいに多くの喫茶店にも巡り会えたのでした。このお話はまた機会があれば報告させていただきます。ところで、居酒屋ですが歩きだしたのが夕方というにはまだ早い時間帯だったので、しばらくは気になる店が何軒か東新宿辺りでやってるのを見かけましたがそこはまたの楽しみにとっておくことにして、数軒の喫茶店を巡った頃には早くも道中の中間地点、西早稲田駅近くまで辿り着いていました。ちょうど店を開けたらしいザ・居酒屋とでもいうべき大衆居酒屋がありました。 正確にはこの店の存在を少しも知らなかったわけではありません。やはりバスで通過するたびに「大衆酒場 わっしょい」なる居酒屋があることは認識していましたが、あえて立ち寄るほどの店には少なくとも車窓の眺めからは思われなかったためすっかりノーマークになってしまっていたのてす。4時から開店してるとは嬉しいことです。きっと近くの早稲田大学の学生やらをターゲットに合わせてのことなんでしょう。どうしても貧乏臭いイメージの拭えないー早稲田大学出身の方がいたらゴメンなさい、これが正直な感想なのでしようがないのですーわけなのてすが、きっと開店時間ばかりでなくお値段もぼくのイメージする学生たちが気軽に利用できるように設定されてることでしょう。明治通り側が正面の入り口に当たるようですが裏通りを歩いていたのでそちらから階段を上がったのですが、裏から入ると薄暗く辛気臭い雰囲気で表通りからは、大きな窓の開放的なお店に見えたのですが、じつさいはかなりうらびれているのではないかという期待を抱いてしまいます。店は拡張して、隣のテナントをも侵食してしまったらしく、それも一軒だけのことではなさそうなのがなんとも混沌とした造りとなっていて好感が持てます。一方はグループ利用のためのようなので、カウンターもある池袋寄りの店舗に入りました。まだ一組の客も入らぬ店内は、広々としてしかも静かなのが爽快に思えます。そして値段も貧乏学生がしっかり安価で楽しめる設定となっていたのは、納得ではあるけれど大いに喝采を上げたくなります。はんなりした心持ちで何度目かのお代わりを飲み干した頃に、早稲田の学生らしき垢抜けないけど利口そうな若者二人が実に愉快そうに入ってきました。ここは基本は彼らのお店なのでしょう。一介の勤め人であるぼくなどは程々にしておくべきでしょう。 そういえば、早稲田通りと交錯する路地をちょっと入ったところに「次郎亭」という沖縄料理があったはずです。一度行ってみたいと思っていたのでした。半地下なのが魅力で、いつも言ってることですが半地下って表から眺めると実に愉快な構造ですが、元来この造りは女性の足を眺めるために発明されたものに違いなくて、ぼくもその考えに異論はないわけですがこの立地と唯一外を眺められるはずのカウンターの造りが背後を振り返らねば眺められぬようになっているのであれば、この店作りはハナから誤っているとしか思えないのでした。威勢のいいオヤジもぼくのしみじみとした呑み方に業を煮やしたのか、はじめこそやたらと構ってくれたのですが、いつしか相手にされなくなり、仕込みに余念がなくなるのでした。結果勘定したところ正直えっと言いたくなるくらいのお値段でした。もしかすると腰を据えて呑めば案外お得感を感じられるかもしれませので参考までに付記しておきます。
2015/01/29
コメント(0)
さて、ザンギで腹ごしらえしたら急に元気一杯、活力が満ちてきたのでもう一軒ほど寄り道してみることにしましょう。早稲田通りを歩いていくとビニールシート張りの入口となっている見慣れぬ居酒屋さんがありました。こうした店はいかにも大衆的っぽさを商売戦略としているようで、なんだか胡散臭く感じるのですが、この夜はすでに2軒呑んでいることもあって気が大きくなっていたのでしょうか、少しの躊躇もなく入り口が定かならざるビニールシートを弄ってー恐らくは店内にびっしり入っている先客たちはぼくのいかにも一見風なみっともない振る舞いを嘲笑っているんだろうなと自意識過剰になるのでしたー、ようやく暖かな店内へと滑り込んだのでした。 そこは後でネットで確認すると「浦野屋 やきとん てるてる」というお店でした。この屋号、先に知ってたらきっと立ち寄る気にはなれなかったはずです。どうしてこうした軟弱な印象の屋号をよりによって選ぶのだろう。世の人のどれくらいの人たちがネットなんかを頼りに呑み歩いているか知りませんけど、そうやって店を探しまくるタイプの方たちはむしろこういうトボケた感じのほうがとっつきいいのかもしれません。ともあれ凄まじい活気です。呑み終えた客が席をたつや次なる客がビニールシートから顔を突き出し店内の様子をうかがうという調子なのでした。そんななかでも幸いに左右との距離があるカウンター席に着けたのは幸運でした。見知らぬ他人とのひとときの交流が酒場の醍醐味だなどという人もいて、それが全くの嘘とは思いませんがそれがなければ酒場とは言えないという論調で語られてしまうとそういう人は随分と偏狭な思い込みに冒された酒呑みだと思わずにおれません。ともあれ最初に頼んだ肴がマッシュルームのオイル煮、ニンニクもありましたが迷わずマッシュルームを選択します。ニンニクも無論大好きですがそれ以上にマッシュルームが好きなのです。お隣の女子2名はニンニクにいってましたが、それを見て両方をハーフづつにしてもらえないものかと心底願ったのでした。それ位にひたすら摘んでいたい味です。身体のことを考えないわけにはいかなかったもののついオイルまで啜ってしまいました。なるほど人気が出るわけだ。 調子に乗って向かったのは早稲田通りの裏手の通り。なんだかここに来たことあるはずだけど店の雰囲気がどうも味気ないものになっているし、どういうことだろうと迷ったお店はまたもや立ち呑み店でした。ぼくの記憶では以前ここには 「山でん」というお店があったはずですが、どうやら居抜きで店主も変わりー 「山でん」は老夫婦がやっていたと記憶しますがどうなさってのでしょう ー 、「あけぼし」として新たに店を始めたようです。以前は必要以上に広くて無駄の多いスペースの使い方がなんだか居心地良かった印象がありますが、今度の店は店主一人ということもありかなりコンパクトで程よくまとまっていてあまり面白くはないのですが致した方ないでしょう。先客二人と店主とのやり取りを聞くともなしに聞いてしまうことになるのですが、それから判断するとこの方、相当なおしゃべり好きのようです。特に代わり映えのしない立ち呑み店らしい品揃えでその点は可もなく不可もないといったところです。あまり長居しては長話に付き合う羽目になると腰をあげる準備を始めたところで、先客に先を越されてしまいました。ここからは、店主との語らいの時間が延々と続くことになりますがこれは割愛。でも一つだけ記憶にとどめておきたいことがあって、それは池袋で長いことスナック店主を続けられている方の話題です。双方ともにこの方とは随分長いお付き合いをさせていただいていることが分かってからはこの方の話で止めどなくお喋りは続くのでした。それにしても酒を通じての縁ってやはりあるんですね。
2015/01/21
コメント(0)
たまたま定期的に眺めるブログを拝見して、高田馬場の酒場事情にが幾分かの変化があったようなので久方ぶりに行ってみることにしたのでした。場所も駅から近いし、立ち呑みというのも懐事情に難のあるぼくにとっては、非常にポイントが高いのでありました。電車賃との兼ね合いを考慮しつつ高田馬場に向かいます。 高田馬場駅からはお決まりの呑み屋街を人混みにげんなりしつつ歩くのですが、さほどいい印象のない老舗喫茶店が、店を畳んでいるのを見るとこれは好き嫌いにかかわらずもう一度来ておくべきだったと思わずにいられないのてした。しかしこれからニューオープンの店を訪ねる身とあっては感傷に暮れている場合ではないのでした。 栄通りーでよかったかしらーのほとんど最奥にはお手頃価格で知られる老舗焼鳥店がありますが、目的の店はそのお向かいにあります。それも2軒が仲良く軒を並べて新しいお店です。一度で終わらせてしまってはもったいないので今回は「高田馬場 つつや」という居酒屋らしいお店にお邪魔することにしたのでした。お隣は店名もそうですが、酒場というよりはラーメン屋さんみたいな雰囲気で今ひとつ気乗りしません。立ち呑み店ということのようですが、椅子付きですね。手前のスペースの止まり木にはパイプ椅子が設置されていて、自由に使用して良いようです。奥はもう当たり前のように立ち呑みであることを放棄しています。まあいずれにせよ今時のもつ焼き屋に主流な安普請であることを積極的に店の雰囲気として利用してやろうというタイプのお店です。サワーが300円程度とけして安いといえるような 値段ではなく、これたけでもう残念な気持ちになります。それでもすでに常連が付いていて、それが学生らしき可愛い娘だったりして、同伴が男子学生なので店の方に、女の子じゃなくてゴメンねなんて挨拶を交わしているのだから一度行っただけでは分からない良さがあるのでしょうか。その秘密を探るまでの情熱のないぼくはひと時寛いだところで忙しく店を後にするのでした。 なんだかガッツリしたものが食べたくなったので、お隣の立ち呑みはまた今度にして随分ご無沙汰している「釧路食堂 ザンギ 高田馬場店」に行ってみることにしました。ここ、美味しいのは確かなのですが、ぼくの理想とする客の入り具合からするとかなり過密気味なのがどうしても窮屈さを感じてしまって敬遠するようになってしまいました。しかしこの夜はどういうわけだか案外スペースに余裕があるようなので呑んでる最中に混み出さない限りは余裕をもってやれそうです。ここに久しぶりに来たからにはやはりザンギを食べておくべきでしょう。初めて串に刺さったデカいザンギを頂いてみましたが確かに表面のザクザクした歯ざわりが心地よくて満足度高し。毎晩となるとさすがに飽きるでしょうし、値段もまずまず、何より健康上に問題が生じかねないので週一程度のペースで通うには良さそうだと改めて思いました。
2015/01/20
コメント(0)
先週の月曜日に、喫茶店好きにはよく知られるHP(http://retrocoffee.blog15.fc2.com/)で、存在すら知らずにいた一軒の喫茶店が店を占めるという報告がありました。どうにかして行きたいとあれこれ策をねったのですが、こちらの営業時間は8時から18時と職場と就業時間との兼ね合いをどう考えてもやり繰りするのは無理と諦めておりました。ところが、身の回りである事件が起き、それはけして喜んでいいような事件ではありませんでしたが、ぼくにとってはまさに幸運でした。 到着したのは、最後の営業日の金曜日の昼下がり。優しい笑顔でご夫婦が出迎えてくれました。入った瞬間は仰々しく飾り立てられているわけでもなく、さほど個性が際立つ店ではないと思いましたがこちらはむしろご夫婦の優しさこそが、店の個性であるように感じられました。ギリギリまで粘っても仕事の合間であるためごく僅かの時間しかいられませんでしたが、よい思い出となりました。奥さんのお話では、閉店を聞きつけて多くの方がみえられたそうです。そんなことをしんみりしつつも素敵な笑顔でお話していただけたのは、しばらく忘れられない思い出となることでしょう。昭和43年に開店した50年にもならんとする歴史のあるお店の幕引きとしてはあっけない位ですが、そのささやかなところがこのお店らしく思えます。 それにしても、そんなに素敵な店なら閉店前にどんどん行っておけばいいとは、ぼくもよく言ってしまいますが、そもそも知らないんじゃどうにもなりませんからね。ぼくもできるだけあまり知られていない酒場や喫茶店をますます訪ね歩きたいと改めて思うのです。
2014/09/28
コメント(0)
さて、代々木で仕事を終えてどこか普段行きにくい町にでも飲みに行くか、でも時間も早いしその前にちょっと一杯引っ掛ける、そうした時にちょうど具合の良いお店があります。 「とんかつ 代々木庵」は、一人でもグループでも使い勝手が良いお店です。駅前の都心とは思えぬほどに老朽化したビルの二階にあるのが、まずはそれだけで嬉しいものです。店内は想像をはるかに超えて広くカウンターも立派です。でもカウンターはちょっと敷居が高く感じられるのでテーブル席に収まります。酒場が慢性不足である代々木では貴重な酒場としても徴用されているようで、どこぞやの企業の10数名の宴会が始まり店内は嫌が負うにも活気付きます。お値段もお手頃な居酒屋価格なのも楽しいです。呑みの客以外にも当然ながら食事目当ての客もおり、彼らにとってはあまりの騒ぎ過ぎは迷惑でしかなく、そこらへんは注意が必要なようです。品書:ビール中:550,酒2合:750,サワー:350,枝豆/谷中しょうが:350,はんぺん焼/にら玉とじ/肉じゃが/ポテトサラダ:400,かつ煮:650
2014/09/01
コメント(0)
先般、信濃町でひさびさに呑みました。とても何度も通いたいと思える町ではありませんでしたが、都心ではあるものの都会っぽさはまるで感じられない、むしろ郊外の住宅街と言う方が適当に思われるような閑静ではあるものの、退屈な町であることを再認識しました。そして今回は千駄ヶ谷にやって来ました。少し日本を代表する大繁華街、新宿に近づくことで少しは賑やかになるのでしょうか。 想像はしていましたが一駅では、状況は変わるはずもありません。中間にある代々木すら酒場に恵まれているとは言えないのですから、やむを得ないでしょう。でもこんな閑静な町でもきっと酒場の2軒や3軒はあるはずと夜道を進みます。中央線に沿ってしばらく歩くと「みろく庵」というそば屋さんがあります。とりあえずは一杯呑みましょうということで、暖簾をくぐることにしました。ああ、この夜は、S氏とO氏と呑むことになっています。すでに合流していたS氏と先に店に入ります。そば屋らしい広いテーブルがけして広くはない店内にとても効率よく配置されています。きっと昼食時は大いに繁盛しているのでしょう。夜は雨脚が激しいこともあってあまり入りがよくありませんでした。最初の一杯目を飲み干す頃にO氏が到着。改めて乾杯し、本格的に酒の肴を注文します。この時頼んだ豚の生姜焼きが驚愕のボリュームです。これはきっと昼食時にはよく出るのだろうななんて感心しているとこちらのお店結構いいじゃないかと思えてくるのでした。 なんだか気分が良くなって次のお店にも期待が高まります。国立能楽堂を過ぎてしばらく進むと数軒の飲食店が立ち並ぶ一角があって、どこも真新しくて本意ではありませんが「台楽 おおた」というなんだかよく分からない屋号の居酒屋に入ることにしたのでした。店内も新しくて、でもまあこんなもんであろうことは覚悟していたので落胆もありません。ちょっと気の利いた洒落た感じの肴もあったりするので女性客も案外多く、結構な混雑ぶりです。酒では日本酒が比較的お得だったのでここは皆日本酒に切り替えることにしました。これが良かったのか失敗だったのか2合弱のお銚子がパラパラと空いていき、いつの間にやらしたたかに酔っ払ってしまったのでした。
2014/07/23
コメント(0)
急に思い立ってその勢いに乗っかりでもしない限りは滅多なことでは行くこともなさそうな信濃町駅。出張で近場に行くことになったので、信濃町に行くという決心を堅固にするために、S氏を巻き込むことにしました。運良く付き合うとの回答をもらった以上は面倒でも行かざるを得ません。 そんなわけでやって来ました、信濃町駅。勿論、信濃町駅で下車するのが初めてというわけではありませんが、最後に来てからどのくらいの歳月が流れたのか、今となっては思い出しようもありません。駅を出ると早速、目の前のビル地下に呑み屋街があったのには思ってもいなかったことなので何はさておき潜ってみることにしました。まあ一巡りするとまあこんなもんだろうなという諦め感に見舞われることになりましたが、中では居酒屋らしき風情を留める「小料理 あづま」にお邪魔することに決心するにさほどの時間は要しませんでしたが。店はサラリーマンたちがテーブル席を占拠しています。ふたりカウンターに並ぶとやはりおっさんという人種はこうした昔ながらの居酒屋に吸い寄せられてしまうのだなあと改めて思います。この世からおっさん人種を排除するのは容易いに違いありません。肴がほんのちょっぴり変わっていて塩風味の肉じゃがなんかもあって、値段はそこそこながら楽しませてくれます。ぼくもふこうにも職場がここなら時折通ってしまいそうです。 続いては「水明亭」一軒家のここが都心であることを忘れてしまいそうな佇まいです。これが下町であれば素通りしてしまうのでしょうが、都心にあるとなればはなしは違います。店内は外観以上に昔ながらの佇まいであることにしばし当惑すら覚えます。更に驚きなのが客層がいいとこの家族連れが多いことです。さらによく眺めるとひらひらしたバレリーナっぽい学校の娘さんが混じっているのです。ここは最近閉所した国立競技場のそばにはそういえばスケート場があったような。壁中に所狭しとサイン色紙が貼り巡らされていて、プロ野球選手や水泳選手に混じってスケート選手たちのものもかなりあるようでした。さて、こちらは大衆食堂ではありますが、もともとの売りの商品はちゃんぽんのようです。ちゃんぽんは嫌いではないというかむしろ大好きなのですが、そんなの食べてしまうと呑めなくなるので、諦めることにしました。第一、ちゃんぽんであれば「リンガーハット」で十分だし、値段も段違いに安い。というわけで鶏の唐揚げなんかを注文してみたのですが、これは失敗でした。冷凍食品を揚げたものに感じられます。揚げたものをタレで絡めてあるのは一工夫なのでしょうが、もとがおいしくないと多少味付けでごまかそうとしてもごまかしきれるものではありません。思いがけず多くの客が入っているのは味がいいとか、雰囲気がいいというよりは単に他にお店がないからであるように思われます。
2014/07/12
コメント(0)
江戸川橋駅と後楽園駅を直線で結ぶその中間にはお堀と並行して首都高速5号池袋線が走っています。そんな殺風景な場所なので,立ち並ぶのはビルばかり。中でもトッパン小石川ビルが巨大にそびえていて,都心部でも有数の味気ない町並みが続きます。そんなところでもごくわずかながら味のある酒場があるのでした。 なんとこんな場所に角打ちがあるのでした。なんとと言いながら角打ち好きであれば周知のお店「おやま(小山商店)」があります。ここは酒屋は休業状態らしくもっぱら立呑み屋だけを商売しているようなので,こうなってしまうともはや角打ちとは呼べないのかもしれませんが,そこら辺はまあよしとさせてください。何度か書いていますが,酒屋の店内の空きスペースに無理やりビールケースを並べただけの角打ちは正直,魅力を感じませんが,こちらはしっかりと立ち呑みコーナーが設けられており,しかもお手製の肴を提供してくれるとあってはこれは行かずにはおれません。って,まあ以前も何度か訪れているわけですが,ここは繰り返し通える数少ない角打ちのひとつだと思っています。お客さんの入りはさすがによくて,まあ他にこれといって酒場らしい酒場がない以上は当然のことでしょう。女性客もちらほらおり,地元の企業の方に愛されているようです。出版系企業が多いので聞き耳を立てると業界の裏話も聞けたのかもしれません。カウンターを守るのは妙齢のきれいな女性というのにも驚かされます。以前は違う方だったような気がします。 続いて界隈では老舗の酒場として知られる「大衆割烹 すみれ」にお邪魔することにしました。退屈でしょうがなかった大晦日の夜のお楽しみ,年越しの「酒場放浪記」の生中継居酒屋として何度か目にしていました。テレビ画面からはごくありきたりのどうどいうこともない酒場の印象でしたが,実際お邪魔するとそこはかとない年輪を漂わせていました。長いカウンターに腰掛けてみると独り客は少なく,多くが3,4名程度のグループ客です。この辺のお客さんはさびしがり屋が多いのでしょうか。城東地区に多くみられる独り酒がしっくり嵌るかっこいいオヤジは少なく,ほどほどに賑々しくてまあ都心部の居酒屋らしいと言えるのでしょうか。あまり気に入っていないような書き方になっていますが,案外この緩い雰囲気は悪くなくて,悪く言えば緊張感の欠如したぬるい感じが仕事を終えて帰宅までの一憩を過ごす場として適当なんじゃないかという気もします。酒も肴も充実しており,その点でも都心のプチブル(これまた偏見)たちの夕餉の友として堅実な地位を保っているようです。ともあれ,ここはまた江戸川橋で呑むハメ(この言い方がまた失礼極まりなし)になったら有力な選択肢の一軒になりそうです。
2014/05/23
コメント(0)
かねてから呑みに行きたかったというようなことを毎度毎度枕詞にしてしまうのに我ながらうんざりしてしまうのですが,読んでいただいている皆様にとってはなおのことマンネリなのは承知していてもつい言ってしまうのでした。それ位,随分前から来よう来ようと思っていたお店なのでした。立地が悪いわけではない,なんといっても代々木駅からせいぜい徒歩3分ほどであります。代々木が嫌い,というのはまあ大袈裟にしてもけして好きな町ではないことは確かです。それでも折に触れ訪れている町です。つい先だって,「代々木ミルクホール」と「馬鹿牛」をハシゴしたばかりですし,「珈琲専門店 ロード」,「珈琲の店 ぴいぷる」の素敵な喫茶店のハシゴもしました。何より,目指すお店の目と鼻の先にある「珈琲専門店 TOM」は気に入って何度も通っているほどでした。鼻先によさそうな居酒屋をぶら下げられながらもお邪魔せずにいたのは値段の表記がないからといったうわさに聞く特異な事情があったからばかりではなく,単にぼくの怠慢さが起因するところなのでありました。 代々木のことをそれなりに御存じで,居酒屋を夜な夜な訪れるような方であれば「東ぎく」のことはきっとご存じなのではないでしょうか。この晩,同伴したのはT氏で,代々木はいやいやとむずかるのを何とか引きずり出したのでした。ここであっさりと前言を撤回するのではお叱りを受けてしまいそうなものですが,やはり値段がわからんというのは独りではちょっと不安なものです。T氏は店さえ渋ければそれでそこそこの満足感を得られることもあり,自信をもって連行したわけですが,どうも実際に店を目の前にしても気乗りのしない表情を浮かべています。ビル自体が新しいので,その1階の店子もまた歴史が感じられないようなのでした。確かに店にいくら歴史があっても建物に年季がないようでは物足りないと感じてもいたしかたありません。ぼくにはビルの様式も現在では見られなくなったものであるし,文字のかすれた看板や入口に切妻屋根風の軒が突き出ていたり,縁起の良い八角形の窓があったりして興味深く思えるのですが。ところが店に入ると互いの印象は逆転,ぼくには店内は案外凡庸に思われたのに対し,T氏はどこがいいかは判然とはせぬものの気に入ったようです。お喋り好きな女将さんに乗せられるままおでんなどを注文します。やはり短冊品書きには価格の記載がありません。われわれ2名と女将さんだけの店内はひっそり静まり返っていて,この経験がこの店の雰囲気のスタンダードになりそうです。肴の味は特筆すべきものではありませんでした。通常の居酒屋より3割増し程度の見当で脳内にてソロバンを弾いていたのですが,それをちょっと上回っていました。勘定を済ませる際,この店が1964年創業であることを伺いました。軒先には毎朝,大量の鳩の糞が地面に散乱していて始末が大変なのだそうです。 南新宿駅方面に進みます。新しいしゃれた雰囲気の気取ったお店ばかりがある中,やがて黄色いテント庇に黒字の看板を掲げたちょっとだけ渋い居酒屋があったので,お邪魔することにしました。黄色い看板と言えば「酒蔵 駒忠」がすぐに連想されます。今でも京橋やら秋葉原,御茶ノ水なんかに店がありますが,近頃めったに行かなくなりました。かつては好きでもなんでもないにも関わらず,居酒屋チェーンが今のような明るくて健全な雰囲気ではなかった当時の重苦しさを現在にも留めているのが逆説的ですが魅力となっています。どの店舗も繁華街から随分外れた裏通りにポッとある辺りは「養老乃瀧」と通じるところがあって魅力です。「養老乃瀧」の赤地に黒字の看板というのも思いがけない地方都市の外れで突如遭遇する「大吉」系列同様,看板装飾の一典型です。ともあれ,そんな古臭さが郷愁を掻き立ててくれたのでしょうか,黄色の看板につられて入ったのが「おつかれちゃん」です。店主夫婦のとりわけ奥さんが元気すぎて興ざめしたところがありますが,まずはごくごく普通のありふれた居酒屋さんだったので安心したのでした。ちなみにこちらのトイレは店を出てぐるっと回り込んだビルの中にあるので,財布の中身がさびしい際にはお出かけにならないことをお勧めします。
2014/02/27
コメント(0)
飽きた飽きたと言いながらついつい便がいいので行ってしまうのが高田馬場です。まあこの夜は高田馬場駅で乗り換えをする知人K氏と呑むことになって,しからば互いにアクセスしやすい高田馬場駅にしようということになったのでした。駅に着いて,連絡を取ると到着までまだしばらく掛かるとのこと。ぼんやり待つのもくやしいので,適当な店で時間潰しすることにしました。 それではと向かったのが「浅草厨房 高田馬場店」。K氏がお気に入りのお店です。「ニュー浅草」でお馴染みの畔上商事株式会社の新展開チェーン店です。とはいっても高田馬場店以外には神田神保町店だけのようです。気になったのでついでに「ニュー浅草」も調べてみたのですが,こちらもなんと浅草本店,高田馬場店,中野店,浜松町店,市ヶ谷店,飯田橋店の6店舗しかなかったのですね。てっきりもっと広範囲に展開していると思っていたのでちょっと驚きです。そうなるとチェーンだからと毛嫌いすることはなさそうですね。っていうかもともと居酒屋の少ない市ケ谷で呑むとなるとお手頃なこちらが候補に挙がることもしばしばなのでした。「ニュー浅草」はテーブル席が主で,独り呑みにはちょっとどんなものかなあという印象ですが,こちらはカウンター席もあってぼくを含めて独り客も使いやすいお店でした。酒も肴もお値頃価格でした。チェーン系でお手軽というと同じ高田馬場にある「清龍」も強力なライバルで酒の安さでは一歩譲るものの,「浅草厨房」は串揚や串焼などを少量で注文できるのが強み。どちらも応援したくなるよい居酒屋です。品書:酎ハイ:280,ホッピー:380(中:180),串揚:80or100,厚揚:330,焼魚/牛すじの煮込:380,フライドポテト:300 K氏の到着はまだみたいです。もう一軒寄ってみることにします。こちらはチェーン店と言っていいものやら,ネットでちょっと検索した限りにおいては高田馬場店ばかりが引っ掛かってきます。「ブタだるま 高田馬場店」のことです。ぐるなびなんかでも高田馬場店とあるので恐らくはチェーンなのでしょうが,はっきりしません。まあそんなことはどうでもよくて,早速「ブタだるま」に向かうことにします。早稲田通り沿いのビルの2階にこのお店はあります。店に入って,店のお姉さんに一人と告げると困ったような表情。どうやらグループ客をメインターゲットとした造りのお店のようです。通されたのは広い座敷で上がり框で靴を脱いで預けるスタイル,これが面倒なんですね。さて,大きなテーブルを独りで独占したまではいいのですが,奥(といっても座卓ひとつ置いただけ)の席では早稲田大学生らしき団体が大いに賑わっている。独りで呑む客を奴らはどう思っているのだろうと気掛かりではありますが,どうやらこちらのことなどに構ってはいられないようです。男女間の駆け引きが外部から眺めると手に取るように察せられます。でも中には野郎どもで寄り集まって色気とは無縁な一群もあって,ちょっと異様な雰囲気です。ところでこちらの肴,特にポテトサラダはなかなかのお味。店の雰囲気はどうにも乗れませんが,大人数での会合で安く上げるにはよさそう,さすが早大の学生たちは心得たものです。ああ,すっかり忘れていましたが,K氏とはまだ連絡取れず。独り侘しく2軒目を後にしたのでした。品書:ホッピー:400(中:200),生中:350,サワー:290~,やきとん:80~,肉巻厚揚:150,とんてき:580,ポテトフライ:330,赤皿(キムチ/もやしナムル取り放題):100
2014/02/07
コメント(0)
ひさびさ登場のA氏と代々木で呑むことにしました。O氏やT氏はこだわりが強くて,外観が意に沿わぬ酒場には頑として見向きさえしないので,今回向かうつもりのさほど年季のない店に行くような場合には,必然的に間口の広いA氏が登場する機会が多くなるのでした。 最初のお店は「代々木ミルクホール」です。平成23年創業のお店で以前から駅前のビル2階にあることは知っていたのですが,昭和大好きっていうムードを前面に押し出したコンセプト系の呑み屋さんです。昭和歌謡のレコード屋,キャラクターグッズなどが所狭しと陳列されていて,まあ眺めていて面白くないことはないのですが,人と一緒に来ると観察するよりもお喋りが主になるのでむしろ煩わしいばかりです。木造建築風の内装は悪くないですが,こうした昭和風居酒屋にはどこでもいえることですがどうしてもやりすぎてわざとらしくなりがちです。わざわざ郷愁を誘うような演出というのはいかにも短絡なコンセプトに思えてなりません。これならお化け屋敷居酒屋やメイド居酒屋なんかのほうが未来志向で,これらが将来の日本の居酒屋のスタンダードになることを想像すると怖気が立ちますが,それでも昭和をテーマにするよりは前向きに思えます。それにしてもこの大音量のナツメロはなんとかならないのか,まともに会話さえ出筋ではないか,とまあ文句ばっかり言ってるのはそれこそ後ろ向きです。少なくとも店の女のコたちはなかなか可愛いコが多いですね。お通しはスナック菓子,これはまあどうでもいいですが,この手の店では常套なのでよしとします。飲物も串揚げなどの肴も値段も安くてそこはケッコー。しかしあまりにもやかましいのでむしろここは独り呑み向きかも。ところでお勘定してみたところ,あまりにも高くて思わずA氏と目を見合わせてしまいました。これではスナック菓子が500円位することになってしまいます。単なる計算ミスであったことを期待します。 続いては「馬鹿牛」です。「吉田類の酒場放浪記」で紹介されていたので北までのこと,店も新しくさしたる期待はありません。値段がお高めなのも周知の上なので,店の雰囲気を味わったら早々にお勘定するつもりです。とまたもや消極的な気持ちで店に向かっています。そうまで気乗りしないなら行かなければいいではないかという声が聞こえてきそうですが,とにかく気になるところにはなんとしてでも行って,経験してみなければ気が済まないという生来の貧乏性故にこればかりは致し方がないのでした。さて店を目の前にしてもときめきはありません。テレビで見た通りの真新しい店ですが,店内は思ったよりもコンパクトでテーブル席も2人掛けが数卓ある程度。なんといろいろなメディアで取り上げられているにもかかわらず先客もありません。ご夫婦でやっておられ,当たり障りない程度に控えめに注文。丁寧に焼かれているのかもつ焼がなかなか出てきません。ちびりちびり抑え目に呑むつもりでしたが,喋ることもなく,呑むしかないのでついつい酒が進みます。時折,奥さんの視線を感じ,目線を上げるとこちらをじっと見つめていて,目線をそらしてくれさえしません。お替わりも追加のH注文さえないのかと無言のプレッシャーをかけられているように感じます。もつ焼は悪くはないものの格別の品とまでは言えず,どことなく店も沈んだ雰囲気です。ただご夫婦のお子さんらしき子供が店を駆け回っているのだけがうつろに店を明るくしているのでした。
2014/02/04
コメント(0)
先日伺った立飲み優良店「ともの一歩」から程なくに枯れた呑兵衛好みの酒場が軒を連ねています。わずか2軒が一軒家を分け合っており,いずれにお邪魔するか迷ってしまいます。同行したO氏との目線を交わしてみたもののいずれがよいとも決めかねるところです。お店の名は「夕湖」と「備中屋」で,どちらもなかなか渋めのネーミングでまたもやしばし悩むのでした。 ところが「備中屋」のガラス戸越しにちょいと覗き込んだところ,お客さんと目が合ってしまいそうなると入らないわけにはいきません。どうしても気になったらここを出てからお隣にハシゴすればいいだけのこと。せっかくですので,存分に楽しませてもらうことにします。ところが出鼻をくじかれるかのように狭いカウンター10席ばかりの店はほぼ満席です。こりゃとても無理だなと思ったところ,馴染みのお客さんらしき方たちが今出るとこなのでどうぞというお言葉を掛け,席を譲ってくれることになりました。ありがたくご厚意に従わせてもらいます。狭いながらも心地よい空間は,若くて無駄口を叩かないながらも丁寧な仕事ぶりが窺えるご主人の存在が大きく作用しているように思われます。そんな主人を支える馴染み客たちもみな明るく楽しんでおられて,こんな酒場に仕事帰りにちょいと立ち寄れるのは羨ましいことです。職場と自宅をこっそりと結びつける隠れ家にまさにぴったりのお店であると思いました。もちろん肴も酒呑みが好むものが充実していて,お通しさえが豆腐とこんにゃくの田楽風で,これが量も味も抜群でこれだけでもビールの2本,いやこれが出されるのが分かっていたらやはり日本酒のお燗を2合ほどいただくべきだったかもしれません。 すっかり満足したので,こちらも負けず客の入りがよい「夕湖」は次回以降に持ち越すことにします。早稲田通りの裏手の暗くて細い路地にはぱらぱらと居酒屋があるのですが,これまたあえて誘惑を振り切って向かったのは,明治通りを越えてすぐにある「大衆酒場 升や」でした。お隣の「やきとり みちのく」には以前お邪魔したことがあり,その時からこの酒場はいずれやってこようとようやく念願が叶ったのでした。立地がいまひとつのためもあってか,店には客はひとりも入っておらず,50代位の店主夫婦が下ごしらえでしょうか,何やら忙しそうにされています。なかなか渋いお店ですが,まあ町外れの裏路地なんかによくありそうないたって普通のお店ですが,さんざん呑み歩いてもこうした店に出逢えることは少なくなったように思われ,貴重な存在と言えるかもしれません。お値段はいくらかお高めということもありますし,もう肴は十分なので,鯛味噌と牡蠣の佃煮で日本酒の大徳利を何本呑んだか忘れてしまう程度にしたたか呑んだのでした。 その後,すぐそばの「アイヤー」なる酒場にO氏大いに惹かれるのですが,店内から漏れ聞こえるカラオケが気に入らないらしく荒川線の鬼子母神電停そばのおばちゃんが一人でやってる店に行きたいと言うので向かうことにしました,が,すでに閉店。すっかりくたびれたので,これ以上呑むのはやめて帰宅することにしたのでした。翌日のO氏からのメールを本人の許可を得て転載します。> 昨夜の後半は記憶がほとんどない。日本酒を飲んだことは何となく覚えているけど。> 気が付いたら東京駅にいた。これはマズイ、と電車に乗って、次に気が付いたら> 大宮駅で、終電がなくなっていた。で、タクシーで帰宅。4400円也。風呂に入って、> ちゃんと布団に入ったのが3時近かったかな。今朝はいつもの時間には起きられず、少> し遅れて(9時)出社。やや頭が痛い。
2013/12/12
コメント(0)
ちょくちょく足を運ばないと高田馬場の場合,流行に取り残されてしまいます。というのも店の新陳代謝が早いのか以前あったはずの酒場がいつの間にやらまったく別の店に変わっていることが少なくありません。そんなわけで出遅れ気味ではありますが,高田馬場に新規開店したというすでに多くの情報が流布されている2軒に出向くことにしたのでした。 最初の1軒は,早稲田通りを渡って山手線内側のガード脇を進むとあります。静岡おでんなど静岡の名物なんかを店の看板メニューとした「しぞ~か立ち飲み ガッツ」です。そういえば以前ここにあったのは「呑む呑む」という立飲み屋であったと記憶します。立飲み屋でありますが実態はほとんどが椅子席です。もともとは恐らくすべて立飲みだったのでしょうが,椅子席になったのにはどうやらここはいろんな意味で長居してしまいたくなるようなお店であるのが理由かと思われます。なんといっても肴の種類が豊富でどれも抜群に旨く(どれもというほどは全然いただいていないのですが),しかも安価で店の若い人たちがとても感じがいいとあってはついつい長居してしまうというものです。日頃あっさりし過ぎるほどの尻の軽いぼくでも,店の方からちょっとつまんでくださいとちょっとした差し入れをしてもらったりするとうれしくなってついつい今晩はここ1軒でいいかななんて思わせてくれるほどです。高田馬場には実にいい酒場ができたものです。でもこの晩はT氏と呑み歩くつもりなので,飲み食いもほどほどにして後ろ髪を惹かれながらも待合せている次なる店を目指さなくてはなりません。 続いての1軒は,学習院大学の坂の下,神田川と新目白通りに挟まれた場所にある「ともの一歩」です。こちらはカウンターの若い女性客や2人掛けのテーブルに着いたアベックこそ椅子に腰かけていますが,基本的に立飲みが主体です。おっと,お隣で立ち呑んでおられるおぢさんはなんと瓶ビールをラッパ飲みしていますね。なんとも豪快です。これはこの酒場の流儀なのでしょうか。われわれはお得なホッピーセットを注文です。オヤジさんがキンミヤらしき焼酎の入ったピッチャーをかざして何やらごにょごにょと呟いて,指でグラスを示します。どうやらストップを入れるまで焼酎を注いでくれるようです。いや~,うれしいなあとついつい富士山麓グラスの富士山の天辺を指さします。O氏はさらに欲張って文字のさらに上の方を指さします。これは「市民酒場 みのかん」に負けずとも劣らぬ濃さにできるじゃないかと,2人とも猛烈に感動です。オヤジさんによるとホッピーセットに中身2杯で十分へろへろになれるよということですが,まさしくその通り。肴のおでん種がちょっと小さいなとか足元のビールケースが邪魔だな(これはオヤジさんが手が空いた際に搬出されました)なんていうことはまるで問題にならないほどの小さな小さな瑕疵でしかありません。ここも驚くべき酒場でありました。品書:サワー:280~,下町ハイボール:320,とりのからあげ:350,あじフライ/メンチカツ/フライドポテト:250
2013/12/09
コメント(0)
戦後,新宿駅東口にあった和田組マーケットという闇市が代替地として移転してきたのが,ゴールデン街の起源となっています。新宿区役所と花園神社に挟まれた一帯に2つの商店会が寄り集まって構成しており,それぞれ3坪と4.5坪という狭小な店舗を構え,かつてはほとんどの店が飲食店の名目でいわゆる青線として営業をしていたらしく,今でも2階もしくは3階建ての店舗の上階にその名残が残されています。ゴールデン街の歴史については,今では多くの研究や書籍があり,詳細はそれらをご覧いただければ,いざ町を訪れる際にも漫然と横丁を眺めることに終始することなく興味深い痕跡を見出すことができるはずです。 われわれはすでにほろ酔い加減となっていますので,そうした高尚な街歩きとはすでに無縁となりました。実はゴールデン街で呑むのは初めてです。スナックめいた酒場が多いと耳にしていたので,ぼくの求める居酒屋めいた店とは隔たりを感じていたためです。横丁のムードは確かに昔日の盛り場気分が横溢としていますが,やはり店舗の雰囲気は居酒屋というよりはスナックやショットバーのようなお店が多く,実際チャージがあって,ボトルをキープして呑むというスタイルが主流のようです。そんな中にある「ばるぼら屋」は例外的に居酒屋風のお店なのでお邪魔することにしました。案外広く感じられる1階はカウンターだけの造り,びっしりお客さんで埋まっているので諦めかけたら2階が空いているとのこと,それは何よりといそいそと2階に上がり込もうとするもののぎっしり詰まった客席の後ろを這い抜けてようやく辿り着いた小部屋はいかにもチョンノ間風で,窓からはゴールデン街が眺められるのが堪らなく楽しいのでした。このところ座敷に座り込むと悪酔いすることが多く,それはどうやら店を出る際に立ち上がった瞬間に血の巡りがよくなってしまい,一気に体内中を大量のアルコールが循環することによるものと思っています。変わり種の焼酎を数杯と評判通りよい味付けの牛すじ煮込みをいただくと手早く店を出ることにしたのでした。周囲にも入りやすそうなお店がちらほらあったので,また遠からずゴールデン街には足を運ぶことになりそうです。品書:ホッピー:450,キンミヤ梅割:400,牛スジ煮込/煮込み豆腐:450,牛スジカレー&パン:小:550,目玉焼:300 次も酒場放浪記のお店にしようということで花園神社の参道脇にひっそりと佇んでいて,これまでも何度も通過しながら入りそびれていた「川太郎」に向かいますが,あらら残念,この夜はお休みだったようです。落ち着いた様子のこの店でようやくじっくりとお喋りできるかと思ったのですが。それではと新宿三丁目の老舗焼鳥店「鳥 田むら 本店」を目指します。どうやら席も空いているようです。ところが混んでるからとすぐそばの支店に店の可愛らしい女の子の従業員に連れて行ってもらいました。さて,われわれ4名は,すっかり腹もくちくなっているのでとりわさなどの軽いものを数品で〆るつもりだったのですが,なんと張り紙に焼鳥は1人6本以上とあるではないですか。これから6本の焼鳥とはあまりにもむごい。店を出るのも気が引けたのでとりわさなどはキャンセルして焼鳥6本に挑むことになったのでした。まあ味はそこそこですが,こうした決め事があるなら店に入るときに教えてもらいたいものです。もつ焼の「カミヤ」なんかもそうですが,知ってる人はともかくお客さん皆がそんなローカルなルールがあるなんて知ってるはずもないのだから。別に知っていれば悪い店とは思いませんが,この焼鳥屋とは巡り合わせが悪かったようです。 そんなわけでやや不満を残すことになってしまいましたが,腹もいっぱい,酒もたらふく呑んだのでここで解散。ところが自由人のF氏はまだまだ引き揚げるつもりはなさそうで,ひとり夜の新宿に消えていったのでした。
2013/11/28
コメント(0)
あまりにも町の規模が大きくて足を向けるのが億劫になってしまう町というのがいくつかあって,その筆頭が新宿と渋谷です。自分のリズムで歩けない町というのが基準になっていると思うのですが,池袋辺りならまだまだ人混みもさほどのものではないのですが,新宿や渋谷ではでれでれとだらしなく歩く人波を掻き分け掻き分けということになります。立ち寄らざるを得ないような所要があることも少なくありませんが,呑みに行くのは自然と敬遠することになります。この夜は日中に年長の知人F氏からお誘いがありました。場所はどこでもいいということです。F氏は見てくれがぼくのように凡庸ではなく,このオヤジの職業を勘ぐってみたくなるほどにいかつい印象を与えます。つまりはF氏を盾にしてずかずかと新宿の町を闊歩しようという魂胆を抱いたのでした。「吉田類の酒場放浪記」の未訪店が何軒もあるので,冒険心はかなぐり捨てての新宿巡りとしました。 まずは,思い出横丁の「志の笛」です。ここら辺は何軒もお邪魔していますが,どうしてだかここは初めての訪問です。いつものS氏とO氏も合流することになったのですが,彼らは仕事で出遅れるとのこと。狭い店なので先に2人で呑んでからハシゴするつもりのお次で合流するつもりが,全員ほぼ同時に到着してしまいました。案ずることもなく先客は2名ほど。1階のカウンター席に惹かれますが,4名なので2階に通されます。昭和26年創業ということらしく,さすがになかなかよい雰囲気ですが,2階ではあまり気分が出ません。まあ,こうした狭い横丁の酒場というのはビルの地下飲食店街と同様,はた目には面白そうに見えても実際入ってみると遠目に眺めるほどには変哲ないことが多いもので,無理して入るまでもなかったりすることはよく分かっているものの,そうした感想を述べるためにも1度は経験しておく必要があります。横丁のもっとも往年の酒場らしさをとどめている「カブト」でさえ,鍾乳石のようにしたたり伸びる真っ黒な油のつららなど見どころは多いもののひとしきり眺めつくすと,後に待っているのは窮屈さばかりで辟易とさせられました。しかもこの辺りは総じて値段はお高めなことが多いのもしょうがないとはいえ,面白くないものです。ともあれこちらも店も思い出横丁では古参とはいえども通い詰める人たちはよほど思い出や思い入れがある方たちということなのでしょう。われわれは控えめな飲食のみのあくまで待合せ場所としてだけの利用で十分満足してしまったのでした。品書:生中/ジンジャーカシスハイボール:525,サワー:420,ヤキトリ:150,もつ煮込/やきワンタンピザ風:525 続いては新宿ミラノビルのそばの路地にある「大衆酒場 萬太郎」に移動します。こちらも酒場放浪記で紹介されていました。以前は時折ミラノボウルでボーリングなどした後に酒場探しに迷ってふがいない店選びを強いられたものですが,ほんの1本路地を入っただけでこれだけいい雰囲気の酒場があったとは迂闊にも知らずにいました。カウンターに長テーブルが櫛形に並んでいて,かなり窮屈な造りです。一瞥したところかなりの入りだったので4名一緒は厳しいかと思いきや,さすが店の方もお客さんたちも慣れたもので席を譲り合ってくれてきっちり4名が収まることができました。こうした相席が当たり前になっている店でも近頃は場の空気もまったく頓着せずに自分たちの世界をひたすら固辞しようとする傾向が強まっていますが,ここの常連たちは酒場の流儀をわきまえた人たちが多いようです。われわれ4名ともすっかりご機嫌になって,これまでまったくこの店を知らなかったが,これからはちょくちょく顔を出したいものだと好意的な意見が飛び交います。これであと飲物の値段が30円安ければさらに印象がアップするのにとO氏などは呟くわけですが,それ位のことは目をつぶるべきでしょう。ぼくにとっては新宿の町で「番番」などとともに使える酒場が一軒でも増えたことは大いなる喜びに感じられたのでした。品書:ビール大:550,酒:330,酎ハイ:380,煮込:400,焼物:130~
2013/11/27
コメント(0)
もともとそうだっただけかもしれませんが,中井駅の周辺はいかにもさびしい。まさかあの赤塚不二夫が暮らした町がこれほどまでにどんよりと暗いムードであるとは思ってもみませんでした。と書くと中井を訪れたのが初めてかのような印象を持たれてしまうかもしれません。実際,西武新宿線の電車で下車したことはありませんし,以前よく自転車でこの辺りを走り回っていたはずですが,お隣の下落合駅と中井駅は印象が薄く,気付かぬ間に通過してしまっていたようです。今では駅周辺のごみごみとした小規模な中井商工会の旗にはバカボンのパパの絵が描かれ,ああここが中井なんだと気づくことができるかもしれませんが,当時はそのようなものもなく赤塚不二夫がトキワ荘を出てから住んだのはどこだったのかすっかり忘れてしまっていました。たまたま高田馬場駅からだらだらと歩いていていつの間にやらこうして中井駅前に至らなければいまだに訪れる機会はなかったかもしれません。都心から近い割にまったく印象の薄い土地のひとつなのではないでしょうか。なんとなく新井薬師方面に向けて目当てもなく歩いていたのですが、こぢんまりとした商店街にぶつかったので寄り道ついでに散策していたら、テレビなんかでもたびたび紹介されるお店を見掛けたので入ってみることにしました。 そういうわけで最初にお邪魔したのは、赤塚不二夫が通い詰めたという「炉ばた焼 権八」です。立派な構えの居酒屋というよりは和食屋さんのようでいささか気後れしないでもありませんが、偶然の出会いを大事にしてみようかなということで入ってみることにしました。まあここだけを目当てに電車に乗るのはいささか物足りなさそうな土地に思われたので、改めて訪れるのは面倒だという気持ちもありました。店内は外観よりはいくらか庶民的な装いで、カウンター席に小上がりがあり、店の奥は赤塚不二夫とその仲間たちの城跡であったとなにかの番組で紹介されていたのを思い出します。随所に赤塚不二夫の色紙やら写真などが飾られていて、確かに相当の常連さんであったことが窺えます。カウンターの目の前にはさすがろばた焼のお店らしく大きめの焼場があって、でも注文は財布と相談して焼鳥というのは我ながら情けないことです。それにしても客の入りが悪いなあ、客はぼく一人で、当然焼場の若主人のほか従業員の方たちの視線がぼくの飲食の進行具合に注がれていて、それが気のせいでないのは絶妙ともいえるタイミングでお替りに取りに来てくれるのでした。ちょっとお値段高めではありますが、けして悪くないどころか、赤塚不二夫のように小上がりで仲間たちとワイワイ楽しむにも適当なお店なのでした。 もう一軒位寄り道しておくことにします。このブログでは大抵ハシゴをしているので中井駅での呑みが一軒だけだとなんだか自分でも物足りなく感じられたのでした。「権八」を出て道なりに進むとすぐにすばらしくオンボロなお店に行き着くことができました。まさにこのブログ向き、というかぼく好みの枯れたというよりは朽ちかけたような酒場「狭山」です。奥にずっと伸びたカウンターのみの店内で1席だけの空き席を除くといかにもな常連たちがずらり並びます。しばし様子を窺いつつ、大変明るくて、ちょっと太鼓持ちっぽい調子の良いオヤジさんに酒を注文します。客たちはいずれも単なる常連ではなくどうやら多くの人たちが同じ学校の出身のようでえらいところに飛び込んでしまったもんだと楽しみながらもいくらかの居心地の悪さを感じていたのでした。するとそれを察したのか、単なる気まぐれからかお隣のおっさん(このおっさんも同窓で、オヤジさんは7期ほど上級とのこと)が親しげに語りかけてくれます。解体業をやってるというこのおっさん、やけに陽気で店のことやらをいろいろ語ってくれるのですが、どうも言ってることに矛盾があってどこまで信じてよいのやら、しかもなんだか銀行で振込みしなきゃならない用事があるらしくやたらと携帯電話でやりとりしては表に出たり忙しいことこの上ない。相棒の目付きが悪いが案外人の好い金髪オヤジとなんだか会話にならないような会話を交わすのでした。反対隣りのオヤジも酒が入って気分がよくなったのかあれこれ語りかけてきて、ここら辺にほかにいい飲み屋がないかと尋ねると店を出て左に曲がってまっすぐ進んで……とやたらと詳細かつわかりにくい説明をされ、この店の客たちは大体そこにも顔を出すんだなんて語ります(ちなみにこの店は見つけられませんでした)。酒も肴も安くてえらく濃密な雰囲気のこの店すっかり気に入りましたが、はたしてお勧めしてよいものやら判断に迷うところなのでした。
2013/09/30
コメント(2)
高田馬場という町は,学生街という思い込みがあって実際それは間違っていないと思われますが,どうしても学生がわらわらと町を我が物顔に闊歩している中,中年サラリーマンがひとりぶらぶら呑みに行くのは,どうしても抵抗があって彼奴らのいない隙を縫って出向くことになります。 で最初にお邪魔したのが新しくできた(と言っても開店して1年近くは経っているようですが)「カクチ 高田馬場店」です。高田馬場の飲み屋通りであるさかえ通りをとぼとぼ歩いて,神田川までもう少しといった通りの末端に店があります。立飲みという触れ込みですが椅子があります。広い店内でゆったりはしていますが,なんだか味気ないです。客はあんまり入っていないです。それにしても「カクチ」ってどういう意味でしょう。「カクチ」で検索するとCactiなるネットワークのモニタリングツールなんかが引っかかってきますが,これはカクタイ(訳はサボテン)と呼ぶのが正しいようです。まったく気づかなかったのですが,ひさしのテント部分に角地と書かれているようですが,これは普通かどちと呼ぶはずだったなあ。としたら経営者が角地さんなのでしょうか。メニューが豊富でそれはそれで結構なことなのですが,なんだか印象が薄いのです。韓国系の品が揃っていますが,充実しているというほどでもなく,逆に店の印象を薄くしているように思われます。というわけで実はほとんど記憶がないのでありました。なので次のお店に行くことにします。品書:金麦:198,角ハイボール:298,ひと口骨付カルビ:480,鶏肉カルビ:380,枝豆/ミックスナッツ:180 そのすぐそばに「めし処 ひとりむすめ」に入ってみることにしました。お察しのとおりの大衆食堂です。典型的な古ぼけた食堂の造りで,まずまずよい雰囲気です。お客さんは2人だけ。いずれも残業を抜け出して,定食で腹ごしらえしに来ているようです。量も多くて満足度が高そうです。立飲み屋で空いてるのはいたたまれない気分になりますが,こういう食堂だとさほど気になりません。ちょっと珍しいくわ茶割をお願いして,ポテトサラダ(これまたたっぷりで味もいい)でゆったり呑んでいると,残業中のサラリーマンを横目にちょっと優越感を味わえます。この食堂は,居酒屋遣いに十分耐えうるよいお店でした。品書:ビール中:500,くわ茶割:350,玉子焼:300,フライ盛合:530,ポテトサラダ:200,銀ダラ塩焼:530 高田馬場では例外的に閑散としたお店をはしごすることになりました。しかしさかえ通りに出ると,学生がいないときでも,サラリーマンのオヤジたちがわらわらと徘徊しているのでした。
2013/09/20
コメント(0)
高田馬場のさかえ通りは,小規模ながらも古ぼけたチェーン店ではない酒場がいまでも多く立ち並んでいて好きな飲み屋街のひとつです。基本的には一本道ですが横道や路地,飲食ビルなどがあって,ちょっとした迷宮感覚も味わえます。さすがにいくら泥酔しても迷子になって抜け出せなくなるなんてことはなさそうですが。この夜は知人のK氏と一緒,一度行ってみたい店があるとのことなので落ち合って案内することになりました。 K氏は50代も半ばの立派なじじい(自らじじいとのたまい,定年退職することを常に夢見ている)ですが,それまでは月に数回付き合い程度に飲むだけの人だったのが,ありふれたごくごくつまらないいくつかのストレスから50歳代になって突如,ひとり酒に目覚めたのでした。にわかには信じがたいことですが,それがきっかけてどういうわけだかごくごくつまらないストレスの一因である夫婦仲が好転し,ますます帰宅時のひとり酒に拍車が掛かっているという人なのでした。そんなじじいが行きたがっているのが 「双葉 本店」です。ここはぼくもお気に入りの店なので喜んで案内することにします。この店の良さはいろいろありますが,まずは店のムードも人も感じがよくて,うまくて安い,しかもなぜか空いてるときは驚くほどがらがらで快適なのでした。この夜もなぜか快適に過ごすことができました。じじいも満足のようです。品書:チューハイ:250,酒:280,ホッピーセット:380(中:200),焼物:100~,ピリ辛鳥煮込:300 このじじいは,50の手習いで飲み始めた頃には,いつもターミナルごとの決まりきった店に飽きることなど考えることもなくバカの一つ覚えで通い続けていたものですが,最近では店のヴァリエーションも広がりつつあるようです。ただし,まだマスターしていないのが「やきとり たぬき」のような女将さんがひとりで切り盛りするようなお店。小遣い生活者のサラリーマンであれば当然,値段の読めない店に入るのは躊躇うものですけど,大の大人がいつもいつも立飲み屋や若いあんちゃんねーちぇんばかりの店に通っているというのもなんだかさびしいものです。というわけなので,ますます酒場の深みに引き摺り込むべくまさに女将さん系の典型のような居酒屋に連れ込んだのでした。ぼくにとってはいつも通いなれたタイプの店ですが,じじいにとってはけっこう新鮮に感じられたようです。なんだかえらくでっかい玉子焼きみたいのを食べたのですが,これがおいしい。品書:ビール中:580,酒:350,プレーンサワー:400,もつ煮込:500,さんま刺身:400
2013/03/17
コメント(0)
こじんまりしたカウンターとテーブルが1,2卓ほどの店だろうと予想して入った「酒処 旬三昧 銚子や」は,予想を裏切りかなり広いお店でした。鰻の寝床府に長いカウンターが奥まで伸びており,並行してテーブル席もずらりと並んでいます。顔の輪郭さえはっきりしない位の店の奥に女性2名。手前のテーブルに和装の芸者風おばちゃんがいます。「銚子や」というとついつい小岩の名店が想起されますが,小岩のお店のような風情はさほど感じられませんが,居酒屋らしいいい雰囲気です。この日からのキャンペーンで生ビールが通常380円が250円ということなので生ビールを注文。適当につまみを注文して,のんびり飲んでいたら芸者風おばちゃんの席に酔っ払い爺さんが登場。パチンコでそこそこ儲けたらしくてご機嫌です。退屈な自慢話を聞くともなしに聞いて,一区切り付いたところで退店します。生ビールのキャンペーンチラシを店のおばちゃんからもらい宴会もできるのでぜひまたどうぞと一言いただきました。品書:,ハイボール:350,酒2合:650,ポテトフライ/ポテトサラダ:350,さつま揚/いかげそ揚/子持ししゃも:450 駅南口すぐのビルのすきまみたいな場所にある「みち」はうっかりすると見過ごしそうになるような小さなお店です。店のお姉さんはテレビアニメの「めぞん一刻」なんかを眺めてくつろいでいます。それなりにいい時間帯なのにのんびりしていると思ったら,主な客層は近隣の飲み屋の従業員ということで朝まで営業することも稀ではないそうです。そんなこともあって,肴の種類はあまり多くなくて,その代わりにお通しが多めに出されます。常連さんで成り立ってる店では大体似た傾向がありますが,どこから来たのとかお仕事は大久保なのとか決まりきった会話をひとしきりすると気詰まりになったりするもので,早々に切り上げることにしました。品書:ハイボール:450→400,おしんこ(大:400,小:350),ししゃも:400
2013/02/16
コメント(0)
寄りたい店に迷ったときに向かう町がいくつかあって,東十条がその筆頭ですが,さすがに随分猟色してきたこともあり,新規開拓は難しくなっています。それではまだ入りそびれた酒場の多い,大久保に向かうことにします。比較的知られた店の大部分は敷居をまたいでいますが,まだまだ見過ごしている店がかなりありそうです。 それでは早速適当なお店に入ってみることにします。暖簾に「鬼無里」とあるお店,「どんどん鬼無里」というのが正式な屋号のようです。半円状のカウンターがあり,奥にはテーブル席もあります。カウンターの形状からもともとはろばた焼のお店だったのではなかろうかと思われます。母子らしきおふたりでやってるお店で,愛想がいいわけではないので店の人とのコミュニケートを求める方向けではありませんが,会話をするのも面倒な気分であれば快適です。値段がびっくりするほどではないまでもかなりの低価格なのもうれしいです。これならビンボーサラリーマンでも通えます。なのにこの客の入りの悪さはどういうことなの,不思議だなあ。品書:ビール大:380,サワー:250,酒:450,焼鳥・もつ焼:110~,魚河岸焼:120~,煮込/肉じゃが/肉豆腐:350 はす向かいすぐの「峰」に入ります。ガラスサッシの工事現場の詰め所風の店に入ると手前のスペースにはカウンターとテーブル席,奥にはテーブル席のある広いスペースがありますが,あまり奥のスペースが使われることはなさそうです。客の入りもぽちぽち。親子3人でやっているようです。下町セット(下町のハイボール+もつ焼3本)::500円というのがあったので,それをオーダー。下町のハイボールはけっこう濃くて,ジョッキに並々と注がれています。お通し:200円もありますが,これはお得です。もつ焼には塩・タレのほかにエスニック味があって,珍しいのでエスニック味というのにしました。さほどスパイシーでもなく,辛くもなく,なんだか掴み所のない味。定番の塩・タレがよさそうです。品書:焼酎水割:300,酒大:600,もつ焼3本/キムチ玉子とじ:300,じゃがベーコン/ピーコン:350
2013/02/15
コメント(0)
先日の早稲田でのはしごを堪能して、すっかり早稲田贔屓になったので早速またまた早稲田に行ってしまったのでした。今回は事前にちょっと調べておいたおでんの老舗店からお邪魔することにしました。 早稲田大学と新目白通りの裏通りにひっそりと店を構える「おでん 志乃ぶ」です。店は立派な日本家屋なのでいささか気後れもしますが,わざわざやってきたのだからというせこい勘定もあり,思い切って入ってみることにしました。おでん屋だから定番の種を頼むだけであればなんとかなるだろうという打算もあります。古い家屋を活かそうと妙に気張って装飾過剰になっているお店などにたまに出会いますが,こちらは無理なくありのままに利用されていて好ましい印象です。カウンター,テーブル席ともにほど埋まっており,特にテーブル席などは早稲田の学生の集まりらしく定員以上の人数がぎゅうぎゅうに詰め合っています。今時の人たちも歴史のあるお店には良さを見出しているようで安心です。おしぼりで手をぬぐって日本酒をオーダーするのとほぼ同時に出されたお通しを見てギクリ。なんだか想定外に立派なのです。急に弱気になっておでんの定番などを控えめに2品ほど。お酒を追加して早々にお会計。なんてことはなく案外お安く済みました。こんどはゆったり訪れたいお店です。ちなみに入口付近のカウンターは空調が効きすぎてちょっと辛いです。おでん屋の空気は薄ら寒いくらいでちょうどいいのでは。品書:ビール大:600,酒小/ウーロンハイ:400,牛もつ煮込:550,山かけ:400 椿山荘の崖の下、神田川と並行して明治通り方面に向かう細い通りを歩いていると怪しげな看板が目に留まります。急坂を上るとちょうど日本女子大学に出るあたりでしょうか。「やきとり 千乃」とあります。住宅街の片隅に人目を忍ぶように営業しているスナックなんかがたまにあり,一見客として訪れるのは少なからず躊躇わされるものですが,この店はさらにうらびれた裸電球の下がっているような細い階段を下った先にあるので,大抵の店なら遠慮なく足を踏み入れることに掛けてはまずまず自負のあるぼくでもこわごわ階段を下ることとなります。扉を開くとちょっと一安心。カウンターの中には人のよさそうな女将さんがおり,お客さんも地元のご老人と,元気におしゃべりするご婦人のみです。店の雰囲気もスナック風ではなく,それなりにちゃんと居酒屋然としています。想定外に小奇麗だったりもします。お三方とも突然の闖入者にいくらかなり驚いたご様子で,あれこれ問い掛けられますが,特別深入りするようなこともなく,お兄さん,ゴルフやんないの,お店のコンペあるのよなんてかなりのピッチで焼酎を飲むご婦人に誘われたりします。なにも特別なものはありませんが,気分よく飲むことができました。
2013/01/24
コメント(0)
早稲田通りを高田馬場駅方面に向かってぶらぶら歩いて次の店を探します。しばらく進むと渋い食堂が目に留まります。早速入ってみることにします。 「ワセダ菜館」というお店です。壁やデコラ貼りのテーブルなどが白いので古いお店でありながら明るい雰囲気です。テーブルがメインで各テーブルにはそれぞれひとり客がもくもくと定食を食べたり,ビールを飲んだりしています。奥にカウンターがあるのでぼくはそちらへ。寒かったので酒を燗してもらい,肉じゃが煮はレンジでチン。漬物のサービスがうれしいですね。肉じゃがはごくごく普通の味でそれがいいんですね。高齢の女将さんと厨房を預かるのがその息子さんらしき方で切り盛りされていて,理由はよく分からないのですが,哀愁が漂います。品書:ビール中:420,酒:315,チキンカツ:180,ポテトサラダ/肉団子:150,目玉焼/ハムサラダ:270,金ぴらごぼう/肉じゃが煮:170 いい気分なので都電に乗ることにしました。いい気分だとどうして都電なのかはともかく都電の早稲田電停に向かいます。早稲田大学大隈講堂を通過,そうそうすっかり忘れていましたが,ビルの奥まったところに気になる店があるのでした。「どん平」というお店です。つい先日「ハシゴマン」でも紹介されたのですが,番組を見た限りは,さほど興味を掻き立てられはしませんでしたが,以前からの気がかりを解消するためにお邪魔することにしました。「一休」のようなごくごくありふれた居酒屋を想像していたのですが,うれしいことにカウンターだけのお店だったのですね。確か大森の「とん兵衛」もそうだったと記憶しますが,まっすぐ奥に伸びたカウンターは途中クランクしてさらに奥まで続いています。隅っこが好きなので,そのクランクしたところに腰掛けます。テレビの印象では,にぎやかな酒場をイメージしていましたが,この晩はお客さんは一見の方一人だけです。女将さんはこうした酒場にはある意味似つかわしくないような上品な方でこの一見さんはすっかりこの女将さんにまいってしまったらしくまた来るを連呼していました。勘定がひとりで4,000円近かったことからもよっぽど気に入ったということがわかります。むろんぼくもこの寂しいくらいに静かなお店を気に入りました。品書:ホッピー(中:250)/レモンサワー/酒:350,げそ焼:150,チーズ揚:250,シューマイ:300
2013/01/20
コメント(0)
急に思い立って早稲田駅にて下車。早稲田駅周辺は当然ながら早稲田大学のお膝元ということもあり,たびたび通りかかりはするものの,どの飲み屋も学生たちが大騒ぎしているのではなかろうかという懸念からさほど巡っていないエリアです。実際は,以前飲み歩いたときには学生たちの喧騒にいやな思いをするということもなかったのですが,変わりに同校のOBたちが知人・友人・親戚なんかを引き連れて昔オレはここに通い詰めたんだなんてことを語っている光景にやたらと出遭って,むしろそうした手合いに遭遇するのを避けたいという意識が強かったのかもしれません。 東京メトロの早稲田駅からすぐの「やきとり 一休」,ここは以前から意識しつつもようやくの訪問が叶いました。ところがスタンド看板の明かりが灯されていません。それでも暖簾は下がっているのでとりあえず扉を開きます。テーブル席もカウンターのそこそこ人が入っていますね。テーブル席に相席させてもらいます。相席したのは早稲田の学生たち。多少騒がしくはありますが,気になるほどではありません。お店のアルバイトの女のコは外国人でした。留学生なんでしょうか。話を伺う間もなく団体の学生さんが次から次へと入ってきます。2階が宴会場になっているようです。確かに安いからなあ。特に酒類は立飲みレベルのお値段。なるほど学生さんたちが好んで使うわけだ。品書:ちゅうはい:250,ウーロンハイ:300,生ビール:350,酒大:420,焼物:3本/あげシューマイ/厚揚/さめなんこつ:350,大根煮:400 早稲田通りの向こう側に「加賀屋 早稲田店」が見えたので覗いてみることにします。外観はけっこう渋い雰囲気です。店の中はテーブル席が主体でカウンターはわずかに2席のみ。テーブル席はすべて塞がっていて,1席空いたカウンターに滑り込みます。系列ではあくまで標準的なお店です。こちらには学生らしき姿は見られず,教員らしき人たちの会話が洩れ聞こえてきました。焼物はやはり安心のおいしさですが,お値段は若干高目かもしれません。それにしてもカウンターの造りがあまりにもせせこましいので,ひとり飲み派にはちょっと残念。3,4名で行くことをお勧めします。品書:ビール大:500,ホッピー/サワー:350,もつ焼:2本240,煮込み鍋:500,メンチカツ/沖縄ポテト:250,ベーコンステーキ:小350
2013/01/19
コメント(0)
目白駅界隈は比較的なじみの深い場所で折に触れて足を運ぶことがあっても、酒を飲むために(加えて喫茶店も)訪れるということはめったにありません。思いついて酒を飲みに行くこともありますが、多少懐に余裕がある場合でないとなかなか暖簾をくぐりにくい印象があります。比較的敷居の低い店と言えばどこの町にもありそうな幾分うらびれた感じの漂う「鳥八」が酒場らしいといえば言えないこともありません。界隈の最古参と言われる「BAR なすび」はさ酒の持込みが可能なお店で多くの著名人(土地柄学習院絡みの歴々が多数を占めているようです)も顔を出すということで、けして嫌いな店ではありませんが、どちらかと言えばスナック的な趣が強いようです。そばにある「いわし料理 すみれ」は個人的な経験によりけして通いたいと思える店ではありませんが、居酒屋としてけして悪い店ではないのかもしれません。 目白通りを山手通りに向けて歩き始めます。しかし歩けど歩けどこれという酒場は見当たりません。そこそこ歩いてうんざりし始めたころに着物姿に割烹着の御歳を召した女将さん風の姿を見掛けます。かねてより耳にしていた「秋田料理 五城目」はここにあったのですね。昭和35年創業という目白では老舗のお店で一度は暖簾をくぐってみたいとは思っていたのですが、思ったよりも高級なお店らしき外観にひるみますが、女将さんとばっちり目が合ってしまったので思い切って店に入りました。……。悪くはないのですが、ぼくにはやや相応しくないお店だったようです。そして実はこのお店には意識して酒場を巡り始めるはるか以前に一度訪れてしたたか飲んだことを思い出したのでした。そういう意味でまた歳を重ねてから訪れてみたいと思います。それまで店が続いていてくれればいいのですが。品書:ビール大:785,酒(新政):1合525,とんぶり/どじょうのから揚:525,山菜の天ぷら:1,050,山菜・身欠鰊・芋の炊合:840,ハタハタ寿司:600~ いささかくたびれてはいたもののさらに歩き続けます。間もなく山手通りというところに「丸八屋」というこぎれいな居酒屋があります。タイムサービスで生ビールが290円ということなのでされこれ迷うほどの店もないので入ってみることにします。店内は地方の町にある食堂のようで、妙にがらんとしていて高級住宅地の目白でこれだけの贅沢なレイアウトはもったいないなと思いつつ、客は一組だけなのでまあこれでいいのかと思いながらも、この閑散としたところにやや不安を感じてもしまいます。生ビールを頼むとお通しが。あらあら牛のたたきですね。テーブル席ばかりでカウンターがなくて独り身の客としてはやや心苦しく、お店の方も厨房にはどなたかがおられるようですが、完全に店の奥の奥といった場所におられるようで、姿が見えるのは女性の方のみ。先客3名は賑々しくしゃべられてはいますし、その会話も当然筒抜けで、騒音としてはむしろうるさすぎるほどですが、それはむしろ寂しさを際立てているようで妙に落ち着かない。駅から10分以上かかるという立地にあるお店というのは、むしろ遅い時間に地元の方が立ち寄るということが多いのではないかと推測します。値段もここら辺では良心的で清潔な店なのでなかなか再訪する機会はなさそうですが、頑張ってもらいたいものです。品書:HH(生中:290)[-21],ビール中:490~,サワー:330~,酒2合:750,枝豆/冷奴:260,トマトチーズ焼/もつ煮込:490,ひとくち餃子:290
2012/11/17
コメント(0)
自分とはまるで関係のない韓流ブームとやらで最近めっきり大久保に足を向けることが少なくなっていました。いつも韓流ファンの主に女性たちややけにスタイルのいい韓国人青年ばかりが跋扈する街ではおぢさんたちは居場所を見つけるだけで息切れしそうです。竹島問題のごたごたで近頃は人出が少なくなっているということなので久しぶりに大久保に出かけてみることにしました。こんなときこそおぢさんのやり方で少しでも大久保の町を活気づけれたらという思いもほんの少しあります。 もちろん大久保には韓流の店ばかりではなく、居酒屋や食堂の名店もたくさんあります。すぐさま「仙力 支店」、「くろがね」、「おかめ食堂」、「中華 日の出(日の出食堂)」などなどまさに日本の酒場というすばらしい店が思い出されます。「家庭料理 愛ちゃん」なんていう大久保駅の西南の方向にある怪しげな暗い路地にある店は場末度がかなり高かった記憶があります。 こんな大久保でせっかくなのではじめてのお店を中心に飲み歩きたいと思ってやってきました。A氏とT氏と待合せ。先に到着していたA氏と「炭焼やきとん 呑吉 本店」に入ります。ここはとりたてて個性のない凡庸なもつ焼の店ですが、まあさっと飲むにはよさそうです。店もかなりの繁盛振りなので、たまにはシブチンのお客がいてもあまり気に掛けることもなさそうです。それにしても世のオヂサンたちってのは驚くほどよく食べますね。お隣の一人客を眺めてもひっきりなしに何かしら口に放り込んでいます。それだけ食べたら酒が入らないだろうにと訝しんでいたのですが、やはりというかなんというか生ビールだけで5皿ほどを食べるだけ食べると店を後にしました。これから仕事の続きでもするんでしょうかね。帰宅するまでのつなぎの食事としては量も多いし、あまりにカロリーオーバーのようです。品書:チューハイ:350,ビール中:480,ホッピー:460,バイス:400,やきとん:130(ガツ/豚バラ:180),ホルモン煮込:430,刺身(生レバ/あぶりレバ/コブクロ/テッポウ):150 ここでT氏が合流。たびたびこのT氏が登場しますが、この彼はぼくよりはるかに厳しいオンボロ酒場好きで、生半可な店では満足しないという特異嗜好の持ち主。オババとボロさが最高の酒の肴らしく都内ばかりでなく大阪の西成辺りをこよなく愛するという人です。ところが灯台下暗しでこの人の地元というのがぼくなんかからするとかなりのC級地帯であるにもかかわらず(先日も喫茶店巡りで立ち寄って、改めて混沌としながら町が凋落する様を眺めてきたのですが)地元には愛着とは相反する感情を持っているようで、最近になるまでじっくりと足元を歩き回ったことがなかったようです。そんな老眼のような視野の持ち主には「瀧元」ではあまりにも上品すぎるとは思われますが、とりあえずお邪魔してみることにしました。威勢のいいお店の方たちは親切でいきなりウーロンハイ:200円也を注文するわれわれを嫌な顔一つせず明るく迎え入れてくれることに少し感動します。三種盛り付けられたお通しもおいしく、酒も安いとなると店が幾分平凡でも満足できるものですね。T氏もさすがに楽しく飲んだようです。ここでうまいものでも食ってから大久保らしいうらびれた酒場巡りをするというのもよさそうなはしごの流れと思います。昭和45年創業,ウーロンハイ/焼酎湯割:200,酒:350,鱈どうふ/かき潮汁:800 最後に入ったのは線路沿いにある「吾作」。ガラスの引き戸を開けるとコの字のカウンターにオヂサンがびっしり。なんとか入れてツイてました。ほろ酔いセットのようなものがあって、これが1,500円とのことですが、かなりの充実っぷり。ホッピーもお銚子一杯焼酎をもらうというスタイルもあってこれはいいなあ。酒も肴も安いし、店もボロい、おばちゃんも寡黙で感じがいい、これで客の入りがイマイチだったりすると申し分ないんだけどなあ。ここの雰囲気には辛口のT氏もご満悦のようでした。昭和51年創業ということですが、このスタイルの店でこれだけの歴史っていうのはすごいことですね。遅まきながらいい店に出会えた大久保の夜でした。ホッピー:380(中:200),生中:450,やきとん:100~,ウインナー&ポテト/肉しゅうまい/ロールキャベツ:250,ポテトサラダ/牛すじ豆腐:350 その後、A氏と別れてT氏と池袋に下車したのでぼくの池袋のお気に入りの一軒、「うな達」にご案内。いつも大混雑の店が時間も遅かったせいかOL二人組だけでぼちぼち店仕舞いという様子です。ここでも店の雰囲気にすっかり機嫌をよくしてしまい、数日後また訪れることになったようです。
2012/10/10
コメント(0)
江戸時代には美濃国高須藩藩主・松平義行の屋敷があり,明治時代になると屋敷にあった池や庭園が景勝地として親しまれ,周辺には料理屋が立ち並び,芸者の行き交う花街となりました。現在でも車力門通りや杉大門通りやその路地などに多くの飲食店が残っており,風情のある町として人気があります。四谷荒木町の居酒屋巡りはかねてからの念願だったのですが,なかなか機会に恵まれず,夜に訪れたのは初めてです。 最初に入ったのが「ととや」。太田和彦氏の著作でちょくちょく紹介されています。逆L字型のカウンターにテーブル席というなかなか渋い佇まいで,机や椅子,壁などもいい具合に黒ずんでいます。昭和47年創業ということですが,平成に入ってから移転されているということですが,内装などうまく活かされています。このお店,値段が分からずちょっと不安になります。実際値段もそこそこなのが残念。さきほどホームページを見たら値段などちゃんと記載されているのになんだか変ですね。 続いては堀切菖蒲園にあるもつ焼の名店の支店である「のんき 四谷店」に向かいました。こちらは店自体に味がないので魅力も半減。もつ焼はうまかったんですけどねえ。 「酒房 一」に移動します。店は古ぼけているけど昭和57年創業とさほど古くないんですね。マリリン・モンローのポスターがそこらじゅうに貼られています。ご主人がよっぽどのファンなんでしょう。黙っていてもお通し:1,000円が出てくるスタイルですね。この日はかんぱち刺身,生姜と一緒に炊いたじゃこ,筍の煮付けが出されました。それぞれがそこそこのボリュームがあって,安くはないですが量も味もちゃんとしてますね。酒類が高めなのでお得な焼酎にしておきます。一番安い五代というのをロックでもらいます。ウイスキーグラスにたっぷり注いでくれました。ポテトサラダを頼むとこれがすごいボリューム。味もそこそこで,悪くないですねえ。他の肴もこの量であれば何名かで来たら楽しめそうですね。 ここまでは有名店ばかりなので実はどうでもよくって,次には行った店が実は本題であります。 四ッ谷駅方面に移動しつつ店探し。ふと気付くと「弥助」なる定食屋らしき店が目に留まりました。なんとなく引き寄せられて入ってみることにします。カウンター5席にテーブル1卓の小さな店。品書きを見てびっくり。どれもこれも安いのでした。青汁割:200円にこの日のお勧めのかつおづけ焼:300円とシュウマイ:200円をもらいます。200円の肴もいろいろあります。サービスのお通しはチャーシューぽいのが2枚とこれまたうれしいですね。50代位の夫婦でやってる店。定食類は基本的に500円のようです。この土地でこの価格帯は驚愕と言ってよいのではないでしょうか。先客2名は常連らしいのですが,この値段であればもっと入りがよくてもいいのではないかと不思議な程です。いやあ,やはり歩いていると面白い店に出会えるもんですねえ。品書:サワー:200,ホッピー:400(中:200),麦とホップ/酒(菊正宗):300,かつおづけ焼/フライ2点盛/ニラ玉:300,煮込/奴/シュウマイ:200 気分が良くなったので,最後に「串友」に入ります。なんとなく引き寄せられて入ったのですが,うらびれた雰囲気はなかなかいいですね。肴類はあまりうまくないのですが,まあいずれも安いですからね。入店時はひとりも客が入っておらず大丈夫かいなと思ったのですが,しばらくして上智大学の学生でしょうか,20名位が来店。新歓コンパでしょうか。一気に店が活気に満ちてしまいました。ぼちぼち引き際とさっくり飲んで店を後にしたのでした。品書:ビール大:441,樽酒:347,酎ハイ:315,煮込/肉じゃが/キムチ:315,やきとり/やきとん:95~
2012/05/19
コメント(0)
新宿はあまりに巨大で身構えてしまうのに対し、高田馬場は気軽に足を運べるせいか、案外マメに通っているようです。だからといって軒数が多いのは本当に気に入っている酒場が多いからなので、この界隈は自分の性にあっているのでしょう。目白からは無理矢理という感じで一軒を東京メトロ有楽町線沿いの駅からは二軒を御紹介します。高田馬場 串かつ えいちゃん 駅前ビルの地下の飲食街にある一店。まだまだ新しい串かつ屋ではありますが、安くて、まずまずうまい串かつを食べさせてもらえます。がんばってもらいたい良店です。高田馬場 いこい 駅から明治通り方面にひたすら向かいその手前を曲がった薄暗い通りに建つホルモン店です。昭和42年創業とのこと。ひっそりとした雰囲気が好きです。日によっては早稲田大学の団体で大いに賑わうそうですが、できるときなら空いてる時こそ魅力を放つ酒場です。高田馬場 もがみ 早稲田口を出て目の前の早稲田通りを渡り、「幸寿司」の脇を進むと西武新宿線ガード下に小さな酒場が寄り集まっているところがあります。そんな中の一軒。特に一見さんでも過ごしやすいのがこの酒場。「ぽん吉」「里」なども楽しめます。高田馬場 おかしら 早稲田通りを落合方面に進んだビルの地下に、数軒の飲食店が入っています。ほとんどが営業していないようです。ただしこちらのもつ焼店は元気に営業中。コの字カウンターも悪くありません。何よりもつ焼がなかなかの味なのが魅力。高田馬場 とん八 高田馬場は学生街ということもあってか安くてうまい酒場がたくさんあります。駅前にはさかえ通りという飲み屋通りがあり、良店がたくさんありますがここはその筆頭、客は学生というよりはサラリーマンばっかりですが。屋号から察せられるとおりもつ焼の酒場ですが、その他にも安くてうまい肴がいっぱい。特にお勧めの一軒です。高田馬場 双葉 本店 同じさかえ通りにひっそりと渋く佇むこちらはまっすぐなカウンターが気持ちよく、ひとり飲みに最適です。値段も安くて気に入っている一軒。高田馬場 鳥やす 本店 さかえ通りでは最も知られていると思われる昭和42年創業の有名焼鳥店。焼鳥:2本148円は確かに安い。ただ、いつも大変な盛況でひとりで呑むにはやや落ち着かないかも。高田馬場 おおせ 駅から5分ほどの古めかしい一軒家の居酒屋。居酒屋という言葉がイメージさせるそのまんまの店で気分よくゆったりと過ごさせてもらえます。店内はなかなか風格があるのでお高いかと思いきや、酒1合や焼酎お湯割が250円でいただけます。高田馬場 山でん プレハブっぽい安っぽい造りの立飲み屋。立飲み屋の風情はこの店のような感じの方が俄然ムードがあります。立飲みにしては安くはありませんが、場末っぽい感じが好みであればなかなか楽しませてくれます。高田馬場 やきとり みちのく 早稲田大学方面に進み明治通りを越えたすぐの場所にあります。有名店「葉隠」の対面といったほうが分かりやすいでしょうか。かなりオンボロな一軒家の酒場。客の入りもあまりよくなさそうです。薄暗い店内のカウンターでいただく焼鳥と酒はけして旨いわけではありませんが、その店内の侘しさを感じるだけでどこか癒される気分になれます。早稲田通りをさらに進むと「鳥ぎん」という、これまた薄汚い酒場がありますが、こちらはオヤジさんが妙にテンションが高いのでひっそり呑むという酒場ではないでしょう(もちろん嫌いではないです)。目白 鳥八 酒場の不毛地帯である目白では数少ない普通の古い店として貴重な存在となっています。焼鳥屋としては、奥のテーブル席が複数グループが共有する大きなテーブルである以外は、極めて標準的ですが、煤けた店内の様子は目白ではここだけかもしれません。目白の住民はあまり酒を飲まないのでしょうか?江戸川橋 居酒屋 椎名 昭和40年創業の老舗です。江戸川橋は酒場のなさそうな土地ですが、案外古い酒場や角打ちなども残っていて意外や意外楽しいのです。この店はボロさ加減も酒場めいていいのですが、ひとつ難を言うとカウンタ席の椅子が固定されていて窮屈なことです。飯田橋 伊勢籐 昭和12年創業、昭和23年改築の有名居酒屋。ここは改めて語るまでもありません。たまには静謐なムードの中でしんみりとぬる燗をいただくのもおつなものです。
2011/11/30
コメント(0)
23区の西側に位置する新宿には、日本一の大繁華街・新宿をはじめ、韓国人と中国人が多数居住し、特にコリアンタウンとして名を馳せる大久保、戦災の被害が最小限で済んだことで古い街並みを残す神楽坂、江戸時代からの古い歴史のある四谷、老舗店やはり早稲田大学のある高田馬場、閑静な住宅街の落合などがあります。 この界隈はかなり歩いていますが、各線の主要駅周辺こそ居酒屋など多数見受けられますが、そこを外れるとぱったりと飲み屋さんがなくなるという特徴があります。こういう街と街の中間にある酒場こそ本当は気になるのですが、新宿区においてはかなり難しそうです。そのため以下のリストでもほとんどが駅周辺の酒場ということになっています。その1では、まだまだ取りこぼしが多いと思われる新宿周辺と大久保界隈を御紹介します。新宿 やきとり 番番 新宿という街はあまりに大都市であり過ぎるのか、古びた渋い酒場というのが存外残っていません。「やきとり 番番」もさほど古い焼鳥屋ではありませんが、ビルの地下の酒場ということで換気もよくないのでしょうか、店内はいい具合に煤けています。また壁が凹凸しているいびつな形状なため、カウンターもまた併せてくねくねとしていることが人数に応じた場所の選択を可能としており、非常によくできています。新宿 カブト 西口思い出横丁の一軒。この横丁の景色そのものがすばらしいのですが、ここぞという一軒となるとやはり昭和23年創業の「カブト」を挙げるべきでしょう。店内は長年に亘り炙りだされた黒い油を吸い込みつくし、つららのようにだらりと垂れています。窮屈な店内で酒を呑むと、かつてこの街が闇市時代であった記憶をひとときながら呼び起こしてくれます。新宿 岐阜屋 西口思い出横丁からもう一軒。場末めいた雰囲気でありながら価格だけは立派な酒場の多いこの横丁で良心的な価格を守っているのがうれしい。新宿 ぼるが 西口からすぐの「ぼるが」は昭和26年創業、蔦の絡まる建物は昭和33年築のようです。焼鳥や煙草で燻された黒々とした店内は抑えられた照明でさらに薄暗くて気持ちが鎮まるのを感じます。焼鳥は大振りで濃厚なタレが絡まりついつい酒が進んでしまいます。新宿三丁目 吉野 吉野酎ハイ:210円、もつ焼:5本367円の激安居酒屋。1階は窮屈なカウンター席がメイン、2階は座敷になっています。酒場としての面白味には掛けますが良心的な価格は魅力。新宿三丁目はまだまだ未踏の酒場が多いのでもっとマメに丹念に巡る必要がありそうです。新宿三丁目 サントリーラウンジ イーグル 新宿に残るサントリーバーの一軒。安いのはもちろんですが、安さに見合わぬゴージャスな店内がうれしい。支払いは安酒場価格でも気分はハイクラスの酒場で呑んだような気分を味あわせてくれます。新大久保 おかめ食堂 昭和20年代後半に開業したというこちらの食堂は、低いコの字カウンターもありいかにも酒場然とした風貌。オンボロ具合は、大久保界隈のボロ家ゾーンでもひときは目立ちます。食堂だし、肴もうまくはなく、酒も種類がない店ですが、愛さずにはおられません。新大久保 仙力 支店 「仙力 支店」です。近くには本店もありますが、大久保通りの細い脇道をちょっと入った支店が気に入っています。魚が売りの酒場でその安さが魅力です。大久保 くろがね 昭和42年創業の有名老舗酒場。有名店なのでこぎれいでもう少し活気があるかと思いきや、客もあまり入っておらずなんだかみすぼらしい感じさえ受けます。店内も雑然としているので、それがダメな人にはどこがいいのかまったくわからないというタイプの酒場です。それが好きな人にとってはとてもくつろげると思います。大久保 中華 日の出(日の出食堂) バラックのような中華屋さんで、好みの大いに分かれるところ。ぼくはもちろん好き、しかも安くて、料理もまずまず、女将さんも感じがいい。厨房の奥にあるトイレに行く際は床が滅茶苦茶滑りやすいので御注意を。
2011/11/29
コメント(0)
全93件 (93件中 51-93件目)